JPH11138773A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法および画像形成装置

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JPH11138773A
JPH11138773A JP30771797A JP30771797A JPH11138773A JP H11138773 A JPH11138773 A JP H11138773A JP 30771797 A JP30771797 A JP 30771797A JP 30771797 A JP30771797 A JP 30771797A JP H11138773 A JPH11138773 A JP H11138773A
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JP
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ink
carrier
image
recording medium
image forming
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JP30771797A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Machida
義則 町田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘度の高いインクを消費エネルギーの増大な
く、微小量だけ、高速に、かつ安定して噴射可能であ
り、種々の被記録媒体に対して滲みがなく、高画質、高
精細な画像を高速に形成可能な画像形成方法および画像
形成装置を提供する。 【解決手段】 平坦なインク担持体2の表面に着色イン
ク1を均一なパターン状に保持させ、画像情報に応じて
インク担持体2を部分的に加熱する。このときインク担
持体2と着色インク1の界面あるいは界面近傍に気体層
4が発生する。この気体層4が発生したときの圧力で着
色インク1を飛翔させ、被記録媒体6に付着させて画像
を形成する。特に、独立したインク滴状に着色インク1
をインク担持体2上に保持させると、着色インク1が周
囲から受ける抵抗力は非常に小さく、均一であるので、
高粘度の着色インクでも小さなエネルギーで高速に、し
かも安定してインク滴5を飛翔させて記録できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを飛翔さ
せ、被記録媒体に付着させて画像を形成する画像形成装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式をはじめとする種々
のノンインパクト記録方式の画像形成装置が開発されて
いる。ノンインパクト記録方式のうちでも、低価格化、
低ランニングコスト化、装置の小型化が可能であり、静
音性に優れるオンデマンド型のインクジェット記録方式
が最近特に注目されてきており、種々の方式のインクジ
ェット記録装置が開発、商品化されている。
【0003】代表的なオンデマンド型のインクジェット
記録装置では、インクを供給する流路と、インクを吐出
するためのノズルあるいは開口部と、インクを吐出させ
るための圧力を発生する機構を有している。特に代表的
なものとして、圧力を発生する機構として発熱体を用い
たサーマル型と、圧電素子を用いた圧電型がある。サー
マル型は、インクの流路中に形成された発熱体の熱によ
り発生する蒸気の圧力で、ノズル先端からインク滴を吐
出し、記録媒体に付着させて画像を形成するものであ
る。例えば、特開昭54−51837号公報、特開昭5
4−59139号公報などに記載されたものなどがあ
る。また圧電型は、流路中に設けられた圧電素子の変位
によって流路の容積を変化させ、その圧力によってノズ
ル先端からインク滴を吐出し、記録媒体に付着させて画
像を形成するものである。例えば、特公昭53−121
38号公報、特公昭53−45698号公報などに記載
されたものなどがある。
【0004】ところで、従来のノズルあるいは開口部か
らインク滴を吐出するインクジェット方式では、粘度が
1mPa・sから3mPa・sといった低い粘度のイン
クを使用し、30μmから50μm程度の小径のノズル
もしくは開口部からインクを吐出している。インクの粘
度が低いため、インクの吐出によるノズルあるいは開口
部内のインク量の減少に対し、インク貯蔵部からのイン
クの補充(リフィル)が高速になされる。これによっ
て、ノズル先端あるいは開口部のメニスカス(インクと
空気の界面)の回復が速いため、繰り返し印字周波数が
10kHzを超える高速印字を行っても安定したインク
の吐出が可能である。
【0005】しかしながら、低粘度のインクを使用して
普通紙に印字した場合、インクの浸透が速いために用紙
の繊維に沿って滲み(フェザリング)が発生し、それ自
体がざらつき感となって画質を低下させる。また、隣接
したドットが滲みにより連結した場合、解像度がその部
分だけ低下したことになり、画質を極端に低下させると
いう問題があった。また、インクの表面張力を制御する
などして浸透速度を抑えると、カラー画像を形成する場
合、隣接して打ち込まれた異なる色のインクと接触した
際に、混色滲み(ブリーディング)が発生し、やはり画
質を大きく低下させるという問題があった。
【0006】これらの低粘度のインクを使用した際に発
生する問題に対し、粘度の高いインクを使用することに
よって、インクの記録媒体への浸透速度を遅くしてにじ
みを防止し、また異色間の混合速度も抑制されて混色を
防止することができ、上述の問題の解決に非常に有効な
手段となる。
【0007】また、インクジェット方式を用いた記録装
置は、その普及にともなって用途が急速に拡大してお
り、これに伴って記録媒体の種類も多種多様になってき
ている。さらに、紙ばかりでなく金属、プラスチック、
ガラスなどの非吸水性媒体への適用も期待されており、
高粘度でタック性を有するインクを使用できるインクジ
ェット記録装置の実現が待たれている。
【0008】しかしながら、従来のノズルあるいは開口
部を用いたインクジェット方式では、インクの粘度を高
くしていくと流路抵抗が高くなり、インクの供給速度が
著しく低下してしまう。また、流路抵抗が高くなった
分、インク吐出に要するエネルギーも著しく増加してし
まう。例えば通常は市販の水性インク(粘度が1mPa
・sから3mPa・s)を使用するインクジェット装置
において粘度の高いインクを使用すると、インクの粘度
が10mPa・sを越えた程度からインクの供給が間に
合わなくなり、メニスカスの回復が間に合わなくなる。
このような状態でインクの吐出を行なおうとすると、不
安定なメニスカス位置からインク吐出が行われるため、
インクの吐出量および吐出方向のばらつきが大きくなっ
て画質が低下する。さらにインクの粘度が20mPa・
sを越えると、完全にインク供給が間に合わなくなり、
吐出抜けが発生するようになる。さらに、インクの粘度
が100mPa・sを超えると、仮に供給が間に合った
としても、従来の圧力発生手段ではインクを吐出させる
ためのエネルギーが不足し、インク吐出が不安定になっ
たり、あるいは吐出しなくなる。
【0009】これに対し、例えば特開平9−16911
1号公報では、流路抵抗を下げるためにノズル径を50
μmから70μm程度に大きくとり、粘度が10mPa
・sから100mPa・sと高粘度のインクを用いて、
高速に印字することを目的としたプリンタが提案されて
いる。この方法では、インクの粘度の増加に見合った分
だけノズル径を大きくしないとインクの供給速度が遅く
なり、繰り返し印字周波数が低下することになる。しか
し、ノズル径を大きくすると、吐出されるインク滴の径
が相対的に増加するため、解像度の低下および画質の低
下に繋がるという問題がある。
【0010】また、例えば特開昭62−90257号公
報で提案されているように、常温で固体のインクを記録
時のみ加熱して5mPa・sから10mPa・s程度に
低粘度化し、通常のインクジェット方式と同様に吐出さ
せ、被記録媒体に付着した瞬間にインクが冷却固化する
ことで記録を行ない、上述の問題点を解決しようとした
ものがある。しかしながらこの方式では、常にヘッド部
を加熱しなければならず、エネルギーの消費が非常に大
きくなってしまう。また、インク滴が記録媒体に付着し
た瞬間に固化してしまうため、インクの記録媒体への浸
透がほとんどなく、定着性に大きな問題がある。さら
に、インクが半球状に固化してしまい画像の表面が粗く
なるため、画像の表面で光が散乱し、画像部の光沢の低
下やOHPでの色の濁りが発生するという多くの問題を
有している。
【0011】さらに、例えば特開昭56−4467号公
報で提案されているように、ノズルあるいはスリット形
状の開口部からインクを静電的に吸引してインクを吐出
させる方式も考えられている。この方式では、インクの
吐出と供給(補給)が同時に行なわれ、かつインク滴の
径がノズル径あるいはスリット幅に依存しないため、イ
ンク供給に関してはインクの粘度に大きく依存しないと
いう利点がある。しかしながらインクの粘度を高くする
と、インクを吸引した際の尾引きが長くなり、微小ドッ
トの形成が難しくなる。また、尾引き部分からサテライ
ト粒子が発生し画質が著しく低下する。さらに粘度を上
げていくと、インクの内部凝集力のほうが静電的な吸引
力よりも大きくなり、印字できなくなるという問題があ
る。
【0012】また、商品化はされていないものの、ノズ
ルをもたないインクジェット方式が幾つか提案されてい
る。例えば特開昭51−132036号公報で提案され
ている方式では、深さが300μm程度のインク液面直
下に微小な電気発熱体を多数配置し、特定位置のものを
選択的に通電加熱し、これにより形成される気泡が液面
で破裂する際に放出されるインクの微小液滴によって記
録を行なう。この方式は低粘度インクを使用したものと
考えられ、実際に1mPa・sから3mPa・s程度の
粘度の低いインクを使用するとインク滴の吐出現象が確
認できた。
【0013】しかしながら、インクの粘度を高くしてい
くと、インクの粘度が10mPa・s位まではインクが
吐出するものの、気泡の破裂時にインク滴がはじけ、記
録用の液滴の他にさらに微小な液滴が周囲に飛散し、い
わゆるミスチングが発生して画質が著しく低下する。1
0mPa・sを越えてさらにインクの粘度を高くしてい
くと、微小な気泡が発生するもののインクの吐出が行わ
れなくなる。これはインクの粘度が高くなるとインクの
内部抵抗が大きくなり、気泡の成長を妨げるためと考え
られる。この方式におけるインクの吐出原理ではインク
の厚みはある程度厚くする必要があるが、内部抵抗力は
インクの厚みに依存するため、粘度の高いインクでは内
部抵抗力が増大して使用できない。またこの方式におけ
るインク供給方法はインクの流動性を利用したものであ
り、インクの粘度が高くなって流動性が低下するとイン
ク供給が間に合わなくなるという問題もあった。
【0014】また別の方式として、例えば特開昭62−
184860で提案されている方式は、ベルト状の支持
体に市販の水性インクを20μmから80μmの厚みで
塗布して搬送し、レーザー光によりインクあるいは支持
体を加熱して、上述の特開昭51−132036号公報
に記載されている方法と同様に、加熱により発生した気
泡の破裂によってインク滴を吐出させるものである。上
述の特開昭51−132036号公報に記載されている
方法に比べ、気泡の発生位置の変動を抑えること、気泡
の発生効率を高めることができる。またこの方法では、
支持体に塗布されてインクが連続的に搬送されるため、
インクの粘度が高くなっても供給が間に合わなくなるこ
とはない。
【0015】この方法では、インクとして市販の水性イ
ンクを用いているが、市販の水性インクの粘度は1mP
a・sから3mPa・s程度と低い。例えばインクの粘
度が10mPa・s位までは、インクを吐出した際にそ
の振動が周囲へも伝播してしまう。そのため、隣接した
画素に対応するインクを吐出する際には、前に吐出した
隣接画素から伝播した液面の振動が影響し、吐出方向や
吐出量が不安定になる。また、このような低粘度のイン
クをしようした場合、インクを吐出した後、吐出してイ
ンクが減少した部分に周囲からインクが流れ込み、隣接
した画像に対応するインクを吐出する際にインクの厚み
もばらついて吐出量などが不安定となる。さらに、上述
の特開昭51−132036号公報に記載された方式と
同様に、この程度の粘度であると気泡破裂時にインク滴
がはじけ、ミスチングが発生する。さらに、インク滴と
して分離しようとする際に周囲のインクからの引っ張り
力を受けるため、インクを吐出するためには大きなエネ
ルギーが必要となる。そのため、さらにインクの粘度を
高くしていくと、やはり微小な気泡が発生するもののイ
ンクの吐出が行なわれなくなった。
【0016】さらに別の方式として、例えば特開昭61
−118273号公報で提案されている方式は、インク
を保持するための多数の凹部を有する保持部材にインク
を保持させて搬送し、レーザー光によりインクを加熱
し、インク中に発生する気泡の圧力によってインクを吐
出させるものである。同様の方式は、上述の特開昭62
−184860号公報の第5図等にも記載されている。
図25は、従来のノズルを有しないインクジェット記録
方式の一例の説明図である。図25に示すように凹部に
インクを保持させた場合、インクは凹部の側壁と接触し
ており、この部分で抵抗が生じる。図25(A)に示す
状態から凹部の底面でインクを加熱して気泡を発生させ
ると、図25(B)に示すように気泡の成長とともにイ
ンクは凹部から押し出されるが、インクは凹部の側壁か
ら抗力を受けることになる。そのため、噴射時には大き
なエネルギー量が必要とされる。特にインクの粘度が高
くなればなるほど、この凹部の側壁との間の抵抗は大き
くなり、多大なエネルギー量が必要となるという問題が
ある。
【0017】さらに気泡が成長し、気泡が破裂する寸前
では、図25(C)に示すようにインクは凹部の先端部
において接触した状態となる。この状態から気泡が破裂
する際に偏りが少しでもあると、図25(D)や図25
(E)に示すようにインクの一部が凹部の縁の一部に付
着したままとなって、インクの付着力によってインク滴
の飛翔方向が変化して画質が劣化してしまう。このよう
な飛翔直前のインクの付着は、凹部の形状および凹部が
形成されている保持部材の表面状態に依存しており、こ
れらが全く均一でない限り、吐出方向を制御することは
困難である。
【0018】また、インクの粘度が10mPa・s程度
まででは気泡が破裂してインクが吐出されるものの、ミ
スチングが顕著である。
【0019】上述のフェザリングおよびブリーディング
の問題に対し、印字方法でなく被記録媒体やインク特性
を工夫して解決しようという提案も種々なされている。
被記録媒体を工夫して対応しようとしたものとして、例
えば特開平9−207429号公報で提案されているよ
うに、合成紙基材上に高分子多孔質層を形成し、この高
分子多孔質層にインクを瞬間的に吸収保持させること
で、上述の問題を解決しようとしたものがある。またイ
ンク特性を工夫して対応しようとしたものとしては、例
えば特開平8−281932号公報で提案されているよ
うに、性質の異なるインクを用意し、性質の異なるイン
クの接触により化学反応を起こさせ、インクを瞬間的に
固定することによって、上述の問題を解決しようとした
ものがある。
【0020】しかしながら、被記録媒体を工夫するもの
は、被記録媒体自体のコストが高くなってしまうし、被
記録媒体が特殊専用紙に限定されてしまい、記録方式と
して非常に狭い用途に限定されていまう。また、インク
特性を工夫するものは、インク自体のコストが高くなる
し、特に性質の異なるインクを用意するものはプロセス
的にも複雑になり、装置の大型化、高コスト化につなが
る。さらに、インクの材料が限定されるため、やはり記
録方式として狭い用途に限定されることになる。
【0021】このように従来のインクジェット方式の記
録技術は、粘度の高いインクを高速に、微小量だけ、安
定して噴射することができなかったため、インクの滲み
(フェザリング)や、異色インク間の混色滲み(ブリー
ディング)という問題点に対して有効な解決策が見出せ
ず、また多様化する記録媒体への適応ができなかった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、粘度の高いインクを消費エ
ネルギーの増大なく、微小量だけ、高速に、かつ安定し
て噴射可能な画像形成方法を提供するとともに、さまざ
まな被記録媒体に対して滲みがなく、高画質、高精細な
画像を高速に形成可能な画像形成装置を実現することを
目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、インク担持体
上の平坦な表面にインクを保持させ、インク担持体の一
部を画像情報に従って加熱する。すると、インク担持体
とインクの界面あるいは界面近傍でインクが沸騰し、沸
騰により発生した気泡の圧力によってインクを飛翔させ
ることができる。このとき、インクがインク担持体と接
触しているのはインクの底面のみである。そしてインク
の飛翔時には、インクの底面は加熱によって発生する気
泡によってインク担持体と分離されている。そのため、
インク担持体との接触による抵抗が発生せず、大きなエ
ネルギーを必要としない。また、飛翔時にインク担持体
と接触していないため、噴射方向が安定し、高画質、高
精細な画像を形成することができる。さらに、インクの
供給はインク担持体上に保持されて連続的に加熱位置へ
搬送することができるため、インク担持体によるインク
の搬送速度で記録を行なうことができ、インクの粘度に
関係なく高速に供給することができるので、高速な画像
形成を行なうことができる。
【0024】インク担持体上にはインク滴状あるいはス
トライプ状などの均一なパターン状にインクを保持させ
ることができる。特にパターンがインク滴状の場合に
は、インクが飛翔する際に周囲のインクから受ける引っ
張り力などの抵抗力はなく、安定してほぼ垂直方向にイ
ンクを飛翔させることができるようになる。また、周囲
からの抵抗力がないため、粘度の低いインクから粘度の
高いインクまで、非常に小さなエネルギーでインクを飛
翔させることができ、粘度が多少変化してもインクの飛
翔に関する影響はほとんどない。さらに、インクを飛翔
させた際の影響は周囲に全く伝播しない。そのため、周
囲の画素に関係なく記録を進めることができ、高速に、
高画質、高精細な画像形成を行なうことができる。
【0025】また、インク担持体上にインクを保持させ
るパターンがストライプ状の場合でも2方向にインクが
連続するのみであるため、周囲から受ける引っ張り力な
どの抵抗力も非常に小さく、またインクの諸特性は均一
であるため、加熱領域のインクはほぼ垂直方向に安定し
て飛翔する。また周囲との抵抗力が小さいため、粘度の
低いインクから粘度の高いインクまで非常に小さなエネ
ルギーでインクを飛翔させることができ、粘度が多少変
化しても吐出に関する影響は小さい。また周囲の画素か
らの影響も画素の記録方向を調整すればほとんど影響を
受けない。そのため、高速印字が可能であり、高画質、
高精細の画像が形成できる。さらにこのパターンは、先
端に凹凸を有するブレードなどの非常に簡単な手段でイ
ンクをインク担持体上に形成塗布することができるとい
う利点もある。
【0026】これらの各パターン状にインクをインク担
持体上に保持させる場合、飛翔するインク滴量は、イン
ク担持体上にパターン状にインクが塗布された段階で一
定量に決定されるため安定である。また、インク担持体
上に保持されるインクのパターンを微細に、つまりイン
ク滴状であればインク滴を微小に、ストライプ状であれ
ばストライプを細く形成しておけば、飛翔するインク滴
量を低減でき、微小なドットを再現できる。
【0027】インク担持体上にインクを保持させる際
に、上述のようなパターン状のほか、厚さ20μm以
下、好ましくは10μm以下の均一な薄層としてインク
を保持させてもよい。この場合、インクが飛翔する際に
は加熱領域の周囲のインクから引っ張り力などの抵抗力
を受けるが、インクの層の厚さを20μm以下の薄い層
として形成することによって周囲からの抵抗力を低減す
ることができ、またインクの諸特性は均一であるため、
加熱領域のインクをほぼ垂直方向に安定して飛翔させる
ことができる。また抵抗力が小さいため、粘度の低いイ
ンクから粘度の高いインクまで小さなエネルギーで飛翔
させることができ、粘度が多少変化してもインクの飛翔
に関する影響は小さい。さらに、インク担持体上に薄層
を形成する方法は、特に細工のないブレードやロール部
材などの非常に簡単な手段で実現でき、インクをインク
担持体上に高速に安定して薄層塗布できる。この場合に
飛翔するインク滴量は、インク担持体上にインクが塗布
された段階で一定量に決定されるため安定である。ま
た、インクの薄層の厚さを非常に薄く形成しておけば、
飛翔するインク滴量を低減でき、微小なドットを再現で
きる。
【0028】このように薄層としてインクをインク担持
体上に保持させる場合、粘度が10mPa・s以上の高
粘度のインクを用いた場合でもインクを飛翔させること
ができる。低粘度のインクを用いた場合、インクを噴射
した後、インクが抜けた部分に周囲からインクが流れ込
もうとする。しかし、このような高粘度のインクを用い
た場合、インクを噴射した後、周囲のインクはその粘度
によって移動する速度は非常に遅く、隣接する画素に対
応するインクを飛翔させる場合にもほとんど影響を受け
ない。そのため、高速に高画質、高精細の画像を得るこ
とができる。
【0029】なお、粘度の高いインクを用いて被記録媒
体上に画像を形成した場合、インクの被記録媒体への浸
透が遅く、十分浸透しない状態で乾燥してしまうため、
画像の表面が粗くなって画像の光沢が低下してしまう。
これを防ぐため、画像を形成した後に例えば被記録媒体
を加圧してインクを被記録媒体へ押し込むあるいはつぶ
すことにより、表面粗さを小さくしてもよい。
【0030】また、非常に高い粘度のインクを使用する
と、乾燥が遅くなって記録速度を向上できない場合が生
じることがある。これを防ぐため、画像を形成した後に
例えば被記録媒体をさらに加熱して乾燥を促進させ、記
録速度を速くすることもできる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の画像形成方法の
第1の実施の形態を示す原理説明図である。図中、1は
着色インク、2はインク担持体、3は加熱部、4は気体
層、5はインク滴、6は被記録媒体である。この第1の
実施の形態では、図1(A)に示すように着色インク1
を独立したインク滴状にインク担持体2上に保持させ、
インク担持体2を画像情報に従って加熱部3で加熱し、
インク滴5を飛翔させる例を示している。
【0032】インク担持体2は、着色インク1を保持す
る表面が平坦に構成されている。またインク担持体2
は、外部からの加熱により、あるいは内部の発熱によっ
て、着色インク1を保持した表面がほぼ選択的に加熱さ
れるように構成されている。被記録媒体6は、インク担
持体2の着色インク1を保持する面と対向して、微小間
隙をもって配置されている。
【0033】図1(A)に示すように着色インク1がイ
ンク担持体2上に独立したインク滴状に保持された状態
で、例えば図1(B)にハッチングを施して示した加熱
部3を選択的に発熱させる。あるいは外部からインク担
持体2のこの領域を加熱する。すると、独立したインク
滴状の着色インク1とインク担持体2との接触界面ある
いは界面近傍の着色インク1が沸騰して気化し、図1
(B)に示すようにインク担持体2と着色インク1の間
に気体層4が発生する。これによって、インク担持体2
と着色インク1の付着力が低減され、同時にそのときの
気体層4の急激な体積膨張圧力によって図1(C)に示
すようにインク滴5が飛翔する。このとき、インク滴5
は周りに接触するものがないため、周囲から受ける抵抗
力がなく、垂直方向に安定して吐出する。またインク担
持体2との付着力が小さく、周囲からの抵抗力がないた
め、非常に小さなエネルギーでインク滴5を飛翔させる
ことができる。飛翔したインク滴5は、図1(D)に示
すように被記録媒体6に付着し、記録が行なわれる。
【0034】このとき飛翔するインク滴5の液量は、図
1(A)に示すようにインク担持体2上に形成されたイ
ンク滴状の着色インク1の液量となる。そのため、着色
インクをインク担持体上に保持させる段階で、インク滴
状の着色インク1の液量が一定量となるように制御すれ
ば、安定した液滴量により記録を行なうことができる。
例えばインク滴状の着色インク1の液量を微小に形成し
ておけば、インク滴5の液滴量を低減でき、微小なドッ
トを被記録媒体6上に再現することができる。これによ
って高精細な画像を形成することができる。
【0035】この例では連続した2ドット分の着色イン
ク1を同時に飛翔させているが、もちろん1個単位で飛
翔させることができ、また、3個以上のインク滴を同時
に飛翔させることもできる。この例では上述のようにイ
ンク滴状の各着色インク1は周囲からの影響を受けず、
また周囲の着色インクへ影響しないので、インク滴状の
各着色インク1はそれぞれ任意のタイミングで飛翔させ
ることが可能である。そのため、画像情報に応じて多数
の画素に対応する位置で着色インク1を同時に飛翔させ
て記録することも、それぞれタイミングをずらして飛翔
させることもできる。また、着色インク1の供給速度を
速くすることによって、高速な画像形成が可能である。
【0036】さらに、上述のように加熱によって発生す
る気体層4で着色インク1とインク担持体2との接触に
よる抵抗力が弱まり、また周囲から受ける抵抗力もない
ので、着色インク1として粘度の高いインクを用いた場
合でも、粘度が高いことによって受ける抵抗力の増加は
少なく、支障なくインク滴5を飛翔させることができ
る。また、粘度が多少変化しても、インク滴5の飛翔に
関する影響はほとんどない。このように、本発明の第1
の実施の形態によれば、粘度の低いインクから粘度の高
いインクまで、良好にインク滴5を飛翔させて記録を行
なうことができる。
【0037】粘度の高い着色インク1を用いた場合、被
記録媒体6に付着したインク滴5は、被記録媒体6内へ
の浸透速度に対し、乾きが速いため、フェザリングやブ
リーディングが発生しにくく、高画質の画像を形成する
ことができる。また、重ね打ちによる階調表現を行なう
場合でも、インク滴量の増加によるにじみも少ない。さ
らにカラー化した場合にも、同様に重ね打ちによる色表
現を良好に行なうことができるとともに、ブリーディン
グの減少によって発色性の向上とエッジ部分の鮮鋭化を
図ることができる。
【0038】さらに、この画像形成方法はインクを飛翔
させて記録を行なうものであるため、例えばフィルム状
のインク担持体から熱によってインクを溶融転写するい
わゆる熱転写方式と異なり、被記録媒体6に微小な凹凸
が存在していても良好に記録を行なうことができる。
【0039】なお、着色インク1としては、例えば水に
染料あるいは顔料を分散した水性インクを使用すること
ができる。また水性インクに限らず、例えば炭化水素系
の有機溶剤や各種アルコールなど、比較的低沸点の液体
であればインクの溶剤として使用可能である。蒸気の安
全性や爆発の危険性などを考慮すると、水性インクが望
ましい。以下の説明では着色インク1として水性インク
を用いる。また、実験的に粘度を調整する場合には、水
性インクに、例えば層状珪酸塩などの粘度鉱物やでんぷ
んなど、水溶性の高分子を添加して、粘度を1mPa・
sから100000mPa・sまで調整した。
【0040】図2は、本発明の画像形成方法の第1の実
施の形態を実現する画像形成装置の一例を示す概略構成
図である。図中、11はインク供給部、12はインク貯
蔵部、13はインク供給ローラ、14はブレード、15
は加熱部、16は搬送部である。この例では、インク担
持体2としてドラム状の部材を用いた。ドラム状の部材
の表面は平坦であり、この平坦な表面に着色インク1を
保持する。インク担持体2は図示しない回転駆動手段に
よって図中矢印の方向に回転駆動されるものとする。
【0041】インク供給部11は、少なくともインク貯
蔵部12と、インク供給ローラ13を有している。ま
た、ブレード14を含んでいてもよい。インク貯蔵部1
2には着色インク1が貯蔵されている。インク貯蔵部1
2は、インク供給部11と別に設け、ホース等で着色イ
ンクをインク供給部11に搬送してもよい。インク供給
ローラ13は、図示しない回転駆動手段によってあるい
はインク担持体2の回動に従って、図中矢印の方向に回
転する。インク供給ローラ13の一部はインク貯蔵部1
1に浸漬しており、インク貯蔵部12から着色インク1
を汲み上げる。またインク供給ローラ13はインク担持
体2と接触しており、汲み上げた着色インク1を、多数
の独立したインク滴状のパターンでインク担持体2に塗
布する。ブレード14は、インク供給ローラ13によっ
て汲み上げられた余分な着色インク1を掻き落として、
着色インク1のインク量を調整する。
【0042】加熱部15は、画像情報に応じてインク担
持体2を部分的に加熱し、表面に保持されている着色イ
ンク1を膜沸騰させてインク滴5として飛翔させる。な
お、加熱部15は、それ自体が発熱してインク担持体2
に熱を伝達し、着色インク1を加熱するほか、加熱部1
5は発熱せず、インク担持体2を部分的に発熱させる構
成であってもよい。
【0043】搬送部16は、被記録媒体6を搬送し、加
熱部15と対向してインク担持体2と微小間隙を保って
被記録媒体6を移動させる移動手段として機能する。こ
こでは被記録媒体6を移動させる例を示したが、これに
限らず、加熱部15を含む他の部分を移動させてもよい
し、両者を移動させてもよく、加熱部15と被記録媒体
6とが相対的に移動すればよい。
【0044】インク供給ローラ13の回転によりインク
貯蔵部12内の着色インク1が汲み上げられ、ブレード
14で不要な着色インク1が掻き落とされる。その後、
インク供給ローラ13とインク担持体2とが接触し、そ
の際にインク供給ローラ12で汲み上げられた着色イン
ク1がインク担持体2に転移し、インク担持体2の表面
に着色インク1が独立したインク滴状に形成される。そ
してインク担持体2が回転して、独立したインク滴状に
塗布された着色インク1が加熱部15へと移動する。一
方、被記録媒体6が搬送部16によってインク担持体2
と微小間隙をもって給送される。被記録媒体6と対向す
る位置に移動した着色インク1は、画像情報に従って加
熱部15で加熱され、図1に示すようにしてインク滴5
が被記録媒体6へ飛翔し、被記録媒体6へインク滴5を
付着させる。その後、インク担持体2を回転させて新た
な着色インク1を加熱部15上へと移動させることによ
って、次のインク滴5の飛翔が可能となる。また被記録
媒体6を搬送部16によって移動させながら、このよう
な記録動作を行なうことによって、2次元の画像を形成
することができる。
【0045】なお、インク担持体2上に保持されたが飛
翔させなかった着色インク1は、インク担持体2が回転
して再びインク供給ローラ13と接触する際に絞られ、
インク貯蔵部11に回収される。あるいは、インク担持
体2上の着色インク1を掻き取るスクレーパなどを設け
てもよい。
【0046】次に図2に示した各部の具体例について説
明してゆく。図3ないし図5は、本発明の第1の実施の
形態におけるインク供給ローラの一例を示す概略断面図
である。なお各図(B)は部分拡大図である。図中、2
1は凹部、22は貫通孔、23はメッシュフィルム、2
4は弾性部材である。
【0047】図3に示したインク供給ローラ13は、表
面に径が10μmから200μm、深さが1μmから5
0μm程度の凹部21が均等なピッチで形成されてい
る。インク供給ローラ13の材料としては、ゴム、樹
脂、プラスチック、金属等の材料からなるロール部材を
用いることができる。凹部13の形成はロールの材質に
応じて、エンボス加工、レーザー加工、エッチング加工
によってそれぞれ形成することができる。インク供給ロ
ーラ13の材料は、インク担持体2と確実に接触させる
ために、少なくとも表面が弾性を有するものが好まし
い。また、弾性を有することでインク担持体2との接触
圧で凹部21が押しつぶされ、凹部21に保持された着
色インク1が確実にインク担持体2と接触し、転移抜け
の発生が防止できる。
【0048】インク供給ローラ13の回動とともに、イ
ンク貯蔵部11において着色インク1が凹部21に供給
される。このとき、凹部21以外のインク供給ローラ1
3の表面にも着色インク1が付着するが、付着した余分
な着色インク1は、インク担持体2との接触部で絞ら
れ、インク貯蔵部11に回収される。ブレード14を配
置した構成では、インク供給ローラ13で着色インク1
を汲み上げた後、インク担持体2に着色インク1を転移
する前にブレード14によって着色インク1を凹部21
に押し込み、余分な着色インク1を掻き落とすことがで
きる。これによって、より確実にインク供給ローラ12
の凹部13に着色インク1を供給することができる。
【0049】図4に示したインク供給ローラ13の例で
は、中空の円筒状部材を用い、凹部21に対応する貫通
孔22を設けた例を示している。この場合、インク供給
ローラ13をインク貯蔵部12に浸漬した後に引き上げ
ると、貫通孔22に着色インク1が毛管力によって充填
された状態となる。その後、インク供給ローラ13をイ
ンク担持体2に押圧することによって、貫通孔22内の
着色インクをインク担持体2に転写することができる。
もちろん、インク担持体2との接触前にブレードによっ
て不要な着色インク1を除去することができる。
【0050】図5に示したインク供給ローラ13は、多
孔質の材料からなるロール状の弾性部材24を、多数の
貫通孔22を有するメッシュフィルム23で被覆したも
のである。インク供給ローラ13をインク貯蔵部12に
浸漬させることによって、弾性部材24に着色インク1
を含浸保持させる。このとき、メッシュフィルム23は
着色インク1を吸収しない。この状態でインク供給ロー
ラ13をインク担持体2に圧接することによって、弾性
部材24に含浸保持されていた着色インク1はメッシュ
フィルム23の貫通孔22から滲み出し、インク担持体
2へ転写される。
【0051】図6は、本発明の第1の実施の形態におけ
るインク供給ローラのさらに別の例を示す概略説明図で
ある。図中、25は親水性パターンである。図6に示し
たインク供給ローラ13は、表面に親水性と疎水性のパ
ターンを形成したものである。例えばアルミニウム製の
ロール基材の表面にシリコーン系の撥水性材料あるいは
フッ素系の撥水性材料の層を形成し、収束レーザ光を照
射することによって撥水性表面層を除去し、所望の親水
性パターン25を形成することができる。親水性パター
ン25の面積と配置で、形成するインク滴の大きさとパ
ターンを制御することができる。
【0052】シリコーン系の撥水性材料からなる撥水性
表面層としては、シリコーン系離型剤の皮膜、シリコー
ンオイルまたは各種変性シリコーンオイルの焼付皮膜、
シリコーンワニスの皮膜、シリコーンゴムの皮膜、ある
いはシリコーンゴムと各種金属、ゴム、プラスチック、
セラミックなどの複合物からなる皮膜などが挙げられ
る。また、フッ素系の撥水性材料からなる撥水性表面層
としては、フッ素樹脂の皮膜、有機フッ素化合物の皮
膜、フッ素オイルの焼付皮膜または吸着膜、フッ素ゴム
の皮膜あるいはフッ素ゴムと各種金属、ゴム、プラスチ
ック、セラミックなどの複合物からなる皮膜などが挙げ
られる。
【0053】なお、撥水性表面(疎水性表面)は、使用
する着色インク1との接触角が少なくとも90度以上、
好ましくは120度以上あることが望ましい。
【0054】図6に示したインク供給ローラ13の一部
をインク貯蔵部12に浸漬させ、インク供給ローラ13
を回動させると、インク貯蔵部12内の着色インク1が
インク供給ローラ13の表面、特に親水性部分に付着し
て汲み上げられ、ブレード14によって余分な着色イン
ク1、特に撥水性部分の着色インク1が掻き落とされ、
インク供給ローラ13上に着色インク1が独立したイン
ク滴状に形成される。
【0055】インク供給ローラ13上に形成されるイン
ク滴の大きさは、着色インク1の粘度および親水性パタ
ーン25の大きさの他に、ブレード14の押圧力でも制
御することができる。例えばブレード14の押圧力を1
g/cmから50g/cmの範囲で調整することによっ
て、インク滴の大きさとして径が5μmから100μm
のインク滴を形成することができた。また、ブレード1
4は撥水性が高い方がインク供給ローラ13の撥水性部
分に残留する着色インク1を少なくすることができる。
そのため、ブレード14としては例えばポリウレタン製
のブレードにシリコーン皮膜を形成して使用することが
できる。
【0056】このようにしてインク供給ローラ13の親
水性パターンに形成保持されたインク滴は、インク担持
体2との接触部でインク担持体2に転移し、インク担持
体2の表面に独立したインク滴状のパターンで着色イン
ク1を保持させることができる。
【0057】なお、図6に示すインク供給ローラ13を
用いる場合、着色インク1の粘度が高すぎると、ブレー
ド14を通過した後に着色インクが親水性部分でインク
滴状として安定するまでに時間がかかるため、比較的低
粘度のインク(100mPa・s程度まで)に適用する
ことが望ましい。
【0058】ここではインク供給ローラ13に図6に示
したような親水性パターン25と疎水性パターンを形成
する例を示したが、インク担持体2に親水性パターン2
5と疎水性パターンを形成し、撥水性の表面層を形成し
た弾性のインク供給ローラ13をインク担持体2に接触
させて、直接、インク担持体2の親水性部分に着色イン
ク1によるインク滴状のパターンを形成することも可能
である。この場合、インク供給ローラ13の構成を簡素
化することができる。また、インク担持体2は加熱部1
5によって加熱されるので、親水性パターン25と疎水
性パターンが熱によって変性しないように加工しておく
必要がある。
【0059】また、上述の例ではインク供給ローラ13
をインク貯蔵部12に浸漬させる例を示しているが、こ
れに限らず、例えばインク貯蔵部12内のインクをスリ
ット状等の開口から押し出してインク供給ローラ13に
塗布するなど、種々のインク供給方法を用いることがで
きる。
【0060】次に、加熱部15による着色インク1の加
熱方法の具体例について説明する。加熱部15は、一例
として加熱ヘッドで構成することができる。肉厚の薄い
インク担持体2を用い、この加熱ヘッドをインク担持体
2の裏面に接触して配置しておく。そして画像情報に応
じて加熱ヘッドを発熱させることによってインク担持体
2を加熱し、さらに着色インク1を加熱することができ
る。
【0061】しかし、機械的強度を考慮するとインク担
持体2の薄肉化には限界があり、また熱伝導率が高い材
料を使用したとしても、熱の拡散や放熱による加熱領域
の拡大や熱効率の低下が著しい。
【0062】そこでインク担持体2内に実際に発熱する
機構を組み込んでおき、加熱部15はインク担持体2に
対して発熱させるエネルギーを供給する構成とすること
ができる。図7は、本発明の第1の実施の形態における
インク担持体の加熱方法の第1の例の説明図である。図
中、31は絶縁性基体、32は導電性ピン、33は支持
体、34は発熱抵抗層、35は導電層、36は摩擦保護
層、37は記録電極、38は記録ヘッド、39は発熱部
である。インク担持体2として図7に示したように、電
気絶縁性を有する絶縁性基体31に、径が10μmから
200μmの導電性の細いピン状の部材である導電性ピ
ン32を、厚み方向に独立に埋め込んだ支持体33を使
用する。その表面に発熱抵抗層34、導電層35、摩擦
保護層36を順次積層してインク担持体2を構成してい
る。
【0063】発熱抵抗層34の材料としては、タンタル
−SiO2 の混合物、窒化タンタル、ニクロム、銀−パ
ラジウム合金、シリコン半導体、あるいはハフニウム、
ランタン、ジルコニウム、チタン、タンタム、タングス
テン、モリブデン、ニオブ、クロム、バナジウムなどの
金属の硼化物などが使用可能である。これらの材料を用
いて電子ビーム法、蒸着法、スパッタリング法などによ
って発熱抵抗層34を形成することができる。膜厚は単
位時間当たりの発熱量が所望値となるように設計すれば
よく、通常は0.01μmから5μm程度である。
【0064】導電層35の材料としては、体積固有抵抗
値が102 Ω・cm以下の通常の電極材料で、耐熱性に
優れる材料であれば使用できる。例えばAl、Au、A
g、Pt、Cuなどの金属電極材料が使用できる。導電
層35は、これらの材料を蒸着法などにより、5μm以
下の厚みで形成することができる。
【0065】摩擦保護層36の材料としては、機械的強
度および耐熱性の点から酸化シリコン、窒化シリコン、
酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、
酸化ジルコニウムなどが使用できる。摩擦保護層25
は、これらの材料を用いて電子ビーム法、蒸着法、スパ
ッタリング法などによって形成することができる。膜厚
は機械的強度および熱効率を考慮し、5μm以下、好ま
しくは1μm以下である。
【0066】このようなインク担持体2を用い、このイ
ンク担持体2の支持体側から、加熱部15として所望の
解像度で記録電極37を並べた記録ヘッド38を接触さ
せ、画像情報にしたがって記録電極37から支持体33
の導電性ピン32を介して、発熱抵抗層34、導電層3
5へと電流を流すことによって、発熱抵抗層34を発熱
させることができる。このとき発熱する発熱部39は、
電流密度の高い導電性ピン32の径程度の領域である。
発熱抵抗層34の発熱部39で発生した熱は、導電層3
5、摩擦保護層36を介して着色インク1へと伝達され
る。
【0067】図8は、本発明の第1の実施の形態におけ
るインク担持体の加熱方法の第2の例の説明図である。
図中、図7と同様の部分には同じ符号を付して説明を省
略する。40は半導電性支持体である。この例では、支
持体33として、電界強度によって抵抗値が変化する半
導電性材料からなる半導電性支持体40を使用し、その
表面に発熱抵抗層34、導電層35、摩擦保護層36を
順次積層してインク担持体2を構成している。
【0068】電界強度によって抵抗値が変化する半導電
性支持体40としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリイミド、テフロンをベースとした材料がある。
これらの材料は抵抗率が電界がない状態で1014Ω・c
m以上であるが、105 V/mから106 V/mの電界
下で抵抗率を104 Ω・cm以下に変化させることがで
きる。これらの材料の中で、耐熱性を考慮するとポリイ
ミド、あるいはテフロンをベースとした材料が適当であ
る。
【0069】このようなインク担持体2を用い、このイ
ンク担持体2の支持体側から、加熱部15として所望の
解像度で記録電極37を並べた記録ヘッド38を接触さ
せ、画像情報にしたがって記録電極37から電界を印加
し、半導電性支持体40の抵抗を下げることによって、
記録電極37から半導電性支持体40の抵抗低下部、発
熱抵抗層34、導電層35へと電流を流し、発熱抵抗層
34を発熱させることができる。このときの発熱部39
は、電界強度の強い記録電極37の大きさ程度の領域で
ある。この領域から離れると、半導電性支持体40中の
電界強度が弱くなって抵抗が大きくなり、電流が流れに
くくなる。従って発熱抵抗層34の発熱部39を選択的
に発熱させることができる。発熱抵抗層34の発熱部3
9で発生した熱は、導電層35、摩擦保護層36を介し
て着色インク1へと伝達される。
【0070】図9は、本発明の第1の実施の形態におけ
るインク担持体の加熱方法の第3の例の説明図である。
図中、図7と同様の部分には同じ符号を付して説明を省
略する。41は透明支持体、42は透明導電層、43は
光導電層、44はバイアス電源、45はLED光であ
る。この例ではインク担持体2として、図9に示したよ
うに、透明支持体41上に透明導電層42、光導電層4
3、発熱抵抗層34、導電層35、摩擦保護層36を順
次積層したインク担持体2を使用している。ここで、透
明導電層42と導電層35にはバイアス電源44から一
定のバイアス電圧が印加されている。
【0071】透明支持体41としては、光透過率と耐熱
性から、酸化珪素を主成分とする各種ガラスやフッ化ほ
う素などの無機材料や透明性の耐熱プラスチックなどを
使用することができる。また透明導電層42としては、
光透過率と耐熱性から酸化インジウム、酸化すず、酸化
クロム、ポリアセチレンなどの金属材料の単層または各
種金属材料の混合層を使用することができる。厚さは光
透過性の面から好ましくは5μm以下とするとよい。光
導電層43としては、セレン、シリコン、硫黄、硫化カ
ドミウム、酸化亜鉛などの金属またはその合金類や、フ
タロシアン系、ペリニン系などの色材を使用することが
できるが、耐熱性を考慮するとシリコン系の光導電層が
適当である。厚さは0.1μmから5μm程度が好まし
い。
【0072】このようなインク担持体2を用い、このイ
ンク担持体2の支持体側から、光導電層43の吸収波長
を発光する図示しない光照射手段を加熱部15として使
用し、画像情報にしたがって光導電層31を光照射す
る。例えば光照射手段としてLEDアレイを用い、LE
D光45を透明支持体41側から照射する。これによっ
て光導電層43の光が照射された部分は導通状態とな
り、透明導電層42、光導電層43、発熱抵抗層34、
導電層35と電流が流れ、発熱抵抗層34を発熱させる
ことができる。
【0073】光照射手段としてはLEDアレイのほか、
レーザ、液晶シャッターアレイ、スリット露光装置など
が使用できる。特にLEDアレイは小型化が可能である
ためインク担持体2の内部にLEDヘッドを配置するこ
とができる。そのため、装置を小型化することが可能で
ある。
【0074】図10は、本発明の第1の実施の形態にお
けるインク担持体の加熱方法の第4の例の説明図であ
る。図中、図7ないし図9と同様の部分には同じ符号を
付して説明を省略する。46は光吸収発熱層、47はレ
ーザ光である。この例ではインク担持体2として、図1
0に示したように、透明支持体41上に光吸収発熱層4
6、摩擦保護層36を形成したものを使用した例を示し
ている。光吸収発熱層46の材料としては、使用する光
照射手段の波長を吸収する耐熱材料、あるいは使用する
レーザの波長を吸収する色素を分散した耐熱材料などが
使用できる。例えばAlの蒸着膜や、酸化珪素を主成分
とする各種ガラスやフッ化ホウ素などの無機材料に色素
を分散したものを使用することができる。
【0075】このようなインク担持体2を用い、このイ
ンク担持体2の支持体側から、図示しない光照射手段を
加熱部15として使用し、画像情報にしたがって光吸収
発熱層46を光照射する。例えばレーザ光47を光吸収
発熱層46に照射することによって、光吸収発熱層46
はレーザ光47が照射された発熱部39が発熱する。
【0076】この方式では、消費される熱エネルギーは
全て光エネルギーから変換しなければならないため、高
出力の光照射手段が必要である。例えばアルゴンレーザ
やヘリウムレーザ、炭酸ガスレーザ、半導体レーザなど
の種々のレーザが適用できるが、装置の小型化、低コス
ト化を考慮すると、半導体レーザが適当である。具体的
には出力30mW程度の半導体レーザを使用することが
できる。
【0077】図11は、本発明の画像形成方法の第1の
実施の形態を実現する画像形成装置の第1の変形例を示
す概略構成図である。図中、図2と同様の部分には同じ
符号を付して重複する説明を省略する。この変形例で
は、ベルト状のインク担持体2を使用する例を示してい
る。ベルト状のインク担持体2および加熱部15として
は、上述の図8ないし図10に示したいずれの構成を用
いることもできる。また、インク担持体2をベルト状に
構成することによって、インク担持体2の厚さを薄くす
ることができるので、加熱部15として加熱ヘッドを使
用し、これをインク担持体2の裏面に接触して加熱する
構成を採用することもできる。この場合、インク担持体
2として用いるベルトには、熱伝導率および機械強度が
高いものを用いるとよい。熱伝導率および機械強度が高
いベルトとしては、例えばステンレスなどの金属ベルト
が使用できる。またベルトの厚みは熱拡散を考慮し、5
0μm以下、好ましくは20μm以下が望ましい。な
お、インク供給部11の構成は、上述の各例などを用い
ることができる。
【0078】このようなベルト状のインク担持体2を用
いた場合、被記録媒体6とインク担持体2の表面が平行
な部分の面積が大きいため、加熱部15を2次元的に配
置すれば広幅の領域についてほぼ同時に記録を行なうこ
とが可能となる。もちろん、被記録媒体6の全面をほぼ
同時に記録することも可能である。
【0079】図12は、本発明の画像形成方法の第1の
実施の形態を実現する画像形成装置の第2の変形例を示
す概略構成図である。図中、図11と同様の部分には同
じ符号を付して重複する説明を省略する。51は半導体
レーザ、52はレーザ走査装置である。上述の図10に
示したインク担持体2および加熱部15の構成のよう
に、レーザ光47を用いて発熱させる構成では、レーザ
光47を発生させる半導体レーザ51やレーザ光を走査
するレーザ走査装置52を含めてドラム状のインク担持
体2の内部に配置することは困難である。そのため、図
11に示した第1の変形例と同様に、ベルト状のインク
担持体2を使用することによってスペース効率を高くす
ることができる。この場合、ベルト状のインク担持体2
としては、図10に示したように光吸収発熱層46を有
する構成のものを用いることになる。なお、インク供給
部11の構成は、上述の各例などを用いることができ
る。
【0080】図13は、本発明の画像形成方法の第1の
実施の形態を実現する画像形成装置の第3の変形例を示
す概略構成図である。図中、図2と同様の部分には同じ
符号を付して重複する説明を省略する。この例では、イ
ンク供給ローラを用いずに、インク担持体2をインク貯
蔵部12に浸漬させる例を示している。この場合、イン
ク担持体2の表面には、例えば図6に示したインク供給
ローラ13の表面に形成するパターンと同様の親水性パ
ターンを形成しておく。インク担持体2をインク貯蔵部
12に浸漬させた後、付着した着色インク1を撥水性の
表面層を形成したブレード14によって掻き取ることに
より、直接、インク担持体2の親水性部分にインク滴状
の着色インク1のパターンを形成することができる。な
お、加熱方法については、上述のいずれの方法を用いる
ことも可能である。また、図11、図12に示したよう
に、ベルト状のインク担持体2を用いてもよい。
【0081】上述のような本発明の画像形成方法の第1
の実施の形態およびそれを実現する画像形成装置を用
い、1mPa・sから100000mPa・sの粘度の
着色インクを使用して、着色インクの飛翔状態を観察し
た。その結果、従来の熱を利用したインクジェット方式
においては1滴の着色インクを飛翔させるために必要で
あった印字エネルギーが数十μJであったのに比べ、本
発明の第1の実施の形態では10μJ以下であり、非常
に小さな印字エネルギーで着色インクを飛翔させること
ができた。これによって省エネルギーの画像形成装置を
提供できるとともに、内部の電気回路を小型化して装置
構成を小型化することができる。また着色インクを飛翔
させるために必要な熱量を低減できるため、周囲への熱
的な影響を排除でき、安定してインク滴を飛翔させ、高
画質の画像を得ることができる。
【0082】さらに、着色インクの粘度が高くなっても
印字エネルギーに与える影響はほとんどなく、粘度が1
00000mPa・sの着色インクでも十分飛翔させる
ことができた。そのため、粘度の高い着色インクを利用
することが可能になり、フェザリングやブリーディング
等を減少させて高画質を得ることが可能となる。
【0083】また、インク担持体2上に微少なインク滴
状の着色インクのパターンを形成することにより、従来
のインクジェットのドット(50μm以上)よりも非常
に小さいドット(20μm程度までを確認)を形成する
ことができた。これによって高精細の画像形成が可能で
ある。
【0084】また、インク滴状の着色インク1とインク
担持体2との間に気体層4が発生することが、直接、イ
ンク滴5の噴射エネルギーになるため、応答性が高く、
40kHz以上の応答性を持つことがわかった。さらに
着色インク1はインク担持体2により連続的に搬送供給
されるため、粘度が高くなっても供給速度には影響がな
く、インク担持体2の移動速度を高くすることにより、
高速に供給することができた。実験では1m/sec以
上の搬送速度で着色インク1を供給できることを確認し
ており、これは600dpiの解像度で印字しようとす
ると、印字周波数が20kHz以上の供給速度に相当す
る。このように、着色インクの供給および噴射とも高速
に行なうことができるので、従来のインクジェット記録
方式よりも高速に記録を行なうことが可能である。
【0085】図14は、本発明の画像形成方法の第2の
実施の形態を示す原理説明図である。図中の符号は図1
と同様である。この第2の実施の形態では、着色インク
1をストライプ状にインク担持体2上に保持させ、イン
ク担持体2を画像情報に従って加熱部3で加熱し、イン
ク滴5を飛翔させる例を示している。なお図14では、
ストライプ状の着色インク1の延在方向の断面を示して
いる。ストライプの幅は上述の第1の実施の形態におけ
るインク滴状のパターンの径とほぼ同じであり、ストラ
イプに直交する方向の断面は図1と同様である。
【0086】着色インク1がインク担持体2上にストラ
イプ状のパターンで保持される。このとき着色インク1
は図14(A)に示すようにストライプの延在方向に連
続している。この状態で、例えば図14(B)にハッチ
ングを施して示した加熱部3を選択的に発熱させる。あ
るいは外部からインク担持体2のこの領域を加熱する。
すると、加熱部3上の着色インク1とインク担持体2と
の接触界面あるいは界面近傍の着色インク1が沸騰して
気化し、図14(B)に示すようにインク担持体2と着
色インク1の間に気体層4が発生する。これによって、
インク担持体2と着色インク1の付着力が低減する。こ
の状態では、気体層4上の着色インク1は、ストライプ
状に2方向に連続する加熱部3以外の領域の着色インク
1と接触している。そのため、図14(B)に破線で示
す接触部において、引っ張り力などの抵抗力を受ける。
しかし受ける抵抗力は2方向のみであって非常に小さ
く、気体層4の急激な体積膨張圧力によって接触部分が
ちぎれ、図14(C)に示すようにインク滴5が飛翔す
る。このとき、接触していたのは加熱部13以外の領域
の着色インク1のみであり、着色インク1の諸特性は均
一であるため、加熱部13の着色インク1はインク滴5
となって垂直方向に安定して飛翔する。また周囲の着色
インク1やインク担持体2から受ける抵抗力が小さいた
め、非常に小さなエネルギーでインク滴5を飛翔させる
ことができる。飛翔したインク滴5は、図14(D)に
示すように被記録媒体6に付着し、記録が行なわれる。
【0087】このとき飛翔するインク滴5の液量は、ス
トライプの幅と加熱部3の長さで決定される。ストライ
プの幅は着色インクをインク担持体上に保持させる段階
で一定となるように制御でき、また加熱部3の長さも変
動しないので、安定した液滴量により記録を行なうこと
ができる。例えばストライプを細く形成しておけば、イ
ンク滴5の液量を低減でき、微小なドットを被記録媒体
6上に再現することができる。これによって高精細な画
像を形成することができる。また、このようなストライ
プ状のパターンは、例えば先端に凹凸を有するブレード
を用いるなどの非常に簡単な方法で形成することができ
るという利点を有している。
【0088】また、上述のように加熱によって発生する
気体層4で着色インク1とインク担持体2との接触によ
る抵抗力が弱まり、また周囲から受ける抵抗力も小さい
ので、着色インク1として粘度の高いインクを用いた場
合でも、粘度が高いことによって受ける抵抗力の増加は
少なく、支障なくインク滴5を飛翔させることができ
る。また、粘度が多少変化しても、インク滴5の飛翔に
関する影響はほとんどない。このように、本発明の第2
の実施の形態においても、粘度の低いインクから粘度の
高いインクまで、良好にインク滴5を飛翔させて記録を
行なうことができる。粘度の高い着色インク1を用いた
場合、フェザリングやブリーディングなどの発生を抑
え、高画質の画像を形成することができるなど、種々の
利点を有する。
【0089】本発明の画像形成方法の第2の実施の形態
を実現する画像形成装置の構成としては、ほぼ上述の第
1の実施の形態と同様の構成、例えば図2や図11ない
し図13に示した構成などを採用することができる。こ
のとき、インク担持体2に形成する着色インク1のパタ
ーンが異なるのみである。
【0090】図15は、本発明の第2の実施の形態にお
けるインク供給ローラの一例を示す概略斜視図である。
インク担持体2上に着色インク1をストライプ状のパタ
ーンで形成する具体的な方法として、例えば図15に示
すように、同心円状に所望の太さ、深さ、ピッチで溝を
形成したロール部材をインク供給ローラ13として用い
ることができる。インク供給ローラ12はインク担持体
2と接触して着色インク1を転移させるため、少なくと
も表面がある程度の弾性を有するものが好ましい。ま
た、溝の幅は5μmから200μm、深さは5μmから
50μm程度でよい。
【0091】インク供給ローラ13の一部はインク貯蔵
部12に浸漬しており、インク供給ローラ13の溝に着
色インク1が供給される。インク供給ローラ13の回転
とともに着色インク1は溝によって汲み上げられ、イン
ク担持体2との接触部でインク供給ローラ13の溝に保
持された着色インク1がインク担持体2に転移し、イン
ク担持体2の表面にストライプ状の着色インク1のパタ
ーンを形成することができる。
【0092】インク供給ローラ13の表面に付着した余
分な着色インク1は、インク担持体2との接触部で絞ら
れ、インク貯蔵部12に回収される。また、インク担持
体2上に供給した着色インク1のうち画像形成に使用さ
れなかった着色インク1もこの接触部で絞られ、インク
貯蔵部12に回収される。
【0093】また、インク供給ローラ13の回転により
着色インク1を汲み上げた後、インク担持体2に着色イ
ンク1を転移する前に、ブレード14などによって着色
インク1を溝に押し込むと、より確実に着色インクをイ
ンク供給ローラ13の溝に供給することができる。それ
とともに、インク供給ローラ13の凸部分に付着した不
要な着色インクを除去することができる。
【0094】図16は、本発明の第2の実施の形態にお
けるインク供給ローラの別の例を示す概略斜視図であ
る。インク担持体2上に着色インク1をストライプ状の
パターンで形成する別の方法として、例えば図16に示
したように、表面に親水性と疎水性のストライプ状のパ
ターンを形成したインク供給ローラ13を使用すること
ができる。インク供給ローラ13の構成は、上述の図6
に示したインク供給ローラ13と同様であり、インク供
給ローラ13上に形成される親水性、疎水性のパターン
が異なるのみである。
【0095】図16に示したインク供給ローラ13の一
部をインク貯蔵部12に浸漬させ、インク供給ローラ1
3を回動させると、インク貯蔵部12内の着色インク1
がインク供給ローラ13の表面、特に親水性部分に付着
して汲み上げられ、ブレード14によって余分な着色イ
ンク1、特に疎水性部分の着色インク1が掻き落とさ
れ、インク供給ローラ13上にストライプ状の着色イン
ク1が形成される。
【0096】図17は、本発明の第2の実施の形態にお
いて使用可能なブレードの一例を示す概略平面図であ
る。インク担持体2上に着色インク1をストライプ状の
パターンで形成するさらに別の方法として、図17に示
すような形状のブレード14を用いることができる。こ
のブレードはインク担持体2に対して接触させて用い
る。ブレード14の先端には、ストライプに対応した
幅、深さ、ピッチで溝が多数形成されている。ブレード
14に形成する溝の幅と深さは、図15においてインク
供給ローラ13に形成した溝と同様とすればよい。
【0097】インク供給ローラ13でインク貯蔵部12
の着色インク1を汲み上げ、インク担持体2に全面塗布
する。その後、図17に示したような溝を形成したブレ
ード14によって、インク担持体2の表面にストライプ
状に着色インク1を形成塗布することができる。
【0098】あるいは、上述の第1の実施の形態におい
て図13に示したように、インク担持体2を直接インク
貯蔵部12に一部浸漬させ、着色インク1を全面に塗布
した後、図17に示したような溝を形成したブレード1
4によって、インク担持体2の表面にストライプ状に着
色インク1を形成してもよい。この場合、上述の第1の
実施の形態における第3の変形例のようにインク担持体
2の表面にはパターンに従った撥水部と親水部を設ける
必要がない。
【0099】インク担持体2上に着色インク1をストラ
イプ状のパターンで形成する方法としては、上述のほか
にも、例えば図5に示したような弾性部材でインク供給
ローラ13を構成する方法など、種々の方法を用いるこ
とができる。なお、インク担持体2上の着色インク1を
加熱する方法は上述の第1の実施の形態と同様であり、
例えば図7ないし図10に示したような構成を用いるこ
とができる。
【0100】上述のような本発明の画像形成方法の第2
の実施の形態およびそれを実現する画像形成装置を用
い、1mPa・sから100000mPa・sの粘度の
着色インクを使用して、着色インクの飛翔状態を観察し
た。その結果、粘度が100mPa・s程度までの比較
的低粘度の着色インクでは、1滴の着色インクを飛翔さ
せるために必要な印字エネルギーは、従来の熱を利用し
たインクジェット方式においてはが数十μJであったの
に比べ、本発明の第2の実施の形態では10μJ以下で
あり、非常に小さな印字エネルギーで着色インクを飛翔
させることができた。また、従来と同程度の印字エネル
ギーであれば、10000mPa・sの高粘度のインク
も安定に吐出することができた。しかし100000m
Pa・sのインクでは吐出方向が不安定になった。ま
た、小径ドットの形成、着色インクを噴射させる際の応
答性、着色インクの供給速度に関しては、上述の第1の
実施の形態における結果と同様であった。このように、
第2の実施の形態においても粘度が10000mPa・
s程度以下の着色インクを用いる場合には、上述の第1
の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0101】次に、本発明の画像形成方法の第3の実施
の形態について説明する。この第3の実施の形態では、
インク担持体2の表面に着色インク1を厚みが20μm
以下、好ましくは10μm以下の薄層状態で塗布し、イ
ンク担持体2を画像情報にしたがって部分的に加熱し、
インク滴を飛翔させる。なお、この第3の実施の形態に
おけるインク担持体2上の着色インク1の断面は、いず
れの方向も図14のようになる。以下、この第3の実施
の形態における画像形成方法の原理を、図14を用いて
説明する。
【0102】着色インク1がインク担持体2上に厚みが
20μm以下、好ましくは10μm以下の薄層状態で保
持される。このとき着色インク1は図14(A)に示す
ように各方向とも連続している。この状態で、例えば図
14(B)にハッチングを施して示した加熱部3を選択
的に発熱させる。あるいは外部からインク担持体2のこ
の領域を加熱する。すると、加熱部3上の着色インク1
とインク担持体2との接触界面あるいは界面近傍の着色
インク1が沸騰して気化し、図14(B)に示すように
インク担持体2と着色インク1の間に気体層4が発生す
る。これによって、インク担持体2と着色インク1の付
着力が低減する。この状態では、気体層4上の着色イン
ク1は、加熱部3以外の周囲の着色インク1と接触して
いる。そのため、図14(B)に破線で示す接触部にお
いて、引っ張り力などの抵抗力を受ける。しかし、周囲
の着色インク1の薄層の厚みが20μm以下、好ましく
は10μm以下と非常に薄く、接触しているインク量は
非常に少ない。そのため、周囲の着色インク1から受け
る抵抗力は小さく、気体層4の急激な体積膨張圧力によ
って接触部分がちぎれ、図14(C)に示すようにイン
ク滴5が飛翔する。このとき、接触していたのは加熱部
13以外の領域の着色インク1のみであり、着色インク
1の諸特性は均一であるため、加熱部13の着色インク
1はインク滴5となって垂直方向に安定して飛翔する。
飛翔したインク滴5は、図14(D)に示すように被記
録媒体6に付着し、記録が行なわれる。
【0103】このとき飛翔するインク滴5の液量は、着
色インクをインク担持体上に保持させる段階で一定とな
るように制御できるので、安定した液滴量により記録を
行なうことができる。また、着色インクを非常に薄層に
形成しておけば、インク滴5の液量を低減でき、微小な
ドットを被記録媒体6上に再現することができる。これ
によって高精細な画像を形成することができる。また、
このように着色インク1を薄層として形成する方法で
は、特に細工のないブレードやロール部材などの非常に
簡単な構成で、着色インク1をインク担持体2上に高速
に安定して薄層塗布することができる。
【0104】また、上述のように加熱によって発生する
気体層4で着色インク1とインク担持体2との接触によ
る抵抗力が弱まり、また着色インク1を薄層として形成
することによって周囲から受ける抵抗力も小さくするこ
とができるので、着色インク1として粘度の高いインク
を用いた場合でも、粘度が高いことによって受ける抵抗
力の増加は少なく、支障なくインク滴5を飛翔させるこ
とができる。また、粘度が多少変化しても、インク滴5
の飛翔に関する影響は小さい。このように、本発明の第
3の実施の形態においても、粘度の低いインクから粘度
の高いインクまで、良好にインク滴5を飛翔させて記録
を行なうことができる。
【0105】粘度の高い着色インク1を用いた場合、フ
ェザリングやブリーディングなどの発生を抑え、高画質
の画像を形成することができるなど、上述の第1および
第2の実施の形態と同様の種々の利点を有する。さら
に、この第3の実施の形態においては、粘度の高い着色
インク1を用いることによって、着色インク1の噴射特
性を向上させることができる。図18は、インク滴噴射
後の着色インクの状態の説明図である。例えば10mP
a・s以下の低粘度の着色インク1を使用すると、着色
インク1を噴射した後、図18(A)に示すように、着
色インク1が噴射して抜けた部分に、隣接部から着色イ
ンクが流れ込む。従来の熱を用いたインクジェット記録
方法では、このような着色インクの流れ込みによって着
色インクの再供給を行なっている。しかし、本発明にお
いてこのような着色インクの流れ込みの現象が発生する
と、インク面およびインク量が不安定になり、高速に印
字を行なう場合には着色インクの噴射が不安定になって
画質が低下する。
【0106】そこで、この第3の実施の形態では、特に
粘度が10mPa・s以上の着色インクを使用する。粘
度が10mPa・s程度の着色インクを使用したとき、
インク層の厚みを10μm以下と薄くすることによっ
て、図18(B)に示すようにインク滴の噴射で着色イ
ンクが抜けた部分への着色インクの流れ込みを遅くする
ことができ、インク面およびインク量が安定した状態で
他の位置におけるインク滴の噴射を行なうことができ
る。これによって高速に安定したインク滴の噴射を行な
い、高画質の画像を得ることができる。さらに、粘度が
100mPa・s以上の着色インクを使用すると、図1
8(C)に示したようにインク層の厚みが10μm以上
でも高速に安定したインク吐出が可能である。
【0107】本発明の画像形成方法の第3の実施の形態
を実現する画像形成装置の構成としては、ほぼ上述の第
1の実施の形態と同様の構成、例えば図2や図11ない
し図13に示した構成などを採用することができる。こ
のとき、インク担持体2には、厚みが20μm以下、好
ましくは10μm以下の着色インク1の均一な薄層を形
成する。
【0108】インク担持体2上に着色インク1の均一な
薄層を形成する具体的な方法について説明する。インク
供給ローラ13を使用した薄層の形成方法としては、イ
ンク供給ローラ13をインク担持体2と接触させる方法
と、接触させない方法の2通りがある。
【0109】例えば図2に示した構成の画像形成装置の
ように、インク供給ローラ13とインク担持体2とを接
触させる構成の場合には、インク供給ローラ13でイン
ク貯蔵部12の着色インク1を汲み上げた後、インク担
持体2との接触部でインク担持体2上に着色インク1を
転移させ、不要な着色インクは接触部において絞り落と
す。この時、インク担持体2とインク供給ローラ13の
接触圧を制御することによって、インク担持体2上に塗
布するインク層の厚みを制御することができる。例え
ば、接触圧として10g/cmから100g/cmの範
囲で調整し、インク層の厚さとして1μmから20μm
のインク層を形成することができた。この方法では、イ
ンク担持体2とインク供給ローラ13が確実に接触する
必要があるため、インク供給ローラ12は少なくとも表
面に弾性を有するものが適している。
【0110】図19は、本発明の画像形成方法の第3の
実施の形態を実現する画像形成装置の一例を示す概略構
成図である。図中、図2と同様の部分には同じ符号を付
して重複する説明を省略する。13a,13bはインク
供給ローラである。図19に示した構成は、インク供給
ローラをインク担持体2に接触させないでインク担持体
2上に着色インク1の均一な薄層を形成する例を示して
いる。
【0111】この例では、2つのインク供給ローラ13
a,13bを使用し、それぞれインク担持体2と微小間
隙をもって配置している。インク担持体2の回転方向上
流側にはインク供給ローラ13aが配置されており、イ
ンク供給ローラ13aはインク担持体2のインク搬送方
向と同方向に駆動される。インク供給ローラ13aは、
インク貯蔵部11の着色インク1を汲み上げ、インク担
持体2の全面に着色インク1を供給する。
【0112】また、インク担持体2の回転方向下流側に
はインク供給ローラ13bが配置されており、インク供
給ローラ13bはインク担持体2のインク搬送方向とは
逆方向に回転駆動される。インク供給ローラ13bとイ
ンク担持体2の対向部をインクで満たし、両者の相対速
度によって対向部のインク内部にせん断力を発生させる
ことによって、インク担持体2上に着色インク1の所定
の厚みの薄層を形成することができる。
【0113】この時、インク担持体2上に塗布されるイ
ンク層の厚みは、インク担持体2とインク供給ローラ1
3bの間隙の大きさ、および両者の回転速度で制御する
ことができる。一例としては、間隙の大きさとして30
μmから200μm、回転速度としてインク担持体2の
表面移動速度に対するインク供給ローラ13bの表面移
動速度の比が0.5から5となるように制御し、厚さが
1μmから20μmのインク層を形成することができ
た。
【0114】なお、インク供給ローラ13bはインク担
持体2と対向する前にブレード14によって不要な着色
インクが除去される。また、インク供給ローラ13bに
は基本的に着色インクを供給する機能が必要ないので、
インク貯蔵部12に浸漬しておく必要はない。
【0115】また、インク担持体2上に着色インク1の
均一な薄層を形成するさらに別の方法として、インク供
給ローラ13でインク貯蔵部12内の着色インク1を汲
み上げ、インク担持体2に全面塗布した後、ブレード1
4によって余分な着色インクを掻き落とし、インク担持
体2上に均一な厚さの着色インク1の薄層を形成するこ
ともできる。あるいは、図13に示したようにインク担
持体2を直接インク貯蔵部12に一部浸漬させ、インク
担持体2に着色インク1を全面塗布した後、同様にブレ
ード14によって余分な着色インクを掻き落とし、イン
ク担持体2上に均一な厚さの着色インク1の薄層を形成
することもできる。この方法では、インク層の厚みはブ
レード14の接触圧で制御することができる。例えば接
触圧として1g/cmから100g/cmの範囲で調整
することにより、厚さが1μmから20μmのインク層
を形成することができた。
【0116】なお、以上の着色インクの薄層塗布方法に
おいて、比較的粘度の低い着色インクを使用する際はイ
ンク供給ローラを接触させない方法を、粘度の高い着色
インクを使用する際はインク供給ローラあるいはブレー
ドを接触させる方法を使用すると、インクの塗布厚みを
制御しやすい。着色インク1の加熱方法については、上
述の第1の実施の形態と同様の種々の方法を用いること
ができる。
【0117】図20は、本発明の画像形成方法の第3の
実施の形態およびそれを実現する画像形成装置を使用す
る場合のインク粘度とインク膜厚の関係の一例の説明図
である。上述のような本発明の画像形成方法の第3の実
施の形態およびそれを実現する画像形成装置を用い、1
mPa・sから100000mPa・sの粘度の着色イ
ンクを使用して、着色インクの飛翔状態を観察した。そ
の結果を図20に示している。ここでは、1滴のインク
滴を噴射するために用いる印字エネルギーを、従来の熱
を利用したインクジェット方式と同程度の30μJと
し、加熱領域を50μm×50μmとした。図中、○印
はインク滴が良好に飛翔したことを示し、△印はインク
滴の噴射が不安定であったことを示し、×印はインク滴
が飛翔しなかったことを示している。
【0118】図20に示したように、インク層の厚みが
20μmを越えると、従来の熱を利用したインクジェッ
ト方式と同程度の印字エネルギー(30μJ/滴)で
は、100mPa・sを越える粘度の高い着色インクを
噴射することはできなかった。これは加熱領域の着色イ
ンクが、周囲の非加熱領域の着色インクから受ける抵抗
力が大きくなためであると考えられる。また、1mPa
・sから100mPa・sの低粘度の着色インクでは、
インク滴が飛翔するものの、インク面のゆらぎが大きく
て飛翔方向が安定せず、またミスチング(インク滴の飛
び散り)が激しくて安定したインク滴の噴射を行なうこ
とができなかった。
【0119】したがって、この第3の実施の形態におい
ては、インク担持体2上に塗布するインク層の厚みが2
0μm以下であることが前提であり、10μm以下が望
ましい。この程度のインク層の厚みであれば、従来の熱
を利用したインクジェット方式と同程度の印字エネルギ
ーで100mPa・s程度あるいは1000mPa・s
程度までの高粘度の着色インクを安定して噴射すること
が可能である。また図20から、インク層の厚みが10
μm以下であれば10mPa・s以上、インク層の厚み
が10μmから20μmでは100mPa・s以上の粘
度の着色インクであると、より安定して着色インクを噴
射することができる。
【0120】被記録媒体6上に形成されるドット径に関
しては、インク担持体2上に非常に薄いインク層を形成
することにより、従来のインクジェットのドットよりも
非常に小さいドットを形成することができた。例えばイ
ンク担持体2上に層厚5μmのインク層を形成した場
合、30μm程度のドットが形成可能であることを確認
できた。また、着色インクを噴射する際の応答性および
インク供給速度に関しては上述の第1の実施の形態と同
様の結果が得られた。
【0121】以下、上述の第1ないし第3の実施の形態
における応用例あるいは共通した変形例についていくつ
か示す。ここでは図2に示した構成を用いて説明する
が、これに限らず、図11ないし図13や、図19、さ
らには上述した各種の変形などについても適用可能であ
る。
【0122】図21は、本発明の画像形成装置の第1の
応用例を示す概略構成図である。図中、61は加圧部で
ある。この第1の応用例では、画像を記録した後の被記
録媒体6を加圧部61によって加圧することを特徴とす
るものである。上述の第1ないし第3の実施の形態にお
いては、高粘度の着色インクを使用することができる
が、例えば1000mPa・s以上の非常に高い粘度の
着色インクを使用すると、着色インクの記録媒体への浸
透が遅くなり、そのままの状態で乾燥してしまうと、画
像の表面粗さが粗くなって、画像の光沢が低下してしま
う場合がある。そこでこの第1の応用例では、着色イン
ク1によって画像が形成された被記録媒体を加圧部61
によって加圧することによって、着色インク1を被記録
媒体6へ押し込むあるいは潰すことができ、被記録媒体
6上の画像の表面粗さを小さくすることができる。
【0123】加圧部61は、被記録媒体6上に形成され
た着色インク1による画像と接触する。そのため加圧部
61の構成としては、擦れによる画像劣化が発生しない
ように、被記録媒体6と等速度で加圧面が移動するもの
が適当であり、例えばロール状の部材を使用することが
できる。ロール状の部材としては、被記録媒体6と確実
に接触加圧させるため、例えば金属ロールに弾性層を形
成したものを使用することができる。さらに、ロール状
の部材へ着色インクが付着して画像を乱さないように、
表面に撥水層を形成するとよい。撥水層は、上述の第1
の実施の形態でで説明した材料を使用することができ
る。なお、ロール状の部材で加圧部61を構成した場
合、その被記録媒体6への押圧力は、1g/cmから1
00g/cmの範囲で十分であった。
【0124】この加圧部61によって被記録媒体6を押
圧することによって、粘度の高い着色インクを用いて画
像を形成した場合であっても、着色インクを十分に被記
録媒体6に押し込め、あるいは平滑化し、表面粗さの問
題を改善することができた。
【0125】図22は、本発明の画像形成装置の第2の
応用例を示す概略構成図である。図中、62は加熱加圧
部、63はベルト状部材、64は加熱ヘッドである。こ
の第2の応用例では、画像を記録した後の被記録媒体6
を加熱加圧部62によって加圧および加熱することを特
徴とするものである。例えば1000mPa・s以上の
非常に高い粘度の着色インクを使用すると、着色インク
の乾燥が遅くなり、画像形成速度が高くなっても乾燥速
度が追いつかなくなって高速化が実現できなくなる可能
性がある。そこでこの第2の応用例では、着色インクに
よって画像が形成された被記録媒体6を、加熱加圧部6
2によって加熱および加圧し、着色インクの乾燥速度を
高くして記録速度の高速化を実現するものである。
【0126】加熱加圧部62は、例えばベルト状部材6
3と、このベルト状部材を加熱加圧する加熱ヘッド64
などによって構成することができる。上述の第1の応用
例でも説明したように、被記録媒体6を加圧する際に
は、被記録媒体6上に形成された着色インク1による画
像と接触した際に、擦れによる画像劣化が発生しないよ
うにする必要があり、加圧する部材が被記録媒体6と等
速度で加圧面が移動することが望ましい。ここで加圧す
る部材としてベルト状部材63を用いることができる。
ベルト状部材63は、肉厚を薄くすることができるの
で、加熱の際にベルト自体を加熱するエネルギーが小さ
くてすみ、また電源を入れてすぐに使用することができ
る。ベルト状部材63としては、耐熱性があり機械的強
度の高いフィルムが使用でき、具体例としてはPET、
あるいはポリイミドの無端状フィルムなどを使用するこ
とができる。また、ベルト状部材63へ着色インクが付
着して画像を乱さないように、表面に撥水層を形成して
おくとよい。
【0127】加熱は、この例では加熱ヘッド64によっ
てベルト状部材63の裏面から行なっている。例えば加
熱ヘッド64は50度から150度程度の範囲で加熱す
ればよい。また加熱ヘッド64はベルト状部材63を被
記録媒体6へ押圧する働きも有している。このときの押
圧力は、例えば1g/cmから100g/cm程度の圧
力でよい。
【0128】なお、加熱加圧部62の構成としてはこの
他にも、ロール内部にハロゲンランプなどの加熱手段を
配した構成や、ロールあるいはベルトの構成自体に発熱
層を形成した部材などを使用することもできる。
【0129】この第2の応用例によれば、高粘度の着色
インクを用い、毎分20枚の画像出力を行なった場合で
あっても、十分に乾燥することができた。このように、
高速な記録を可能とすることができる。
【0130】図23は、本発明の画像形成装置の第3の
応用例を示す概略構成図である。上述の各例ではすべて
単色の画像を形成するプロセスについて説明してきた。
もちろん本発明はこれに限定されることはない。例えば
図23に示したように、Yellow、Magent
a、Cyanの少なくとも3色以上、好ましくはBla
ckを含む4色以上について本発明の画像を形成する機
構を有し、被記録媒体6上に各色の画像を順次形成し、
カラー画像を得るカラープロセスに適用することができ
る。
【0131】本発明では高粘度の着色インクを用いるこ
とができるので、図23に示すような工程で被記録媒体
6上に順次異なる色のインクを重ねて画像を形成して
も、ブリーディングがほとんどなく、高画質のカラー画
像を得ることができる。
【0132】図24は、本発明の画像形成装置の第4の
応用例を示す概略構成図である。図中、65は中間転写
媒体である。上述の第3の応用例では被記録媒体に直接
着色インクを付着させて画像を形成したが、例えば図2
4に示したように、中間転写媒体65に着色インクを付
着させて画像を形成し、これを所望の被記録媒体6へ転
写する方式をとることも可能である。
【0133】この構成においても、上述の第3の応用例
と同様に高画質のカラー画像を得ることができる。ま
た、中間転写媒体65に形成した画像を被記録媒体6へ
転写する際に押圧するので、上述の第1の応用例と同様
に被記録媒体6上の表面粗さを小さくすることができ
る。
【0134】カラー画像を形成する構成としては、上述
の第3、第4の応用例に示した構成の他、画像を形成す
る機構は1つとし、インク供給ローラ13あるいはイン
ク担持体2に供給する着色インク自体を切り替えて複数
色の画像を形成することも可能である。
【0135】また、上述の各実施の形態および各応用例
では、すべて被記録媒体を搬送移動させる例を示した
が、これに限らず、被記録媒体を静止させて画像を形成
する機構部分を移動させる構成であってももちろんよ
い。さらには両者を移動させてもよい。また、被記録媒
体の全面の画像を同時に形成する場合などでは、少なく
とも記録時には両者が静止してもよい。
【0136】本発明は、複写機、プリンター、プロッタ
ー、ファクシミリ、印刷機等、種々の画像形成装置に応
用することができる。
【0137】なお、上述の各実施の形態や各応用例は、
本発明に係る一態様であり、本発明は上述の各例だけに
限定されるべきものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲での実施上のあらゆる設計変更をも包含するもの
である。
【0138】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、インクをインク担持体上の平坦な表面に均一
なパターン状、特に独立したインク滴状やストライプ状
で保持させるか、あるいは厚さ20μm以下の均一な薄
層状態で保持させ、画像情報に応じてインク担持体を加
熱してインクを飛翔させる。インク担持体はインクを保
持する面が平坦であるため、インクを噴射する際に気体
層が発生した時点で、インクはインク担持体とほとんど
接触しておらず、インク担持体から受ける抵抗力は非常
に小さくなる。また、飛翔しようとするインクは、接触
したとしても周囲のインクのみであって、抵抗力は小さ
い。そのため、粘度の低いインクから粘度の高いインク
まで、小さなエネルギーで高速に、インク滴を飛翔させ
て画像を形成することができる。このとき、インクの粘
度が多少変化しても、飛翔しようとするインクが受ける
力はそれほど変化しないので、インクの飛翔に関する影
響は非常に小さい。さらに、インクが飛翔する際に周囲
のインクと接触していたとしても、接触はインク同士で
あるためその特性は均一であり、垂直方向に安定してイ
ンクを飛翔させることができる。
【0139】またインクの噴射量は、インク供給手段に
よってインク担持体上に着色インクを塗布する段階で一
定量に決定されるため、安定している。インクのパター
ンを微細に、あるいはインクの層を薄く形成しておけ
ば、インクの吐出量を低減でき、微小なドットを再現で
きる。これによって高精細な画像の形成が可能となる。
【0140】また、インクはインク担持体上に保持され
て連続的に搬送、供給されるため、インクの供給速度は
インク担持体の搬送速度で決定でき、粘度に関係なく高
速にインクの供給を行なうことができる。
【0141】さらに、インクによって画像を形成された
記録媒体を加圧する手段、あるいは加熱加圧する手段を
設けることもでき、その場合には粘度が非常に高いイン
クを使用しても、画像の表面粗さを小さくすることがで
き、またインクの乾燥速度を速くして高速化を実現する
ことができる。
【0142】したがって本発明の画像形成方法および画
像形成装置によれば、粘度の高いインクを消費エネルギ
ーの増大なく、あるいは小さな消費エネルギーによっ
て、微小量のインクを高速に、かつ安定して飛翔させる
ことができ、様々な被記録媒体に対して滲みがなく、高
画質、高精細な画像を形成することができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法の第1の実施の形態を
示す原理説明図である。
【図2】 本発明の画像形成方法の第1の実施の形態を
実現する画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態におけるインク供
給ローラの一例を示す概略断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態におけるインク供
給ローラの別の例を示す概略断面図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態におけるインク供
給ローラのさらに別の例を示す概略断面図である。
【図6】 本発明の第1の実施の形態におけるインク供
給ローラのさらに別の例を示す概略説明図である。
【図7】 本発明の第1の実施の形態におけるインク担
持体の加熱方法の第1の例の説明図である。
【図8】 本発明の第1の実施の形態におけるインク担
持体の加熱方法の第2の例の説明図である。
【図9】 本発明の第1の実施の形態におけるインク担
持体の加熱方法の第3の例の説明図である。
【図10】 本発明の第1の実施の形態におけるインク
担持体の加熱方法の第4の例の説明図である。
【図11】 本発明の画像形成方法の第1の実施の形態
を実現する画像形成装置の第1の変形例を示す概略構成
図である。
【図12】 本発明の画像形成方法の第1の実施の形態
を実現する画像形成装置の第2の変形例を示す概略構成
図である。
【図13】 本発明の画像形成方法の第1の実施の形態
を実現する画像形成装置の第3の変形例を示す概略構成
図である。
【図14】 本発明の画像形成方法の第2の実施の形態
を示す原理説明図である。
【図15】 本発明の第2の実施の形態におけるインク
供給ローラの一例を示す概略斜視図である。
【図16】 本発明の第2の実施の形態におけるインク
供給ローラの別の例を示す概略斜視図である。
【図17】 本発明の第2の実施の形態において使用可
能なブレードの一例を示す概略平面図である。
【図18】 インク滴噴射後の着色インクの状態の説明
図である。
【図19】 本発明の画像形成方法の第3の実施の形態
を実現する画像形成装置の一例を示す概略構成図であ
る。
【図20】 本発明の画像形成方法の第3の実施の形態
およびそれを実現する画像形成装置を使用する場合のイ
ンク粘度とインク膜厚の関係の一例の説明図である。
【図21】 本発明の画像形成装置の第1の応用例を示
す概略構成図である。
【図22】 本発明の画像形成装置の第2の応用例を示
す概略構成図である。
【図23】 本発明の画像形成装置の第3の応用例を示
す概略構成図である。
【図24】 本発明の画像形成装置の第4の応用例を示
す概略構成図である。
【図25】 従来のノズルを有しないインクジェット記
録方式の一例の説明図である。
【符号の説明】
1…着色インク、2…インク担持体、3…加熱部、4…
気体層、5…インク滴、6…被記録媒体、11…インク
供給部、12…インク貯蔵部、13,13a,13b…
インク供給ローラ、14…ブレード、15…加熱部、1
6…搬送部、21…凹部、22…貫通孔、23…メッシ
ュフィルム、24…弾性部材、25…親水性パターン、
31…絶縁性基体、32…導電性ピン、33…支持体、
34…発熱抵抗層、35…導電層、36…摩擦保護層、
37…記録電極、38…記録ヘッド、39…発熱部、4
0…半導電性支持体、41…透明支持体、42…透明導
電層、43…光導電層、44…バイアス電源、45…L
ED光、46…光吸収発熱層、47…レーザ光、51…
半導体レーザ、52…レーザ走査装置、61…加圧部、
62…加熱加圧部、63…ベルト状部材、64…加熱ヘ
ッド、65…中間転写媒体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09D 11/00 B41J 3/04 103B 29/00 H

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク担持体上の平坦な表面に均一なパ
    ターン状にインクを保持させ、前記インク担持体の一部
    を画像情報に従って加熱し、前記インク担持体と前記イ
    ンクの界面あるいは界面近傍で前記インクを沸騰させ、
    沸騰により発生した気泡の圧力によってインクを飛翔さ
    せ、前記インク担持体と微小間隙をもって配置された被
    記録媒体に付着させて画像を形成することを特徴とする
    画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記インク担持体上に保持されるインク
    のパターンが、それぞれ独立したインク滴状であること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記インク担持体上に保持されるインク
    のパターンが、ストライプ状であることを特徴とする請
    求項1に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 インク担持体上の平坦な表面に厚さ20
    μm以下の均一な薄層としてインクを保持させ、前記イ
    ンク担持体の一部を画像情報に従って加熱し、前記イン
    ク担持体と前記インクの界面あるいは界面近傍で前記イ
    ンクを沸騰させ、沸騰により発生した気泡の圧力によっ
    てインクを飛翔させ、前記インク担持体と微小間隙をも
    って配置された被記録媒体に付着させて画像を形成する
    ことを特徴とする画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記インクの粘度が10mPa・s以上
    であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記インクによって前記被記録媒体に画
    像が形成された後、前記被記録媒体を加圧することを特
    徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載
    の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記インクによって前記被記録媒体に画
    像が形成された後、前記被記録媒体を加圧および加熱す
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか
    1項に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 インクを保持する平坦な表面を有するイ
    ンク担持体と、前記インクを前記インク担持体上に均一
    なパターン状に供給するインク供給手段と、前記インク
    担持体の一部を画像情報に従って加熱する加熱手段と、
    該加熱手段と対向して前記インク担持体と微小間隙を保
    って被記録媒体を相対移動させる移動手段を少なくとも
    有し、該加熱手段の加熱によって前記インク担持体上の
    前記インクを飛翔させ前記被記録媒体へ付着させること
    を特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記インク担持体上に供給されるインク
    のパターンが、それぞれ独立したインク滴状であること
    を特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記インク担持体上に供給されるイン
    クのパターンが、ストライプ状であることを特徴とする
    請求項8に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 インクを保持する平坦な表面を有する
    インク担持体と、前記インクを前記インク担持体上に均
    一な薄層として供給するインク供給手段と、前記インク
    担持体の一部を画像情報に従って加熱する加熱手段と、
    該加熱手段と対向して前記インク担持体と微小間隙を保
    って被記録媒体を相対移動させる移動手段を少なくとも
    有し、前記インク担持体上に供給されるインクの前記薄
    層の厚みが20μm以下であり、前記加熱手段の加熱に
    よって前記インク担持体上の前記インクを飛翔させ前記
    被記録媒体へ付着させることを特徴とする画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】 前記インクの粘度が10mPa・s以
    上であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成
    装置。
  13. 【請求項13】 前記インクによって画像が形成された
    被記録媒体を加圧する加圧手段を設けたことを特徴とす
    る請求項8ないし請求項12のいずれか1項に記載の画
    像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記インクによって画像が形成された
    被記録媒体を加圧および加熱する加熱加圧手段を設けた
    ことを特徴とする請求項8ないし請求項12のいずれか
    1項に記載の画像形成装置。
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