JPH11138306A - 外面仕上旋削装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 円筒状または円柱状のワークの外周面を仕上
旋削する装置であって、高い加工精度を安定的に得るこ
とが出来る外面仕上旋削装置を提供する。 【解決手段】 バイト１を固定し且つワークＷの軸方向
に駆動される刃物台２と、バイト１の先端から流出する
ワークＷの切り屑Ｃを吸引排出するカットブロアー３と
を備え、カットブロアー３は、刃物台２に同期してワー
クＷの軸方向に駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、外面仕上旋削装置
に関し、詳しくは、円筒状または円柱状のワークの外周
面をバイトで仕上旋削する装置であって、高い加工精度
を安定的に得ることが出来る外面仕上旋削装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ワークの外周面をバイトで仕上旋削する
場合、切り屑が粉状となる旋削条件では、ワークの外周
面およびバイトの刃先に切り屑が付着して加工精度が低
下し、一方、切り屑が直線状に連続する旋削条件では、
加工精度が向上することが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、切り屑が直
線状に連続する旋削条件においても、ワークに対する切
り屑の流出角度が一定しないと、加工精度にバラツキが
生じる。すなわち、バイトが刃物台と共にワークの軸方
向に移動し且つ切り屑が一定個所に捕集される場合、ワ
ークに対する切り屑の流出角度が時々刻々と変化するた
め、高い加工精度を安定的に得るのは困難である。

【０００４】本発明は、前記の実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、円筒状または円柱状のワークの
外周面を仕上旋削する装置であって、高い加工精度を安
定的に得ることが出来る外面仕上旋削装置を提供するこ
とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る外面仕上旋削装置は、円筒状または円
柱状のワークの外周面をバイトで仕上旋削する装置であ
って、バイトを固定し且つワークの軸方向に移動可能な
刃物台と、バイトの刃先から流出するワークの切り屑を
吸引排出する切り屑処理機とを備え、当該切り屑処理機
は、前記刃物台に同期してワークの軸方向に移動可能に
構成されていることを特徴とする。

【０００６】本発明の外面仕上旋削装置は、電子写真感
光体用のドラムをワークとし、その外面を仕上旋削する
のに好適である。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る外面仕上旋削装置を説明する。図１は外面仕上旋削装
置の概略構造を示す斜視図である。

【０００８】本発明の外面仕上旋削装置は、図１に示す
様に、円筒状または円柱状のワーク（Ｗ）の外周面をバ
イト（１）で仕上旋削する装置であって、バイト（１）
を固定し且つワーク（Ｗ）の軸方向に移動可能な刃物台
（２）と、バイト（１）の先端から流出するワーク
（Ｗ）の切り屑（Ｃ）を吸引排出する切り屑処理機とし
てのカットブロアー（３）とを備えている。そして、カ
ットブロアー（３）は、刃物台（２）に同期してワーク
（Ｗ）の軸方向に移動可能に構成されている。

【０００９】ワーク（Ｗ）としては、例えば、複写機や
プリンタ等に使用される電子写真感光体用のドラムが挙
げられる。斯かるドラムは、通常、アルミニウム、黄
銅、ステンレス等の金属材料から成る。ドラムの外径は
１５〜１１０ｍｍ程度、内径は１０〜１０５ｍｍ程度、
長さは２００〜５００ｍｍ程度に設定されている。

【００１０】バイト（１）は、仕上加工用の剣バイトで
あり、通常、刃先が方形断面のシャンクと一体に形成さ
れたむくバイトや付刃バイトが使用されるが、シャンク
の先端にチップを着脱自在に固定した組立バイトであっ
てもよい。斯かるバイト（１）は、ワーク（Ｗ）の径方
向にシャンクを沿わせて刃物台（２）に固定される。

【００１１】刃物台（２）は、ベッド（４）上に設置さ
れてＸＹ方向に移動可能なスライドステージ（５）上に
固定されている。そして、スライドステージ（５）が駆
動機構（図示省略）を介してＸＹ方向に駆動制御される
ことにより、刃物台（２）と共にバイト（１）がＸＹ方
向に駆動され、ワーク（Ｗ）に対する所定の切込み量と
送り量が与えられる様に構成されている。

【００１２】前記ベッド（４）上には、ワーク（Ｗ）の
両端部を把持して回転駆動する一対のスピンドルヘッド
（６）が搭載されている。そして、このスピンドルヘッ
ド（６）及び前記スライドステージ（５）は、操作盤
（７）の操作によって作動が制御される様に構成されて
いる。

【００１３】カットブロアー（３）は、切り屑（Ｃ）を
吸引する吸引口（３Ａ）を備え、吸引口（３Ａ）から吸
引した直線状の切り屑（Ｃ）を細かく破断して排出口
（３Ｂ）から排出する機能を有する。なお、排出口（３
Ｂ）は、フレキシブルチューブ等を介して集塵装置（図
示省略）に接続されている。そして、カットブロアー
（３）は、その吸引口（３Ａ）を切り屑（Ｃ）の流出方
向に向けてスライドベッド（８）上に搭載されている。

【００１４】スライドベッド（８）には、カットブロア
ー（３）をワーク（Ｗ）の軸方向に沿って駆動する送り
ネジ機構（８Ａ）が装備されている。この送りネジ機構
（８Ａ）は、前記スライドステージ（５）をＹ方向に駆
動する駆動機構（図示省略）に同期して作動が制御され
る駆動モータ（図示省略）を有し、ワーク（Ｗ）の軸方
向に沿う刃物台（２）の移動に同期してカットブロアー
（３）を駆動する様に構成されている。

【００１５】次に、本発明に係る外面仕上旋削装置の使
用例を説明する。本発明の外面仕上旋削装置において
は、図１に示す様に、ワーク（Ｗ）の両端部が一対のス
ピンドルヘッド（６）により回転駆動され、バイト
（１）を固定した刃物台（２）がスライドステージ
（５）によりＸＹ方向に駆動されることにより、ワーク
（Ｗ）の外面がバイト（１）によって旋削加工される。
この場合、ワーク（Ｗ）の回転速度、バイト（１）の切
込み量、送り速度などの旋削条件は、操作盤（７）から
の操作により、切り屑（Ｃ）が直線状に連続する様に設
定される。

【００１６】斯かるワーク（Ｗ）の外面の旋削開始に伴
い、カットブロアー（３）がスライドベッド（８）によ
り吸引口（３Ａ）を切り屑（Ｃ）の流出方向に向けた状
態で刃物台（２）に同期してワーク（Ｗ）の軸方向に駆
動される。このため、切り屑（Ｃ）は、流出角度が一定
に保持された状態でカットブロアー（３）の吸引口（３
Ａ）に吸引される。そして、吸引された直線状の切り屑
（Ｃ）は、カットブロアー（３）の内部で細かく破断さ
れて排出口（３Ｂ）から排出され、フレキシブルチュー
ブ等を介して集塵装置（図示省略）に捕集される。

【００１７】このように、本発明においては、切り屑
（Ｃ）が直線状に連続するワーク（Ｗ）外面の旋削加工
中、切り屑（Ｃ）の流出角度が略一定に保持されるた
め、一定した仕上面を形成することが出来、高い加工精
度を安定的に得ることが出来る。

【００１８】また、カットブロアー（３）を搭載するス
ライドべッド（８）は、刃物台（２）側のベッド（４）
と独立して設けられているため、カットブロアー（３）
の作動振動が刃物台（２）に直接伝達することはなく、
より一層高い加工精度を得ることが出来る。

【００１９】

【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、切
り屑処理機が刃物台に同期してワークの軸方向に駆動さ
れるため、切り屑のワークに対する流出角度を一定に保
持することが出来、高い加工精度を安定的に得ることが
出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る外面仕上旋削装置の概略構造を示
す斜視図である。

【符号の説明】

１ ：バイト ２ ：刃物台 ３ ：カットブロアー ３Ａ：吸引口 ３Ｂ：排出口 ４ ：ベッド ５ ：スライドステージ ６ ：スピンドルヘッド ７ ：操作盤 ８ ：スライドベッド ８Ａ：送りネジ機構 Ｗ ：ワーク Ｃ ：切り屑

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状または円柱状のワークの外周面を
   バイトで仕上旋削する装置であって、バイトを固定し且
   つワークの軸方向に移動可能な刃物台と、バイトの先端
   から流出したワークの切り屑を吸引排出する切り屑処理
   機とを備え、当該切り屑処理機は、前記刃物台に同期し
   てワークの軸方向に移動可能に構成されていることを特
   徴とする外面仕上旋削装置。
2. 【請求項２】 ワークが電子写真感光体用のドラムであ
   る請求項１に記載の外面仕上旋削装置。