JPH11137666A - 血液透析評価方法 - Google Patents
血液透析評価方法Info
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- JPH11137666A JPH11137666A JP9323843A JP32384397A JPH11137666A JP H11137666 A JPH11137666 A JP H11137666A JP 9323843 A JP9323843 A JP 9323843A JP 32384397 A JP32384397 A JP 32384397A JP H11137666 A JPH11137666 A JP H11137666A
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Abstract
および/または標準化蛋白質異化率(PCRn)を用いる血液
透析評価方法に於いて、Kt/V および/またはPCRnを求
めるための臨床上有用な計算方法を提供し、これを用い
て血液透析の結果を正確かつ簡便に評価する方法を提供
する。 【解決手段】 血液透析の結果を評価する指標であるKt
/V および/またはPCRnを週に於ける初回あるいは2回
目の血液透析前後の血漿尿素窒素濃度、透析時間および
総限外濾過量から求め、これを用いて血液透析の結果を
評価する方法。
Description
血液透析の結果を評価する指標としてKt/V および/ま
たは標準化蛋白質異化率(PCRn)を計算式によって求め、
これを用いて血液透析の結果を正確かつ簡便に評価する
方法に関する。
れるKt/V および PCRn は、臨床上の評価指標として広
く認められている。Kt/V は、慢性腎不全患者の血液透
析治療を行なうにあたり血液透析が適切に行なわれたか
否かを評価するのに用いられ、一方、 PCRn は患者が適
切な量の蛋白質を摂取しているか否かを評価するのに用
いられる。今日、その単純さ、簡便さゆえに、Kt/V お
よびPCRnは、1プールモデルを用いて計算されている。
しかしながら1プールモデルは、例えば短時間かつ高効
率な血液透析治療を受けた患者群と、長時間かつ緩徐な
血液透析を受けた患者群間でそれぞれのパラメータを比
較しようとする場合には、Kt/V および PCRn を計算す
るのに適していない。1プールモデルによるKt/V およ
び PCRn は、特に短時間かつ高効率な血液透析治療を受
けている患者群に於いては血漿中の尿素窒素(UN)濃度
の透析後のリバウンドが考慮されていないため、過大な
値になってしまう傾向が強い。
らは臓器組織が高血流系または低血流系のどちらかに割
り当てられるという2プールモデルを開発した。(Schne
ditzD, van Stone JC, Daugiardas JT. 「A regional b
lood circulation alternat-ive to in-series two com
partment urea kinetic modeling」ASAIO Trans 1993;3
9:M5737.)このモデルに於いては、高血流系臓器は全身
の水の20%しか含まないが、これらの臓器には全臓器
を潅流する血流の85%が潅流している。一方、低血流
系臓器は全身の水の80%を含むが、全臓器を潅流する
血流の15%しか潅流していない。このモデルでは、血
液透析中に高血流系臓器と低血流系臓器との間に発生す
るUN濃度の不均衡が透析後の血漿UN濃度のリバウンドの
原因であると説明される。しかし、シュネディツのモデ
ルでは、プール数が増えた分だけ数式も複雑になった。
そのため、シュネディツのモデルに基づいて、週に於け
る初回あるいは2回目の透析前後の血漿UN濃度、透析時
間、総限外濾過量からKt/V と PCRn を算出する場合に
は、コンピュータと演算用ソフトウエアーが必要とな
る。
ールモデルの欠点であるKt/V および PCRn 値の実体と
のずれを是正し、しかも1プールモデルの利点である簡
便性を残しつつ、週に於ける初回あるいは2回目の透析
前後の血漿UN濃度、透析時間および総限外濾過量を用い
て臨床上非常に有用なKt/V および PCRn を求めるため
の計算方法を提供し、さらにこれを用いて血液透析の結
果を正確かつ簡便に評価する方法を提供することにあ
る。
ツの2プールモデルにUN産生速度を新たなパラメータと
して加えることにより、このモデルを修飾し、更にこの
修飾したモデルに、1)患者は週に3回の血液透析治療
を受ける、2)週のすべての血液透析の透析時間はそれ
ぞれ等しい、3)残腎機能は無い、4)血漿UN濃度は週
の初回または2回目の血液透析前後で測定する、5)心
臓血液拍出量 (CO)は透析中も透析以外の時にも70ml
/min/kg と一定であるとし、ブラッドアクセスの血流も
11ml/min/kg と一定であるとする、6)単位理想体重
あたりの尿素分布容積は670ml/kg とする、という6
つの仮定を加えて、週に於ける初回あるいは2回目の透
析前後の血漿UN濃度、透析時間および総限外濾過量から
Kt/Vおよび PCRn を計算する計算式を得るに至ったもの
である。更に本発明の計算式により得た数値が、シュネ
ディツの2プールモデルに於いて尿素分布容積を変数と
したうえで、このモデルをエボリューショナル・ストラ
テジー・アルゴリズム(evolutional strategy algorith
m)を用いて解析することにより得られたパラメータ値と
それぞれよく一致することを確認し、本発明を完成する
に至った。
する指標であるKt/V および/または PCRn を週に於け
る初回あるいは2回目の血液透析前後の血漿UN濃度、透
析時間および総限外濾過量から求め、これを用いて血液
透析の結果を評価する方法である。初回の血液透析に関
連するデータからは式[1] によりKt/Vを、式[3] により
PCRn が求められる。
アライザークリアランス(ml/min/kg) であり、式[2] を
用いて求める数値、TDは透析時間(hr)、R は週に於ける
初回の透析後の血漿UN濃度を週に於ける初回の透析前血
漿UN濃度で徐した値、UFは週に於ける初回の血液透析中
の総限外濾過量(ml)、IBW は既知の方法により求めた理
想体重(kg)である。
るデータからは 式[4] によりKt/V が求められ、式
[6] によりPCRnが求められる。
アライザークリアランス(ml/min/kg) であり、式[5] を
用いて求める数値、TDは透析時間(hr)、R は週に於ける
2回目の透析後血漿UN濃度を、週に於ける2回目の透析
前血漿UN濃度で除した値、UFは週に於ける2回目の血液
透析中の総限外濾過量(ml)、IBW は既知の方法により求
めた理想体重(kg)である。
発明で示した数式は係数の有効数字も下位の桁まで表示
しており、また計算上無視しても結果として得られる値
に大きな影響を与えない項も含んで表示している。計算
結果として得られる数字の有効数字が2桁まで正確に算
出できる範囲で省略してもかまわない。好ましい有効数
字は3桁である。
る。 (シュネディツらの2プールモデルの修飾)本発明者が
修飾したシュネディツのモデルに於いて、心臓血液拍出
量 (CO;ml/min/kg)は高血流系臓器(QH ; ml/min/kg)、
低血流系臓器(QL ; ml/min/kg)およびブラッドアクセス
(QAc;ml/min/kg)を潅流する血流量に割り当てられる。 CO =QH +QL +QAc [7] このモデルに於いては、高血流系臓器には全身の水の2
0%しか分布していないが、全臓器を潅流する血液の8
5%が潅流する。一方、低血流系臓器には全身の水の8
0%が分布しているが、全臓器を潅流する血液の15%
しか潅流していない。 VH /(VH + VL ) = 0.20 [8] QH /(QH + QL ) = 0.85 [9] ここで VH は高血流系臓器に分布する水の量(ml/kg) 、
VL は低血流系臓器に分布する水の量(ml/kg) である。
全臓器を潅流する血流量とは、心臓血液拍出量からブラ
ッドアクセスを潅流する血流量を差し引いた血流量であ
る。このモデルに於いて全身の水の量 (TBW;ml/kg)は尿
素分布容積と同義語であり、高血流系臓器と低血流系臓
器に分布する。 TBW = VH + VL [10] 更に、それぞれの血流系臓器に分布する水は細胞内に分
布する水、間質に分布する水および血液中の水からな
る。
納に関する式は、式 [11a]〜[11c]のようになる。
g/ml) 、 CL は低血流系臓器に分布する水の中のUN濃度
(mg/ml)、 CA は血漿中のUN濃度(mg/ml) 、GはUN産生
速度(mg/min/kg) 、 Kは尿素のダイアライザークリアラ
ンス(ml/min/kg) であり、透析終了時から次の透析の開
始時までの間は K=0である。
あたり、先に述べた6つの仮定を加えた。そして、ま
ず、26人の患者の尿素分布容積を次式[12]を用いて決
定した。
A(R)は血漿UN濃度の透析後でリバウンド後の値(mg/ml)
(すなわち透析終了後45分経過した時点の血漿UN濃
度)、UFは透析中の総限外濾過量(ml)、 Eは血液透析中
に透析液中へ除去されたUNの量(mg)、IBW は理想体重(k
g)を示す。このようにして測定された尿素分布容積は約
670ml/kg (668±62ml/kg)であった。
系臓器に分布する水、および動脈血中の透析前UN濃度
(すなわち、 CH(S)、 CL(S)、 CA(S))から、それぞれ
のコンパートメントの透析後UN濃度を計算し、更にこの
ようにして計算された透析後UN濃度から次回の透析前UN
濃度と、次々に透析前後の各コンパートメントのUN濃度
を計算するために、シュネディツの2プールモデルを透
析中および透析間のそれぞれについてコンピュータを用
いて解析した。それぞれのコンパートメントの透析前お
よび透析後UN濃度を計算するためには、仮に週の初回の
透析前 CH 、 CL、 CA をそれぞれ1mg/ml とし、これ
からスタートして10週間の各透析の前後の CH 、
CL 、 CA を計算した。その際、解析は種々の K値、G
値、透析時間の下で行なわれた。すなわち K値は 1.0〜
8.0ml/min/kgの範囲で0.2 ml/min/kgきざみで、G は 0
〜0.14mg/min/kg の範囲で0.01mg/min/kg きざみで、透
析時間は3〜6時間の範囲で 0.5時間きざみで解析が行
なわれた。このようにそれぞれのK値、G 値、透析時間
の下で計算された週の初回の透析前および透析後 CH 、
CL 、 CA に関して第9週目と第10週目との間で差が
ないことから、たとえそれぞれのコンパートメントの透
析前UN濃度を任意の値から始めても第10週目には安定
状態に達するとみなせる。これ以降 CH 、 CL 、 C
A は、安定状態に於けるそれぞれのコンパートメントの
透析前、透析後UN濃度を示す。
安定状態に於ける透析前後の血漿UN濃度は、ダイアライ
ザー尿素クリアランス(K)が一定の時、UN産生速度に比
例することが判かった。 CA(S) = a・G [13a] CA(E) = b・G [13b] ここで、それぞれの1次式の傾き (すなわち aおよびb)
は Kの値に応じて変化するので、 CA(S)/G および C
A(E)/G の両者は Kの関数である。 CA(S)/ G = f(K) [14a] CA(E)/ G = g(K) [14b] それゆえ、 CA(E)/ CA(S)は Kの関数であるが Gの関数
ではない。 CA(E)/ CA(S)= h(K) [14c] そこで、安定状態に於ける CA(E)/ CA(S)の値 (すなわ
ち10週目の初回の血液透析に於ける CA(E)/ CA(S)の
値を種々の透析時間について、 K値の関数としてプロッ
トし、非線形最少2乗曲線近似法(non-linear least-sq
uares curve-fitting technique)を用いたところ、それ
ぞれの透析時間において、このデータが5次式によく合
うことが判かった (各等式に於いて r2>0.99999 ;図1
を参照)。
解くことにより、0.15〜0.70の範囲で0.05きざみのそれ
ぞれの CA(E)/ CA(S)値から K値が計算された。そし
て、このようにして計算された K値を CA(E)/ CA(S)の
関数としてプロットし、このデータに最も合う以下の5
次式が得られた (式[15a]〜式[15g] ;図2を参照) 。 (透析時間 3.0 h; r2>0.99999) K(3.0) =20.951 - 130.27R + 438.86R2 - 835.46R3 + 825.22R4 - 328.59R5 [15a] (透析時間 3.5 h; r2>0.99999) K(3.5) =17.482 - 105.33R + 347.03R2 - 650.35R3+ 634.68R4 - 250.43R5 [15b] (透析時間 4.0 h; r2>0.99999) K(4.0) =16.147 - 104.49R + 371.49R2 - 741.60R3 + 761.81R4 - 313.37R5 [15c] (透析時間 4.5 h; r2>0.99999) K(4.5) =14.919 - 101.82R + 382.39R2 - 797.22R3 + 847.19R4 - 357.93R5 [15d] (透析時間 5.0 h; r2>0.99999) K(5.0) =13.620 - 94.852R + 363.87R2 - 770.44R3 + 827.71R4 - 352.49R5 [15e] (透析時間 5.5 h; r2>0.99999) K(5.5) =13.297 - 102.04R + 427.85R2 - 968.72R3 + 1095.3R4 - 485.31R5 [15f] (透析時間 6.0 h; r2=0.999) K(6.0) =13.058 - 108.80R + 487.51R2 - 1155.3R3 + 1349.7R4 - 612.66R5 [15g] ここで R = CA(E)/ CA(S)である。
析時間および種々の CA(E)/ CA(S)に於ける K値を計算
したところ、 CA(E)/ CA(S)と K(TD)/ K(4.0) との関
係が、C A(E)/ CA(S)が0.15〜0.70の範囲で略直線関係
にあることが判明した (図3を参照)。ここで K
(TD)は、任意の透析時間に於ける式[15]により計算され
た K値であり、 K(4.0) は透析時間4時間に於ける式[1
5]により計算された K値である。このようにして y=a+b
x の形の一連の回帰式が CA(E)/ CA(S)と K(TD)/ K
(4.0) との間で得られた。ただし、透析時間 (TD)の単
位は時間(hr)である。 K(3.0) / K(4.0) =1.3419 - 0.14398 R (r2=0.966) [16a] K(3.5) / K(4.0) =1.1464 - 0.05711 R (r2=0.971) [16b] K(4.0) / K(4.0) =1.0000 (r2=undefined) [16c] K(4.5) / K(4.0) =0.88609 + 0.039984 R (r2=0.953) [16d] K(5.0) / K(4.0) =0.79512 + 0.06898 R (r2=0.939) [16e] K(5.5) / K(4.0) =0.72123 + 0.10305 R (r2=0.923) [16f] K(6.0) / K(4.0) =0.66127 + 0.10305 R (r2=0.906) [16g] ここで、 R = CA(E)/ CA(S)とした。
の直線の切片 (=a) がTDの関数としてプロットされ、デ
ータに最も良く合う次の3次式が得られた (r2=0.999;
図4aを参照)。 a = 3.8629 - 1.3499 TD + 0.20346 TD2 - 0.011240 TD3 [17a] 同様に、 CA(E)/ CA(S)対 K(TD)/ K(4.0) の直線の傾
き (=b) がTDの関数としてプロットされ、データに最も
良く合う次の3次式が得られた (r2=0.99999;図4bを参
照)。 b = - 1.4398 + 0.73162 TD - 0.12053 TD2 + 0.0069122 TD3 [17b] そこで、 K(TD)/ K(4.0) は次式から求まる。 K(TD)/ K(4) = (3.8629 - 1.3499 TD + 0.20346 TD2 - 0.011240 TD3) + ( - 1.4398 + 0.73162 TD - 0.12053 TD2 + 0.0069122 TD3) R [18] 式[15c]と式[18]からは、与えられた透析時間から K
値を求める式 [19] が得られる。 K(TD) = [(3.8629 - 1.3499 TD + 0.20346 TD2 - 0.011240 TD3) + ( - 1.4398 + 0.73162 TD - 0.12053 TD2 + 0.0069122 TD3) R] × (16.147 - 104.49R + 371.49R2 - 741.60R3 + 761.81R4 - 313.37R5) [19]
K値の補正)ここまでは尿素分布容積の変化を無視して
いるので、このようにして得られたK(K(TD)) 値は低く
見積もられている。そこで、尿素分布容積の変化により
このようにして得られた K値を補正する必要がある。さ
て、透析中の尿素出納は尿素分布容積の変化を無視した
場合には式 [20a]で表され、尿素分布容積の変化を考慮
した場合には式[20b] で表される。 td K∫ CA dt-G・td =(VH ・ CA(S)+VL ・ CA(S)) - (VH ・ CH(E)+VL ・ CL(E)) 0 [20a] td k∫ CA dt-g・td = [(VH + Δ VH ) ・ CA(S)+ (VL + Δ VL ) ・ CA(S) ] 0 - (VH ・ CH(E) + VL ・ CL(E)) [20b] ここで Kは血液透析中の尿素分布容積の変化を考慮しな
かったときのダイアライザー尿素クリアランス(ml/min/
kg) であり、 kはこれを考慮に入れたときのダイアライ
ザー尿素クリアランス(ml/min/kg) である。また、 G
は、尿素分布容積の変化を考慮に入れなかったときのUN
産生速度(mg/min/kg) であり、g はこれを考慮したとき
のUN産生速度(mg/ min/kg)である。 CH(E)と CL(E)は、
それぞれ、高血流系および低血流系臓器に分布する水の
中の週の初回の透析後UN濃度(mg/ml) であり、tdは単位
が分の透析時間である。ここで、高血流系臓器のUN濃度
も低血流系臓器のUN濃度も、血液透析の開始時点では血
漿濃度に等しいと仮定した。
する週の初回の透析の間の尿素出納は、尿素分布容積の
変化を無視した場合、式[21a]で、考慮した場合、式
[21b]で表される。 G ×ti = (VH +VL ) ・ CA(S)- (VH ・ CH(PE) +VL ・ CL(PE) ) [21a] g ×ti = [(VH + Δ VH ) ・ CA(S) + (VL + Δ VL ) ・ CA(S)] - (VH ・ CH(PE) +VL ・ CL(PE) ) [21b] ここで、tiは前の週の3回目の血液透析終了時点から問
題とする週の初回の血液透析の開始時までの時間(min)
、 CH(PE) と CL(PE) はそれぞれ前の週の最後の血液
透析終了時の高血流系臓器および低血流系臓器に分布す
る水の中のUN濃度(mg/ml) であり、Δ VH とΔ VL はそ
れぞれ高血流系臓器および低血流系臓器に於ける前の週
の3回目の血液透析の終了時から、問題とする週の初回
の血液透析の開始時までの間の、尿素分布容積の増加量
(ml/kg) (これは血液透析中の尿素分布容積の減少量と
等しいとみなせる)である。式[21a]と式[21b]からは
次式[22]が得られる。
の限外濾過容量で単位はml/kg である。式 [20a]、式
[20b]、および式 [22] から次式が得られる。
[23] は下式[24]となる。
であり、R = CA(E)/CA(S)である。
にtd(min) を乗じて V (=670ml/kg) で除すことにより
計算できる。この式を式[25]で示す。
に於ける K(= K(TD))は式 [19] により計算される。
ルを修飾することにより得られた2プールモデルを解析
したところ、安定状態に於ける血液透析前血漿UN濃度(C
A(S)) は Kが定数ならUN産生速度(G)に実質的に比例す
ることが判った。そこで Gを算出するための式を案出す
るために、 G対 CA(S)の直線の傾き(G/CA(S))を一連
の CA(E)/ CA(S)(0.15 〜0.70の範囲、0.05きざみ)お
よび一連の透析時間 (3〜6時間,0.5 時間きざみ)に
於いて計算し、次に G/ CA(S)をそれぞれの透析時間に
於いて CA(E)/ CA(S)の関数としてプロットした。その
結果、データが2次方程式 (y=a+bx+cx2) に良く合うこ
とが判明し、以下の回帰式が得られた (式 [26a]〜式[2
6g] ;図5を参照)。 (透析時間 3.0 h; r2=0.999) G/CA(S) = 0.15146 - 0.13645 R - 0.016190 R2 [26a] (透析時間 3.5 h; r2>0.99999) G/CA(S) = 0.15439 - 0.13481 R - 0.020651 R2 [26b] (透析時間 4.0 h; r2>0.99999) G/CA(S) = 0.15657 - 0.13223 R - 0.025807 R2 [26c] (透析時間 4.5 h; r2>0.99999) G/CA(S) = 0.15839 - 0.12958 R - 0.030950 R2 [26d] (透析時間 5.0 h; r2>0.99999) G/CA(S) = 0.16010 - 0.12750 R - 0.035701 R2 [26e] (透析時間 5.5 h; r2=0.99999) G/CA(S) = 0.16196 - 0.12740 R - 0.037293 R2 [26f] (透析時間 6.0 h; r2>0.99999) G/CA(S) = 0.16387 - 0.12811 R - 0.038305 R2 [26g] 但し R=CA(E)/ CA(S)とした。ここで、上式の係数 (す
なわち y=a+bx+cx2 の形の2次方程式の a、b 、c)を、
それぞれTDの関数としてプロットし、データに最も良く
合う下式を得た (式[27a]〜式[27c];図6 a〜c を参
照)。 a= 0.13379 + 0.0069586 TD- 0.00032952 TD2 (r2=0.997) [27a] b=-0.16838 + 0.014022 TD - 0.0012043 TD2 (r2=0.968) [27b] c= 0.038794- 0.023187 TD + 0.0017071 TD2 (r2=0.991) [27c] そこで、 G値は次式を用いて求められる。 G =(a + bR + cR2)CA(S) = [(0.13379 + 0.0069586 TD - 0.00032952 TD2) + (- 0.16838 + 0.014022 TD - 0.0012043 TD2) R + (0.038794 - 0.023187 TD + 0.0017071 TD2) R2] ・ CA(S) [28]
Gの補正)ここまでは尿素分布容積の変化が無視されて
いるので、このようにして得られた Gは低く見積もられ
ており、したがって、尿素分布容積の変化による補正が
必要である。ここでは式[22]を変形して得た式[29]
により Gを補正した。
当たりの限外濾過容量であり、単位はml/kg である。TD
は単位が時間(hr)の透析時間であり、UF=uf ・IBW であ
る。
ay)とUN産生速度(g; mg/min/kg)の間の関係を示すボラ
ー(Borah) の式にUN産生速度を代入することにより計算
できる。 PCRn = 9.35 g + 0.17 [30a] ここで上記の式と式[28]および[29]を連立させるこ
とにより、血液透析前後の血漿UN濃度と透析時間からPC
Rnを求める式[30b] が得られる。
漿UN濃度からKt/V 、PCRnを計算する式)同様の手法に
より、週の第2回目の血液透析に関するKt/V を計算す
るための式[31]および、PCRnを計算するための式[3
3]が得られる。
アライザークリアランス(ml/min/kg) であり、下記式
[32] を用いて求める数値、TDは透析時間(hr)、R は週
に於ける2回目の透析後血漿UN濃度を、週に於ける2回
目の血漿UN濃度で除した値、UFは週に於ける2回目の血
液透析中の総限外濾過量(ml)、IBW は既知の方法により
求めた理想体重(kg)である。 K=[(3.7768 - 1.3135 TD + 0.1989 TD2 - 0.011029 TD3) + ( - 1.3198 + 0.68142 TD - 0.11445 TD2 + 0.0066529 TD3) R] ×( 16.378 - 103.8R + 358.41R2 - 696.43R3 + 699.29R4 - 282.3R5) [32]
の妥当性)尿素分布容積の変化を考慮していない2プー
ルモデルを尿素分布容積の変化を考慮したモデルに転換
するため、式[11a]、[11b]、[11c]を式[34a]、[34
b]、[34c]にそれぞれ置き換えた。
t、βH : βL = VH:VL 、 VH = VH(E)+ αH ・ t、
VL =VL(E)+ αL ・ t、αH : αL =VH :VL 、βH とβ
L は透析中の VH および VL の減少速度(ml/min/kg) 、
αH とαL は透析‐透析間の VH および VL の増加速度
(ml/min/kg)である。 VH 、 VL の単位は ml/kg、
CH 、 CL 、 CA の単位はmg/ml 、ufの単位はml/min/kg
、tdの単位はmin である。
の式で計算したKt/V とPCRnを、尿素分布容積の変化を
考慮した上記のモデルをエボリューショナル・ストラテ
ジー・アルゴリズムを用いて、コンピューターにより直
接解析することにより決定したそれぞれのパラメーター
と比較した。週の初回の血液透析については無尿の血液
透析患者120名、週の2回目の血液透析については無
尿の血液透析患者25名についてモデルの解析を行なっ
た。
た2プールモデルをエボリューショナル・ストラテジー
・アルゴリズムを用いて解析することによって得られた
Kt/V 値 (Kt/V algorithm ) と本発明方法によって計
算されたKt/V 値 (Kt/V present )との関係を示し
た。Kt/V present がKt/V algorithm と週の初回 (図
7a参照)においても週の2回目 (図7b参照) においても
良く一致することが示された。 週の初回の血液透析 Kt/V present = 1.0124 Kt/V algorithm - 0.01790 (r2>0.99999) 週の2回目の血液透析 Kt/V present = 1.0091 Kt/V algorithm - 0.01616 (r2=0.999) Kt/V presentとKt/V algorithmを比較したところ、平均
絶対誤差は週の初回の血液透析で0.48±0.40%、週の2
回目の血液透析で0.81±0.92%であり、最大絶対誤差は
それぞれ2.40%、3.70%であった。図8にアルゴリズム
を用いた2プールモデルの解析によって得られた PCRn
の値 (PCR algorithm ) と本発明方法によって計算され
たPCRn値 (PCR present )との関係を示した。PCR
present がPCR algorithm と週の初回 (図8a参照) でも
週の2回目 (図8b参照) でも良く一致することが示され
た。 週の初回の血液透析 PCR present = 1.0109 PCR algorithm - 0.01132 (r2>0.99999) 週の2回目の血液透析 PCR present = 0.9793 PCR algorithm - 0.021617 (r2=0.999) PCR present とPCR algorithm を比較したところ、平均
絶対誤差は週の初回の血液透析で0.28±0.29%、週の2
回目の血液透析で0.58±0.55%であり、最大絶対誤差は
それぞれ1.85%と3.02%であった。
あるKt/V および PCRn の値の実体とのずれを是正し、
しかも1プールモデルの利点である簡便性を残しつつ、
臨床上非常に有用なKt/V および PCRn の計算ができ
る。その結果、血液透析評価を正確かつ簡便に実行でき
る。
A(S)との関係を示すグラフである。
(K) との関係を示すグラフである。
示すグラフである。
き(=b)との関係を示すグラフである。
すグラフである。
すグラフである。
を示すグラフである。
グラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 血液透析の結果を評価する指標としてKt
/V および/または標準化蛋白質異化率(PCRn)を用いる
血液透析評価方法に於いて、式[1] により求まるKt/V
および/または式[3] により求まる標準化蛋白異化率(P
CRn)を用いて週に於ける初回の血液透析結果を評価する
ことを特徴とする血液透析評価方法。 【数1】 ここで、K は尿素分布容積の変化を無視したときのダイ
アライザークリアランス(ml/min/kg) であり、式[2] を
用いて求める数値、TDは透析時間(hr)、R は週に於ける
初回の透析後の血漿尿素窒素濃度を週に於ける初回の透
析前血漿尿素窒素濃度で除した値、UFは週に於ける初回
の血液透析中の総限外濾過量(ml)、IBWは既知の方法に
より求めた理想体重(kg)である。 【数2】 【数3】 ここで、 CA(S)は週に於ける初回の透析前血漿尿素窒素
濃度(mg/ml) である。 - 【請求項2】 血液透析の結果を評価する指標としてKt
/V および/または標準化蛋白質異化率(PCRn)を用いる
血液透析評価方法に於いて、式[4] により求まるKt/V
および/または式[6] により求まる標準化蛋白異化率(P
CRn)を用いて週に於ける第2回目の血液透析結果を評価
することを特徴とする血液透析評価方法。 【数4】 ここで、 Kは尿素分布容積の変化を無視したときのダイ
アライザークリアランス(ml/min/kg) であり、式[5] を
用いて求める数値、TDは透析時間(hr)、R は週に於ける
2回目の透析後血漿尿素窒素濃度を週に於ける2回目の
透析前血漿尿素窒素濃度で除した値、UFは週に於ける2
回目の血液透析中の総限外濾過量(ml)、IBW は既知の方
法により求めた理想体重(kg)である。 【数5】 【数6】 ここで、 CA(S)は週に於ける初回の透析前血漿尿素窒素
濃度(mg/ml) である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9323843A JPH11137666A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 血液透析評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9323843A JPH11137666A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 血液透析評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11137666A true JPH11137666A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=18159215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9323843A Pending JPH11137666A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 血液透析評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11137666A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001029456A (ja) * | 1999-06-22 | 2001-02-06 | Fresenius Medical Care Deutschland Gmbh | 透析装置の透析器の効率を決定する方法およびこの方法を実施するための透析装置 |
DE102006032926A1 (de) * | 2006-07-15 | 2008-01-17 | Fresenius Medical Care Deutschland Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zur Vorgabe von Behandlungsparametern für extrakorporale Dialysebehandlungen |
JP2008264217A (ja) * | 2007-04-20 | 2008-11-06 | Sekisui Chem Co Ltd | 血液透析評価方法及び血液透析評価装置 |
JP2010155067A (ja) * | 2008-12-05 | 2010-07-15 | Nikkiso Co Ltd | 血液透析装置 |
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CN104970767A (zh) * | 2014-04-03 | 2015-10-14 | B·布莱恩·阿维图姆股份公司 | 用于测定透析患者的分布容量的装置和方法 |
JP2019010503A (ja) * | 2017-05-11 | 2019-01-24 | ベー・ブラウン・アヴィトゥム・アー・ゲーB. Braun Avitum Ag | 光センサのオンライン線形化 |
-
1997
- 1997-11-10 JP JP9323843A patent/JPH11137666A/ja active Pending
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