JPH1113755A - 予圧を付与された転がり軸受装置 - Google Patents

予圧を付与された転がり軸受装置

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JPH1113755A
JPH1113755A JP17150297A JP17150297A JPH1113755A JP H1113755 A JPH1113755 A JP H1113755A JP 17150297 A JP17150297 A JP 17150297A JP 17150297 A JP17150297 A JP 17150297A JP H1113755 A JPH1113755 A JP H1113755A
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JP
Japan
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pair
ball bearings
bearing device
rings
rolling bearing
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JP17150297A
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English (en)
Inventor
Koichi Kawakami
耕一 川上
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着により生ずる問題、或は玉軸受のラジア
ル隙間の変化により生ずる問題をなくすと共に、製造コ
ストの低廉化を図りつつ、所望の予圧を付与する。 【解決手段】 1対の玉軸受1a、1aを構成する両内
輪4a、4aを、軸部材2の中間部で軸方向に離隔した
2箇所位置に、隙間嵌め若しくは締まり嵌めで外嵌す
る。上記両玉軸受1a、1aを構成する両外輪6a、6
a同士の間に円筒状の外輪間座19を挟持する。上記軸
部材2に、上記両内輪6a、6a同士を挟持する状態
で、1対の止め輪7、7を圧入する。軸受装置の共振周
波数を測定しつつ、上記1対の止め輪7、7のうちの少
なくとも一方にスラスト荷重を付与して、上記両内輪4
a、4a同士を互いに近づけ合う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は例えば、ビデオテ
ープレコーダ(VTR)用、ハードディスクドライブ
(HDD)用、レーザビームプリンタ(LBP)用のス
ピンドルモータ、ロータリアクチュエータ、ロータリエ
ンコーダ等、各種精密回転部分に組み込んでこの回転部
分である軸を支承する、転がり軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】VTRやHDDのスピンドル等の軸を支
承する為に玉軸受を使用するが、この様な精密回転部分
に使用する玉軸受には、振れ回り運動(軸と直角な方向
の運動)及び軸方向の振れを防止する為に、所定の予圧
を付与する必要がある。この為従来から、互いに独立し
た1対の玉軸受(深溝型或はアンギュラ型)を使用し、
これら1対の玉軸受を構成する内輪又は外輪を軸方向反
対側に押圧する事により、所定の予圧を付与する転がり
軸受装置が知られている。
【0003】図5は、この様な転がり軸受装置の1例を
示している。この転がり軸受装置は、深溝型(アンギュ
ラ型でも良い)の玉軸受1、1を1対、軸部材2の外周
面とハウジング3の内周面との間に設けると共に、上記
両玉軸受1、1を構成する1対の内輪4、4同士を、互
いに近づけ合う方向に押圧する事により、上記両玉軸受
1、1を構成する複数の玉5、5に所定の予圧を付与し
ている。
【0004】この為、上記両玉軸受1、1を構成する各
内輪4、4は、これら両内輪を外嵌する軸部材2の軸方
向に亙り互いに離隔した2箇所位置に、それぞれ所定の
締め代を持たせて圧入固定している。そして、上記両内
輪4、4のうちの少なくとも一方の内輪4を、これら両
内輪4、4同士を近づけるべく、軸方向(図5の左右方
向)に微小移動させて、上記複数の玉5、5に所定の予
圧を付与しつつ、上記両内輪4、4を上記軸部材2に固
定している。又、上記両玉軸受1、1を構成する各外輪
6、6の互いに対向する端面は、これら両外輪6、6を
内嵌するハウジング3の内周面に形成した段部に突き当
てて、これらの両外輪6、6同士が互いに近付かない様
にしている。
【0005】又、図示は省略するが、軸部材を小径部と
大径部とを段部により連続させた、所謂段付き軸とし、
この段付き軸の小径部に、ハウジングに内嵌した1対の
玉軸受を外嵌する転がり軸受装置も、従来から知られて
いる。この様な構造を有する転がり軸受の場合、上記両
玉軸受のうち上記段部と反対側の玉軸受に、上記段部に
向いた荷重を付与する事により、これら両玉軸受を構成
する複数の玉に所定の予圧を付与している。この為、上
記両玉軸受のうち上記段部と反対側の玉軸受の軸方向外
側(軸方向外側とは両玉軸受同士の互いに対向しない側
を言う。本明細書中に於いて同じ。)部分に、円環状の
止め輪を所定の締め代を持たせて圧入し、この止め輪と
上記段部との間で上記両玉軸受を挟持している。
【0006】又、上記両玉軸受を構成する各内輪と上記
小径部、及び上記両玉軸受を構成する各外輪と上記ハウ
ジングは、それぞれ微小隙間を持たせた隙間嵌めとして
いる。そしてこの止め輪に上記段部に向かう方向にスラ
スト荷重を付与しつつ、上記止め輪を上記小径部に固定
する事により、上記両玉軸受を構成する複数の玉に所定
の予圧量を付与している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが上述の様な従
来の予圧を付与した転がり軸受装置の場合、それぞれ次
の様な問題がある。先ず、前述した従来構造の第1例の
場合、各玉軸受1、1が軸部材2から抜け出すのを防止
する為、この軸部材2に対する各玉軸受1、1の抜け荷
重(軸部材2に対して内輪4、4が動く為に要するスラ
スト荷重)を、設計的に要求される一定以上の値にする
必要がある。従って、上記両内輪4、4と軸部材2との
嵌合部には、ある程度大きな締め代を持たせる必要があ
る。
【0008】この様に各玉軸受1、1を構成する内輪
4、4と軸部材2との締め代が大きくなると、上記各内
輪4、4の直径が弾性的に大きくなる。従って、上記各
玉軸受1、1のラジアル隙間自体は小さくなり、逆にこ
のラジアル隙間のばらつきは大きくなる。この為、これ
ら各玉軸受1、1はラジアル隙間が小さくなる分を見込
んで、ラジアル隙間の大きいものを使用する必要があ
る。又、上記各玉軸受1、1のラジアル隙間のばらつき
は、この玉軸受1、1自体が本来持っているラジアル隙
間のばらつき分に、上記締め代を大きくした事に基づく
ラジアル隙間のばらつき分が加わり、更に大きなものと
なる。従って、従来から知られている様な、得られる転
がり軸受装置の剛性が一定であるとして、両玉軸受1、
1を含む転がり軸受装置の共振周波数を測定しつつ、転
がり軸受装置にスラスト荷重を付与し、この転がり軸受
装置に所定の予圧を付与する方法では、上記各ばらつき
の影響を受けて予圧がばらつき、得られる転がり軸受装
置の回転トルクのばらつきが大きくなり、安定した性能
を有する転がり軸受装置の実現が困難になる。
【0009】又、前述した従来構造の第2例の場合、ス
ラスト荷重を付与する為に設けた止め輪の固定は接着か
圧入による。この止め輪の固定が接着による場合、段付
き軸の接着部分に予め施す脱脂が不十分であると、接着
後に接着不良に基づく予圧抜けを生じる可能性がある。
又、余分な接着剤のはみ出しによる歩留りの低下や、接
着部の耐ヒートサイクル強度の悪化という問題も生じ
る。上述の様な脱脂作業は面倒であり、又、接着強度の
確認も容易ではない。一方、上記止め輪の固定が圧入に
よる場合、転がり軸受装置に付与される正確な予圧の把
握が困難である。上記止め輪に付与する荷重は、転がり
軸受装置の予圧付与の為に消費される荷重と、転がり軸
受の抜け防止の為に消費される荷重とから成る。そし
て、上記予圧付与の為に消費される荷重は、上記抜け防
止の為に消費される荷重に比べて非常に小さい。従っ
て、上記予圧付与の為に消費される荷重を、上記抜け防
止の為に消費される荷重と分離して、転がり軸受装置に
付与する予圧を正確に制御して設定するのは困難であ
る。更に、この第2例の構造の場合、軸を段付き軸とす
る為、その製造作業は面倒であり、又、製造コストの上
昇を招く為、好ましくない。本発明の予圧を付与された
転がり軸受装置は、上述した様な問題を何れも解消すべ
く考えたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の予圧を付与され
た転がり軸受装置は、1対の玉軸受と、これら1対の玉
軸受を構成する両外輪の軸方向端面同士の間に挟持され
た外輪間座と、上記1対の玉軸受の軸方向外側部分に、
これら1対の玉軸受を構成する両内輪同士を挟持する状
態で、上記軸部材に所定の締め代を持たせて圧入した、
それぞれが円環状に形成された第一、第二の止め輪とか
ら成る。又、上記1対の玉軸受は、それぞれが軸部材の
外周面で軸方向に亙り互いに離隔した2箇所位置に、そ
れぞれ微小隙間を持たせた隙間嵌め若しくは微小な締め
代を持たせた締まり嵌めで外嵌され、それぞれの外周面
に内輪軌道を有する1対の内輪と、これら両内輪の外周
面と対向する状態で配置され、それぞれの内周面に外輪
軌道を有する1対の外輪と、上記各内輪軌道と各外輪軌
道との間にそれぞれ複数個ずつ設けられた玉とから成
る。そして、共振周波数を測定しつつ、上記第一、第二
の止め輪のうちの少なくとも一方の止め輪に、上記1対
の玉軸受を構成する両内輪同士を近づける方向のスラス
ト荷重を付与して上記第一、第二の止め輪同士を互いに
近づけ合う事により、上記複数の玉に所望の予圧を付与
している。
【0011】尚、上記軸部材の外径をdとした場合に、
この軸部材と内輪との間の隙間嵌め若しくは締まり嵌め
の為の隙間の大きさは、+0.002d(隙間嵌め)〜
−0.002d(締まり嵌め)程度に規制する事が好ま
しい。又、上記軸部材と上記第一、第二の止め輪との締
まり嵌めの為の締め代の大きさは、軸部材の外径をd、
各止め輪の外径を1.3d〜1.8d、幅を0.25d
〜0.5dとした場合で、0.002d〜0.005d
程度に規制する事が好ましい。
【0012】
【作用】上述の様に構成する本発明の予圧を付与された
転がり軸受装置の場合も、前述した従来構造と同様、各
種精密回転部分に組み込んでこの回転部分である軸部材
を支承する。特に、本発明の予圧を付与された転がり軸
受装置の場合、1対の玉軸受の軸方向外側部分に、これ
ら1対の玉軸受を構成する両内輪同士を挟持する状態
で、軸部材に所定の締め代を持たせて円環状の第一、第
二の止め輪をそれぞれ圧入している。これにより、上記
1対の玉軸受を構成する各内輪と上記軸部材とは、圧入
により固定せず、それぞれ微小隙間を持たせた隙間嵌め
若しくは微小な締め代を持たせた締まり嵌めとしても、
上記各内輪が上記軸部材に対してずれ動く事がなくな
る。
【0013】この結果、上記各内輪の直径が弾性的に広
がる事はなくなり、転がり軸受のラジアル隙間が小さく
なる事がなくなり、このラジアル隙間のばらつきが大き
くなる事もなくなる。従って、ラジアル隙間の大きい転
がり軸受を使用する必要はなくなる。更に、上記ラジア
ル隙間のばらつきは、大きな締め代がない分小さくなる
為、玉軸受装置の共振周波数を測定しつつ第一、第二の
止め輪同士の間にスラスト荷重を付与して、この転がり
軸受装置に所定の予圧を付与する方法でも、得られる転
がり軸受装置の回転トルクのばらつきが大きくなる事は
ない。
【0014】更に、上記各玉軸受と軸部材とは接着によ
る固定ではない為、接着により生ずる問題、例えば接着
不足、脱脂作業の手間、接着強度の確認、余分な接着剤
のはみ出し、接着部の耐ヒートサイクル強度の悪化とい
った問題がなくなる。又、本発明の予圧を付与された転
がり軸受装置は、段付き軸ではないストレート軸に、一
般的な構造を有する汎用部品を組み合わせるだけで良い
為、比較的安価に製造する事ができ、設計の自由度も高
くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例を示している。本発明の予圧を付与された転がり軸
受装置は、軸部材2と、この軸部材2の中間部で軸方向
に亙り互いに離隔した2箇所位置に配置した1対の玉軸
受1a、1aと、第一、第二の止め輪に相当する1対の
円環状の止め輪7、7と、外輪間座19とから成る。上
記1対の玉軸受1a、1aは、それぞれ軸部材2の外周
面で軸方向に亙り互いに離隔した2箇所位置に外嵌し、
それぞれの外周面に内輪軌道8、8を有する1対の内輪
4a、4aと、これら両内輪4a、4aの外周面と対向
する状態で配置し、それぞれの内周面に外輪軌道9、9
を有する1対の外輪6a、6aと、上記各内輪軌道8、
8と各外輪軌道9、9との間にそれぞれ複数個ずつ設け
た玉5、5とから成る。上記各内輪4a、4aと軸部材
2との嵌合は、この軸部材2の外径d2 の0.2%
(0.002d2 )以下の微小隙間を持たせた隙間嵌め
か、この軸部材2の外径d2 の0.2%(0.002d
2 )以下の微小な締め代を持たせた締まり嵌めとしてい
る。
【0016】又、上記各外輪6a、6aの互いに対向す
る軸方向端面同士の間には、円筒状の外輪間座19を挟
持している。そして、上記1対の止め輪7、7を、上記
軸部材2の一部で玉軸受1a、1aの軸方向外側部分
に、これら両玉軸受1a、1aを構成する各内輪4a、
4aを挟持する状態で、上記微小な締め代以上であり上
記軸部材2の外径d2 の0.5%以下である、所定の締
め代D(0.002d≦D≦0.005d )を持
たせて圧入している。これら各止め輪7、7は、例えば
上記軸部材2と同様、SUJ2等の軸受鋼の様に、十分
な強度を有する材料から造る。尚、上記締め代Dを0.
002d2 〜0.005d2 の範囲に規制する前提とし
て、上記各止め輪7、7の外径d7 を(1.3〜1.
8)d2 の範囲に規制し、同じく幅W7 を(0.25〜
0.5)d2 の範囲に規制する。
【0017】この様にして成る本発明の転がり軸受装置
は、上記1対の玉軸受1a、1aを含む転がり軸受装置
の共振周波数を測定しつつ、上記1対の止め輪7、7の
うちの一方の止め輪7(或は両方の止め輪7、7)に、
上記1対の玉軸受1a、1aを構成する両内輪4a、4
a同士を近づける方向のスラスト荷重を付与しつつ、こ
れら両内輪4a、4a同士を互いに近づけ合う事によ
り、上記複数の玉5、5に所望の予圧を付与する。
【0018】図2に、本例の転がり軸受装置に予圧を付
与する方法の1例を示している。保持具11に軸部材2
の一端部(図2の左端部)を保持すると共に、1対の玉
軸受1a、1aのうちの一方(図2の左方)の玉軸受1
aを構成する外輪6aの一端面(図2の左端面)に加振
器12を突き当て、この外輪6aを介して転がり軸受装
置に振動を加える。又、上記1対の玉軸受1a、1aの
うちの他方(図2の右方)の玉軸受1aを構成する外輪
6aの他端面(図2の右端面)には振動センサ13を突
き当てて、転がり軸受装置の共振周波数を測定自在とし
ている。
【0019】上記振動センサ13が検出した転がり軸受
装置の共振周波数は、増幅器14と、高速フーリエ変換
(FFT=fast Fourier transform)を行う周波数変換
器15とを介して、制御器16に入力している。この制
御器16は、上記軸部材2に上記1対の玉軸受1a、1
aのうちの一方(図2の右方)の玉軸受1aを構成する
内輪4aを止め輪7を介して押し込む為の押し込み装置
17を制御する。図示の例の場合、この押し込み装置1
7として油圧シリンダを使用している。上記制御器16
は、上記押し込み装置17に送り込む圧油の量、又は圧
力を制御する事で、この押し込み装置17の押し込み腕
18が上記止め輪7を押圧する力を調節する。
【0020】本発明の転がり軸受装置に適正な予圧量を
付与する場合、上記振動センサ13により転がり軸受装
置の共振周波数を測定しつつ、上記押し込み装置17に
圧油を送り込む。そして、上記押し込み腕18により上
記止め輪7を介して上記内輪4aを押圧しつつ、上記止
め輪7を上記軸部材2に圧入固定する。上記共振周波数
が予め設定した周波数にほぼ一致すれば、上記押し込み
装置17への圧油の送り込みを停止し、圧入作業を終了
する。この状態で、転がり軸受装置には所望の予圧が付
与される。
【0021】転がり軸受装置の共振周波数と予圧との間
に一定の関係がある事は、例えば特公平2−61700
号公報に記載されている様に、従来から知られている。
従って、製造すべき転がり軸受装置と同じ構成を有し、
且つ所望の予圧を付与された転がり軸受装置の共振周波
数を予め測定しておき、この測定値を上記制御器16に
設定しておけば、転がり軸受装置の予圧が所望値に達し
た状態で、上記押し込み装置17への圧油の供給が停止
される。尚、所望の予圧を付与した転がり軸受装置の共
振周波数を測定する作業は、一度だけ行えば足りる。
【0022】上述の様に構成する本発明の予圧を付与さ
れた転がり軸受装置は、前述した従来構造の様な問題を
生じる事なく、複数の玉5、5に所望の予圧を付与でき
る。即ち、上記1対の玉軸受1a、1aの軸方向外側部
分に、これら1対の玉軸受1a、1aを構成する両内輪
4a、4a同士を挟持する状態で、上記軸部材2に所定
の締め代を持たせて1対の円環状の止め輪7、7をそれ
ぞれ圧入している。これにより、上記1対の玉軸受1
a、1aを構成する各内輪4a、4aと上記軸部材2と
は、圧入により固定せず、それぞれ微小隙間を持たせた
隙間嵌め若しくは微小な締め代を持たせた締まり嵌めと
しても、上記各内輪4a、4aが上記軸部材2に対して
ずれ動く事はない。従って、上記各止め輪7、7を所定
の締め代を持たせて上記軸部材2に圧入しても、上記各
玉軸受1a、1aのラジアル隙間が影響を受ける事はな
い。この結果、上記各内輪4a、4aの直径が弾性的に
広がる事は殆どなく、上記各玉軸受1a、1aのラジア
ル隙間が小さくなる事も殆どない。従って、上記玉軸受
1a、1aにラジアル隙間の大きいものを使用する必要
はなくなる。更に、上記ラジアル隙間のばらつきは、各
玉軸受1a、1aと軸部材2との間で大きな締め代がな
い分小さくなる。従って、ラジアル隙間のばらつきによ
り転がり軸受の予圧が変化する事がなく、この転がり軸
受装置に発生する共振周波数を測定しつつこの転がり軸
受装置に所定の予圧を付与する方法でも、所望の予圧を
付与して、この転がり軸受装置の回転トルクのばらつき
が大きくなる事はなくなる。又、上記各内輪4a、4a
の軸部材2に対する固定は、圧入による固定ではない
為、この軸部材2の上記各内輪4a、4aとの嵌合面の
形状が上記各内輪4a、4aの内輪軌道8、8に転写さ
れる事がなく、振動特性が悪化する事もない。又、上記
軸部材2に締まり嵌めにより外嵌固定する上記各止め輪
7、7の幅W7 (図1)は、(0.25〜0.5)d2
程度と、上記各玉軸受1a、1aの内輪4a、4aの幅
4aに比べて小さくて済む。従って、上記各止め輪7、
7を上記軸部材2に締まり嵌めで外嵌しても、この軸部
材2に曲がり等のゆがみが発生しにくい。
【0023】更に、上記各内輪4a、4aの軸部材2に
対する固定は、接着による固定ではない為、接着固定に
より生ずる問題、例えば脱脂作業の手間、接着強度の確
認、余分な接着剤のはみ出し、接着部の耐ヒートサイク
ル強度の悪化といった問題がなくなる。又、本発明の転
がり軸受装置は、段付き軸でないストレート軸に、一般
的な構造を有する汎用部品を組み合わせるだけで良い
為、比較的安価に製造する事ができ、設計の自由度も高
くなる。
【0024】次に、図3は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合は、1対の玉軸受1a、1
a構成する両外輪6a、6aを円筒状のハウジング3に
内嵌している。そして、このハウジング3の内周面に外
輪間座を一体に設けている。即ち、このハウジング3
は、全体を円筒状に形成して、その内周面の軸方向中央
寄り部分に小径部10を形成している。この小径部10
が上記外輪間座に相当し、この小径部10を上記各外輪
6a、6aの互いに対向する軸方向端面同士の間で挟持
している。又、上記各外輪6a、6aとハウジング3と
の嵌合は、微小隙間を持たせた隙間嵌めか、微小な締め
代を持たせた締まり嵌めとしている。
【0025】上述の様に構成する本例の場合、1対の玉
軸受1a、1aを構成する両外輪6a、6aをハウジン
グ3に、微小隙間を持たせた隙間嵌め若しくは微小な締
め代を持たせた締まり嵌めとして内嵌しても、上記各外
輪6a、6aが上記ハウジング3に対してずれ動く事は
ない。従って、転がり軸受装置の組み立てに伴って、上
記各外輪6a、6aの収縮が生じる事がなく、転がり軸
受1a、1aのラジアル隙間が小さくなる事もなく、こ
のラジアル隙間のばらつきが大きくなる事もなくなる。
その他の構成及び作用に就いては、前述した第1例の場
合と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重
複する説明を省略する。
【0026】次に、図4は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合、ハウジング3aの内周面
は単一円筒面として、上述した第2例の構造の様な小径
部10(図3)は形成しない。その代わり、1対の玉軸
受1a、1aを構成する各外輪6a、6aの互いに対向
する軸方向端面同士の間で円筒状の外輪間座19を挟持
している。この外輪間座19は、上記ハウジング3aの
内周面に圧入嵌合している。その他の構成及び作用は、
上述した第2例と同様である為、同等部分には同一符号
を付して、重複する説明を省略する。
【0027】尚、本発明の予圧を付与された転がり軸受
装置の場合、第一、第二の止め輪に相当する止め輪7、
7の形状、大きさは、必ずしも同一とする必要はない。
但し、これら各止め輪7、7は、同一の形状、同一の大
きさとした方が部品の共通化を図れ、製造コストの低廉
化の面からは有利である。 又、これら各止め輪7、7
の形状並びに寸法は、材料、応力バランス、円周応力等
を考慮して設計的に定める。
【0028】
【発明の効果】本発明の予圧を付与された転がり軸受装
置は、以上に述べた通り構成され作用する為、接着固定
により生ずる問題、或は転がり軸受装置を構成する玉軸
受のラジアル隙間の変化により生ずる問題をなくすと共
に、製造コストの低廉化を図りつつ、適正な予圧を付与
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1の転がり軸受装置に、所望の予圧を付与す
る方法の1例を示す断面図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図4】同第3例を示す断面図。
【図5】従来構造の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a 玉軸受 2 軸部材 3、3a ハウジング 4、4a 内輪 5 玉 6、6a 外輪 7 止め輪 8 内輪軌道 9 外輪軌道 10 小径部 11 保持具 12 加振器 13 振動センサ 14 増幅器 15 周波数変換器 16 制御器 17 押し込み装置 18 押し込み腕 19 外輪間座

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれが軸部材の外周面で軸方向に亙
    り互いに離隔した2箇所位置に、それぞれ微小隙間を持
    たせた隙間嵌め若しくは微小な締め代を持たせた締まり
    嵌めで外嵌され、それぞれの外周面に内輪軌道を有する
    1対の内輪と、これら両内輪の外周面と対向する状態で
    配置され、それぞれの内周面に外輪軌道を有する1対の
    外輪と、上記各内輪軌道と各外輪軌道との間にそれぞれ
    複数個ずつ設けられた玉とから成る1対の玉軸受と、こ
    れら1対の玉軸受を構成する両外輪の軸方向端面同士の
    間に挟持された円筒状の外輪間座と、上記1対の玉軸受
    の軸方向外側部分に、これら1対の玉軸受を構成する両
    内輪同士を挟持する状態で、上記軸部材に所定の締め代
    を持たせて圧入した、それぞれが円環状に形成された第
    一、第二の止め輪とから成り、共振周波数を測定しつ
    つ、上記第一、第二の止め輪のうちの少なくとも一方の
    止め輪に、上記1対の玉軸受を構成する両内輪同士を近
    づける方向のスラスト荷重を付与して上記第一、第二の
    止め輪同士を互いに近づけ合う事により、上記複数の玉
    に所望の予圧を付与した、予圧を付与された転がり軸受
    装置。
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