JPH1113493A - エンジンの吸気制御装置 - Google Patents

エンジンの吸気制御装置

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JPH1113493A
JPH1113493A JP9164544A JP16454497A JPH1113493A JP H1113493 A JPH1113493 A JP H1113493A JP 9164544 A JP9164544 A JP 9164544A JP 16454497 A JP16454497 A JP 16454497A JP H1113493 A JPH1113493 A JP H1113493A
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JP
Japan
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intake
valve
engine
cylinder
opening
Prior art date
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JP9164544A
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English (en)
Inventor
Kenzo Watanabe
謙三 渡辺
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication of JPH1113493A publication Critical patent/JPH1113493A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】吸気弁による開弁期間(バルブタイミング)を
制御することなく可変バルブタイミング装置と同等の機
能を有し、且つ気筒別に吸気期間を制御する。 【解決手段】各気筒の吸気弁7の直上流に各気筒毎に吸
気通路を開閉するスロットル弁14を配設し、この各ス
ロットル弁14を開閉駆動するスロットルアクチュエー
タ16を備える。そして、電子制御装置40において、
エンジン運転状態に基づいてスロットル弁14の開弁期
間すなわち各スロットル弁14の開弁時期TMGOPEN及
び閉弁時期TMGCLOSEを設定する。そして、この開弁
時期TMGOPEN及び閉弁時期TMGCLOSEにより、気筒
別に、吸気弁7の開弁期間に対応してスロットルアクチ
ュエータ16を介して各スロットル弁14を開閉するこ
とで、有効吸気期間を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各気筒の吸気弁の
直上流に各気筒毎に吸気通路を開閉する吸気制御弁を配
設し、エンジン運転状態に応じて吸気弁の開弁期間内に
おける吸気制御弁の開弁期間を可変設定し、吸気制御弁
を開閉することで、吸気期間を制御するエンジンの吸気
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エンジンの低中速領域の出力
性能と高速領域での出力性能を両立するためにエンジン
運転状態に応じ吸気弁の開閉弁時期すなわち開弁期間
(バルブタイミング)やリフト量を多段階或いは連続的
に変化させる可変バルブタイミングリフト装置及び可変
バルブタイミング装置が種々提案されている。
【0003】この多段階可変バルブタイミングリフト装
置は、エンジンのカムシャフトに、図29(a)のバル
ブリフト特性を有する広角でリフト量の大きい高速用吸
気カムと狭角でリフト量の小さい低速用吸気カムとを設
け、中,高負荷高回転域では、高速用吸気カムにより吸
気弁を作動し、低,中回転域では、低速用吸気カムによ
り吸気弁を作動させるようにしている。
【0004】また、連続可変バルブタイミングリフト装
置は、例えば、エンジンのカムシャフトに、軸方向に弁
リフト量及び弁開角が連続的に変化する吸気用カムを設
け、カムシャフト或いは吸気用カムを軸方向に移動させ
ることで、図29(b)に示すように、低負荷低回転域
では、吸気弁の開弁期間を狭角化すると共に吸気弁のリ
フト量を小さくし、高負荷高回転に移行するに従い、連
続的に吸気弁の開弁期間を広角化すると共にリフト量を
増加するようにしている。尚、この連続可変バルブタイ
ミング装置によれば、連続的に吸気を制御することが可
能であり、スロットル弁を廃止しても、負荷制御を行う
ことが可能であり、部分負荷時の燃費を向上することが
できる。
【0005】さらに、連続可変バルブタイミング装置
は、特開平8−4509号公報、特開平8−93423
号公報等に示されるように、カムプーリに対し油圧等に
よりカムシャフトの位相すなわちカムの位相をエンジン
運転状態に応じて変化させることで、図29(c)に示
すように、アイドル時を除く低回転域においては吸気弁
の開弁期間を進角化し、アイドル時あるいは高回転域に
移行するに従い吸気弁の開弁期間を遅角化させるように
している。また、この連続可変バルブタイミング装置に
よれば、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)が増加する
低負荷中低回転領域等(EGR領域)において、吸気弁
の開弁期間を進角化させることで、排気弁と吸気弁との
バルブオーバーラップを確保し、排気を吸気系に吹き返
させる、いわゆる内部排気還流(内部EGR)を行うこ
とが可能となる。そして、この内部EGRによって燃焼
温度が低下し、NOxの排出量を低減することができ
る。
【0006】しかし、以上の可変バルブタイミングリフ
ト装置や可変バルブタイミング装置においては、いずれ
もカムを用いて吸気弁の開弁期間(バルブタイミング)
や吸気弁のリフト量が制御されるため、全気筒一律に制
御され、全負荷領域においてエンジン出力性能を向上す
るための全負荷出力性能制御、或いは内部EGR制御等
を気筒別に行うことができない。
【0007】これに対処するに、油圧を介して吸気カム
のベースカムプロフィールに対し部分的に変更を加え、
吸気弁を作動するロストモーション方式、或いは、電磁
駆動方式の吸気弁(特開平2−181011号公報)等
が提案されている。
【0008】上記ロストモーション方式は、図30に示
すように、吸気カム101の作動をピストン102,オ
イル103を介して吸気弁104に伝達するものであ
る。そして、エンジン運転状態に応じて電磁弁105を
制御して、該電磁弁105によるオイルドレン量を調節
することで、ポンプ106,チェック弁107を経て圧
送されるオイル103の油圧を制御し、吸気カム101
のベースカムプロフィールによって実現される基本的な
吸気弁104の開弁期間やリフト量に対し、気筒別に、
その開弁期間(バルブタイミング)やリフト量を連続的
に変化させることができる。
【0009】また、電磁駆動方式の吸気弁は、図31に
示すように、吸気弁110に一体的に設けられたコア1
11、吸気弁110をそれぞれ開弁,閉弁させるための
開弁用励磁コイル112,閉弁用励磁コイル113、及
びコア111をそれぞれ閉弁方向,開弁方向に付勢する
スプリング114,115から構成される。そして、開
弁用励磁コイル112をON(通電)すると共に、閉弁
用励磁コイル113をOFF(非通電)することで、開
弁用励磁コイル112の励磁力によりコア111が開弁
方向に吸引されて吸気弁110が開弁する。また、逆
に、開弁用励磁コイル112をOFFすると共に閉弁用
励磁コイル113をONすることで、閉弁用励磁コイル
113の励磁力により吸気弁110が閉弁する。
【0010】従って、エンジン運転状態に応じて開弁用
励磁コイル112及び閉弁用励磁コイル113をON,
OFF制御することで、吸気弁110の開弁期間(バル
ブタイミング)を気筒別に制御することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ロ
ストモーション方式の場合は、作動流体であるオイルの
温度による粘性変化のため、広い温度領域で安定した作
動を得ることができず、エンジン運転状態に応じた適正
な吸気弁の開弁期間を得ることができない不都合があ
る。特に、エンジン冷態時等でオイルが低温の時には、
オイルの粘性が高く、上記問題が顕著となる。
【0012】また、電磁駆動方式吸気弁の場合は、吸気
弁閉弁時において要求されるシール性が高く、吸気弁閉
弁時のシール性を確実に確保して、且つ吸気弁を安定し
て作動させるために、スプリングの付勢力を大きく設定
し、この付勢力に抗して吸気弁を駆動するに励磁コイル
の励磁力を大きくする必要がある。このため、吸気弁を
駆動するに要する電気エネルギが大きく、バッテリの電
気負荷が大きいエンジン始動時等、バッテリ電圧が低下
すると、吸気弁を安定して作動することができないばか
りか、吸気弁の開閉自体が不能となる虞がある。
【0013】更に、電磁駆動方式吸気弁は、エンジンの
シリンダヘッドに配設され、且つ吸気弁自体も燃焼熱に
よりかなり高温となるため、高温による電磁的性能劣化
等の課題がある。
【0014】本発明は、上記事情に鑑み、吸気弁による
開弁期間(バルブタイミング)を制御することなく可変
バルブタイミング装置と同等の機能を有し、且つ気筒別
に吸気期間を制御することが可能で、常時安定した作動
を得ることが可能なエンジンの吸気制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明によるエンジンの吸気制御装置
は、図1(a)の基本構成図に示すように、各気筒の吸
気弁の直上流に配設され、各気筒毎に吸気通路を開閉す
る吸気制御弁と、上記吸気制御弁を開閉駆動する制御弁
駆動手段と、エンジン運転状態に基づいて上記吸気弁の
開弁期間内における上記吸気制御弁の開弁期間を可変設
定し、該吸気制御弁の開弁期間により、気筒別に、上記
制御弁駆動手段を介して各吸気制御弁を開閉し吸気期間
を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記制御手段は、エンストないしエンジン
始動時に、全気筒の吸気制御弁を所定開度に固定するこ
とを特徴とする。
【0017】請求項3記載の発明によるエンジンの吸気
制御装置は、図1(b)の基本構成図に示すように、各
気筒の吸気弁の直上流に配設され、各気筒毎に吸気通路
を開閉する吸気制御弁と、上記吸気制御弁を開閉駆動す
る制御弁駆動手段と、上記吸気制御弁をバイパスして上
記吸気通路に接続されるバイパス通路に配設されたアイ
ドル回転数制御弁と、極低負荷運転か否かを判別する極
低負荷判別手段と、極低負荷運転時は、全気筒の吸気制
御弁を全閉すると共に上記アイドル回転数制御弁により
吸入空気量を制御し、一方、極低負荷を除く運転状態時
には、エンジン運転状態に基づいて上記吸気弁の開弁期
間内における上記吸気制御弁の開弁期間を可変設定し、
該吸気制御弁の開弁期間により、気筒別に、上記制御弁
駆動手段を介して各吸気制御弁を開閉し吸気期間を制御
する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、上記制御手段は、エンストないしエンジン
始動時に、全気筒の吸気制御弁を全閉すると共に、エン
ジン温度に基づいて上記アイドル回転数制御弁の開度を
設定することを特徴とする。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1ないし請
求項4記載の発明において、上記吸気制御弁の開弁期間
は、要求負荷及びエンジン回転数に基づいて設定される
ことを特徴とする。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、上記吸気制御弁の開弁期間は、エンジン暖
機状態に応じて補正されることを特徴とする。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項1ないし請
求項6記載の発明において、上記制御手段は、要求負荷
及びエンジン回転数に基づいて目標吸入空気量を設定
し、該目標吸入空気量と実際に検出した吸入空気量との
偏差に基づき上記吸気制御弁の開弁期間を補正すること
を特徴とする。
【0022】請求項8記載の発明は、請求項1ないし請
求項6記載の発明において、上記制御手段は、エンジン
運転状態に応じて設定された目標空燃比と実際に検出し
た空燃比との差に基づいて、目標吸入空気量と実際の吸
入空気量との偏差を推定し、該偏差に基づいて上記吸気
制御弁の開弁期間を補正することを特徴とする。
【0023】請求項9記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記制御手段は、吸気制御システムの異常
時に上記吸気制御弁を所定開度に固定することを特徴と
する。
【0024】請求項10記載の発明は、請求項3記載の
発明において、上記制御手段は、吸気制御システムの異
常時であって、極低負荷を除く運転状態時には、上記吸
気制御弁を所定開度に固定することを特徴とする。
【0025】請求項11記載の発明は、請求項1ないし
請求項8記載の発明において、上記制御手段は、エンジ
ン運転状態が内部排気還流領域にあるときには、少なく
とも上記吸気制御弁の開弁時期を進角補正することを特
徴とする。
【0026】請求項12記載の発明は、請求項1或いは
請求項3記載の発明において、上記制御手段は、運転状
態が気筒休止を行う休筒領域にあるときには、所定気筒
の吸気制御弁を全開固定すると共に、当該気筒に対し少
なくとも燃料噴射を中止して当該気筒を休止することを
特徴とする。
【0027】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の発明において、上記制御手段は、燃焼が等間隔となる
ように気筒をグループ分けし、この気筒グループを所定
周期毎に交互に休止することを特徴とする。
【0028】請求項14記載の発明は、請求項1或いは
請求項3記載の発明において、吸気弁の開弁期間が重な
らない複数の気筒を1グループとし、上記制御弁駆動手
段は、この気筒グループにおける吸気制御弁を一括して
駆動することを特徴とする。
【0029】すなわち、請求項1記載の発明では、各気
筒の吸気弁の直上流に各気筒毎に吸気通路を開閉する吸
気制御弁を配設し、この各吸気制御弁を開閉駆動する制
御弁駆動手段を備える。そして、エンジン運転状態に基
づいて上記吸気弁の開弁期間内における上記吸気制御弁
の開弁期間を可変設定し、この吸気制御弁の開弁期間に
より、気筒別に、制御弁駆動手段を介して各吸気制御弁
を開閉し吸気期間を制御する。
【0030】請求項2記載の発明では、エンストないし
エンジン始動時に、全気筒の上記吸気制御弁を所定開度
に固定する。
【0031】請求項3記載の発明では、各気筒の吸気弁
の直上流に各気筒毎に吸気通路を開閉する吸気制御弁を
配設し、この各吸気制御弁を開閉駆動する制御弁駆動手
段を備え、更に、吸気制御弁をバイパスし上記吸気通路
に接続されるバイパス通路と、このバイパス通路に配設
されるアイドル回転数制御弁とを備える。そして、極低
負荷運転か否かを判別し、極低負荷運転時は、全気筒の
吸気制御弁を全閉すると共に上記アイドル回転数制御弁
により吸入空気量を制御する。一方、極低負荷を除く運
転状態時には、エンジン運転状態に基づいて上記吸気弁
の開弁期間内における上記吸気制御弁の開弁期間を可変
設定し、この吸気制御弁の開弁期間により、気筒別に、
制御弁駆動手段を介して各吸気制御弁を開閉し吸気期間
を制御する。
【0032】請求項4記載の発明では、エンストないし
エンジン始動時に、全気筒の吸気制御弁を全閉すると共
に、エンジン温度に基づいて上記アイドル回転数制御弁
の開度を設定する。
【0033】請求項5記載の発明では、吸気制御弁の開
弁期間を設定するに際し、要求負荷及びエンジン回転数
に基づいて吸気弁の開弁期間を設定する。
【0034】その際、請求項6記載の発明では、上記吸
気制御弁の開弁期間をエンジン暖機状態に応じて補正す
る。
【0035】請求項7記載の発明では、要求負荷及びエ
ンジン回転数に基づいて目標吸入空気量を設定し、この
目標吸入空気量と実際に検出した吸入空気量との偏差に
基づいて上記吸気制御弁の開弁期間を補正する。
【0036】また、請求項8記載の発明では、エンジン
運転状態に応じて設定された目標空燃比と実際に検出し
た空燃比との差に基づいて、目標吸入空気量と実際の吸
入空気量との偏差を推定する。そして、この偏差に基づ
いて上記吸気制御弁の開弁期間を補正する。
【0037】請求項9記載の発明では、吸気制御システ
ムの異常時に上記吸気制御弁を所定開度に固定する。
【0038】また、請求項10記載の発明では、吸気制
御システムの異常時であって、極低負荷を除く運転状態
時に、上記吸気制御弁を所定開度に固定する。
【0039】請求項11記載の発明では、エンジン運転
状態が内部排気還流領域にあるときには、少なくとも吸
気制御弁の開弁時期を進角補正する。
【0040】請求項12記載の発明では、運転状態が気
筒休止を行う休筒領域にあるときには、所定気筒の吸気
制御弁を全開固定すると共に、当該気筒に対し少なくと
も燃料噴射を中止して当該気筒を休止する。
【0041】その際、請求項13記載の発明では、燃焼
が等間隔となるように気筒をグループ分けし、この気筒
グループを所定周期毎に交互に休止させる。
【0042】請求項14記載の発明では、吸気弁の開弁
期間が重ならない複数の気筒を1グループとし、上記制
御弁駆動手段は、この気筒グループにおける吸気制御弁
を一括して駆動する。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図2〜図23は、本発明の実施
の第1形態を示す。
【0044】先ず、図16に基づいて本実施の形態で採
用するエンジンの概略構成について説明する。同図にお
いて、符号1は自動車等の車輌用のエンジン(図におい
ては、直列4気筒4サイクルガソリンエンジン)であ
り、シリンダヘッド2に各気筒に対応してそれぞれ燃焼
室3に連通する吸気ポート2aと排気ポート2bが形成
されている。
【0045】また、シリンダヘッド2内の動弁室2c
に、エンジン1のクランクシャフト4に図示しないプー
リ及びタイミングベルトを介して連動し、クランクシャ
フト4に対して1/2回転する吸気カムシャフト5と排
気カムシャフト6とが配設されている。そして、吸気カ
ムシャフト5、排気カムシャフト6にそれぞれ吸気カム
5a、排気カム6aが形成されている。
【0046】上記吸気ポート2a及び排気ポート2は、
それぞれ吸気カム5a、排気カム6aに連動する吸気弁
7及び排気弁8により所定タイミングで開閉される。す
なわち、吸気弁7及び排気弁8は、通常のコンベンショ
ナルな動弁機構により開閉される。
【0047】尚、上記吸気カム5aのベースカムプロフ
ィールは、通常よりも広開角高リフトに形成されてお
り、これにより、図11に示すように、吸気弁7の開弁
期間(バルブタイミング)が広開角化され、且つ、吸気
弁7の弁リフト量が高リフト化されている。また、本実
施の形態においては、例えば、排気弁8の開弁時期は、
排気行程前すなわち燃焼下死点(BDC)前54°C
A、閉弁時期が排気上死点(TDC)後14°CAに設
定されている。また、吸気弁7の開弁時期は、吸入行程
前すなわち排気TDC前20°CA、閉弁時期が吸入行
程後(吸入BDC後)60°CAに設定されている。従
って、排気TDC前20°CAから排気TDC後14°
CAにかけて、吸気弁7と排気弁8とのバルブオーバー
ラップ期間が確保されている。
【0048】一方、エンジン1の吸気系は、各吸気ポー
ト2aにインテークマニホルド9が連通され、このイン
テークマニホルド9に各気筒の吸気通路が集合するエア
チャンバ10を介して吸気管11が連通されている。そ
して、この吸気管11の上流側にエアクリーナ12が取
り付けられ、このエアクリーナ12がエアインテークチ
ャンバ13に連通されている。
【0049】また、各気筒の吸気弁7の直上流として、
上記各インテークマニホルド9に、各気筒毎に吸気通路
を開閉する吸気制御弁の一例としてのバタフライ式のス
ロットル弁14が介装されている(図17参照)。
【0050】このスロットル弁14は、アクセルペダル
15とは機械的に連設しておらず、制御弁駆動手段の一
例として、各気筒毎に対応して併設された電磁駆動式の
スロットルアクチュエータ16により回動される。図1
8に示すように、上記スロットル弁14は、スロットル
レバー17を介して上記スロットルアクチュエータ16
に連動構成されている。
【0051】また、スロットルアクチュエータ16は、
その一端を上記スロットルレバー17に枢支するロッド
16a、このロッド16aに一体的に設けられたコア1
6b、スロットル弁14をそれぞれ開弁(全開),閉弁
(全閉)させるための開弁用励磁コイル16c,閉弁用
励磁コイル16d、及びコア16bをそれぞれスロット
ル弁閉弁方向,開弁方向に付勢するスプリング16e,
16fから構成されている。
【0052】本実施の形態においては、電子制御装置
(以下「ECU」と称する)40によって開弁用励磁コ
イル16cを通電(以下、「ON」)すると共に、閉弁
用励磁コイル16dを非通電(以下、「OFF」)とす
ることで、開弁用励磁コイル16cの励磁力によりコア
16dを介してロッド16aが突出する。そして、ロッ
ド16aの突出によって、図18においてスロットルレ
バー17を介してスロットル弁14が反時計回り方向に
回動し、同図に一点鎖線で示すように、スロットル弁1
4が全開となる。
【0053】また、逆に、開弁用励磁コイル16cをO
FFすると共に閉弁用励磁コイル16dをONすること
で、閉弁用励磁コイル16dの励磁力によりコア16b
を介してロッド16aが後退する。そして、このロッド
16aの後退によって、スロットルレバー17を介して
スロットル弁14が時計回り方向に回動し、同図に破線
で示すように、スロットル弁14が全閉となる。尚、詳
しくは後述するが、両励磁コイル16c,16dを共に
OFFしたとき、図18に2点鎖線で示すように、スロ
ットル弁14がエンジン始動性及び必要最低限の車輌走
行を確保するに適切な所定の小開度に固定されるよう
に、スロットルアクチュエータ16の各スプリング16
e,16fの付勢力が設定されている。
【0054】従って、ECU40によって各スロットル
アクチュエータ16の開弁用励磁コイル16c及び閉弁
用励磁コイル16dをON,OFF制御し、図11に示
すように、吸気弁7の開弁期間内において、スロットル
弁14の開弁時期及び閉弁時期を制御することで、各気
筒毎に有効吸気期間を制御することが可能となる。すな
わち、コンベンショナルな通常の動弁機構を採用し、吸
気弁7自体の開弁期間(バルブタイミング)を制御する
ことなく可変バルブタイミング装置と同等の機能を備え
ることが可能となる。
【0055】また、上述のように、上記吸気カム5aの
ベースカムプロフィールは、通常よりも広開角高リフト
に形成されている。従って、この吸気カム5aによる吸
気弁7の広開角及び高リフトの基で、スロットル弁14
による有効吸気期間を制御するため、有効吸気期間の制
御範囲をワイドレンジ化することが可能となる。
【0056】また、ECU40によってスロットルアク
チュエータ16を介してスロットル弁14を電気的に開
閉制御するため、エンジン冷態時においても安定した作
動を得ることができる。
【0057】更に、スロットル弁全閉時に要求されるス
ロットル弁14のシール性は吸気弁7のシール性に対し
充分低く、上記スロットルアクチュエータ16の各スプ
リング16e,16fは、両励磁コイル16c,16d
を共にOFFしたときに、スロットル弁14を所定の小
開度に固定することが可能なだけの付勢力を有すればよ
い。従って、このスプリング16e,16fの付勢力に
抗してスロットル弁14を駆動するための励磁コイル1
6c,16dの励磁力が小さくて済み、スロットル弁1
4を駆動するに要する電気エネルギが小さい。このた
め、バッテリ電圧の低下の影響を受け難く、バッテリ電
圧が低下したとしても、スロットル弁14を安定して作
動することができ、気筒別に吸気期間を適切に制御する
ことができる。
【0058】また、スロットルアクチュエータ16は、
インテークマニホルド9に併設されるので、高温による
電磁的性能劣化の影響が少なく、信頼性が高く実現する
ことができる。
【0059】尚、上述のバタフライ式のスロットル弁1
4に代え、図19に示すように、ロータリ弁式のスロッ
トル弁18を採用するようにしてもよい。この場合、同
図に示すように、スロットル弁18は、例えば、ロータ
リソレノイドによるスロットルアクチュエータ19によ
り回動構成される。
【0060】そして、上記スロットルアクチュエータ1
9は、スロットル弁18をそれぞれ開弁(全開),閉弁
(全閉)させるための開弁用励磁コイル19a,閉弁用
励磁コイル19b、及びスロットル弁18をそれぞれ閉
弁方向,開弁方向に付勢する図示しない各スプリングか
ら構成される。尚、スロットルアクチュエータ19に
は、スロットル弁18を全閉位置と全開位置とで規制す
るために、図示しないストッパを備える。
【0061】そして、この場合は、ECU40によって
開弁用励磁コイル19aをONすると共に閉弁用励磁コ
イル19bをOFFすることで、開弁用励磁コイル19
aの励磁力によってスロットル弁18が開弁方向に回動
し、図20(a)に示すように、スロットル弁14aが
全開するよう構成する。また、逆に、開弁用励磁コイル
19aをOFFすると共に閉弁用励磁コイル19bをO
Nすることで、閉弁用励磁コイル19bの励磁力により
スロットル弁18が図20において時計回り方向に回動
し、図20(c)に示すように、スロットル弁18が全
閉となるよう構成される。また、両励磁コイル19a,
19bを共にOFFしたとき、図20(b)に示すよう
に、図示しない各スプリングの付勢力によって、スロッ
トル弁18が所定の小開度に固定されるように設定され
る。
【0062】以下の説明では、バタフライ式のスロット
ル弁14を採用した例につき説明するが、ロータリ弁式
のスロットル弁18を採用する場合は、スロットル弁1
4,スロットルアクチュエータ16,開弁用励磁コイル
16c,閉弁用励磁コイル16dを、それぞれスロット
ル弁18,スロットルアクチュエータ19,開弁用励磁
コイル19a,閉弁用励磁コイル19bに読み替える。
【0063】なお、上記インテークマニホールド3のス
ロットル弁14下流であって各吸気ポート2aの直上流
に、各気筒毎にインジェクタ20が配設されている。
【0064】また、上記シリンダヘッド2の各気筒毎
に、先端の放電電極を燃焼室3に露呈する点火プラグ2
1が取り付けられ、この点火プラグ21に各気筒毎に配
設された点火コイル22を介してイグナイタ23が接続
されている。
【0065】また、エンジン1の排気系としては、上記
シリンダヘッド2の各排気ポート2bに連通するエキゾ
ーストマニホルド24の集合部に排気管25が連通さ
れ、この排気管25に触媒コンバータ26が介装されて
マフラ27に連通されている。
【0066】次に、エンジン運転状態を検出するための
センサ類について説明する。上記吸気管11のエアクリ
ーナ12の直下流に、ホットワイヤ或いはホットフィル
ム等を用いた熱式の吸入空気量センサ28が介装されて
いる。また、エンジン1のシリンダブロック1aにノッ
クセンサ30が取り付けられていると共に、シリンダブ
ロック1aの冷却水通路にエンジン温度の一例として冷
却水温度TWを検出するための冷却水温センサ31が臨
まされている。更に、触媒コンバータ32の上流に空燃
比状態を検出するためのO2センサ32が配設されてい
る。
【0067】また、エンジン1のクランクシャフト4に
軸着するクランクロータ33の外周に、電磁ピックアッ
プ等からなるクランク角センサ34が対設され、更に、
クランクシャフト4に対して1/2回転する吸気カムシ
ャフト5に連設するカムロータ35に電磁ピックアップ
等からなる気筒判別センサ36が対設されている。
【0068】また、上記アクセルペダル15の支持部
に、要求負荷として該アクセルペダル15の踏込み量
(アクセルストローク)ACSを検出するためにポテン
ショメータ等からなるアクセルセンサ37が併設されて
いる。
【0069】上記クランクロータ33は、図21に示す
ように、その外周に所定クランク角毎に突起33a,3
3b,33cが形成され、これらの各突起33a,33
b,33cが各気筒(#1,#4気筒と#3,#2気
筒)の圧縮上死点前(BTDC)θ1,θ2,θ3の位
置に形成されている。本実施の形態においては、θ1=
97°CA,θ2=65°CA,θ3=10°CAであ
る。
【0070】また、図22に示すように、上記カムロー
タ35の外周には、気筒判別用の突起35a,35bが
形成され、突起35aが#3,#4,#2気筒の圧縮上
死点後(ATDV)θ4の位置に形成され、突起35b
が2個の突起で構成されて最初の突起が#1気筒のAT
DCθ5の位置に形成されている。本実施の形態におい
ては、θ4=θ5=20°CAである。
【0071】そして、図12のタイムチャートに示すよ
うに、エンジン運転に伴いクランクシャフト4及びカム
シャフト5の回転により上記クランクロータ33及びカ
ムロータ35が回転して、クランクロータ33の各突起
33a,33b,33cが上記クランク角センサ34に
よって検出され、クランク角センサ34からθ1,θ
2,θ3(BTDC97,65,10°CA)の各クラ
ンクパルスがエンジン1/2回転(180°CA)毎に
出力される。一方、θ3クランクパルスとθ1クランク
パルスとの間で上記カムロータ35の各突起が上記気筒
判別センサ36によって検出され、気筒判別センサ36
から所定数の気筒判別パルスが出力される。
【0072】後述するように、ECU40では、上記ク
ランク角センサ34から出力される各パルスの入力間隔
時間Tθに基づいてエンジン回転数NEを算出し、ま
た、各気筒の燃焼行程順(本形態では、#1気筒→#3
気筒→#4気筒→#2気筒)と、上記気筒判別センサ3
6からの気筒判別パルスをカウンタによって計数した値
とのパターンに基づいてスロットル弁制御対象気筒(次
の吸入行程気筒)、燃料噴射対象気筒、点火対象気筒等
の気筒判別を行う。
【0073】そして、ECU40は、上記スロットルア
クチュエータ16、インジェクタ20、イグナイタ23
等のアクチュエータ類に対する制御量の演算、この制御
量に対応する駆動信号の出力、すなわち、吸気制御、燃
料噴射制御、点火時期制御等のエンジン制御を行う。
尚、本形態においては、燃料噴射量はLジェトロニック
方式によって設定される。
【0074】上記ECU40は、図23に示すように、
CPU41、ROM42、RAM43、バックアップR
AM44、カウンタ・タイマ群45、及びI/Oインタ
ーフェイス46がバスラインを介して互いに接続された
マイクロコンピュータを中心として構成され、その他、
各部に安定化電源を供給する定電圧回路47、上記I/
Oインターフェイス46に接続される駆動回路48、及
びA/D変換器49等の周辺回路が内蔵されている。
【0075】なお、上記カウンタ・タイマ群45は、フ
リーランカウンタ、気筒判別センサ信号(気筒判別パル
ス)の入力計数用カウンタ等の各種カウンタ、スロット
ル開弁タイミングタイマ、スロットル閉弁タイミングタ
イマ、燃料噴射用タイマ、点火用タイマ、定期割込みを
発生させるための定期割込み用タイマ、クランク角セン
サ34から入力されるパルス信号(クランクパルス)の
入力間隔時間計時用タイマ、及びシステム異常監視用の
ウオッチドッグタイマ等の各種タイマを便宜上総称する
ものであり、その他、各種のソフトウエアカウンタ・タ
イマが用いられる。
【0076】上記定電圧回路47は、2回路のリレー接
点を有する上記電源リレー50の第1のリレー接点を介
してバッテリ51に接続され、このバッテリ51に、イ
グニッションスイッチ52(尚、図16においてはIG
で示す)を介して上記電源リレー50のリレーコイルの
一端が接続され、このリレーコイルの他端が上記A/D
変換器49に接続されている。
【0077】また、上記定電圧回路47は、上記電源リ
レー50の第1のリレー接点を介して上記バッテリ51
に接続されているのみならず、直接、上記バッテリ51
に接続されており、上記イグニッションスイッチ52が
ONされて上記電源リレー50のリレー接点が閉となる
とECU40内の各部に電源を供給する一方、上記イグ
ニッションスイッチ52のON,OFFに拘らず、常
時、上記バックアップRAM44にバックアップ用の電
源を供給する。尚、上記電源リレー50の第2のリレー
接点からは、各アクチュエータへの電源線が延出されて
いる。
【0078】上記I/Oインターフェイス46の入力ポ
ートには、上記ノックセンサ30、クランク角センサ3
4、気筒判別センサ36、車速センサ38、及び、エン
ジン始動状態を検出するためにスタータスイッチ39が
接続されており、更に、上記A/D変換器49を介し
て、吸入空気量センサ28、冷却水温センサ31、O2
センサ32、及びアクセルセンサ37が接続されると共
に、上記イグニッションスイッチ52、電源リレー50
を介してのバッテリ電圧VBが入力されてモニタされ
る。
【0079】一方、上記I/Oインターフェイス46の
出力ポートには、気筒毎に配設された上記各スロットル
アクチュエータ16の開弁用励磁コイル16c、閉弁用
励磁コイル16d、及びインジェクタ20が上記駆動回
路48を介して接続されると共に、イグナイタ23が接
続されている。
【0080】上記CPU41では、ROM42に記憶さ
れている制御プログラムに従って、I/Oインターフェ
イス46を介して入力されるセンサ・スイッチ類からの
検出信号、及びバッテリ電圧等を処理し、RAM43に
格納される各種データ、バックアップRAM44に格納
されている各種学習値データ、及び、ROM42に記憶
されている固定データ等に基づき、気筒別に、各スロッ
トル弁14の開閉弁時期、燃料噴射量、点火時期等を演
算し、吸気制御、燃料噴射制御、点火時期制御等のエン
ジン制御を行う。
【0081】このようなエンジン制御系において、EC
U40では、エンジン運転状態に基づいて、気筒別に、
吸気弁7の開弁期間内におけるスロットル弁14の開弁
期間すなわち各スロットル弁14の開弁時期TMGOPEN
及び閉弁時期TMGCLOSEを設定する。そして、この開
弁時期TMGOPEN及び閉弁時期TMGCLOSEにより、気
筒別に、スロットルアクチュエータ16を介して各スロ
ットル弁14を開閉することで、有効吸気期間を制御す
る(図11参照)。
【0082】すなわち、ECU40によって、本発明に
係る制御手段の機能が実現される。
【0083】以下、上記ECU40によって実行される
本発明に係る具体的な制御処理について、図2〜図10
に示すフローチャートに従って説明する。
【0084】イグニッションスイッチ52がONされ、
ECU40に電源が投入されると、システムがイニシャ
ライズされ、バックアップRAM44に格納されている
各種学習値等のデータを除く、各フラグ、各カウンタ類
が初期化される。そして、スタータスイッチ39がON
されてエンジン1が起動すると、クランク角センサ34
からのクランクパルス入力毎に、図2に示す気筒判別/
エンジン回転数算出ルーチンを実行し、気筒判別を行う
と共にエンジン回転数NEを算出する。
【0085】この気筒判別/エンジン回転数算出ルーチ
ンでは、先ず、ステップS1で、今回入力されたクランク
角センサ34からのクランクパルスがθ1,θ2,θ3
の何れのクランク角に対応する信号かを、気筒判別セン
サ36からの気筒判別パルスの入力パターンに基づいて
識別する。そして、ステップS2で、クランクパルスと気
筒判別パルスとの入力パターンからスロットル弁制御対
象気筒(次の吸入行程気筒)、燃料噴射対象気筒、及び
点火対象気筒等の気筒判別を行う。
【0086】すなわち、図12のタイムチャートに示す
ように、例えば、前回クランクパルスが入力してから今
回クランクパルスが入力されるまでの間に気筒判別パル
ス入力が有れば、今回のクランクパルスはθ1クランク
パルスであると識別でき、更に次回入力されるクランク
パルスはθ2クランクパルスと識別できる。
【0087】また、前回と今回とのクランクパルス入力
間に気筒判別パルス入力が無く、前々回と前回のクラン
クパルス間に気筒判別パルス入力が有ったときには、今
回のクランクパルスはθ2クランクパルスと識別でき、
次回入力されるクランクパルスはθ3クランクパルスと
識別できる。また、前回と今回との間、及び前々回と前
回とのクランクパルス入力間に、何れも気筒判別パルス
入力が無いときには、今回入力したクランクパルスはθ
3クランクパルスと識別でき、次回入力されるクランク
パルスはθ1クランクパルスと識別できる。
【0088】さらに、前回と今回とのクランクパルス間
に気筒判別パルスが2個入力(突起35bに対応するθ
5気筒判別パルス)したときには、次の圧縮上死点は#
3気筒であり、点火対象気筒は#3気筒と判別でき、ま
た、次のスロットル弁制御対象気筒(次の吸入行程気
筒)#i及び燃料噴射対象気筒は、その2つ後の#2気
筒と判別することができる。また、燃焼行程順(本実施
の形態では、#1気筒→#3気筒→#4気筒→#2気
筒)により次の気筒以降も判別することができる。
【0089】続くステップS3では、前記クランクパルス
入力間隔時間計時用タイマによって計時された前回のク
ランクパルス入力から今回のクランクパルス入力までの
時間、すなわちクランクパルス入力間隔時間(θ1クラ
ンクパルスとθ2クランクパルスの入力間隔時間Tθ1
2、θ2クランクパルスとθ3クランクパルスの入力間
隔時間Tθ23、或いはθ3クランクパルスとθ1クラン
クパルスの入力間隔時間Tθ31)を読み出し、クランク
パルス入力間隔時間Tθを検出する。
【0090】次いで、ステップS4へ進み、今回識別した
クランクパルスに対応するクランクパルス間角度を読み
出し、このクランクパルス間角度と上記パルス入力間隔
時間Tθとに基づいて現在のエンジン回転数NEを算出
し、RAM43の所定アドレスにストアしてルーチンを
抜ける。尚、上記クランクパルス間角度は既知であり、
予めROM42に固定データとして記憶されているもの
であり、本実施の形態においては、θ1クランクパルス
とθ2クランクパルス間の角度θ12は32°CA、θ2
クランクパルスとθ3クランクパルス間の角度θ23は5
5°CA、θ3クランクパルスとθ1クランクパルス間
の角度θ31は93°CAである。
【0091】そして、上記気筒判別/エンジン回転数算
出ルーチンによって算出されたエンジン回転数NE及び
気筒判別結果(スロットル弁制御対象気筒)の各データ
が、図3〜図4に示すスロットル弁開閉時期設定ルーチ
ンにおいて読み出され、気筒毎に、スロットル弁14の
開弁期間すなわち各スロットル弁14の開弁時期TMG
OPEN及び閉弁時期TMGCLOSEが設定される。
【0092】次に、図3〜図4のスロットル弁開閉時期
設定ルーチンについて説明する。
【0093】このスロットル弁開閉時期設定ルーチン
は、システムイニシャライズ後、所定周期毎に実行さ
れ、先ず、ステップS11,S12で、スタータスイッチ39
の操作状態、エンジン回転数NEに基づいてエンジン始
動判定を行う。
【0094】そして、スタータスイッチ39がON、或
いはエンジン回転数NEが予め設定された完爆回転数NE
SET(例えば、500rpm)を下回り、エンジン始動時な
いしエンストと判断されるときには、該当するステップ
からステップS13へ進む。そして、ステップS13,S14
で、全気筒のスロットルアクチュエータ16の開弁用励
磁コイル16c、閉弁用励磁コイル16dを共にOFF
し、続くステップS15で、スロットル弁作動禁止フラグ
FTHをセットし(FTH←1)、ステップS16で、後述の
気筒休止制御の実行を指示する気筒休止制御フラグFCY
Lをクリアして(FCYL←0)、ルーチンを抜ける。
【0095】従って、エンジン始動時ないしエンスト時
には、各スロットルアクチュエータ16の両励磁コイル
16c,16dが共にOFFされることで、スロットル
アクチュエータ16の各スプリング16e,16fの付
勢力によって、全気筒のスロットル弁14が、図18に
2点鎖線で示すように、所定の小開度に固定される(ロ
ータリ弁式のスロットル弁の場合は、図20(b)参
照)。
【0096】すなわち、エンスト時においては、当然の
ことながら吸気弁7が開閉せず、このときスロットル弁
14を開閉しても無意味であり、従って、このときには
全気筒のスロットル弁14の開閉制御を停止して、無駄
な制御を防止する。また、このときには、スロットル弁
14が所定の小開度に固定されるので、エンジン始動に
移行したとしても、吸入空気が確保されエンジン始動が
阻害されることが防止される。
【0097】また、エンジン始動時においては、図示し
ないスタータモータの作動によりバッテリ51の電気負
荷が大きく、スロットルアクチュエータ16の電源電圧
(バッテリ電圧VB)が不安定のため、このときにも全
気筒のスロットル弁14の開閉制御を停止し、図14
(c)に示すように、固定スロットル開度とする。尚、
前述のように、このときの固定スロットル開度は、スロ
ットルアクチュエータ16の各スプリング16e,16
fの付勢力によって、エンジン始動性及び必要最低限の
車輌走行を確保するに適切な所定開度に設定されてお
り、適正なエンジン始動性が確保される。
【0098】一方、上記ステップS11,S12において、ス
タータスイッチ39がOFF、且つエンジン回転数NE
が完爆回転数NESET以上で、エンジン完爆後の通常運転
時には、ステップS17へ進み、吸気制御システム(スロ
ットル弁制御システム)を診断する。
【0099】すなわち、ECU40の自己診断機能によ
りスロットル弁制御に関わる各パラメータを検出するた
めのクランク角センサ34,アクセルセンサ37等の各
センサ、及びスロットルアクチュエータ16等の異常を
判断する。尚、センサ自体、或いはセンサとECU40
間のコネクタハーネスに断線やショート等の異常が生じ
ると、該センサからECU40に入力される信号値が通
常取り得ない値を示し、また、スロットルアクチュエー
タ16自体、或いはスロットルアクチュエータ16とE
CU40間のコネクタハーネスに断線やショート等の異
常が生じると、スロットルアクチュエータ16のドレイ
ン電圧が異常値を示す。従って、ECU40における診
断は、センサ系については通常取り得ない値を示してい
るときNGと判断し、また、スロットルアクチュエータ
系についてはドレイン電圧が異常値を示しているときN
Gと判断する。
【0100】そして、スロットル弁制御に関わるパラメ
ータを検出するためのセンサ、或いはスロットルアクチ
ュエータ16等が異常のシステム異常時には、上記ステ
ップS13へ進み、ステップS13〜S16を経てルーチンを抜
ける。
【0101】従って、吸気制御システム(スロットル弁
制御システム)の異常時には、各スロットルアクチュエ
ータ16の両励磁コイル16c,16dが共にOFFさ
れることで、全気筒のスロットル弁14が固定スロット
ル開度となる(図14(c)参照)。これにより、スロ
ットル弁制御に関わるパラメータを検出するためのセン
サ、或いはスロットルアクチュエータ16等が異常で、
吸気制御システムに異常が生じていても、必要最低限の
車輌走行が確保される。
【0102】一方、上記ステップS17においてシステム
正常時には、ステップS18へ進み、ステップS18,S19
で、それぞれエンジン回転数NE及び要求負荷を表すア
クセルストローク(アクセルペダル踏込み量)ACSに
基づいて、ROM42にメモリされているスロットル開
弁角度テーブル、スロットル閉弁基本角度テーブルを補
間計算付きで参照し、スロットル弁14の開弁時期を定
めるスロットル開弁角度THAOPEN、及びスロットル弁
14の基本閉弁時期を定めるスロットル基本閉弁角度T
HACLOSEBASEを設定する。
【0103】上記各テーブルは、予めシミュレーション
或いは実験等によりエンジン回転数NE及び要求負荷を
表すアクセルストロークACSによる領域毎に、目標と
するエンジン出力を得るに適正な1気筒1サイクル当た
りの目標吸入空気量を求め、更に、吸気弁7の開弁クラ
ンク角期間において、この目標吸入空気量を得るに適正
なスロットル弁14による有効吸気期間(単位;クラン
ク角度)を求め、この有効吸気期間を得るに適正なスロ
ットル開弁角度THAOPENとスロットル基本閉弁角度T
HACLOSEBASEとを、それぞれエンジン回転数NE及びア
クセルストロークACSをパラメータとするスロットル
開弁角度テーブル、スロットル基本閉弁角度テーブルと
して設定し、ROM42の一連のアドレスにメモリされ
ているものである。
【0104】尚、本実施の形態においては、図12に示
すように、上記スロットル開弁角度THAOPENは、θ2
クランクパルス入力を基準とし、θ2クランクパルス入
力後、何°CAにおいてスロットル弁14を開弁するの
かを定める値として設定されている。また、スロットル
基本閉弁角度THACLOSEBASEは、θ1クランクパルス
入力を基準とし、θ1クランクパルス入力後、何°CA
においてスロットル弁14を閉弁するのかを定める値と
して設定されている。
【0105】上記各テーブルによるスロットル開弁角度
THAOPENとスロットル基本閉弁角度THACLOSEBASE
の特性を、図13に示す。
【0106】すなわち、アクセルストロークACSが小
さく要求負荷が小さいときには、要求されるエンジン出
力が小さいため、目標吸入空気量が小さく、必要とする
有効吸気期間が短い。従って、アクセルストロークが小
さい低要求負荷時には、スロットル弁の開弁期間を小さ
く設定するために、スロットル弁14を開弁するための
スロットル開弁角度THAOPENとスロットル弁14を閉
弁するためのスロットル基本閉弁角度THACLOSEBASE
とが近接した値に設定されている。
【0107】そして、要求負荷の増大に伴い要求される
エンジン出力が増大し、目標吸入空気量が増加する。従
って、アクセルストロークACSの増加により要求負荷
が増加するほど、スロットル弁14の開弁期間による有
効吸気期間を増加するために、漸次的にスロットル開弁
角度THAOPENが進角化されると共に、スロットル基本
閉弁角度THACLOSEBASEが遅角化される。
【0108】また、エンジン回転数NEの上昇に伴い、
目標吸入空気量が増加し、且つ充填効率の向上を図るた
め、図13(a)に示すエンジン低回転時に対し、図1
3(b)の中回転時、図13(c)の高回転時に示すよ
うに、順次、相対的にスロットル弁の開弁期間による有
効吸気期間を増加すべく、エンジン回転数NEが上昇す
るほど、スロットル開弁角度THAOPENの進角量、及び
スロットル基本閉弁角度THACLOSEBASEの遅角量を相
対的に増加する。
【0109】その結果、高回転全負荷(フルアクセルス
トローク)のときには、図14(a)に示すように、ス
ロットル弁14の開弁期間が広角化され、吸気弁7の開
弁期間によって有効吸気期間が決定される。そして、最
大限の有効吸気期間によって筒内吸入空気量が増加され
ると共に充填効率が向上され、エンジン出力が上昇され
る。
【0110】そして、アクセルストロークACSによる
要求負荷及びエンジン回転数NEの低下に伴い、図14
(b)に示すように、吸気弁7の開弁期間において、ス
ロットル弁14の開弁期間が狭角化されて有効吸気期間
が減少し、エンジン出力が低下される。
【0111】続くステップS20では、冷却水温センサ3
1による冷却水温度TWに基づいてテーブル参照によ
り、エンジン暖機状態に応じて上記スロットル基本閉弁
角度THACLOSEBASEを補正するための水温補正係数KT
Wを設定する。すなわち、本実施の形態では、アイドル
回転数制御弁(ISC弁)を廃止しており、このため、
ISC弁による機能をスロットル弁14によって代用す
る必要がある。
【0112】この水温補正係数KTWは、エンジン冷却水
温度TWすなわちエンジン暖機状態に応じ、エンジン低
温時にスロットル弁14の開弁期間を増加して有効吸気
期間を増加させることで、筒内吸入空気量を増加してア
イドル回転数を上昇させエンジン暖機を促進するための
ものである。尚、本実施の形態では、スロットル弁14
の閉弁時期を、水温補正係数KTWにより遅角補正するこ
とで、有効吸気期間を増加する。
【0113】ステップS20中に示すように、上記テーブ
ルには、エンジン冷却水温度TWの低温時には、スロッ
トル弁14の閉弁時期に対する遅角補正量を増加して有
効吸気期間を増加し、アイドル回転数を上昇させるべく
大きい値の水温補正係数KTWがストアされている。そし
て、エンジン冷却水温度TWの上昇に応じ水温補正係数
KTWが減少され、エンジン暖機完了状態で水温補正進角
KTWが、KTW=1.0となり、水温補正係数による補正
無しの状態となる。
【0114】次いでステップS21で、エンジン回転数NE
と要求負荷を表すアクセルストロークACSとに基づい
てバックアップRAM44の一連のアドレスからなる学
習値テーブルを参照して学習値KLRを検索し、補間計算
により学習補正係数KTHLRを設定して、ステップS22へ
進む。
【0115】すなわち、上述のようにスロットル弁14
の開弁期間は、エンジン回転数NEと要求負荷を表すア
クセルストロークASCとによる領域毎に求めた目標吸
入空気量を得るよう設定されている。
【0116】従って、後述の図5の学習ルーチンによ
り、エンジン回転数NEとアクセルストロークASCと
による領域毎に、目標吸入空気量に対する実際の吸入空
気量の偏差に応じて、有効吸気期間を与えるスロットル
弁14の開弁期間を補正するための学習値KLRを学習
し、この学習値KLRによって設定される学習補正係数K
THLRにより上記スロットル基本閉弁角度THACLOSEBAS
Eを補正することで、スロットル弁14の開弁期間を補
正し、スロットル弁14及びスロットルアクチュエータ
16等の吸気制御系の生産時のばらつきや経時劣化等に
起因する目標吸入空気量に対する吸入空気量のずれを補
償する。
【0117】そして、ステップS22で、上記スロットル
基本閉弁角度THACLOSEBASEに、上記水温補正係数KT
Wを乗算して水温補正すると共に、上記学習補正係数KT
HLRを乗算して学習補正し、スロットル弁の閉弁クラン
ク角を定めるスロットル閉弁角度THACLOSEを設定す
る(THACLOSE←THACLOSEBASE×KTW×KTHLR)。
【0118】尚、本実施の形態においては、内部排気還
流(内部EGR)を可能とするために、図11に示すよ
うに、排気弁8と吸気弁7のバルブオーバーラップ期間
を設けている。従って、スロットル弁14の開弁期間を
補正するために、スロットル弁14の開弁時期を定める
スロットル閉弁角度THAOPENを水温補正或いは学習補
正すると、この補正によってスロットル弁14の開弁時
期がバルブオーバーラップ期間に掛かり、内部EGRを
必要としない領域においても内部EGRが行われ、この
内部EGRの影響により燃焼性が悪化してしまう。
【0119】このため、本実施の形態では、スロットル
閉弁時期を定めるスロットル閉弁角度THACLOSEのみ
を水温補正及び学習補正しているが、内部EGRを考慮
しなければ、スロットル14の開弁時期を定めるスロッ
トル開弁角度THAOPENのみ、或いはスロットル開弁角
度THAOPENとスロットル閉弁角度THACLOSEとの双
方を水温補正及び学習補正するようにしてもよい。
【0120】次いで、ステップS23では、エンジン回転
数NE、アクセルストロークACS、車速センサ38に
よる車速VSP等に基づいて、運転状態がアイドル、極
低負荷、アイドル空吹かし、或いは最高車速制限等の、
所定気筒を休止する休筒領域にあるか否かを判断する。
【0121】そして、運転状態が休筒領域(アイドル、
極低負荷、アイドル空吹かし、或いは最高車速制限等)
のときには、ステップS24へ進み、所定の気筒を休止す
るための気筒休止制御を指示する気筒休止制御フラグF
CYLをセットして(FCYL←1)、ステップS29へジャン
プする。
【0122】また、上記ステップS23において、運転状
態が休筒領域外のときには、ステップS25へ進み、気筒
休止制御フラグFCYLをクリアして(FCYL←0)、ステ
ップS26へ進む。
【0123】ステップS26では、エンジン回転数NE及び
アクセルストロークACS等に基づいて、エンジン運転
状態が、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)が増加する
低負荷中低回転領域等で、内部EGRを必要とする内部
EGR領域か否かを判断する。そして、エンジン運転状
態が内部EGR領域外のときには、ステップS29へジャ
ンプする。
【0124】一方、エンジン運転状態が低負荷中低回転
領域等の内部EGR領域のときには、ステップS27へ進
み、ステップS27,S28で、それぞれ上記スロットル開弁
角度THAOPEN,スロットル弁閉弁角度THACLOSEか
ら設定値ADOPEN,ADCLOSEを減算してスロットル開
弁時期及びスロットル弁閉弁時期を進角補正し、新たな
スロットル開弁角度THAOPEN及びスロットル閉弁角度
THACLOSEを設定して(THAOPEN←THAOPEN−A
DOPEN、THACLOSE←THACLOSE−ADCLOSE)、ス
テップS29へ進む。
【0125】すなわち、エンジン運転領域が排気ガス中
のNOxが増加する低負荷中低回転領域等のときには、
上記設定値ADOPEN,ADCLOSEによってスロットル開
弁角度THAOPEN及びスロットル閉弁角度THACLOSE
を進角補正することで、スロットル弁14の開弁期間を
相対的に進角化する。これによって、図14(d)に示
すように、スロットル弁14の開弁期間による有効吸気
期間が排気弁8と吸気弁7のバルブオーバーラップ期間
に重合し、このバルブオーバーラップにより排気を吸気
系に吹き返させる内部EGRを行うことが可能となる。
そして、この内部EGRによって燃焼温度が低下し、こ
の燃焼温度の低下によってNOxの排出量が低減され
る。
【0126】尚、本実施の形態においては、スロットル
弁14の開弁時期と閉弁時期とを、それぞれ進角補正す
るための設定値ADOPEN,ADCLOSEは、固定値により
設定されるが、エンジン回転数NEや冷却水温度TW等の
エンジン運転状態に応じて設定するようにしてもよい。
【0127】また、本実施の形態では、スロットル弁1
4の開弁時期と閉弁時期を共に進角補正して内部EGR
を行うようにしているが、スロットル弁14の開弁時期
のみを進角補正するようにしてもよい。
【0128】そして、ステップS29へ進み、上記スロッ
トル開弁角度THAOPENを時間換算して、θ2クランク
パルス入力を基準としたスロットル弁14の開弁タイミ
ングTMGOPENを設定し、ステップS30で、上記スロッ
トル閉弁角度THACLOSEを時間換算して、θ1クラン
クパルス入力を基準としたスロットル弁14の閉弁タイ
ミングTMGCLOSEを設定する。
【0129】本実施の形態においては、いわゆる時間制
御方式を採用しており、スロットル弁14の開弁時期を
定めるスロットル開弁タイミングTMGOPEN、及び閉弁
時期を定めるスロットル閉弁タイミングTMGCLOSEを
時間により設定する。すなわち、上記スロットル開弁角
度THAOPEN及びスロットル閉弁角度THACLOSEは角
度データ(クランク角度;°CA)のため、図12に示
すように、スロットル開弁角度THAOPENを、θ2クラ
ンクパルスが入力してからスロットル弁14を開弁する
までの時間に換算し、また、スロットル閉弁角度THA
CLOSEを、θ1クランクパルスが入力してからスロット
ル弁14を閉弁するまでの時間に換算する必要がある。
【0130】上記気筒判別/エンジン回転数算出ルーチ
ンにより得られる最新のクランクパルス入力間隔時間T
θ及びこのクランクパルス間角度θを用い、本実施の形
態では、θ2クランクパルス入力を基準とするスロット
ル開弁タイミングTMGOPEN、及び、θ1クランクパル
ス入力を基準とするスロットル閉弁タイミングTMGCL
OSEを、それぞれ次式により設定する。
【0131】TMGOPEN←(Tθ/θ)×THAOPEN TMGCLOSE←(Tθ/θ)×THACLOSE そして、上記気筒判別/エンジン回転数算出ルーチンに
よって得られているスロットル弁制御対象気筒データ#
iを読み出し、ステップS31で、前記カウンタ・タイマ
群45中の該当気筒#iのスロットル開弁タイミングタ
イマに上記スロットル開弁タイミングTMGOPENをセッ
トすると共に、ステップS32で、該当気筒#iのスロッ
トル閉弁タイミングタイマに上記スロットル閉弁タイミ
ングTMGCLOSEをセットする。そして、続くステップS
33で、前記スロットル弁作動禁止フラグFTHをクリアし
て(FTH←0)、ルーチンを抜ける。
【0132】以上の結果、θ2クランクパルス入力に同
期して起動する後述の図7のθ2クランクパルス割り込
みルーチンにより上記スロットル開弁タイミングタイマ
がスタートされ、スロットル開弁タイミングTMGOPEN
に達した時点で該当気筒#iのスロットル弁14が開弁
されて全開する。また、その後、θ1クランクパルス入
力に同期して起動する図8のθ1クランクパルス割り込
みルーチンにより上記スロットル閉弁タイミングタイマ
がスタートされ、スロットル閉弁タイミングTMGCLOS
Eに達した時点で当該スロットル弁14が閉弁されて全
閉する。
【0133】これにより、気筒別に、吸気弁7の開弁期
間に対応してスロットルアクチュエータ16を介して各
スロットル弁14が開閉し、運転状態に応じて有効吸気
期間が制御され、運転状態に適応して全運転領域におい
て的確なエンジン出力が得られる。
【0134】また、これら各スロットル弁14の開閉に
よって吸入される実際の吸入空気量を吸入空気量センサ
28によって検出し、所定時間毎に実行される図5に示
す学習ルーチンにおいて、目標吸入空気量に対する実際
の吸入空気量の偏差を、有効吸気期間を与えるスロット
ル弁14の開弁期間を補正するための上記学習値KLRに
反映する。そして、上述のように、この学習値KLRに基
づいて設定される学習補正係数KTHLRによって上記スロ
ットル基本閉弁角度THACLOSEBASEを補正すること
で、スロットル弁14の開弁期間を補正する。その結
果、吸入空気量が目標吸入空気量に収束され、スロット
ル弁14及びスロットルアクチュエータ16等の吸気制
御系の生産時のばらつきや経時劣化等に起因する目標吸
入空気量に対する吸入空気量のずれが補償される。
【0135】次に、図5の学習ルーチンについて説明す
る。
【0136】この学習ルーチンは、システムイニシャラ
イズ後、所定時間毎に実行され、先ずステップS41,S42
で、学習条件を判断する。
【0137】ステップS41では、上記スロットル弁作動
禁止フラグFTHを参照し、FTH=1でエンストないし始
動時、或いはシステム異常によりスロットル弁14が固
定スロットル開度のときには、学習処理を行うことなく
ルーチンを抜ける。
【0138】すなわち、FTH=1の固定スロットル開度
時には、スロットル弁14の開閉制御が中止されてお
り、この状態下において学習を行うと誤学習を生じる。
従って、このときには学習条件非成立と判断して、学習
を中止する。
【0139】一方、FTH=0でスロットル弁14の開閉
が正規に行われていると判断されるときには、ステップ
S42で、エンジン運転領域が所定時間以上、同一領域に
係属するエンジン定常運転状態か否かを判断し、過渡運
転状態のときには、同様に学習処理を行うことなくルー
チンを抜ける。
【0140】すなわち、エンジン運転領域が変化する過
渡運転状態時には、吸入空気量が急変し、エンジン運転
状態に基づいて設定される目標吸入空気量と実際に検出
される吸入空気量とが整合せず、誤学習を生じる。従っ
て、このときにも学習条件非成立として学習を中止す
る。
【0141】そして、スロットル弁開閉制御中、且つエ
ンジン定常運転状態で、上記ステップS41,S42による学
習条件の成立時には、ステップS43へ進み、エンジン回
転数NEと要求負荷を表すアクセルストロークACSと
に基づいて、ROM42の一連のアドレスからなる目標
吸入空気量テーブルを補間計算付きで参照し、目標吸入
空気量QATAGTを設定する。
【0142】上述のように、スロットル弁14による有
効吸気期間すなわちスロットル弁14の開弁期間を定め
るスロットル開弁角度THAOPEN及びスロットル基本閉
弁角度THACLOSEは、エンジン回転数NE及びアクセル
ストロークACSによる領域毎に予めシミュレーション
或いは実験等により求めた目標吸入空気量QATAGTに基
づいて設定される。
【0143】従って、これに対応して上記目標吸入空気
量テーブルには、この目標吸入空気量QATAGTが、エン
ジン回転数NE及びアクセルストロークACSをパラメ
ータとしてメモリされている。
【0144】この目標吸入空気量テーブルの一例を、ス
テップS43中に示す。上述のように、エンジン回転数NE
が高く、アクセルストロークACSによる要求負荷が高
いほど、エンジン出力を増加させるために、目標吸入空
気量QATAGTが高くなる。従って、これに対応した値が
目標吸入空気量テーブルにストアされている。
【0145】次いで、ステップS44へ進み、上記目標吸
入空気量QATAGTから吸入空気量センサ28により検出
される実際の吸入空気量QAを減算して、目標吸入空気
量QATAGTに対する実際の吸入空気量QAの偏差ΔQA
を算出する(ΔQA←QATAGT−QA)。
【0146】続くステップS45では、現在のエンジン回
転数NE及びアクセルストロークACSによってバック
アップRAM44にストアされている学習値テーブル中
のアドレスを特定する。そして、ステップS46で、学習
値テーブルの該当アドレスにストアされている学習値K
LRを読み出して、この学習値KLRと上記偏差ΔQAに基
づいて次式により新たな学習値KLRを算出する。
【0147】KLR←KLR+M×ΔQA 尚、上式中のMは、上記偏差ΔQAによる学習値KLRの
更新比率を決定するための係数であり、偏差ΔQAの値
に応じて設定される(但し、0<M<1.0)。
【0148】そして、この新たに算出した学習値KLRに
よって、学習値テーブルの該当アドレスに格納されてい
る学習値を更新し、ルーチンを抜ける。
【0149】尚、学習値テーブルにストアされる各学習
値KLRのイニシャルセット値は、KLR=1.0(補正無
しの値)である。そして、図15に示すように、目標吸
入空気量QATAGTに対する吸入空気量QAの偏差ΔQA
がプラス側に大きいほど、すなわち、目標吸入空気量Q
ATAGTに対し実際の吸入空気量QAが少ないほど、学習
値KLRが順次増加更新される。また、逆に、偏差ΔQA
がよりマイナス側であり、目標吸入空気量QATAGTに対
し実際の吸入空気量QAが多いほど、学習値KLRが順次
減少更新される。
【0150】従って、上述のスロットル弁開閉時設定ル
ーチンにおいて、この学習値KLRにより補間計算を伴っ
て設定される学習補正係数KTHLRがスロットル閉弁時期
を定めるスロットル閉弁角度THACLOSEの演算式に組
み込まれることで(図3のステップS22参照)、目標吸
入空気量QATAGTに対し実際の吸入空気量QAが少ない
ときには、スロットル閉弁角度THACLOSEが遅角補正
されて、スロットル弁14による有効吸気期間が増加
し、吸入空気量が増加修正される。また、目標吸入空気
量QATAGTに対し実際の吸入空気量QAが多いときに
は、スロットル閉弁角度THACLOSEが進角補正され
て、スロットル弁14による有効吸気期間が減少し、吸
入空気量が減少修正される。
【0151】すなわち、この学習フィードバック制御に
よって、各運転領域において、吸入空気量QAが目標吸
入空気量QATAGTに収束され、スロットル弁14及びス
ロットルアクチュエータ16等の吸気制御系の生産時の
ばらつきや経時劣化等に起因する目標吸入空気量に対す
る吸入空気量のずれが補償される。その結果、各運転領
域において、的確なエンジン出力性能を得ることが可能
となる。
【0152】尚、前述のように、本実施の形態において
は、燃料噴射量をLジェトロニック方式により設定する
ため、吸入空気量センサ28を備え、この吸入空気量セ
ンサ28により、吸入空気量QAを直接検出することが
可能である。これに対し、Dジェトロニック方式を採用
する場合は、スロットル弁14下流の吸気管圧力を吸気
管圧力センサによって検出し、この吸気管圧力とエンジ
ン回転数NEに基づいて吸入空気量QAを間接的ながら
検出することが可能であり、Dジェトロニック方式にお
いても、本発明を採用することができ、上述の学習制御
を適用することができる。
【0153】また、吸気弁7の開閉に対応してスロット
ル弁14が開閉するため、スロットル弁14下流の吸気
管圧力の変動が大きい。従って、Dジェトロニック方式
に適用する場合は、吸気管圧力を平均処理し、この平均
吸気管圧力をパラメータとして採用することが望まし
い。
【0154】一方、前述のスロットル弁開閉制御ルーチ
ンにおける気筒休止制御フラグFCYLが、所定時間毎に
実行される図6の気筒休止制御ルーチンにおいて参照さ
れ、気筒休止制御が指示されているときには、所定気筒
を休止するための気筒休止制御が行われる。
【0155】次に、図6の気筒休止制御ルーチンについ
て説明する。
【0156】この気筒休止制御ルーチンにおいては、先
ずステップS51で、気筒休止制御フラグFCYLを参照し、
気筒休止制御が指示されているか否かを判断する。そし
て、FCYL=0で気筒休止制御が指示されていないとき
には、ステップS52へ進み、気筒休止制御の初回実行を
判断するための初回判別フラグFINIをクリアし(FINI
←0)、気筒休止制御を行うことなく、ルーチンを抜け
る。
【0157】一方、上記ステップS51においてFCYL=1
で、運転状態が休筒領域(アイドル、極低負荷、アイド
ル空吹かし、或いは最高車速制限時等)にあり、気筒休
止制御が指示されているときには、ステップS53へ進
み、初回判別フラグFINIを参照する。
【0158】そして、FINI=0で、気筒休止制御へ移
行後の初回ルーチン実行時には、ステップS54へ進み、
該初回判別フラグFINIをセットして(FINI←1)、ス
テップS55で、休止する気筒(休筒気筒)#N1,#N2
として、#1気筒及び#4気筒を選択し(#N1←#
1、#N2←#4)、ステップS56へ進む。
【0159】すなわち、本実施の形態においては、燃焼
が等間隔となるよう燃焼順で1気筒おきに、#1,#4
気筒と#2,#3気筒とにグループ分けし、先ず#1,
#4気筒を燃料噴射及び点火を中止して気筒休止させ、
その後、所定周期毎に、#1,#4気筒と#2,#3気
筒とを、交互に気筒休止させる。
【0160】そして、ステップS56で、休止気筒グルー
プを所定周期毎に交互に変更するための時間をカウント
するグループ変更時間カウント値CCYLをクリアし(CC
YL←0)、続くステップS57,S58で、現在選択されてい
る休止気筒グループ#N1,#N2すなわち#1,#4気
筒のスロットルアクチュエータ16の開弁用励磁コイル
16cをONすると共に、閉弁用励磁コイル16dをO
FFして、ルーチンを抜ける。
【0161】その結果、気筒休止制御に移行した際、先
ず、#1,#4気筒が燃料噴射及び点火の中止によって
気筒休止され、且つ、#1,#4気筒のスロットル弁1
4が全開される。
【0162】そして、気筒休止制御へ移行後の2回目以
降のルーチン実行時には、上述のステップS54で初回判
別フラグFINIがセットされていることで(FINI=
1)、ステップS53からステップS59へ進む。
【0163】ステップS59では、グループ変更時間カウ
ント値CCYLをカウントアップし(CCYL←CCYL+
1)、続くステップS60で、このグループ変更時間カウ
ント値CCYLを、休止気筒グループの変更周期を定める
設定値CS1と比較する。そして、CCYL<CS1で、グル
ープ変更時間カウント値CCYLが、上記設定値CS1によ
り定まる所定時間に達していないときには、そのままル
ーチンを抜け、現在選択されている休止気筒グループの
休止を継続する。
【0164】その後、上記ステップS60において、CCYL
≧CS1となり、グループ変更時間カウント値CCYLが設
定値CS1により定まる所定時間に達した時点で、ステッ
プS61へ進み、現在選択されている休止気筒グループ#
N1,#N2が、#1,#4気筒かを判断する。
【0165】そして、現在選択されている休止気筒グル
ープ#N1,#N2が、#1,#4気筒のときには(#N
1,#N2=#1,#4)、ステップS62へ進み、休筒気
筒#N1,#N2として、#2気筒及び#3気筒を選択し
(#N1←#2、#N2←#3)、上記ステップS56へ進
み、グループ変更時間カウント値CCYLをクリアして、
ステップS57,S58を経て、選択されている休止気筒グル
ープ#N1,#N2すなわち#2,#3気筒のスロットル
アクチュエータ16の開弁用励磁コイル16cをONす
ると共に、閉弁用励磁コイル16dをOFFして、ルー
チンを抜ける。
【0166】従って、#1,#4気筒の気筒休止後、上
記設定値CS1による所定時間に達した時点で、休止気筒
グループが#2,#3気筒に変更される。
【0167】その結果、#2,#3気筒が燃料噴射及び
点火の中止により気筒休止され、且つ、#2,#3気筒
のスロットル弁14が全開される。また、これと同期し
て、#1,#4気筒の燃料噴射及び点火が再開されると
共に、後述の図7のθ2クランクパルス割り込みルーチ
ン、及び図8のθ1クランクパルス割り込みルーチンに
よって、#1,#4気筒のスロットル弁14の開閉が再
開される。
【0168】一方、上記ステップS61において、現在選
択されている休止気筒グループ#N1,#N2が、#N
1,#N2≠#1,#4、すなわち#2,#3気筒のとき
には、上記ステップS55へ進み、休筒気筒#N1,#N2
として、#1気筒及び#4気筒を選択し、上記ステップ
S56〜S58を経て、ルーチンを抜ける。
【0169】従って、気筒休止制御の実行時は、上記設
定値CS1による所定周期毎に、休止気筒が、#1,#4
気筒と#2,#3気筒とに交互に変更される。
【0170】そして、休止気筒については、スロットル
弁14を全開するので、休止気筒において空気を無駄膨
張及び無駄圧縮することによるポンピングロスを低減す
ることが可能となり、燃費を向上することが可能とな
る。
【0171】また、休止気筒が、所定周期毎に、#1,
#4気筒と#2,#3気筒とに交互に変更されるため、
休止気筒が固定されることによる当該休止気筒の点火プ
ラグ21の汚損を防止することが可能となって、着火性
の悪化が防止される。また、休止気筒が固定されること
による該休止気筒の温度低下により、気筒休止を解除し
たときの当該気筒の燃焼性の悪化、及び、気筒間の温度
ばらつきに起因する気筒間の燃焼変動を防止することが
可能となる。
【0172】更に、燃焼が等間隔となるよう燃焼順で1
気筒おきに、気筒をグループ分けし、所定周期毎に、休
止気筒を変更するので、気筒休止時の燃焼間隔がばらつ
くことによるエンジン回転変動を防止することが可能と
なる。
【0173】尚、本実施の形態では、休止気筒に対し燃
料噴射及び燃料供給を中止しているが、休止気筒につい
ては、当該気筒に対し少なくとも燃料噴射を中止すれば
当該気筒は休止する。従って、少なくとも当該気筒に対
して燃料噴射を中止すればよく、点火については継続す
るようにしてもよい。
【0174】次に、前記スロットル開弁タイミングタイ
マ、スロットル閉弁タイミングタイマの作動処理、及び
各スロットル弁14の開閉処理を行う図7〜図10の各
ルーチンについて説明する。
【0175】図7に示すθ2クランクパルス割り込みル
ーチンは、θ2クランクパルス入力に同期してルーチン
が起動し、ステップS71,S72で、それぞれスロットル弁
作動禁止フラグFTH,気筒休止制御フラグFCYLを参照
する。
【0176】そして、FTH=0のシステム正常、及びエ
ンジン完爆後の通常運転時であり、且つ、FCYL=0で
気筒休止制御が指示されておらず、運転領域が休筒領域
外のとき、ステップS74へジャンプして、スロットル弁
制御対象気筒#iのスロットル開弁タイミングタイマを
スタートして、ルーチンを抜ける。
【0177】そして、スロットル開弁タイミングタイマ
の計時によりスロットル開弁タイミングTMGOPENに達
すると、図9に示すルーチンが割り込み起動し、ステッ
プS91で、該当気筒#iのスロットルアクチュエータ1
6の開弁用励磁コイル16cがONされると共に、ステ
ップS92で、該スロットルアクチュエータ16の閉弁用
励磁コイル16dがOFFされ、該当気筒#iのスロッ
トル弁16が開弁されて全開する(図12参照)。
【0178】その後、θ1クランクパルスが入力する
と、これに同期して、図8に示すθ1クランクパルス割
り込みルーチンが起動し、ステップS81,S82で、それぞ
れスロットル弁作動禁止フラグFTH,気筒休止制御フラ
グFCYLを参照する。
【0179】そして、両フラグFTH,FCYLが共にクリ
アされており、システム正常、及びエンジン完爆後の通
常運転時であり、且つ、気筒休止制御が指示されておら
ず、運転領域が休筒領域外のとき、ステップS84へジャ
ンプして、該当気筒#iのスロットル閉弁タイミングタ
イマをスタートして、ルーチンを抜ける。
【0180】その結果、スロットル閉弁タイミングタイ
マの計時によりスロットル閉弁タイミングTMGCLOSE
に達した時点で、図10に示すルーチンが割り込み起動
し、ステップS101で、該当気筒#iのスロットルアクチ
ュエータ16の開弁用励磁コイル16cがOFFされる
と共に、ステップS102で、該スロットルアクチュエータ
16の閉弁用励磁コイル16dがONされ、該当気筒#
iのスロットル弁16が閉弁されて全閉する(図12参
照)。
【0181】従って、システム正常、及びエンジン完爆
後の通常運転時で、且つ、気筒休止制御が指示されてお
らず、運転領域が休筒領域外のときには、図12に示す
ように、全気筒について、気筒別に、吸気弁7の開弁期
間に対応してスロットルアクチュエータ16を介して各
スロットル弁14が開閉し、運転状態に対応して有効吸
気期間が最適に制御される。すなわち、通常のコンベン
ショナルな動弁機構を採用し、吸気弁7による開弁期間
(バルブタイミング)を制御することなく、気筒別に、
有効吸気期間を運転状態に応じて連続的に制御すること
が可能となり、運転状態に適応して全運転領域において
的確なエンジン出力が得られ、エンジン出力を向上する
ことが可能となる。
【0182】また、スロットル弁14の開閉タイミング
を制御するだけで、有効吸気期間を制御することがで
き、可変バルブタイミング機構等の複雑且つ高コストの
機構が不要で、構成簡素且つ低コストで実現することが
可能となる。
【0183】また、運転状態に応じて有効吸気期間を連
続的に可変可能であり、スロットル弁14のシール性を
ある程度確保することができれば、吸入行程のポンプ損
失が低減され、部分負荷時の燃費向上を図ることが可能
となる。
【0184】また、各気筒毎に独立して各々スロットル
弁14を配設する、いわゆる独立スロットル化により、
スロットル弁14の吸気抵抗が低減するため、全負荷最
大出力を向上することが可能となる。
【0185】更に、吸気弁7に対し要求されるシール性
が楽なスロットル弁14を用い、前述のように、スロッ
トルアクチュエータ16は、スロットル弁14を駆動す
るに要する電気エネルギが小さいため、バッテリ電圧の
低下の影響を受け難く、バッテリ電圧が低下したとして
も、スロットル弁14を安定して作動することができ
る。また、スロットルアクチュエータ16は、熱的環境
条件の良好なインテークマニホルド9に併設されるの
で、高温による電磁的性能劣化の影響が少なく、作動信
頼性が高い。従って、気筒別に吸気期間を適切に制御す
ることができ、且つ制御信頼性を向上することが可能と
なる。
【0186】また、排気ガス中のNOxが増加する低負
荷中低回転領域等の内部EGR領域において、スロット
ル弁14の開弁期間が相対的に進角化されることで、ス
ロットル弁14の開弁期間による有効吸気期間が排気弁
8と吸気弁7のバルブオーバーラップ期間に重合し、こ
のバルブオーバーラップにより内部EGRが行われ、燃
焼温度の低下によってNOxの排出量を低減することが
可能となる。すなわち、スロットル弁14の開閉タイミ
ングを制御するだけで、内部EGRを制御することがで
きるため、吸気カム5aの位相或いは吸気弁7の開弁期
間を連続可変制御するための複雑且つ高コストな機構が
不要であり、また、その制御速度を飛躍的に向上するこ
とが可能となる。更に、外部EGRシステムを採用する
ことなく実現することができ、EGRガスによる吸気系
の汚損を防止することができる。
【0187】一方、FTH=1で、スロットル弁作動禁止
フラグHTHがセットされているときには、図7のθ2ク
ランクパルス割り込みルーチンにおいては、上記ステッ
プS71から、図8のθ1クランクパルス割り込みルーチ
ンでは、上記ステップS81から、そのままルーチンを抜
ける。
【0188】従って、FTH=1のエンストないしエンジ
ン始動時、或いは、吸気制御システム(スロットル弁制
御システム)の異常時には、上記各クランクパルス割り
込みルーチンにおいて、そのままルーチンを抜けること
で、各スロットルアクチュエータ16の両励磁コイル1
6c,16dが共にOFFに保持されて、全気筒のスロ
ットル弁14が固定スロットル開度に維持される。
【0189】また、FTH=0のシステム正常、且つエン
ジン完爆後の通常運転時において、FCYL=1で、気筒
休止制御が指示されているときには、図7のθ2クラン
クパルス割り込みルーチンにおいては、上記ステップS7
1,S72を経て、ステップS73へ進み、また、図8のθ1
クランクパルス割り込みルーチンでは、上記ステップS8
1,S82を経てステップS83へ進み、各ステップS73,S83
において、スロットル弁制御対象気筒#iが現在選択さ
れている休止気筒グループ#N1,#N2か否かを判断す
る。
【0190】そして、該当気筒#iが休止気筒グループ
として選択されているときには(#i=#N1 or #N
2)、そのままルーチンを抜ける。
【0191】また、上記各ステップS73,S83において、
該当気筒#iが休止気筒グループでないときには(#i
≠#N1 or #N2)、それぞれ上記ステップS74,S84を
経て、スロットル弁制御対象気筒#iのスロットル開弁
タイミングタイマ,スロットル閉弁タイミングタイマを
スタートして、ルーチンを抜ける。
【0192】従って、気筒休止制御時、上述の図6の気
筒休止制御ルーチンによって現在選択されている休止気
筒グループについては、各タイマが作動されることな
く、上記各クランクパルス割り込みルーチンにおいて、
そのままルーチンを抜けることで、休止気筒グループの
各スロットルアクチュエータ16の開弁用励磁コイル1
6cがONに、閉弁用励磁コイル16dがOFFに保持
されて、これら休止気筒グループの各スロットル弁14
が全開に維持される。
【0193】また、このとき、休止気筒グループ外の気
筒については、各タイマの作動により、吸気弁7の開弁
期間に対応してスロットル弁14が開閉されて、運転状
態に対応して有効吸気期間が最適に制御される。
【0194】次に、図24及び図25に基づいて、本発
明の実施の第2形態を説明する。
【0195】本実施の形態は、上記実施の第1形態に対
し、更に、上記各スロットル弁14をバイパスし吸気通
路に接続されるバイパス通路と、このバイパス通路に配
設されるアイドル回転数制御弁とを備える。そして、極
低負荷運転時は、全気筒のスロットル弁を全閉して、上
記アイドル回転数制御弁により吸入空気量を制御する。
【0196】すなわち、上記スロットル弁14により有
効吸気期間を制御する場合、アイドル等の極低負荷運転
時においては、要求出力が小さく、スロットル弁14の
開弁期間が非常に短くなり、スロットル弁14のシール
性が高度に要求される。また、各気筒間においてスロッ
トル弁14のシール性のばらつきが有ると、アイドル時
に、各気筒毎に筒内吸入空気量のばらつきを生じて、気
筒間で燃焼状態が相違してしまい、これに起因してエン
ジン回転変動を生じ、アイドル回転数が不安定化する。
このため、全運転領域においてスロットル弁14により
有効吸気期間を制御する場合は、スロットル弁14に要
求される精度が非常に高く、コストアップを招き、更
に、アイドル回転数制御性及び極低負荷時の吸入空気量
制御性に課題がある。
【0197】従って、スロットル弁14のシール性が問
題となるアイドル時を含む極低負荷運転時には、全気筒
のスロットル弁14を全閉してスロットル弁14の開閉
による有効吸気期間の制御を中止し、アイドル回転数制
御弁により吸入空気量を制御することで、アイドル回転
数制御性及び極低負荷時の吸入空気量制御性を向上す
る。
【0198】また、スロットル弁14のシール性が比較
的高度に要求されない、極低負荷を除く運転状態時にの
み、気筒別に、吸気弁7の開弁期間に対応してスロット
ルアクチュエータ16を介して各スロットル弁14を開
閉し、有効吸気期間を制御する。
【0199】具体的には、本実施の形態は、上述の図1
6及び図17中に2点鎖線で示すように、各スロットル
弁14をバイパスし、吸気通路として吸気管11とスロ
ットル弁14下流において各気筒のインテークマニホル
ド9とを連通接続するバイパス通路60を設ける。そし
て、このバイパス通路60にアイドル回転数制御弁(I
SC弁)61を配設する。
【0200】また、図23に2点鎖線で示すように、E
CU40のI/Oインターフェイス46の出力ポート
に、駆動回路48を介して上記ISC弁61を接続す
る。
【0201】上記ISC弁61は、ECU40により制
御され、本実施の形態においては、ECU40から出力
される駆動信号のデューティ比が大きいほど弁開度が増
加して吸入空気流量が増加され、また、デューティ比が
小さいほど弁開度が減少して吸入空気流量が減少され
る。
【0202】そして、ECU40において、アクセルス
トロークACSに基づいて、アイドル運転(ACS=
0;アクセルペダル開放状態)を含む極低負荷運転か否
かを判断する。そして、極低負荷運転時は、全気筒のス
ロットル弁14を全閉すると共にISC弁61により吸
入空気量を制御する。一方、極低負荷を除く運転状態時
には、上記実施の第1形態と同様に、エンジン運転状態
に基づいて、気筒別に、各スロットル弁14の開弁時期
TMGOPEN及び閉弁時期TMGCLOSEを設定する。そし
て、この開弁時期TMGOPEN及び閉弁時期TMGCLOSE
により、気筒別に、吸気弁7の開弁期間に対応してスロ
ットルアクチュエータ16を介して各スロットル弁14
を開閉することで、有効吸気期間を制御する。
【0203】すなわち、本実施の形態においては、上記
ECU40は、請求項3記載の発明に係る極低負荷判別
手段、制御手段としての機能を実現する。
【0204】そして、本実施の形態では、上記実施の第
1形態における図3のスロットル弁開閉時期設定ルーチ
ンに代え、図24〜図25に示すスロットル弁開閉時期
設定ルーチンを採用する。
【0205】尚、スロットル弁開閉時期設定ルーチンの
後半部分、及び、この他のルーチンについては上記実施
の第1形態と同様であり、その説明は省略する。また、
図24〜図25のスロットル弁開閉時期設定ルーチンに
おいて、上記実施の第1形態と同一のステップについて
は同一の符号を付して、その詳細説明は省略する。
【0206】以下、図24〜図25のスロットル弁開閉
時期設定ルーチンについて説明する。
【0207】図24〜図25に示すスロットル弁開閉時
期設定ルーチンは、上記実施の第1形態と同様に、シス
テムイニシャライズ後、所定周期毎に実行され、先ずス
テップS11,S12で、エンジン始動判定を行う。
【0208】そして、スタータスイッチ39がON,或
いはエンジン回転数NEが完爆回転数NESETを下回り、
エンジン始動ないしエンストと判断されるときには、該
当するステップからステップS201へ進み、エンジン温度
を表す冷却水温度TWに基づいて始動時特性値テーブル
を参照し、エンスト或いは始動時におけるISC弁61
に対する制御量を定めるデューティ比DUTYを設定す
る。
【0209】上記始動時特性値テーブルは、エンジン温
度を表す冷却水温度TWによる領域毎に、エンジン運転
に備えISC弁61の適正弁開度を得る該ISC弁61
に対する駆動信号のデューティ比DUTYを、予めシミ
ュレーション或いは実験等により求め、ROM42の一
連のアドレスにメモリされているものである。
【0210】この始動時特性値テーブルの一例を、ステ
ップS201中に示す。ステップS201中に示すように、冷却
水温度TWの低いエンジン冷態時には、ISC弁61の
弁開度を増加し、エンジン運転に移行後、直ちにISC
弁61による吸入空気流量を増加してアイドル回転数を
高め、燃焼性の悪化を防止すると共に、エンジン1の暖
機を促進すべく高い値のデューティ比DUTYが格納さ
れている。また、冷却水温度TWが上昇するに従い、I
SC弁61の弁開度を減少してエンジン運転に移行後の
アイドル回転数を減少し、エンジン暖機完了の常温域で
は、エンジン騒音の低減及び燃費の向上を目的として低
いアイドル回転数を得るデューティ比DUTYが格納さ
れている。
【0211】そして、ステップS202で、このデューティ
比DUTYをセットし、続くステップS203,S204で、全
気筒のスロットルアクチュエータ16の開弁用励磁コイ
ル16cをOFFすると共に、閉弁用励磁コイル16d
をONし、ステップS15へジャンプする。そして、ステ
ップS15で、スロットル弁作動禁止フラグFTHをセット
し、ステップS16で、気筒休止制御フラグFCYLをクリア
して、ルーチンを抜ける。
【0212】その結果、エンストないしエンジン始動時
には、全気筒のスロットル弁14が全閉保持されると共
に、上記デューティ比DUTYの駆動信号がECU40
からISC弁61に出力されて、エンジン運転に備え、
ISC弁61の弁開度がエンジン温度に応じ適正値に保
持される。
【0213】一方、上記ステップS11,S12において、ス
タータスイッチ39がOFF、且つエンジン回転数NE
が完爆回転数NESET以上で、エンジン完爆後の通常運転
時には、ステップS206へ進み、現在の運転状態がアイド
ル等の極低負荷運転か否かを判断する。この判定は、例
えば、アクセルセンサ37によるアクセルストロークA
CSを所定値と比較し、アクセルストロークACSが所
定値以下のとき、極低負荷運転と判断することができ
る。
【0214】そして、アイドルを含む極低負荷運転時に
は、ステップS206へ進み、要求負荷を表すアクセルスト
ロークACSとエンジン回転数NEに基づいて、基本特
性値テーブルを補間計算付きで参照し、極低負荷運転に
適合するISC弁61に対する基本制御量を定める基本
デューティ比DUTYBASEを設定する。
【0215】上記基本特性値テーブルは、要求負荷を表
すアクセルストロークACSとエンジン回転数NEによ
る領域毎に、予めシミュレーション或いは実験等によ
り、極低負荷運転時において目標とするエンジン出力を
得るに適正な目標吸入空気量を求め、更に、この目標吸
入空気量を得るに適正なISC弁61の弁開度を求め
て、この適正弁開度を得るISC弁61に対する駆動信
号のデューティ比DUTYを基本デューティ比DUTY
BASEとし、ROM42の一連のアドレスにメモリされて
いるものである。
【0216】この基本特性値テーブルの一例を、ステッ
プS206中に示す。ステップS206中に示すように、アクセ
ルストロークACSが小さく、エンジン回転数NEが低
いほど、要求されるエンジン出力が低いため、ISC弁
61による弁開度を減少して、ISC弁61による吸入
空気流量を減少すべく、小さい値の基本デューティ比D
UTYが格納されている。また、アクセルストロークA
CSが増加し、エンジン回転数NEが上昇するに従い、
要求されるエンジン出力が増加し、このため、ISC弁
61による弁開度を増加して、ISC弁61による吸入
空気流量を増加すべく、大きい値の基本デューティ比D
UTYが格納されている。
【0217】続くステップS207では、冷却水温センサ3
1による冷却水温度TWに基づいてテーブル参照によ
り、エンジン暖機状態に応じて上記基本デューティ比D
UTYBASEを補正するための水温補正係数KTWISCを設
定する。
【0218】この水温補正係数KTWISCは、エンジン冷
却水温度TWすなわちエンジン暖機状態に応じ、エンジ
ン低温時にISC弁61の弁開度を増加して吸入空気流
量を増加させることで、アイドル回転数を上昇させエン
ジン暖機を促進するためのものである。
【0219】ステップS207中に示すように、上記テーブ
ルには、エンジン冷却水温度TWの低温時には、ISC
弁61の弁開度を増加し、アイドル回転数を上昇させる
べく大きい値の水温補正係数KTWISCがストアされてい
る。そして、エンジン冷却水温度TWの上昇に応じ水温
補正係数KTWISCが減少され、エンジン暖機完了状態で
KTW=1.0となり、水温補正係数による補正無しの状
態となる。
【0220】そして、ステップS208で、上記基本デュー
ティ比DUTYBASEに、上記水温補正係数KTWISCを乗
算して水温補正し、ISC弁61に対する制御量を定め
るデューティ比DUTYを設定する(DUTY←DUT
YBASE×KTWISC)。
【0221】尚、アイドル時においては、冷却水温度T
W等に基づいて目標回転数を設定し、この目標回転数と
エンジン回転数NEとの比較結果に応じて、上記デュー
ティ比DUTYをフィードバック補正するようにしても
よい。
【0222】そして、上記ステップS202へ進み、ステッ
プS208で設定したデューティ比DUTYをセットし、上
記ステップS203,S204を経て、全気筒のスロットルアク
チュエータ16の開弁用励磁コイル16cをOFFする
と共に、閉弁用励磁コイル16dをONする。そして、
更に上記ステップS15,S16を経て、スロットル弁作動禁
止フラグFTHをセットすると共に、気筒休止制御フラグ
FCYLをクリアして、ルーチンを抜ける。
【0223】その結果、極低負荷運転時には、全気筒の
スロットル弁14が全閉保持され、ISC弁61による
吸入空気量制御が可能となる。そして、上記デューティ
比DUTYの駆動信号がECU40からISC弁61に
出力されて、ISC弁61の弁開度が、極低負荷運転に
適合する目標吸入空気量を得るように制御される。
【0224】従って、スロットル弁14のシール性が問
題となるアイドル時を含む極低負荷運転時には、全気筒
のスロットル弁14を全閉してスロットル弁14の開閉
による有効吸気期間の制御を中止して、ISC弁61に
より吸入空気量を制御するため、アイドル回転数制御性
及び極低負荷時の吸入空気量制御性が向上される。ま
た、暗騒音が低いアイドル時において、スロットル弁1
4の開閉が中止されるため、このスロットル弁14によ
る作動騒音を解消することが可能となる。
【0225】一方、上記ステップS205において、極低負
荷を除く運転状態時には、ステップS209へ進み、デュー
ティ比DUTYを0%に設定し、このデューティ比DU
TYを、ステップS210でセットする。
【0226】その結果、極低負荷を除く運転状態時に
は、ISC弁61が全閉し、吸気弁7の開弁期間に対応
して各スロットル弁14を開閉することで、有効吸気期
間を制御することが可能となる。
【0227】そして、ステップS17へ進み、吸気制御シ
ステム(スロットル弁制御システム)の異常を判断し、
システム異常時には、ステップS13へ進み、ステップS1
3,S14で、全気筒のスロットルアクチュエータ16の開
弁用励磁コイル16c、閉弁用励磁コイル16dをOF
Fし、上記ステップS15,S16を経て、ルーチンを抜
ける。
【0228】従って、吸気制御システム(スロットル弁
制御システム)の異常時であって、極低負荷を除く運転
状態時には、各スロットルアクチュエータ16の両励磁
コイル16c,16dが共にOFFされることで、上記
実施の第1形態と同様に、全気筒のスロットル弁14が
固定スロットル開度となる(図14(c)参照)。
【0229】これにより、スロットル弁14の開閉によ
り吸気制御を行う運転領域において、スロットル弁制御
に関わるパラメータを検出するためのセンサ、或いはス
ロットルアクチュエータ16等が異常で、吸気制御シス
テムに異常が生じていても、必要最低限の車輌走行が確
保される。
【0230】一方、上記ステップS17においてシステム
正常時には、ステップS18へ進み、ステップS18以降の処
理により、上記実施の第1形態と同様、エンジン運転状
態に基づいて、気筒別に、各スロットル弁14の開弁時
期TMGOPEN及び閉弁時期TMGCLOSEを設定する。そ
して、この開弁時期TMGOPEN及び閉弁時期TMGCLOS
Eにより、気筒別に、吸気弁7の開弁期間に対応してス
ロットルアクチュエータ16を介して各スロットル弁1
4を開閉することで、有効吸気期間を制御する。
【0231】次に、図26に基づいて、本発明の実施の
第3形態を説明する。
【0232】上記実施の各形態においては、燃料噴射量
をLジェトロニック方式、或いはDジェトロニック方式
により設定するため、吸入空気量センサ28、或いは吸
気管圧力センサ(図示せず)を備えており、これらセン
サによって実際の吸入空気量QAを検出し、目標吸入空
気量QATAGTに対する実際の吸入空気量QAの偏差ΔQ
Aに応じて、有効吸気期間を与えるスロットル弁14の
開弁期間を補正するための学習値KLRを学習することが
できる。
【0233】しかし、要求負荷を表すアクセルストロー
クACSとエンジン回転数NEに基づいて、いわゆるα
−N方式により燃料噴射量を設定するエンジンの場合に
は、吸入空気量センサ或いは吸気管圧力センサを備えて
おらず、実際の吸入空気量を検出することができない。
【0234】従って、本実施の形態は、要求負荷を表す
アクセルストロークACSとエンジン回転数NEに基づ
いて、いわゆるα−N方式により燃料噴射量を設定する
エンジンにおいて、実際の吸入空気量を検出するための
センサを備えていなくても、有効吸気期間を与えるスロ
ットル弁14の開弁期間を補正するための学習値KLRを
学習可能とするものである。
【0235】すなわち、本実施の形態では、空燃比を検
出するためにO2センサ32の一例として、空燃比に対
してリニアな出力特性を有するリニアO2センサ(以
下、O2センサ32と同一符号を用いる)を採用する。
そして、図示しない燃料噴射量設定ルーチン等において
燃料噴射量を設定する際にエンジン運転状態に応じて設
定される目標空燃比を用い、この目標空燃比とリニアO
2センサ32により検出される実際の空燃比との差に基
づいて、目標吸入空気量と実際の吸入空気量との偏差Δ
QAを推定する。そして、この偏差ΔQAに基づいて上
記学習値KLRを学習し、上記スロットル弁14の開弁期
間を学習補正することを可能とする。
【0236】具体的には、本実施の形態では、上記実施
の第1形態における図5の学習ルーチンに代え、図26
に示す学習ルーチンを採用する。
【0237】尚、その他のルーチンについては上記実施
の各形態と同様であり、その説明は省略する。また、図
26の学習ルーチンにおいて、上記実施の第1形態と同
一のステップについては同一の符号を付して、その詳細
説明は省略する。
【0238】以下、図26の学習ルーチンについて説明
する。
【0239】図26に示す学習ルーチンは、上記実施の
第1形態と同様に、システムイニシャライズ後、所定時
間毎に実行され、先ずステップS41,S42で、学習条件を
判断する。
【0240】そして、スロットル弁作動禁止フラグFTH
がセットされており(FTH=1)、スロットル弁14の
開閉制御が中止されているとき、或いは、過渡運転状態
のときには、学習処理を行うことなく、該当するステッ
プからルーチンを抜ける。
【0241】そして、スロットル弁開閉制御中、且つエ
ンジン定常運転状態のとき、ステップS301へ進み、エン
ジン回転数NEと要求負荷を表すアクセルストロークA
CSに基づいて、テーブル参照により修正補正係数KQA
を設定する。
【0242】この修正補正係数KQAは、エンジン運転状
態に応じて設定される目標空燃比A/FTAGTとリニアO
2センサ32により検出される実際の空燃比A/Fとの
差(A/FTAGT−A/F)を補正して、目標吸入空気量
と実際の吸入空気量との偏差ΔQAを推定設定するため
のものである。
【0243】ここで、目標吸入空気量に対し実際の吸入
空気量が多いときには、目標空燃比A/FTAGTに対し実
際の空燃比A/Fがリーン空燃比となり(A/FTAGT<
A/F)、また、目標吸入空気量に対し実際の吸入空気
量が少ないときには、目標空燃比A/FTAGTに対し実際
の空燃比A/Fがリッチ空燃比となる(A/FTAGT>A
/F)。従って、目標空燃比A/FTAGTと実際の空燃比
A/Fとの差(A/FTAGT−A/F)は、目標吸入空気
量と実際の吸入空気量との偏差ΔQAに対応する。
【0244】しかしながら、目標空燃比A/FTAGTと実
際に検出した空燃比との差(A/FTAGT−A/F)が同
一であったとしても、エンジン運転領域毎に、目標吸入
空気量と実際の吸入空気量との偏差ΔQAが相違する。
【0245】すなわち、アクセルストロークACSによ
る要求負荷が高く、エンジン回転数NEが高いほど、要
求される吸入空気量が増大し、目標吸入空気量と実際の
吸入空気量との偏差ΔQAが相対的に大きくなる。
【0246】従って、目標吸入空気量と実際の吸入空気
量との偏差ΔQAを的確に推定するには、目標空燃比A
/FTAGTと実際の空燃比との差(A/FTAGT−A/F)
をエンジン運転状態に応じて補正する必要がある。
【0247】このため、上記テーブルは、要求負荷を表
すアクセルストロークACSとエンジン回転数NEによ
る領域毎に、目標空燃比A/FTAGTと実際の空燃比との
差(A/FTAGT−A/F)を修正して、目標吸入空気量
と実際の吸入空気量との偏差ΔQAを推定するに適正な
修正補正係数KQAを予めシミュレーション或いは実験等
により求め、ROM42の一連のアドレスにメモリされ
ている。
【0248】このテーブルの一例を、ステップS301中に
示す。上述のように、目標空燃比A/FTAGTと実際の空
燃比A/Fとの差(A/FTAGT−A/F)が同一であっ
ても、アクセルストロークACSによる要求負荷が高
く、エンジン回転数NEが高いほど、目標吸入空気量と
実際の吸入空気量との偏差ΔQAが相対的に大きくな
る。従って、ステップS301中に示すように、上記テーブ
ルには、アクセルストロークACSが小さく、エンジン
回転数NEが低いほど、小さい値の修正補正係数KQAが
格納されており、また、アクセルストロークACSが増
加し、エンジン回転数NEが上昇するに従い、大きい値
の修正補正係数KQAが格納されている。
【0249】次いで、ステップS302へ進み、図示しない
燃料噴射量設定ルーチン等において燃料噴射量を設定す
る際にエンジン運転状態に応じて設定される目標空燃比
A/FTAGTを読み出して、この目標空燃比A/FTAGTと
リニアO2センサ32により検出される実際の空燃比A
/Fとの差(A/FTAGT−A/F)を算出する。そし
て、この目標空燃比A/FTAGTと実際の空燃比A/Fと
の差(A/FTAGT−A/F)に、上記修正補正係数KQA
を乗算することで、目標吸入空気量と実際の吸入空気量
との偏差ΔQAを推定設定する(ΔQA←KQA×(A/
FTAGT−A/F))。
【0250】そして、ステップS45で、現在のエンジン
回転数NE及びアクセルストロークACSにより学習値
テーブル中のアドレスを特定する。そして、ステップS4
6で、学習値テーブルの該当アドレスにストアされてい
る学習値KLRを読み出して、この学習値KLRと上記偏差
ΔQAに基づいて新たな学習値KLRを算出し(KLR←K
LR+M×ΔQA)、この新たに算出した学習値KLRによ
って、学習値テーブルの該当アドレスに格納されている
学習値を更新し、ルーチンを抜ける。
【0251】そして、前記実施の各形態のスロットル弁
開閉時期設定ルーチンにおいて、この学習値KLRにより
補間計算を伴って算出される学習補正係数KTHLRがスロ
ットル開弁時期を定めるスロットル開弁角度の演算式に
組み込まれることで(図3或いは図25のステップS22
参照)、実際の吸入空気量が目標吸入空気量に収束する
よう、スロットル弁14による有効吸気期間が制御され
る。
【0252】尚、本実施の形態による学習処理は、α−
N方式により燃料噴射量を設定するエンジンを対象とし
ているが、これに限定されず、Lジェトロニック方式、
或いはDジェトロニック方式により燃料噴射量を設定す
るエンジンに対しても採用することが可能である。
【0253】次に、図27及び図28に基づいて、本発
明の実施の第4形態を説明する。
【0254】上記実施の各形態においては、各気筒毎
に、個別にスロットルアクチュエータ16を備え、それ
ぞれ各スロットル弁14を作動するのに対し、本実施の
形態は、吸気弁7の開弁期間が重ならない複数の気筒を
1グループとし、この気筒グループ数に対応してスロッ
トルアクチュエータ16を設け、この気筒グループにお
けるスロットル弁14を一括して駆動する。
【0255】具体的には、本実施の形態においては、図
27に示すように、吸気弁7の開弁期間が重ならない気
筒グループとして、燃焼順に1気筒おきに、#1気筒と
#4気筒による気筒グループと、#2気筒と#3気筒に
よる気筒グループにグループ分けし、この気筒グループ
に対応してスロットルアクチュエータ16A,16Bを
配設する。
【0256】そして、図28のタイムチャートに示すよ
うに、スロットルアクチュエータ16Aにより#1気筒
のスロットル弁14と#4気筒のスロットル弁14を同
時に開閉し、また、スロットルアクチュエータ16Bに
より#2気筒のスロットル弁14と#3気筒のスロット
ル弁14を同時に開閉する。
【0257】すなわち、吸気弁7が閉弁されている気筒
については、その閉弁期間においてスロットル弁14を
開閉しても何等影響が無く、従って、吸気弁7の開弁期
間が重ならない複数の気筒について、その各スロットル
弁14を単一のスロットルアクチュエータで同時に開閉
しても、各気筒の有効吸気期間を個別に制御することが
可能である。
【0258】そして、これにより、必要とするスロット
ルアクチュエータ数を削減することができ、コストの削
減を図ることが可能となる。
【0259】尚、このときは、上記実施の各形態におい
て、各気筒グループに対応してスロットル開弁タイミン
グタイマ、及びスロットル閉弁タイミングタイマを設
け、上記各ルーチンにおいて、気筒グループに対応して
スロットル弁14を開閉制御するようにすればよい。
【0260】また、これに対応して、燃料噴射及び点火
についても気筒別制御から気筒グループ別制御に変更す
れば、気筒判別するためのカムロータ35及び気筒判別
センサ36が不要となり、更にコストを削減することが
可能となる。
【0261】尚、上記実施の各形態においては、スロッ
トル弁14の開閉制御として、いわゆる時間制御方式を
採用しているが、本発明は、これに限定されず、スロッ
トル弁の開閉時期を角度により直接制御する角度制御方
式を採用してもよいことは勿論である。
【0262】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、各気筒の吸気弁の直上流に各気筒毎に吸気通
路を開閉する吸気制御弁を配設し、この各吸気制御弁を
開閉駆動する制御弁駆動手段を備える。そして、エンジ
ン運転状態に基づいて吸気弁の開閉期間内における上記
吸気制御弁の開弁期間を設定し、この吸気制御弁の開弁
期間により、気筒別に、制御弁駆動手段を介して各吸気
制御弁を開閉し吸気期間を制御するので、コンベンショ
ナルな通常の動弁機構を採用できるとともに、吸気弁の
開弁期間(バルブタイミング)を制御することなく可変
バルブタイミング装置と同様の機能を備えることができ
る。また、気筒別に、吸気期間を運転状態に応じて連続
的に制御することが可能となり、全運転領域において的
確なエンジン出力が得られ、エンジン出力を向上するこ
とができる。
【0263】また、吸気制御弁の全閉時に要求される該
吸気制御弁のシール性は、吸気弁のシール性に対し充分
低い。従って、制御弁駆動手段において吸気制御弁を駆
動するに要するエネルギが少なくて済み、常時安定した
作動を得ることができる。更に、制御弁駆動手段は、熱
的環境条件の良好なエンジンの吸気系に併設することが
可能であり、高温による電磁的性能劣化の影響が少な
く、作動信頼性が高く実現できる。
【0264】従って、気筒別に吸気期間を適切に制御す
ることができ、且つ、制御信頼性を向上することができ
る。
【0265】請求項2記載の発明によれば、エンストな
いしエンジン始動時に、全気筒の吸気制御弁を所定開度
に固定するので、上記請求項1記載の発明の効果に加
え、エンスト時には、各スロットル弁の開閉制御を停止
して無駄な制御を防止することができる。また、このと
き全気筒の吸気制御弁が所定開度に固定されるため、エ
ンジン始動に移行したとしても吸入空気が確保され、エ
ンジン始動が阻害されることが防止できる。また、エン
ジン始動時は、吸気制御弁駆動手段に対する電源電圧が
不安定のため、このときにも全気筒の吸気制御弁の開閉
制御を停止して、全気筒の吸気制御弁を所定開度に固定
し、適正なエンジン始動性を確保することができる効果
を有する。
【0266】請求項3記載の発明によれば、各気筒の吸
気弁の直上流に各気筒毎に吸気通路を開閉する吸気制御
弁を配設し、この各吸気制御弁を開閉駆動する制御弁駆
動手段を備え、更に、吸気制御弁をバイパスし上記吸気
通路に接続されるバイパス通路と、このバイパス通路に
配設されるアイドル回転数制御弁とを備える。そして、
極低負荷運転か否かを判別し、極低負荷運転時は、全気
筒の吸気制御弁を全閉すると共に上記アイドル回転数制
御弁により吸入空気量を制御する。一方、極低負荷を除
く運転状態時には、エンジン運転状態に基づいて吸気弁
の開弁期間内における上記吸気制御弁の開弁期間を設定
し、この吸気制御弁の開弁期間により、気筒別に、制御
弁駆動手段を介して各吸気制御弁を開閉し吸気期間を制
御するので、極低負荷運転時には、全気筒の吸気制御弁
が全閉され、アイドル回転数制御弁による吸入空気量制
御が可能となる。従って、上記請求項1記載の発明の効
果に加え、吸気制御弁のシール性が問題となるアイドル
時を含む極低負荷運転時には、全気筒の吸気制御弁を全
閉して吸気制御弁の開閉による吸気期間の制御を中止し
て、アイドル回転数制御弁により吸入空気量を制御する
ため、アイドル回転数制御性及び極低負荷時の吸入空気
量制御性を向上することができる効果を有する。
【0267】また、暗騒音が低いアイドル時において、
吸気制御弁の開閉が中止されるため、この吸気制御弁に
よる作動騒音を解消することができる。
【0268】そして、極低負荷を除く運転状態時には、
アイドル回転数制御弁が全閉し、吸気弁の開弁期間に対
応して各吸気制御弁を開閉することで、有効吸気期間を
制御することができる。
【0269】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明の効果に加え、エンストないしエンジン始
動時に、全気筒の吸気制御弁を全閉すると共に、エンジ
ン温度に基づいて上記アイドル回転数制御弁の開度を設
定するので、エンストないしエンジン始動時には、エン
ジン運転に備え、アイドル回転数制御弁の弁開度がエン
ジン温度に応じ適正値に保持される。そして、このとき
全気筒の吸気制御弁が全閉されるため、吸気制御弁の弁
開度による影響を受けることなく、アイドル回転数制御
弁の弁開度により直ちに適正吸入空気量が得られ、エン
ジン始動性を向上することができる効果を有する。
【0270】請求項5記載の発明では、吸気制御弁の開
弁期間を設定するに際し、要求負荷及びエンジン回転数
に基づいて吸気弁の開弁期間を設定するので、上記請求
項1ないし請求項4記載の発明の効果に加え、要求負荷
及びエンジン回転数による運転状態に適応して、全運転
領域において適切なエンジン出力を得ることができる効
果を有する。
【0271】その際、請求項6記載の発明では、上記吸
気制御弁の開弁期間をエンジン暖機状態に応じて補正す
るので、請求項5記載の発明の効果に加え、エンジン暖
機状態に応じた適正な吸入空気量を得ることができる効
果を有する。また、請求項1記載の発明、或いは請求項
1記載の発明に従属する各発明に適用した場合は、吸気
制御弁の開閉制御にアイドル回転数制御機能を備えるこ
とができる。
【0272】請求項7記載の発明では、要求負荷及びエ
ンジン回転数に基づいて目標吸入空気量を設定し、この
目標吸入空気量と実際に検出した吸入空気量との偏差に
基づいて上記吸気制御弁の開弁期間を補正するので、上
記請求項1ないし請求項6記載の発明の効果に加え、各
運転領域において、吸入空気量を目標吸入空気量に収束
させることが可能となり、吸気制御弁や制御弁駆動手段
等の生産時のばらつきや経時劣化等に起因する目標吸入
空気量に対する吸入空気量のずれを補償することができ
る。その結果、各運転領域において、的確なエンジン出
力性能を得ることができる。
【0273】また、請求項8記載の発明では、エンジン
運転状態に応じて設定された目標空燃比と実際に検出し
た空燃比との差に基づいて、目標吸入空気量と実際の吸
入空気量との偏差を推定する。そして、この偏差に基づ
いて上記吸気制御弁の開弁期間を補正するので、上記請
求項1ないし請求項6記載の発明の効果に加え、吸入空
気量を検出するためのセンサを備えていなくても、吸入
空気量を目標吸入空気量に収束させることができる。こ
れにより、吸気制御弁や制御弁駆動手段等の生産時のば
らつきや経時劣化等に起因する目標吸入空気量に対する
吸入空気量のずれを補償することが可能となり、各運転
領域において、的確なエンジン出力性能を得ることがで
きる。
【0274】請求項9記載の発明では、吸気制御システ
ムの異常時に上記吸気制御弁を所定開度に固定するの
で、上記請求項1記載の発明の効果に加え、吸気制御シ
ステム、吸気制御弁の制御に関わるパラメータを検出す
るためのセンサ、或いは制御弁駆動手段等が異常で、吸
気制御システムに異常時が生じていても、必要最低限の
車輌走行を確保することができる効果を有する。
【0275】また、請求項10記載の発明では、吸気制
御システムの異常時であって、極低負荷を除く運転状態
時に、上記吸気制御弁を所定開度に固定するので、上記
請求項3記載の発明の効果に加え、吸気制御弁により吸
気制御を行う運転領域において、吸気制御弁の制御に関
わるパラメータを検出するためのセンサ、或いは制御弁
駆動手段等が異常で、吸気制御システムに異常が生じて
いても、必要最低限の車輌走行を確保することができる
効果を有する。
【0276】請求項11記載の発明では、エンジン運転
状態が内部排気還流領域にあるときには、少なくとも吸
気制御弁の開弁時期を進角補正するので、上記請求項1
ないし請求項8記載の発明の効果に加え、排気ガス中の
窒素酸化物(NOx)が増加する低負荷中低回転領域等
の内部排気還流領域において、少なくとも吸気制御弁の
開弁時期が進角化され、この吸気制御弁の開弁期間によ
る有効吸気期間が排気弁と吸気弁のバルブオーバーラッ
プ期間に重合し、このバルブオーバーラップにより内部
排気還流(内部EGR)を行うことができる。そして、
この内部EGRによる燃焼温度の低下によってNOxの
排出量を低減することができる。また、少なくとも吸気
制御弁の開弁時期を制御するだけで、内部EGRを制御
することができるため、吸気カムの位相或いは吸気弁の
開弁期間を連続可変制御するための複雑且つ高コストな
機構が不要であり、また、その制御速度を飛躍的に向上
することができる。更に、外部EGRシステムを採用す
ることなく実現することができ、EGRガスによる吸気
系の汚損を防止することができる効果を有する。
【0277】請求項12記載の発明では、運転状態が気
筒休止を行う休筒領域にあるときには、所定気筒の吸気
制御弁を全開固定すると共に、当該気筒に対し少なくと
も燃料噴射を中止して当該気筒を休止するので、上記請
求項1或いは請求項3記載の発明の効果に加え、休止気
筒については吸気制御弁が全開されるため、この休止気
筒におけるポンピングロスを低減することができ、この
ポンピングロスの低減により燃費を向上することができ
る。
【0278】その際、請求項13記載の発明では、燃焼
が等間隔となるように気筒をグループ分けし、この気筒
グループを所定周期毎に交互に休止させるので、上記請
求項12記載の発明の効果に加え、休止気筒が所定周期
毎に交互に変更されるため、休止気筒が固定されること
による当該休止気筒の点火プラグの汚損を防止すること
ができ、着火性の悪化を防止することができる。また、
休止気筒が固定されることによる当該休止気筒の温度低
下により、気筒休止を解除した際の当該気筒の燃焼性の
悪化、及び、気筒間の温度ばらつきに起因する気筒間の
燃焼変動を防止することができる。更に、燃焼が等間隔
となるように気筒をグループ分けし、所定周期毎に、グ
ループ別に休止気筒を変更するので、気筒休止時の燃焼
間隔がばらつくことによるエンジン回転変動を防止する
ことができる。
【0279】請求項14記載の発明では、吸気弁の開弁
期間が重ならない複数の気筒を1グループとし、上記制
御弁駆動手段は、この気筒グループにおける吸気制御弁
を一括して駆動するので、上記請求項1或いは請求項3
記載の発明の効果に加え、必要とする制御弁駆動手段の
数を削減することができ、コストの削減を図ることがで
きる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】本発明の実施の第1形態に係り、気筒判別/エ
ンジン回転数算出ルーチンのフローチャート
【図3】同上、スロットル弁開閉時期設定ルーチンのフ
ローチャート
【図4】同上、スロットル弁開閉時期設定ルーチンのフ
ローチャート(続き)
【図5】同上、学習ルーチンのフローチャート
【図6】同上、気筒休止制御ルーチンのフローチャート
【図7】同上、θ2クランクパルス割り込みルーチンの
フローチャート
【図8】同上、θ1クランクパルス割り込みルーチンの
フローチャート
【図9】同上、TMGOPEN割り込みルーチンのフローチ
ャート
【図10】同上、TMGCLOSE割り込みルーチンのフロ
ーチャート
【図11】同上、排気弁と吸気弁の弁リフト特性、及び
スロットル弁の開弁期間による有効吸気期間の制御状態
を示す説明図
【図12】同上、クランクパルス、気筒判別パルス、各
気筒のスロットル弁の開閉と吸気弁の開弁期間、及び、
各気筒の行程の関係を示すタイムチャート
【図13】同上、スロットル開弁角度テーブル及びスロ
ットル閉弁基本角度テーブルの説明図
【図14】同上、排気弁及び吸気弁の弁リフト特性に対
する各状態時におけるスロットル弁の制御状態を示すタ
イミングチャート
【図15】同上、目標吸入空気量に対する吸入空気量の
偏差と学習値との関係を示す説明図
【図16】同上、エンジンの全体概略図
【図17】同上、エンジンの要部概略を示す上面図
【図18】同上、バタフライ式のスロットル弁及びスロ
ットルアクチュエータの概略構成図
【図19】同上、ロータリ弁式のスロットル弁及びスロ
ットルアクチュエータの概略構成図
【図20】同上、ロータリ弁式のスロットル弁の作動状
態を示す説明図
【図21】同上、クランク角センサとクランクロータの
正面図
【図22】同上、気筒判別センサとカムロータの正面図
【図23】同上、電子制御系の回路構成図
【図24】本発明の実施の第2形態に係り、スロットル
弁開閉時期設定ルーチンのフローチャート
【図25】同上、スロットル弁開閉時期設定ルーチンの
フローチャート(続き)
【図26】本発明の実施の第3形態に係り、学習ルーチ
ンのフローチャート
【図27】本発明の実施の第4形態に係り、エンジンの
要部概略を示す上面図
【図28】同上、クランクパルス、気筒判別パルス、各
気筒のスロットル弁の開閉と吸気弁の開弁期間、及び、
各気筒の行程の関係を示すタイムチャート
【図29】従来例に係り、排気弁と吸気弁の弁リフト及
びタイミング特性を示す説明図
【図30】従来例に係り、ロストモーション方式の吸気
弁の説明図
【図31】従来例に係り、電磁駆動方式の吸気弁の説明
【符号の説明】
1 エンジン 7 吸気弁 14,18 スロットル弁(吸気制御弁) 16,16A,16B,19 スロットルアクチュエー
タ(制御弁駆動手段) 28 吸入空気量センサ 31 冷却水温センサ 32 O2センサ(リニアO2センサ;空燃比センサ) 34 クランク角センサ 37 アクセルセンサ 39 スタータスイッチ 40 電子制御装置(制御手段、極低負荷判別手段) 60 バイパス通路 61 アイドル回転数制御弁(ISC弁) NE エンジン回転数 ACS アクセルストローク(アクセルペダル踏込み
量;要求負荷) THAOPEN スロットル開弁角度 THACLOSE スロットル閉弁角度 TMGOPEN スロットル開弁タイミング(スロットル弁
の開弁時期) TMGCLOSE スロットル閉弁タイミング(スロットル
弁の閉弁時期) TW 冷却水温度(エンジン温度) KTW 水温補正係数 QATAGT 目標吸入空気量 QA 吸入空気量(実際に検出した吸入空気量) ΔQA 偏差 KLR 学習値 KTHLR 学習補正係数 A/FTAGT 目標空燃比 A/F 空燃比(実際に検出した空燃比)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/04 310 F02D 41/04 310C 315 315 41/06 310 41/06 310 41/08 310 41/08 310 315 315 41/14 310 41/14 310P 320 320A 41/22 310 41/22 310M 43/00 301 43/00 301K 301H

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各気筒の吸気弁の直上流に配設され、各気
    筒毎に吸気通路を開閉する吸気制御弁と、 上記吸気制御弁を開閉駆動する制御弁駆動手段と、 エンジン運転状態に基づいて上記吸気弁の開弁期間内に
    おける上記吸気制御弁の開弁期間を可変設定し、該吸気
    制御弁の開弁期間により、気筒別に、上記制御弁駆動手
    段を介して各吸気制御弁を開閉し吸気期間を制御する制
    御手段とを備えたことを特徴とするエンジンの吸気制御
    装置。
  2. 【請求項2】上記制御手段は、エンストないしエンジン
    始動時に、全気筒の吸気制御弁を所定開度に固定するこ
    とを特徴とする請求項1記載のエンジンの吸気制御装
    置。
  3. 【請求項3】各気筒の吸気弁の直上流に配設され、各気
    筒毎に吸気通路を開閉する吸気制御弁と、 上記吸気制御弁を開閉駆動する制御弁駆動手段と、 上記吸気制御弁をバイパスして上記吸気通路に接続され
    るバイパス通路に配設されたアイドル回転数制御弁と、 極低負荷運転か否かを判別する極低負荷判別手段と、 極低負荷運転時は、全気筒の吸気制御弁を全閉すると共
    に上記アイドル回転数制御弁により吸入空気量を制御
    し、一方、極低負荷を除く運転状態時には、エンジン運
    転状態に基づいて上記吸気弁の開弁期間内における上記
    吸気制御弁の開弁期間を可変設定し、該吸気制御弁の開
    弁期間により、気筒別に、上記制御弁駆動手段を介して
    各吸気制御弁を開閉し吸気期間を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  4. 【請求項4】上記制御手段は、エンストないしエンジン
    始動時に、全気筒の吸気制御弁を全閉すると共に、エン
    ジン温度に基づいて上記アイドル回転数制御弁の開度を
    設定することを特徴とする請求項3記載のエンジンの吸
    気制御装置。
  5. 【請求項5】上記吸気制御弁の開弁期間は、要求負荷及
    びエンジン回転数に基づいて設定されることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項4記載のエンジンの吸気制御装
    置。
  6. 【請求項6】上記吸気制御弁の開弁期間は、エンジン暖
    機状態に応じて補正されることを特徴とする請求項5記
    載のエンジンの吸気制御装置。
  7. 【請求項7】上記制御手段は、要求負荷及びエンジン回
    転数に基づいて目標吸入空気量を設定し、該目標吸入空
    気量と実際に検出した吸入空気量との偏差に基づき上記
    吸気制御弁の開弁期間を補正することを特徴とする請求
    項1ないし請求項6記載のエンジンの吸気制御装置。
  8. 【請求項8】上記制御手段は、エンジン運転状態に応じ
    て設定された目標空燃比と実際に検出した空燃比との差
    に基づいて、目標吸入空気量と実際の吸入空気量との偏
    差を推定し、該偏差に基づいて上記吸気制御弁の開弁期
    間を補正することを特徴とする請求項1ないし請求項6
    記載のエンジンの吸気制御装置。
  9. 【請求項9】上記制御手段は、吸気制御システムの異常
    時に上記吸気制御弁を所定開度に固定することを特徴と
    する請求項1記載のエンジンの吸気制御装置。
  10. 【請求項10】上記制御手段は、吸気制御システムの異
    常時であって、極低負荷を除く運転状態時には、上記吸
    気制御弁を所定開度に固定することを特徴とする請求項
    3記載のエンジンの吸気制御装置。
  11. 【請求項11】上記制御手段は、エンジン運転状態が内
    部排気還流領域にあるときには、少なくとも上記吸気制
    御弁の開弁時期を進角補正することを特徴とする請求項
    1ないし請求項8記載のエンジンの吸気制御装置。
  12. 【請求項12】上記制御手段は、運転状態が気筒休止を
    行う休筒領域にあるときには、所定気筒の吸気制御弁を
    全開固定すると共に、当該気筒に対し少なくとも燃料噴
    射を中止して当該気筒を休止することを特徴とする請求
    項1或いは請求項3記載のエンジンの吸気制御装置。
  13. 【請求項13】上記制御手段は、燃焼が等間隔となるよ
    うに気筒をグループ分けし、この気筒グループを所定周
    期毎に交互に休止することを特徴とする請求項12記載
    のエンジンの吸気制御装置。
  14. 【請求項14】吸気弁の開弁期間が重ならない複数の気
    筒を1グループとし、上記制御弁駆動手段は、この気筒
    グループにおける吸気制御弁を一括して駆動することを
    特徴とする請求項1或いは請求項3記載のエンジンの吸
    気制御装置。
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