JPH11133638A - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JPH11133638A
JPH11133638A JP29561097A JP29561097A JPH11133638A JP H11133638 A JPH11133638 A JP H11133638A JP 29561097 A JP29561097 A JP 29561097A JP 29561097 A JP29561097 A JP 29561097A JP H11133638 A JPH11133638 A JP H11133638A
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JP
Japan
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surface layer
bias voltage
toner
electrophotographic
electrophotographic apparatus
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Pending
Application number
JP29561097A
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English (en)
Inventor
Makoto Aoki
誠 青木
Junichiro Hashizume
淳一郎 橋爪
Shigenori Ueda
重教 植田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーニング性が良好で、表面層のムラ削
れ、トナー融着が発生せず、また、加温手段を設けずと
も画像欠陥が発生しない、高品位な画像が安定的に得ら
れる電子写真装置を提供する。 【解決手段】 導電性基体上にシリコン原子を母体とす
る非単結晶材料からなる光導電層、少なくとも水素を含
む非単結品炭素からなる表面層をこの順に形成して電子
写真感光体401とする。表面層は、導電性基体が負の
電位となるように直流バイアス電圧を印加し、初期値を
100V以上1kV以下、最終値を0Vより大きく50
V未満としてプラズマCVD法により形成する。現像剤
の平均粒径は5〜8μmとし、電子写真感光体の表面は
硬度(JIS K6301におけるA型)が60度以上
80度以下の弾性ゴムブレード421でスクレープクリ
ーニングする。使用時の電子写真感光体401の表面の
移動速度は200mm/sec以上600mm/sec
以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーニングブレ
ードによるスクレープクリーニングを行う電子写真装置
に関し、電子写真感光体の表面がムラ削れすることなく
均一に削れ、クリーニング不良や融着が発生せず、かつ
電子写真感光体の加温手段を設けずとも如何なる環境下
に於いても画像ボケ、画像流れが発生することなく長期
間の使用においても高品質な画像を提供する事が可能な
電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
1)電子写真感光体 水素及び/又はハロゲン(例えばフッ素、塩素等)で補
償されたa−Si等のアモルファス堆積膜は高性能、高
耐久、無公害な感光体として提案され、実用化されてい
る。a−Si感光体は他の感光体に比べて表面硬度が高
く、半導体レーザー(770nm〜800nm)等の長
波長光に高い感度を示し、しかも繰り返し使用による劣
化もほとんど認められない等、特に高速複写機やLBP
(レーザービームプリンター)等の電子写真用感光体と
して広く使用されている。近年の情報処理量の増大にと
もない、高速な複写機やLBPの需要がさらに大きくな
りつつある。
【0003】a−Siのような堆積膜の形成法として従
来、スパッタリング法、熱CVD法、光CVD法、プラ
ズマCVD法等、多数知られている。特に高周波電力を
用いたプラズマプロセスは、放電の安定性が高く酸化膜
や窒化膜等の絶縁性材料の形成にも使用できる等様々な
利点により使用されている。
【0004】近年、平行平板型のプラズマCVD装置を
用いて50MHz以上の高周波電源を用いたプラズマC
VD法の報告があり(Plasma Chemistr
yand Plasma Processing,Vo
l.7, No.3(1987)p267−273)、
放電周波数を従来の13.56MHzより高くすること
で堆積膜の性能を落とさずに堆積速度を向上させる事が
できる可能性が示されており、注目されている。又、こ
の放電周波数を高くする報告はスパッタリング等でもな
され、近年広くその検討がされている。
【0005】2)電子写真装置 これらの方法で作成されたa−Si感光体を電子写真装
置に応用する際、帯電、除電、露光などの手段により感
光体上に電気的潜像を形成し、ついで該潜像を現像剤
(トナー)を用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材
にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱・加圧あ
るいは溶剤蒸気などにより定着し複写物を得る。また、
感光体上に残留する未転写トナーは、クリーニング行程
により回収され、廃トナーとして系外に排出される。
【0006】以下、a−Si感光体を特に高速複写機で
用いる際のそれぞれの従来技術について、問題点も含め
て説明する。
【0007】2.1)現像、定着及びクリーニング過程 現像に関しては、通常10〜12μm程度の重量平均粒
径のトナーがよく用いられている。しかし、より精彩な
画質を要求される昨今においてはトナーの小粒径化が望
まれており、現在精力的に開発が進められている。
【0008】一方、転写材にトナー画像を定着させる能
力は、定着器内で転写材のトナー画像にいかに加熱する
かが重要であり、高速化にあたって、低融点トナーによ
って定着性を高める技術が開発されている。しかし定着
性を向上させるとトナーがドラム表面に融着しやすくな
り、画像欠陥となって顕在化する恐れがある。そこで感
光体にトナーが付着しにくくしたり、付着してしてしま
ったトナーを削りとるといった、クリーニング性を高め
る技術が必要となる。
【0009】このようなクリーニング手段として、クリ
ーニング能力の高いブレード式クリーニング方式と、マ
グローラー(磁気ブラシによるクリーニングローラー)
等を併用する形が広く用いられている。トナーの小粒径
化や高定着性等の変化への対応方法としては、ブレード
の硬度を高めたり、ブレードの押し当て圧を高くした
り、マグローラーの回転速度や回転方向(感光体に、対
して順方向乃至逆方向)を変えるなどの対策が考えられ
ている。これらの対策により融着やトナーのすり抜けを
防いでいる。
【0010】2.2)帯電、除電過程 感光体の帯電及び、除電手段としては、殆どの場合コロ
ナ帯電器(コロトロン、スコロトロン)が利用されてい
る。しかしコロナ放電に伴いオゾン(O3)が発生し、
空気中の窒素を酸化して室素酸化物(NOx)等のコロ
ナ放電生成物を生じさせ、更には、その生成窒素酸化物
等は空気中の水分と反応して硝酸等を生じさせ、感光体
表面を低抵抗化させる。このため、電荷保持能力が全面
的に或は部分的に低下して、画像ボケや画像流れ(感光
体表面電荷が面方向にリークして静電荷潜像パターンが
崩れる或は形成されない)と称される画像欠陥を生じさ
せる原因となっている。
【0011】又、コロナ帯電器のシールド板内面に付着
したコロナ放電生成物は電子写真装置の稼働中のみなら
ず夜間等の装置の休止中にも感光体表面を汚損する為、
装置休止後の装置再稼働時に最初に出力される一枚目、
或は数枚のコピーについて、上記の装置休止中の帯電器
開口に対応する領域に画像ボケ、画像流れが生じ易い。
このような画像流れは、帯電器の跡の様に見える事から
帯電器跡流れと呼んでいる。又a−Si感光体の場合
は、表面硬度が他の感光体に比べて高い事が逆作用し
て、該感光体表面に付着したコロナ放電生成物がいつま
でも残留し易い。そこで、画像ボケや画像流れ現象を防
止する方法として、以下の2つの方法が考えられた。
【0012】第一の方法は、感光体に該感光体を加温す
るためのヒーターを内蔵したり、温風送風装置により温
風を感光体に送風したりして感光体表面を加温(30〜
50℃)することにより相対湿度を低下させる方法であ
る。この方法は感光体表面に付着しているコロナ放電生
成物や水分を揮発させ、感光体表面の実質的な低抵抗化
を抑える処置であり、実用化されている。
【0013】第二の方法は、表面の撥水性を向上させる
ことにより、初めからコロナ放電生成物を付着しにくく
し、それによって画像流れを防止する方法である。従来
技術としては、特開昭61−289354号公報で、表
面をフッ素を含んだガスでプラズマ処理したa−C表面
層が開示されている。また、特開昭61−278859
号公報にはa−Si感光層の上にa−C:Hからなる表
面層を持ち、自己バイアスを規定した電子写真感光体の
製造方法が開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】高速な複写プロセスに
おいては、転写材(紙等)が定着器内を通過する時間が
短いため、通常は定着器の温度を上昇させる方法が取ら
れる。しかし電子写真装置全体の消費電力の約8割を占
める定着器での消費電力を増加させることは、省エネル
ギーやエコロジーの観点から好ましくない。そこで、定
着器での消費電力を高めることなく、トナーを即座に定
着させる必要があり、ますますトナーの定着性を高める
必要が生じてきた。特にプロセススピード(感光体が回
転したときの各部材との相対速度)が200mm/se
c以上の高速複写機においては、転写材(紙等)が定着
器を通過する時間も極めて短くなるため、確実に定着さ
せるために低融点トナーの必要性が高まってきている
が、一方で融着が発生しやすくなるなど、クリーニング
に関しては難しくなる傾向にある。クリーニング性を維
持するためには、クリーニング部材の更なる改良が求め
られてきた。
【0015】クリーニング部材の改良、特にクリーニン
グブレードの高硬度化は、トナー融着に対して効果を上
げてきているが、ブレードの特性としてはゴム的状態か
らガラス状態に近づく為、材質としては脆くなりブレー
ドの寿命を短くしてしまう。そこでブレードに関しては
適切な硬度を探求する必要があるが、これまで高速複写
プロセスにおけるブレード硬度の最適値については議論
されていなかった。また、ブレード式クリーニング方式
は、原稿チャートの文字パターンの差によりブレード面
に滞留する現像剤の量に差が生じ、長期間の使用によっ
て、稀に感光体表面層に削れムラが生ずる場合がある。
このような削れムラが発生した場合、電子写真特性とし
て感度ムラとなり画像に濃度ムラとして現れる。特にブ
レードの硬度を高くした場合や押し当て圧を強くした場
合にはこの現象が顕在化する可能性が高くなるという問
題がある。
【0016】また、マグローラーを組み合わせたブレー
ド式クリーニングシステムは非常に複雑であり、ドラム
周りに占める体積が非常に大きくなってしまう。そこ
で、ドラムの径を小さくすることが困難で、a−Siド
ラムを搭載する複写機は大型の高速機に限られているの
が現状である。また、この様な複雑なシステムはコスト
が高く、低コスト化が切望されている。そこで、装置の
小型化、低コスト化を推し進めるためには、クリーニン
グシステムの簡略化、特にマグローラーを使用しないク
リーニングシステムが望ましい状況になってきた。
【0017】更に、高画質化の要求に伴い進められてい
るトナーの小粒径化は、画質面では向上する反面、摺擦
力が高くなる傾向がある。この摺擦力のアップにより、
クリーニングブレードのビビリ等が生じ残留トナーがす
り抜け、黒スジ状のクリーニング不良が発生する場合が
ある。この様な状況の解決方法としてはクリーニングブ
レードの押し当て圧力を高くする方法が一般的に用いら
れる。しかし、前述したように押し当て圧の増加によっ
て表面層のムラ削れが悪化する可能性が高い。
【0018】また、ドラムの加温装置によって画像流れ
の問題は解消されているが、省エネルギーやエコロジー
という観点から更に低消費電力を推し進める方が望まし
く、複写機を使わない夜間やアイドルタイムにおけるド
ラムヒーターによる加熱を行わない方が望ましい状況に
なってきた。別の問題としては、高速化の為の低融点ト
ナーを用いた場合や、a−Siドラムをフルカラー複写
機に搭載させる場合等に、加温によってこれらの低融点
トナーがドラム表面に融着する可能性が高くなることが
ある。これらの問題から、加温しなくても、画像ボケや
画像流れ、特に長時間休止後の帯電器跡流れが発生しな
い感光体が求められるようになってきた。一方、撥水性
の向上技術として、前述した特開昭61−289354
号公報があるが、撥水性の評価を行っているものの、実
際の複写機に搭載して評価したという記述はない。また
特開昭61−278859号公報では複写機での評価が
言及されているが、最も厳しい評価である帯電器跡流れ
評価に関しては全く記述がない。
【0019】これらのことから、高速化・高詳細化のた
めに高いプロセススピードや小粒径トナーを使用するよ
うな過酷な条件下で長期間使用しても、ムラ削れによる
画像欠陥が発生しない電子写真装置が望まれてきた。ま
た、省電力、高速化の為に定着性を高めたトナーを用い
ても、ドラム表面に融着することなく画像欠陥が起こら
ない電子写真装置が望まれてきた。また、加温手段を用
いなくても画像ボケ、画像流れを起こさないように高撥
水性の表面を持ち、かつその高撥水性が長期間、大量枚
数の複写操作によっても劣化しない感光体が望まれてき
た。また、その表面層は密着性が高く、安定で再現性の
良い感光体が望まれてきた。
【0020】本発明は、上記問題点を解決する為になさ
れたものであり、その目的とするところは、摩擦力の上
昇する高速の電子写真プロセスにおいて、小粒径で定着
性の優れたトナーを用いた場合でも、クリーニング性が
よく、表面層がムラ削れせず、トナー融着が発生しない
電子写真装置を提供する事にある。更には、加温手段を
設けずとも、高湿環境下での画像ボケや画像流れといっ
た画像欠陥が発生しない電子写真装置を提供することに
ある。以上のことに加え、高品位な画像が経時的に変化
することなく安定的に得られる電子写真装置を提供する
ことにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】まず本発明者らは、高速
のプロセススピードにおいて小粒径のトナーを用いた場
合、最適な複写プロセスを探求するために、ブレードを
含めたクリーニングシステムの改良、トナーの改良、及
び表面層の改良等を行い、鋭意検討した。それぞれの改
良を単独で行ってもある一定以上の効果は得られなかっ
た。しかし、バイアスを変化させて作成された非単結晶
炭素から成る表面層と、研磨力の高い小粒径トナー、適
度な硬度を持ったブレードによるクリーニングシステム
と適当な摩擦力(トナーとブレードと高速なプロセスス
ピードによって実現される)が絶妙なバランスの上に全
て揃ったときに、マグローラーを用いずともクリーニン
グ性に優れ、融着が全く起こらず、ムラ削れせず、高温
高湿下に於いても画像流れが発生しない、低コストで理
想的な高速複写プロセスが実現されることを発見した。
【0022】本発明の効果が得られた理由については全
てが明らかになっているわけではないが、本発明者らは
次のような経緯で本発明を実現し、その理由を以下に示
すように推察している。
【0023】本発明者らは、非単結晶炭素膜(主に非晶
質炭素のことを指しており、多結晶や微結晶と共存して
いても良い)から成る表面層を用いた場合、従来のa−
SiCに比べ滑り性が良く、クリーニング性を向上出
来、更に、非単結晶炭素膜を作成する際に適当な負のバ
イアス電圧(0〜50V)を印加すると、融着やムラ削
れが極めて起こりにくいことを偶然見出した。この非単
結晶炭素膜は、一般的なダイヤモンド状炭素(DLC)
膜のような高硬度な膜ではなく、比較的やわらかで削れ
るものの、単に削れやすいだけではなく、表面が比較的
均一に削れ、ムラ削れに強いことがわかった。これはバ
イアス印加によって結合形態に何らかの違いが生じたた
めと考えられるが、今のところ明らかではない。また、
摩擦が極めて小さく、表面自由エネルギーが極めて小さ
い表面を持ち、物質が付着し難く、トナー融着が起こり
にくい事が分かった。これらの特性は負のバイアス電圧
を0〜50Vとしたときにはじめて実現される。50V
を超えて負の電圧を印加した場合や、バイアスを印加し
ない場合には、硬度が高くなりすぎてムラ削れに対する
耐久性が減少するばかりか、摩擦が大きく、表面自由エ
ネルギーも大きくなってしまうため好ましくない。
【0024】しかしこの様なメリットを持つバイアス印
加非単結晶炭素膜は、膜中応力が大きく、特に異種元素
からなる表面上に堆積させた場合には非常に剥離しやす
いため、剥離を防止する必要がある。そこで成膜初期に
負のバイアス電圧を比較的大きく(100V以上)与え
たところ、異種元素(この場合はSi)界面との原子の
ミキシングによるアンカー効果が得られ、膜の密着性が
飛躍的に向上することがわかった。通常異種元素からな
る2層間の密着性向上のためには、両層に含まれる元素
の組成の中間の組成を持つバッファ層を設けることが多
いが、大きなバイアス電圧を印加する本発明の方法がも
っとも密着性を向上させる効果が高いことがわかった。
加えて、大きなバイアス電圧を印加した場合には高硬度
な膜となるため、表面層の上部の比較的柔らかい部分が
長期間の使用により削られたとしても、表面層が全て削
り取られたり、電荷を保持できなくなったりすることを
防止出来る。
【0025】したがって、成膜初期に於いては密着性向
上のために負のバイアス電圧を100V以上与え、かつ
表面に近い領域には負のバイアスを0〜50Vに制御し
て与えることにより、均一に削れ、摩擦や表面自由エネ
ルギーが低く、かつ剥離しないという特性を持った、非
単結晶炭素からなる理想的な表面層が実現できることが
わかった。
【0026】このような滑り性の高い表面層を用いた場
合、マグローラーのような補助システムは不必要であ
り、複写機の小型化やコストダウンを進める上ではマグ
ローラーがないことが望ましい。そこでマグローラーを
用いないで、クリーニングブレードのみで適切なクリー
ニング性を得るために、クリーニングブレードの検討を
行った。
【0027】すると、通常なら摩擦力の増大する200
mm/sec以上の高速プロセスにおいても、本発明の
非単結晶炭素膜と、JIS硬度で60度から80度の範
囲のブレードを組み合わせて使用した場合には、マグロ
ーラーを用いなくても非常にクリーニング性に優れてい
ることがわかった。加えて、この組み合わせにおいては
摩擦が最も小さくなり、ムラ削れやトナー融着が更に起
こりにくくなることがわかった。この理由は全て明らか
となったわけではないが、滑り性の良いバイアス変化に
よる非単結晶炭素膜と、適切なブレード硬度のマッチン
グによって、適度な摩擦を与えつつ、かつ感光体やブレ
ードにかかる負荷を低減できたためと考えられる。この
組み合わせにより、高速プロセスにおける研磨力の増大
を防止でき、ムラ削れを更に減少させることが可能とな
った。また、マグローラーを除くことでクリーニングシ
ステムの簡略化を行うことが出来、装置の小型化、低コ
スト化が可能となった。
【0028】次にトナーの粒径を様々に変えて検討し
た。トナー粒径が小さくなると研磨力が高くなるが、高
速複写プロセスにおいて上記の硬度範囲のブレードを用
い、かつ上記の非単結晶炭素膜を用いた場合、トナー粒
径を5〜8μmとすると、最も表面を均一に研磨でき、
ムラ削れをほとんど発生させないことが可能となった。
加えて、むしろ長期間複写操作を繰り返すことで表面の
平坦性が向上することがわかった。この理由としては、
本発明の範囲内の小粒径トナーと、他のプロセス条件
(プロセススピード、ブレード、表面層の硬度など)に
よって研磨力のバランスが取れ、緩やかに感光体表面を
研磨する条件が整ったためと考えられる。このように徐
々に均一に削れることで、ムラ削れ、トナー融着が極め
て発生しにくい事が分かった。
【0029】これらの一連の実験結果により、全ての条
件が絶妙なバランスの上に全て揃ったときに、本発明の
効果がはじめて実現されることがわかった。
【0030】また、本発明のバイアスを印加した非単結
晶炭素膜は極めて表面自由エネルギーが小さいため撥水
性が非常に良好である。よって、高撥水性によりオゾン
生成物が付着し難いばかりか、徐々に削られていくとい
う特性が有利に働き、オゾン生成物が付着してもそれを
除去することが可能となった。そのため従来から用いら
れてきたドラムヒーター等の加熱手段に依らなくても、
高温・高湿環境下における画像ぼけや画像流れ、特に最
も深刻である帯電器跡流れを防止することが可能となっ
た。表面自由エネルギーに関しては成膜ガスに依存し、
飽和炭化水素を用いた場合が最も小さく出来、画像流れ
特性が極めて良好であることがわかった。加えて、成膜
ガスにフッ素を含むガスを適当な割合で添加することに
より、更に自由エネルギーが低減でき、画像流れ特性を
向上できることもわかった。
【0031】本発明は以上の検討から成し得たものであ
る。即ち本発明によれば、電子写真感光体を回転させ、
帯電、露光、現像、転写、クリーニングを順次繰り返す
電子写真プロセスにおいて、該電子写真感光体は、導電
性基体上にシリコン原子を母体とする非単結晶材料から
なる光導電層、少なくとも水素を含む非単結品炭素から
なる表面層がこの順に形成されてなり、該表面層は、前
記導電性基体が負の電位となるように直流バイアス電圧
を印加するとともに該バイアス電圧を該表面層の成膜中
に変化させ、前記バイアス電圧の初期値を100V以上
1kV以下とし、前記バイアス電圧の最終値を0Vより
大きく50V未満としてプラズマCVD法により形成さ
れたものであって、前記現像を行う現像剤の平均粒径が
5〜8μmであり、該現像剤が転写された後の前記電子
写真感光体の表面の硬度(JISK6301におけるA
型)が60度以上80度以下の弾性ゴムブレードでスク
レープクリーニングされ、使用時の前記電子写真感光体
の表面の移動速度が200mm/sec以上600mm
/sec以下であることを特徴とする電子写真装置が提
供される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0033】図1は本発明の電子写真装置に用いる感光
体の一例を説明する模式図と、表面層におけるバイアス
電圧の変化を表す模式図である。
【0034】図1(a)に示した一例は、光導電層を機
能分離していない単層型と呼ばれる感光体である。導電
性基体101の上に必要に応じて電荷注入阻止層102
が設けられ、その上に少なくとも水素を含むa−Siか
ら成る光導電層103が設けられ、本発明の範囲で作成
された非単結晶炭素から成る表面層104が堆積されて
いる。
【0035】図1(a)に示した層構成以外にも、例え
ば光導電層103が電荷発生層と電荷輸送層から成る機
能分離型の構成を採ってもよい。電荷発生層と電荷輸送
層の位置関係は如何なる物でもよい。また、それぞれの
層の境界は連続的に変化していてもよく、或いは必要に
応じて中間層を設けてもよい。
【0036】本発明の非単結晶炭素膜はプラズマCVD
法により形成される。成膜時のバイアス電圧は成膜中に
変化させる。成膜初期のバイアスは、負のバイアス電圧
を100V以上印加するのが望ましい。これより小さい
電圧しかかけられない場合には、アンカー効果が低くな
り、密着性の向上が図れない。なお、上記負のバイアス
電圧の上限は特に無いが、1kV以下で充分である。
【0037】成膜末期のバイアス電圧の値については、
負のバイアス電圧として0Vより大きく50V未満が望
ましい。50Vを超えて負の電圧を印加した場合や、バ
イアスを印加しない場合、摩擦や表面自由エネルギーが
目的とする値よりも大きくなってしまうため、ムラ削れ
やトナー融着に対して不利になる。
【0038】図1(b)から(f)には、表面層におけ
るバイアス電圧の印加方法(電圧、印加時間、変化速
度)について模式的に示している。図1(b)のように
表面層を高バイアス領域と低バイアス領域からなる2層
の構成にしてもよく、(d)のように高バイアス領域と
低バイアス領域をなだらかに接続するようにバイアス電
圧を変化させてもよい。また、(e)、(f)のように
連続的に変化させてもよく、変化のさせ方は直線的でも
曲線的でもいずれの場合でもよい。即ち、光導電層境界
において高バイアスによってミキシングを起こせればよ
く、また自由表面側で低バイアスによって低硬度が実現
できれば図1(b)〜(f)に示した以外のバイアス印
加方法でもよい。バイアス印加方法は感光体寿命と削れ
量との兼ね合いで最終的に決定される。
【0039】図2は本発明のバイアス印加機能を持つ高
周波プラズマCVD装置の一例を示す模式図である。
【0040】この装置は大別すると、堆積装置、不図示
の原料ガスの供給装置、反応容器2110内を減圧する
為の排気装置(不図示)から構成されている。堆積装置
中の反応容器2110内には上部蓋から直流電源212
1に接続された円筒状被成膜基体2112、円筒状被成
膜基体の加熱用ヒーター2113、原料ガス導入管21
14が設置され、更に高周波マッチングボックス211
5を介して高周波電源2120が接続されている。
【0041】原料ガスは不図示の供給装置により、マス
フローコントローラーによって流量制御され、バルブ2
122を介して反応容器2110内のガス導入管211
4に接続されている。
【0042】基体はアースから浮かせた状態で反応容器
内に設置されており、上部の蓋を介して直流電源に接続
されている。基体を支える中心軸からバイアスを印加す
ることも可能である。
【0043】本発明に用いる装置は、基体の電位を負の
値に設定できるように、外部から直流電源を接続して制
御することが出来れば、図2に挙げた形態には何らこだ
わるところはない。
【0044】以下、図2の装置を用いた、感光体の形成
方法の手順の一例について説明する。
【0045】反応容器2110内に円筒状被成膜基体2
112を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポン
プ)により反応容器2110内を排気する。続いて円筒
状被成膜基体加熱用ヒーター2113により円筒状被成
膜基体2112の温度を20℃〜500℃の所定の温度
に制御する。
【0046】次に感光体形成用の原料ガスを、不図示の
ガス供給装置により流量制御し、反応容器2110内に
導入する。排気速度を調整することにより所定の圧力に
設定する。
【0047】以上の手順によって成膜準備を完了した
後、円筒状被成膜基体2112上に光導電層の形成を行
う。
【0048】内圧が安定したところで、高周波電源21
20を所望の電力に設定して高周波マッチングボックス
2115を通じてカソード電極2111に供給し高周波
グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって
反応容器2110内に導入させた各原料ガスが分解さ
れ、円筒状被成膜基体2112上に所定のシリコン原子
を主成分とする堆積膜が形成される。所望の膜厚の形成
が行われた後、高周波電力の供給を止め、ガス供給装置
の各バルブを閉じて反応容器2110への各原料ガスの
流入を止め、堆積膜の形成を終える。
【0049】又、本発明の表面層を形成する場合も基本
的には上記の操作を繰り返せばよく成膜ガスを供給し放
電を開始すればよい。その際、基体は直流電源に接続し
ておく。所望の炭素を含むガスと希釈ガス等を導入して
内圧を設定した後、高周波電源を設定して高周波グロー
放電を生じさせると同時に、直流電源より直流電圧を印
加し、セルフバイアスを基準として基体の電位が負にな
るように調整する。成膜初期においては、バイアス電圧
を100V以上となるように、例えば150Vに設定す
る。このような高バイアス条件でアンカー効果により密
着性を向上させる。この高バイアス期間は密着性を向上
させる効果と、削れにくい領域を確保するために不可欠
である。この後、負のバイアス電圧を0Vより大きく5
0V未満、例えば20Vに設定する。このような低バイ
アス条件では膜の硬度が比較的低く、また撥水性が向上
する。この低バイアス印加による膜は、あまり薄すぎる
と本発明の効果が長期間持続できない。また、厚くなり
すぎると剥離の恐れが出てくるばかりか、感度も低下し
てしまう。よって数百乃至数千Å程度の範囲内であれば
よく、削れの速度と感光体の寿命によって決められる。
【0050】本発明の効果が得られる非単結晶炭素膜
は、使用ガスの種類とその混合比、成膜圧力、高周波電
力とその周波数、成膜温度などが適切な値に設定するこ
とにより作成出来る。
【0051】図3は前記、図2とは別形態のプラズマC
VD法による電子写真感光体の形成装置(量産型)の一
例の模式図である。図3はその反応容器部の断面図を示
している。
【0052】図3において300は反応容器であり、真
空気密化構造を成している。又、302は一端が反応容
器301内に開口し、他端が排気装置(図示せず)に連
通している排気管である。303は円筒状被成膜基体3
04によって囲まれた放電空間を示す。高周波電源30
5は、高周波マッチングボックス306を介して電極3
07に電気的に接続されている。円筒状被成膜基体30
4はホルダー308(a)(b)にセットした状態で回
転軸309に設置される。必要に応じてモーター310
で回転出来るようになっている。
【0053】原料ガス供給装置(不図示)は、図2に示
したものと同様のものを用いればよい。各構成ガスは混
合され、バルブ312を介して反応容器301内のガス
導入管311に接続されている。
【0054】バイアス印加は、図2の装置と同様に上部
端子313から給電する方法を採っているが、基体の支
持軸を通して行ってもよい。基体304は端子313か
ら直流電源314に接続される。
【0055】実際の成膜方法に関しては図2に対する説
明に準ずる。
【0056】図4は電子写真装置の画像形成プロセスの
一例を示す概略図であって、感光体401は矢印X方向
に回転する。感光体401の周辺には、主帯電器40
2、静電潜像形成部位403、現像器404、転写紙供
給系405、転写帯電器406(a)、分離帯電器40
6(b)、クリーナー407、搬送系408、除電光源
409等が配設されている。クリーナーユニットは、通
常クリーニングブレードとクリーニングローラーを組み
合わせて形成されているが、本画像形成プロセスに於い
てはクリーニングローラーを用いていない。
【0057】プロセススピードに関しては、200mm
/sec以上の高速プロセスにおいて本発明の効果が最
大限に得られる。速度の上限は特に無くいかなる範囲で
も本発明の効果が得られるが、融着に関する別の要因が
影響する場合があることから本発明の効果を最大限に得
るためには600mm/sec以下とすることが望まし
い。
【0058】以下、さらに具体的に画像形成プロセスを
説明すると、感光体401は高電圧を印加した主帯電器
402により一様に帯電され、これに静電潜像部位、即
ちランプ410から発した光が原稿台ガラス411上に
置かれた原稿412に反射し、ミラー413、414、
415を経由し、レンズユニット417のレンズ418
によって結像され、ミラー416を経由し、導かれ投影
された静電潜像が形成される。この潜像に現像器404
からネガ極性トナーが供給されてトナー像が形成され
る。
【0059】一方、転写紙供給系405を通って、レジ
ストローラー422によって先端タイミングを調整さ
れ、感光体401方向に供給される転写材Pは高電圧を
印加した転写帯電器406(a)と感光体401の間隙
に於て背面から、トナーとは逆極性の正電界を与えら
れ、これによって感光体表面のネガ極性のトナー像は転
写材Pに転写する。次いで、高圧AC電圧を印加した分
離帯電器406(b)により、転写材Pは転写搬送系4
08を通って定着装置424に至り、トナー像が定着さ
れて装置外に搬出される。
【0060】感光体401上に残留するトナーはクリー
ニングユニット407のクリーニングブレニド421に
よって回収され、残留する静電潜像は除電光源409に
よって消去される。
【0061】以下に本発明を実施例を用いて具体的に説
明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものでは
ない。
【0062】
【実施例】
(実施例1)図2に記載のプラズマCVD装置を用い
て、円筒形のAl基体上に、表1に示した条件で下部阻
止層、光導電層を堆積した。その後、表2に示した条件
に加え、高バイアス条件として−150Vを印加して1
000Å堆積させ、低バイアス条件として−20Vを印
加して4000Å堆積させ、計5000Åの非単結晶炭
素から成る表面層を先ほどの光導電層の上に積層し1本
目のドラムを完成させた。
【0063】
【表1】
【0064】次に同様の操作により下部阻止層、光導電
層を堆積し、その上に表2に示した条件に加え、初期値
を−150V、最終値を−20Vとして連続的にバイア
ス電圧を印加し、5000Åの非単結晶炭素からなる表
面層を積層し2本目のドラムを完成させた。
【0065】
【表2】
【0066】次に上記の2本のドラムについて、以下に
示す方法で4種類の評価を行った。 (1)クリーニング性評価 作成したドラムを、実験用に改造したキヤノン製複写機
NP6060改造機に搭載し、クリーニング性の評価を
行った。プロセスの条件として、JIS硬度70度のウ
レタンゴムブレードを用い、ブレードの押し当て圧を通
常の50%の圧力に設定した。マグローラー等のクリー
ニングローラーは用いない。またプロセススピードを3
80mm/secとし、トナー粒径として6.5μmの
ものを用いた。全面黒(以下ベタ黒と称する)の原稿を
用いて10万枚耐久した。耐久後、ハーフトーン画像を
コピーしてクリーニング不良の有無を調べた。具体的に
は、A4のハーフトーン画像において、ドラムの母線方
向に平行な領域をとり、クリーニング不良による汚れの
面積を5枚のコピーサンプルから見積もった。同様の評
価を5回行い、5枚のコピーサンプルでの結果を得た。
得られた結果は従来表面層での同様の試験から求められ
た値との相対値で判定する。従来表面層での値を50と
し、1〜100までの点数で評価した。50より小さけ
れば従来表面層に比べてクリーニング不良が少ないこと
を示し、50より大きければ従来表面層に比べて程度が
悪いことを示している。
【0067】(2)トナー融着の評価 前記のNP6060改造機と前記のプロセス条件を用い
て、融着に対して厳しい条件(融着の出やすい条件)と
してドラムヒーターを用い、ドラム表面温度を50℃と
し、1%原稿(A4対角線方向に直線を引いただけの原
稿)を用いて10万枚耐久した。耐久後、ハーフトーン
画像をコピーして融着の有無を調べた。具体的には、同
様にA4のハーフトーン画像において、ドラムの母線方
向に平行な領域をとり、同領域に存在するトナー融着に
よる黒点の数を見積もり、5枚のコピーサンプルでの結
果を得た。得られた結果は従来表面層での同様の試験か
ら求められた値との相対値で判定する。従来表面層での
値を50とし、1〜100までの点数で評価した。50
より小さければ従来表面層に比べて融着が少ないことを
示し、50より大きければ従来表面層に比べて程度が悪
いことを示している。
【0068】(3)ムラ削れ評価 前記のNP6060改造機と前記のプロセス条件を用い
て、ムラ削れの出やすい条件としてドラムの周方向に平
行となるようなストライプ状の原稿を用い、同じ部分が
摺擦力の高い小粒径トナーによって常に摺擦されるよう
にして10万枚のコピーを行った。
【0069】続いてゴーストの影響を取り除いた後、ハ
ーフトーン原稿をコピーして、ムラ削れによる濃度ムラ
が生じているかどうかを調べた。濃度ムラを確認した
後、現像器の位置に電位計を挿入し、ストライプの白と
黒に対応する部分の電位を調べ、その差を測定した。電
位差が大きいほど濃度ムラが生じていることを表してい
る。得られた測定値は、従来表面層で同条件で耐久し測
定した値との相対値で表す。従来表面層での電位差の値
を50とし、1から100までの点数を付けた。50よ
り小さければ従来表面層より濃度ムラが小さいことを示
し、50より大きければ従来表面層よりも濃度ムラが大
きいことを示す。この評価を5枚のハーフトーンコピー
サンプル、5回の電位測定から求めた。
【0070】(4)画像流れ、帯電器跡流れ評価 前記のNP6060改造機と前記のプロセス条件を用
い、複写機を32℃88%の高温・高湿環境に移し、ド
ラムヒーターをオフとし、キヤノン製テストチャート
(部品番号:FY919058)を1万枚複写した。そ
の後一旦複写機を止め、この状態で環境を35℃90%
に変更し、5時間放置することでオゾン生成物を表面に
十分に堆積・吸湿させた。
【0071】この後再び先ほどのチャートを1万枚複写
し5時間複写機を止めるという操作を繰り返し、10万
枚まで耐久した。
【0072】再び5時間の休止を行い、休止後コピーし
た1枚目のチャート上にあるラインアンドスペースの判
別(16段階評価)、文字輪郭の判別によって画像流れ
(特に帯電機跡流れ)を総合的に判断し、4段階評価を
行った。この評価を5枚のコピーサンプルについて繰り
返した。
【0073】得られた結果を表3に示す。
【0074】
【表3】 表中には、それぞれの評価手段から得られた5つのデー
タを、総合的に4つのカテゴリーに分類した。クリーニ
ング性、トナー融着、ムラ削れ評価に関しては、 ◎・・・0〜20点のもの(極めて優れた特性) ○・・・20〜40点のもの(良好な特性) △・・・40〜60点のもの(従来表面層並み) ×・・・60〜100点のもの(実用上問題がある、ま
たは問題が生じる可能性あり)とし、画像流れに関して
は、 ◎・・・全くボケや帯電器跡がないレベル ○・・・実用上問題がないが軽微な帯電器跡がかろうじ
て認識されるレベル △・・・文字の判別は出来るが、ボケや帯電器跡があ
り、実用上問題があるレベル ×・・・全面ぼけ画像或いは帯電器跡があり、文字の判
別が出来ないレベル として表している。
【0075】本発明の範囲内である2本のドラムでは、
ベタ黒原稿10万枚の耐久においても良好なクリーニン
グ性を示した。また、ドラムヒーターで通常よりも高い
温度で加熱しているにもかかわらず、融着は見られなか
った。またムラ削れに起因する濃度ムラもなく、帯電器
跡流れも10万枚においても全く発生しなかった。2本
のドラム間での差は特になく、本発明における、初期に
100V以上、末期に0〜50Vの負の電圧を与えて非
単結晶炭素膜を作成できれば、中間のバイアス印加方法
に依らず、本発明の効果が得られることがわかった。
【0076】(比較例1)図2に記載のプラズマCVD
装置を用いて、円筒形のAl基体上に、表1に示した条
件で下部阻止層、光導電層を堆積した。その後、特開昭
61−289354号公報(公知例1)に示された方法
に従い、バイアスを印加せずにa−C膜を表面層として
堆積し、その後最表面をフッ素を含むガスによってプラ
ズマ処理し、電子写真感光ドラムを完成させた。
【0077】次いで、実施例1と同様の評価をそれぞれ
について行った。
【0078】以上の特性の変化の結果を実施例1の結果
と合わせて表3に示す。
【0079】公知例1のドラムでは10万枚の段階で、
クリーニング不良に起因する黒筋が若干ながら見られ
た。また、融着に関しては、公知例1では従来表面層と
同等レベルであった。また、ムラ削れに関しては、従来
表面層に比べ逆に硬いことが効いて、従来表面層よりも
劣るか同程度の結果が得られた。この試験ではブレード
圧を通常よりも下げているため比較的程度がよかったと
考えられるが、クリーニング性の向上や融着防止のため
にブレード押し当て圧を上げると、前述したようにムラ
削れは更に悪化すると考えられる。帯電器跡流れに関し
ては、従来表面層と同等か、若干向上しているが、ほと
んど削れないためにオゾン生成物が除去しきれず、本発
明の範囲内である実施例1のドラムのレベルまでは達し
ていない。
【0080】以上の評価と、実施例1での結果との比較
から、バイアス印加なしでフッ素プラズマによる表面処
理を施した、公知例1の方法を用いても、本発明の効果
が得られないことが明らかとなった。
【0081】(比較例2)図2に記載のプラズマCVD
装置を用いて、円筒形のAl基体上に、表1に示した条
件で下部阻止層、光導電層を堆積した。その後、特開昭
61−278859号公報(公知例2)に従い、自己バ
イアスを制御して−150Vに設定して水素化アモルフ
ァス炭素から成る表面層を該光導電層の上に堆積させ、
電子写真感光ドラムを作成した。
【0082】次いで、実施例1と同様の評価をそれぞれ
について行った。
【0083】以上の特性の変化の結果を実施例1、比較
例1の結果と合わせて表3に示す。公知例2のドラムで
は、10万枚の段階で画面全体にクリーニング不良に起
因する黒筋が現れてしまった。また、トナー融着に関し
ては、画像にはっきりと融着の跡が見られ、ドラムの周
方向に成長していることが確認された。これは表面の自
由エネルギーが大きいためにトナーが付着しやすいため
と考えられる。また、ムラ削れに関しては、従来表面層
に比べ逆に硬いことが効いて、従来表面層よりも劣るか
同程度の結果が得られた。この試験ではブレード圧を通
常よりも下げているため比較的程度がよかったと考えら
れるが、クリーニング性の向上や融着防止のためにブレ
ード押し当て圧を上げると、前述したようにムラ削れは
更に悪化すると考えられる。また画像流れ特性に関して
は、比較例1と同様、実施例1のドラムのレベルまでは
達していない。
【0084】以上の評価と、実施例1での結果との比較
から、−100V以上の一定のバイアスを印加した公知
例2の方法でも、本発明の効果が得られないことがわか
った。
【0085】(実施例2)実施例1で作成したのと同様
のドラムを新たに5本作成した。
【0086】次にこの5本のドラムを、実験用に改造し
たキヤノン製複写機NP6060改造機に搭載した。プ
ロセスの条件として、JIS硬度59度、65度、72
度、79度、82度の5種類の弾性ゴムブレードを用
い、マグローラーは用いなかった。共通条件としてトナ
ー粒径を6.5μm、プロセススピードを380mm/
secとした。この条件で実施例1と同様の評価を行っ
た。それぞれ得られた結果を表4に示す。
【0087】
【表4】
【0088】クリーニング性は、ブレード圧を下げてい
るにもかかわらず、5種類共従来表面層を用いた場合に
比べて良好な特性を示したが、特に65、72、79度
の3種類のブレードにおいて非常に優れた特性を示し
た。これは非単結晶炭素膜とブレード硬度とのマッチン
グが非常に良いためであると考えられる。また、トナー
融着は、ドラム表面が高温であるにもかかわらず起こり
にくく、特に65、72、79度の3種類の場合には全
く起こらなかった。これは適度な摩擦が有効に作用して
いると考えられる。ムラ削れに関しても上記の3種類に
関しては全く生じなかった。これはブレードの硬度が適
切であるためと考えられる。画像流れに関しても適度に
削れることが良好に作用しており、高温・高湿環境でド
ラムヒーターをオフにしているにもかかわらず、帯電器
跡流れがほとんど生じず、上記の3種類じ関しては全く
生じなかった。
【0089】このことから、本発明の範囲内のブレード
硬度に設定し、本発明の非単結晶炭素表面層を用い、本
発明範囲内のプロセス条件で使用した場合、極めて良好
な特性が得られることがわかった。
【0090】(実施例3)実施例1で作成したのと同様
のドラムを新たに5本作成した。
【0091】次にこの5本のドラムを、実験用に改造し
たキヤノン製複写機NP6060改造機に搭載した。プ
ロセスの条件として、粒径が4.5μm、5.2μm、
6.1μm、8μm、9μmの5種類のトナーを用い
た。共通条件として、ブレード硬度をJIS硬度で70
度、マグローラーなし、プロセススピードを380mm
/secとした。この条件で実施例1と同様の評価を行
った。それぞれ得られた結果を表5に示す。
【0092】
【表5】
【0093】クリーニング性は、5種類のトナー全てに
おいて従来表面層での結果に比べて良好であったが、特
に5.2μm、6.1μm、8μmの3種類のトナーに
関しては、ブレードのビビリが全く起こらず、故にすり
抜けも起こらず非常に良好でぁった。また、トナー融着
は、ドラム表面を高温にしており、小粒径で定着性が高
いにもかかわらず上記の3種類に関しては全く起こらな
かった。これは適度な摩擦が有効に作用していると考え
られる。ムラ削れに関しても上記の3種類に関しては全
く生じなかった。画像流れに関しても、上記の3種類に
関しては適度に削れることが良好に作用しており、高温
・高湿環境でドラムヒーターをオフにしているにもかか
わらず、帯電器跡流れが全く生じなかった。
【0094】このことから、本発明の範囲内のトナー粒
径に設定し、本発明の非単結晶炭素表面層を用い、本発
明範囲内のプロセス条件で使用した場合、良好な特性が
得られることがわかった。
【0095】(実施例4)実施例1で作成したのと同様
のドラムを新たに5本作成した。
【0096】次にこの3本のドラムを、実験用に改造し
たキヤノン製複写機NP6060改造機に搭載した。プ
ロセスの条件として、プロセススピードを200mm/
sec、300mm/sec、400mm/sec、5
00mm/sec、600mm/secの5種類とし
た。共通条件として、ブレード硬度をJIS硬度で65
度、マグローラーなし、トナー粒径を6.5μmとし
た。この条件で実施例1と同様の評価を行った。それぞ
れ得られた結果を表6に示す。
【0097】
【表6】
【0098】クリーニング性は5種類のプロセススピー
ドにおいて、すり抜けもなく全て非常に良好であった。
また、トナー融着も、小粒径で定着性が高いにもかかわ
らず全く起こらなかった。ムラ削れに関して、摩擦力の
増大する高速なプロセスにおいても全く生じなかった。
これは非単結晶炭素膜の摩擦が小さく、ブレード硬度が
適切であるため、小粒径トナーによる摩擦力増大分が打
ち消されたためと考えられる。画像流れに関しても適度
に削れることが良好に作用しており、高温・高湿環境で
ドラムヒーターをオフにしているにもかかわらず、帯電
器跡流れが全く生じなかった。
【0099】このことから、本発明の範囲内のプロセス
スピードに設定し、本発明の非単結晶炭素表面層を用
い、本発明範囲内のプロセス条件で使用した場合、良好
な特性が得られることがわかった。
【0100】(実施例5)図2に記載のプラズマCVD
装置を用いて表2に示した条件により円筒形のAl基体
に下部阻止層、光導電層を順次積層した。その後、図3
に記載のプラズマCVD装置を用いて表面層を作成する
際、表7に示した条件に加え、高バイアス条件として−
150Vを印加して1000Å堆積させ、低バイアス条
件として−20Vを印加して4000Å堆積させ、計5
000Åの非単結晶炭素から成る表面層を先ほどの光導
電層の上に積層した。この時の高周波電力の周波数を3
0、50、105、300、450MHzとし、5本の
ドラムを完成させた。
【0101】
【表7】
【0102】次にこの4本のドラムに対し、実施例1と
同様の評価を行った。ただし、耐久枚数をベタ黒、スト
ライプの各原稿においてそれぞれ30万枚とした。結果
を表8に示す。全ての結果において優れた特性が得られ
たが、特に50MHz〜450MHzで作成したドラム
に関しては、30MHzで作成したドラムと比べて更に
摩擦が小さく、クリーニング不良や融着に対して更に有
利であることがわかった。この結果から、表面層作成に
用いる高周波電力の周波数によらず本発明の効果が得ら
れることがわかったが、50〜450MHzの周波数で
作成したほうがより望ましいことが分かった。また、今
回の評価には加えていないが、周波数を高くすることに
より、非単結晶炭素膜のバンドギャップが大きくなり、
透過率が向上することがわかった。この事から、同じ膜
厚に設定した場合、表面層における損失が減少し、結果
として感度が向上することがわかった。
【0103】
【表8】
【0104】(実施例6)図2に記載のプラズマCVD
装置を用いて、円筒形のAl基体上に、表1に示した条
件で下部阻止層、光導電層を堆積した。その後、表9に
示した条件において、ガス種をメタン(CH4)とし、
ガス流量を120sccmとした。また、高バイアス条
件として−150Vを印加して1000Å堆積させ、低
バイアス条件として−20Vを印加して4000Å堆積
させ、計5000Åの非単結晶炭素から成る表面層を先
ほどの光導電層の上に積層し、電子写真感光ドラムを完
成させた。
【0105】
【表9】
【0106】次に表面層のガス種とガス流量を、エタン
(C26)、80sccm、アセチレン(C22)、8
0sccm、エチレン(C24)、80sccmとし、
それぞれ同様の作成方法でドラムを作成し、計4本のド
ラムを作成した。
【0107】次にこれら4本のドラムを実施例1と同様
の方法で評価した。結果を表10に示す。
【0108】
【表10】
【0109】メタン、エタンのような飽和炭化水素で作
成したドラムでは、全ての項目において非常に優れた特
性を示したのに対し、不飽和炭化水素であるアセチレ
ン、エチレンで作成したドラムは、従来レベルからは非
常に向上しているものの、若干ながら画像流れ評価にお
いて帯電器跡流れの兆候が見られた。この原因として考
えられることは、不飽和結合があるエチレンやアセチレ
ンでは、反応性が高い為プラズマ空間内でポリマライズ
し、高分子的な性質が含まれ、表面が酸化して親水基が
生じてしまったのではないかと思われる。
【0110】この事から、使用するガス種は飽和炭化水
素が最も適していることがわかった。
【0111】(実施例7)図2に記載のプラズマCVD
装置を用いて、円筒形のAl基体上に、表1に示した条
件で下部阻止層、光導電層を堆積した。その後、表9に
示した条件において、ガス種をメタン(CH4)と四弗
化炭素(CF4)の混合ガスとし、ガス流量をそれぞれ
100sccm、20sccmとした。また、高バイア
ス条件として−250Vを印加して1000Å堆積さ
せ、低バイアス条件として−20Vを印加して4000
Å堆積させ、計5000Åの非単結晶炭素から成る表面
層を先ほどの光導電層の上に積層し、電子写真感光ドラ
ムを完成させた。
【0112】次にこのドラムを実施例1と同様の方法で
評価した。結果を表11に示す。
【0113】
【表11】
【0114】全ての項目において非常に優れた特性が得
られた。フッ素を添加した場合、柔らかくなる傾向があ
るが、表面の摩擦力は更に低下するためドラムの削れ量
はそれほど増加しない。故にドラム寿命としてはフッ素
を添加しない場合と比べてほとんど変わらなかつた。ま
た、撥水性はフッ素を添加しない場合に比べても更に向
上している事も分かった。ただしフッ素量を極端に増加
させると柔らかくなりすぎてしまうため、フッ素量は削
れ量と寿命の兼ね合いで決定する必要がある。以上のこ
とからフッ素を添加しても本発明の効果が得られ、添加
量を適切に選べば更に特性を向上させることが可能であ
ることがわかった。
【0115】実施例1〜7においては、光導電層の上に
表面層を形成したが、例えば界面における反射を防止す
る目的で、両層に含まれる元素の組成の中間の組成を持
つバッファ層を設けてもよい。バッファ層は通常用いら
れる方法により形成することができる。
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、導電性基体上にシリコ
ン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導電層
が堆積され、該光導電層の上に少なくとも水素を含む非
単結晶炭素から成る表面層が設けられ、かつ該表面層作
成時に、該基体が負の電位となるように直流バイアス電
圧を印加するとともに、該バイアス電圧を該表面層の成
膜中に変化させ、該表面層成長初期における該バイアス
電圧を100V以上1kV以下とし、成長末期における
該バイアス電圧を0Vより大きく50V未満とすること
で該表面層が形成された軍子写真感光体を用い、該感光
体を、表面の移動速度(以後、プロセススピードと称
す)を200mm/sec以上600mm/sec以下
で回転させ、帯電、露光、現像、転写、クリーニングを
順次繰り返す電子写真プロセスにおいて、平均粒径5〜
8μmの現像剤で現像しその後転写材へ転写し、現像剤
が転写された後の該感光体表面をJIS硬度(JIS
K6301におけるA型)が60度以上80度以下の弾
性ゴムブレードでスクレープクリーニングし、該ブレー
ド以外のクリーニング手段を設けないことを特徴として
おり、摩擦力の増大する高速複写プロセスにおいて、高
詳細化のためのトナーの小粒径化や、マグローラー等の
補助システムの省略化を行ってもクリーニング不良がほ
とんど起こらず、またトナー融着も起こらない電子写真
装置が作成できる。また、長期の繰り返し使用によって
も削れムラが起こらず、筋状のハーフトーンムラが生じ
ない電子写真装置が作成できる。また撥水性に優れ、高
温・高湿下で加温手段なしに高品位な画像を提供する電
子写真装置が作成できる。コロナ放電生成物が付着にく
くし、加温手段を設ける必要がないために、現像剤担持
体の回転周期で発生する濃度ムラが起きにくく、高品位
な画像が経時的に変化することなく安定的に得られる電
子写真装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置に用いる感光体の模式的
断面図とその表面層作成時のバイアス電圧印加方法を示
す模式図である。(a)は単層型感光体の断面図、
(b)〜(f)はバイアス印加方法を示す。
【図2】PCVD法により基体上に電子写真感光体を形
成するための堆積装置の模式図である。
【図3】PCVD法を用いた電子写真感光体を形成する
為の堆積装置の模式図である。
【図4】電子写真装置の模式的断面図である。
【符号の説明】
101 導電性基体 102 電荷注入阻止層 103 光導電層 104 表面層 2100 堆積装置 2110 反応容器 2111 カソード電極 2112 導電性基体 2113 基体加熱用ヒーター 2114 ガス導入管 2115 高周波マッチングボックス 2116 ガス配管 2117 リークバルブ 2118 メインバルブ 2119 真空系 2120 高周波電源 2121 直流電源 2122 ガス流入バルブ 300 VHFを用いた堆積装置(量産型) 301 反応容器 302 排気管 303 放電空間 304 円筒状被成膜基体 305 高周波電源 306 マッチングボックス 307 電極 308(a)(b) 基体ホルダー 309 回転軸 310 モーター 311 ガス導入管 312 ガス導入バルブ 313 直流バイアス電圧入力端子 314 直流電源 401 電子写真感光体 402 主帯電器 403 静電潜像形成部位 404 現像器 405 転写紙供給系 406(a) 転写帯電器 406(b) 分離帯電器 407 クリーニングユニット 408 搬送系 409 除電光源 410 ハロゲンランプ 411 原稿台 412 原稿 413 ミラー 414 ミラー 415 ミラー 416 ミラー 417 レンズユニット 418 レンズ 419 給紙ガイド 420 ブランク露光LED 421 クリーニングブレード 422 レジストローラー 424 定着器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体を回転させ、帯電、露
    光、現像、転写、クリーニングを順次繰り返す電子写真
    プロセスにおいて、該電子写真感光体は、導電性基体上
    にシリコン原子を母体とする非単結晶材料からなる光導
    電層、少なくとも水素を含む非単結品炭素からなる表面
    層がこの順に形成されてなり、該表面層は、前記導電性
    基体が負の電位となるように直流バイアス電圧を印加す
    るとともに該バイアス電圧を該表面層の成膜中に変化さ
    せ、前記バイアス電圧の初期値を100V以上1kV以
    下とし、前記バイアス電圧の最終値を0Vより大きく5
    0V未満としてプラズマCVD法により形成されたもの
    であって、前記現像を行う現像剤の平均粒径が5〜8μ
    mであり、該現像剤が転写された後の前記電子写真感光
    体の表面の硬度(JIS K6301におけるA型)が
    60度以上80度以下の弾性ゴムブレードでスクレープ
    クリーニングされ、使用時の前記電子写真感光体の表面
    の移動速度が200mm/sec以上600mm/se
    c以下であることを特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 前記バイアス電圧を初期値から最終値ま
    で段階的に変化させ、その変化を少なくとも1段階以上
    とする請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 【請求項3】 前記バイアス電圧を初期値から最終値ま
    で連続的に変化させる請求項1または2に記載の電子写
    真装置。
  4. 【請求項4】 前記表面層が、少なくとも飽和炭化水素
    ガスを含む原料ガスを用いたプラズマCVD法により形
    成されたものである請求項1乃至3いずれかに記載の電
    子写真装置。
  5. 【請求項5】 前記表面層が、少なくともフッ素含有ガ
    スを含む原料ガスを用いたプラズマCVD法により形成
    されたものである請求項1乃至4いずれかに記載の電子
    写真装置。
  6. 【請求項6】 前記表面層が、1〜450MHzの高周
    波を用いたプラズマCVD法によって原料ガスを分解す
    ることにより形成される請求項1乃至5いずれかに記載
    の電子写真装置。
  7. 【請求項7】 前記表面層が、50〜450MHzの高
    周波を用いたプラズマCVD法によって原料ガスを分解
    することにより形成される請求項1乃至5いずれかに記
    載の電子写真装置。
  8. 【請求項8】 前記光導電層と前記表面層との間に、両
    者の中間の組成を有するバッファ層を備えた請求項1乃
    至7いずれかに記載の電子写真装置。
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JP2001305777A (ja) * 2000-02-14 2001-11-02 Dainippon Ink & Chem Inc 静電荷像現像用現像剤
JP2008052304A (ja) * 2007-11-09 2008-03-06 Kyocera Corp 画像形成装置
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