JPH11131206A - 溶射コーティング用粉末材料及びそれを用いた高温部材 - Google Patents

溶射コーティング用粉末材料及びそれを用いた高温部材

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JPH11131206A
JPH11131206A JP9299816A JP29981697A JPH11131206A JP H11131206 A JPH11131206 A JP H11131206A JP 9299816 A JP9299816 A JP 9299816A JP 29981697 A JP29981697 A JP 29981697A JP H11131206 A JPH11131206 A JP H11131206A
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test
corrosion
powder material
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Toshio Yonezawa
利夫 米澤
Koji Fujimoto
浩二 藤本
Takashi Shige
重  隆司
Yasumasa Koshiro
育昌 小城
Koji Takahashi
孝二 高橋
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C4/00Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge
    • C23C4/04Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge characterised by the coating material
    • C23C4/06Metallic material
    • C23C4/08Metallic material containing only metal elements
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗悪な低質重油を燃料とするガスタービンに
おいて、高温使用環境下での腐食を促進させる硫黄、バ
ナジウム、ナトリウム等に対して、従来材であるNi−
50Cr系、MCrAIYよりも充分な耐蝕性を有する
溶射コーティング粉末材料及びそれをコーティングした
高温部材を提供するものである。 【解決手段】 重量組成比で45%を越え60%以下の
クロムと、5〜15%のアルミニウムと、0.5〜10
%のジルコニウムと、残部がコバルトもしくは鉄のいず
れか一方または両方と、不可避的不純物からなる溶射コ
ーティング用粉末材料及びそれをコーティングした高温
部材である。このような材料を用いることにより、高温
使用環境下で腐食を促進させる硫黄、バナジウム、ナト
リウム等に対する高い耐食性を有する溶射被膜が得られ
ることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンの動
・静翼用の耐高温腐食性に優れた溶射コーティング用粉
末材料及びそれをコーティングした高温部材に関する。
また、本発明は、ボイラー用バーナーディフューザ等の
耐高温腐食性に優れた溶射用コーティング用粉末材料及
びそれをコーティングした高温部材に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、省資源化及び燃料費節減等の観点
から、低質重油を燃料とするガスタービンの開発が進め
られている。しかし、このような低質重油中には、硫
黄、バナジウム、ナトリウムといった金属の腐食を促進
させる成分が多量に含まれており、このために高温部材
であるガスタービンの動・静翼は、非常に過酷な腐食環
境にさらされることになる。このような環境下では、今
までの耐熱合金、耐熱鋼の母材のみでは十分な耐食性が
得らず、経年劣化を加速させることになる。従って、現
状では、この母材の上に耐食性に優れると評価している
Ni−50%Cr系、MCrAIY(式中、MはCo、
Ni、Fe等を表す。)などの粉末材料を、プラズマ溶
射を用いて厚さ100〜400μm程度にコーティング
することにより、耐熱合金、耐熱鋼の母材の耐食性を維
持している。
【0003】しかし、最近では、さらに燃料費の削減を
狙いさらに粗悪な低質重油(例えば、10〜30mg/
kgのナトリウム(Na)、カリウム(K)及びバナジ
ウム(V)を含むC重油等)が用いられてきており、腐
食をいっそう高める環境下に金属部品がさらされるよう
になってきている。しかし、上記従来材であるNi−5
0%Cr系、MCrAIYでは充分な耐食性が得られ
ず、保護被膜としての機能を充分に維持することができ
ないために、ガスタービンの性能低下が生じる。このよ
うな事情から、Ni−50%Cr系、MCrAIY等の
従来材よりもさらに高温で耐食性及び耐熱衝撃性に優れ
た溶射被膜が得られる溶射コーティング用粉末材料が要
求されるようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、粗
悪な低質重油を燃料とするガスタービンにおいて、高温
使用環境下での腐食を促進させる硫黄、バナジウム、ナ
トリウム等に対して、従来材であるNi−50Cr系、
MCrAIYよりも充分な耐蝕性を有する溶射コーティ
ング粉末材料及びそれをコーティングした高温部材を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を解
決するためになされたものであり、その要旨は、重量組
成比で45%を越え60%以下のクロムと、5〜15%
のアルミニウムと、0.5〜10%のジルコニウムとか
らなり、残部がコバルトもしくは鉄のいずれか一方また
は両方と不可避的不純物とからなる溶射コーティング用
粉末材料及びそれをコーティングした高温部材である。
このような材料を用いることにより、高温使用環境下で
腐食を促進させる硫黄、バナジウム、ナトリウム等に対
する高い耐食性を有する溶射被膜が得られることにな
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者らは、硫黄、バナジウ
ム、ナトリウムといった腐食を促進させる成分に対し
て、高温での耐食性を有する溶射コーティング用粉末材
料として以下の成分組成を限定した。クロム(Cr)
は、アルミニウム(Al)と共に耐高温腐食性を維持す
るために不可欠な元素であり、このような高温での腐食
環境下では、Cr、Alの酸化物あるいは、CrとAl
の複合酸化物が保護被膜として働き耐食性を向上させる
ことになる。従って、耐食性を向上させるにはCrの含
有量を高めればよいが、材料中でのCr含有量が高いと
σ相が過剰に析出し延性を低下させることになる。さら
に、使用環境下でCrの酸化物が保護被膜として形成さ
れるが、重量比で60%を超えると被膜の延性が著しく
乏しくなり、高温での耐熱衝撃性を低下させるために、
使用中にコーティングの割れや剥離を助長させる可能性
がある。また、Crの含有量を45%の下限値をしたま
わると耐熱衝撃性低下の問題は無くなるが、高温腐食環
境下で耐食性に有効な保護被膜の形成が乏しくなり充分
な耐食性が得られなくなる。従って、溶射用コーティン
グ粉末材料中のCr含有量は、重量比で45%を越え6
0%以下とし、さらに耐食性及び耐熱衝撃性の観点から
は50〜55%にするのが好ましい。
【0007】アルミニウム(Al)は、上記のCrと同
様に、耐高温腐食性を維持するために不可欠な元素であ
り、このような高温での腐食環境下では、Cr、Alの
酸化物あるいは、CrとAlの複合酸化物が保護被膜と
して働き耐食性を向上する。従って、耐食性を向上させ
るにはCrと同様にAlの含有量を高めればよいが、材
料中でのAlの含有量が高いとα相が過剰に析出し延性
を低下させることになる。さらに、使用環境下でAlの
酸化物が保護被膜として形成されるが、重量比で15%
を超えると被膜の延性が著しく乏しくなり、高温での耐
熱衝撃性も低下し、使用中でコーティングの割れや剥離
を助長させる可能性がある。また、Alの含有量が5%
の下限値をしたまわると耐熱衝撃性低下の問題は無くな
るが、高温腐食環境下での耐食性に有効な保護被膜の形
成が乏しくなり充分な耐食性が得られなくなる。したが
って、溶射用コーティング粉末材料中のAl含有量は、
重量比で5%〜15%とし、さらに耐食性及び耐熱衝撃
性の観点からは8〜12%にするのが好ましい。
【0008】一方、ジルコニウム(Zr)は、Zrの酸
化物の生成自由エネルギーが著しく低いために、一般的
にコーティングした場合、低圧酸素分圧下においてZr
の極薄い酸化被膜を形成し易くなる。さらに、Zrの酸
化物として一般的に知られているZrO2 系セラミック
スは、この問題としている環境で耐食性に優れており、
CrとAlの酸化物被膜のみの形成による耐食性の向上
よりも、このZrの酸化被膜が形成されることにより、
いっそう優れた耐食性が得られる。Zrの含有量が10
%をこえると高温での延性が得られず、耐熱衝撃性も低
下し、使用中でのコーティングの割れや被膜剥離を助長
させる可能性がある。さらに、Zr含有量が高くなる
と、マトリックス(結晶粒内)中に固溶しきれないZr
が結晶粒界に存在し易くなり、逆に粒界での偏析により
耐食性に有効なCr、Alの含有量が低下するために粒
界が選択的な腐食を受け、全体的に耐食性を低下させて
しまう。また、Zrの含有量を0.5%未満にすると、
耐食性に有効なZrの酸化被膜の形成が乏しくなり、Z
rを添加した効果が得られなくなる。従って、溶射用コ
ーティング粉末中のZr含有量は、重量比で0.5%〜
10%とし、さらに酸化被膜形成による耐食性向上及び
耐熱衝撃性の観点からは、1〜5%にするのが好まし
い。
【0009】更に、残部は、コバルト(Co)または鉄
(Fe)のいずれか一方または両方と不可避的化合物で
ある。CoまたはFeは、この溶射コーティング被膜を
形成するために重要な元素であり、高温での長時間使用
時における耐熱性を得るためにも必要な成分元素であ
る。また、Co及びFeは、ニッケル(Ni)に比較し
て、腐食環境下での硫黄物の生成が著しく小さいために
高温腐食環境下で優れた耐食性を示す。残部がCoとF
eベースとでは、若干耐食性に差が認められ、Feの方
が若干耐食性がよいが、逆コーティング時での延性が低
くなるので、耐食性及び耐熱衝撃性の観点からは、残部
をCoベースにした方がよい。
【0010】不可避的不純物とは、製鋼段階で原料から
混入し、精錬においても除去できないものをさすもので
あり、具体的には、P、S、O、Sn、As、Sbが挙
げられる。不可避的不純物の含有量としては、P<0.
03、S<0.03、O<0.01、Sn<0.01、
As<0.01、Sb<0.01である。なお、PやS
等の不可避の不純物は耐食性を低下させるので、できる
限り少ないことが望ましい。
【0011】本発明による溶射コーティング用粉末の製
造方法としては、上記組成を有する材料を真空溶解し、
ガスアトマイズ製造(アルゴンガス雰囲気下での噴霧)
により球形の粉末材料を得る方法が挙げられる。さら
に、燒結法、鋳造法などの製造方法がある。本発明によ
る溶射コーティング用粉末の粒径は、溶射方法や被膜の
厚さ等に応じて適宜選択する必要があるが、特に限定さ
れないが、本発明中での耐食性の向上を狙った溶射被膜
を形成させるには、低圧プラズマ溶射を用いた場合、1
0〜100μm程度の平均粒径が望ましい。さらに、粉
末形状は、ガスアトマイズ製法により前記化学組成を有
する合金の球形状の粉末にすることが望ましい。
【0012】また、本発明は、本発明の溶射用粉末材料
をコーティングした高温部材を提供する。コーティング
の対象となる母材としては、特に限定されないが、耐熱
合金、耐熱鋼を母材に用いれば、さらに高温腐食性にす
ぐれた高温部材となる。具体的な母材の例としては、E
CY768、IN738LCが挙げられる。
【0013】溶射によるコーティング被膜の密着性を向
上させるために、母材の洗浄(不要な酸化被膜層を剥ぎ
取る)及び粗面化処理の前処理をすることが好ましい。
粗面化処理としてはブラスト処理等が挙げられる。溶射
用粉末材料の母材へのコーティング方法としては、低圧
プラズマ溶射、大気プラズマ溶射、高速酸素フレーム溶
射が挙げられ、好ましくは、低圧プラズマ溶射(例え
ば、アルゴン置換の低圧(例えば、約6kPa)の雰囲
気下でプラズマ炎を用いて溶射する方法)である。溶射
後のコーティングの膜厚は、使用条件、耐食性等を考慮
して決定されるが、例えば、100〜1000μmの膜
厚とする。溶射用粉末材料をコーティングした後、コー
ティングと基材との密着性向上のため、拡散加熱処理を
行う。例えば、真空炉を用いてアルゴン雰囲気下で11
00〜1200℃で1〜2時間の拡散加熱処理を行うこ
とができる。
【0014】
【実施例】表1に示す化学組成(表中、Co欄及びFe
欄の「Bal.」は残部を意味し、不可避的不純物も含
む。)の材料を真空溶解し、ガスアトマイズ製造(アル
ゴンガス雰囲気下での噴霧)により球形の粉末材料を得
た。得られた粉末を分級し、低圧プラズマ溶射用の粉末
として粒径が10〜45μmに分級した。
【0015】このコーティングに用いる溶射用粉末材料
の特性を調べるために、ガスタービンの動・静翼の母材
に多く用いられているNi基の耐熱合金(IN738L
C等)及びCo基の耐熱合金(ECY768等)を試験
片の母材とした。母材に選定したIN738LCとEC
Y768の化学組成は、表3に示す通りである。
【0016】本発明材について以下に示す高温腐食試
験、高温熱衝撃試験、バーナリング試験を行った。高温
腐食試験でのコーティング試験片は、実機で用いられて
いる動・静翼材料のIN738LCとECY768の丸
棒を基材(直径約10mm×長さ約100mm)とし
た。この基材に、溶射コーティング粉末材料と同様な製
法を用いて製作したメタルブラスト(基材と同様な化学
成分組成を有する粉末を真空溶解し、アルゴンガス雰囲
気で噴霧して得た球状の粉末を分級し、粒径が100〜
300μm程度になるようにしたもの)を用いて、上記
丸棒の供試材の外周部表層の洗浄(不要な酸化被膜層を
剥ぎ取る)及び表層を粗くし、溶射でのコーティング被
膜の密着性を向上させるために数分間のブラスト処理し
た。その後、前処理が終わった丸棒の基材を低圧プラズ
マ溶射装置の真空チャンバー内に取り付け、表4に示す
条件で表1に示す化学組成の粉末材料を低圧プラズマ溶
射を用いて丸棒外表面にコーティングした。低圧プラズ
マ溶射でのコーティングの膜厚は、耐食性維持を考え、
500〜1000μmの厚膜とした。さらに、コーティ
ングした試験片を真空炉を用いて1100〜1200℃
で1〜2時間の加熱処理を行い、熱拡散によりコーティ
ングと基材との密着性向上を図った。その後、試験片を
長さ約20mmで切断し、図1に示す試験装置を用いて
高温腐食試験を行った。
【0017】高温熱衝撃試験に用いたコーティング試験
片としては、IN738LCとECY768の基材の丸
棒(直径約10mm×長さ約65mm、試験片中央部長
さ約30mmのコーティング部)を用いた。そして、上
記の腐食試験用のコーティング試験片と同様に、ブラス
ト処理後、表1に示す化学組成の粉末材料を溶射にてコ
ーティングし、熱処理を与えたものを高温熱衝撃試験に
供した。
【0018】実機環境下での耐熱・腐食性を評価するた
めに、実機翼形状の試験片を用いてバーナーリグ試験を
実施した。試験片には、IN738LCとECY768
の基材の実翼形状を用いた。そして、上記の高温腐食試
験用及び高温熱衝撃試験のコーティング試験片と同様
に、ブラスト処理後、表1に示す化学組成の粉末材料を
溶射にてコーティングし、熱処理を与えたものを図2に
示す試験装置を用いてバーナーリグ試験を行った。
【0019】高温腐食試験とは、図1に示すように溶融
塩(溶融塩組成:60重量%V2 5 −40重量%Na
2 SO4 )を入れた磁性のアルミナるつぼにコーティン
グ試験片を浸漬させ、このるつぼを電気炉に挿入し、実
機ガスタービン燃焼模擬ガスを流通させた状態で、90
0℃×100時間保持する。実験終了後に、試験片を取
り出し、湯洗及び酸洗(18重量%NaOH+3重量%
KMnO4 の水溶液と10重量%クエン酸アンモニウム
水溶液で1時間煮沸)することで、試験片のコーティン
グ部に付着した溶融塩を除去した。試験前後の試験片の
重量変化を測定し腐食減量を求めるとともに、マイクロ
メーターにて腐食による減肉量を求め各種コーティング
材料の腐食量を評価した。目標値としては、100時間
以下における腐食減量及び最大減肉量をそれぞれ100
mg/cm2 、50μmと定めた。
【0020】高温熱衝撃試験とは、図3に示すように試
験片を990℃まで約180秒で急速に加熱し、その
後、アルミナ粉末を冷媒として吹き付けることにより6
0℃までに約240秒で冷却させる操作を繰り返した。
ここでは、熱応力によりコーティングの割れ及び剥離の
有無を評価した。さらに、最大の繰り返し数は、100
0回と定めた。この値は、実機ガスタービン翼の寿命末
期までに繰り返す起動停止回数をクリアするために設定
した値である。目標値としては、この1000回の繰り
返しに耐えるとともに、コーティング部の割れ及び剥離
が生じないこと定めた。
【0021】バーナーリグ試験とは、図2に示すように
試験翼を低質重油焚き燃焼ガス雰囲気下(ガス温度を1
250℃、メタル温度を900℃)で1時間保持した
後、30分冷却することを50回繰り返し、実機に則し
た耐食性及び耐熱衝撃性を評価した。試験後に、試験片
表面に付着したスケールを湯洗及び酸洗(18重量%N
aOH+3重量%KMnO4 の水溶液と10重量%クエ
ン酸アンモニウム水溶液で1時間煮沸)にて除去したの
ち、試験翼の重量減少を測定するとともに、コーティン
グ部の割れ及び剥離の有無を評価した。目標値として
は、この50回の繰り返しに耐えるとともに、試験翼の
重量減が10g以下と定めた。
【0022】本発明材のコーティング被膜特性を確認す
るために、高温腐食試験、高温熱衝撃試験、バーナーリ
グ試験を行った結果を表2に示す。表中の「高温熱衝撃
試験」の欄は、1000回まで実施した後の外観評価に
基づく。表中の「評価」の欄における丸印(○)は、こ
の評価試験の目標値をすべて満足したことを示し、バツ
印(×)は、1つでも満足しなかったことを示す。
【0023】表2に示すように、本発明の化学組成を有
する溶射コーティング粉末材料を用いて得たコーティン
グ試験片による高温腐食試験では、従来材及び比較材に
比較して優れた耐食性を有しており、腐食減量及び最大
減肉量の目標値を充分に満足した値を得ることができ
た。また、高温熱衝撃試験では、従来材と同様に最大繰
り返し数の1000回をクリアし、コーティングの割れ
及び剥離を認められず健全なものであった。この場合、
コーティングの割れ及び剥離無しの状態を目標条件とす
ると、本発明材は、この目標条件を満足することができ
た。さらに、バーナーリグ試験では、本発明材は、従来
材と同様にコーティングの割れ及び剥離は認められず、
従来材よりも腐食量が著しく少なく、目標値を充分に満
足することができた。
【0024】これらの結果に対して、比較材及び従来材
においては、上記試験の目標値、目標条件の少なくとも
1項目を満足しなかった。従って、本発明の材料は、こ
れらの試験の結果から、高温での耐食性及び耐熱衝撃性
に優れるものであることが言える。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
高温での耐食性に優れ、硫黄、バナジウム、ナトリウム
に対する耐食性に優れた溶射コーティング用粉末材料及
びそれをコーティングした高温部材が得られる。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】高温腐食試験装置を示す。
【図2】バーナーリグ試験装置を示し、(a)はその側
面図、(b)はその平面図である。
【図3】高温耐熱衝撃試験条件を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小城 育昌 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 高橋 孝二 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学組成が重量比で45%を越え60%
    以下のクロムと、5〜15%のアルミニウムと、0.5
    〜10%のジルコニウムとからなり、残部がコバルトも
    しくは鉄のいずれか一方または両方と不可避的不純物と
    からなる溶射コーティング用粉末材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の溶射コーティング粉末
    材料をコーティングした高温部材。
JP9299816A 1997-10-31 1997-10-31 溶射コーティング用粉末材料及びそれを用いた高温部材 Withdrawn JPH11131206A (ja)

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