JPH1113114A - 局部洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄により使用者の洗浄部に付着した残留水
滴を収束させて、風により拭い去ることにより乾燥時間
を短縮することができる局部洗浄装置を提供することを
目的とする。 【構成】 便座に着座した使用者の被洗浄部に洗浄水を
噴射する洗浄水噴射手段と、この洗浄水噴射手段による
洗浄後の使用者の被洗浄部周辺に空気を噴射し終期にな
るにつれ徐々に噴射範囲を狭め終期には被洗浄部のみに
空気を噴射して残留付着水滴を収束させる空気噴射手段
とを備えた局部洗浄装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄便座等による
局部洗浄後、局部に残る残留水滴を蒸発させ乾燥する装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般にこの種の局部洗浄装置は、用便後
の使用者の被洗浄部に温水を噴射させることにより、被
洗浄部を簡単に洗浄することができるため、非常に清潔
で、かつ衛生的であり、したがって近年はますますその
普及が増大しつつある。

【０００３】第９図は従来の局部洗浄装置を示したもの
で、１は便器本体、２は便器本体１の上部に回動自在に
設置された便座、３は便蓋、４は内部に洗浄水圧送ポン
プ、温水タンク、各種制御装置（いずれも図示せず）を
装備した本体ケースで、その本体ケース４にはさらに乾
燥用の温風吹き出し装置５を設けると共に、その風路６
の先端部には温風吹き出し口７を設けている。８は前記
本体ケース４に取付けた洗浄水噴射ノズルで、その洗浄
水噴射ノズル８は便器本体１内に臨ませている。９はロ
ータンクである。そしてこの局部洗浄装置を使用する場
合は、用便後に、まず洗浄水噴射手段を操作すると洗浄
水噴射ノズル８から温水が使用者１０の被洗浄部に噴射
されて、使用者１０の被洗浄部に付着した汚物を洗い落
す。次に温風吹き出し手段を操作すると、温風が温風吹
き出し口７より吹き出されて、洗浄後の付着水分を乾燥
させる。

【０００４】しかしながら、一般に洗浄終了の段階では
使用者１０の被洗浄部には多数の水滴が付着しているも
ので、そのため、温風吹き出しによる乾燥には多くの時
間を要し、その時間には数分間を要するものである。そ
こでこの乾燥時間を短縮するために、温風温度を高くす
ると共に、風量を増すと、温風感が強くて使用者には堪
えられなくなる。一般に皮膚の温熱感は、早く乾いた部
分と、水滴が付着して乾燥が遅れた部分とでは差がある
ので、使用者においては不快を感ずるものである。従っ
て、乾燥時間を待ち切れない人は洗浄部に付着している
残留水滴を紙で拭くことにより、温風乾燥時間を短縮し
て使うことが一般に行われていて、洗浄便座のせっかく
の特長機能を減少しているのが実情である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点に鑑み、洗浄により使用者の洗浄部に付着した残
留水滴を収束させて、風により拭い去ることにより乾燥
時間を短縮することができる局部洗浄装置を提供するこ
とを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するための基本的な構成は、便座に着座し
た使用者の被洗浄部に洗浄水を噴射する洗浄水噴射手段
と、この洗浄水噴射手段による洗浄後の使用者の被洗浄
部周辺に空気を噴射し終期になるにつれ徐々に噴射範囲
を狭め終期には被洗浄部のみに空気を噴射して残留付着
水滴を収束させる空気噴射手段とを備えたことにより、
被洗浄部周辺に飛散した洗浄水を被洗浄部に収束させ、
水滴を大きく形成した後、被洗浄部に空気を噴射するこ
とにより、残留水滴を風で拭い去ることで、乾燥時間を
短縮することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を添付図面に
基づいて説明する。第１図及び第２図は本発明の一実施
例を示したもので、この第１図及び第２図中、従来例で
示した第９図と同一部品については同一番号を付してい
る。１１は本体ケース内に装備した洗浄水圧送ポンプ
で、このポンプ１１は温水タンク１２を介して洗浄水噴
射ノズル８に連通している。１３は本体ケース４内に装
備した空気圧縮機で、この空気圧縮機１３は高圧空気溜
め１４を介して電磁流調弁１５と連通している。１６は
便座２に設けた空洞で、この空洞１６は前記電磁流調弁
１５と高圧ホース１７を介して連通し、かつ複数個の空
気噴射ノズル１８を設けている。また前記高圧空気溜め
１４には、メインスイッチ（図示せず）を投入して空気
圧縮機１３を動作させることにより、定圧の高圧空気が
溜められる。

【０００８】上記構成において動作を説明する。まず用
便後における使用者１０の被洗浄部を洗浄する場合は、
洗浄水噴射手段を操作すると、ポンプ１１が駆動されて
温水タンク１２内の温水が洗浄水噴射ノズル８より使用
者１０の被洗浄部に噴射されるため、使用者１０の被洗
浄部に付着した汚物は洗い落される。この洗浄後におい
て、次に空気高速噴射手段を操作すると、電磁流調弁１
５が開くため、高圧空気溜め１４内の空気は電磁流調弁
１５、高圧ホース１７を介して便座２の空洞１６内に送
り込まれ、そして複数個の空気噴射ノズル１８から高速
の空気が噴射される。なお、電磁流調弁１５は初期は開
度を絞り噴射ノズル１８から噴射する空気の流速を遅く
し、徐々に開度を広げ噴射ノズル１８から噴射する空気
の流速を早くする。これにより、使用者１０の洗浄部に
付着した残留水滴を被洗浄部に収束させる。この後、噴
射ノズル１８からの高速の空気により集められた残留水
滴は拭い去られる。この場合の乾燥は、加熱手段によ
り、短時間でむらなく乾燥を行うことができる。なお、
図４に示す通電パターン（Ａモード、Ｂモード、Ｃモー
ド）のいずれか１つのパターンで加熱手段へは通電され
るので、乾燥初期には、おしりにあたる風が冷たいと感
じるようなことは無い。また、乾燥終了間際に風が熱い
と感じることもない。Ａモード、Ｂモード、Ｃモードの
選択は選択スイッチ等（図示せず）によって行う。

【０００９】第３図には、噴射ノズルから噴射する高速
空気の収束方式を模式的に示している。（ａ）に示した
ものは複数（図示したものは５個所）の噴射ノズルから
噴射される各噴射領域（図示したものは５個所）を徐々
に重ならせて収束させる方式であり、（ｂ）は各噴射ノ
ズルから噴射される噴射領域を個々に狭めていく方式で
ある。第１図及び第２図に示した実施例においては、
（ｂ）に開示した方式で行っている。なお、（ｂ）に示
した方式を実施する場合には、噴射ノズルは１本でも十
分な機能を達成する。

【００１０】第５図〜第７図は本願の第２の実施例を示
したものである。なお、第５図〜第７図中、従来例で示
した第９図と同一部品には同一番号を付している。１９
は前記便座２の前後に各々上下自在に設けた空気噴射ノ
ズルで、この空気噴射ノズル１９は連通管２０を介して
前記高圧ホース１７に連通させている。また空気噴射ノ
ズル１９の上下動は、第７図に示すような構成により行
っているもので、２１は第６図に示す連通管２０に接続
された外筒２１内に上下動自在に気密状態で嵌挿されて
いる。２３は内筒２２に上下直進動を与える電動機構
で、この電動機構２３を下方定位置まで移動させ、かつ
スイッチのオフにより、内筒２２を上方に急速復帰させ
るものである。

【００１１】第８図は上記第２実施例の制御回路図を示
したもので、２４は電源、Ｓ１はメインスイッチ、Ｓ２
は操作スイッチで、ａ，ｂ，ｃの３つの接点を有してい
る。２５は空気圧縮機１３のモータ、２６は洗浄水圧送
用ポンプ１１のモータ、２７はタイマーモータ、２８は
電動機構２３を駆動させるモータ、１５は電磁弁、２９
は温風送風用ファンモータ、３０は温風発生用ヒータ、
ＴＳはタイマースイッチで、ｄ，ｅの２つの接点を有し
ている。

【００１２】上記構成において動作を説明する。メイン
スイッチＳ１を投入すると、空気圧縮機１３のモータ２
５が回転し、高圧空気溜め１４に高圧空気が溜められ
る。そして高圧空気溜め１４が定圧に達すると、アンロ
ーダ（図示せず）が働いて空気圧縮機１３のモータ２５
は停止する。そして用便後の使用者の被洗浄部を洗浄す
る場合は、操作スイッチＳ２をｂ接点に投入すると、洗
浄水圧送ポンプ１１のモータ２６が回転して温水を洗浄
水噴射ノズル８より使用者の被洗浄部に噴射するため、
その洗浄が行われる。この洗浄後において、使用者の洗
浄部に付着した残留水滴を除去する場合は、操作スイッ
チＳ２をｃ接点に切り換えると、タイマーモータ２７が
駆動されると共に、タイマースイッチＴＳがｄ接点に接
続されているため、電磁流調弁１５が開かれると共に、
電動機構２３を駆動させるモータ２８の運転が開始され
る。この時、前記空気圧縮機１３のモータ２５が回転し
ているため、空気噴射ノズル１９から高速の空気が第３
図に示すように、使用者１０の被洗浄部周辺に向けて噴
射されると共に、空気噴射ノズル１９は第５図及び第７
図に示すように、電動機構２３の働きにより、点線から
実線の状態にしだいに下降する。このような動作によ
り、高速の空気は第５図に示すように、使用者１０の被
洗浄部周辺から被洗浄部へ順次移動掃引するように噴射
されて残留水滴の除去を行う。この空気噴射は本実施例
においては３秒間行われるもので、この時間が経過する
と、タイマーモータ２７の働きによりタイマースイッチ
ＴＳがｄ接点からｅ接点に切り換えられる。これによ
り、電磁流調弁１５が閉塞されて高速空気の噴射が停止
すると共に、電動機構２３を駆動させるモータ２８の通
電が停止されるため、空気噴射ノズル１９は電動機構２
３の復帰力により点線の状態に復帰する。

【００１３】前記タイマースイッチＴＳがｄ接点からｅ
接点に切り換えられることにより、今度は温風送風用フ
ァンモータ２９と温風発生用ヒータ３０に通電がなされ
るため、残留水滴の除去に引き続いて自動的に温風乾燥
が行われる。

【００１４】上記第２の実施例は、前後に配置した１組
の空気噴射ノズルを上下動させることによって、使用者
の洗浄部に噴射させる位置を被洗浄部周辺から被洗浄部
へ順次移動掃引するように高速空気を噴射させて残留水
滴の除去を行うものであるため、高圧空気の消費量が少
なくなり、その結果、空気圧縮機１３の高圧空気溜め１
４を小容量に構成することができるものである。

【００１５】以上のように本願発明によれば、洗浄後の
使用者の被洗浄部に向かって空気を高速噴射して残留付
着水滴を飛散または拡散させる空気高速噴射手段を有し
ているため、今迄紙で水滴を拭いただけで下着を装着し
ていた使用者にとっては、瞬時的な高速空気の噴射の
後、紙で拭かなくても下着の装着が可能になると共に、
完全に温風で乾燥させたい使用者にとっても、水滴が除
去された後の残湿分を乾燥させるだけなので、その乾燥
時間も大幅に短縮できる利点を有する。

【００１６】いずれにしても紙を用いて水滴を除去する
作業が不要になるので、清潔でかつ衛生的な局部洗浄装
置の特質が十分に生かされる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す局部洗浄装置の部
分側断面図

【図２】同局部洗浄装置の上面図

【図３】（ａ）複数の噴射ノズルの噴射領域の重なり領
域移行説明図 （ｂ）噴射ノズルの噴射領域移行説明図

【図４】同局部洗浄装置の加熱手段への使用時間とヒー
タ通電との関係を示す特性図

【図５】本発明の第２の実施例を示す局部洗浄装置の部
分側断面図

【図６】同局部洗浄装置の上面図

【図７】同洗浄装置における便座の部分側面図

【図８】同洗浄装置の制御回路図

【図９】従来の局部洗浄装置の部分側断面図

【符号の説明】

１…便器本体 ２…便座 ３…便蓋 ４…本体ケース ５…装置 ６…風路 ８…洗浄水噴射ノズル １０…使用者 １１…洗浄水圧送用ポンプ １２…温水タンク １３…空気圧縮機 １５…電磁流調弁 １６…空洞 １７…高圧ホース １８…空気噴射ノズル １９…空気噴射ノズル ２０…連通管 ２１…外筒 ２２…内筒 ２３…電動機構 ２５…モータ ２６…モータ ２７…タイマーモータ ２８…モータ ２９…温風送風用ファンモータ ３０…温風発生用ヒータ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷田 雅敏 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 便座に着座した使用者の被洗浄部に洗浄
   水を噴射する洗浄水噴射手段と、この洗浄水噴射手段に
   よる洗浄後の使用者の被洗浄部周辺に空気を噴射し終期
   になるにつれ徐々に噴射範囲を狭め終期には被洗浄部の
   みに空気を噴射して残留付着水滴を収束させる空気噴射
   手段とを備えた局部洗浄装置。
2. 【請求項２】 便座に着座した使用者の被洗浄部に洗浄
   水を噴射する洗浄水噴射手段と、前記被洗浄部付近に空
   気を噴射する空気噴射機構及び前記空気噴射機構を移動
   させて前記空気噴射機構から噴射される空気が前記被洗
   浄部付近に噴射される範囲を徐々に狭めて終期には被洗
   浄部のみに空気を噴射して残留付着水滴を収束させる収
   束機構とで構成した空気噴射手段とを備えた局部洗浄装
   置。
3. 【請求項３】 該空気噴射手段から噴射する空気を加熱
   する加熱手段を備えた請求項１若しくは請求項２記載の
   局部洗浄装置。
4. 【請求項４】 前記加熱手段による加熱は、初めは強く
   徐々に弱くなるようにしたことを特徴とする請求項３記
   載の局部洗浄装置。