JPH11130936A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

Info

Publication number
JPH11130936A
JPH11130936A JP29441297A JP29441297A JPH11130936A JP H11130936 A JPH11130936 A JP H11130936A JP 29441297 A JP29441297 A JP 29441297A JP 29441297 A JP29441297 A JP 29441297A JP H11130936 A JPH11130936 A JP H11130936A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin composition
group
formula
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29441297A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Osuga
浩規 大須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP29441297A priority Critical patent/JPH11130936A/ja
Publication of JPH11130936A publication Critical patent/JPH11130936A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エリア実装用半導体パッケージに関し、室温
及び半田付け工程での反りが少なく、耐半田性や耐温度
サイクル性などの信頼性に優れ、かつ成形性にも優れた
半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びそれを用いた半
導体装置を提供すること。 【解決手段】 エポキシ樹脂、一般式(1)のフェノー
ル樹脂硬化剤、かつ一般式(2)のオルガノポリシロキ
サンを0.05〜2重量%含み、さらに硬化促進剤及び
溶融シリカ粉末からなる半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形性、信頼性、実
装性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び樹脂
封止型半導体装置に関し、更に詳述すればプリント配線
板や金属リードフレームの片面に半導体素子を搭載し、
その搭載面側の実質的に片面のみを樹脂封止されたいわ
ゆるエリア実装型半導体装置において、樹脂封止後の反
りや基板実装時の半田付け工程での反りが小さく、また
温度サイクル試験での耐パッケージクラック性や半田付
け工程での耐パッケージクラック性や耐剥離性に優れ、
かつ成形性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物及
びその組成物により半導体素子が封止されてなる半導体
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、軽量化、高性
能化の市場動向において、半導体の高集積化が年々進
み、又半導体パッケージの表面実装化が促進されるなか
で、新規にエリア実装のパッケージが開発され、従来構
造のパッケージから移行し始めている。エリア実装パッ
ケージとしてはBGA(ボールグリッドアレイ)あるい
は更に小型化を追求したCSP(チップサイズパッケー
ジ)が代表的であるが、これらは従来QFP、SOPに
代表される表面実装パッケージでは限界に近づいている
多ピン化・高速化への要求に対応するために開発された
ものである。構造としては、BT樹脂/銅箔回路基板
(ビスマレイミド・トリアジン/ガラスクロス基板)に
代表される硬質回路基板、あるいはポリイミド樹脂フィ
ルム/銅箔回路基板に代表されるフレキシブル回路基板
の片面上に半導体素子を搭載し、その素子搭載面、即ち
基板の片面のみがエポキシ樹脂組成物などで成形・封止
されている。また、基板の素子搭載面の反対面には半田
ボールを2次元的に並列して形成し、パッケージを実装
する回路基板との接合を行う特徴を有している。更に、
素子を搭載する基板としては、上記有機回路基板以外に
もリードフレーム等の金属基板を用いる構造も考案され
ている。
【0003】これらエリア実装型半導体パッケージの構
造は基板の素子搭載面のみを樹脂組成物で封止し、半田
ボール形成面側は封止しないという片面封止の形態をと
っている。ごく希に、リードフレーム等の金属基板など
では、半田ボール形成面でも数十μm程度の封止樹脂層
が存在することもあるが、素子搭載面では数百μmから
数mm程度の封止樹脂層が形成されるため、実質的に片
面封止となっている。このため、有機基板や金属基板と
樹脂組成物の硬化物との間での熱膨張・熱収縮の不整
合、あるいは樹脂組成物の成形・硬化時の硬化収縮によ
る影響により、これらのパッケージでは成形直後から反
りが発生しやすい。また、これらのパッケージを実装す
る回路基板上に半田接合を行う場合、200℃以上の加
熱工程を経るが、この際にパッケージの反りが発生し、
多数の半田ボールが平坦とならず、パッケージを実装す
る回路基板から浮き上がってしまい、電気的接合信頼性
が低下する問題も起こる。基板上の実質的に片面のみを
樹脂組成物で封止したパッケージにおいて、反りを低減
するには、基板の線膨張係数と樹脂組成物硬化物の線膨
張係数を近付けること、及び樹脂組成物の硬化収縮を小
さくする二つの方法が重要である。基板としては有機基
板ではBT樹脂やポリイミド樹脂のような高ガラス転移
温度の樹脂が広く用いられており、これらはエポキシ樹
脂組成物の成形温度である170℃近辺よりも高いガラ
ス転移温度を有する。従って、成形温度から室温までの
冷却過程では有機基板のα1 の領域のみで収縮する。従
って、樹脂組成物もガラス転移温度が高くかつα1 が回
路基板と同じであり、さらに硬化収縮がゼロであれば反
りはほぼゼロであると考えられる。このため、多官能型
エポキシ樹脂と多官能型フェノール樹脂との組み合わせ
によりガラス転移温度を高くし、無機質充填材の配合量
でα1 を合わせる手法が既に提案されている。
【0004】また、赤外線リフロー、ベーパーフェイズ
ソルダリング、半田浸漬などの手段での半田処理による
半田接合を行う場合、樹脂組成物の硬化物並びに有機基
板からの吸湿によりパッケージ内部に存在する水分が高
温で急激に気化することによる応力でパッケージにクラ
ックが発生したり、基板の素子搭載面と樹脂組成物の硬
化物との界面で剥離が発生することもあり、硬化物の低
応力化・低吸湿化とともに、基板との密着性も求められ
る。さらに、基板と硬化物の熱膨張係数の不整合によ
り、信頼性テストの代表例である温度サイクル試験で
も、基板/硬化物界面の剥離やパッケージクラックが発
生する。従来のQFPやSOPなどの表面実装パッケー
ジでは、半田実装時のクラックや各素材界面での剥離の
防止のために、ビフェニル型エポキシ樹脂に代表される
ような結晶性エポキシ樹脂と可撓性骨格を有するフェノ
ール樹脂硬化剤とを組み合わせて用い、かつ無機質充填
材の配合量を増加することにより、低ガラス転移温度化
かつ低吸湿化を行う対策がとられてきた。しかし、この
手法では、片面封止パッケージにおける反りの問題は解
決できないのが現状であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エリア実装
パッケージでの成形後や半田処理時の反りが小さく、ま
た基板との接着性に特に優れるため温度サイクル試験や
半田処理時などの信頼性に優れる半導体封止用エポキシ
樹脂組成物及びそれにより半導体素子が封止された半導
体装置の開発を目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)エポキ
シ樹脂、(B)一般式(1)で示されるフェノール樹脂
硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)溶融シリカ粉末、及
び(E)総エポキシ樹脂組成物中に0.05〜2重量%
含まれ、一般式(2)で示されるアルコキシ基及び/又
はアルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサンから
なることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物
及びそれにより半導体素子が封止された半導体装置であ
る。そして好ましくは、(A)一般式(3)、(4)で
示される多官能エポキシ樹脂及び/又は式(5)〜
(9)で示され、かつ融点が50〜150℃の結晶性エ
ポキシ樹脂の群から選択される少なくとも一つのエポキ
シ樹脂、(B)一般式(1)で示されるフェノール樹脂
硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)溶融シリカ粉末、及
び(E)総エポキシ樹脂組成物中に0.05〜2重量%
含まれ、一般式(2)で示されるアルコキシ基及び/又
はアルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサンから
なることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物
及びそれにより半導体素子が封止された半導体装置に関
するものである。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】式(1)中のRはハロゲン原子又は炭素数
1〜12のアルキル基を示し、互いに同一であっても、
異なっていてもよい。lは1〜10の正の整数、mは0
もしくは1〜3の正の整数、及びnは0もしくは1〜4
の正の整数である。式(2)中のR1は炭素数1〜12
のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選択され
る有機基を示し、互いに同一であっても、異なっていて
もよい。AはOR3(アルコキシ基)又はR2Si(R3)p
(OR3)3-p(アルコキシシリル基)を示し、R2は炭素
数1〜9のアルキレン基、R3は炭素数1〜9のアルキ
ル基をそれぞれ示し、それらは互いに同じであっても、
異なっていてもよい。pは0〜2までの整数を示す。B
は炭素、窒素、酸素、硫黄、水素原子から選択される原
子により構成される1価の有機基を示す。R4はA,B
又はR1を示す。また、l、m、nについては以下の関
係にある。 l+m+n≧5、l≧0、n≧0、m/(l+m+n)
=0.05〜0.8 式(3)、(4)及び(9)中のRはハロゲン原子又は
炭素数1〜12のアルキル基を示し、互いに同一であっ
ても、異なっていてもよい。lは1〜10以下の正の
数、mは0もしくは1〜3の正の整数、及びnは0もし
くは1〜4の正の整数である。式(5)〜(8)中のR
は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜12のアルキ
ル基を示し、互いに同一であっても、異なっていてもよ
い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる(A)成分のエポキシ樹脂は、エポ
キシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を
指し、例えば、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、
ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹
脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、オ
ルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール
型エポキシ樹脂等が挙げられる。又、これらのエポキシ
樹脂は、単独もしくは混合して用いても差し支えない。
これらのエポキシ樹脂のうち式(3)で示される通常ト
リフェノールメタン型エポキシ樹脂と総称される樹脂ま
たは式(4)で示されるエポキシ樹脂は、式(1)のフ
ェノール樹脂硬化剤との組み合わせにより硬化物の架橋
密度が高く、高いガラス転移温度となり、また硬化収縮
率が小さい特徴を有するため、本エポキシ樹脂組成物の
用途であるエリア実装半導体パッケージの封止では反り
の低減に効果的である。式(3)及び式(4)の具体例
として以下のものが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0013】
【化9】
【0014】
【化10】
【0015】また、式(5)〜(9)で示され、かつ融
点が50〜150℃の結晶性エポキシ樹脂は、1分子中
にエポキシ基を2個有するジエポキシ化合物またはこれ
らのオリゴマーである。これらのエポキシ樹脂はいずれ
も結晶性を示すため、融点未満の温度では固体である
が、融点以上の温度で低粘度の液状物質となる。このた
めこれらを用いたエポキシ樹脂組成物は溶融状態で低粘
度を示すため成形時に樹脂組成物の流動性が高く、薄型
パッケージへの充填性に優れる。従って、溶融シリカ粉
末の配合量を増量して、得られるエポキシ樹脂組成物硬
化物の吸湿率を低減し、耐半田リフロー性を向上させる
手法をとるに際してはこれら結晶性エポキシ樹脂の使用
が好ましい。これらの結晶性エポキシ樹脂は1分子中の
エポキシ基の数が2個と少なく、一般的には架橋密度が
低く、耐熱性の低い硬化物しか得られない。しかし構造
として剛直な平面ないし棒状骨格を有しており、かつ結
晶化する性質、即ち分子同士が配向しやすいという特徴
を有するため、一般式(1)で示される多官能型フェノ
ール樹脂硬化剤と組み合わせて用いた場合、硬化後ガラ
ス転移温度などの耐熱性を低下させ難い。このため、こ
れら結晶性エポキシ樹脂と一般式(1)で示されるフェ
ノール樹脂硬化剤との組み合わせによるエポキシ樹脂組
成物で封止された半導体パッケージは反り量を小さくで
きる。さらに一旦ガラス転移温度を越えた温度領域では
低官能基数化合物の特徴である低弾性率を示すため、半
田処理温度での低応力化に効果的である。このため、半
田処理でのパッケージクラック発生や基板と樹脂組成物
界面の剥離発生を防止する効果がある。上記結晶性エポ
キシ樹脂は50℃未満の融点では、エポキシ樹脂組成物
の製造工程において融着を起こしやすく、作業性が著し
く低下する。また、150℃を越える融点を示す結晶性
エポキシ樹脂では、エポキシ樹脂組成物を加熱混練する
製造工程で充分に溶融しないため、材料の均一性に劣る
といった問題点を有する。融点の測定方法は、示差走査
熱量計[セイコー電子(株)SSC520、昇温速度5℃
/分]で吸熱ピーク温度から求められる。以下にこれら
結晶性エポキシ樹脂の具体例を示すがこれらに限定され
るものではない。
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】
【化13】
【0019】
【化14】
【0020】また、パッケージの反りの低減と成形時の
高流動化、及び実装時の耐半田性の両立という観点から
は上記一般式(3)、(4)で示される多官能エポキシ
樹脂を総エポキシ樹脂中に20〜80重量%含み、さら
に式(5)〜(9)で示され、かつ融点50〜150℃
の結晶性エポキシ樹脂を総エポキシ樹脂中に20重量%
以上を含むことが特に好ましい。
【0021】本発明で用いられるB成分の式(1)で示
されるフェノール樹脂硬化剤はいわゆるトリフェノール
メタン型フェノール樹脂と呼ばれるもので、具体例を以
下に示すがこれらに限定されるものではない。
【化15】
【0022】これらフェノール樹脂を使用すると硬化物
の架橋密度が高くなり、高いガラス転移温度の硬化物が
得られる。このため、得られたエポキシ樹脂組成物によ
り封止されたパッケージの反りが低減できる。式(1)
のフェノール樹脂は他のフェノール樹脂と適宜併用可能
であり、特に限定されるものではないが、フェノールノ
ボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトール
ノボラック樹脂等が挙げられる。
【0023】本発明で用いられる(C)成分の硬化促進
剤としては、前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤
との架橋反応の触媒となり得るものを指し、具体的には
トリブチルアミン等のアミン系化合物、トリフェニルホ
スフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェ
ニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−メチルイミ
ダゾール等のイミダゾール化合物等が例示できるがこれ
らに限定されるものではない。これらの硬化促進剤は単
独であっても混合して用いても差し支えない。
【0024】本発明で用いられる(D)成分の溶融シリ
カ粉末は、破砕状、球状のいずれでも使用可能である
が、溶融シリカ粉末の配合量を高め、かつ樹脂組成物の
溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状シリカを主に用
いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるた
めには、球状シリカの粒度分布をより広くとるよう調整
することが望ましい。
【0025】本発明で用いられる(E)成分のオルガノ
ポリシロキサンは一般式(2)で表すことができ、その
分子中にアルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を
有することが必須である。一般的に、エポキシ樹脂組成
物にオルガノポリシロキサンを配合することにより、エ
ポキシ樹脂組成物の成形時の均一流動性が向上し、金型
への未充填を防止するとともに素子に張られた金線の変
形量を小さく抑える効果がある。一方、オルガノポリシ
ロキサンにアルコキシ基或いはアルコキシシリル基を導
入することにより、更に以下の効果がある。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物の用途である
エリア実装用半導体パッケージでは基板の実質的に片面
(素子搭載面)のみにエポキシ樹脂組成物を成形して封
止するが、その基板の素子搭載面とエポキシ樹脂組成物
との間に各種の界面が存在する。基板が回路基板の場合
には銅箔回路及び一部回路上に金メッキ面が存在し、そ
れら金属との界面の接着力が低いと吸湿半田後に剥離が
生じ、電気的信頼性を著しく低下させる。ところが、一
般にオルガノポリシロキサンはこれら金属との接着力を
低下させるため、エポキシ樹脂組成物への添加量を少な
くしても封止されたパッケージの信頼性を損なう結果と
なる。ところが、オルガノポリシロキサンにアルコキシ
基あるいはアルコキシシリル基を導入すると、これら金
属との接着性が向上するため、エポキシ樹脂組成物の均
一流動性と金属への接着性の両立化が可能となる。
【0027】さらに、基板上の銅箔回路には絶縁性確保
や回路保護のためにソルダーレジスト層が形成されるの
が一般的である。このためエポキシ樹脂組成物は銅、金
などの金属だけでなくソルダーレジスト界面との接着力
が重要である。ところがソルダーレジスト中にはその表
面平滑性の付与や脱泡効果の付与のためにシリコーン系
添加剤を含有しており、これがソルダーレジスト層の表
面にブリードアウトするため、エポキシ樹脂組成物の硬
化物界面での接着力が著しく低下する。接着力の低下は
パッケージの吸湿後半田処理において、同様にエポキシ
樹脂組成物の硬化物と基板界面の剥離発生原因となり、
信頼性が大きく低下する。これに対し、アルコキシ基あ
るいはアルコキシシリル基を含有するオルガノポリシロ
キサンを添加することにより、ソルダーレジスト表面と
エポキシ樹脂組成物との親和性が向上するため界面の接
着力が向上し、パッケージの信頼性が向上する。
【0028】また、アルコキシ基或いはアルコキシシリ
ル基はエポキシ樹脂組成物の配合前にあらかじめ加水分
解処理を行い、シラノール基に変化させておくと、特に
金属との接着性が向上する。加水分解としてはオルガノ
ポリシロキサンをアルコール/水混合液に溶解し、室温
で数〜数十時間攪拌しておくだけで進行する。アルコキ
シ基或いはアルコキシシリル基数(m)はオルガノポリ
シロキサンの重合度(l+m+n)に対し0.05〜
0.8の範囲にあることが好ましい。0.05未満では
金属やソルダーレジストとの接着力向上効果が得られ
ず、また0,8を越えるとアルコキシ基或いはアルコキ
シシリル基同士の反応が起こり、オルガノポリシロキサ
ンの粘度が経時的に増大してしまい、エポキシ樹脂組成
物の成形時の流動性が低下するとともに、エポキシ樹脂
組成物の吸湿率が増大し耐半田性が低下する。
【0029】オルガノポリシロキサン分子中にはアルコ
キシ基及び/またはアルコキシシリル基以外にも炭素、
酸素、窒素、硫黄、水素原子からなる種々の官能基を有
していても差し支えがない。これらの官能基としてはエ
ポキシ基、水酸基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト
基、ポリエーテル基等エポキシ樹脂やフェノール樹脂硬
化剤との反応性を有する基、或いは相溶性を向上させる
基が例示される。これらのなかでは特にポリエーテル基
がソルダーレジストとの密着性向上に効果的である。オ
ルガノポリシロキサンの添加量は総エポキシ樹脂組成物
の0,05〜2重量%の範囲内であることが好ましい。
0.05重量%未満ではエポキシ樹脂組成物の成形時の
流動性が低下し、金線の変形量が大きく、またソルダー
レジストとの接着力向上効果が得られない。また2重量
%を越えると、成形時に成形品や金型の表面を汚染させ
てしまうなど成形性の低下をきたす。
【0030】本発明の樹脂組成物は、(A)〜(E)ま
での必須成分以外にも必要に応じて臭素化エポキシ樹
脂、三酸化アンチモン等の難燃剤、カップリング剤、カ
ーボンブラックに代表される着色剤、天然ワックス及び
合成ワックス等の離型剤等が適宜配合可能である。樹脂
組成物とするには各成分を混合後、加熱ニーダや熱ロー
ルにより加熱混練し、続いて冷却、粉砕することで目的
とする樹脂組成物が得られる。本発明の半導体装置は、
上述の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用い、トラン
スファ−成形、圧縮成形、射出成形等により、半導体素
子を封止することにより得られる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する。 《実施例1》 ・式(10)で示される構造を主成分とするエポキシ樹脂: [油化シェルエポキシ(株)製、商品名エピコート1032H、軟化点60
℃、 エポキシ当量170] 6.1重量部 ・式(11)で示される構造を主成分とするビフェニルエポキシ樹脂: [油化シェルエポキシ(株)製、商品名YX−4000H、融点105℃、エポ キシ当量195] 3.0重量部 ・式(12)で示されるフェノール樹脂: [明和化成(株)製、商品名MEH−7500、軟化点107℃、水酸基当量9 7] 4.9重量部 ・式(13)で示されるオルガノポリシロキサン: 0.5重量部 ・トリフェニルホスフィン: 0.2重量部 ・球状溶融シリカ: 84.5重量部 ・カルナバワックス: 0.5重量部 ・カーボンブラック: 0.3重量部 上記の全成分をミキサーにより混合した後、表面温度が
90℃と45℃の2本ロールを用いて30回混練し、得
られた混練物シートを冷却後粉砕して、樹脂組成物とし
た。得られた樹脂組成物の特性を以下の方法で評価をし
た。評価結果を表1に示す。
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】《実施例2〜8及び比較例1〜2》実施例
1を基本配合として、式(10)及び(11)のエポキ
シ樹脂及び式(12)のフェノール樹脂の種類並びにそ
れらの配合量を変えて、その他は基本配合と同じ割合で
各成分を配合し、実施例1と同様に混合、混練して樹脂
組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。配合処
方及び評価結果を表1及び表3に示す。
【0035】《実施例9〜13及び比較例3〜4》実施
例1を基本配合として、オルガノポリシロキサンの種類
を変えて、その他は基本配合と同じ割合で各成分を配合
し、実施例1と同様に混合、混練して樹脂組成物を得
た。実施例1と同様に評価を行った。配合処方及び評価
結果を表2及び表3に示す。
【0036】《実施例14〜15及び比較例5〜6》実
施例1を基本配合として、式(13)のオルガノポリシ
ロキサンの配合量を変え、それに伴いその他の成分の配
合割合を変えて配合し、実施例1と同様に混合、混練し
て樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
配合処方及び評価結果を表2及び表3に示す。
【0037】上記実施例及び比較例で使用した式(1
4)〜(18)のエポキシ樹脂、式(19)、(20)
のフェノール樹脂及び式(21)〜(27)のオルガノ
ポリシロキサンの構造及び性状を以下に示す。
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】
【化20】
【0040】
【化21】
【0041】
【化22】
【0042】
【化23】
【0043】・式(14)で示される構造を主成分とす
るエポキシ樹脂:融点144℃、エポキシ当量175 ・式(15)で示される構造を主成分とするエポキシ樹
脂:融点103℃、エポキシ当量225 ・式(16)で示される構造を主成分とするエポキシ樹
脂:融点133℃、エポキシ当量182 ・式(17)で示される構造を主成分とするエポキシ樹
脂:融点 82℃、エポキシ当量190 ・式(18)で示される構造を主成分とするエポキシ樹
脂:軟化点65℃、エポキシ当量210 ・式(19)のフェノール樹脂:軟化点80℃、水酸基
当量104 ・式(20)のフェノール樹脂:軟化点72℃、水酸基
当量171
【0044】《評価方法》 ・スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパ
イラルフロー測定用の金型を用いて、金型温175℃、
注入圧力70kg/cm2 、硬化時間2分で測定した。 ・ガラス転移温度(Tg)及び線膨張係数(α1):1
75℃、2分間トランスファー成形したテストピースを
更に175℃、8時間後硬化し、熱機械分析装置[セイ
コー電子(株)製TMA−120、昇温速度5℃/分]に
より測定した。 ・熱時弾性率:240℃での曲げ弾性率をJIS−K6
911の試験条件により測定した。 ・硬化収縮率:テストピースを180℃の金型温度、7
5kg/cm2 の射出圧力で2分間トランスファー成形
し、更に175℃で8時間、後硬化した。180℃に加
熱された状態の金型のキャビティ寸法と180℃に加熱
された成形品の寸法をノギスにより測定し、成形品寸法
/金型キャビティ寸法の比率で硬化収縮率を表した。
【0045】・パッケージ反り量:225ピンBGAパ
ッケージ(基板は0.36mm厚BT樹脂基板、パッケ
ージサイズは24×24mm、厚み1.17mm、シリ
コンチップはサイズ9×9mm、厚み0.35mm、チ
ップと回路基板のボンディングパッドとを25μm径の
金線でボンディングしている)を180℃の金型温度、
75kg/cm2 の射出圧力で2分間トランスファー成
形を行い、更に175℃で8時間、後硬化した。室温に
冷却後パッケージのゲートから対角線方向に、表面粗さ
計を用いて高さ方向の変位を測定し、変異差の最も大き
い値を反り量とした。 ・耐半田性:パッケージ反り量測定に用いた成形品パッ
ケージを85℃、相対湿度60%の環境下で168時間
放置し、その後240℃の半田槽に10秒間浸漬した。
超音波探傷機を用いてパッケージを観察し、内部クラッ
ク数及び基板/樹脂組成物界面の剥離数を(発生パッケ
ージ数)/(全パッケージ数)の%表示で表した。 ・金線変形量:パッケージ反り量評価で成形した225
ピンBGAパッケージを軟X線透視装置で観察し、金線
の変形率を(流れ量)/(金線長)で%表示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、これを用いたエリア実装型半導体装置の室温及び
半田付け工程での反りが小さく、また特に基板上の金属
面やソルダーレジスト層との密着性に優れるため耐半田
性や耐温度サイクル性などの信頼性に優れるものであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 59/62 C08G 59/62 C08K 3/36 C08K 3/36 C08L 83/06 C08L 83/06 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)一般式
    (1)で示されるフェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促
    進剤、(D)溶融シリカ粉末、及び(E)総エポキシ樹
    脂組成物中に0.05〜2重量%含まれ、一般式(2)
    で示されるアルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基
    含有オルガノポリシロキサンからなることを特徴とする
    半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 式(1)中のRはハロゲン原子又は炭素数1〜12のア
    ルキル基を示し、互いに同一であっても、異なっていて
    もよい。lは1〜10の正の整数、mは0もしくは1〜
    3の正の整数、及びnは0もしくは1〜4の正の整数で
    ある。式(2)中のR1は炭素数1〜12のアルキル
    基、アリール基、アラルキル基から選択される有機基を
    示し、互いに同一であっても、異なっていてもよい。A
    はOR3[アルコキシ基]又はR2Si(R3)p(OR3)3-p
    [アルコキシシリル基]を示し、R2は炭素数1〜9の
    アルキレン基、R3は炭素数1〜9のアルキル基をそれ
    ぞれ示し、それらは互いに同じであっても、異なってい
    てもよい。pは0〜2までの整数を示す。Bは炭素、窒
    素、酸素、硫黄、水素原子から選択される原子により構
    成される1価の有機基を示す。R4はA,B又はR1を示
    す。また、l、m、nについては以下の関係にある。 l+m+n≧5、l≧0、n≧0、m/(l+m+n)
    =0.05〜0.8
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂が、一般式(3)、(4)
    で示される多官能エポキシ樹脂及び/又は式(5)〜
    (9)で示され、かつ融点が50〜150℃の結晶性エ
    ポキシ樹脂の群から選択される少なくとも一つのエポキ
    シ樹脂である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂
    組成物。 【化2】 【化3】 【化4】 式(3)、(4)及び(9)中のRはハロゲン原子又は
    炭素数1〜12のアルキル基を示し、互いに同一であっ
    ても、異なっていてもよい。lは1〜10の正の数、m
    は0もしくは1〜3の正の整数、及びnは0もしくは1
    〜4の正の整数である。式(5)〜(8)中のRは水素
    原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜12のアルキル基を
    示し、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の半導体封止用エポ
    キシ樹脂組成物によって、半導体素子が封止されている
    ことを特徴とする半導体装置。
JP29441297A 1997-10-27 1997-10-27 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Pending JPH11130936A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29441297A JPH11130936A (ja) 1997-10-27 1997-10-27 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29441297A JPH11130936A (ja) 1997-10-27 1997-10-27 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11130936A true JPH11130936A (ja) 1999-05-18

Family

ID=17807425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29441297A Pending JPH11130936A (ja) 1997-10-27 1997-10-27 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11130936A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279056A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Toray Ind Inc 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2002161128A (ja) * 2000-11-28 2002-06-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2009256475A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Nitto Denko Corp 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2010080878A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Sony Chemical & Information Device Corp プリント配線板およびその製造方法
JP4491900B2 (ja) * 2000-03-28 2010-06-30 パナソニック電工株式会社 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2012241151A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Nitto Denko Corp 電子部品封止用樹脂組成物およびそれを用いた電子部品装置
JP2021193158A (ja) * 2020-06-08 2021-12-23 信越化学工業株式会社 熱硬化性エポキシ樹脂組成物、熱硬化性エポキシ樹脂シート、及びその硬化物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4491900B2 (ja) * 2000-03-28 2010-06-30 パナソニック電工株式会社 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2001279056A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Toray Ind Inc 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2002161128A (ja) * 2000-11-28 2002-06-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2009256475A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Nitto Denko Corp 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2010080878A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Sony Chemical & Information Device Corp プリント配線板およびその製造方法
JP2012241151A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Nitto Denko Corp 電子部品封止用樹脂組成物およびそれを用いた電子部品装置
JP2021193158A (ja) * 2020-06-08 2021-12-23 信越化学工業株式会社 熱硬化性エポキシ樹脂組成物、熱硬化性エポキシ樹脂シート、及びその硬化物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11147936A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3292452B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2768088B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物及び半導体装置
JP3365725B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPH11130936A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3240861B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2000273280A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3608930B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP4770024B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3649554B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3844098B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2954412B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP4370666B2 (ja) 半導体装置
JP2000169677A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3390335B2 (ja) 半導体装置
JPH1160901A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3206317B2 (ja) エポキシ樹脂組成物の製造法及びエポキシ樹脂組成物
JPH1192629A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2658752B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPH1192631A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPH11130937A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP4513195B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3292456B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP4491884B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPH1192630A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置