JPH11129186A - 産業用ロボット及びその故障検出方法並びに産業用ロボット用故障検出プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

産業用ロボット及びその故障検出方法並びに産業用ロボット用故障検出プログラムを記録した記録媒体

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JPH11129186A
JPH11129186A JP9312884A JP31288497A JPH11129186A JP H11129186 A JPH11129186 A JP H11129186A JP 9312884 A JP9312884 A JP 9312884A JP 31288497 A JP31288497 A JP 31288497A JP H11129186 A JPH11129186 A JP H11129186A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロボットアーム、サーボモータ25、及びエン
コーダ26からなるロボット機構部28と、位置ループ22、
速度ループ23、及び電流ループ24からなるサーボ制御系
29を有する産業用ロボットにおいて、稼働中においても
随時ロボット機構部28及びサーボ制御系29の故障検出が
可能な装置及び方法を提供する。 【解決手段】 ロボット機構部28を構成する各駆動軸へ
の指令データとしての指令角度θd 、各駆動軸を駆動す
るサーボモータ25の位置データとしての実角度θi 、及
びサーボモータ25の駆動電流Ii に基づいて、サーボ制
御系29の入力側である指令側の仕事率Wd 、サーボ制御
系29の出力側あるいはロボット機構部28の入力側である
駆動側の仕事率Wi 、及びロボット機構部28の出力側で
ある負荷側の仕事率Wo を算出し、負荷側と駆動側との
仕事率の比または差よりロボット機構部28の故障の有無
を判定するとともに、指令側と駆動側との仕事率の比ま
たは差よりサーボ制御系29の故障の有無を判定するよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーボモータによ
り駆動される産業用ロボットについて、生産ラインの稼
働中にその作業内容に依存することなく、サーボ制御系
及びロボット機構部の故障の有無を検出することができ
る産業用ロボット及びその故障検出方法並びに故障検出
プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ロボットは、長期にわたる使用に
より、アーム及びその駆動モータを主体とするロボット
機構部の駆動力伝達系を構成する歯車等が摩耗し、これ
によりその動作や制御精度等に悪影響を来すことにな
る。一般に、このような現象は外部から容易に予測でき
ず、また悪影響が現れるまでは放置されがちになるの
で、以前は歯車等が破損するような状況が生ずるように
なってから対策がとられることが頻繁にあった。
【0003】これに対処するために、例えば特開昭63
−123105号では、ロボットが正常な状態のとき、
例えばロボット本体の新規導入時や定期のメンテナンス
終了時に、予め設定された基準となる動作パターンにて
ロボットを実際に動作させ、このときの動作データを基
準データとして予め測定し、この基準データをロボット
制御装置の記憶装置に記録しておく。そして、所定の動
作時間を経過した後に、定期的に、再度同様にして基準
となる動作パターンにてロボットを実際に動作させ、こ
のときの動作データを測定し、この動作データを前述の
基準データと比較し、その差異から故障の有無を診断す
るようにしている。この動作データとして、特開昭63
−123105号では、サーボ制御ずれ(偏差)を用い
ているため、故障の有無を診断するための専用のセンサ
を設ける必要がないとされ、また、アーム及びその駆動
モータ・減速機等を主体とするロボット機構部、及びこ
のロボット機構部を制御するサーボ制御系を総合的に診
断することができるという利点があるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この特開昭6
3−123105号の方法では、ロボットの正常状態に
おける動作データを基準データとして個々のロボット毎
に測定し、この基準データを記憶しておく必要性があ
り、また、診断過程においては基準となる動作パターン
でロボットを動作させなければならないために、生産ラ
インの稼働中には診断を行えないという問題点があり、
さらには、生産ラインの稼働時における実際の動作パタ
ーンに特化したような故障については、診断精度を上げ
ることが難しいという問題点もあった。
【0005】本発明は従来技術のこれらの問題点を解決
するためになされたものであり、サーボモータにより駆
動される産業用ロボットのロボット機構部及びこのロボ
ット機構部を制御するサーボ制御系の故障について、生
産ラインの稼働中にその作業内容に依存することなく、
特に、ロボットの正常状態での動作パターンにおける動
作データをを基準データとして予め測定することなく、
また、生産ラインの稼働中においても随時診断を行うこ
とができ、さらに、生産ラインの稼働時における実際の
動作パターンに特化したような故障についても高精度な
診断を行うことができるような、産業用ロボット及びそ
の故障検出方法並びに故障検出プログラムを記録した記
録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、ロボットアーム、このロボットアー
ムを減速機を介して駆動するサーボモータ、及びサーボ
モータの位置を検出するエンコーダからなるロボット機
構部と、このロボット機構部を制御する位置ループ、速
度ループ、及び電流ループからなるサーボ制御系を有す
る産業用ロボットにおいて、ロボット機構部を構成する
各駆動軸の指令角度θd を出力する指令位置計算部と、
指令角度θd 及び前記エンコーダにより得られたサーボ
モータの実角度θi に基づいて位置指令を作成し出力す
る位置ループと、位置指令及び実角度θi より得られた
実角速度ωi に基づいて速度指令を作成し出力する速度
ループと、速度指令及びサーボモータの駆動電流Ii
基づいて電流指令を作成し出力する電流ループと、指令
角度θd 、実角度θi 、及び駆動電流Ii に基づいて、
サーボ制御系及びロボット機構部の故障の有無を判定す
る故障検出部と、を有することを特徴とする産業用ロボ
ットを提供することとした(請求項1)。
【0007】なお、前記故障検出部では、具体的には、
指令角度θd 、実角度θi 、及び駆動電流Ii と、この
指令角度θd 及び実角度θi の微分値、すなわち指令角
度θd を微分して得られる指令角速度ωd 及び指令角加
速度αd と、実角度θi を微分して得られる実角速度ω
i 及び実角加速度αi とに基づいて算出されるサーボ制
御系の入力側及び出力側の仕事率よりサーボ制御系の故
障の有無を判定するとともに、同様にして算出されるロ
ボット機構部の入力側及び出力側の仕事率よりロボット
機構部の故障の有無を判定するようにした(請求項
2)。
【0008】この故障検出部において行われる故障検出
方法では、ロボット機構部を構成する各駆動軸を駆動す
るサーボモータの駆動電流Ii 及び実角度θi に基づい
て各駆動軸の駆動側の仕事率Wi を算出し、ロボット機
構部の質点モデルに関する運動方程式と実角度θi に基
づいて各駆動軸の負荷側の仕事率Wo を算出し、一方、
ロボット機構部の質点モデルに関する運動方程式と各駆
動軸の指令角度θd に基づいて各駆動軸の指令側の仕事
率Wd を算出し、これら負荷側の仕事率Wo 及び駆動側
の仕事率Wi より求められる各駆動軸のロボット機構部
の仕事率の比(Wo /Wi )又は差(Wo −Wi )を予
め設定された第1の判定値と比較することによりロボッ
ト機構部の故障の有無を判定するとともに、指令側の仕
事率Wd及び駆動側の仕事率Wi より求められる各駆動
軸のサーボ制御系の仕事率の比(Wi /Wd )又は差
(Wi −Wd )を予め設定された第2の判定値と比較す
ることによりサーボ制御系の故障の有無を判定するよう
にした(請求項3)。
【0009】より具体的には、以下の処理手順となる。
第1の処理ステップでは、ロボット機構部を構成する各
駆動軸を駆動するサーボモータの駆動電流Ii 、実角度
θi 、実角度θi の微分値としての実角速度ωi 、及び
実角速度ωi の微分値としての実角加速度αi を取り込
む。第2の処理ステップでは、第1の処理ステップにて
取り込まれた駆動電流Iiにサーボモータのトルク定数
i を掛けることにより各駆動軸の駆動トルクTiを算
出する。第3の処理ステップでは、第2の処理ステップ
にて算出された駆動トルクTiと第1の処理ステップに
て取り込まれた実角速度ωi との積である各駆動軸の駆
動側の仕事率Wi を算出する。
【0010】第4の処理ステップでは、ロボット機構部
の質点モデルに関する運動方程式と、第1の処理ステッ
プにて取り込まれた実角度θi 、実角速度ωi 、及び実
角加速度αi とにより各駆動軸の負荷トルクTo を算出
する。第5の処理ステップでは、第4の処理ステップに
て算出された負荷トルクToと第1の処理ステップにて
取り込まれた実角速度ωi との積である各駆動軸の負荷
側の仕事率Wo を算出する。第6の処理ステップでは、
第5の処理ステップにて算出された負荷側の仕事率Wo
と第3の処理ステップにて算出された駆動側の仕事率W
i とにより、各駆動軸のロボット機構部の仕事率の比
(Wo /Wi )を算出する。第7の処理ステップでは、
第6の処理ステップにて算出された仕事率の比(Wo
i )を予め設定された第1の判定値と比較することに
より、ロボット機構部の故障の有無を判定する。
【0011】第8の処理ステップでは、ロボット機構部
を構成する各駆動軸の指令角度θd、指令角度θd の微
分値としての指令角速度ωd 、及び指令角速度ωd の微
分値としての指令角加速度αd を取り込む。第9の処理
ステップでは、ロボット機構部の質点モデルに関する運
動方程式と、第8の処理ステップにて取り込まれた指令
角度θd 、指令角速度ωd 、及び指令角加速度αd とに
より、各駆動軸の指令トルクTd を算出する。第10の
処理ステップでは、第9の処理ステップにて算出された
指令トルクTd と第8の処理ステップにて取り込まれた
指令角速度ωd との積である各駆動軸の指令側の仕事率
d を算出する。第11の処理ステップでは、第10の
処理ステップにて算出された指令側の仕事率Wd と第3
の処理ステップにて算出された駆動側の仕事率Wi とに
より、各駆動軸のサーボ制御系の仕事率の比(Wi /W
d )を算出する。第12の処理ステップでは、第11の
処理ステップにて算出された仕事率の比(Wi /Wd
を予め設定された第2の判定値と比較することにより、
サーボ制御系の故障の有無を判定する(請求項4)。
【0012】なお、第6及び第7の処理ステップにおい
ては、請求項4に記載のように、負荷側の仕事率Wo
び駆動側の仕事率Wi より各駆動軸のロボット機構部の
仕事率の比(Wo /Wi )を算出し、これを予め設定さ
れた第1の判定値と比較するようにする代わりに、負荷
側の仕事率Wo 及び駆動側の仕事率Wi より各駆動軸の
ロボット機構部の仕事率の差(Wo −Wi )を算出し、
これを予め設定された第1の判定値と比較するようにし
てもよい(請求項5)。
【0013】同様にして、第11及び第12の処理ステ
ップにおいては、請求項4に記載のように、指令側の仕
事率Wd 及び駆動側の仕事率Wi より各駆動軸のサーボ
制御系の仕事率の比(Wi /Wd )を算出し、これを予
め設定された第2の判定値と比較するようにする代わり
に、指令側の仕事率Wd 及び駆動側の仕事率Wi より各
駆動軸のサーボ制御系の仕事率の差(Wi −Wd )を算
出し、これを予め設定された第2の判定値と比較するよ
うにしてもよい(請求項6)。
【0014】ところで、上述の故障検出方法は故障検出
プログラムとしてロボット制御用プログラムに組み込ま
れることにより実現され、この故障検出プログラムは記
録媒体に記録して提供される。すなわち、ロボット機構
部を構成する各駆動軸を駆動するサーボモータの駆動電
流Ii 及び実角度θi に基づいて各駆動軸の駆動側の仕
事率Wi を算出する手順と、ロボット機構部の質点モデ
ルに関する運動方程式と実角度θi に基づいて各駆動軸
の負荷側の仕事率Wo を算出する手順と、ロボット機構
部の質点モデルに関する運動方程式と各駆動軸の指令角
度θd に基づいて各駆動軸の指令側の仕事率Wd を算出
する手順と、負荷側の仕事率Wo 及び駆動側の仕事率W
i より求められる各駆動軸のロボット機構部の仕事率の
比(Wo/Wi )又は差(Wo −Wi )を予め設定され
た第1の判定値と比較することによりロボット機構部の
故障の有無を判定する手順と、指令側の仕事率Wd 及び
駆動側の仕事率Wi より求められる各駆動軸のサーボ制
御系の仕事率の比(Wi /Wd )又は差(Wi −Wd
を予め設定された第2の判定値と比較することによりサ
ーボ制御系の故障の有無を判定する手順と、を有するこ
とを特徴とする産業用ロボット用故障検出プログラムを
記録した記録媒体として提供される(請求項7)。
【0015】以下に、上記の構成による作用を述べる。
一般に、駆動軸への動作指令に対する実際の動作性能を
追従性と呼び、特に加減速時における追従性の善し悪し
はロボット機構部の性能に大きな影響を与えることにな
る。ここで、ロボット機構部とは、図1に示すロボット
機構部28及びサーボ制御系29を含む本発明のブロッ
ク図において、ロボットアーム、ロボットアームを駆動
するサーボモータ25、及びロボットアームとサーボモ
ータ25との間に介在する減速機等から構成されてい
る。経年変化によりロボット機構部28の劣化が進行す
ると、駆動力伝達系を構成する歯車等が摩耗し、これに
より特に加減速時の追従性が悪化する。そして加減速時
の追従性が悪化すると、ロボット機構部28の入力側
(サーボモータ25の入力側)すなわち駆動側の仕事率
i とロボット機構部28の出力側(減速機側)すなわ
ち負荷側の仕事率Wo との差が大きくなって現れてく
る。一般的には、加速時には駆動側の仕事率Wi が負荷
側の仕事率Wo に対して大きくなって現れ、逆に、減速
時には負荷側の仕事率Wo が駆動側の仕事率Wi に対し
て大きくなって現れてくる。
【0016】また、追従性の善し悪しはロボット機構部
28の劣化だけではなくサーボ制御系29の故障に起因
する場合もある。ここで、サーボ制御系とは、図1に示
す本発明のブロック図において、ロボット機構部28を
制御するフィードバック系からなる位置ループ22、速
度ループ23、及び電流ループ24から構成されてい
る。サーボ制御系29に故障が発生すると、サーボ制御
系29の入力側(位置ループ22の入力側)すなわち指
令側の仕事率Wd とサーボ制御系29の出力側(電流ル
ープ24の出力側)すなわち駆動側の仕事率Wi との差
が大きくなる。なお、図1に示すように、本発明におい
ては、サーボ制御系29の出力側(電流ループ24の出
力側)の仕事率とロボット機構部28の入力側(サーボ
モータ25の入力側)の仕事率とは同一であり、これを
駆動側の仕事率Wi として統一している。
【0017】本発明では、上述の特性を利用することに
より、図1に示すロボット制御装置30内に故障検出部
27を設け、この故障検出部27が故障の検出に必要な
データを取り込むことにより、ロボット機構部の入力側
すなわち駆動側の仕事率Wiとロボット機構部の出力側
すなわち負荷側の仕事率Wo とを比較することによりロ
ボット機構部の故障の有無が判定されるとともに、サー
ボ制御系の入力側すなわち指令側の仕事率Wd とサーボ
制御系の出力側すなわち駆動側の仕事率Wi とを比較す
ることによりサーボ制御系の故障の有無が判定されるよ
うにする。具体的には、仕事率の比(例えばWo
i )または差(例えばWo −Wi )を予め設定した判
定値と比較し、その許容範囲内になければ故障が発生し
ているものと判定されるようにする。
【0018】故障検出部27における指令側の仕事率W
d 、駆動側の仕事率Wi 及び負荷側の仕事率Wo の算出
方法としては、駆動側の仕事率Wi は、サーボモータへ
供給される駆動電流Ii 、及びサーボモータに付属ある
いは併設して設けられたエンコーダ(位置検出器)によ
り検出された駆動軸の実際の位置(実角度θi )の微分
値としての実角速度ωi より算出し、また、指令側の仕
事率Wd は、指令位置計算部などの指令位置の出力装置
より出力されるロボット機構部を構成する各駆動軸の指
令位置としての指令角度θd 、この指令角度θd の微分
値としての指令角速度ωd 、及びこの指令角速度ωd
微分値としての指令角加速度αd と、ロボット機構部の
質点モデルに関する運動方程式とに基づいて算出し、さ
らに、負荷側の仕事率Wo は、前述の実角度θi 、実角
速度ωi 、及びこの実角速度ωiの微分値としての実角
加速度αi と、ロボット機構部の質点モデルに関する運
動方程式とに基づいて算出する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。図1は本発明のロボット
機構部28及びサーボ制御系29を含むブロック図であ
り、図中25はロボット機構部を構成する各駆動軸を動
作させるためのサーボモータ、26はサーボモータ25
の位置すなわち駆動軸の実角度θi を検出するエンコー
ダ、21は各駆動軸の指令角度θd を出力する指令位置
計算部、22は指令角度θd 及び駆動軸の実角度θi
基づいて位置指令を作成し出力する位置ループ、23は
位置指令と、実角度θi を微分器としてのラプラス演算
子Sにより微分することにより得られる実角速度ωi
に基づいて速度指令を作成し出力する速度ループ、24
は速度指令と電流検出器により検出されたサーボモータ
の駆動電流Ii とに基づいて電流指令を作成し出力する
電流ループ、27はロボット機構部28及びサーボ制御
系29の故障の有無を検出する故障検出部である。
【0020】故障検出部27ではロボット機構部28及
びサーボ制御系29の故障の有無を常時監視していなく
てはならないので、故障の検出に必要なデータ、すなわ
ち指令角度θd 、指令角速度ωd 、指令角加速度αd
実角度θi 、実角速度ωi 、実角加速度αi 、及び駆動
電流Ii の各データをリアルタイムに取り込む必要があ
る。これらのデータの内、指令角度θd は指令位置計算
部21から、実角度θi はエンコーダ26から、駆動電
流Ii は電流検出器からそれぞれ取り込む。また、指令
角速度ωd 、指令角加速度αd 、実角速度ωi 、及び実
角加速度αi の各データについては、指令角度θd 及び
実角度θi を微分することにより求めるが、この微分処
理は故障検出部27内で行ってもよいし、図1に示すよ
うに故障検出部27外にある微分器Sで行うようにして
もよい。
【0021】図2は、図1において示した故障検出部2
7にて行われる、ロボット機構部28及びサーボ制御系
29の故障の有無を判定するに至る処理の概要を示すフ
ローチャートである。ステップ61では、ロボット機構
部28を構成する各駆動軸を駆動するサーボモータ25
の駆動電流Ii 、及びエンコーダ26により検出された
実角度θi に基づいて各駆動軸の駆動側の仕事率Wi
算出する。ステップ62では、ロボット機構部28の質
点モデルに関する運動方程式と実角度θi に基づいて各
駆動軸の負荷側の仕事率Wo を算出する。ステップ63
では、ロボット機構部28の質点モデルに関する運動方
程式と各駆動軸の指令角度θd に基づいて各駆動軸の指
令側の仕事率Wd を算出する。
【0022】ステップ64では、ステップ62において
算出された負荷側の仕事率Wo 及びステップ61におい
て算出された駆動側の仕事率Wi より求められる各駆動
軸のロボット機構部の仕事率の比(Wo /Wi )又は差
(Wo −Wi )を、予め設定された第1の判定値と比較
することによりロボット機構部28の故障の有無を判定
する。ステップ65では、ステップ63において算出さ
れた指令側の仕事率Wd 及びステップ61において算出
された駆動側の仕事率Wi より求められる各駆動軸のサ
ーボ制御系の仕事率の比(Wi /Wd )又は差(Wi
d )を、予め設定された第2の判定値と比較すること
によりサーボ制御系29の故障の有無を判定する。な
お、ステップ61、62、及び63はそれぞれ並行して
処理を行うことが可能であり、また、ステップ64及び
65もそれぞれ並行して処理を行うことが可能である。
【0023】図3は、図2に示した処理の概要をより具
体的に示したフローチャートである。ステップ1(第1
の処理ステップ)では、各駆動軸の駆動電流Ii 、実角
度θi 、実角速度ωi 、及び実角加速度αi を取り込
む。駆動電流Ii は電流ループ24とサーボモータ25
との間の伝送路上に設けられた電流検出器より取り込
む。実角度θi はサーボモータ25に付属あるいは併設
されたエンコーダ26より取り込む。実角速度ωi はエ
ンコーダ26により検出された実角度θi を微分器Sで
微分することにより得られた値として取り込み、さら
に、この実角速度ωiを微分器Sで微分することにより
得られた値を実角加速度αi として取り込む。ただし、
実角速度ωi 及び実角加速度αi は、取り込まれた実角
度θi を故障検出部27内において微分処理することに
より算出するようにしてもよい。
【0024】ステップ2(第2の処理ステップ)では、
ステップ1にて取り込まれた駆動電流Ii にサーボモー
タのトルク定数ki を掛けることにより各駆動軸の駆動
トルクTi を算出する。ステップ3(第3の処理ステッ
プ)では、ステップ2にて算出された駆動トルクTi
ステップ1にて取り込まれた実角速度ωi との積である
各駆動軸の駆動側の仕事率Wi を算出する。
【0025】ステップ4(第4の処理ステップ)では、
ロボット機構部28の質点モデルに関する運動方程式
と、ステップ1にて取り込まれた実角度θi 、実角速度
ωi 、及び実角加速度αi とにより各駆動軸の負荷トル
クTo を算出する。ここで、負荷トルクTo の算出過程
について説明する。図4は6軸構成の垂直多関節型ロボ
ットにおける質点モデルの一例を示したものである。図
中41は負荷の質点モデル、42〜46は第2〜6の各
駆動軸の質点モデルを示す。また、51〜56は第1〜
6の各駆動軸を示す。この質点モデルに関して、式
(1)で表される運動方程式の各項を求めることによ
り、各駆動軸の負荷側に働くトルクすなわち負荷トルク
を算出する。
【0026】
【数1】
【0027】式(1)において、左辺は各軸に働く負荷
トルクを表すトルク行列である。右辺第1項は慣性力に
よるトルク、第2項は遠心力及びコリオリ力によるトル
ク、第3項はアンバランス力によるトルクをそれぞれ表
している。なお、式(1)はロボットの質点モデルに関
する一般的な運動方程式であり、本発明に固有の方程式
ではない。
【0028】ステップ5(第5の処理ステップ)では、
ステップ4にて算出された負荷トルクTo とステップ1
にて取り込まれた実角速度ωi との積である各駆動軸の
負荷側の仕事率Wo を算出する。なお、ステップ2〜3
とステップ4〜5の処理は、それぞれ並行して行わせる
ことができる。
【0029】ステップ6(第6の処理ステップ)では、
ステップ5にて算出された負荷側の仕事率Wo とステッ
プ3にて算出された駆動側の仕事率Wi とにより、各駆
動軸のロボット機構部の仕事率の比(Wo /Wi または
i /Wo )を算出する。ステップ7(第7の処理ステ
ップ)では、ステップ6にて算出された仕事率の比(W
o /Wi またはWi /Wo )を予め設定された第1の判
定値と比較することにより、ロボット機構部28の故障
の有無を判定する。具体的には、第1の許容値をβ1
し、1+β1 を判定値の上限値とするとともに1−β1
をその下限値とすることにより、ロボット機構部の仕事
率の比がこの上限値と下限値の範囲内にあれば、ロボッ
ト機構部28に故障はないものと判定する。
【0030】なお、ステップ6〜7においては、負荷側
の仕事率Wo 及び駆動側の仕事率Wi より仕事率の差
(Wo −Wi またはWi −Wo )を算出し、この仕事率
の差を予め設定された第1の判定値と比較するようにし
てもよい。具体的には、+β1を判定値の上限値とする
とともに−β1 をその下限値とし、仕事率の差がこの上
限値と下限値の範囲内にあれば、ロボット機構部28に
故障はないものと判定する。
【0031】ステップ8(第8の処理ステップ)では、
ロボット機構部28を構成する各駆動軸への指令角度θ
d 、指令角速度ωd 、及び指令角加速度αd を取り込
む。指令角度θd は指令位置計算部21より取り込む。
指令角速度ωd は指令位置計算部21から出力された指
令角度θd を微分器Sで微分することにより得られた値
として取り込み、さらに、この指令角速度ωd を微分器
Sで微分することにより得られた値を指令角加速度αd
として取り込む。ただし、指令角速度ωd 及び指令角加
速度αd は、取り込まれた指令角度θd を故障検出部2
7内において微分処理することにより算出するようにし
てもよい。
【0032】ステップ9(第9の処理ステップ)では、
ステップ4における処理と同様に、ロボット機構部28
の質点モデルに関する運動方程式と、ステップ8にて取
り込まれた指令角度θd 、指令角速度ωd 、及び指令角
加速度αd とにより、各駆動軸の指令トルクTd を算出
する。ステップ10(第10の処理ステップ)では、ス
テップ9にて算出された指令トルクTd とステップ8に
て取り込まれた指令角速度ωd との積である各駆動軸の
指令側の仕事率Wd を算出する。なお、ステップ8〜1
0とステップ1〜5の処理は、それぞれ並行して行わせ
ることができる。
【0033】ステップ11(第11の処理ステップ)で
は、ステップ10にて算出された指令側の仕事率Wd
ステップ3にて算出された駆動側の仕事率Wi とによ
り、各駆動軸のサーボ制御系の仕事率の比(Wi /Wd
またはWd /Wi )を算出する。ステップ12(第12
の処理ステップ)では、ステップ11にて算出された仕
事率の比(Wi /Wd またはWd /Wi )を予め設定さ
れた第2の判定値と比較することにより、サーボ制御系
29の故障の有無を判定する。具体的には、第2の許容
値をβ2 とし、1+β2 を判定値の上限値とするととも
に1−β2 をその下限値とすることにより、サーボ制御
系の仕事率の比がこの上限値と下限値の範囲内にあれ
ば、サーボ制御系29に故障はないものと判定する。
【0034】なお、ステップ11〜12においては、駆
動側の仕事率Wi 及び指令側の仕事率Wd より仕事率の
差(Wi −Wd またはWd −Wi )を算出し、この仕事
率の差を予め設定された第2の判定値と比較するように
してもよい。具体的には、+β2 を判定値の上限値とす
るとともに−β2 をその下限値とし、仕事率の差がこの
上限値と下限値の範囲内にあれば、サーボ制御系29に
故障はないものと判定する。
【0035】以上、本発明の一実施形態における産業用
ロボットの故障検出方法について述べたが、上述の故障
検出にかかる処理はリアルタイムに行われ、より具体的
にはロボット制御装置30のスキャンタイム(一般には
数十ミリ秒)単位で行われるので、故障が発生すれば直
ちに判定検出されることになる。故障が検出された後
は、ロボット制御装置30においてロボットの動作を停
止させる処理が行われたり、ロボット制御装置30に接
続された図示しないモニタ上に故障した駆動軸や故障要
因等が表示されることになる。
【0036】ところで、かかる故障検出方法は故障検出
プログラムとしてロボット本体の動作を制御するロボッ
ト制御用プログラムに組み込まれることにより実現さ
れ、この故障検出プログラムは記録媒体に記録して提供
される。すなわち図1に示したロボット制御装置30に
は、図示しないが、ロボット制御用プログラムの記憶
部、演算部、及びインターフェース部等があり、例え
ば、図示しない外部のプログラム作成装置にて作成され
た故障検出プログラムは、インターフェース部を介して
ロボット制御用プログラムの記憶部に入力され、ロボッ
トの作動に応じて演算部において故障検出処理が行われ
る。
【0037】したがって、記録媒体として一般によく用
いられているフレキシブルディスク(フロッピーディス
ク)を使用すれば、これに故障検出プログラムを記録さ
せることにより、プログラム作成装置とロボット制御装
置30との間のプログラム転送手段として利用でき、さ
らに、ロボット制御装置30内のロボット制御用プログ
ラムの記憶部に記録されている故障検出プログラムのバ
ックアップ手段としても利用できる。また、ロボット制
御用プログラムの記憶部がROM(リード・オンリ・メ
モリ)やハードディスクにて構成されていれば、これら
も本発明における記録媒体となりうる。なお、プログラ
ム転送手段やバックアップ手段としては、MO(光磁気
ディスク)、CD−ROM、CD−R、磁気テープなど
の他の記録媒体が使用できることは言うまでもない。ま
た、本故障検出プログラムがインターネット等の通信手
段によりプロバイダのサーバよりユーザのパソコンにダ
ウンロードされるような場合は、プロバイダのサーバ
や、ユーザのパソコンのRAMやハードディスク等もこ
こで言う記録媒体に該当する。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、ロボットアーム、ロボ
ットアームを減速機を介して駆動するサーボモータ、及
びサーボモータの位置を検出するエンコーダからなるロ
ボット機構部と、ロボット機構部を制御する位置ルー
プ、速度ループ、及び電流ループからなるサーボ制御系
を有する産業用ロボットにおいて、ロボット機構部を構
成する各駆動軸への指令データとしての指令角度θd
各駆動軸を駆動するサーボモータの位置データとしての
実角度θi 、及びサーボモータの駆動電流Ii に基づい
て、サーボ制御系の入力側である指令側の仕事率Wd
サーボ制御系の出力側あるいはロボット機構部の入力側
である駆動側の仕事率Wi 、及びロボット機構部の出力
側である負荷側の仕事率Wo を算出し、負荷側と駆動側
との仕事率の比または差よりロボット機構部の故障の有
無を判定するとともに、指令側と駆動側との仕事率の比
または差よりサーボ制御系の故障の有無を判定するよう
にした。
【0039】そのため、実際の動作パターンに応じて時
々刻々変化する仕事率を判定に利用したことにより、ロ
ボットの正常状態における基準となる動作パターンにお
ける動作データを基準データとして予め測定することな
く、また、生産ラインの稼働中においても随時診断を行
うことができ、さらに、生産ラインの稼働時における実
際の動作パターンに特化したようなものについても、ロ
ボット機構部とサーボ制御系のそれぞれの故障を診断で
きるようになった。
【0040】本発明の故障検出方法で使用されるデータ
すなわち指令角度θd 、実角度θi、及び駆動電流Ii
は、既存のロボットシステムにおいても具備されている
サーボモータに付属のエンコーダや電流検出器により取
得しているので、本発明が従来技術に対して追加するハ
ードウエアとしてはロボット制御装置内の故障検出部の
みである。また、ソフトウエアとしては従来のロボット
制御プログラムに対して本発明の故障検出プログラムを
追加するのみでよい。そのため、ロボットの新規製作時
における原価の上昇は僅かであり、また、従来のロボッ
トに本発明の技術を追加する際にも僅かな改造のみで対
応できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における、ロボット機構部
28及びサーボ制御系29を含むブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態における、ロボット機構部
28及びサーボ制御系29の診断手順の概要を示すフロ
ーチャートである。
【図3】本発明の一実施形態における、ロボット機構部
28及びサーボ制御系29の診断手順の具体例を示すフ
ローチャートである。
【図4】6軸構成の垂直多関節型ロボットにおける質点
モデルの一例を示す図である。
【符号の説明】
21 指令位置計算部 22 位置ループ 23 速度ループ 24 電流ループ 25 サーボモータ 26 エンコーダ 27 故障検出部 28 ロボット機構部 29 サーボ制御系 30 ロボット制御装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロボットアーム、該ロボットアームを減速
    機を介して駆動するサーボモータ、及びサーボモータの
    位置を検出するエンコーダからなるロボット機構部と、
    該ロボット機構部を制御する位置ループ、速度ループ、
    及び電流ループからなるサーボ制御系を有する産業用ロ
    ボットにおいて、 ロボット機構部を構成する各駆動軸の指令角度θd を出
    力する指令位置計算部と、 該指令角度θd 及び前記エンコーダにより得られたサー
    ボモータの実角度θiに基づいて位置指令を作成し出力
    する位置ループと、 該位置指令及び前記実角度θi より得られた実角速度ω
    i に基づいて速度指令を作成し出力する速度ループと、 該速度指令及びサーボモータの駆動電流Ii に基づいて
    電流指令を作成し出力する電流ループと、 前記指令角度θd 、実角度θi 、及び駆動電流Ii に基
    づいて、前記サーボ制御系及びロボット機構部の故障の
    有無を判定する故障検出部と、 を有することを特徴とする産業用ロボット。
  2. 【請求項2】前記故障検出部では、前記指令角度θd
    実角度θi 、及び駆動電流Ii と、指令角度θd を微分
    して得られる指令角速度ωd 及び指令角加速度αd と、
    実角度θi を微分して得られる実角速度ωi 及び実角加
    速度αi とに基づいて算出される前記サーボ制御系の入
    力側及び出力側の仕事率よりサーボ制御系の故障の有無
    を判定するとともに、同様にして算出される前記ロボッ
    ト機構部の入力側及び出力側の仕事率よりロボット機構
    部の故障の有無を判定するようにしたことを特徴とする
    請求項1に記載の産業用ロボット。
  3. 【請求項3】ロボットアーム、該ロボットアームを減速
    機を介して駆動するサーボモータ、及びサーボモータの
    位置を検出するエンコーダからなるロボット機構部と、
    該ロボット機構部を制御する位置ループ、速度ループ、
    及び電流ループからなるサーボ制御系を有する産業用ロ
    ボットの故障検出方法において、 ロボット機構部を構成する各駆動軸を駆動するサーボモ
    ータの駆動電流Ii 及び実角度θi に基づいて各駆動軸
    の駆動側の仕事率Wi を算出し、 ロボット機構部の質点モデルに関する運動方程式と前記
    実角度θi に基づいて各駆動軸の負荷側の仕事率Wo
    算出し、 一方、ロボット機構部の質点モデルに関する運動方程式
    と各駆動軸の指令角度θd に基づいて各駆動軸の指令側
    の仕事率Wd を算出し、 前記負荷側の仕事率Wo 及び駆動側の仕事率Wi より求
    められる各駆動軸のロボット機構部の仕事率の比(Wo
    /Wi )又は差(Wo −Wi )を予め設定された第1の
    判定値と比較することにより前記ロボット機構部の故障
    の有無を判定するとともに、 前記指令側の仕事率Wd 及び駆動側の仕事率Wi より求
    められる各駆動軸のサーボ制御系の仕事率の比(Wi
    d )又は差(Wi −Wd )を予め設定された第2の判
    定値と比較することにより前記サーボ制御系の故障の有
    無を判定するようにしたことを特徴とする産業用ロボッ
    トの故障検出方法。
  4. 【請求項4】ロボットアーム、該ロボットアームを減速
    機を介して駆動するサーボモータ、及びサーボモータの
    位置を検出するエンコーダからなるロボット機構部と、
    該ロボット機構部を制御する位置ループ、速度ループ、
    及び電流ループからなるサーボ制御系を有する産業用ロ
    ボットの故障検出方法において、 ロボット機構部を構成する各駆動軸を駆動するサーボモ
    ータの駆動電流Ii 、実角度θi 、該実角度θi の微分
    値としての実角速度ωi 、及び該実角速度ωiの微分値
    としての実角加速度αi を取り込む第1の処理ステップ
    と、 前記駆動電流Ii にサーボモータのトルク定数ki を掛
    けることにより各駆動軸の駆動トルクTi を算出する第
    2の処理ステップと、 該駆動トルクTi と前記実角速度ωi との積である各駆
    動軸の駆動側の仕事率Wi を算出する第3の処理ステッ
    プと、 ロボット機構部の質点モデルに関する運動方程式と、前
    記実角度θi 、実角速度ωi 、及び実角加速度αi とに
    より各駆動軸の負荷トルクTo を算出する第4の処理ス
    テップと、 該負荷トルクTo と前記実角速度ωi との積である各駆
    動軸の負荷側の仕事率Wo を算出する第5の処理ステッ
    プと、 該負荷側の仕事率Wo 及び前記駆動側の仕事率Wi より
    各駆動軸のロボット機構部の仕事率の比(Wo /Wi
    を算出する第6の処理ステップと、 該ロボット機構部の仕事率の比(Wo /Wi )を予め設
    定された第1の判定値と比較することにより前記ロボッ
    ト機構部の故障の有無を判定する第7の処理ステップ
    と、 ロボット機構部を構成する各駆動軸の指令角度θd 、該
    指令角度θd の微分値としての指令角速度ωd 、及び該
    指令角速度ωd の微分値としての指令角加速度αd を取
    り込む第8の処理ステップと、 ロボット機構部の質点モデルに関する運動方程式と、前
    記指令角度θd 、指令角速度ωd 、及び指令角加速度α
    d とにより各駆動軸の指令トルクTd を算出する第9の
    処理ステップと、 該指令トルクTd と前記指令角速度ωd との積である各
    駆動軸の指令側の仕事率Wd を算出する第10の処理ス
    テップと、 該指令側の仕事率Wd 及び前記駆動側の仕事率Wi より
    各駆動軸のサーボ制御系の仕事率の比(Wi /Wd )を
    算出する第11の処理ステップと、 該サーボ制御系の仕事率の比(Wi /Wd )を予め設定
    された第2の判定値と比較することにより前記サーボ制
    御系の故障の有無を判定する第12の処理ステップと、 を有することを特徴とする産業用ロボットの故障検出方
    法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の第6及び第7の処理ステ
    ップは、 前記負荷側の仕事率Wo 及び駆動側の仕事率Wi より各
    駆動軸のロボット機構部の仕事率の差(Wo −Wi )を
    算出する第6の処理ステップと、 該ロボット機構部の仕事率の差(Wo −Wi )を予め設
    定された第1の判定値と比較することにより前記ロボッ
    ト機構部の故障の有無を判定する第7の処理ステップ
    と、 にしたことを特徴とする請求項4に記載の産業用ロボッ
    トの故障検出方法。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の第11及び第12の処理
    ステップは、 前記指令側の仕事率Wd 及び駆動側の仕事率Wi より各
    駆動軸のサーボ制御系の仕事率の差(Wi −Wd )を算
    出する第11の処理ステップと、 該サーボ制御系の仕事率の差(Wi −Wd )を予め設定
    された第2の判定値と比較することにより前記サーボ制
    御系の故障の有無を判定する第12の処理ステップと、 にしたことを特徴とする請求項4または5に記載の産業
    用ロボットの故障検出方法。
  7. 【請求項7】ロボットアーム、該ロボットアームを減速
    機を介して駆動するサーボモータ、及びサーボモータの
    位置を検出するエンコーダからなるロボット機構部と、
    該ロボット機構部を制御する位置ループ、速度ループ、
    及び電流ループからなるサーボ制御系を有する産業用ロ
    ボットの故障検出を行うための制御プログラムを記録し
    た記録媒体であって、 ロボット機構部を構成する各駆動軸を駆動するサーボモ
    ータの駆動電流Ii 及び実角度θi に基づいて各駆動軸
    の駆動側の仕事率Wi を算出する手順と、 ロボット機構部の質点モデルに関する運動方程式と前記
    実角度θi に基づいて各駆動軸の負荷側の仕事率Wo
    算出する手順と、 ロボット機構部の質点モデルに関する運動方程式と各駆
    動軸の指令角度θd に基づいて各駆動軸の指令側の仕事
    率Wd を算出する手順と、 前記負荷側の仕事率Wo 及び駆動側の仕事率Wi より求
    められる各駆動軸のロボット機構部の仕事率の比(Wo
    /Wi )又は差(Wo −Wi )を予め設定された第1の
    判定値と比較することにより前記ロボット機構部の故障
    の有無を判定する手順と、 前記指令側の仕事率Wd 及び駆動側の仕事率Wi より求
    められる各駆動軸のサーボ制御系の仕事率の比(Wi
    d )又は差(Wi −Wd )を予め設定された第2の判
    定値と比較することにより前記サーボ制御系の故障の有
    無を判定する手順と、 を有することを特徴とする産業用ロボット用故障検出プ
    ログラムを記録した記録媒体。
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