JPH11127894A - カルボキシペプチダーゼa活性測定方法および測定用キット - Google Patents

カルボキシペプチダーゼa活性測定方法および測定用キット

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JPH11127894A
JPH11127894A JP9298873A JP29887397A JPH11127894A JP H11127894 A JPH11127894 A JP H11127894A JP 9298873 A JP9298873 A JP 9298873A JP 29887397 A JP29887397 A JP 29887397A JP H11127894 A JPH11127894 A JP H11127894A
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JP
Japan
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carboxypeptidase
phenylalanine
tyrosine
residue
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JP9298873A
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English (en)
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Toshikage Asakura
敏景 朝倉
Akio Hayashi
昭夫 林
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Ono Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Ono Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 N末端が保護されている一般式(I) 【化1】R−CO−X−Y−OH (I) (式中、Xはメチオニン残基または芳香環を有するアミ
ノ酸残基またはその誘導体、Yは芳香環を有するアミノ
酸残基またはその誘導体、R−COはアミノ基の保護
基)で示されるジペプチド基質をカルボキシペプチダー
ゼAにて分解し、生成したH−Y−OHに、これを定量
し得る酵素を作用させるカルボキシペプチダーゼA活性
測定方法、および一般式(I)で示される基質を必須成
分とするカルボキシペプチダーゼA活性測定用キット 【効果】 従来法の基質に比べて一般式(I)で示され
る基質は、カルボキシペプチダーゼAによって分解され
るスピードが速く、カルボキシペプチダーゼA活性を簡
便、迅速かつ正確に測定でき、膵疾患の臨床検査の分野
で有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般式(I)
【化3】R−CO−X−Y−OH (I) (式中、すべての記号は後記と同じ意味を表わす。)で
示されるジペプチドを基質として用いることを特徴とす
るカルボキシペプチダーゼA活性測定方法および少なく
とも一般式(I)で示される基質を必須成分とするカル
ボキシペプチダーゼA活性測定用キットに関する。さら
に詳しくは、N末端が保護されている本発明は一般式
(I)で示されるジペプチドをカルボキシペプチダーゼ
Aにて分解し、生成したH−Y−OHに、これを定量し
うる酵素を作用させることを特徴とするカルボキシペプ
チダーゼA活性測定方法、測定用キットおよびそれに用
いる新規なジペプチドに関する。
【0002】
【発明の背景】カルボキシペプチダーゼA(以下、CP
Aと略記する。)は膵臓から特異的に多く分泌される蛋
白質分解酵素であり、膵疾患時に、血清、尿などに多く
出現する。そのため、体液中におけるCPAの活性を測
定することは膵疾患の診断の目安とすることができ、臨
床検査の分野で有用であると考えられている(Clinical
Chemistry, 32(5), 748-751 (1986)参照)。
【0003】
【従来の技術】CPA活性測定方法は種々開発されてい
る。例えば以下に示すように、基質を1段階反応または
2段階反応によって分解し、生成する分解物を酵素的に
定量することによってCPA活性を測定する方法が知ら
れている。1段階反応で行なう方法としては、例えば、
(A)特開昭61-74600号明細書に、反応工程式1
【0004】
【化4】 によって示されるように、アミノ酸のカルボキシル基ま
たはペプチドのカルボキシル末端にL−フェニルアラニ
ンまたはその誘導体が結合されている基質にカルボキシ
ペプチダーゼAを作用させ、生成するL−フェニルアラ
ニンまたはその誘導体にこれを定量しうる酵素(L−フ
ェニルアラニンオキシダーゼ、L−フェニルアラニン−
4−モノオキシゲナーゼ、L−フェニルアラニンアンモ
ニアリアーゼ、L−フェニルアラニン脱炭酸酵素、L−
フェニルアラニンアミノトランスフェラーゼ、L−フェ
ニルアラニンアセチルトランスフェラーゼ等)を作用さ
せることによって、カルボキシペプチダーゼAの活性を
測定する方法が記載されている。
【0005】この明細書では、使用できる基質として広
い範囲のペプチドが提案されているが、実際にその効果
が確認されているのは、p−ヒドロキシベンゾイル−L
−アラニル−L−フェニルアラニンおよびベンゾイル−
グリシル−L−フェニルアラニンのみである。
【0006】一方、2段階反応で行なう方法としては、
(B)特開昭58-105948号明細書に、一般式(B)
【化5】
【0007】(式中、XBはヒドロキシル基またはメト
キシ基を示す。)で示されるXB−ベンゾイルグリシル
−L−フェニルアラニンをCPAによって分解し、生成
するXB−ベンゾイルグリシンをさらにヒプリカーゼを
用いて分解し、得られるXB−安息香酸を4−アミノア
ンチピリン(4−AA)で酸化発色し、CPAの活性を
測定する方法、および
【0008】(C)特開昭59-85299号明細書に、一般式
(C)
【化6】
【0009】(式中、XCはオルト位またはパラ位に結
合される置換基であって、オルト位に結合される場合に
はヒドロキシル基またはアミノ基、そしてパラ位に結合
される場合にはヒドロキシル基、アミノ基またはメトキ
シル基である。YCはグリシン、L−アラニン、L−バ
リン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンのいずれか
のアミノ酸残基であり、ZCはL−フェニルアラニン、
L−チロシンまたはL−トリプトファンのいずれかのア
ミノ酸残基である。)で示されるジペプチド誘導体にC
PAを作用させてYC−ZC結合を切断し、生成するXC
−ベンゾイル−YCをさらにヒプリカーゼによって分解
を行なった後、得られた安息香酸誘導体を4−AAで比
色定量する方法あるいは還元型ニコチンアミドアデニン
ジヌクレオチド(NADH)または還元型ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)の存在
下で該安息香酸誘導体の水酸化酵素を作用させてこの補
酵素の変化を比色定量あるいは亜硝酸塩を作用させ、生
成するジアゾニウム塩に発色試薬を作用させて比色定量
することを特徴とするCPA活性測定方法が記載されて
いる。
【0010】(B)法および(C)法は一般式(B)お
よび(C)で示される基質をCPAで分解した生成物に
共役酵素をさらに作用させて安息香酸の誘導体を生成さ
せ、これを定量することにより、CPAの活性を測定す
る方法である。この方法では、CPAによる基質の分解
が遅いため、迅速に測定を行なうことが困難であり、血
液や尿などの生体試料中のCPA活性を検出するには、
感度が不足していた。さらに、安息香酸誘導体の定量操
作も煩雑で測定に長時間を要するという問題があった。
【0011】一方、(A)法の明細書中、実際に効果が
確認されている基質、p−ヒドロキシベンゾイル−L−
アラニル−L−フェニルアラニンおよびベンゾイル−グ
リシル−L−フェニルアラニンも前記と同様にCPAに
よる分解が遅いため、迅速に測定を行なうことが困難で
あった。また、この明細書中にはL−フェニルアラニン
またはその誘導体を酵素的に定量する方法も記載されて
いる。
【0012】芳香族アミノ酸の一般的な酵素的定量法と
して種々の方法が知られている。例えば、 1)各種アミノ酸にデカルボキシラーゼを作用させ生成
した炭酸ガスをマノメトリックに測定するか、あるいは
生成したモノアミンを呈色させて測定する方法(Method
s of Enzymatic analysis., 第2版,第4巻,1662頁お
よび1669頁(1974),Academic Press発行に記載されてい
る。)、 2)アミノ酸にアミノ酸オキシダーゼを作用させ生成す
る過酸化水素を測定する方法(Methods of Enzymatic a
nalysis., 第3版,第2巻,149頁(1983)および同第
3版,第8巻,399頁(1985),Academic Press発行に
記載されている。)、
【0013】3)L−チロシンおよびL−フェニルアラ
ニンにフェニルアラニンアンモニアリアーゼを作用さ
せ、それぞれクマレイトおよびシンナメイトに変換して
紫外部290〜315nmで測定する方法(Science.,
197 巻、665頁(1977)に記載されている。)、 4)L−フェニルアラニンにL−フェニルアラニンオキ
シダーゼを作用させ、生成する過酸化水素を測定する方
法(Clin Chim. Acta,136巻,131頁(1984)に記載
されている。)、および 5)L−フェニルアラニンにL−フェニルアラニンデヒ
ドロゲナーゼを作用させ、生成するNADHを紫外部3
40nmで測定するか、あるいはジアホラーゼとテトラ
ゾリウム塩を共役させ生成するホルマザン色素を測定す
る方法(Analytical Biochemistry,170巻,397頁
(1988)および同,180巻,91頁(1989)に記載されて
いる。)。
【0014】しかしながら、これらの方法は、生体試料
中のカルボキシペプチダーゼA活性の測定に供するに
は、いずれも欠点を有する。すなわち、前記1)法のマ
ノメトリックな測定は特殊な機器を必要とする。2)法
および4)法は用いる酵素にアミノ酸による特異性がな
く、カルボキシペプチダーゼA活性の測定においては、
生体試料中の種々のアミノ酸の影響を受ける。3)法
は、生体試料中の蛋白質の紫外吸収の影響を大きく受け
精度が劣るうえ、検出感度が実用に供するには不十分で
ある。一方、上記問題点を解決した芳香族アミノ酸の定
量法として、特開昭63-226299号明細書には、芳香族ア
ミノ酸に特異性のある酵素を作用させ、しかる後に生成
物を過酸化水素発生系に導き、生成した過酸化水素を定
量して、芳香族アミノ酸量を測定する方法が記載されて
いる。
【0015】
【発明の目的】本発明者らは、カルボキシペプチダーゼ
Aによる基質の分解速度を向上すべく鋭意研究を重ねた
結果、一般式(I)で示されるジペプチドが、既存の基
質よりも速く分解されることを見出した。また、芳香族
アミノ酸を定量するにおいても、特開昭63-226299号明
細書に記載されている芳香族アミノ酸の定量法を本発明
で見出された基質と組み合わせることにより、カルボキ
シペプチダーゼA活性をさらに簡便、迅速かつ正確に測
定できることも見出し、本発明を完成した。従来技術で
記載した(A)特開昭61-74600号明細書には、実際に測
定に使用した基質(ジペプチド)として、p−ヒドロキ
シベンゾイル−L−アラニル−L−フェニルアラニンお
よびベンゾイル−グリシル−L−フェニルアラニンが実
施例1および実施例2に記載されているにすぎない。
【0016】本発明方法で基質として使用する一般式
(I)で示されるジペプチドは、Xがメチオニン残基ま
たは芳香環を有するアミノ酸残基またはその誘導体を表
わすが、上記基質のXに相当する部分はL−アラニンお
よびグリシンを表わす点で、両者は相違する。
【0017】
【発明の構成】本発明は、(1)一般式(I)
【化7】R−CO−X−Y−OH (I) (式中、Xはメチオニン残基または芳香環を有するアミ
ノ酸残基またはその誘導体を表わし、Yは芳香環を有す
るアミノ酸残基またはその誘導体を表わし、R−COは
アミノ基の保護基を表わす。)で示されるN末端が保護
されているジペプチドを基質として用いることを特徴と
するカルボキシペプチダーゼA活性測定方法、(2)少
なくとも一般式(I)で示される基質を必須成分とする
カルボキシペプチダーゼA活性の測定用のキット、およ
び(3)それに使用する新規なジペプチド化合物に関す
る。
【0018】具体的に説明すると、本発明は以下の反応
工程式2
【化8】
【0019】(反応工程式中、すべての記号は前記と同
じ意味を表わす。)によって示されるように、一般式
(I)で示されるN末端が保護されているジペプチドを
基質とし、これにカルボキシペプチダーゼAを作用させ
て、X−Y結合を分解した後、生じた一般式(II)で示
される芳香環を有するアミノ酸または誘導体に特異性の
ある酵素を作用させ、しかる後に生成物を過酸化水素発
生系へ導き、生成した過酸化水素を定量して、H−Y−
OHの量を測定することを特徴とするカルボキシペプチ
ダーゼA活性測定方法、それに用いる測定用キットおよ
びそれに用いる新規なジペプチド化合物に関する。
【0020】本発明においては、特に指示しない限り異
性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基およ
びアルコキシ基には直鎖のもの、分岐鎖のものが含まれ
る。また、分岐鎖のアルキル基が存在する場合等の不斉
炭素原子の存在により生ずる異性体基も含まれる。
【0021】一般式(I)中、XおよびYによって表わ
される芳香環を有するアミノ酸残基またはその誘導体と
は、例えば、フェニルアラニン、チロシン、トリプトフ
ァン、ナフチルアラニンおよびそれらの芳香環が水酸
基、C1〜4アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子
(ヨウ素原子、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)等に
よって置換されたアミノ酸等の残基が挙げられる。好ま
しいXとして、メチオニン、フェニルアラニン、チロシ
ンが挙げられ、より好ましいXとして、L−メチオニン
が挙げられる。好ましいYとして、フェニルアラニン、
チロシン、トリプトファン、ナフチルアラニンが挙げら
れ、より好ましいYとして、L−チロシン、L−フェニ
ルアラニンが挙げられる。
【0022】一般式(I)中、R−COによって表わさ
れるアミノ基の保護基としては、一般的に知られている
ものなら何でもよい。好ましくは、Rは水素原子、C1
〜8アルキル基、C1〜8アルコキシ基、フェニル基、
ベンジルオキシ基、C2〜5アシル基、9−フルオレニ
ルメトキシ基、カルボキシメチル基等が挙げられる。ま
た、フェニル基およびベンジルオキシ基中のフェニル基
は、C1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、水酸
基、ニトロ基、ハロゲン原子等により置換されていても
よい。
【0023】R−COの好ましい具体例としては、ホル
ミル基、アセチル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベ
ンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、ピルボイル
基、p−ヒドロキシベンゾイル基、9−フルオレニルメ
トキシカルボニル基、サクシニル基等が挙げられる。よ
り好ましいR−COとして、アセチル基、ベンジルオキ
シカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基が挙げられ
る。
【0024】Rによって表わされるC1〜8アルキル基
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル基およびそれらの異性体を
表わす。Rによって表わされるC1〜8アルコキシ基
は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペン
チルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチ
ルオキシ基およびそれらの異性体を表わす。Rによって
表わされるC2〜5アシル基はアセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、バレリル基およびそれらの異性体を表わ
す。
【0025】Rによって表わされるフェニル基およびベ
ンジルオキシ基中のフェニル基の置換基であるC1〜4
アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル基お
よびそれらの異性体である。Rによって表わされるフェ
ニル基およびベンジルオキシ基中のフェニル基の置換基
であるC1〜4アルコキシ基、XおよびYによって表わ
される芳香環を有するアミノ酸残基またはその誘導体中
の芳香環の置換基としてのC1〜4アルコキシ基とは、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基およびそ
れらの異性体である。
【0026】一般式(I)で示されるジペプチドのう
ち、Rがアセチル基を表わし、Xがメチオニンの残基を
表わし、YがL−チロシンの残基またはL−フェニルア
ラニンの残基を表わす化合物、すなわちアセチル−L−
メチオニル−L−チロシンおよびアセチル−L−メチオ
ニル−L−フェニルアラニンは新規な化合物である。一
般式(I)で示されるジペプチドは公知のペプチド合成
法、例えば、「ペプチド合成」(丸善(株)発行1975年
116〜158頁)記載の方法等により容易に合成する
ことができる。また市販品を入手することも可能であ
る。例えば、ベンジルオキシカルボニル−L−メチオニ
ル−L−チロシンは公知化合物であり、アセチル−L−
フェニルアラニル−L−フェニルアラニン、アセチル−
L−フェニルアラニル−L−チロシン、アセチル−L−
チロシル−L−フェニルアラニン、アセチル−L−チロ
シル−L−チロシン、t−ブトキシカルボニル−L−フ
ェニルアラニル−L−フェニルアラニンおよびt−ブト
キシカルボニル−L−フェニルアラニル−L−チロシン
は市販されている。
【0027】この測定対象であるCPAは膵臓由来の蛋
白質分解酵素で、ペプチドおよび蛋白質のカルボキシル
基末端からアミノ酸を順次分解していくエキソペプチダ
ーゼである。このCPAは臨床分析の場合には血清とか
尿のような体液に含まれた状態で測定に供されるが、本
発明の方法を適用する状態はこれに限定されるものでは
なく、測定目的に応じ種々の状態のものであってよいこ
とはいうまでもない。
【0028】カルボキシペプチダーゼAによって分解さ
れ、生成する芳香環を有するアミノ酸または誘導体(H
−Y−OH)を酵素的に定量する方法は、特開昭63-226
299号明細書記載の方法により行なうことができる。そ
の方法を以下に具体的に説明する。H−Y−OHで示さ
れる芳香族アミノ酸、具体的にはL−チロシンまたはL
−フェニルアラニンおよびそれらの誘導体に特異性のあ
る酵素として以下のものが挙げられる。
【0029】チロシンに特異性のある酵素としてチロシ
ンデカルボキシラーゼおよびβ−チロシナーゼが挙げら
れ、フェニルアラニンに特異性のある酵素としてフェニ
ルアラニンデカルボキシラーゼおよびフェニルアラニン
4−モノオキシゲナーゼが挙げられる。さらに、チロ
シンデカルボキシラーゼは高濃度ではフェニルアラニン
にも作用することが知られている。
【0030】各酵素はいかなる生物に由来するものでも
よいが、例えばフェニルアラニンデカルボキシラーゼは
ストレプトコッカス・ファエカリス(Streptococcus fa
ecalis)より調製され、フェニルアラニン 4−モノオ
キシゲナーゼはラットの肝臓(J. Biol. Chem., 245, 4
745 (1970)参照)やシュードモナス(Pseudomonas, J.
Biol. Chem., 250, 6672 (1975)参照)より抽出精製さ
れる。このフェニルアラニン 4−モノオキシゲナーゼ
は6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロプテリジ
ン(MTHP)存在下、定量的にフェニルアラニンをチ
ロシンに変換する。また、チロシンデカルボキシラーゼ
としてはストレプトコッカス・ファエカリスのアセトン
乾燥菌体より破砕抽出、分子篩等で精製したチロシンデ
カルボキシラーゼのアポ酵素が用いられ、これをピリド
キサールリン酸存在下に作用させてチラミンに変換す
る。もちろん、同酵素のホロ酵素を用いる場合にはピリ
ドキサールリン酸は不要である。さらにβ−チロシナー
ゼはエシェリシア・インターメディア(Escherichia in
termedia, J. Biol. Chem., 245, 1767および1773 (197
0)参照)より精製される。これらの酵素を作用させるこ
とにより、チロシンまたはフェニルアラニンをチラミ
ン、β−フェニルエチルアミンまたはピルビン酸に導く
ことができる。
【0031】好ましくは、(1)チロシンにチロシンデ
カルボキシラーゼ0.1〜2U/ml(最終濃度を意味
し、以下同様。また、アポ酵素を用いる場合には、アポ
酵素0.1〜2U/mlとピリドキサールリン酸1μM〜1
mMを用いる)を作用させ、チラミンに変換するか、
(2)チロシンにβ−チロシナーゼ0.1〜5U/mlを
作用させ、ピルビン酸に変換するか、(3)フェニルア
ラニンにフェニルアラニンデカルボキシラーゼ0.1〜5
U/mlを作用させ、β−フェニルエチルアミンに変換
するか、(4)フェニルアラニンにMTHP10μM〜
1mM存在下、フェニルアラニン4−モノオキシゲナー
ゼ0.1〜5U/mlとチロシンデカルボキシラーゼ0.1〜
2U/ml(アポ酵素を用いる場合は前記と同じ)を組
み合わせて作用させ、チラミンに変換するか、(5)フ
ェニルアラニンにMTHP10μM〜1mM存在下、フ
ェニルアラニン4−モノオキシゲナーゼ0.1〜5U/m
lとβ−チロシナーゼ0.1〜5U/mlを組み合わせて
作用させ、ピルビン酸に変換するか、(6)チロシンに
チロシンデカルボキシラーゼを(1)で用いる場合の1
0〜50倍(アポ酵素を用いる場合も10〜50倍)、
好ましくは、最終濃度で1〜20U/ml作用させ、β
−フェニルエチルアミンに変換する方法が挙げられる。
【0032】次に、チロシンもしくは、フェニルアラニ
ンの代謝物(チラミン、β−フェニルエチルアミン、ピ
ルビン酸)を過酸化水素発生系へ導く方法としては、
(1)チラミンおよびβ−フェニルエチルアミンにチラ
ミンオキシダーゼを作用させる方法(チラミンオキシダ
ーゼは、チラミンだけでなくβ−フェニルエチルアミン
にも作用し、過酸化水素を発生させる。)、(2)ピル
ビン酸にチアミンピロフォスフェートおよびフラビンア
デニンジヌクレオチド存在下、ピルビン酸オキシダーゼ
を作用させる方法、(3)ピルビン酸にNADH(還元
型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)存在下、乳
酸デヒドロゲナーゼと乳酸オキシダーゼを作用させる方
法等が挙げられる。これらの反応に用いる酵素および試
薬はいずれも市販されている。
【0033】用いる酵素量は、チラミンオキシダーゼを
用いる場合には、同酵素0.1〜5U/ml、ピルビン酸
オキシダーゼを用いる場合には、同酵素1〜20U/m
l、チアミンピロフォスフェート0.1〜1mMおよびフ
ラビンアデニンジヌクレオチド1μM〜0.1mM、さら
に乳酸デヒドロゲナーゼと乳酸オキシダーゼを用いる場
合には、乳酸デヒドロゲナーゼ1〜20U/ml、乳酸
オキシダーゼ0.1〜5U/mlおよびNADH0.1〜1m
Mが適当である。
【0034】生成した過酸化水素は公知の過酸化水素検
出系を用いて測定される。代表的な系としてはペルオキ
シダーゼの存在下に、4−アミノアンチピリンなどを利
用し、各種のフェノール類あるいはアニリン類とのカッ
プリングにより色原体を発色させる方法、あるいはペル
オキシダーゼの存在下ロイコ化合物、メチレンブルー等
の色原体を発色させる方法があるが、これらに限定され
るものではない。それらの使用濃度は公知の方法におい
て採用されている測定試薬のそれに準じて適宜設定する
ことができる。
【0035】本発明に用いる緩衝液は、用いる基質によ
り活性の面で有利となるものであればよいが、pH5.0
〜8.0、望ましくはpH6.0〜7.5のものである。例え
ば、MES緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、マック
イルバイン(McIlvaine)緩衝液等が挙げられ、好まし
くは、MES緩衝液である。緩衝液は20〜300mM
の範囲の濃度で用いられる。
【0036】また、本発明のCPA活性測定用キットの
成分としては、少なくとも以下(i)〜(iii)の成分を含ん
でいればよいが、もちろんこれらに限定されるものでは
ない。 (i)一般式(I)で示されるジペプチド、(ii)一般式
(I)で示されるジペプチドの分解によって産生される
H−Y−OHを定量するために必要な酵素および試薬、
(iii)緩衝液。
【0037】
【実施例】以下、本発明を製造例および実施例を挙げて
詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。クロマトグラフィーによる分離の箇所に示されてい
るカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒
を示し、割合は体積比を表わす。
【0038】製造例1:アセチル−L−メチオニル−L
−チロシンの製造 Ac−Met−OH(2.093g)および1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(1.54g)のジメチルホルムアミド
(100ml)溶液を0℃に冷却後、1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(2.
27g)を加え、30分間撹拌した。反応混合溶液にH−
Tyr(t−Bu)−(O−t−Bu)・塩酸塩(1.64
3g)およびジイソプロピルエチルアミン(957μl)
のジメチルホルムアミド(15ml)溶液を加え、室温
で18時間撹拌した。反応混合溶液を濃縮し、酢酸エチ
ルで抽出した。抽出液を1N−水酸化ナトリウム水溶液
(2回)、飽和シュウ酸水溶液(2回)、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液(2回)および飽和食塩水(1回)で
順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し
た。得られた残留物を室温にて、4N−塩酸/ジオキサ
ン溶液(20ml)に溶解し、14時間撹拌した。反応
混合溶液を濃縮し、残留物をアセトニトリルを用いて再
結晶操作を2回行ない、下記物性値を有する標題化合物
(1.141g)を白色結晶で得た。
【0039】TLC:Rf 0.45(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=16:3:1); MS(EI):m/z 354(M+),280; NMR(CDCl3):δ 7.39(1H,d,J=8.5Hz), 7.00(2H,d,
J=8.5Hz), 6.71(2H,d,J=8.5Hz), 4.70(1H,dd,J=12.5,5.
0Hz), 4.50(1H,t,J=7.0Hz), 3.76(2H,br), 3.12(1H,dd,
J=13.0,5.0Hz), 2.92(1H,dd,J=13.0,7.5Hz), 2.48(2H,
t,J=7.5Hz), 2.05(3H,s), 1.95(3H,s), 2.10-1.85(2H,
m)。
【0040】製造例2:アセチル−L−メチオニル−L
−フェニルアラニンの製造 トリエチルアミン(0.709ml)、水(1.6ml)および
1,2−ジクロロエタン(80ml)の混合溶液にL−
フェニルアラニンエチルエステル塩酸塩(1.168g)を
溶解し、室温で20分間撹拌した。反応混合溶液に1−
ヒドロキシベンゾトリアゾール(780mg)およびア
セチル−L−メチオニン(810mg)を加え、5分間
撹拌後、カルボジイミド(890mg)水溶液(5m
l)を滴下し、1時間撹拌した。反応混合溶液を酢酸エ
チルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、濃縮した。残留物を混合溶媒(酢酸エチル:ヘキサ
ン=1:2)を用いて再結晶操作を行ない、アセチル−
L−メチオニル−L−フェニルアラニンエチルエステル
(1.218g)を得た。これをメタノール(20ml)に
溶解し、0℃にて、1N−水酸化ナトリウム水溶液(4.
3ml)をゆっくりと加え、2時間撹拌した。反応混合
溶液に2N−塩酸(875μl)を加え、pH6とし
た。メタノールを蒸発乾固し、残留物を水(10ml)
に溶解し、2N−塩酸(1ml)を加え、白色沈殿をろ
過した。ろ過物をイソプロパノールで2回再結晶し、下
記物性値を有する標題化合物(775mg)を得た。
【0041】TLC:Rf 0.42(酢酸エチル:メタノ
ール:水=7:2:1); MS(EI):m/z 339(M++1),265,167,120; NMR(CD3OD):δ 7.35-7.15(5H,m), 4.75(1H,dd,J=
7.0,5.0Hz), 4.50(1H,dd,J=7.5,5.5Hz), 3.22(1H,dd,J=
13.5,5.0Hz), 3.02(1H,dd,J=13.5,7.0Hz), 2.50(2H,t,J
=7.5Hz), 2.07(3H,s), 1.98(3H,s), 2.02(1H,dd,J=13.
0,6.0Hz), 1.85(1H,dd,J=13.0,6.5Hz)。
【0042】比較例1:ヒト由来CPAによる各種基質
の分解速度比較 MES緩衝液(同仁化学研究所製,pH6.3,20m
M)、塩化ナトリウム(0.1M)、各種のN末端保護の
ペプチド誘導体からなる基質溶液(10mM,450μ
l)に、CPA(ヒト由来,50μl)を添加し、37
℃で120分間インキュベートした後、0.04N−塩酸
(500μl)を加え(pH2.0)、反応を停止させ除
蛋白後、この反応液をアミノ酸分析装置に供して、生成
したアミノ酸を定量し、基質の分解速度を比較した。各
種のN末端保護のペプチド誘導体を基質として、酵素活
性を測定した結果を表1に示す。なお、表中の酵素活性
は、ベンゾイル−グリシル−L−フェニルアラニン(特
開昭61-74600号明細書記載化合物)に対する加水分解速
度を100とした相対加水分解速度で示してある。
【0043】
【表1】
【0044】表1の結果から、本発明化合物は比較化合
物に対して加水分解速度が向上していることが明らかで
ある。
【0045】比較例2:急性膵炎患者血清中CPAによ
る各種基質の分解速度比較 MES緩衝液(同仁化学研究所製,pH6.3,20m
M)、塩化ナトリウム(0.1M)、ベンゾイル−グリシ
ル−L−フェニルアラニン(特開昭61-74600号明細書記
載化合物,10mM)あるいはアセチル−L−メチオニ
ル−L−チロシン(製造例1で製造した化合物)からな
る基質溶液(360μl)に、急性膵炎患者血清(40
μl)を添加し、37℃で120分間インキュベートし
た後、0.04M−塩酸(400μl)を加え、反応を停止
させ、除蛋白後、この反応液をアミノ酸分析装置に供し
て、生成したL−フェニルアラニンあるいはL−チロシ
ンを定量した。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2の結果から、本発明の基質は、比較基
質に比べ、約4倍の反応速度であり、血清CPAの測定
に利用した場合に十分な感度が期待できる。
【0048】実施例1:4−アミノアンチピリンおよび
N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル)−m−トルイジンの組合せによるキノンイミン色素
を色原体とするヒト血清中CPA活性の測定 試薬1:MES緩衝液(同仁化学研究所製,pH6.0,
0.15M)、塩化ナトリウム(0.1M)、ペルオキシダー
ゼ(西洋ワサビ由来,3U/ml)、N−エチル−N−
(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイ
ジン(4.5mM)、チラミンオキシダーゼ(微生物由
来,0.375U/ml)、チロシンデカルボキシラーゼ
(微生物由来,0.81U/ml)、ピリドキサールリン酸
(15μM)、 試薬2:MES緩衝液(pH6.0,0.15M)、塩化ナト
リウム(0.1M)、4−アミノアンチピリン(0.9m
M)、アセチル−L−メチオニル−L−チロシン(製造
例1で製造した化合物,4.5mM)。 試薬1(750μl)と被検体(健常人血清および急性
膵炎患者血清,60μl)とを混合し、37℃で5分間
インキュベートした。その後、試薬2(375μl)を
混合し、37℃で加温しながら570nmにおける吸光
度変化を5分間測定した。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】実施例2:4−アミノアンチピリンおよび
N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル)アニリンの組合せによるキノンイミン色素を色原体
とするヒト血清中CPA活性の測定 試薬1:MES緩衝液(同仁化学研究所製,pH6.0,
0.15M)、塩化ナトリウム(0.1M)、ペルオキシダー
ゼ(西洋ワサビ由来,3U/ml)、N−エチル−N−
(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン(4.
5mM)、チラミンオキシダーゼ(微生物由来,0.375U
/ml)、チロシンデカルボキシラーゼ(微生物由来,
0.81U/ml)、ピリドキサールリン酸(15μM)、 試薬2:MES緩衝液(pH6.0,0.15M)、塩化ナト
リウム(0.1M)、4−アミノアンチピリン(0.9m
M)、アセチル−L−メチオニル−L−チロシン(製造
例1で製造した化合物,4.5mM)。 試薬1(750μl)と被検体(健常人血清および急性
膵炎患者血清,60μl)とを混合し、37℃で5分間
インキュベートした。その後、試薬2(375μl)を
混合し、37℃で加温しながら600nmにおける吸光
度変化を5分間測定した。結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】実施例3:10−(カルボキシメチルアミ
ノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−フ
ェノチアジンによるメチレンブルー色素を色原体とする
ヒト血清中CPA活性の測定 試薬1:MES緩衝液(同仁化学研究所製,pH6.0,
0.15M)、塩化ナトリウム(0.1M)、10−(カルボ
キシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチ
ルアミノ)−フェノチアジン(0.06mM)、チラミンオ
キシダーゼ(微生物由来,0.375U/ml)、チロシン
デカルボキシラーゼ(微生物由来,0.405U/ml)、
ピリドキサールリン酸(15mM)、カタラーゼ(牛肝
臓由来,20U/ml)、 試薬2:MES緩衝液(pH6.0,0.15M)、塩化ナト
リウム(0.1M)、ペルオキシダーゼ(西洋ワサビ由
来,6U/ml)、アセチル−L−メチオニル−L−チ
ロシン(製造例1で製造した化合物,4.5mM)。 試薬1(750μl)と被検体(健常人血清,60μ
l)とを混合し、37℃で5分間インキュベートした。
その後試薬2(375μl)を混合し、37℃で加温し
ながら660nmにおける吸光度変化を5分間測定し
た。結果を表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】実施例4:自動分析装置への応用(1) 実施例1の試薬1および試薬2を用いて、健常人血清を
測定した。測定は日立7070型自動分析装置を用いて、試
薬1(250μl)と試料(20μl)とを混合し、5
分間インキュベートした後に、試薬2(125μl)を
添加した後3分後から5分後までの吸光度の変化量を測
定し、1分間あたりの吸光度変化として以下に示す計算
式より、CPA活性(IU/l)として計算した。測定
温度は37℃、測定波長は主波長570nm(副波長7
00nm)である。 IU/l=△A×(1/16480)×(395/20)×
106、 △A:1分間あたりの吸光度変化量、 16480:キノンイミン色素のモル吸光係数。 測定の結果、CPA活性値は0.908U/l、同時再現性
CVは7.27%であった。
【0055】実施例5:自動分析装置への応用(2) 実施例2の試薬1および試薬2を用いて、健常人血清を
測定した。測定は日立7070型自動分析装置を用いて、試
薬1(250μl)と試料(20μl)とを混合し、5
分間インキュベートした後に、試薬2(125μl)を
添加した後3分後から5分後までの吸光度の変化量を測
定し、1分間あたりの吸光度変化として以下に示す計算
式より、CPA活性(IU/l)として計算した。測定
温度は37℃、測定波長は主波長600nm(副波長8
00nm)である。 IU/l=△A×(1/13580)×(395/20)×
106、 △A:1分間あたりの吸光度変化量、 13580:キノンイミン色素のモル吸光係数。 測定の結果、CPA活性値は0.902U/l、同時再現性
CVは7.65%であった。
【0056】実施例6:実施例1および実施例2の試薬
1および試薬2を用いて、ヒト膵臓由来CPAを、牛血
清アルブミン(0.1%)および塩化ナトリウム(0.1M)
を含むトリス−塩酸緩衝液(pH7.5,20mM)を用
いて、段階的に希釈した溶液のCPA活性を測定した。
測定は日立7070型自動分析装置を用いて、実施例4およ
び実施例5の方法にて行なった。実施例4の方法を用い
て測定した測定値と試料の希釈率との関係を図1に示
し、実施例5の方法を用いて測定した測定値と試料の希
釈率との関係を図2に示す。図1および図2の結果か
ら、本発明方法は、CPAの日常的測定に十分な測定範
囲を有することが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例4の方法で測定した測定値と試料の希
釈率との関係を示しグラフである。
【図2】 実施例5の方法で測定した測定値と試料の希
釈率との関係を示すグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】R−CO−X−Y−OH (I) (式中、Xはメチオニン残基または芳香環を有するアミ
    ノ酸残基またはその誘導体を表わし、Yは芳香環を有す
    るアミノ酸残基またはその誘導体を表わし、R−COは
    アミノ基の保護基を表わす。)で示されるN末端が保護
    されているジペプチドを基質とし、これをカルボキシペ
    プチダーゼAにて分解し、生成した一般式(II) 【化2】H−Y−OH (II) (式中、Yは前記と同じ意味を表わす。)で示される芳
    香環を有するアミノ酸またはその誘導体に、これを定量
    し得る酵素を作用させることを特徴とするカルボキシペ
    プチダーゼA活性測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(I)で示され
    るN末端が保護されているジペプチドをカルボキシペプ
    チダーゼAにて分解し、生成したH−Y−OHに特異性
    のある酵素を作用させ、しかる後に生成物を過酸化水素
    発生系へ導き、生成した過酸化水素を定量して、H−Y
    −OHの量を測定することを特徴とする請求項1記載の
    カルボキシペプチダーゼA活性測定方法。
  3. 【請求項3】 H−Y−OHに作用させる酵素がチロシ
    ンデカルボキシラーゼまたはフェニルアラニンデカルボ
    キシラーゼであり、前記酵素を作用させた後にチラミン
    オキシダーゼを作用させ、生成した過酸化水素を定量し
    て、H−Y−OHの量を測定することを特徴とする請求
    項2記載のカルボキシペプチダーゼA活性測定方法。
  4. 【請求項4】 一般式(I)において、XがL−メチオ
    ニン、L−チロシンまたはL−フェニルアラニンの残基
    であり、YがL−フェニルアラニンまたはL−チロシン
    の残基であり、R−COがホルミル基、アセチル基、ベ
    ンジルオキシカルボニル基、サクシニル基、ベンゾイル
    基、t−ブトキシカルボニル基、ピルボイル基、p−ヒ
    ドロキシベンゾイル基または9−フルオレニルメトキシ
    カルボニル基であるジペプチドを基質として使用する請
    求項1記載のカルボキシペプチダーゼA活性測定方法。
  5. 【請求項5】 ジペプチドがアセチル−L−メチオニル
    −L−チロシンである請求項4記載のカルボキシペプチ
    ダーゼA活性測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の一般式(I)で示される
    ジペプチドを必須成分とするカルボキシペプチダーゼA
    活性測定用キット。
  7. 【請求項7】 請求項1の一般式(I)において、Rが
    アセチル基を表わし、Xがメチオニンの残基を表わし、
    YがL−チロシンの残基またはL−フェニルアラニンの
    残基を表わす化合物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007289097A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Toyobo Co Ltd 総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比測定用液状試薬
JP2008534495A (ja) * 2005-03-25 2008-08-28 オブシェストヴォス オグラニチェンノイ オトヴェツトヴェンノスティユ “ファルメンテルプリセス” アミン及びアミノ酸のフェニル−n−アシル誘導体、それらの調製法、それらの製薬組成物及び使用

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