JPH11124944A - 木造建築用パネル及び木造建築の屋根構造 - Google Patents

木造建築用パネル及び木造建築の屋根構造

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JPH11124944A
JPH11124944A JP9289891A JP28989197A JPH11124944A JP H11124944 A JPH11124944 A JP H11124944A JP 9289891 A JP9289891 A JP 9289891A JP 28989197 A JP28989197 A JP 28989197A JP H11124944 A JPH11124944 A JP H11124944A
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JP
Japan
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heat insulating
wooden building
panel
insulating material
base material
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JP9289891A
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Inventor
Kenichi Yamashita
健一 山下
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YAMASHITA KOUMUTEN KK
Original Assignee
YAMASHITA KOUMUTEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱効果等を発揮し、かつ、木造建築の作業
性を大幅に向上する。 【解決手段】 支持板材11の一側面に発泡樹脂材料か
らなる矩形板状の断熱材13を貼り付け、断熱材13に
配線溝14を設ける。配線溝14に屋内配線を配置する
ことが出来、現場で屋内配線配置用の空間を確保する必
要がない。また、断熱材13の幅方向一端に下地材を設
けて、現場での下地材の配置作業を省略しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木造建築に使用され
る壁パネル、床パネル及び屋根パネル等のパネル及び屋
根構造に関するものであり、特に、木造建築物の壁、床
及び屋根等の内外装材乃至屋根葺き材の下地材として機
能し、かつ、断熱効果等を発揮する木造建築用パネル及
び換気機能を備えた屋根構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の木造建築用パネルとしては、ポリ
スチレンフォーム等の発泡樹脂からなる断熱材がある。
この断熱材は、木造建築工事において壁の内外装材、床
材、屋根葺き材等の仕上材の内面側に収容した状態で固
定されるものである。この断熱材は、壁、床、屋根等に
おいて所定の断熱効果を発揮し、室内外の熱を遮断し
て、室内の温度を一定に維持する。そして、建物の居住
性を向上すると共に、暖冷房のためのエネルギー消費を
低減し、結露を防止する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の木造建築用パネ
ルとしての断熱材は、上記のように、仕上材の内面側の
所定位置に配置して壁等に収容して固定されるが、かか
る断熱材を所定位置に固定するには、断熱材を支持乃至
保持する板材等の支持手段を別個に設ける必要があり、
その作業が煩雑となる。また、その際、電線、アンテナ
線等の屋内配線用の空間を確保するため、断熱材乃至支
持手段の配置位置、その形状等を考慮し、現場にてそれ
らを手配する必要があり、その作業が面倒である。
【0004】一方、従来の木造建築では、かかる断熱材
及びその支持材等を固定するための下地を柱間に後付け
で組み付ける必要があり、その作業が面倒であり、やは
り作業性の点で改善する余地がある。
【0005】更に、従来の木造建築では、結露防止等の
ために、壁等に通気空間を設けることがあるが、かかる
換気機能を屋根にも持たせることができれば一層好まし
い。
【0006】そこで、本発明は、断熱効果を発揮できる
と共に、屋内配線用の空間を簡単に確保できる木造建築
用パネルの提供を第1の課題とするものである。
【0007】また、本発明は、断熱効果を発揮できると
共に、壁、床、屋根等の内外装仕上材乃至屋根葺き材の
下地材を別個に設ける必要がなく、作業性を大幅に向上
することができる木造建築用パネルの提供を第2の課題
とするものである。
【0008】更に、本発明は、断熱効果を発揮できると
共に、壁、床等へ配置する際の位置決めが容易で、作業
性を大幅に向上することができる木造建築用パネルの提
供を第3の課題とするものである。
【0009】そして、本発明は、断熱効果を発揮できる
と共に、屋根等の通気を促進し、結露等を有効に防止で
きる木造建築用パネルの提供を第4の課題とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる木造建
築用パネルは、矩形板状の板材と、前記板材と対応する
矩形板状をなし、板材の一側面に固着された発泡樹脂材
料からなる断熱材と、前記断熱材の前記板材と反対側に
設けられた配線空間とを具備する。
【0011】請求項2にかかる木造建築用パネルは、矩
形板状の板材と、前記板材と対応する矩形板状をなし、
板材の一側面に固着された発泡樹脂材料からなる断熱材
と、前記断熱材の少なくとも幅方向一端に沿って固着さ
れた下地材とを具備する。
【0012】請求項3にかかる木造建築用パネルは、請
求項2の構成において、更に、前記断熱材の前記板材と
反対側に配線空間を設けたものである。
【0013】請求項4にかかる木造建築用パネルは、発
泡樹脂材料からなる矩形板状の断熱材と、前記断熱材の
厚さ方向一側面の全面を覆うよう固着されると共に、そ
の幅方向両端から所定量突出する鍔部を有する板材とを
具備する。
【0014】請求項5にかかる木造建築用パネルは、発
泡樹脂材料からなる矩形板状の断熱材と、前記断熱材の
厚さ方向一側面の略全面を覆うよう一体的に設けられた
板材と、前記断熱材の厚さ方向一側面と前記板材との間
に形成された溝状の通気空間とを具備する。
【0015】請求項6にかかる木造建築用パネルは、請
求項5に記載の木造建築用パネルを屋根の頂部の両側に
配設し、前記頂部には、その両側の木造建築用パネルの
前記通気空間を互いに連通する換気手段を配置したもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0017】図1は本発明の実施の形態1にかかる木造
建築用壁パネルを示す平面図である。図2は本発明の実
施の形態1にかかる木造建築用壁パネルを示す断面図で
ある。
【0018】実施の形態1の木造建築用パネルは、壁パ
ネル10に具体化される。この壁パネル10は、図1及
び図2に示すように、支持板材11と、芯材12と、断
熱材13を備える。前記支持板材11は、木製で所定寸
法の矩形板状をなし、図示の例では、縦長長方形状とさ
れている。芯材12は支持板材11の上下両端に所定の
間隙を置いて支持板材11を上下方向に延びる木製の厚
板状をなし、その厚さ方向一側面(図2中上側面)が支
持板材11の厚さ方向一側面(図2中下側面)に接着等
により固着されている。即ち、芯材12が支持板材11
の幅方向(左右)中央を上下方向に延び、支持板材11
を左右にほぼ2分割している。前記芯材12により2分
割された支持板材11の一側面の左右両側には、一対の
発泡樹脂材料からなる断熱材13がそれぞれ接着等によ
り固着されている。各断熱材13は、支持板材11の左
右両側部分より若干小さい矩形状をなし、図示の例で
は、支持板材11の左右半部より若干小さい細長長方形
状をなしている。なお、断熱材13は、通常はポリスチ
レンフォーム(発泡スチロール)より形成されるが、そ
の他、ポリウレタンフォーム等、建築材料として所定の
断熱効果を発揮する発泡樹脂材料であれば、任意のもの
を使用することができる。これにより、実施の形態1の
壁パネル10では、支持板材11の全周縁、即ち、平面
形状の上下両端部及び左右両端部にそれぞれ鍔部11
a,11bが形成されている。なお、左右の鍔部11b
の幅は、後述するように、壁パネルを壁部分の開口に嵌
め込むときに取り付ける下地材の幅の半分に設定する。
【0019】前記芯材12の厚さ(図2中上下方向寸
法)と断熱材13の厚さは同一とされ、芯材12と断熱
材13が面一の表面を形成している。そして、前記芯材
12及びその両側の断熱材13により矩形状の層状をな
す断熱層が構成されている。また、各断熱材13の表面
側の幅方向所定位置(例えば左右中央)には、上下方向
に延びる直線状の配線溝14が形成されている。更に、
前記断熱層12,13の表面にはその平面形状と同一寸
法及び同一形状の平板状をなす保護板材15が接着等に
より固着され、断熱層12,13の全体を覆っている。
これにより、前記断熱材13の両配線溝14が保護板材
15によって遮蔽されて保護板材15との間に密閉空間
を形成し、その密閉空間に沿って電線、配線コード、ア
ンテナ線等の家屋配線を配置自在となっている。
【0020】保護板材15には、前記配線溝14に連通
する配線引出し孔16が穿設されている。図示の例では
左側の配線溝14に連通する2個の矩形状の配線引出し
孔16が上下方向の所定位置にそれぞれ配置されてい
る。なお、前記断熱層12,13及び保護板材15の上
下寸法は、壁部分の横架材(土台、梁、胴差し等)間の
寸法と同一とされ、壁パネル10を横架材間に配置した
ときに、断熱層12,13及び保護板材15の上端面が
上側の横架材の下面に、下端面が下側の横架材の上面に
密接すると共に、前記支持板材11の上下の鍔部11a
が上下の横架材の側面にそれぞれ密接して重なるように
なっている。
【0021】次に、上記のように構成された実施の形態
1にかかる木造建築用壁パネルの使用方法及び作用を説
明する。
【0022】図2に示すように、壁パネル10は、木造
建築の基礎工事及び軸組み作業の後、柱間と土台、梁、
胴差し等の横架材との間に形成される壁部分の開口部
に、保護板材15側を内側として並設配置する。この前
に、壁部分の開口部には、間柱等の下地材1を一定間隔
(壁パネル10の配置間隔に対応する間隔)で配置す
る。即ち、隣接する壁パネル10の断熱層12,13間
に形成される隙間の形状に対応する形状の木製の下地材
1を壁パネル10の幅毎に配置し、横架材間に固定す
る。このとき、上下の横架材とかかる下地材との間に形
成される空間は、壁パネル10の断熱層12,13の外
形(矩形状)と同一平面形状となる。また、壁部分の柱
とそれに隣接する下地材1との間においても、横架材間
に壁パネル10の断熱層12,13乃至保護板材15に
対応する平面矩形状の空間が形成される。
【0023】この後、かかる平面矩形状の空間に壁パネ
ル10の断熱層12,13を嵌め込んで、壁パネル10
を位置決め固定する。この際、壁パネル10の支持板材
11側が室外側(外装材側)に、保護板材15側が室内
側(内装材側)になるよう配置する。なお、構築すべき
壁部分の全開口寸法(左右寸法)に応じて、必要枚数の
壁パネル10を左右に並設すると共に、必要数の下地材
1を固定する。なお、下地材1の代わりに、一部または
全部、間柱を使用しても良い。
【0024】すると、隣接する壁パネル10の支持板材
11の左右両端が密接状態になる。また、このとき、上
記のように、壁パネル10の断熱層12,13及び保護
板材15の上下両端面が横架材の対応する上面及び下面
に密接するとともに、上下の鍔部11aが横架材の側面
に密接して重なる。また、断熱層12,13及び保護板
材15の左右両端面が横架材間に固定した下地材1の対
向する幅方向の側面(図2中左右方向の側面)に密接す
るとともに、左右の鍔部11bが下地材1の外側面(図
2中上側面)に密接して重なる。したがって、横架材及
び下地材1間に形成される平面矩形状の空間に壁パネル
10を容易に位置決めしてはめ込むことができる。な
お、壁部分の柱に隣接する壁パネル10は、断熱層1
2,13及び保護板材15の左右の端面の一方が柱の対
応する側面に密接するとともに、左右の鍔部11bの一
方が柱の外側面に密接して重なる。また、断熱層12,
13及び保護板材15の左右の端面の他方が下地材1の
対応する側面に密接するとともに、左右の鍔部11bの
他方が下地材1の外側面に密接して重なる。したがっ
て、壁パネル10を横架材、柱及び下地材1間の平面矩
形状の空間に容易に位置決めして嵌め込むことができ
る。
【0025】上記のようにして横架材間に嵌め込んだ壁
パネル10は、釘打ち等により固定する。このとき、壁
パネル10の支持板材11が壁部分の外装材側で面一の
室外側表面を形成するとともに、保護板材15が壁部分
の内装材側で面一の室内側表面を形成する。よって、壁
パネル10の支持板材11をそのまま外装材として使用
することができ、別個に外装仕上げをする必要がないた
め、作業工程を削減して作業時間を短縮することがで
き、また、全体のコストを低減することができる。もち
ろん、壁パネル10の支持板材11の上に外装材を貼り
付けて外装仕上げを行っても良い。この場合、壁パネル
10の芯材12は、外装材を釘打ち等する際の下地とし
て使用することができる。
【0026】一方、壁パネル10の保護板材15をその
まま内装材として使用することも可能で、この場合、や
はり、別個に内装仕上げをする必要がないため、作業工
程を削減して作業時間を短縮することができ、また、全
体のコストを低減することができる。保護板材15に内
装材を貼り付けて内装仕上げを行うことも可能である。
この場合、壁パネル10の芯材12は、内装材を釘打ち
等する際の下地として使用する。また、内装仕上材とし
てクロス材等を使用する場合は、保護板材15がクロス
貼り等の下地として機能する。
【0027】更に、実施の形態1では、壁パネル10の
断熱材13に配線溝14を設けたため、かかる配線溝1
4に電線等を容易に配置することができ、別個に配線用
の空間を確保または形成する必要がない。また、断熱材
13の配線溝14を保護板材15が外部から覆っている
ため、配線溝14に配置した電線等が配線溝14から脱
落することを防止できる。そして、保護板材15に配線
引出し孔16を設けたため、かかる配線引出し孔16に
電気プラグ用のコンセント盤等を取り付けることがで
き、室内側への配線引出しが容易になる。更に、芯材1
2が横架材間で上下方向の応力を受け持つため、壁部分
の強度を向上することができる。
【0028】図3は本発明の実施の形態2にかかる木造
建築用壁パネルを示す平面図である。図4は本発明の実
施の形態2にかかる木造建築用壁パネルを示す断面図で
ある。
【0029】実施の形態2の木造建築用パネルは、壁パ
ネル20に具体化される。この壁パネル20は、図3及
び図4に示すように、実施の形態1と同様の支持板材1
1及び芯材12と、断熱材23を備える。前記支持板材
11及び芯材12は実施の形態1で述べた構成と同様の
構成である。また、芯材12により2分割された支持板
材11の一側面の左右両側には、実施の形態1と同様、
一対の発泡樹脂材料からなる断熱材23がそれぞれ接着
等により固着されている。各断熱材23は、ポリスチレ
ンフォーム等により支持板材11の左右両側部分より若
干小さい矩形状に形成されている。即ち、断熱材23
は、配線溝14を有していない単なる平板状である点を
除き、実施の形態1の断熱材13と同様の構成である。
これにより、実施の形態2の壁パネル20でも、支持板
材11の全周、即ち、平面形状の上下両端部及び左右両
端部にそれぞれ鍔部11a,11bが形成されている。
【0030】前記芯材12の厚さと断熱材23の厚さは
同一とされ、芯材12と断熱材23が面一の表面を形成
している。そして、前記芯材12及びその両側の断熱材
23により矩形状の層状をなす断熱層が構成されてい
る。支持板材11の左右の鍔部11bの一方(図3及び
4中左側)及び前記断熱層12,23の左端面には、厚
板状をなす木製の下地材24が接着等により固着されて
いる。下地材24は鍔部11bの約2倍の幅(図4中左
右方向寸法)を有し、幅方向一側(図4中右側)におい
てその幅の半分が支持板材11の左側の鍔部11bに重
ねて固着されている。これにより、壁パネル20は上下
両端の鍔部11a及び右側の鍔部11bのみ有してい
る。また、下地材24は、芯材12よりも大きい厚さと
され、厚さ方向他端が前記断熱材23の表面から所定量
突出している。更に、下地材24は、断熱層12,23
と同一長さの長尺状とされて、断熱層12,23の上端
から下端まで延びている。
【0031】一方、断熱層12,23の左右方向の中央
には、胴縁状の補助下地材26が接着等により固着され
ている。補助下地材26は、断熱層12,23の長さと
同一長さの長尺状とされて、断熱層12,23の上端か
ら下端まで延びている。また、前記断熱層12,23の
上端から所定距離下方の位置には、左右一対の胴縁状の
補助下地材25が接着等により固着されている。補助下
地材25は、補助下地材26の左右で断熱層12,23
の左端または右端から前記補助下地材26まで延びる長
尺状とされている。同様に、前記断熱層12,23の下
端から所定距離上方の位置には、左右一対の胴縁状の補
助下地材25が接着等により固着されている。下側の補
助下地材25も、上側の補助下地材25と同様、補助下
地材26の左右で断熱層12,23の左端または右端か
ら前記補助下地材26まで延びる長尺状とされている。
通常、上側の補助下地材25は天井回縁下地として使用
され、下側の補助下地材25は床幅木下地として使用さ
れる。更に、前記上下の補助下地材25間には、それら
の間を上下に均等に3分割する位置に、各左右一対の胴
縁状の補助下地材27が接着等により固着され、断熱層
12,23を上下に3分割している。各補助下地材27
は、断熱層12,23の左端または右端から前記補助下
地材26まで延びる長尺状とされている。前記補助下地
材25〜27は、断熱層12,23から前記下地材24
の突出量と同一量突出する厚さとされ、下地材24と同
一平面上に位置している。
【0032】前記補助下地材25及び補助下地材27の
中央には、それぞれ配線孔28が形成されている。これ
らの配線孔28は、補助下地材26の左右両側において
それぞれ上下方向に列状に並び、下地材24及び補助下
地材25〜27により囲まれる空間を連通している。こ
れにより、後述するように、壁パネル20の断熱層1
2,23側を内装材で覆ったときに、配線孔28を介し
て前記下地材24及び補助下地材25〜27により囲ま
れる空間に家屋配線を配置自在となっている。なお、前
記芯材12及び断熱材23の上下寸法は、実施の形態1
と同様、壁部分の横架材間の寸法と同一とされている。
【0033】次に、上記のように構成された実施の形態
2にかかる木造建築用壁パネルの使用方法及び作用を説
明する。
【0034】図4に示すように、壁パネル20は、実施
の形態1と同様にして、木造建築の横架材間に形成され
る壁部分の開口部に、断熱層12,23側を室内側(内
装材側)として並設配置し、支持板材11側が室外側
(外装材側)にくるようにする。また、隣接する支持板
材11の左右両端を密接状態とする。このとき、壁パネ
ル20の下地材24が、隣接する壁パネル20の右側の
鍔部11bに対応する量だけ室内側から見て左側に突出
してその鍔部11bに重なり、隣接する断熱層12,2
3間に密接配置される。よって、実施の形態1のよう
に、隣接する壁パネル10間に別個に下地材1を介装し
て固定する必要はない。
【0035】なお、構築すべき壁部分の開口部の全幅
(左右寸法)に応じて、必要枚数の壁パネル20を左右
に並設する。また、実施の形態2では、下地材24が通
常の間柱部分に位置し、横架材間で上下方向の応力を受
け持つため、間柱を省略することができる。なお、壁部
分の開口の前記下地材24が位置する柱部分では、下地
材24を省略した壁パネル20を使用し、支持板材11
の左側の鍔部11bを柱に重ねることが好ましい。
【0036】このとき、実施の形態1のように、壁パネ
ル20の断熱層12,23の上下両端面が横架材の対応
する上面及び下面に密接するとともに、上下の鍔部11
aが横架材の室外側の側面に密接して重なる。また、断
熱層12,23の右端面が隣接する壁パネルの下地材2
4の対向する側面(左端面)に密接するとともに、右側
の鍔部11bが下地材24の室外側端面に密接して重な
る。また、下地材24は鍔部11bの2倍の厚みを有
し、その半分、即ち鍔部11bの厚さ分が左方に突出す
るため、鍔部11bが下地材24に完全に重なり、支持
板材11の対向する左右端が互いに密接する。したがっ
て、横架材間の所定位置に壁パネル20を容易に位置決
めして、互いに密接状態で嵌め込むことができる。
【0037】上記のようにして横架材間に嵌め込んだ壁
パネル20は、釘打ち等により固定する。このとき、実
施の形態1と同様、壁パネル20の支持板材11が壁部
分の外装材側で面一の室外側表面を形成する。よって、
壁パネル20の支持板材11をそのまま外装材として使
用することができ、実施の形態1と同様の効果を奏す
る。もちろん、壁パネル20の支持板材11の上に外装
材を貼り付けて外装仕上げを行っても良い。この場合、
壁パネル20の芯材12及び下地材24は、外装材を釘
打ち等する際の下地として使用することができる。
【0038】一方、壁パネル20の室内側には内装材2
を貼り付けて内装仕上げを行う。この場合、壁パネル2
0の下地材24及び補助下地材25〜27の室内側側面
が同一垂直面上に位置するため、下地材24及び補助下
地材25〜27が内装材2を釘打ち等する際の下地とし
て使用可能となる。特に、上側の補助下地材25は、天
井の回縁を釘打ち等する際の下地として使用可能であ
り、下側の補助下地材25は、床の幅木を釘打ち等する
際の下地として使用可能である。即ち、この場合、支持
板材11の上側の鍔部11aは、上側の横架材に固定さ
れる。また、上側の補助下地材25に天井部分が位置
し、その回縁が上側の補助下地材25に固定される。一
方、支持板材11の下側の鍔部11aは、下側の横架材
に固定される。また、下側の補助下地材25に床部分が
位置し、その幅木が下側の補助下地材25に固定され
る。なお、上下中央の補助下地材27は壁用内装材の下
地として使用される。よって、本実施の形態の壁パネル
20単体で、天井周囲、床周囲及び壁の全ての下地を提
供することができ、そのための別個の下地準備を必要と
しない。また、このとき、壁パネル20の補助下地材2
5,27に対し、上下に連通する配線孔28を左右に2
列設けたため、かかる配線孔28に電線等を容易に配置
することができ、別個に配線用の空間を確保または形成
する必要がない。
【0039】図5は本発明の実施の形態3にかかる木造
建築用壁パネルを示す側面図である。図6は本発明の実
施の形態3にかかる木造建築用壁パネルを示す断面図で
ある。
【0040】実施の形態3の木造建築用パネルは、壁パ
ネル30に具体化される。この壁パネル30の全体構成
は、図5及び図6に示すように、実施の形態2の壁パネ
ル20の全体構成と同様である。一方、実施の形態3の
壁パネル30は、実施の形態2の壁パネル20と、まず
芯材32の構成において異なる。即ち、実施の形態3の
壁パネル30は、芯材32の厚さ方向一端面(図中下
面)が断熱材23と同一平面上に位置せず、断熱材23
から前記下地材24と同一量突出している。これによ
り、芯材32及び下地材24の厚さ方向一端面(図6中
下端面)が同一平面上に位置する。なお、実施の形態3
では、芯材32の厚さ方向一端面が補助下地材の厚さ方
向一端面と同一平面上に位置して補助下地材26の機能
を兼用するため、補助下地材26は省略されている。更
に、実施の形態3では、断熱層23,32を左右方向に
延びる補助下地材25及び補助下地材27には、実施の
形態2のような配線孔28が設けられていない。しか
し、実施の形態3においても、実施の形態2と同様に、
補助下地材25及び補助下地材27に上下に列状をなし
て連通する配線孔をそれぞれ設けても良い。その他の構
成は実施の形態2と同様である。
【0041】次に、上記のように構成された実施の形態
3にかかる木造建築用壁パネルの使用方法及び作用を説
明する。
【0042】図6に示すように、壁パネル30は、上記
各実施の形態と同様にして、木造建築の横架材間に形成
される壁部分の開口部に、断熱層23,32側を室内側
(内装材側)として並設配置し、支持板材11側が室外
側(外装材側)にくるようにする。また、構築すべき壁
部分の全開口寸法(左右寸法)に応じて、必要枚数の壁
パネル30を左右に並設する。
【0043】このとき、実施の形態1及び2のように、
壁パネル30の断熱層23,32の上下両端面が横架材
の対応する上面及び下面に密接するとともに、支持板材
11の上下の鍔部11aが横架材の室外側の側面に密接
して重なる。また、断熱層23,32の右端面が隣接す
る壁パネル30の下地材24の幅方向に対向する側面
(左端面)に密接するとともに、右側の鍔部11bが下
地材24の室外側端面に密接して重なる。したがって、
実施の形態2の場合と同様にして、横架材間の所定位置
に壁パネル30を容易に位置決めして、互いに密接状態
で嵌め込むことができる。
【0044】上記のようにして横架材間に嵌め込んだ壁
パネル30は、釘打ち等により固定する。このとき、壁
パネル30の支持板材11をそのまま外装材として使用
することができ、実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、壁パネル30の支持板材11の上に外装材を貼り
付けて外装仕上げを行う場合、壁パネル30の芯材32
及び下地材24は、外装材を釘打ち等する際の下地とし
て使用することができる。
【0045】一方、壁パネル30の室内側には実施の形
態2と同様、内装材2を貼り付けて内装仕上げを行う。
この場合、壁パネル30の下地材24、補助下地材2
5,26及び芯材32の室内側側面が同一垂直面上に位
置するため、下地材24、補助下地材25,26及び芯
材32が、天井回縁、床幅木、内装材2等を釘打ち等す
る際の下地として使用可能となる。
【0046】図7は本発明の実施の形態4にかかる木造
建築用壁パネルを示す平面図である。図8は本発明の実
施の形態4にかかる木造建築用壁パネルを示す断面図で
ある。図9は本発明の実施の形態4にかかる木造建築用
壁パネルを示す側面図である。
【0047】実施の形態4の木造建築用パネルは、壁パ
ネル40に具体化される。この壁パネル40は、図7乃
至図9に示すように、支持板材41と、芯材42と、断
熱材43を備える。前記支持板材41は、木製で所定寸
法の矩形板状をなし、図示の例では、縦長長方形状とさ
れている。芯材42は支持板材41の上端から下端まで
上下方向に延びる木製の四角柱状をなし、その一側面が
支持板材41の厚さ方向一側面に接着等により固着され
ている。即ち、芯材42が支持板材41の幅方向(左
右)中央を上下方向に延び、支持板材41を左右に2分
割している。
【0048】前記芯材42により2分割された支持板材
41の一側面の左右両側には、一対の発泡樹脂材料から
なる断熱材43がそれぞれ接着等により固着されてい
る。各断熱材43は、支持板材41の左右半部より若干
小さい細長長方形状をなし、支持板材41の上下両端及
び左右両端との間に若干の間隙を置いて配置されてい
る。これにより、実施の形態4の壁パネル40でも、支
持板材41の全周、即ち、平面形状の上下両端部及び左
右両端部にそれぞれ鍔部41a,41bが形成されてい
る。なお、断熱材43は、上記各実施の形態の断熱材1
3,23と同様、ポリスチレンフォーム等より形成され
る。
【0049】前記芯材42は、断熱材43より大きい厚
さとされ、その厚さ方向一端面(図8中下端面)が断熱
材43から突出している。そして、前記芯材42及びそ
の両側の断熱材43により矩形状の層状をなす断熱層が
構成されている。また、各断熱材43の表面側には、上
下方向に延びる直線状の一対の配線溝44が一定間隔で
形成されている。これにより、実施の形態1または2と
同様、壁パネル40の断熱層42,43側を内装材で覆
ったときに、配線溝44に沿って電線等の屋内配線を配
置自在となっている。
【0050】支持板材41の左右の鍔部41bの一方
(図7及び8中右側)及び前記断熱層42,43の右端
面には、厚板状をなす木製の下地材46が接着等により
固着されている。下地材46は鍔部41bの約2倍の幅
(図8中左右方向寸法)を有し、幅方向一側(図8中左
側)においてその幅の半分が支持板材41の右側の鍔部
41bに重ねて固着されている。これにより、壁パネル
40は上下両端の鍔部41a及び左側の鍔部41bのみ
有している。また、下地材46は、厚さ方向他端が前記
断熱材43の表面から前記芯材42の突出量と同一量突
出する厚さとされ、芯材42と同一平面上に位置してい
る。更に、下地材46は、断熱層42,43と同一長さ
の長尺状とされて、断熱層42,43の上端から下端ま
で延びている。
【0051】一方、実施の形態2及び3と同様、前記断
熱層42,43の上端から所定距離下方の位置には、左
右一対の胴縁状の補助下地材47が接着等により固着さ
れている。補助下地材47は、芯材42の左右で断熱材
43の幅全体を延びる長尺状とされている。同様に、前
記断熱層42,43の下端から所定距離上方の位置に
は、左右一対の胴縁状の補助下地材45が接着等により
固着されている。下側の補助下地材45も、上側の補助
下地材47と同様、芯材42の左右で断熱材43の幅全
体を延びる長尺状とされている。そして、通常、上側の
補助下地材47は天井回縁下地として使用され、下側の
補助下地材45は床幅木下地として使用される。更に、
前記上下の補助下地材45,47間には、それらの間を
上下に均等に3分割する位置に、各左右一対の胴縁状の
補助下地材48が接着等により固着され、断熱層42,
43を上下に3分割している。各補助下地材48は、芯
材42の左右で断熱材43の幅全体を延びる長尺状とさ
れている。壁パネル40の上下寸法は、上記各実施の形
態と同様、壁部分の開口部の横架材間の寸法とされる。
【0052】次に、上記のように構成された実施の形態
4にかかる木造建築用壁パネルの使用方法及び作用を説
明する。
【0053】図8に示すように、壁パネル40は、上記
各実施の形態と同様にして、木造建築の横架材間に形成
される壁部分の開口部に、断熱層42,43側を室内側
(内装材側)として並設配置し、支持板材41側が室外
側(外装材側)にくるようにする。また、隣接する支持
板材41の左右両端を密接状態とする。このとき、壁パ
ネル40の下地材46が、隣接する壁パネル40の左側
の鍔部41bに対応する量だけ室内側から見て右側に突
出してその鍔部41bに重なり、隣接する断熱層42,
43間に密接配置される。よって、実施の形態1のよう
に、隣接する壁パネル40間に別個に下地材1を介装し
て固定する必要はない。
【0054】なお、構築すべき壁部分の全開口寸法(左
右寸法)に応じて、必要枚数の壁パネル40を左右に並
設する。また、実施の形態4では、下地材46が通常の
間柱部分に位置し、横架材間で上下方向の応力を受け持
つため、間柱を省略することができる。なお、壁部分の
開口の前記下地材46が位置する柱部分では、下地材4
6を省略した壁パネル40を使用し、支持板材41の右
側の鍔部41bを柱に重ねることが好ましい。
【0055】このとき、断熱層42,43の左端面が隣
接する壁パネル40の下地材46の対向する側面(右端
面)に密接するとともに、左側の鍔部41bが下地材4
6の室外側端面に密接して重なる。このとき、下地材4
6は鍔部41bの2倍の幅を有し、その半分、即ち鍔部
41bの幅だけ右方に突出するため、鍔部41bが下地
材46に完全に重なり、支持板材41の対向する左右端
が互いに密接する。したがって、横架材間の所定位置に
壁パネル40を容易に位置決めして、互いに密接状態で
嵌め込むことができる。
【0056】上記のようにして横架材間に嵌め込んだ壁
パネル40は、釘打ち等により固定する。このとき、上
記各実施の形態と同様、壁パネル40の支持板材41が
壁部分の外装材側で面一の室外側表面を形成する。よっ
て、壁パネル40の支持板材41をそのまま外装材とし
て使用することができ、上記各実施の形態と同様の効果
を奏する。もちろん、壁パネル40の支持板材41の上
に外装材を貼り付けて外装仕上げを行っても良い。この
場合、壁パネル40の芯材42、下地材46及び補助下
地材45,47,48は、外装材を釘打ち等する際の下
地として使用することができる。
【0057】一方、壁パネル40の室内側には内装材2
を貼り付けて内装仕上げを行う。この場合、壁パネル4
0の芯材42、下地材46、補助下地材45,47,4
8の室内側側面が同一垂直面上に位置するため、芯材4
2、下地材46及び補助下地材45,47,48が内装
材2を釘打ち等する際の下地として使用可能となる。特
に、上側の補助下地材47は、天井の回縁を釘打ち等す
る際の下地として使用可能であり、下側の補助下地材4
5は、床の幅木を釘打ち等する際の下地として使用可能
である。即ち、この場合、支持板材41の上側の鍔部4
1aは、上側の横架材に固定される。また、上側の補助
下地材47に天井部分が位置し、その回縁が上側の補助
下地材47に固定される。一方、支持板材41の下側の
鍔部41aは、下側の横架材に固定される。また、下側
の補助下地材45に床部分が位置し、その幅木が下側の
補助下地材45に固定される。なお、上下中央の補助下
地材48は壁用内装材の下地として使用される。よっ
て、本実施の形態の壁パネル40単体で、天井周囲、床
周囲及び壁の全ての下地を提供することができ、そのた
めの別個の下地準備を必要としない。また、このとき、
壁パネル40の断熱材43に対し、上下に延びる配線溝
44を左右に合計2列ずつ設けたため、かかる配線溝4
4に電線等を容易に配置することができ、別個に配線用
の空間を確保または形成する必要がない。
【0058】図10は本発明の実施の形態5にかかる木
造建築用床パネルを示す平面図である。図11は本発明
の実施の形態5にかかる木造建築用床パネルを長さ方向
一端側から見て示す上面図である。
【0059】実施の形態5の木造建築用パネルは、床パ
ネル50に具体化される。この床パネル50は、図10
及び図11に示すように、支持板材51及び断熱材52
を備える。前記支持板材51は、木製で所定寸法の矩形
厚板状をなし、図示の例では、縦長長方形状とされてい
る。支持板材51の一側面には、発泡樹脂材料からなる
断熱材52が接着等により固着されている。断熱材52
は、支持板材51より若干小さい矩形状をなし、支持板
材51の上下両端及び左右両端との間に若干の間隙を置
いて配置されている。これにより、実施の形態5の壁パ
ネル50でも、支持板材51の全周、即ち、平面形状の
上下両端部及び左右両端部にそれぞれ鍔部51a,51
bが形成されている。なお、断熱材52は、上記各実施
の形態と同様、ポリスチレンフォーム等より形成され
る。また、上下の鍔部51a及び左右の鍔部51bの幅
は、後述するように、床パネル50を床部分の開口に嵌
め込むときに取り付ける下地材(根太等)の幅の半分に
設定する。また、床パネル50の長さは、構築すべき床
の寸法(根太の長さ方向寸法)に応じて設定される。
【0060】次に、上記のように構成された実施の形態
5にかかる木造建築用床パネルの使用方法及び作用を説
明する。
【0061】図11に示すように、床パネル50は、木
造建築の基礎工事及び軸組み作業等の後、床部分の開口
部に、支持板材51側を上側として並設配置する。この
前に、床部分の開口部には、根太等の下地材3を床パネ
ル50の配置間隔に対応して一定間隔で配置する。即
ち、隣接する床パネル50の断熱材52間に形成される
隙間形状に対応する形状の木製の下地材3を、床パネル
50の幅毎に配置して固定する。また、床面積により、
複数段の床パネル50を長さ方向に接続して配置する必
要がある場合、床パネル50の長さ毎に下地材3を配置
することが好ましい。
【0062】この後、かかる下地材3間に床パネル50
の断熱材52を下側として嵌め込んで、床パネル50を
位置決め固定する。これにより、床パネル50の支持板
材51が上側(室内側)に位置する。なお、構築すべき
床部分の全開口寸法に応じて、必要枚数の床パネル50
を並設すると共に、必要数の下地材3を固定する。
【0063】すると、隣接する床パネル50の支持板材
51の左右両端が密接状態になる。また、このとき、上
記のように、床パネル50の断熱材52の左右両端面が
下地材3の対向する側面(厚さ方向側面)に密接すると
ともに、左右の鍔部51bが下地材3の上側面に密接し
て重なる。同様に、床パネル50を長さ方向に複数段並
設する場合、隣接する床パネル50の支持板材51の上
下両端が密接状態になる。また、このとき、上記のよう
に、床パネル50の断熱材52の上下両端面が下地材3
の対向する側面(厚さ方向側面)に密接するとともに、
上下の鍔部51aが下地材3の上側面に密接して重な
る。したがって、下地材3間に床パネル50を容易に位
置決めして嵌め込むことができる。
【0064】上記のようにして下地材3間に嵌め込んだ
床パネル50は、釘打ち等により固定する。このとき、
床パネル50の支持板材51が床部分の室内側(床仕上
材側)で平坦な表面を形成する。その後、床パネル50
の支持板材51の上に、畳、フローリング等の床仕上材
4を載置または貼り付けて床仕上げを行う。この場合、
床パネル50の支持板材51は、カーペット、フローリ
ング等の床仕上材4を接着等により貼り付けたり、畳等
を載置する際の下地として使用することができる。な
お、床パネル50の支持板材51をそのまま床仕上材と
して使用することもできる。この場合、別個に外装仕上
げをする必要がないため、作業工程を削減して作業時間
を短縮することができ、また、全体のコストを低減する
ことができる。
【0065】なお、実施の形態5の床パネルは、実施の
形態2または4の壁パネル20,40のように、支持板
材51の少なくとも幅方向一端、好ましくは、幅方向中
央及び幅方向一端の両方に同様の芯材乃至下地材を接着
等により固定してもよい。この場合、全体の強度を向上
でき、例えば支持板材を薄物とすることができる。ま
た、現場作業において、根太等の下地材3の組み付け作
業を省略することができ、作業性を一層向上することが
できる。また、かかる別例に係る床パネルでは、断熱材
52の下面に防水シートを接着等により貼り付けても良
い。こうすれば、床下からの湿気により下地材が腐食す
る等の不具合を防止することができる。
【0066】図12は本発明の実施の形態6にかかる木
造建築用屋根パネルを示す斜視図である。
【0067】実施の形態6の木造建築用パネルは、屋根
パネル60に具体化される。この屋根パネル60は、図
12に示すように、支持板材61と、芯材62と、断熱
材63と、芯材65と、保護板材66を備えている。前
記支持板材61は、木製で所定寸法の矩形板状をなし、
図示の例では、縦長長方形状とされている。支持板材6
1の幅方向の中央及び左右両端には、それぞれ、芯材6
2及び芯材65が接着等により固着されている。芯材6
2は支持板材61の幅方向中央を、芯材65は左右両端
を、それぞれ、その全長にわたって延びる木製の厚板状
をなし、それらの幅方向一側面が支持板材61の厚さ方
向一側面に固着されている。支持板材61において中央
の芯材62と左右の芯材65との間には、発泡樹脂材料
からなる断熱材63がそれぞれ接着等により固着されて
いる。断熱材63は、前記芯材62,65間に密接配置
される細長長方形板状をなし、支持板材61の長さ方向
全体にわたって延びている。なお、断熱材63は、上記
各実施の形態と同様、ポリスチレンフォーム等より形成
される。
【0068】前記芯材62及び芯材65の厚さ(支持板
材61からの突出量)と断熱材63の厚さは同一とさ
れ、芯材62,65と断熱材63が面一の表面を形成し
ている。そして、前記芯材62,65及びその両側の断
熱材63により矩形状の層状をなす断熱層が構成されて
いる。断熱材63は、前記芯材62,65間に密接配置
される細長長方形板状をなし、支持板材61の長さ方向
全体にわたって延びている。また、各断熱材63の表面
側には長さ方向に延びる直線状の一対の通気溝64が一
定間隔で形成されている。更に、前記断熱層62,6
3,65の表面には前記支持板材61と同一寸法及び同
一形状の平板状をなす保護板材66が接着等により固着
され、断熱層62,63,65の全体を覆っている。こ
れにより、前記断熱材63の両通気溝64が保護板材6
5によって遮蔽されて保護板材65との間に密閉空間を
形成している。
【0069】図13は本発明の実施の形態7にかかる木
造建築用屋根パネルを示す斜視図である。
【0070】実施の形態7の木造建築用パネルは、屋根
パネル70に具体化される。この屋根パネル70は、図
13に示すように、断熱材73及び通気溝74を除き実
施の形態6と同様の構成である。即ち、支持板材61に
おいて中央の芯材62と左右の芯材65との間には、発
泡樹脂材料からなる断熱材73がそれぞれ接着等により
固着されている。断熱材73は、前記芯材62,65間
に密接配置される細長長方形板状をなし、支持板材61
の長さ方向全体にわたって延びている。なお、断熱材7
3は、上記各実施の形態と同様、ポリスチレンフォーム
等より形成される。
【0071】断熱材73は、前記芯材62及び芯材65
の厚さ(支持板材61からの突出量)より薄い平板状と
され、その表面は芯材62,65の表面より内側に位置
している。これにより、各断熱材73と保護板材65及
び芯材62,65間には、断熱材63の全面に対応して
通気溝74が形成され、保護板材65によって遮蔽され
て密閉空間を形成している。なお、前記芯材62,65
及びその両側の断熱材73により矩形状の層状をなす断
熱層が構成されている。
【0072】次に、上記のように構成された実施の形態
6及び7に係る木造建築用屋根パネル60,70の使用
方法及び作用を、屋根パネル60,70を使用する際の
他の換気手段と共に説明する。なお、実施の形態6の屋
根パネル60及び実施の形態7の屋根パネル70は、断
熱材63,73及び通気溝64,74の構成を除き同様
の構成であるため、実施の形態7の屋根パネル70につ
いてのみ説明する。しかし、実施の形態6の屋根パネル
60についても同様の使用方法で使用され、同様の作用
及び効果がある。
【0073】図14は本発明の実施の形態7に係る木造
建築用屋根パネルの使用状態を示す説明図である。図1
5は本発明の実施の形態7に係る木造建築用屋根パネル
で使用する横桟を示す斜視図である。
【0074】図14に示すように、実施の形態7の屋根
パネル70は、野地板、天井化粧板(下面仕上材)等の
屋根下地材6に支持板材61側を載置して釘打ち等によ
り固定される。屋根パネル70は棟木部分まで延設され
ている。図14の例では、屋根の軒先部7と棟木部分と
の間に、1枚の壁パネル70が配置されている。前記屋
根パネル70の内部には、長さ方向に一定間隔を置いて
横桟81が配置され、その位置で屋根パネル70の断熱
材73を分割している。即ち、屋根パネル70に横桟8
1を設ける場合、断熱材73は横桟81部分で長さ方向
に分割される複数枚の構成とされる。
【0075】図15に示すように、横桟81は、芯材6
2,65と同一厚さの木製の四角柱状をなし、前記支持
板材61に接着等により固着されて、芯材62及び65
間を屋根パネル70の幅方向に延びている。また、横桟
81の長さ方向所定位置には通気凹部82が形成され、
屋根パネル70の長さ方向に隣接する断熱材73上の通
気溝74を互いに連通している。横桟81の通気凹部8
2は、例えば、実施の形態6の屋根パネル60の通気溝
64に対応する間隔で、かつ、通気溝64と同一深さに
形成する。こうすれば、実施の形態6の屋根パネル60
及び実施の形態7の屋根パネル70に共用することがで
きる。なお、このときの通気凹部82の形成深さは、前
記断熱材73表面まで達する深さとなる。
【0076】このように構成された横桟81は、図14
に示すように、屋根パネル70の長さ方向に一定間隔で
配置されて屋根パネル70を補強すると共に、瓦等の屋
根葺き材8等を釘打ち等により固定する際の下地材とし
て機能する。なお、図14の例では、屋根の軒先部7と
棟木部分の間に1枚の屋根パネル70のみを配置してい
るが、複数枚の屋根パネル70を並設して配置しても良
い。この場合、複数の屋根パネル70間の接続部を補強
すると共に下地を提供する目的で、下地材を設けてもよ
い。
【0077】図16は本発明の実施の形態7の木造建築
用屋根パネルを長さ方向に並設する場合の接続部分を示
す断面図である。
【0078】図13に示す屋根パネル70は、断熱材7
3の長さをその全長(支持板材61乃至保護板材66の
全長)にわたる長さとしている。一方、図16に示すよ
うに、この別例では、屋根パネル70は、中央の芯材6
2及び断熱材73の長さ方向両端面が支持板材61乃至
保護板材65の長さ方向両端より若干内方に位置するよ
う、芯材62及び断熱材73を図13の実施の形態の場
合より短く形成している。これにより、屋根パネル70
の長さ方向両端で、支持板材61及び保護板材66の内
側面と芯材62及び断熱材73の端面との間にそれぞれ
四角平板状の空間が形成される。屋根パネル70の長さ
方向一端のかかる空間内には、その2倍の幅(図16中
左右方向寸法)を有する木星の四角柱状の下地材83の
幅方向半分が密接して嵌め込まれ、接着等により固着さ
れている。よって、下地材83の残りの幅方向半分が壁
パネル70の長さ方向一端から突出している。また、下
地材83は壁パネル70の左右両側の芯材65間を延び
る長尺状をなしている。
【0079】更に、図15に示す横桟81と同様、下地
材83の長さ方向所定位置には、横桟81の通気凹部8
2と同様の通気凹部(図示略)が形成され、長さ方向に
複数接続する屋根パネル70の通気溝74を互いに連通
するようになっている。下地材83の通気凹部は、横桟
81の場合と同様、実施の形態6の屋根パネル60の通
気溝64に対応する間隔で、かつ、通気溝64と同一深
さに形成する。こうすれば、実施の形態6の屋根パネル
60及び実施の形態7の屋根パネル70に共用すること
ができる。このときの通気凹部の形成深さは、前記断熱
材73表面まで達する深さとなる。なお、下地材83
は、図15の横桟81のように、屋根パネル70の中央
の芯材62の左右に一対設ける構成としてもよい。
【0080】この別例の屋根パネル70を長さ方向に複
数並設して屋根に取り付ける場合、図16に示すよう
に、一方の屋根パネル70の長さ方向一端に固定した下
地材83を、隣接する他方の屋根パネル70の対向端
(長さ方向他端)に形成される空間に密接して嵌め込
み、両屋根パネル70を接続する。そして、その接続部
分を釘打ち等して両屋根パネル70を互いに接続固定す
る。以下、同様にして、長さ方向に配設する全ての屋根
パネル70を接続固定し、一体化する。このとき、前記
横桟81の場合と同様にして、屋根パネル70間の通気
溝74は、下地材83の通気凹部を介して互いに連通さ
れ、その通気が妨げられることはない。更に、下地材8
3により屋根下地を構成することができ、屋根仕上げ作
業を迅速かつ簡単に行い、作業性を向上することができ
る。加えて、下地材83により、屋根パネル70間の接
合強度を向上することもできる。
【0081】棟木部分の隣接する屋根パネル70間(屋
根の頂部)には、一対の棟調整材91が配置される。各
棟調整材91は、棟方向(図14の紙面と直交する方
向)に延びる三角柱状をなしている。そして、断面三角
形状の一対の棟調整材91の底辺を互いに密接して接合
することにより、棟木部分の隣接する屋根パネル70間
の隙間を埋めている。更に、各棟調整材91は、前記屋
根パネル70の通気溝74に対応する位置に、その通気
溝74と外部を連通する内部空間を有し、屋根パネル7
0の通気溝74を通過してきた空気を図14に矢印で示
す方向に案内して排出する。
【0082】棟調整材91の上方には、所定間隔を置い
て自然換気棟9が配置固定されている。自然換気棟9
は、下面側の中央の屈曲部分及び幅方向両端部で外気と
連通すると共に内部を通気自在な空間とし、前記棟調整
材91から上方に排出した空気を、その下面側中央部か
ら幅方向両端部に案内して外部に排出することにより、
最終的な排気を行うようになっている。このとき、棟調
整材91と自然換気棟9の連結乃至接続部分は、それら
の間での連通を妨げないような構造とする。前記棟調整
材91及び自然換気棟9により、屋根パネル60,70
を使用する際の他の換気手段が構成されている。
【0083】なお、通常、軒先部7には屋根パネル70
を配置する必要はなく、また、通気の妨げとなるため、
断熱材、野地板、天井化粧板(下面仕上材)等の屋根下
地材6も配置しない。そして、上記のように配置した屋
根パネル70の保護板材66に屋根葺き材8を載置固定
して、屋根仕上げをする。
【0084】一方、壁部分には、例えば、上記実施の形
態1乃至4で説明したような壁パネル10〜40を配置
することができ、図14では、実施の形態1の壁パネル
10を配置している。そして、その壁パネル10の室外
側には、支持板材11との間に所定の隙間を置いてサイ
ディング等の外装材5が固着され、壁パネル10の支持
板材11と外装材5との間に上下に延びる通気空間を形
成している。
【0085】これにより、図14に矢印で示すように、
建物の地表部分から上昇してきた空気が、壁部分の支持
板材11と外装材5との間の通気空間に案内されて屋根
部分に到達し、屋根部分の軒先部7から屋根パネル70
に流入する。すると、その上昇空気は、屋根パネル70
の長さ方向一端(下端)から通気溝74に流入し、屋根
パネル70内部を断熱材73の傾斜表面に沿って案内さ
れ、棟木部分へと上昇する。このとき、この上昇空気
は、前記横桟81部分では通気凹部82を通過できるた
め、その通気が妨げられることはない。そして、かかる
上昇空気は、屋根パネル70の長さ方向他端の棟木部分
に到達して、通気溝74から棟調整材91を介して自然
換気棟9に上昇流入し、最終的に自然換気棟9から外部
に排出される。
【0086】前記棟調整材は、屋根パネル60,70の
通気溝64,74と自然換気棟9を連通できる限りにお
いて、図14の構成以外の構成とすることができ、例え
ば、図17及び図18に示す構成とすることができる。
図17は本発明の実施の形態6または7に係る木造建築
用屋根パネルと共に使用する棟調整材の別例を示す斜視
図である。図18は本発明の実施の形態6または7に係
る木造建築用屋根パネルと共に使用する棟調整材の別例
の使用状態を示す断面で示す説明図である。
【0087】この別例の棟調整材92は全体を略三角柱
状とすると共に、その三角柱の頂部を内部側に断面四角
形状に切り欠いて、通気凹部93とした断面略W字状を
なすものである。そして、断面略W字状の一対の棟調整
材92の底辺を互いに密接して接合することにより、棟
木部分の隣接する屋根パネル60,70間の隙間を埋め
ている。このとき、各棟調整材92は、前記屋根パネル
60,70の通気溝64,74に対応する位置に前記通
気凹部93が配置され、屋根パネル60,70の通気溝
64,74を通過してきた空気を図18に矢印で示す方
向に案内して排出する。この別例では、前記棟調整材9
2及び自然換気棟9により、屋根パネル60,70を使
用する際の他の換気手段が構成されている。
【0088】屋根パネル60,70に設ける横桟は、屋
根パネル60,70を補強すると共に、屋根葺き材8を
葺く際の下地材として機能する限りにおいて、図15の
構成以外の構成とすることが出来、例えば、図19の構
成としても良い。図19は本発明の実施の形態7に係る
木造建築用屋根パネルで使用する横桟の別例を示す斜視
図である。
【0089】図19の別例の横桟85は、実施の形態7
の屋根パネル70に適用可能なもので、芯材62,65
と同一厚さの木製の四角柱状をなし、前記支持板材71
に接着等により固着されて、芯材62及び65間を屋根
パネル70の幅方向に延びている。また、横桟85の長
さ方向所定位置には通気凹部86が形成され、屋根パネ
ル70の長さ方向に隣接する断熱材73上の通気溝74
を互いに連通している。横桟85の通気凹部86は、横
桟85の長さ方向両端に、前記芯材62,65に隣接す
よう形成されている。このときの通気凹部86の形成深
さは、前記断熱材73表面まで達する深さとする。この
ように構成された横桟85は、縦桟81の場合と同様に
屋根パネル70の長さ方向に一定間隔で配置されて屋根
パネル70を補強すると共に、瓦等の屋根葺き材8等を
釘打ち等により固定する際の下地材として機能する。
【0090】このように、上記実施の形態1,2,4の
壁パネル10,20,40は、矩形板状の板材としての
支持板材11,41と、前記支持板材11,41と対応
する矩形板状をなし、支持板材11,41の一側面に固
着された発泡樹脂材料からなる断熱材13,23,43
と、前記断熱材13,23,43の前記支持板材11,
41と反対側に設けられた配線空間としての配線溝1
4,44または配線孔28とを具備する。
【0091】したがって、壁パネル10,20,40を
木造建築の壁部分に組み付けたとき、前記断熱材13,
23,43が所定の断熱効果を発揮すると共に、前記配
線溝14,44または配線孔28に電気配線、アンテナ
線等の屋内配線を配置することができる。その結果、断
熱効果を発揮できると共に、屋内配線用の空間を簡単に
確保できる。
【0092】また、上記実施の形態2,3,4の壁パネ
ル20,30,40は、矩形板状の板材としての支持板
材11,41と、前記支持板材11,41と対応する矩
形板状をなし、支持板材11,41の一側面に固着され
た発泡樹脂材料からなる断熱材23,43と、前記断熱
材23,43の少なくとも幅方向一端に沿って固着され
た下地材としての下地材24及び補助下地材25,2
6,27並びに下地材46及び補助下地材45,47,
48とを具備する。
【0093】したがって、壁パネル20,30,40を
木造建築の壁部分に組み付けたとき、前記断熱材23,
43が所定の断熱効果を発揮すると共に、下地材24及
び補助下地材25,26,27並びに下地材46及び補
助下地材45,47,48が、内装材乃至外装材を貼り
付ける際の下地として機能する。その結果、断熱効果を
発揮できると共に、壁の内外装仕上材の下地材を別個に
設ける必要がなく、作業性を大幅に向上することができ
る。
【0094】更に、上記実施の形態2,4の壁パネル2
0,40は、前記断熱材23,43の前記支持板材1
1,41と反対側に配線空間としての配線孔28または
配線溝44を設けたものである。したがって、上記の効
果に加え、前記配線孔28または配線溝44に電気配
線、アンテナ線等の屋内配線を配置することができ、屋
内配線用の空間を簡単に確保できる。
【0095】更に、上記実施の形態5の床パネル50
は、発泡樹脂材料からなる矩形板状の断熱材52と、前
記断熱材52の厚さ方向一側面の全面を覆うよう固着さ
れると共に、その少なくとも幅方向両端から所定量突出
する鍔部51bを有する板材としての支持板材51とを
具備する。
【0096】したがって、床パネル50を木造建築の床
部分に組み付ける際に、前記鍔部51bを根太等の下地
3に載置することにより、床パネル50の位置決めを容
易に行うことができる。また、組み付け後は、前記断熱
材52が所定の断熱効果を発揮すると共に、支持板材5
1が、内装材としての床仕上材を貼り付け等する際の下
地として機能する。その結果、断熱効果を発揮できると
共に、床へ配置する際の位置決めが容易で、かつ、床の
仕上材の下地材を別個に設ける必要がなく、作業性を大
幅に向上することができる。
【0097】なお実施の形態5の床パネル50は、少な
くとも幅方向両端(左右両端)に鍔部51bを設ければ
よいが、上記のように、複数枚の床パネル50を長さ方
向に並設する場合、長さ方向両端(上下両端)にも鍔部
51aを設けることが好ましい。
【0098】そして、上記実施の形態6,7の屋根パネ
ル60,70は、発泡樹脂材料からなる矩形板状の断熱
材63,73と、前記断熱材63,73の厚さ方向一側
面の略全面を覆うよう一体的に設けられた板材としての
保護板材66と、前記断熱材63,73の厚さ方向一側
面と前記保護板材66との間に形成された溝状の通気空
間としての通気溝64,74とを具備する。
【0099】したがって、屋根パネル60,70を木造
建築の屋根部分に組み付けたとき、前記断熱材63,7
3が所定の断熱効果を発揮すると共に、通気溝64,7
4が、屋根の通気を許容する。その結果、断熱効果を発
揮できると共に、屋根等の通気を促進し、結露等を有効
に防止できる。
【0100】また、上記実施の形態6,7の木造建築の
屋根構造は、屋根パネル60,70を屋根の頂部の両側
に配設し、前記頂部には、その両側の屋根パネル60,
70の前記通気空間としての通気溝64,74を互いに
連通する換気手段としての棟調整材91,92及び自然
換気棟9を配置したものである。
【0101】したがって、上記の効果に加え、屋根パネ
ル60,70の通気溝64,74を通過した空気が、換
気手段としての棟調整材91,92及び自然換気棟9を
介して、屋根の頂部の外部へ案内及び排出される。その
結果、屋根等の通気を一層促進し、結露等を一層有効に
防止できる。
【0102】ところで、上記実施の形態1,2,4で
は、配線空間として図示の配線溝14,44または配線
孔28を設けたが、屋内配線を配置できる限りにおい
て、その形状、配置位置、個数等は限定するものではな
い。
【0103】また、上記実施の形態2では、下地材とし
て下地材24及び補助下地材25,26,27を、実施
の形態3では下地材24を、実施の形態4では下地材4
4及び補助下地材45,47,48をそれぞれ設けた
が、少なくとも壁パネルの幅方向一端に下地材を設ける
限り、現場での作業性を大幅に向上することができ、そ
の形状、配置個数等を限定するものではない。なお、実
施の形態5の床パネル50の幅方向一端に同様の下地材
を設けることもでき、この場合、根太等の下地3を省略
して、現場での作業性を向上できるという、上記と同様
の効果が得られる。また、実施の形態1の壁パネル10
の少なくとも幅方向一端に、同様の下地材を設けても良
い。
【0104】更に、上記実施の形態6,7では、通気空
間として図示の通気溝64,74を設けたが、通気を行
うことができる限りにおいて、その形状、配置位置、個
数等は限定するものではない。
【0105】そして、上記各実施の形態は、壁パネル、
床パネル、屋根パネル等、それぞれ図示の形態のものに
具体化したが、本発明の木造建築用パネルは、その適用
用途を上記各実施の形態に限定するものではなく、必要
に応じて、その機能及び適合性等を考慮して、他の用途
に使用することもできる。例えば、実施の形態6,7の
パネル60,70を壁パネルとして使用し、かかる構成
により壁部分の通気を行うようにしても良い。
【0106】また、本発明の木造建築用パネルの形状乃
至寸法は図示の長方形状に限定するものではない。即
ち、木造建築用パネルの形状、寸法等は、使用場所等に
応じて適宜設定される。
【0107】更にまた、上記実施の形態1では、配線引
出し孔16は、壁パネル10の左側の配線溝14に連通
するよう上下に2個設けているが、これは、全ての壁パ
ネル10に設ける必要はなく、配線を引き出す必要のあ
る壁部分の壁パネル10にのみ設ければ良い。また、そ
の配置形態も図示のものに限定されることなく、右側の
配線溝14に対して設けたり、個数を1個または3個以
上とする等、任意の形態とすることができる。
【0108】加えて、本発明では、支持板材及び保護板
材は、例えば、OSBパネル、針葉樹合板等の構造用合
板または通常の合板より形成することができるが、その
材質は限定するものではなく、任意のものを使用でき
る。
【0109】
【発明の効果】以上のように、請求項1にかかる木造建
築用パネルは、矩形板状の板材と、前記板材と対応する
矩形板状をなし、板材の一側面に固着された発泡樹脂材
料からなる断熱材と、前記断熱材の前記板材と反対側に
設けられた配線空間とを具備する。
【0110】したがって、木造建築用パネルを木造建築
の所定部分に組み付けたとき、前記断熱材が所定の断熱
効果を発揮すると共に、前記配線空間に電気配線、アン
テナ線等の屋内配線を配置することができる。その結
果、断熱効果を発揮できると共に、屋内配線用の空間を
簡単に確保できる。
【0111】請求項2にかかる木造建築用パネルは、矩
形板状の板材と、前記板材と対応する矩形板状をなし、
板材の一側面に固着された発泡樹脂材料からなる断熱材
と、前記断熱材の少なくとも幅方向一端に沿って固着さ
れた下地材とを具備する。
【0112】したがって、木造建築用パネルを木造建築
の所定部分に組み付けたとき、前記断熱材が所定の断熱
効果を発揮すると共に、下地材が、内装材乃至外装材等
を貼り付ける際の下地として機能する。その結果、断熱
効果を発揮できると共に、壁の内外装仕上材等の下地材
を別個に設ける必要がなく、作業性を大幅に向上するこ
とができる。
【0113】請求項3にかかる木造建築用パネルは、請
求項2の構成において、更に、前記断熱材の前記板材と
反対側に配線空間を設けたものである。したがって、上
記の効果に加え、前記配線空間に電気配線、アンテナ線
等の屋内配線を配置することができ、屋内配線用の空間
を簡単に確保できる。
【0114】請求項4にかかる木造建築用パネルは、発
泡樹脂材料からなる矩形板状の断熱材と、前記断熱材の
厚さ方向一側面の全面を覆うよう固着されると共に、そ
の幅方向両端から所定量突出する鍔部を有する板材とを
具備する。
【0115】したがって、木造建築用パネルを木造建築
の所定部分に組み付ける際に、前記鍔部を所定の下地に
配置することにより、木造建築用パネルの位置決めを容
易に行うことができる。また、組み付け後は、前記断熱
材が所定の断熱効果を発揮する。その結果、断熱効果を
発揮できると共に、床へ配置する際の位置決めが容易
で、作業性を大幅に向上することができる。
【0116】請求項5にかかる木造建築用パネルは、発
泡樹脂材料からなる矩形板状の断熱材と、前記断熱材の
厚さ方向一側面の略全面を覆うよう一体的に設けられた
板材と、前記断熱材の厚さ方向一側面と前記板材との間
に形成された溝状の通気空間とを具備する。
【0117】したがって、木造建築用パネルを木造建築
の所定部分に組み付けたとき、前記断熱材が所定の断熱
効果を発揮すると共に、通気空間が、組み付け部分の通
気を許容する。その結果、断熱効果を発揮できると共
に、所定部分の通気を促進し、その部分での結露等を有
効に防止できる。
【0118】請求項6にかかる木造建築用パネルは、請
求項5に記載の木造建築用パネルを屋根の頂部の両側に
配設し、前記頂部には、その両側の木造建築用パネルの
前記通気空間を互いに連通する換気手段を配置したもの
である。
【0119】したがって、上記の効果に加え、木造建築
用パネルの通気空間を通過した空気が、換気手段を介し
て屋根の頂部の外部へ案内及び排出される。その結果、
屋根等の通気を一層促進し、結露等を一層有効に防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態1にかかる木造建
築用壁パネルを示す平面図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態1にかかる木造建
築用壁パネルを示す断面図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態2にかかる木造建
築用壁パネルを示す平面図である。
【図4】 図4は本発明の実施の形態2にかかる木造建
築用壁パネルを示す断面図である。
【図5】 図5は本発明の実施の形態3にかかる木造建
築用壁パネルを示す側面図である。
【図6】 図6は本発明の実施の形態3にかかる木造建
築用壁パネルを示す断面図である。
【図7】 図7は本発明の実施の形態4にかかる木造建
築用壁パネルを示す平面図である。
【図8】 図8は本発明の実施の形態4にかかる木造建
築用壁パネルを示す断面図である。
【図9】 図9は本発明の実施の形態4にかかる木造建
築用壁パネルを示す側面図である。
【図10】 図10は本発明の実施の形態5にかかる木
造建築用床パネルを示す平面図である。
【図11】 図11は本発明の実施の形態5にかかる木
造建築用床パネルを長さ方向一端側から見て示す上面図
である。
【図12】 図12は本発明の実施の形態6にかかる木
造建築用屋根パネルを示す斜視図である。
【図13】 図13は本発明の実施の形態7にかかる木
造建築用屋根パネルを示す斜視図である。
【図14】 図14は本発明の実施の形態7に係る木造
建築用屋根パネルの使用状態を示す説明図である。
【図15】 図15は本発明の実施の形態7に係る木造
建築用屋根パネルで使用する横桟を示す斜視図である。
【図16】 図16は本発明の実施の形態7の木造建築
用屋根パネルを長さ方向に並設する場合の接続部分を示
す断面図である。
【図17】 図17は本発明の実施の形態6または7に
係る木造建築用屋根パネルと共に使用する棟調整材の別
例を示す斜視図である。
【図18】 図18は本発明の実施の形態6または7に
係る木造建築用屋根パネルと共に使用する棟調整材の別
例の使用状態を断面で示す説明図である。
【図19】 図19は本発明の実施の形態7に係る木造
建築用屋根パネルで使用する横桟の別例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
9 自然換気棟(棟調整材) 11,41,51 支持板材(板材) 13,23,43,52,63,73 断熱材 14,44 配線溝(配線空間) 24,46 下地材 25,26,27 補助下地材(下地材) 28 配線孔(配線空間) 51a 鍔部 64,74 通気溝(通気空間) 66 保護板材(板材) 91,92 棟調整材(換気手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形板状の板材と、 前記板材と対応する矩形板状をなし、板材の一側面に固
    着された発泡樹脂材料からなる断熱材と、前記断熱材の
    前記板材と反対側に設けられた配線空間とを具備するこ
    とを特徴とする木造建築用パネル。
  2. 【請求項2】 矩形板状の板材と、 前記板材と対応する矩形板状をなし、板材の一側面に固
    着された発泡樹脂材料からなる断熱材と、 前記断熱材の少なくとも幅方向一端に沿って固着された
    下地材とを具備することを特徴とする木造建築用パネ
    ル。
  3. 【請求項3】 更に、前記断熱材の前記板材と反対側に
    配線空間を設けたことを特徴とする請求項2記載の木造
    建築用パネル。
  4. 【請求項4】 発泡樹脂材料からなる矩形板状の断熱材
    と、 前記断熱材の厚さ方向一側面の全面を覆うよう固着され
    ると共に、その幅方向両端から所定量突出する鍔部を有
    する板材とを具備することを特徴とする木造建築用パネ
    ル。
  5. 【請求項5】 発泡樹脂材料からなる矩形板状の断熱材
    と、 前記断熱材の厚さ方向一側面の略全面を覆うよう一体的
    に設けられた板材と、 前記断熱材の厚さ方向一側面と前記板材との間に形成さ
    れた溝状の通気空間とを具備することを特徴とする木造
    建築用パネル。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の木造建築用パネルを屋
    根の頂部の両側に配設し、前記頂部には、その両側の木
    造建築用パネルの前記通気空間を互いに連通する換気手
    段を配置したことを特徴とする木造建築の屋根構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007085131A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Sekisui Plastics Co Ltd 内張断熱構造物の施工方法

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