JPH1112336A - プロピレンのブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレンのブロック共重合体の製造方法

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JPH1112336A
JPH1112336A JP16856997A JP16856997A JPH1112336A JP H1112336 A JPH1112336 A JP H1112336A JP 16856997 A JP16856997 A JP 16856997A JP 16856997 A JP16856997 A JP 16856997A JP H1112336 A JPH1112336 A JP H1112336A
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propylene
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compound
polymerization
fraction
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JP16856997A
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Koji Yoshikawa
浩司 吉川
Tadashi Asanuma
浅沼  正
Shigeru Kimura
茂 木村
Shigeru Harima
殖 播摩
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回収プロピレンおよび不活性炭化水素化合物
(触媒成分の希釈に用いたもの)を再利用するにもかか
わらず、触媒の性能が充分に発揮されるプロピレンのブ
ロック共重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 マグネシウムとチタンとを含む遷移金属
触媒成分と有機アルミニウム化合物とアルコキシ珪素化
合物からなる触媒を不活性炭化水素化合物で希釈して用
い、アルキレングリコールの存在下にプロピレンとエチ
レンとをブロック共重合し、ポリマー除去残成分から、
過剰の有機アルミニウムの存在下に、低沸点分を分離し
た残りの成分を第1の蒸留塔で蒸留して不活性炭化水素
化合物より高沸点分を塔底より除去し、塔頂から取り出
された留分を第2の蒸留塔で蒸留して塔頂から低沸点分
を除去し、塔底から不活性炭化水素化合物を抜き出すプ
ロピレンのブロック共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプロピレンのブロッ
ク共重合体の製造方法に関する。詳しくは、特定の触媒
を用いて重合し特定の方法で不活性炭化水素化合物を回
収することからなる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレンのブロック共重合体を製造す
る方法としては種々の方法が知られており、基本的には
不活性媒体の存在する溶媒重合法、液状の単量体の存在
下に行う塊状重合法、液状の媒体の存在しない気相重合
法などで初めにプロピレン単独或いは少量の他のオレフ
ィンと共重合し、ついでエチレンとプロピレンを共重合
することで製造される。重合に使用する触媒としても種
々のものが使用できることは良くしられており、プロピ
レンを立体規則的に重合するハロゲン化チタン系触媒、
2つの配位子が結合した構造のメタロセン系触媒などが
利用できるが特に、マグネシウムとチタンを含む遷移金
属触媒成分と有機アルミニウム化合物からなる触媒系は
安価で高性能であることから広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】マグネシウムとチタン
を含む遷移金属触媒成分と有機アルミニウ化合物からな
る触媒系と塊状重合法あるいは気相重合法を組み合わせ
る方法は優れており触媒当たり高活性で物性の良好なブ
ロック共重合体が得られる。特に塊状重合法では生産性
良くブロック共重合体を製造することが可能であるが大
量のプロピレンを回収再利用する必要がある。従って触
媒成分の希釈に用いた不活性炭化水素化合物を工業的に
経済性良く回収することが可能である。しかしながら通
常の方法で蒸留したのでは、回収プロピレンおよび不活
性炭化水素化合物の再利用を行うと触媒の性能が充分に
発揮されないと言う問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決した重合方法について鋭意検討し本発明を完成し
た。
【0005】即ち本発明は、2槽以上の重合槽を連結し
た反応機を用い、プロピレン自身を液状媒体とする塊状
重合法で、マグネシウムとチタンを含む遷移金属触媒成
分と有機アルミニウム化合物とアルコキシ珪素化合物か
らなる触媒を用いて初めにプロピレンを重合して全重合
体の40〜95重量%となるようにポリプロピレンを製
造し、ついでプロピレンとエチレンを共重合して全重合
体の5〜60重量%となるように共重合体を製造するプ
ロピレンのブロック共重合体の製造方法において、触媒
成分の希釈剤として不活性炭化水素化合物を用い、しか
もプロピレンとエチレンの共重合をアルキレングリコー
ルの存在下に行い、過剰の有機アルミニウム化合物の存
在下にプロピレンを低沸分として除去した留分から不活
性炭化水素化合物の回収を2つの蒸留塔からなる回収系
で始めに不活性炭化水素化合物より高沸点分を蒸留塔下
部より除去し、蒸留塔上部より抜き出された留分を第2
の蒸留塔に導入し上部より低沸分を除去し下部より不活
性炭化水素化合物を回収することからなるプロピレンの
ブロック共重合体の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において重要なのは使用す
る立体規則性触媒として特定のマグネシウムとチタンを
含む遷移金属触媒成分、有機アルミニム化合物、アルコ
キシ珪素化合物からなる触媒系を用いることにある。
【0007】マグネシウムとチタンを含む遷移金属触媒
成分としては種々の方法で製造でき、遷移金属触媒成分
が製造される際に金属マグネシウム、酸化マグネシウム
などから生成したものであってもよいマグネシウムの
塩、特にハロゲン化マグネシウムと、遷移金属触媒成分
が製造される際に生成したものであってもよいチタンの
塩、特にハロゲン化チタンを含有するものが好ましく例
示できる。ここでハロゲン化マグネシウムとしては塩化
マグネシウム、特に無水塩化マグネシウムが例示され、
ハロゲン化チタンとしては少なくとも1つのハロゲン原
子を有するハロゲン化チタンあるいはアルコキシハロゲ
ン化チタン、好ましくは塩化チタン、特に好ましくは四
塩化チタンが例示される。マグネシウムとチタンを含む
遷移金属触媒成分を製造するに際し電子供与性化合物を
併用することが可能であり、電子供与性化合物として
は、通常エーテル、エステル、オルソエステル、アルコ
キシ硅素化合物などの含酸素化合物、あるいはアミン、
アミドなどの含窒素化合物が好ましく例示でき、さらに
アルコール、アルデヒド、水なども使用可能である。特
に好ましい電子供与性化合物としてはエーテル、芳香族
ジカルボン酸のエステルが例示される。
【0008】エーテルとしては種々の構造のものが利用
できるが分子内に2個のエーテル結合を有する化合物、
特に2個のエーテルの間に炭素が3個存在するような脂
肪族エーテルが好ましい。具体的には、2,2-ジイソブチ
ル-1,3- ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2- イソ
ペンチル-1,3- ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキ
シル-1,3- ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキ
シルメチル)-1,3- ジメトキシプロパン、2-シクロヘキ
シル-2- イソプロピル-1,3- ジメトキシプロパン、2-イ
ソプロピル-2- s- ブチル-1,3- ジメトキシプロパン、
2,2-ジフェニル-1,3- ジメトキシプロパン、2-シクロペ
ンチル-2- イソプロピル-1,3- ジメトキシプロパンなど
が例示される。
【0009】芳香族ジカルボン酸のジエステルとしては
フタル酸のジエステルが特に好ましく具体的には、フタ
ル酸と炭素数1〜12のアルコールとのエステルが好まし
く利用でき、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フ
タル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオク
チル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジフェニル、フタル
酸ジベンジル、フタル酸ジ-2- エチルヘキシル、などの
他に2つのエステル結合を形成するアルコールが異なる
フタル酸ブチルベンジル、フタル酸エチルヘキシルなど
のジエステルも利用できる。
【0010】マグネシウムとチタンを含む遷移金属触媒
成分を製造する最も簡便な方法は種々の方法で活性化さ
れたかあるいはされていないハロゲン化マグネシウムに
ハロゲン化チタンを遷移金属触媒成分をして活性化され
る条件下に担持することである。具体的な方法としては
ハロゲン化マグネシウムとハロゲン化チタン、必要に応
じ電子供与性化合物を共粉砕する方法、あるいはさらに
不活性溶媒で加熱処理する方法、ハロゲン化マグネシウ
ムと必要に応じ電子供与性化合物を有機溶剤に溶解しつ
いでハロゲン化チタンなどを添加することによってハロ
ゲン化マグネシウムを析出させ必要に応じさらにハロゲ
ン化チタンを担持する方法、ハロゲン化マグネシウムと
電子供与性化合物を混合造粒しついでハロゲン化チタン
を担持する方法などが例示できる。
【0011】有機アルミニウム化合物としては、トリア
ルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライ
ド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルア
ルミニウムジハライドが使用でき、アルキル基としては
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基などが例示され、ハライドとしては塩素、臭素、ヨウ
素が例示される。特に好ましくはトリアルキルアルミニ
ウムである。
【0012】本発明において重合に際して用いるアルコ
キシ珪素化合物としては好ましくは1〜3個のアルコキ
シ基と1〜3個の炭素数1〜12の炭化水素残基が珪素
に結合した構造のものが例示できる。炭素数1〜12の
炭化水素残基としてはアルキル基、シクロアルキル基、
フェニル基、置換フェニル基などが例示でき特にアルキ
ル基、シクロアルキル基が好ましく例示される。アルキ
ル基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基などが、シクロ
アルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロペンチル、ノ
ルボルニルなどが例示できる。またアルコキシ基として
はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペント
キシ、フェノキシ基等が例示できる。複数個のアルキル
基、アルコキシ基としては同じでも異なっても良い。具
体的にはエチルトリエトキシシラン、プロピルトリメト
キシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエ
チルシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジ
メトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチ
ルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ヘキ
シルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラ
ン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジヘキシルジエトキ
シシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシク
ロヘキシルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジプロ
ポキシシラン、ジシクロヘキシルジブトキシシラン、ジ
シクロヘキシルメトキシエトキシシラン、ジシクロヘキ
シルメトキシプロポキシシランなどが例示される。
【0013】ここで遷移金属触媒成分のチタンとマグネ
シウムの割合としては、モル比で1:100〜1:3程
度であるのが一般的であり、また電子供与性化合物とチ
タンの割合としては、モル比で1000:1〜1:1程
度が一般的である。また遷移金属触媒成分中のチタンに
対してアルコキシ珪素化合物と有機アルミニウム化合物
の使用割合としては、モル比で1:1:1〜1:100
0:1000程度、電子供与性化合物と有機アルミニウ
ムの割合としては1:1〜1:100程度とするのが一
般的である。
【0014】重合はプロピレン単独での重合、エチレン
とプロピレンの共重合ともに塊状重合法で行うことが必
要でありこうすることで重合機の容積効率が極めて良好
となる。また共重合を行う重合槽に後述のアルキレング
リコール類を利用することで共重合部の割合を厳密に制
御し極めて物性バランスの優れたものとすることができ
る。
【0015】本発明において採用される液状のプロピレ
ン自身を溶媒とする塊状重合法の好ましい重合条件とし
ては、重合温度としては常温〜90℃、重合圧力として
は、重合条件下にプロピレンが液状を保てる圧力であ
り、通常気相部が存在するように設定されるため、他の
モノマーなど重合系に存在する化合物の量などで自動的
に定まる。
【0016】本発明の好ましい態様としては、まず、1
槽以上好ましくは2槽以上の反応槽を連結した重合機で
実質的にプロピレンの単独重合が塊状重合法で行われ
る。ここで実質的にプロピレン単独とは、まったくの単
独重合かあるいはエチレン、ブテン、ヘキセン等の他の
オレフィンと共重合する場合には、最終重合体の剛性が
十分であるように、通常共重合されるオレフィンの含量
が6重量%以下となるように重合するという意味であ
る。この実質的にプロピレン単独の重合は、通常全重合
体に対して、90〜40重量%となるように保たれる、90重
量%を越えると耐衝撃性の改良が不充分であり、40重量
%に満たないとポリプロピレンに特有の剛性が失われ好
ましくない。
【0017】本発明においては、さらに、上記単独重合
を行った重合槽の最終槽から共重合を行う重合槽にスラ
リーが移送され共重合が行われる。共重合は回分的に行
っても連続的に行っても良いが連続的に行うのがより効
率的である。
【0018】共重合槽での重合はエチレンとプロピレン
の反応比としては、重量比で15/85〜95/5 でおこなわ
れ、エチレンの一部をブテン、ペンテン、ヘキセンなど
の他のα−オレフィンに代替することもできる。反応比
がこの範囲を外れると耐衝撃性の改良効果が不充分であ
る。もちろん共重合を反応比、あるいは分子量を変え多
段に行うことも容易にできる。
【0019】より好ましい態様である共重合を連続的に
行う場合には、共重合は1槽以上好ましくは2槽以上の
反応槽を連結して行うと得られるポリマーの物性の点で
好ましい。また共重合部においては、少なくとも最初の
槽にポリアルキレングリコールを添加することで活性の
制御が行われる。ここでポリアルキレングリコールとし
ては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ールなどのポリアルキレングリコール類あるいはその誘
導体(片末端または、両末端をエーテル、エステル結合
とする等)である。
【0020】本発明の方法で得られるポリプロピレンは
射出成形、押出成形、ブロー成形など種々の用途に好適
に利用される。
【0021】プロピレンの実質的な単独重合部、エチレ
ンとプロピレンの共重合部でのポリマーの分子量につい
ては特に制限はないが、135 ℃テトラリン溶液で測定し
た極限粘度数が連続重合部で 0.5〜3dl/g程度、共重合
部で 0.5〜20dl/g程度であり、共重合体として、 230℃
で 2.3kg加重で測定したメルトフローインデックス(以
下、MIと略記する)が 0.1〜200g/10min 程度と
するのが好ましい。
【0022】本発明において重要なのは、共重合部にお
いても塊状重合法で重合を行うため、重合後未反応のプ
ロピレンを回収すること、未反応のプロピレンを回収す
るに際して、有機アルミニウム化合物を過剰に存在させ
て高沸点留分として得られる部分より触媒の分散に用い
た不活性炭化水素化合物を、2つの蒸留塔からなる分離
域で始めに不活性炭化水素化合物より高沸点の留分を除
去しついで低沸点留分を除去することで回収精製不活性
炭化水素化合物を得ることにある。
【0023】「有機アルミニウム化合物が過剰」である
とは、すべての電子供与性化合物の総和のモル数より有
機アルミニウム化合物のモル数が多いということであ
り、重合後そのままポリマーと分離して回収する場合は
上述のように有機アルミニウムを過剰に用いておりその
ままで不活性炭化水素の回収工程に送入し、低級アルコ
ールなどの失活剤を加えた場合には使用した失活剤の等
モル以上好ましくは1.5モル倍以上の有機アルミニウム
化合物が予め加えられる。図1を参照して不活性炭化水
素化合物の回収工程を説明する。過剰の有機アルミニウ
ムの存在下に重合ポリマー除去残成分は蒸留塔1におい
てプロピレン、エチレンからなる低沸分が分離され、塔
頂から取り出される。低沸分は蒸留塔2においてプロピ
レンおよびエチレンからなる留分とプロピレン留分とに
分離され、それぞれ塔頂および塔底から取り出される。
プロピレンの回収においては、エチレンとプロピレンの
共重合に用いることが可能なプロピレンとエチレンの混
合物留分とプロピレンの留分に分けて回収することで回
収エネルギーの効率が良好でしかも重合に利用可能なプ
ロピレンおよびプロピレンとエチレンの混合物、不活性
炭化水素化合物に分離回収できる。
【0024】低沸分が除去された、蒸溜塔1の塔底から
の留分は蒸留塔3および4からなる回収系に導入されて
処理される。すなわち、蒸留塔1の塔底からの留分は蒸
留塔3に送入され、塔底から不活性炭化水素化合物より
高沸点分を取り出し、塔頂からは不活性炭化水素化合物
と低沸点分とからなる留分を取り出す。取出された塔頂
留分は蒸留塔4に送入され、塔頂から低沸分が、また塔
底から不活性炭化水素化合物が回収される。
【0025】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに説明す
る。なお、実施例及び比較例において、ポリマーの物性
は、以下のように測定した。
【0026】重合で得られた製品パウダーにフェノール
系安定剤0.1 重量%とステアリン酸カルシウム0.1 重量
%を加えてヘンシェルミキサーで混合した後50mmφの単
軸押出機でシリンダー温度240 ℃でペレット化した。得
られたペレットを型締め圧100 tの射出成形機(日本製
鋼所社製、J100E型機)で射出温度270 ℃、金型温
度50℃で試験片を作成した。各物性の測定は以下の様に
して実施した。
【0027】 メルトフローインデックス(g/10min) : ASTM D1238 (230 ℃) 引張降伏強度(kgf/cm2) : ASTM D638 (23℃) アイゾット (ノッチ付) 衝撃強度(kgf・ cm/cm) : ASTM D256-56 (23 ℃、−10℃) デュポン衝撃強度(kgf・cm/1/2"φ) : JIS K6718 (23℃、−10℃) に基づきMIは2.16kgの加重で測定した。また極限粘度
数は 135℃テトラリン溶液で、エチレン含有率は赤外線
吸収スペクトル法により測定した。
【0028】実施例1 (遷移金属触媒成分の製造)直径12mmの鋼球9Kgの入っ
た内容積4L(リットル)の粉砕用ポットを4個装備し
た振動ミルを用意する。各ポットに窒素雰囲気中で塩化
マグネシウム300g、フタル酸ジイソブチル 115ml、四塩
化チタン60mlを加え40時間粉砕した。
【0029】上記共粉砕物5gを 200Lのフラスコに入
れトルエン 100mlを加え 114℃で30分間攪拌処理し、次
いで静置して上澄液を除去した。次いでn-ヘプタン 100
mlで20℃で3回、固形分を洗浄しさらに 100mlのn-ヘプ
タンに分散して遷移金属触媒成分スラリーとした。得ら
れた遷移金属触媒成分はチタンを1.8重量%含有しフタ
ル酸ジイソブチルを18重量%含有していた。
【0030】(遷移金属触媒成分の前処理)上記の遷移
金属触媒成分 100g、トリエチルアルミニウム12.9g、
ヘプタン100 Lを内容積 200Lのオートクレーブに挿入
し、ついで内温10℃に保ちつつプロピレンを1000g挿入
し30分間攪拌後、四塩化チタン 7.1gを装入して前処理
触媒成分スラリーとした。
【0031】(重合反応)内容積1000Lの第1重合槽に
プロピレンを 131kg/時間、触媒として上記前処理を施
した遷移金属触媒成分を 1.0g/時間とトリエチルアル
ミニウム19.5g/時間とシクロヘキシルメチルジメトキ
シシラン 0.8g/時間を連続的に供給し、重合して得た
スラリーは内容積 500Lの第2重合槽へ連続的に送り、
さらに重合した。第1重合槽の温度は75℃、水素を気相
部の水素濃度が1.6モル%になるように供給した。第2
重合槽にはプロピレンを40kg/時間で供給し、温度は7
2.5℃、水素を気相部の水素濃度が 1.3モル%になるよ
うに調節して供給した。
【0032】第1段階の重合が終了した時点での、平均
反応量は 43000g−PP/g遷移金属触媒成分であっ
た。第2重合槽のスラリーをサンプリングし、ポリマー
の極限粘度数(以下〔η〕と略記)を測定したところ1.
39dl/gであった。第2重合槽を出たスラリーは、内容積
500Lの第3重合槽へ供給した。
【0033】第3重合槽にはエーテルとしてジエチレン
グリコールエチルアセテートを遷移金属触媒成分中のT
i成分あたり133モル倍の割合で添加した。
【0034】第3重合槽の温度は52℃、プロピレンを20
kg/時間で供給し、重合圧力が28.5kg/cm2-G、水素濃度
が 1.3モル%、になるようにエチレンと水素を供給して
重合した。第3重合槽を出たスラリーは、内容積 500L
の第4重合槽へ供給した。第4重合槽の温度は50℃、プ
ロピレンを15kg/時間で供給し、圧力が27.5kg/cm2-G、
水素濃度が 1.3モル%になる様にエチレンと水素を供給
して重合した。第4重合槽をでたスラリーは未反応のモ
ノマーを除去した後重合パウダーを回収した。パウダー
は51kg/時間で得られ、80℃、70mmHgで10時間乾燥して
製品とした。製品の〔η〕は 1.67dl/g 、エチレン含量
は7.6重量%であった。このパウダーの嵩比重は0.37g
/ccであり流動性は良好であった。パウダー中のマグ
ネシウムの分析値から算出した共重合部の割合は15重量
%であった。このパウダーに安定剤を加え加熱溶融造粒
した後、物性を測定したところ、メルトフローインデッ
クス(g/10min) は7.9 、引張降伏強度(kgf/cm2)は276、
アイゾット (ノッチ付) 衝撃強度(kgf・ cm/cm)は23℃、
−10℃でそれぞれ10.8、4.4、デュポン衝撃強度(kgf・c
m/1/2"φ)は23℃、−10℃でそれぞれ73、50であった。
【0035】重合パウダー回収後の未反応モノマー及び
不活性炭化水素化合物の回収は図1に示す装置を利用し
て行った。図1のラインに従いマスバランスを提示す
る。
【0036】こうして得られた各留分について、上述の
重合に用いた精プロピレン、精ヘプタンと対比して比較
した。
【0037】内容積5Lのオートクレーブにプロピレン
1.5kg、精ヘプタンに懸濁させた遷移金属触媒成分15m
g、トリエチルアルミニウム0.2ml、シクロヘキシルメチ
ルジメトキシシラン0.10ml、水素1.1NLを加え昇温し70
℃で2時間重合を行った後、ポリプロピレンの重量を測
定したところ精プロピレンを用いて製造した触媒の活性
が46400g−PP/g遷移金属触媒成分であったのに対
し回収したプロピレン使用では45900g−PP/g遷移
金属触媒成分であった。一方遷移金属触媒成分を合成す
る際に触媒成分の洗浄に用いるヘプタンとして回収した
ヘプタンを利用し、重合は上述のプロピレンの比較と同
じように行って比較したところ、精ヘプタンで製造した
触媒の活性が47100g−PP/g遷移金属触媒成分であ
ったのに対し回収したヘプタン使用では46700g−PP
/g遷移金属触媒と大差なかった。 比較例1 ヘプタンの回収に際し始めに低沸留分を除去しついで高
沸留分を除去する方法(図1において蒸留塔3と蒸留塔
4の順番を逆に連結する)で回収したヘプタンについて
実施例1と同様に比較したところ31400g−PP/g遷
移金属触媒の活性しか得られなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法を実施することによりプロ
ピレンのブロック共重合体を効率良く製造することが可
能であり工業的に極めて価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例である、ポリプロピレンを除去し
た蒸発分からプロピレンとヘプタンを回収するための蒸
留工程を示すフローシートである。
フロントページの続き (72)発明者 播摩 殖 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2槽以上の重合槽を連結した反応機を用
    い、プロピレン自身を液状媒体とする塊状重合法で、マ
    グネシウムとチタンを含む遷移金属触媒成分と有機アル
    ミニウム化合物とアルコキシ珪素化合物からなる触媒を
    用いて初めにプロピレンを重合して全重合体の40〜9
    5重量%となるようにポリプロピレンを製造し、ついで
    プロピレンとエチレンを共重合して全重合体の5〜60
    重量%となるように共重合体を製造するプロピレンのブ
    ロック共重合体の製造方法において、触媒成分の希釈剤
    として不活性炭化水素化合物を用い、しかもプロピレン
    とエチレンの共重合をアルキレングリコールの存在下に
    行い、過剰の有機アルミニウム化合物の存在下に、プロ
    ピレンを低沸分として除去した留分から不活性炭化水素
    化合物の回収を2つの蒸留塔からなる回収系で始めに不
    活性炭化水素化合物より高沸点分を蒸留塔下部より除去
    し、蒸留塔上部より抜き出された留分を第2の蒸留塔に
    導入し上部より低沸分を除去し下部より不活性炭化水素
    化合物を回収することからなるプロピレンのブロック共
    重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】マグネシウムとチタンを含む遷移金属触媒
    成分がハロゲン化マグネシウムにハロゲン化チタンを担
    持したものである請求項1に記載の方法。
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