JPH1112301A - トリカルボキシデンプンを製造する方法 - Google Patents

トリカルボキシデンプンを製造する方法

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JPH1112301A
JPH1112301A JP9164284A JP16428497A JPH1112301A JP H1112301 A JPH1112301 A JP H1112301A JP 9164284 A JP9164284 A JP 9164284A JP 16428497 A JP16428497 A JP 16428497A JP H1112301 A JPH1112301 A JP H1112301A
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tricarboxystarch
oxidizing
reaction
oxidized
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JP9164284A
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Masabumi Jinpo
正文 神宝
Hisashi Sakaitani
ひさし 堺谷
Makoto Sumiya
眞 住谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルボキシル基含有率のきわめて高いトリカ
ルボキシデンプン及びその工業的な製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ニトロキシル化合物の存在下、次亜ハロ
ゲン酸塩で酸化する工程と触媒の存在下、過酸化物で酸
化する工程とからなるデンプンの酸化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、デンプンの酸化に
より製造された、高度にカルボキシル化されたトリカル
ボキシデンプン及びその塩に関する。本発明により得ら
れるトリカルボキシデンプン及びその塩は、スケール付
着防止剤、顔料分散剤、サイズ剤、コンクリート混和剤
の他、特に洗剤ビルダーとして、好適に利用できる。
【0002】
【従来の技術】デンプンを、地球上に遍在する再生可能
資源として工業的に利用する試みが種々なされている。
たとえば、特公昭49-1281 号公報には、過ヨウ素酸と亜
塩素酸塩の組み合わせ又は次亜塩素酸塩を使用して多糖
類を酸化してポリカルボン酸型多糖類を製造する方法が
開示されており、多糖類の2,3 位を酸化させて得られる
ポリカルボン酸型デンプンが優れた洗浄性ビルダー性能
を示すことが記載されている。特開昭60-21847号公報に
は、多糖類を次亜塩素酸ソ−ダもしくは塩素、又は過ヨ
ウ素酸とハロゲンの組み合わせを使用して酸化する方法
が開示されている。特開昭60-226502 号公報には、次亜
塩素酸塩を25〜40℃で反応させる多糖類の酸化方法が開
示されている。特開平4-175301号公報には、次亜臭素酸
塩及び/又は次亜ヨウ素酸塩を使用する多糖類の酸化方
法が開示されている。特開昭60-226502 号公報には、次
亜塩素酸塩を25〜40℃で反応させる多糖類の酸化方法が
開示されている。特開平4-175301号公報には、次亜臭素
酸塩及び/又は次亜ヨウ素酸塩を使用する多糖類の酸化
方法が開示されている。Carbohydr.Res.Vol.269(1995)
p.89-98には、多糖類を2,2,6,6-テトラメチルピペラジ
ニル-1-オキシ(TEMPO )の存在下、次亜塩素酸ナトリ
ウムを使用して酸化する方法が記載されている。また、
多糖類を酸化してトリカルボキシ多糖類を製造する方法
として、特公昭47-40552号公報及びチェコスロバキア特
許235576号公報には、デンプンを過ヨウ素酸塩と四酸化
二窒素により、酸化カルボキシル化する方法が開示され
ている。EP特許542496号公報には、デンプンを硝酸/
硫酸溶媒中でバナジウム塩および亜硝酸塩の組み合わせ
によって、酸化カルボキシル化する方法が開示されてい
る。しかし、特公昭47-40552号公報およびチェコスロバ
キア特許235576号公報に記載されている方法は、高価な
過ヨウ素酸を使用しなければならない。また、EP特許
542496号公報に記載されている方法は、高濃度の硫酸溶
媒を使用して飴状のデンプンを硝酸酸化するために、反
応の操作及び硫酸溶媒の処理が容易でなく、工業的な製
造方法としては適当でない。一般に、優れた洗剤ビルダ
ーを得るためには、高いCaイオン封鎖能が必要でカル
ボキシル基を多く含有するポリカルボン酸型構造が重要
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カル
ボキシル基含有率のきわめて高いポリカルボン酸及びそ
の工業的な製造方法を提供することである。本発明のも
う一つの目的は、デンプンを、過度の加水分解をともな
うことなく酸化して、-CH2OH基及び-CHOH-基を、-COOH
基に転化する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、デンプン
を原料として用い、これをトリカルボキシ化する方法に
ついて鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)および(2)の酸化工
程からなることを特徴とする、デンプンの酸化によるト
リカルボキシデンプンの製造方法である。 (1)ニトロキシル化合物の存在下、次亜ハロゲン酸塩
で酸化する工程。 (2)触媒の存在下、過酸化物で酸化する工程。 本発明において、原料となるデンプンには、トウモロコ
シデンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、小麦
デンプン、甘薯デンプン、米デンプン等が挙げられ、こ
れらを原料として低分子化させた水溶性デンプンも使用
できる。工業的には、トウモロコシデンプン及びタピオ
カデンプンが好ましい。また、部分的加水分解あるいは
カルボキシル化等化学的に変性させたものも用いること
ができる。
【0005】上記の酸化工程(1)は、ニトロキシル化
合物の存在下、次亜ハロゲン酸塩でデンプンを酸化す
る。ニトロキシル化合物とは、ヒンダードアミンのN−
酸化物であり、2,2,6,6-テトラアルキルピペラジニル-1
- オキシ、2,2,5,5-テトラアルキルピペラジニル-1- オ
キシ及びこれらの4 位置換体が含まれ、複数のヒンダー
ドアミンのN−酸化物構造を一分子内に複数有する化合
物も含まれる。オキシル化合物として、2,2,6,6-テトラ
メチルピペラジニル-1- オキシ、4-ヒドロキシ-2,2,6,6
- テトラメチルピペラジニル-1- オキシ、4-オキソ-2,
2,6,6- テトラメチルピペラジニル-1- オキシが例示さ
れ、‘TEMPO ’で通称される2,2,6,6-テトラメチルピペ
ラジニル-1- オキシが好ましい。オキシル化合物の使用
量はデンプンを構成するグルコピラノ−ス単位の0.0001
〜0.5 倍モル量、好ましくは0.001 〜0.05倍モル量であ
る。反応後、芳香族炭化水素やハロゲン化炭化水素に例
示される水不溶性の有機溶媒でニトロキシル化合物を抽
出回収することができる。酸化剤である次亜ハロゲン酸
塩としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウ
ム、次亜塩素酸カルシウム、次亜臭素酸ナトリウムが例
示され、工業的には次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
次亜ハロゲン酸塩は、デンプンを構成するグルコピラノ
−ス単位の1.5 〜5 倍モル量、好ましくは2 〜2.5 倍モ
ル量を用いる。反応温度は-5〜70℃好ましくは0 〜40
℃、反応時間は10分〜24時間である。また、反応系には
助触媒として臭素イオンを、デンプンを構成するグルコ
ピラノース単位の0.1 〜2 倍モル量添加することが好ま
しい。反応系のpHは、9 〜13好ましくは10〜11から選
ばれる。pHが9 より低いと反応速度が極端に小さくな
り、pHが13より高いとデンプンの過水分解速度が大き
くなる。酸化反応の進行とともに-COOH 基が生成して反
応系が中和されるので、アルカリ金属の水酸化物、アル
カリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸水素塩などの
アルカリ剤を加えてpHをアルカリ側に保つ。次亜ハロ
ゲン酸酸化反応をアルカリ性の緩衝液中で行なってもよ
い。酸化工程(1)においては、主にグルコピラノース
単位の6位の-CH2OH基が酸化されて -COOH基又はその塩
に転化し、2 位及び3 位の-CHOH-基の酸化開裂はあまり
起こらない。
【0006】前記の酸化工程(2)は、触媒の存在下、
過酸化物で酸化する。これにより、ク゛ルコヒ゜ラノース 単位の
2 位及び3 位の-CHOH-基の酸化開裂が起こる。過酸化物
としては、過酸化水素、過カルボン酸、過硫酸などが使
用され、工業的に好ましくは過酸化水素水溶液である。
過酸化物は、デンプンを構成するグルコピラノ−ス単位
の2 〜10倍モル量、好ましくは3 〜5 倍モル量を用い
る。反応温度は40〜110 ℃好ましくは70〜90℃、反応時
間は10分〜24時間である。触媒は遷移元素から選ばれ、
特に6A族元素をポリ原子とするヘテロポリ酸、ヘテロ
ポリ酸の水可溶性塩及び8族元素の水可溶性塩から選ば
れ、好ましくはヘテロポリ酸である。ヘテロポリ酸とし
て、ポリ原子の一部が他種の遷移金属で置換された置換
ヘテロポリ酸も使用できる。より好ましくは、タングス
テンをポリ原子とするリンタングステン酸及び遷移金属
置換リンタングステン酸である。酸化工程(2)におけ
る反応系のpHは2〜9が好ましい。pHが高いと過酸
化物の分解速度が大きくなり、pHが低いとデンプンの
過水分解速度が大きくなる。ヘテロポリ酸を触媒とする
場合は1〜6、好ましくは2〜5から選ばれる。酸化反
応の進行とともに-COOH 基が生成して反応系のpHが低
下するので、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の
炭酸塩またはアルカリ金属の炭酸水素塩などのアルカリ
剤を加えてpHを弱酸性に保つ。弱酸性の緩衝液中で過
酸化物酸化反応を行なってもよい。また、過酸化物と酸
素を併用し、過酸化物による酸化反応と酸素による酸化
反応を同時に行うことが出来る。過酸化水素と酸素を併
用する場合には、過酸化水素と酸素をそれぞれ単独に使
用する場合よりもカルボキシル化度が高くなる。
【0007】過酸化物酸化反応の溶媒として、水の他、
tert-ブチルアルコール又は酢酸などの酸化反応に安定
な有機溶媒を使用することもでき、 tert-ブチルアルコ
ールと水の混合溶媒の使用は好ましい。
【0008】本発明において、前記の酸化工程(1)お
よび(2)の順序は、どちらの工程を先に行っても良い
が、好ましくは、最初に酸化工程(1)、次に酸化工程
(2)を行う。また、一方の酸化工程の終了後、ひき続
いて同一反応溶液中で、他方の酸化工程を行なってもよ
いが、好ましくは酸化生成物を反応溶液から分離する。
酸化生成物は、従来公知の分離方法により反応溶液から
単離されるが、例えば、反応系に酸化生成物の貧溶媒を
加え、酸化生成物を沈澱して分離する。貧溶媒として
は、例えば、メタノール、エタノール、アセトンなどの
水溶性の低級アルコール又は低級ケトン等が挙げられ
る。
【0009】本発明において製造されるトリカルボキシ
デンプンは、デンプンの酸化により製造された水溶性ポ
リマーであって、(ア) グルコピラノース単位の6位の-C
H2OH基の平均60% 以上が酸化されて-COOH基又はその塩
に転化し、かつ、(イ) グルコピラノース単位の2 位及び
3 位の-CHOH-基の平均10% 以上が酸化開裂されて-COOH
基又はその塩に転化した構造からなるポリカルボン酸の
ことであり、本発明はその塩をも包含する。本発明で
は、生成物であるトリカルボキシデンプン型デンプンは
水溶液として得られる。反応で得られたトリカルボキシ
デンプン水溶液を必要に応じてイオン交換樹脂処理ない
し濃縮して、スケール付着防止剤、顔料分散剤、サイズ
剤、コンクリ−ト混和剤又は洗剤ビルダーとして利用で
きる。また、反応で得られたトリカルボキシデンプン水
溶液に低級アルコール又は低級ケトンを加えてトリカル
ボキシデンプンを固形物として得ても良い。
【0010】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。実施例において、分子量は、(NaCl 0.3M,NaH2PO4
0.1M,KH2PO4 0.33M) 水溶液を溶離液として、GPC(昭和
電工( 株) 製; カラムShodexOHpakSB-G/ShodexOHpakSB-
806/ShodexOHpakSB-803HQ,RI検出器) により、多糖類を
標品とする重量平均分子量として測定した。
【0011】実施例1 攪拌機、温度計、pH電極、次亜塩素酸ナトリウム及び
水酸化ナトリウムの供給管を備えた300ml 四ツ口パイレ
ックスフラスコに、トウモロコシデンプン13.6g( 乾燥
量11.9 g) 、臭化ナトリウム6.64g 及び2,2,6,6-テトラ
メチルピペラジニル-1- オキシ0.116gを採り、100ml の
水を加えて懸濁させた。氷浴に浸け、有効塩素濃度13.6
% の次亜塩素酸ナトリウム水溶液120.3g(グルコピラノ
ース単位の3.0 倍モル)をポンプを用いて1 時間かけて
供給し、この間、水酸化ナトリウム水溶液でpHを10.8
に調節した。2 〜4 ℃、pH10.8に維持して、2.5 時間
攪拌を継続した。一部を採取し、ヨウ素滴定分析を行っ
たところ、次亜塩素酸ナトリウムの転化率は98% だっ
た。反応混合物水溶液に残留次亜塩素酸相当の亜硫酸水
素ナトリウムを加え、2 倍容量のエタノールを加えて沈
殿化操作を行い、沈殿物を70% エタノール水溶液で洗浄
後、凍結乾燥して第1段酸化物を得た。第1段酸化物の
カルボキシル基の含有率は5.2 ミリ当量/g、GPC測
定による重量平均分子量は10,000であった。次に、マグ
ネット攪拌子、コンデンサー、温度計、pH電極を備え
た50ml三ツ口パイレックスフラスコに、第1段酸化物
0.76g及びチタン置換リンタングステン酸カリウム
(K7 PTi2 1040) 2.22gを採り、30mlの水を加
えて懸濁させた。これに35% 過酸化水素水溶液1.0g(グ
ルコピラノース単位の3.0 倍モル)を加え、80℃に加熱
して、6 時間攪拌を継続した。反応中は水酸化ナトリウ
ム水溶液でpHを2 に維持した。反応混合物を減圧下、
濃縮し、過酸化水素相当の亜硫酸ナトリウムを加え、撹
拌下、2倍容量のエタノールを注いで沈殿を得た。沈殿
物を70% エタノール水溶液で洗浄後、凍結乾燥して生成
物を得た。生成物を精秤後、水に溶解し、H型カチオン
交換樹脂で処理して酸型にした後、N/10水酸化ナトリウ
ム水溶液で滴定した。その結果、カルボキシル基の含有
率は7.3 ミリ当量/g、GPC測定による重量平均分子
量は6,600であった。生成物を13C-NMR を用いて分析し
たところ、グルコピラノース単位の6位の-CH2OH基のほ
ぼ100%が酸化されて-COOH 基に転化し、かつ、グルコピ
ラノース単位の2 位及び3 位の-CHOH-基の平均31% が酸
化開裂されて-COOH 基に転化したトリカルボキシデンプ
ンであることがわかった。
【0012】実施例2 攪拌機、温度計、pH電極、次亜塩素酸ナトリウム及び
水酸化ナトリウムの供給管を備えた500ml 四ツ口パイレ
ックスフラスコに、トウモロコシデンプン30.9g( 乾燥
量27.0 g) 、臭化ナトリウム6.64g 及び2,2,6,6-テトラ
メチルピペラジニル-1- オキシ0.116gを採り、100ml の
水を加えて懸濁させた。氷浴に浸け、有効塩素濃度13.6
% の次亜塩素酸ナトリウム水溶液200.5g(グルコピラノ
ース単位の2.2 倍モル)を、ポンプを用いて1時間かけ
て供給し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを10.8に調節
した。2 〜4 ℃、pH10.8に維持して、7 時間攪拌を継
続した。一部を採取しヨウ素滴定分析を行ったところ、
次亜塩素酸ナトリウムの転化率は99.9% 以上だった。反
応混合物水溶液に残留次亜塩素酸相当の亜硫酸水素ナト
リウムを加え、2倍容量のエタノールを加えて沈殿化操
作を行い、沈殿物を70% エタノール水溶液で洗浄後、凍
結乾燥して第1段酸化物を得た。第1段酸化物のカルボ
キシル基の含有率は4.6 ミリ当量/g、GPC測定によ
る重量平均分子量は10,000であった。次に、マグネット
攪拌子、コンデンサー、温度計、pH電極を備えた50ml
三ツ口パイレックスフラスコに第1段酸化物0.76 g及び
リンタングステン酸2.22g を採り、20mlの水及び10mlの
t-ブチルアルコールと水の混合溶媒を加えて懸濁させ
た。これに35% 過酸化水素水溶液1.0g(グルコピラノー
ス単位の3.0 倍モル)を加え、82℃で加熱還流させて、
10時間攪拌を継続した。反応中は水酸化ナトリウム水溶
液でpHを2に維持した。実施例1と同様の沈澱化・乾
燥操作を行い、生成物を得た。得られた生成物を分析し
た結果、カルボキシル基の含有率は7.9 ミリ当量/g、
GPC測定による重量平均分子量は3,200 であった。生
成物を13C-NMR を用いて分析したところ、グルコピラノ
ース単位の6位の-CH2OH基の平均90% が酸化されて-COO
H 基に転化し、かつ、グルコピラノース単位の2位及び
3位の-CHOH-基の平均45% が酸化開裂されて-COOH 基に
転化したトリカルボキシデンプンであることが分かっ
た。
【0013】比較例1 実施例1において、第1段酸化物を過酸化水素で酸化す
る代わりに次亜塩素酸ナトリウムで酸化した。すなわ
ち、マグネット攪拌子、コンデンサー、温度計及びpH
電極を備えた50ml三ツ口パイレックスフラスコに実施例
1と同様にして得られた第1段酸化物0.76 gを採り、30
mlの水を加えて懸濁させた。これに有効塩素濃度13.6%
の次亜塩素酸ナトリウム水溶液5.4g(グルコピラノース
単位の3.0倍モル)を滴下し、40℃にて、3時間攪拌を
継続した。反応中は、水酸化ナトリウム水溶液でpHを
9に維持した。実施例1と同様の沈澱化・乾燥操作を行
い、生成物を得た。得られた生成物を分析した結果、カ
ルボキシル基の含有率は5.6 ミリ当量/g、GPC測定
による重量平均分子量は4,000 で、過酸化水素で酸化し
た場合よりもカルボキシル基の含有率が低下した。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、カルボキシル基含有率
の高いトリカルボキシデンプン及びその工業的な製造方
法が提供される。本発明により製造されるトリカルボキ
シデンプンはCaイオン封鎖能が高く、特に、優れた洗
浄性を与える洗剤ビルダーとして好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(1)および(2)の酸化工程からな
    ることを特徴とする、デンプンの酸化によるトリカルボ
    キシデンプンの製造方法。 (1)ニトロキシル化合物の存在下、次亜ハロゲン酸塩
    で酸化する工程。 (2)触媒の存在下、過酸化物で酸化する工程。
  2. 【請求項2】ニトロキシル化合物の存在下、次亜ハロゲ
    ン酸塩でデンプンを酸化し、ついで該酸化物を触媒の存
    在下、過酸化物で酸化することを特徴とする請求項1記
    載のトリカルボキシデンプンの製造方法。
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