JPH11120307A - 通信機 - Google Patents

通信機

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JPH11120307A
JPH11120307A JP9306457A JP30645797A JPH11120307A JP H11120307 A JPH11120307 A JP H11120307A JP 9306457 A JP9306457 A JP 9306457A JP 30645797 A JP30645797 A JP 30645797A JP H11120307 A JPH11120307 A JP H11120307A
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JP
Japan
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transmission
data
communication device
communication
circuit
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Application number
JP9306457A
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English (en)
Inventor
Masayuki Arai
雅行 荒井
Akihisa Yamazaki
彰久 山崎
Keiichi Iiyama
恵市 飯山
Shinkichi Asaka
信吉 浅加
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokimec Inc
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Tokimec Inc
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Tokimec Inc, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不当なアクセスからデータを保護する。 【解決手段】複数の送信方式に基づく送信を切り換えて
行う送信部300,900と、送信方式の何れかを選択
する方式選択手段210,830と、複数の受信方式に
基づく受信を並行して行う受信部400,700と、受
信結果に対して正誤の判別を行う方式判別手段230,
810とを備える。通信方式が随時変化するので、デー
タの読み出しや解読が難しくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の通信方式
で通信する通信機に関し、詳しくは、一方の通信機が質
問器となり他方の通信機が応答器となって接触不要でデ
ータの送受を行う通信機に関する。質問器と応答器との
通信可能な結合は、コイルの相互誘導作用又はアンテナ
の誘導電磁界を利用した電磁誘導結合方式によって両者
の接近時に動的に確立されるのが一般的である。
【0002】質問器としては、指令を送ってデータの返
送等を要求するデータ読取装置やデータアクセス装置が
典型的なものであり、応答器としては、受けた指令に応
じて応答データを返送するデータキャリア等のデータ記
憶体が典型的なものである。このような通信によってア
クセスされるデータを不当なアクセスから保護するため
に、通信回路等について工夫したものである。
【0003】
【従来の技術】図7にブロック構成図を示した従来のデ
ータアクセスシステムは、据え付けて用いられることの
多いリーダライタ10(質問器となる通信機)と、携帯
便利なようにコイン形やカード形に形成されたデータキ
ャリア50(応答器となる通信機)とからなり、データ
キャリア50をリーダライタ10に近づけると、非接触
状態であっても、電磁誘導結合に基づく交信を行ってリ
ーダライタ10がデータキャリア50から所要のデータ
を読み取ったりするものである。なお、データキャリア
50はリーダライタ10に対して通信可能なまで接近し
たときに交信用の電磁誘導結合によってエネルギーの供
給をも受けるようになっている。
【0004】具体的には、リーダライタ10は、全体的
な制御やデータ演算処理等を担うマイクロプロセッサ2
0と、指令Aを周波数f1の搬送波で送信する送信部3
0と、周波数f2で搬送されて来た信号を受け取る受信
部40とからなるものである。マイクロプロセッサ20
には、指令送出ルーチン21や、応用ルーチン22、応
答受理ルーチン23などがインストールされている。
【0005】指令送出ルーチン21は、データキャリア
50に対してデータの読み出しや書き込みを指示する指
令を生成し、その指令Aを送信部30へ送出する処理を
行うものである。応用ルーチン22は、各種のアプリケ
ーションに対応した処理を行うものであり、その処理に
必要なデータについての読み書きを指令送出ルーチン2
1に依頼するとともに、そのようなデータを応答受理ル
ーチン23から受け取るようになっている。応答受理ル
ーチン23は、データキャリア50から返送されてきた
応答データの復号データDを受信部40経由で受け取る
処理を行うものである。
【0006】送信部30は、コイルの相互誘導作用を利
用して指令の送信を行うために、符号化回路31を有し
て指令AをNRZ符号(No Return to Zero code)等に
基づく符号化データに変換し、変調回路32を有して周
波数f1の搬送波にその符号化データによるASK方式
(Amplitude Shift Keying)等のデジタル変調を施し、
アンプ33を有して変調済み信号を増幅し、送信コイル
34(電磁誘導結合子)の直列共振回路を有しこれをア
ンプ33で駆動するようになっている。なお、指令Aの
無いときには、周波数f1の搬送波を無変調で送出する
ことで、指令送信に用いられるコイルの相互誘導作用を
援用してデータキャリア50の動作エネルギーとなる電
力の供給をも行うものとなっている。
【0007】受信部40は、コイルの相互誘導作用を利
用して返送されてきた応答データの受信を行うために、
受信コイル41(電磁誘導結合子)の並列共振回路を有
しており、これで電磁変換した信号からバンドパスフィ
ルタ42で周波数f2を中心とする有効帯域成分を抽出
し、これをアンプ43で増幅して受信信号Cを生成す
る。さらに、受信部40は、BPSK方式(Phase Shif
t Keying)等の復調処理を行う復調回路44を有して受
信信号Cから復調データを得るととともに、NRZ符号
等に基づく復号処理を行う復号回路45を有して復調デ
ータから応答データの復号データDを生成するものであ
る。なお、返信搬送波の周波数f2は、送信搬送波の周
波数f1との弁別のために1/2倍や1/4倍の周波数
など周波数f1と異なるようになっている。
【0008】一方、データキャリア50は、リーダライ
タ10の送信コイル34及び受信コイル41に対してコ
イルの相互誘導作用を利用して電磁誘導結合するための
送受信コイル61(電磁誘導結合子)と、周波数f1で
送受信コイル61に搬送されて来た信号を受け取る受信
部70と、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性メ
モリ84が付設されたマイクロプロセッサ80と、応答
データを周波数f2の搬送波で返送する送信部90と、
電磁誘導結合によって送受信コイル61に誘起された誘
導起電力からマイクロプロセッサ80等の動作電力を得
る電源部60とを具備したものである。
【0009】受信部70は、送受信コイル61で受信し
たリーダライタ10からの指令を復元するために、送受
信コイル61の一端に接続されたレシーバ71を介して
受信信号を入力し、ASK方式に基づく復調回路72を
有して包絡線検波や二値化の処理を受信信号に施すとと
もに、NRZ符号等に基づく復号処理を行う復号回路7
3を有して指令を得るものである。復元した指令はマイ
クロプロセッサ80へ送出するようになっている。
【0010】マイクロプロセッサ80には、指令受理ル
ーチン81や、応答ルーチン82、返送ルーチン83な
どがインストールされている。指令受理ルーチン81
は、リーダライタ10から送られてきた指令を受信部7
0から受け取る処理を行うものである。応答ルーチン8
2は、指令が読み出しコマンドであれば、それで指定さ
れたメモリ84の該当アドレスからデータを読み出し、
このデータを応答データとした返送処理を返送ルーチン
83に依頼する。また、指令が書き込みコマンドであれ
ば、そのデータをそれで指定されたメモリ84の該当ア
ドレスに書き込み、書き込み完了を意味する応答データ
の返送を返送ルーチンに依頼する処理を行うようになっ
ている。返送ルーチン83は、応答ルーチン82の依頼
に応じて応答データを送信部90経由で返送する処理を
行うものである。
【0011】送信部90は、送受信コイル61を介して
応答データの返送を行うために、符号化回路91を有し
て応答データをNRZ符号に基づく符号化データに変換
し、変調回路92を有して周波数f2の搬送波にその符
号化データによるBPSK方式のデジタル変調を施して
送信信号を生成し、この送信信号でドライバ93を介し
て送受信コイル61の一端を駆動するようになってい
る。
【0012】データキャリア50の電源部60は、送受
信コイル61に誘起された交番電流を受け入れて整流す
る整流器62と、整流された電流の電圧Vccを安定化さ
せるレギュレータ63と、その出力電流を蓄えておいて
マイクロプロセッサ80等のロジック部へ送り出すコン
デンサ64とからなるものである。
【0013】このような構成のデータアクセスシステム
を使用した場合、リーダライタ10及びデータキャリア
50は以下のように動作する。リーダライタ10が周波
数f1の搬送波を送出しているときにそのリーダライタ
10にデータキャリア50を近づけると、データキャリ
ア50では、送受信コイル61に誘起電流が流れ、電源
部60によって誘起電流から電源電圧Vccの電力が生成
される。こうしてコイルの相互誘導作用を利用した電磁
誘導結合方式によってリーダライタ10からデータキャ
リア50への電力供給がなされると、マイクロプロセッ
サ80さらにはデータキャリア50全体が動作可能な状
態となり、さらに、電磁誘導結合方式に基づく両者の通
信が可能な状態となる。
【0014】この状態で、リーダライタ10の指令送出
ルーチン21からデータ読み出し等の指令Aが出ると、
それが送信部30を介してデータキャリア50へ送信さ
れる。この指令送信は、NRZ方式の符号化とASK方
式の変調とを組み合わせた送信方式で行われる。データ
キャリア50では、送受信コイル61や受信部70によ
ってその指令の受信が行われ、指令がマイクロプロセッ
サ80に渡される。この指令受信も、ASK方式の復調
とNRZ方式の復号とを組み合わせた受信方式で行われ
る。こうして、リーダライタ10からデータキャリア5
0への指令の送受が、一対一に対応した通信方式に基づ
いて行われる。
【0015】また、データ読み出しの指令を受けたデー
タキャリア50では、マイクロプロセッサ80によって
メモリ84から該当データが読み出され、送信部90や
送受信コイル61を介してその応答データがリーダライ
タ10へ向けて返送される。この応答送信は、NRZ方
式の符号化とBPSK方式の変調とを組み合わせた送信
方式で行われる。リーダライタ10では、受信部40に
よってその応答の受信が行われ、応答データがマイクロ
プロセッサ20の応答受理ルーチンによって応用ルーチ
ン22に届けられると、一回分のデータ読み出し処理が
終わる。この応答受信も、BPSK方式の復調とNRZ
方式の復号とを組み合わせた受信方式で行われる。こう
して、データキャリア50からリーダライタ10への応
答データの送受が、やはり一対一に対応した通信方式に
基づいて行われる。
【0016】このように、従来の通信機は、自己の送信
方式と受信方式とが一致するとは限らないが、相手方の
受信方式と対応した単一の送信方式と、やはり相手方の
送信方式と対応した単一の受信方式とを具えて、予め決
められた固定的な通信方式に基づいて交信を行っていた
のである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このデータ
キャリアのような携帯容易な応答器(通信機)は、電子
マネー等の秘匿を要する応用分野や、それほどでなくて
もデータ漏洩の好ましくない応用分野などに用いられる
場合、データ保護のため、従来から種々の暗号化やスク
ランブル等の処理が試みられて来た。しかしながら、そ
の携帯容易性のゆえに、不特定多数の者の使用に供され
たり、落としたのを拾われて簡単に第三者に渡ったりす
ることも多くて、それに対する第三者の物理的なアクセ
スを阻止するのが困難な状況に陥りやすいという面もあ
る。このため、暗号化だけでデータの安全を確保するの
は難しい。
【0018】そこで、データキャリア等の更なる利用を
押し進めるには、例え第三者の物理的なアクセスがあっ
ても、不当なデータの読み出しや、解読しての書き換
え、さらには偽造といったことが行えない又は行い難い
ようにすることが重要な課題となる。この発明は、この
ような課題を解決するためになされたものであり、不当
なアクセスからデータを保護する通信機を実現すること
を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第5の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0020】[第1の解決手段]第1の解決手段の通信
機は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、符号化方
式および変調方式の何れか一方または双方の異なる複数
の送信方式に基づく送信を(択一的に)切り換えて行う
送信部と、前記複数の送信方式のうち何れか(一つ)を
選択して前記送信部に指示する方式選択手段とを備えた
ことを特徴とするものである。
【0021】このような第1の解決手段の通信機にあっ
ては、指令やデータ等の伝文は、複数の送信方式のうち
方式選択手段によって選択された方式で送信部によって
送信される。そして、方式選択手段は選択対象を随時変
更しうるが、方式選択手段の選択対象が変わると、その
度に送信部による伝文の送信方式も異なるものに変わ
る。これにより、通信方式が随時変化するので、例え偶
発的に一部の通信方式を解明したとしても散発的にしか
データを得ることができないので、データの読み出しや
解読が難しくなる。
【0022】しかも、このような通信ハードウェア主体
の手法は、通常ソフトウェア主体である暗号化手法の妨
げとなること無く適用しうるので、単独でもデータを保
護しうるばかりか、暗号化手法とともに用いられて相互
に補強しあいながらデータ保護に貢献することも可能で
ある。したがって、この発明によれば、不当なアクセス
からデータを強く保護する通信機を実現することができ
る。
【0023】[第2の解決手段]第2の解決手段の通信
機は(、出願当初の請求項2に記載の如く)、上記の第
1の解決手段の通信機であって、前記方式選択手段が、
伝文(を一つ送信する)毎に又は伝文(を送信している
そ)の途中で選択対象を変更するものであることを特徴
とする。
【0024】このような第2の解決手段の通信機にあっ
ては、交信中に随時、目まぐるしく、通信方式が変化す
るので、通信状態や通信伝文をモニタ等して行う不正な
データの読み出しや解読が一層難しくなる。したがっ
て、この発明によれば、不当なアクセスからデータを一
層強く保護する通信機を実現することができる。
【0025】[第3の解決手段]第3の解決手段の通信
機は(、出願当初の請求項3に記載の如く)、上記の第
1,第2の解決手段の通信機であって、前記方式選択手
段は、(通信相手になっている他の通信機との)交信
(によって得た前記他の通信機からの指示)内容に基づ
いて選択対象を決するものであることを特徴とする。
【0026】このような第3の解決手段の通信機にあっ
ては、相手方の通信機へ送信する伝文は、相手方の指定
に対応した送信方式に基づいて送信されて行くことか
ら、相手方の予期せぬ通信方式で相手方へ送られること
が無いので、相手方の通信機によって確実に受信処理さ
れることとなる。
【0027】これにより、データ保護の強化等のために
旧式の相手方通信機に無いような新しい送信方式が導入
されたとしても、相手方がそのようなものであれば通信
方式の選択切換の範囲がその相手方の受信処理可能な範
囲に限定されるので、その導入前と同様の交信を継続す
ることができる。相手方が新しい受信方式をも具えてい
れば通信方式の選択切換範囲がその相手方の受信処理可
能な範囲にまで広げられて、その導入前よりもデータ保
護が強化される。したがって、この発明によれば、下位
互換性を維持しながら不当なアクセスからのデータ保護
を強化することができる。
【0028】[第4の解決手段]第4の解決手段の通信
機は(、出願当初の請求項4に記載の如く)、上記の第
1〜第3の解決手段の通信機であって、通信相手になり
うる他の通信機(の有無や種別など)を確認する際の送
信は(同一又は同義の内容で)前記複数の送信方式に基
づく送信を一巡させて行うことを特徴とするものであ
る。
【0029】このような第4の解決手段の通信機にあっ
ては、通信相手になりうる他の通信機を確認するために
相手方の通信機へ送信する伝文は、送信方式を順次変え
て繰り返し送信されるので、相手方の通信機が総ての通
信方式を処理可能で無くても何れかの通信方式を処理可
能でさえあれば、相手方の通信機によって確実に受信処
理されることとなる。
【0030】これにより、相手方の通信機が複数の通信
方式のうち一部のものにしか対応していないようなもの
であっても、その通信機との交信を開始することができ
る。また、相手方が複数の通信方式に対応していれば通
信方式の選択切換によってデータを強く保護することが
できる。したがって、この発明によれば、相手方の通信
機の機能に合わせて不当なアクセスからデータを保護す
る通信機を実現することができる。
【0031】[第5の解決手段]第5の解決手段の通信
機は(、出願当初の請求項5に記載の如く)、復調方式
および復号方式の何れか一方または双方の異なる複数の
受信方式に基づく受信を並行して行う受信部と、前記受
信部の受信結果に対して(相手方通信機の送信方式に対
応して正しく受信したか否かについて)正誤の判別を行
う方式判別手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0032】このような第5の解決手段の通信機にあっ
ては、相手方の通信機から受信した伝文は、複数の受信
方式それぞれに基づいて復元される。そして、相手方の
送信方式に対応した受信方式で復元されたものだけが正
しく復元され、さらに、正しく復元されたと判別された
ものだけが使用されることとなる。これにより、相手方
の通信機が送信方式を随時変更しても、複数の受信方式
の何れかに対応した範囲内であれば、送信内容を正しく
復元することが可能となり、交信を行うことができる。
したがって、この発明によれば、上述した第1〜第4の
解決手段の通信機と協動して不当なアクセスからデータ
を保護することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】このような通信機の実施形態とし
ては、リーダ等の質問器を固定しておくとともにデータ
キャリア等のデータ記憶体を携帯可能なようにしておい
てデータ記憶体を質問器に近づけてデータアクセスを行
わせる使い方が多いが、逆に、データ記憶体を移動経路
に沿って固定的に点在や列設させておくとともにリーダ
等の質問器を移動体に搭載して移動させて次々にデータ
アクセスを行わせる使い方もある。いずれの形態にあっ
ても、データ記憶体に対する第三者の物理的なアクセス
を阻止しきれない状況となりがちなので、データを不当
なアクセスから強く保護することが極めて有益である。
【0034】
【実施例】本発明の通信機の第1実施例について、その
具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、リ
ーダライタ100(質問器となる通信機)とデータキャ
リア500(応答器となる通信機)とからなるデータア
クセスシステムの全体ブロック図であり、従来例の図7
に対応するものである。また、図2は、固定式のリーダ
ライタ100についての詳細ブロック図であり、図3
は、携帯可搬式のデータキャリア500についての詳細
ブロック図である。なお、図示等に際し従来と同一の構
成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再
度の説明は割愛し、以下、従来例との相違点を中心に説
明する。
【0035】リーダライタ100は、上述した第1,第
2,第5の解決手段を具現化したものであり、従来例の
リーダライタ10と次の点で相違する。すなわち、従来
の送信部30が拡張されて送信部300となっている
点、指令送出ルーチン21と送信部300との間に方式
選択ルーチン210が介挿されている点、従来の受信部
40が拡張されて受信部400となっている点、応答受
理ルーチン23と受信部400との間に方式判別ルーチ
ン230が介挿されている点である。
【0036】送信部300には、NRZ方式の符号化回
路31およびASK方式の変調回路32に加えて、新た
に符号化回路310および変調回路320が追加導入さ
れており、そこのところが符号変調回路301に拡張さ
れている。符号化回路310は、マンチェスタ方式に基
づく符号化を行うものであり、同じデータ(図4(a)
参照)であってもNRZ方式(図4(b)参照)とは異
なる符号化データ(図4(c)参照)を生成する。ま
た、変調回路320は、ASK10%方式に基づく変調
を行うものであり(図4(e)参照)、基本的な100
%のASK方式とは(図4(d)参照)オフ時の振幅が
異なるようになっている。
【0037】符号変調回路301は、方式選択ルーチン
210から受けた選択信号Sに応じて4種のうちの1つ
を選択するセレクタ302と、副搬送波を入力してカウ
ントするビットカウンタ303と、マイクロプロセッサ
20から受けた指令Aを保持するレジスタ304と、A
NDゲートやORゲートの組合せからなり副搬送波を入
力してその各周期ごとにセレクタ302とビットカウン
タ303とレジスタ304とからのデータとの論理演算
を行うデコーダ305とからなっていて、符号化回路3
1,310及び変調回路32,320が一体的に作り込
まれている。これにより、送信部300は、符号化方式
および変調方式の何れか一方または双方の異なる複数の
送信方式を実行しうるものとなっている。
【0038】そして、選択信号Sに応じて随時、マンチ
ェスタ方式の符号化とASK方式の変調とを組み合わせ
た第1の送信方式と(図4(d)参照)、NRZ方式の
符号化とASK10%方式の変調とを組み合わせた第2
の送信方式と(図4(e)参照)、NRZ方式の符号化
とASK10%方式の変調とを組み合わせた第3の送信
方式と(図4(f)参照)、マンチェスタ方式の符号化
とASK10%方式の変調とを組み合わせた第4の送信
方式と(図4(g)参照)のうち何れか一つの送信方式
が指令Aの伝文に対して適用されるのである。なお、第
3の送信方式については、ASK10%方式に加えて副
搬送波に基づくBPSK方式の変調も併せて適用され
る。これにより、送信部300は、異なる複数の送信方
式に基づく送信を択一的に切り換えて行うものとなって
いる。
【0039】方式選択ルーチン210は、指令送出ルー
チン21からの指令を送信部300へ引き渡す前に乱数
発生を行い、その乱数値に基づいて第1〜第4の送信方
式の何れかを指定する選択信号Sを生成して、符号変調
回路301へ送出するという処理を行う。これにより、
方式選択ルーチン210(方式選択手段)は、指令の伝
文を一つ送信する毎に複数の送信方式のうち何れか一つ
をランダムに選択し直して送信部300に指示するもの
となっている。
【0040】ここで、リーダライタ100の受信部40
0及び方式判別ルーチン230の説明より先に、データ
キャリア500について述べる。データキャリア500
も、やはり上述した第1,第2,第5の解決手段を具現
化したものであり、従来例のデータキャリア50と次の
点で相違する。すなわち、従来の受信部70が拡張され
て受信部700となっている点、受信部700と指令受
理ルーチン81との間に方式判別ルーチンが介挿されて
いる点、従来の送信部90が拡張されて送信部900と
なっている点、送信部900と返送ルーチン83との間
に方式選択ルーチン830が介挿されている点である。
【0041】データキャリア500の受信部700に
は、ASK方式の復調回路72およびNRZ方式の復号
回路73に加えて、新たに復調回路720および復号回
路730が追加導入されており、そこのところが復調復
号回路701に拡張されている。復調回路720はAS
K10%方式に基づく変調を行うものであり、復号回路
730はマンチェスタ方式に基づく復号を行うものであ
る。
【0042】復調復号回路701は、レシーバ71及び
復調回路72に対して新たなレシーバ710及び復調回
路720が並列に設けられ、さらに、復調回路72の出
力に対して復号回路73及び復号回路730が並列に設
けられるとともに、復調回路720の出力に対して復号
回路73及び復号回路731が並列に設けられている。
この復号回路731はマンチェスタ方式の復号処理を複
数並行して行えるよう復号回路730と同一構造のもの
が用いられる。また、レシーバ710は、復調回路72
0の検波回路と一体化されている。レシーバ71も同様
である。さらに、復号回路73は、マイクロプロセッサ
80の指令受理ルーチン81等がNRZ方式のデータを
ベースとすることから、実体としては、復調回路72,
720の出力をそのままマイクロプロセッサ80へパス
させる配線だけである。
【0043】そして、常時、ASK方式の復調とマンチ
ェスタ方式の復号とを組み合わせた第1の受信方式と、
ASK10%方式の復調とNRZ方式の復号とを組み合
わせた第2の受信方式と、ASK10%方式の復調とN
RZ方式の復号とを組み合わせた第3の受信方式と、A
SK10%方式の復調とマンチェスタ方式の復号とを組
み合わせた第4の受信方式との4種の送信方式が受信信
号に対して適用されるのである。なお、第2,第3の受
信方式には上述のように副搬送波による変調を伴うか否
かの相違がある。これにより、受信部700は、復調方
式および復号方式の何れか一方または双方の異なる複数
の受信方式に基づく受信を並行して行うものとなってい
る。
【0044】方式判別ルーチン810は、第1〜第4の
受信方式で復元されたそれぞれの指令に対して、指令種
別に基づく伝文長や、伝文に含められたチェックサム等
の誤り訂正符号などが適正条件に合致しているか否かを
確認し、正しいと確認された指令を一つ選出して指令受
理ルーチン81へ引き渡す処理を行う。これにより、方
式判別ルーチン810(方式判別手段)は、受信部70
0の受信結果に対して相手方通信機の送信方式に対応し
て正しく受信したか否かについて正誤の判別を行うもの
となっている。
【0045】データキャリア500の送信部900に
は、NRZ方式の符号化回路91およびBPSK方式の
変調回路92に加えて、新たに符号化回路910および
変調回路920,921が追加導入されており、そこの
ところが符号変調回路901に拡張されている。符号化
回路910は、マンチェスタ方式に基づく符号化を行う
ものである。また、変調回路920は、BPSK方式の
変調回路92が拡張されて、基本的なBPSK方式の他
に副搬送波のBPSK方式も行えるようになっている。
さらに、変調回路921は、基本的なASK10%方式
の変調の他に、副搬送波のASK10%方式の変調も行
えるものである。なお、アクティブタイプのドライバ9
3に加えてこれと並列にロードスイッチタイプのドライ
バ930も設けられている。
【0046】これらに加えて、この符号変調回路901
には、符号化回路91,910の何れか一方の出力を選
出して変調回路921,920へ伝えるスイッチ回路
と、変調回路921,920にて副搬送波の変調を適用
するかしないかを切り換えるスイッチ回路と、変調回路
920,921の何れか一方の出力を選出してドライバ
93,930の何れか一方へ伝えるスイッチ回路なども
設けられる。
【0047】そして、これらのスイッチ回路が方式選択
ルーチン830からの選択信号に応じて切り替わること
で、マンチェスタ方式の符号化と副搬送波のASK10
%方式の変調とを組み合わせた第5の送信方式と(図4
(h)参照)、NRZ方式の符号化と副搬送波のBPS
K方式の変調とを組み合わせた第6の送信方式と(図4
(f)参照)、NRZ方式の符号化と基本的なBPSK
方式の変調とを組み合わせた第7の送信方式と(図4
(i)参照)、マンチェスタ方式の符号化と基本的なA
SK10%方式の変調とを組み合わせた第8の送信方式
と(図4(g)参照)のうち何れか一つの送信方式が応
答データの伝文に対して適用されるのである。これによ
り、送信部900は、符号化方式および変調方式の何れ
か一方または双方の異なる複数の送信方式に基づく送信
を択一的に切り換えて行うものとなっている。
【0048】方式選択ルーチン830は、方式選択ルー
チン210と同様に、返送ルーチン83からの応答デー
タを送信部900へ引き渡す前に乱数発生を行い、その
乱数値に基づいて第5〜第8の送信方式の何れかを指定
する選択信号を生成して、符号変調回路901の各スイ
ッチ回路へ制御信号として送出する処理を行う。これに
より、方式選択ルーチン830(方式選択手段)も、応
答データの伝文を一つ送信する毎に複数の送信方式のう
ち何れか一つをランダムに選択し直して送信部900に
指示するものとなっている。
【0049】ここで、リーダライタ100についての残
りの説明に戻る。リーダライタ100の受信部400に
は、BPSK方式の復調回路44及びNRZ方式の復号
回路45に加えて、新たに復調回路440,441及び
復号回路450が追加導入されており、そこのところが
復調復号回路401に拡張されている。復調回路441
はASK10%方式に基づく変調を行うものであり、復
号回路450はマンチェスタ方式に基づく復号を行うも
のである。なお、ロードスイッチタイプのドライバ93
0によって送受信コイル61が駆動されたときに受信コ
イル41ではなく送信コイル34に発生する電圧を検出
する必要があり、そのために、送信コイル34に接続さ
れた包絡線検波回路420とその検波済み信号を増幅し
て受信信号CCを生成し復調復号回路401へ送出する
アンプ430も、追加されている。
【0050】復調復号回路401では、復調回路440
と復調回路441とが並列に設けられるとともに、復調
回路440の出力に対して復号回路45が設けられ、復
調回路441の出力に対して復号回路45と復号回路4
50とが並列に設けられる。なお、復調回路440は復
調回路441の出力も入力することで、BPSK方式で
あれば基本的なBPSK方式と副搬送波のBPSK方式
との両方式の復調を纏めて処理するように拡張されてい
る。なお、復号回路45は、マイクロプロセッサ20の
応答受理ルーチン23等がNRZ方式のデータをベース
とすることから、この場合も実体としては、復調回路4
40,441の出力をそのままマイクロプロセッサ20
へパスさせる配線だけである。
【0051】そして、常時、副搬送波のASK10%方
式の復調とマンチェスタ方式の復号とを組み合わせた第
5の受信方式による復号データDDDと、副搬送波のB
PSK方式の復調とNRZ方式の復号とを組み合わせた
第6の受信方式および基本的なBPSK方式の復調とN
RZ方式の復号とを組み合わせた第7の受信方式による
復号データDと、基本的なASK10%方式の復調とマ
ンチェスタ方式の復号とを組み合わせた第8の受信方式
による復号データDDとが得られるのである。これによ
り、受信部400は、復調方式および復号方式の何れか
一方または双方の異なる複数の受信方式に基づく受信を
並行して行うものとなっている。
【0052】方式判別ルーチン230は、第5〜第8の
受信方式で復元されたそれぞれの応答データの復号デー
タD,DD,DDDに対して、やはりデータ種別等に基
づく伝文長や、伝文に含められたチェックサム等の誤り
訂正符号などが適正条件に合致しているか否かを確認
し、正しいと確認されたデータを一つ選出して応答受理
ルーチン23へ引き渡す処理を行う。これにより、方式
判別ルーチン230(方式判別手段)も、受信部400
の受信結果に対して相手方通信機の送信方式に対応して
正しく受信したか否かについて正誤の判別を行うものと
なっている。
【0053】このような構成の一対の通信機について、
その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図
5は、リーダライタ100とデータキャリア500との
交信例を示す信号波形等であり、0又は1のビット値に
対して1バイトやレスポンスと付したところが有効な伝
文を示し、符号Pを付したところは伝文の前などに付さ
れたプリアンブルを示している。
【0054】リーダライタ10にデータキャリア50が
接近して電磁誘導結合方式に基づく通信が可能な状態に
なると、リーダライタ10の指令送出ルーチン21から
データ読み出し等の指令Aが出される。そうすると、そ
の指令Aが方式選択ルーチン210を介して送信部30
0へ送出されるが、それに先行して送信部300の送信
方式についての方式選択ルーチン210によるランダム
な選択が行われる。そして、送信部300の送信方式が
その選択に応じて切り替わったところで、指令Aが送信
部300を介してデータキャリア500へ送信される。
この指令送信は、偶然の結果、例えばマンチェスタ方式
の符号化とASK方式の変調とを組み合わせた第1の送
信方式で行われる(図5(a)参照)。
【0055】これに応じて、データキャリア500で
は、送受信コイル61や受信部700によってその指令
の受信が行われ、指令がマイクロプロセッサ80に渡さ
れる。この指令受信は、第1〜第4の受信方式それぞれ
の並行処理で行われ、それらのうち、相手方であるリー
ダライタ100の第1の送信方式に対応したものによっ
て正確な指令の復元がなされる。すなわちASK方式の
復調とマンチェスタ方式の復号とを組み合わせた第1の
送信方式での処理によってリーダライタ100からの読
み出し指令が復元される。そして、その指令が方式判別
ルーチン810の判別処理によって選出され、指令受理
ルーチン81へ引き渡される。こうして、リーダライタ
100からデータキャリア500への指令の送受が、複
数の送信方式のうちランダムな選択に応じて切り換えら
れた方式に基づいて行われる。
【0056】また、データ読み出しの指令を受けたデー
タキャリア500では、マイクロプロセッサ80によっ
てメモリ84から該当データが読み出され、応答データ
が返送ルーチン83から返送のために出される。そうす
ると、その応答データが方式選択ルーチン830を介し
て送信部900へ送出されるが、それに先行して送信部
900の送信方式についての方式選択ルーチン830に
よるランダムな選択が行われる。そして、送信部900
の送信方式がその選択に応じて切り替わったところで、
応答データが送信部900及び送受信コイル61を介し
てリーダライタ100へ返送される。この応答送信は、
やはり偶然の結果、例えばマンチェスタ方式の符号化と
副搬送波のASK10%方式の変調とを組み合わせた第
5の送信方式で行われる(図5(b)参照)。
【0057】さらに、リーダライタ100では、受信部
400によってその応答の受信が行われ、応答データが
マイクロプロセッサ20に渡される。この応答受信は、
第5〜第8の受信方式それぞれの並行処理で行われ、そ
れらのうち、相手方であるデータキャリア500の第5
の送信方式に対応したものによって正確な応答データの
復元がなされる。すなわち副搬送波のASK10%方式
の復調とマンチェスタ方式の復号とを組み合わせた第5
の受信方式での処理によってデータキャリア500から
の応答データが復元される。そして、そのデータが、方
式判別ルーチン230の判別処理によって選出され、応
答受理ルーチン23を介して応用ルーチン22に届けら
れると、一回分のデータ読み出し処理が終わる。こうし
て、データキャリア500からリーダライタ100への
応答データの送受も、やはり複数の送信方式のうちラン
ダムな選択に応じて切り換えられた方式に基づいて行わ
れる。
【0058】また、繰り返しとなる詳細な説明は割愛す
るが、その後のリーダライタ100からデータキャリア
500へのデータ書き込み指令の送受は、複数の送信方
式のうちランダムな選択に応じて、例えばNRZ方式の
符号化とASK10%方式の変調とを組み合わせた第2
の送信方式に基づいて行われるとともに(図5(c)参
照)、それに続くデータキャリア500からリーダライ
タ100への応答の送受も、やはり複数の送信方式のう
ちランダムな選択に応じて、例えばNRZ方式の符号化
と副搬送波のBPSK方式の変調とを組み合わせた第6
の送信方式に基づいて行われる(図5(d)参照)。さ
らに、リーダライタ100からデータキャリア500へ
のセキュリティ関連の指令なども、ランダムな選択に応
じて例えばASK10%方式の復調とNRZ方式の復号
とを組み合わせた第3の受信方式に基づいて行われる
(図5(e)参照)。
【0059】このようにして、これらの新たな通信機間
における交信では、指令や応答の各伝文送受ごとに通信
方式がランダムに変更されるのである。
【0060】図6に交信例のタイミングチャートを示し
た本発明の通信機の第2実施例について説明する。これ
は、上述した第4の解決手段を具現化したものであり、
リーダライタ100(通信機)は、データキャリア50
0,50(通信相手となる他の通信機)の有無や種別な
どを確認する送信を行うに際して同一又は同義の内容で
複数の送信方式に基づく送信を一巡させるのである。
【0061】すなわち、固定局のリーダライタ100に
対して複数の移動局のデータキャリア500,50が複
数個同時に交信可能となるような状況下でも適切な通信
状態を確立するために、リーダライタ100の応用ルー
チン22は、データ読み出し等の処理を開始する前に、
先ずデータキャリアに対する識別番号の要求指令等を第
1〜第4の送信方式のそれぞれで4回繰り返して送信す
るように拡張される。
【0062】そして、具体的に例示すると、一台のリー
ダライタ100(図6(a)参照)に対し、一個のデー
タキャリア500(図6(b)参照)と、第2の受信方
式と何れか一の送信方式とを実行しうる一のデータキャ
リア50(以下、一方のデータキャリアと呼ぶ)と、第
3の受信方式と何れか一の送信方式とを実行しうるもう
一つのデータキャリア50(以下、他方のデータキャリ
アと呼ぶ)とが交信可能になったとする。このよう場
合、先ずリーダライタ100は交信可能なデータキャリ
アを探ることを行う。
【0063】詳述すれば、時刻t11にリーダライタ1
00から識別番号その他の属性データについての要求指
令(以下、ATRコマンドという)が第1の送信方式で
出されると、これに応じて時刻t12にデータキャリア
500から応答がなされる。そして、時刻t13にリー
ダライタ100から同じATRコマンドが第2の送信方
式で出されると、これに応じて、時刻t14に一方のデ
ータキャリア50から応答がなされるとともに、時刻t
15にはデータキャリア500からも応答がなされる。
さらに、時刻t16にリーダライタ100から同じAT
Rコマンドが第3の送信方式で出されると、これに応じ
て、時刻t17にデータキャリア500から応答がなさ
れるとともに、時刻t18には他方のデータキャリア5
0からも応答がなされる。それから、時刻t19にもリ
ーダライタ100からATRコマンドが第4の送信方式
で出され、こうして、同一内容で複数の送信方式に基づ
く送信が一巡する。
【0064】このとき、時刻t14と時刻t15は或る
程度離れていてデータキャリア500の応答と一方のデ
ータキャリア50の応答が重ならなかったとすると、デ
ータキャリア500は複数の通信方式をサポートするタ
イプのものとしてリーダライタ100に認識され、一方
のデータキャリア50は第2の通信方式だけをサポート
するタイプのものとしてリーダライタ100に認識され
る。また、時刻t17と時刻t18が近すぎてデータキ
ャリア500の応答と他方のデータキャリア50の応答
とが衝突してしまったとすると、他方のデータキャリア
50はリーダライタ100の認識から漏れてしまう。
【0065】そして、認識されたデータキャリア500
に対してはその識別番号を指定してのデータ読み出し等
の指令が時刻t21にリーダライタ100から第1の送
信方式で出され、それに応じて時刻t22にデータキャ
リア500だけが応答することとなる。また、やはり認
識された一方のデータキャリア50に対してもその識別
番号を指定してのデータ読み出し等の指令が別の時刻t
23にリーダライタ100から第2の送信方式で出さ
れ、それに応じて時刻t24に一方のデータキャリア5
0だけが応答することとなる。
【0066】こうしてデータキャリア500及び一方の
データキャリア50に対する処理を終えると、リーダラ
イタ100は、一連の時刻t31,t32,t33,t
36に送信方式を第1〜第4の送信方式で切り換えてA
TRコマンドを送信することで、再び交信可能なデータ
キャリアを探る。すると、今度は、先ほど漏れた他方の
データキャリア50が時刻t33のATRコマンドに対
して直後の時刻t34のタイミングで応答するだけなの
で、そのデータキャリア50が第3の通信方式だけをサ
ポートするタイプのものとしてリーダライタ100に認
識される。
【0067】そして、認識された他方のデータキャリア
50に対してはその識別番号を指定してのデータ読み出
し等の指令が時刻t41にリーダライタ100から第3
の送信方式で出され、それに応じて時刻t42にそのデ
ータキャリア50だけが応答することとなる。さらにそ
のデータキャリア50に対してデータ書き込み等の他の
処理も行う場合には、やはり第3の送信方式で交信が継
続される。こうして、新旧多種類のデータキャリアが混
在しあった状況下であっても、適切に通信が捌かれ、そ
れによる処理が速やかに済むこととなる。
【0068】本発明の通信機の第3実施例について説明
する。図示は割愛したが、これは、上述した第3の解決
手段を具現化したものであり、相手方通信機との交信に
よって得たその指示内容に基づいて次の送信方式を選択
するのである。
【0069】具体的には、上述した第1実施例における
リーダライタ100については、方式選択ルーチン21
0が、最初はいずれか一定の送信方式でATRコマンド
を送信し、以後は、方式判別ルーチン230から渡され
た選択情報に従って送信方式の選択を行う。そのように
処理内容が変更される。また、方式判別ルーチン230
は、データキャリア500からの応答データに付加され
た選択情報を抽出して方式選択ルーチン210へ渡すよ
うに拡張される。さらに、データキャリア500につい
ても、方式選択ルーチン830が、送信部900に対す
るランダム選択に加えてリーダライタ100に対するラ
ンダム選択も行ってその後者の選択情報をリーダライタ
100への返送に際して応答データに付加して含ませる
ように拡張される。なお、方式選択ルーチン830によ
る一連の選択内容を予め決めておいてメモリ84等に保
持させるようにしてもよい。
【0070】いずれにしても、このような拡張されたリ
ーダライタ100とデータキャリア500との通信は、
データキャリア500側の選択に基づいて双方の通信方
式を随時変更しながら行われる。このようにデータキャ
リア500側だけの選択によって通信方式が変わる場
合、通信方式の変化についての時系列データに基づいて
データキャリアの種別分けや更には個々のデータキャリ
アの識別を行うことも可能であり、かかるハードウェア
認証とも言えるものを一般的なソフトウェア認証と協働
させることで、認証の強化にも役立つこととなる。
【0071】なお、方式選択手段は、伝文を送信してい
るその途中で選択対象を変更するように拡張してもよ
い。その場合、バイト単位等の固定長で変更するように
したり、可変長であっても変更する度にデータ長と共に
チェックサム等も付加するようにすれば、受信側に掛か
る負担が軽くて済む。また、疑似ランダム信号を扱う通
信方式で複数の通信方式のうちの一つ以上を置き換えた
り、疑似ランダム信号を扱う通信方式を複数の通信方式
の何れかに重ねて適用したりしてもよい。
【0072】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段の通信機にあっては、通信方式が随時
変化しうるようにしたことにより、不当なアクセスから
データを強く保護する通信機を実現することができたと
いう有利な効果が有る。
【0073】また、本発明の第2の解決手段の通信機に
あっては、交信中に細かく通信方式が変化するようにし
たことにより、不当なアクセスからデータを一層強く保
護する通信機を実現することができたという有利な効果
を奏する。
【0074】さらに、本発明の第3の解決手段の通信機
にあっては、相手方の受信処理可能な範囲での送信方式
に限定して送信するようにしたことにより、下位互換性
を維持しながら不当なアクセスからのデータ保護を強化
することができたという有利な効果が有る。
【0075】また、本発明の第4の解決手段の通信機に
あっては、相手方の受信可能な送信方式を探ってから交
信を開始するようにしたことにより、相手方の通信機の
機能に合わせて不当なアクセスからデータを保護する通
信機を実現することができたという有利な効果を奏す
る。
【0076】また、本発明の第5の解決手段の通信機に
あっては、相手方の通信機が送信方式を随時変更しても
送信内容を正しく復元しうるようにしたことにより、上
記の各通信機と協動して不当なアクセスからデータを保
護することができるようになったという有利な効果が有
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の通信機の第1実施例について、全体
ブロック図である。
【図2】 固定局側のブロック図である。
【図3】 移動局側のブロック図である。
【図4】 符号化および変調波形の例である。
【図5】 交信例である。
【図6】 本発明の通信機の第2実施例について、交信
例のタイミングチャートである。
【図7】 従来の通信機についての全体ブロック図であ
る。
【符号の説明】
10 リーダライタ(データ読取装置、質問器、固定局
側の通信機) 20 マイクロプロセッサ(演算制御部) 21 指令送出ルーチン 22 応用ルーチン 23 応答受理ルーチン 30 送信部 31 符号化回路(NRZ方式、送信部) 32 変調回路(ASK方式、送信部) 33 アンプ(送信部) 34 送信コイル(電磁誘導結合子、送信部) 40 受信部 41 受信コイル(電磁誘導結合子、受信部) 42 バンドパスフィルタ(受信部) 43 アンプ(受信部) 44 復調回路(BPSK方式、受信部) 45 復号回路(NRZ方式、受信部) 50 データキャリア(データ記憶体、応答器、移動局
側の通信機) 60 電源部 61 送受信コイル(電磁誘導結合子) 62 整流器(電源回路入力段、電源部) 63 レギュレータ(定電圧回路、電源部) 64 コンデンサ(電源回路出力段、電源部) 70 受信部 71 レシーバ(コイル電圧応動手段、受信部) 72 復調回路(ASK方式、受信部) 73 復号回路(NRZ方式、受信部) 80 マイクロプロセッサ(演算制御部) 81 指令受理ルーチン(指令を受ける手段) 82 応答ルーチン(応答データを生成する手段) 83 返送ルーチン(応答データを返送する手段) 84 メモリ(応答データ等を保持する手段) 90 送信部 91 符号化回路(NRZ方式、送信部) 92 変調回路(BPSK方式、送信部) 93 ドライバ(アクティブタイプのコイル駆動手段、
送信部) 100 リーダライタ(データ読取装置、質問器、固定
局側の通信機) 210 方式選択ルーチン(通信方式選択手段) 230 方式判別ルーチン(通信方式判別手段) 300 送信部 301 符号変調回路(4方式、送信方式切換手段、送
信部) 302 セレクタ(符号変調回路、送信部) 303 ビットカウンタ(符号変調回路、送信部) 304 レジスタ(符号変調回路、送信部) 305 デコーダ(符号変調回路、送信部) 310 符号化回路(マンチェスタ方式、送信部) 320 変調回路(ASK10%方式、サブキャリアB
PSK方式、送信部) 400 受信部 401 復調復号回路(4方式、受信方式切換手段、受
信部) 420 検波回路(受信部) 430 アンプ(受信部) 440 復調回路(BPSK方式、サブキャリアBPS
K方式、受信部) 441 復調回路(ASK方式、サブキャリアASK方
式、受信部) 450 復号回路(マンチェスタ方式、受信部) 500 データキャリア(データ記憶体、応答器、移動
局側の通信機) 700 受信部 701 復調復号回路(4方式、受信方式切換手段、受
信部) 710 レシーバ(コイル電圧応動手段、受信部) 720 復調回路(ASK10%方式、サブキャリアB
PSK方式、受信部) 730 復号回路(マンチェスタ方式、受信部) 731 復号回路(マンチェスタ方式、受信部) 810 方式判別ルーチン(通信方式判別手段) 830 方式選択ルーチン(通信方式選択手段) 900 送信部 901 符号変調回路(4方式、送信方式切換手段、送
信部) 910 符号化回路(マンチェスタ方式、送信部) 920 変調回路(BPSK方式、サブキャリアBPS
K方式、送信部) 921 変調回路(ASK方式、サブキャリアASK方
式、送信部) 930 ドライバ(ロードスイッチタイプのコイル駆動
手段、送信部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯山 恵市 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 浅加 信吉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】符号化方式および変調方式の何れか一方ま
    たは双方の異なる複数の送信方式に基づく送信を切り換
    えて行う送信部と、前記複数の送信方式のうち何れかを
    選択して前記送信部に指示する方式選択手段とを備えた
    ことを特徴とする通信機。
  2. 【請求項2】前記方式選択手段は、伝文毎に又は伝文の
    途中で選択対象を変更するものであることを特徴とする
    請求項1記載の通信機。
  3. 【請求項3】前記方式選択手段は、交信内容に基づいて
    選択対象を決するものであることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載された通信機。
  4. 【請求項4】通信相手になりうる他の通信機を確認する
    際の送信は前記複数の送信方式に基づく送信を一巡させ
    て行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか
    に記載された通信機。
  5. 【請求項5】復調方式および復号方式の何れか一方また
    は双方の異なる複数の受信方式に基づく受信を並行して
    行う受信部と、前記受信部の受信結果に対して正誤の判
    別を行う方式判別手段とを備えたことを特徴とする通信
    機。
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