JPH11118738A - 微小な測定対象物を高速に分析できる分析装置 - Google Patents

微小な測定対象物を高速に分析できる分析装置

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JPH11118738A
JPH11118738A JP9280720A JP28072097A JPH11118738A JP H11118738 A JPH11118738 A JP H11118738A JP 9280720 A JP9280720 A JP 9280720A JP 28072097 A JP28072097 A JP 28072097A JP H11118738 A JPH11118738 A JP H11118738A
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energy ray
analyzer
energy
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JP9280720A
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Eiji Kano
英司 狩野
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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 専門の知識を有するオペレータの介入を必要
とせずに、元素分析などの分析結果を自動的に分かりや
すく出力できるようにする。 【解決手段】 試料11を載置して位置決めする試料ス
テージ21と、試料11上の位置決めされた位置に電子
ビームを照射する電子銃31と、電子ビームが照射され
た位置から発生する特性X線を検出するX線検出器43
とを有し、特性X線のエネルギーを解析することにより
試料11上の元素物質を分析する分析装置において、試
料11上に存在が予想される元素に関するデータが予め
登録される外部記憶装置54と、外部記憶装置54に登
録されている元素の範囲内で、X線検出器43から出力
される検出データの解析を行って分析結果を得る制御処
理部53とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体もしくは物体
表面に付着した異物を高速に分析する異物分析装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、走査型電子顕微鏡(SEM;Scan
ning Electron Microscope)の高倍率化、X線分析装置
の高精度化によって、肉眼では確認できないサブミクロ
ンといった微細なものを簡単に観察し、その組成等の分
析を行えるようになってきた。その反面で、観察したい
対象物を顕微鏡の視野内に納め分析結果を得ることは、
手間がかかり根気のいる作業になっている。例えば、半
導体ウエハやガラス基板などの上に付着した微小なゴミ
や、ウエハ上に作製した微小な配線、あるいは作製した
配線の欠陥部分などの1μm以下の対象物を、直径が2
00mmから300mmになりつつあるウエハ面積の中
から探索して観測することは大変難しい。
【0003】また、分析装置によって得られた測定結果
は、一般に、X線スペクトルや電子スペクトルなどのエ
ネルギースペクトルとして出力され、この測定結果は、
スペクトルでのピークのエネルギー値と、元素によって
決まる固有のエネルギー値を比較することによって解析
される。このため、測定結果を解析して結果を判断する
ために分析技術を有する専門のオペレータを必要とする
とともに、分析結果を得るまでに時間のかかる作業が必
要である。解析に関する手間を省く方法が各種検討され
ており、例えば、コンピュータなどの計算装置によって
自動的に数値処理を行うことによりスペクトルからピー
ク値を求め、そのピーク値とデータベース化された元素
の固有エネルギー値とを比較し、分析結果を自動的に出
力する方法がある。
【0004】図6は、従来のX線検出器を用いた分析装
置の一般的な構成を示す構成図である。この分析装置
は、いわゆるEPMA(電子線プローブX線マイクロア
ナライザ)に反射電子や二次電子の検出器を備えたもの
であって、試料111を載置した移動ステージ121の
上方には、試料111に電子ビームを照射するための電
子銃131が設置されている。電子ビームを試料に照射
することによって、試料111からは反射電子、二次電
子、オージェ電子、X線等が生じるから、反射電子検出
器141で反射電子を検出することによって反射電子像
が、二次電子検出器142で二次電子を検出することに
よって二次電子像(SEM像)が、X線検出器143で
特性X線を検出することによって成分分析を行うことが
できる。試料111、移動ステージ121、電子銃13
1、反射電子検出器141、二次電子検出器142及び
X線検出器143は、不図示の真空容器内に格納されて
いる。移動ステージ121を操作することによって、試
料111上の電子ビームのスポット位置の粗調整を行う
ことができ、電子銃131内の偏向系を用いることによ
って、電子ビームのスポット位置の微調整や所定の領域
内での電子ビームの走査を行うことができる。
【0005】成分分析結果は、X線検出器143によっ
て得られた検出信号を、計算機などを用いて信号処理す
ることによって得られる。X線検出器143は、シリコ
ンなどを用いた半導体検出器と、マルチチャンネル波高
分析器(MCA)とを組み合わせて構成されている。試
料から発生した種々のエネルギーのX線は、半導体検出
器内部で電子・正孔対を生成させ、X線のエネルギーに
比例した波高の電流パルスに変換される。このパルス
は、アンプで増幅され、マルチチャンネル波高分析器に
より各X線のエネルギーに対応して振り分けられる。こ
のようにしてマルチチャンネル波高分析器によって得ら
れた測定結果が、ディスプレーに表示される。ディスプ
レーでの表示例を図7に示す。図7において、横軸はエ
ネルギー値であり、縦軸はX線の検出数を表し、これを
一般にエネルギースペクトルと呼ぶ。
【0006】エネルギースペクトルにおいて特定のエネ
ルギー値のところで検出数が多くなり、ピークが顕著で
ある場合は、そのエネルギーを持つ特性X線を放出する
元素が試料に多く含まれていることを意味する。したが
って、得られたエネルギースペクトルから、顕著なピー
クのエネルギー値を探しだし、そのエネルギーを持つX
線を放出する成分元素を同定する作業を行うことによ
り、試料中に含まれる成分元素を特定することができ
る。従来の技術として、上述したピーク値の検出、成分
元素同定までを計算機などで自動で処理を行えるように
なっているものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の分析装置は、計算機による自動化は完全なもの
ではなく、専門のオペレータによる判断が必要とするも
のがほとんどである。現在存在が認められている元素は
109個あり、それぞれその元素に固有のエネルギー値
の特性X線を放出し、なおかつ、1つの元素から複数の
特性X線を放出するため、ピークエネルギー値から唯一
の成分元素を同定することが難しいからである。例え
ば、Au(金)の主要な特性X線としては、エネルギー
がそれぞれ2.14,9.7,11.44,11.59ke
Vである4本の特性X線があり、Nb(ニオブ)の主要
な特性X線として、2.17,2.26,16.58,1
8.60keVの4本がある。ピーク値の検出に30e
V程度の誤差があるだけで、Auの2.14keVのピ
ークなのか、Nbの2.17keVのピークなのかの判
別に狂いが生じる。したがって、その他のピーク値との
兼ね合いを調べて、総合的に判断を行わなければならな
い。また、分析したい試料の大きさが小さくなればなる
ほど、測定時間を短くすれば短くするほど検出信号のS
/N(シグナル対ノイズ比)は悪くなり、ますます成分
元素の判別が難しくなり、自動判別の誤判別の確率は大
きくなってしまう。
【0008】結局、上述した従来の分析装置は、試料の
成分分析を行うことが可能な装置ではあるが、微小な試
料の成分分析や高速な分析を行うときにはスペクトル分
析に関して知識が豊富な専門のオペレータによる複雑な
操作や判断を必要とする。したがって、この従来の分析
装置は、高いスループットで微小な粒子の分析を行う、
例えば半導体製造ライン内で使用したり、自動計測に用
いたりするのには適していない。
【0009】本発明の目的は、専門の知識を有するオペ
レータの介入を必要とせずに、元素分析などの分析結果
を自動的に分かりやすく出力することができる分析装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の分析装置は、試
料を載置して位置決めする試料ステージと、試料上の位
置決めされた位置に第1のエネルギー線を照射するエネ
ルギー線照射手段と、試料において第1のエネルギー線
が照射された位置から発生する第2のエネルギー線を検
出するエネルギー線検出手段と、試料ステージ、エネル
ギー線照射手段及びエネルギー線検出手段が収容取り付
けられた共通真空容器とを有し、第2のエネルギー線の
エネルギーを解析することにより試料上の物質を分析す
る分析装置において、試料上に存在が予想される物質に
関するデータが予め登録される外部記憶手段と、外部記
憶手段に登録されている物質の範囲内で、エネルギー線
検出手段から出力される検出データの解析を行って分析
結果を得る処理手段と、を有する。
【0011】本発明において、第1のエネルギー線と第
2のエネルギー線との組み合わせは各種考えられるが、
例えば、第1のエネルギー線は電子銃から放出される電
子ビームであって、第2のエネルギー線は、電子ビーム
が照射されたことにより試料から発生する特性X線であ
る。この組み合わせの場合、分析結果として予想でき得
る成分元素を予め入力しておき、入力した元素が放出す
るX線を検出したかどうかの判定のみを、第一に出力さ
せる。得られたX線スペクトルの情報は例えばハードデ
ィスクなどの外部記憶装置に保存させておくことが好ま
しく、検出結果は着目した元素が検出されたかされない
かに絞るわけである。こうして着目した元素のある・な
しのみを出力することによって、分析に関する知識がな
くても、分析結果を知ることができる。また、得られた
分析結果に対して、より詳しい情報を得たいときや、分
析結果が疑わしいとき、再確認したいときなどは、上述
のように外部記憶装置に保存してあるX線スペクトルを
任意に呼び出すことによって、いつでも詳細なデータを
得ることができる。
【0012】上記手段はX線分析を例として説明を行っ
たが、分析手法として、オージェ電子分析法や、飛行時
間型二次イオン質量分析法、レーザ・マイクロプローブ
質量分析などでも同様のことを実現することができる。
【0013】以上の方法によって、複雑な操作や専門的
なスペクトル解析を介さずに分析結果を自動で出力させ
ることが可能となるため、分析装置そのものを全自動化
させることも可能となる。全自動化のためには、分析し
たい部分の情報を装置に与えなければならないが、ハー
ドディスクやフロッピーディスクといった外部記憶装置
に位置情報をあらかじめ与えることができれば、試料を
装置に出し入れし、かつ、記録させた位置情報の場所を
再現させる試料ステージを用意することによって実現で
きる。
【0014】あらかじめ位置情報を与える手段として
は、例えば、微小異物検査装置といった他の装置の情報
を有効に活用する手段が考えられる。ガラス基板や、液
晶画面、半導体ウエハなどの表面に付着した微小な異物
を、光散乱を利用したり、CCDなどの画像から、異物
の大きさや位置情報を得る装置であり、この情報を与え
ることによって、異物検査装置で検出した微小異物の成
分分析を上記手法によって自動で行うことができるので
ある。また、光散乱を利用したり、CCDを用いた異物
検出用の光学系は、それほど大掛かりなものではないこ
とから、分析装置内に上記光学系を設置させれば、微小
異物の検出・分析が1台の装置で全て自動で行うことが
可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】《第1の実施形態》図1は、本発明の第1
の実施形態の分析装置の構成を示す図である。
【0017】試料11を載置した移動ステージ21の上
方には、試料11に電子ビームを照射するための電子銃
31が設置されている。試料11に電子ビームを照射す
ることによって試料11から発生する電子やX線等を検
出するために、反射電子検出器41、二次電子検出器4
2及びX線検出器43が設けられている。X線検出器4
3は、シリコンなどを用いX線が入射し入射したX線の
エネルギーに応じたパルスを発生する半導体検出器部5
1と、半導体検出器部51から出力され不図示のアンプ
で増幅されたパルスをそのエネルギーに応じてチャネル
に振り分けて計数し、エネルギースペクトルとして出力
するマルチチャネル波高分析器(MCA)52とによっ
て構成されている。試料11、移動ステージ21、電子
銃31、反射電子検出器41、二次電子検出器42及び
半導体検出器部51は、不図示の共通真空容器内に格納
されている。この分析装置では、移動ステージ21を操
作することによって、試料11上の電子ビームのスポッ
ト位置の粗調整を行うことができ、電子銃31内の偏向
系を用いることによって、電子ビームのスポット位置の
微調整や所定の領域内での電子ビームの走査を行うこと
ができる。
【0018】マルチチャネル波高分析器52からの出力
データを処理するとともに移動ステージ21や電子銃3
1を制御するために、制御処理部53が設けられてい
る。制御処理部53は、一般的なCPU(中央処理装
置)やその周辺回路で構成されている。制御処理部53
には、データ解析に用いるパラメータを格納するととも
に分析結果を記憶する外部記憶装置54と、分析結果の
表示などに使用されCRTなどによって構成された表示
装置55と、キーボードなどの入力装置56が接続され
ている。また、制御処理部53は、反射電子検出器41
及び二次電子検出器42とも接続し、これらからの出力
信号をも処理できるようになっている。さらに、制御処
理部53は、ネットワークなどを介して他の機器やコン
ピュータと接続されていてもよい。
【0019】この分析装置では、電子ビーム11を試料
に照射することによって、試料11からは反射電子、二
次電子、オージェ電子、X線等が生じるから、反射電子
検出器41で反射電子を検出することによって反射電子
像が、二次電子検出器42で二次電子を検出することに
よって二次電子像(SEM像)が、X線検出器43で特
性X線を検出することによって成分分析を行うことがで
きる。特に、この分析装置では、以下に述べる手順によ
って、特性X線の検出による成分分析を実行する。
【0020】まず、分析装置で分析結果として予想でき
る元素を全て登録し、外部記憶装置54に登録内容を格
納する。例えば、半導体製造ライン中に分析装置を設置
し、半導体ウエハ上の微小異物を分析することを想定し
た場合、予想できる元素は、B(ベリリウム),C(炭
素),N(窒素),O(酸素),Na(ナトリウム),
Al(アルミニウム),Si(ケイ素),P(リン),
Cl(塩素),K(カリウム),Fe(鉄),Ni(ニ
ッケル),Cu(銅),Ga(ガリウム),As(ヒ
素)等、せいぜい20元素程度である。また、用いるウ
エハ、設置する場所が決まれば、検出される典型的な元
素はさらに絞られ、10元素程度に着目すれば十分であ
る場合がほとんどである。
【0021】次に、以下の典型的な分析装置の操作方法
によって、X線エネルギースペクトルを得る。試料11
に電子ビームを照射し、反射電子像もしくは二次電子像
を観測して試料11上の被測定物(異物など)を確認す
る。なるべく被測定物のみに電子ビームが照射されるよ
うにしてから、X線検出器43によるX線検出を開始
し、図7に示すようなエネルギースペクトルを得る。
【0022】従来は、得られたエネルギースペクトルを
基に、以下の手順によって分析結果を得るのが一般的で
あった。すなわち、得られたスペクトルのピーク値を全
てソフトウェアによって自動で検出し、検出されたピー
クに対応するエネルギー値とデータベース化された既知
の全元素のX線エネルギー情報とを比較し、それぞれの
ピークに対応する元素を同定する。1つのピークに複数
の元素が対応している場合は、ピーク値に該当するそれ
ぞれの元素に対して、その元素が放出するその他のエネ
ルギーのX線も放出されているかどうかを確認し、最も
合致したものを検出元素として出力する。また、この
時、同定元素についての第2候補や第3候補を出力させ
る場合もある。こうしてソフトウェアによって自動で出
力された分析結果は、X線分析に関して詳しい知識を持
つ専門のオペレータによって、正しい出力結果であるか
どうか疑わしい出力であるかどうかを、常に確認する必
要があった。
【0023】一方、本実施形態における分析結果の出力
方法は、上記の一般的な分析手法のうち、スペクトルの
ピーク値検出までは同じ手順であるが、それ以降の手順
で異なっている。すなわち、マルチチャンネル波高分析
器52から出力されたエネルギースペクトルは処理制御
部53に入力し、処理制御部53は、スペクトルのピー
ク値の検出を行うとともに、このエネルギースペクトル
を直ちに外部記憶装置54に記憶する。スペクトルから
ピーク値が検出された後は、処理制御部53が、外部記
憶措置54に予め登録してある元素の範囲内でのみ各ピ
ークに対応する元素を探し出す。分析結果として予想で
きる元素を予め登録しておき、この登録された元素の範
囲内で同定を行うことにより、存在するはずのない元素
をたまたまピークエネルギーが接近しているなどの理由
によって分析結果として出力することがなくなる。ま
た、100種以上のある元素からピークに対応する元素
を特定する必要がないことから、高速に処理を行うこと
ができる。より高速な処理を追求した使い方をしたい場
合は、本当に検出したいものだけに登録する元素を絞る
ようにすればよい。
【0024】事前に登録した元素の数や組み合わせによ
っては、検出結果として誤った元素を出力する可能性が
従来の方法に比べてあまり低下しないことがあると考え
られるが、このような場合には、検出結果として唯一の
元素を特定するのではなく、スペクトルデータから判断
して存在する可能性のある元素を全て出力する方が望ま
しい。予め登録されてある元素の中で、ある元素が検出
されている可能性があるという情報だけでも重要であ
り、本実施形態の分析装置の場合、エネルギースペクト
ルそのものは外部記憶装置54に保存されていることか
ら、任意のときにいくらでも詳しい解析を行うことがで
きるからである。
【0025】一方、予め登録した元素の中からは特定で
きないピークが検出される場合も十分に考えられる。登
録時に意図的かどうかは別として少数の元素しか登録し
なかった場合や、検出信号のS/Nが極端に悪い場合な
どである。このような場合には、そのピークに対し、
「特定できなかった信号」として、例えば「unknown da
ta」と出力すればよい。エネルギースペクトルそのもの
は外部記憶装置54に保存されていることから、任意の
ときにいくらでも詳しい解析を行うことができるため、
「簡単には分析結果が得られないデータ」が検出された
という分類をするだけでも、非常に重要な情報になる。
【0026】上記のように高速な分析処理を制御処理部
53においてソフトウェアで実現することによって、短
時間で多量の試料をこの分析装置で取り扱うことが可能
となる。したがって、本実施形態によれば、試料となる
ガラス基板や半導体ウエハを作製・加工している生産ラ
イン内に分析装置を導入し、多量の分析データを蓄積す
ることが可能となる。生産ラインの工程管理や、歩留ま
り管理、装置メンテナンスのために、試料の抜き取り検
査、全数検査が可能な高速分析装置を実現できるのであ
る。
【0027】さらに本実施形態では、例えば生産ライン
の管理を行うために、登録した元素の中でも特に重要な
元素(特定元素という)をあらかじめチェックしてお
き、試料上でその特定元素が検出された場合には、分析
を中断して警報を鳴らすアラーム機能を付加するように
してもよい。
【0028】《第2の実施形態》測定対象物が、例え
ば、生産ライン上で作製されているガラス基板や液晶パ
ネル、半導体ウエハなどの場合、製品検査の目的で、任
意の試料上の決まった検査場所、決まった検査点数を分
析処理したい場合が生じる。このような要求がある場
合、上述の第1の実施形態で説明した分析装置を使用す
るとともに、製品上の分析したい位置や分析回数などを
外部記憶装置54などに予め登録し、この登録された位
置データを基に、処理制御部53によって、電子ビーム
の照射位置が分析したい位置に合致するように試料ステ
ージ21を制御する。試料ステージ21の移動が終了し
た後、電子ビームを電子銃31から照射させ、特性X線
をX線検出器43によって検出する。分析データの処理
については、第1の実施形態と同様に行えばよい。分析
データが得られたら、同じ試料11上にまだ分析したい
箇所があれば、次の測定点まで試料ステージ21を動か
して次の分析を行う。試料11上の分析が全て終了した
ら、その試料11は直ちに生産ラインに戻し、次の試料
を分析装置に搬入する。
【0029】以上の過程により、生産ラインに流れてい
る製品の抜き取り検査や、全数検査が可能となる。この
時、試料の搬入・搬出、ステージ移動などはコンピュー
タなどの自動制御が可能であることから、あらかじめ測
定したい項目をデータ化して登録することによって、生
産ライン内における製品分析処理の自動化が実現でき
る。
【0030】試料上の測定したい位置の情報を、他の検
出装置から入手して、分析を行ってもよい。例えば、試
料にレーザ光などを照射し、試料表面に付着した微小な
異物によって散乱された散乱光を光検出器によって検出
して、試料表面上に付着した微小異物や欠陥についてそ
の大きさや位置情報を得る異物検査装置がある。この異
物検査装置によって得られる位置情報を、本実施形態の
分析装置に入力し、試料ステージ21の移動に反映させ
れば、異物の検出から分析結果の出力までを自動で行う
ことが可能となる。
【0031】また、上述の異物検査装置であるが、原理
的にはレーザ光源と光検出器の組み合わせで実現できる
装置であることから、本実施形態の分析装置内に具備さ
せてもよい。図2は、このように異物検査装置を内蔵し
た分析装置の構成を示す図である。この分析装置は、図
1に示す分析装置に対し、試料11上に検査用のレーザ
光を照射するレーザ光源61と、試料11上の異物等に
よって散乱されたレーザ光を検出する光検出器62を追
加した構成のものであり、レーザ光源61及び光検出器
62も、共通真空容器(不図示)内に格納されている。
この分析装置によれば、、一つの装置内で測定対象物を
検出し、直ちに分析動作に入れることから、省スペース
化、測定時間の短縮が可能となる。
【0032】上述した各実施形態の分析装置は、いずれ
も、あらかじめ登録した元素が検出されたかどうか(も
しくはその他のunknownデータ)を第1に出力さ
せ、専門の知識がなくてもわかりやすい分析結果が自動
で得られるものである。この出力結果が測定した試料上
のどの位置の分析結果であるかを視覚的に分かりやすく
するために、CRTディスプレイなどからなる表示装置
55(もしくはプリンタなどの出力デバイス)に試料1
1の概略図と各位置での分析結果などを重ね合わせて表
示するマップ出力機能を加えてもよい。図3は、試料と
して半導体ウエハを用いた場合のこの半導体ウエハ上で
の分析結果のマップ表示例を示している。分析結果は、
図3に示したように元素ごとに異なる記号で表示しても
よいし、色や大きさを変えて表示してもよい。また、前
記の異物検査装置を用いた場合は、異物検査装置によっ
て得られる検出異物の大きさの情報を加えてもよい。
【0033】《その他の実施形態》以上、本発明の実施
形態として、電子銃とX線検出器を利用するX線分析装
置を取り上げたが、本発明はX線分析に特に限定される
ものではなく、反射電子検出による分析、オージェ電子
検出による検出、飛行時間型二次イオン質量分析、レー
ザ・マイクロプローブ質量分析などを利用するようにし
てもよい。例えばオージェ電子のエネルギーによって成
分元素の分析を行う場合には、図1に示す分析装置にお
いて、二次電子検出器42としてエネルギー分解能を有
するものを使用し、オージェ電子を検出するとともにそ
のエネルギーを測定し、電子のエネルギースペクトルに
ついて上述のX線分析の場合と同様に処理を行えばよ
い。
【0034】図4は、分析手法として二次イオン質量分
析を用いる場合の本発明による分析装置の構成を示す図
である。この分析装置は、図1に示す分析装置におい
て、電子銃の代わりにイオン銃32を設けるとともに、
二次イオン検出器44を設けた構成のものである。飛行
時間(Time of Flight)型の測定を行ってマススペクト
ルを測定し、得られたマススペクトルに対してX線分析
の場合と同様に処理を実行する。この手法により、特に
有機物に関する物体の組成分析を行えるようになる。
【0035】図5は、分析手法としてレーザ・マイクロ
プローブ質量分析を用いる場合の本発明による分析装置
の構成を示す図である。この分析装置は、図1に示す分
析装置において、電子銃の代わりにパルス型のレーザ光
源33を設けるとともに、二次イオン検出器44を設け
た構成のものである。レーザ光源33から発生するレー
ザパルスに同期した飛行時間(Time of Flight)型の測
定を行ってマススペクトルを測定し、得られたマススペ
クトルに対してX線分析の場合と同様に処理を実行す
る。レーザ・マイクロプローブ質量分析を採用すること
により、物体の元素を含む分子あるいは構造に関する情
報を得ることができる。
【0036】上述したいずれの分析方法も、元素の種類
に起因する検出器出力の微妙な差異からオペレータが分
析結果を判別しなければならないものであることから、
本発明の自動分析を利用させることができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、本
来、専門の知識を持ったオペレータが操作して得られる
元素分析結果を、全くの素人でもわかりやすい結果が自
動で得られる分析方法および装置を提供することができ
る。また、試料の搬送などを自動制御することによっ
て、生産ライン内の製品の抜き取り検査や全数検査など
を実現させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の分析装置の構成を示
す図である。
【図2】異物検出のための光源と検出器とを内蔵した本
発明の第2の実施形態の分析装置の構成を示す図であ
る。
【図3】試料が半導体ウエハであるときのマップ表示の
一例を示す図である。
【図4】二次イオン質量分析を用いる本発明の分析装置
の構成を示す図である。
【図5】レーザ・マイクロプローブ質量分析を用いる本
発明の分析装置の構成を示す図である。
【図6】従来のX線分析装置の概略構成を示す図であ
る。
【図7】従来のX線分析装置の分析結果の出力例を示す
図である。
【符号の説明】
11 試料 21 移動ステージ 31 電子銃 32 イオン銃 33,61 レーザ光源 41 反射電子検出器 42 二次電子検出器 43 X線検出器 44 二次イオン検出器 51 半導体検出器部 52 マルチチャンネル波高分析器(MCA) 53 制御処理部 54 外部記憶装置 55 表示装置 56 入力装置 62 光検出器

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を載置して位置決めする試料ステー
    ジと、前記試料上の位置決めされた位置に第1のエネル
    ギー線を照射するエネルギー線照射手段と、前記試料に
    おいて前記第1のエネルギー線が照射された位置から発
    生する第2のエネルギー線を検出するエネルギー線検出
    手段と、前記試料ステージ、前記エネルギー線照射手段
    及び前記エネルギー線検出手段が収容取り付けられた共
    通真空容器とを有し、前記第2のエネルギー線のエネル
    ギーを解析することにより前記試料上の物質を分析する
    分析装置において、 前記試料上に存在が予想される物質に関するデータが予
    め登録される外部記憶手段と、 前記外部記憶手段に登録されている物質の範囲内で、前
    記エネルギー線検出手段から出力される検出データの解
    析を行って分析結果を得る処理手段と、を有することを
    特徴とする分析装置。
  2. 【請求項2】 前記第2のエネルギー線についてのエネ
    ルギースペクトルを前記外部記憶手段に格納するととも
    に、前記外部記憶手段に登録されている物質についての
    測定結果を出力し、外部からの要求によって前記エネル
    ギースペクトルを確認できるようにした請求項1に記載
    の分析装置。
  3. 【請求項3】 前記検出データの解析による結果、前記
    外部記憶手段に登録されている物質の中には分析結果と
    して該当するものがなかった場合に、登録外の物質が検
    出された旨の出力を行う、請求項1に記載の分析装置。
  4. 【請求項4】 前記外部記憶手段への登録対象でありか
    つ分析対象である前記物質が元素である請求項1乃至3
    いずれか1項に記載の分析装置。
  5. 【請求項5】 前記エネルギー線発生手段が電子銃であ
    り、前記エネルギー線検出手段がX線検出器であり、前
    記X線検出器が前記第2のエネルギー線として特性X線
    を検出し前記処理手段が前記特性X線のエネルギースペ
    クトルを解析することによって元素の組成分析を行う請
    求項4に記載の分析装置。
  6. 【請求項6】 前記エネルギー線検出手段としてオージ
    ェ電子を検出するための電子検出器を備え、検出したオ
    ージェ電子のエネルギーに応じて元素の組成分析を行う
    請求項4に記載の分析装置。
  7. 【請求項7】 前記エネルギー線発生手段としてイオン
    銃を備え、前記エネルギー線検出手段として二次イオン
    検出器を備え、二次イオンの飛行時間を分析することで
    成分分析を行う請求項1乃至3いずれか1項に記載の分
    析装置。
  8. 【請求項8】 前記エネルギー線発生手段としてレーザ
    光源を備え、前記エネルギー線検出手段としイオン検出
    器を備え、レーザ光の照射によって生じたイオンの飛行
    時間を分析することで成分分析を行う請求項1乃至3い
    ずれか1項に記載の分析装置。
  9. 【請求項9】 前記試料上の分析したい場所の位置情報
    を予め前記外部記憶手段に入力することにより、前記処
    理手段が当該位置情報に基づいて分析を実行する請求項
    1乃至3いずれか1項に記載の分析装置。
  10. 【請求項10】 予め前記試料上での異物の検出位置デ
    ータを入力することにより、前記当該異物の分析を前記
    処理手段が自動的に実行する請求項9に記載の分析装
    置。
  11. 【請求項11】 前記試料上にレーザ光を照射するレー
    ザ光源と、前記試料により反射あるいは散乱された前記
    レーザ光を検出する光検出器とをさらに備え、前記光検
    出器での検出結果に応じて前記試料上に付着した異物を
    検出し、検出された異物の分析を前記処理手段が実行す
    る請求項1乃至3いずれか1項に記載の分析装置。
  12. 【請求項12】 予め登録した物質の中で特に注目した
    い重要な物質の情報が予め前記外部記憶手段に登録され
    ている場合、該当する重要な物質が検出されたときには
    警報を発する請求項1乃至3いずれか1項に記載の分析
    装置。
  13. 【請求項13】 分析結果の出力を行う出力手段をさら
    に備え、試料上の分析箇所に関する情報に前記分析結果
    をマッピングした表現で前記分析結果の出力を行う請求
    項1乃至3いずれか1項に記載の分析装置。
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