JP2010103320A - 半導体検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホール底部の界面状態を高い感度で測定可能にし、しかも照射位置ズレの影響を受けることがなく、ビーム照射のS/N比を向上させることのできる半導体検査装置を提供する。
【解決手段】電子ビームを用いた吸収電流測定方法を用いて、ウェハ23のコンタクトホールの界面状況を評価する半導体検査装置において、電子ビームEBをウェハ23のコンタクトホールに照射してウェハ23の吸収電流を測定する際、電子ビームEBをデフォーカスしてコンタクトホールより若干大きめのサイズにし、この電子ビームEBでウェハ23のコンタクトホールをスキャンして吸収電流を測定する。
【選択図】図14
【解決手段】電子ビームを用いた吸収電流測定方法を用いて、ウェハ23のコンタクトホールの界面状況を評価する半導体検査装置において、電子ビームEBをウェハ23のコンタクトホールに照射してウェハ23の吸収電流を測定する際、電子ビームEBをデフォーカスしてコンタクトホールより若干大きめのサイズにし、この電子ビームEBでウェハ23のコンタクトホールをスキャンして吸収電流を測定する。
【選択図】図14
Description
この発明は、特に半導体デバイスの製造工程を評価するために好適な半導体検査装置に関するものである。
光学式や電子ビーム(EB)を用いたLSI配線の不良解析や欠陥検出が既に行われている(特許文献1参照)。
光学式としては、例えば、赤外レーザを試料に照射し電子-正孔対を発生させ、これらの発生キャリアによって流れる電流を測定するOBIC法(Optical Beam Induced Current)(非特許文献1)がよく知られている。同様な手法でEBを試料面上に照射し流れる電流を測定するEBIC法(Electron Beam Induced Current)(非特許文献2,3参照)や、EB照射電流の一部が吸収される現象を測定するEBAC法(Electron Beam Absorbed Current)(非特許文献4参照)が開発、実用化されている。
国際公開2008−53524A1
K. Haraguchi;Microscopic Optical Beam Induced Current Measurement and their Applications, Proc. IEEE (IMEC’94), May10-12, Vol.2, 1994, pp693-699.
近藤 正、他; EBIC/OBICを用いたGaAsMMIC故障箇所特定解析事例, LSIテスティングシンポジウム, 2002, pp363268.
植木 悠介, 他; 電子ビーム吸収電流法による故障解析, LSIテスティングシンポジウム, 2007, pp303-307.
野久尾 毅, 他; 電子ビーム吸収電流による半導体デバイス故障箇所検出方法に対する考察, LSIテスティングシンポジウム, 2007, pp293-296.
矢野 資、他; 電位コントラスト欠陥検出とそのシミュレーション技術、LSIテスティングシンポジウム, 2006, pp59-64.
Hong Xiao, et al; A high Throughput Gray Level Measurement Method for Process Window Characterization/Production Monitor, LSIテスティングシンポジウム, 2006, pp65-70.
Topcon HP
山田恵三, EB-Scopeシステムを用いたプロセス管理事例, 電子材料, 2006年6月, pp45-51.
M.Honda, et al; Electron-beam Substrate Current Monitoring Technique for Contact Process Optimization & Yield Enhancement, 2007 Advanced Metallization Conference, October 9-11, 2007, pp185-186.
今後のLSIの微細化に伴い、上述した電子ビームを用いる検査・評価手法は、将来性のある有力な方法と考えられる。その理由としてEBの収束性、透過性、吸収性のメリットと制御性が挙げられる。しかしながら上記測定手法は、不良箇所の場所の特定や原因プロセスを特定するのには有力であるものの、各配線工程(製造ライン)直後での異常を検出するには最適な方法ではないと思われる。同時に、上記方法では不良解析や欠陥検出を行うために、ウェハ上に何らかの電極を形成する必要もある。
一方、各工程直後の検査にはEBI(Electron beam Inspection)(非特許文献5,6参照)を用いるのが一般的であるが、パターン寸法や形状の測定にとどまっている。例えば、今後最も重要と考えられる高アスペクトコンタクトホールの底部界面の不良解析には、新しい計測方法の提案が必要である。
本願発明者らは、ウェハ基板の裏面から直接EB吸収電流を測定し、薄膜やコンタクトホール径の計測・界面評価が可能であるEB-Scopeを開発し(非特許文献7参照)、その測定結果の評価を行ってきた。既にホール径では40nmの測定が可能なこと(非特許文献8参照)、SiO2の薄膜計測ではnmオーダの計測ができ、コンタクト抵抗50〜250Ω程度の差を計測できることを報告した(非特許文献9参照)。
本報告では、EB-Scopeを用いてコンタクトホール界面の評価を行った結果について報告する。EB-Scopeで測定した基板電流値(EB吸収電流値;今後EBS値と呼ぶ)は、明らかにコンタクトホール界面の情報を示していると考えられるデータが取れた。同時に、測定したEBS値をホール径で正規化する手法でデータを整理したところ(正規化EBS値)、正規化EBS値にプロセス異常と考えられるパターンが存在することが判明した。
また、既存のLSM(Line Scan Mode)では、フォーカスした電子ビームにてコンタクトホールをスキャンし、コンタクトホールの径を測定し、またホールの開口・未開口を測定するが、薄膜に対する感度が低いという問題がある。
一方、BLM(Blanket Mode)では、デフォーカスした電子ビームをコンタクトホールに照射し、ホール底部の界面状態を計測するが、単にコンタクトホール開口の径よりも径の大きなビーム光束を照射しているため、照射位置によりビーム光束が偏り、このためその照射位置による測定結果のばらつきが大きく、ホール外の絶縁領域へのビーム照射によるS/N比が低減してしまうという問題がある。更に周辺の影響をキャンセルする為に、測定点の近傍でコンタクトホールがない場所で、同じビーム径を用いて基準データを取らなければならない作業が発生する。これによって、実際の測定時間は一気に2倍になってしまうと言う問題があった。
この発明は、ホール底部の界面状態を高い感度で測定可能にし、しかも照射位置ズレの影響を受けることがなく、ビーム照射のS/N比を向上させることができ、且つ、基準となる近傍でのデータ取りを無くし、測定時間を従来の半分にすることができる半導体検査装置を提供することにある。
請求項1の発明は、電子ビームを用いた吸収電流測定方法を用いて、ウェハのコンタクトホールの界面状況を評価する半導体検査装置において、
電子ビームを前記ウェハのコンタクトホールに照射してウェハの吸収電流を測定する際、前記電子ビームをデフォーカスしてコンタクトホールより若干大きめのサイズにし、この電子ビームで前記ウェハのコンタクトホールをスキャンして吸収電流を測定することを特徴とする。
電子ビームを前記ウェハのコンタクトホールに照射してウェハの吸収電流を測定する際、前記電子ビームをデフォーカスしてコンタクトホールより若干大きめのサイズにし、この電子ビームで前記ウェハのコンタクトホールをスキャンして吸収電流を測定することを特徴とする。
この発明によれば、電子ビームをデフォーカスしてコンタクトホールより若干大きめのサイズにし、この電子ビームでコンタクトホールをスキャンして吸収電流を測定するものであるから、ホール底部の界面状態を高い感度で測定することができ、しかも照射位置ズレの影響を受けることがなく、ビーム照射のS/N比を向上させることができる。また、測定時間を従来の半分に出来る。
(発明の概要)
本発明者らは、ウェハ基板の裏面から直接、吸収電流(基板電流;EBS)を高感度で測定し、ウェハ表面の薄膜やコンタクトホール径の計測、コンタクト底部の界面評価を行うことができるEB-Scope(型名EBS3000)の開発を進めている。
本発明者らは、ウェハ基板の裏面から直接、吸収電流(基板電流;EBS)を高感度で測定し、ウェハ表面の薄膜やコンタクトホール径の計測、コンタクト底部の界面評価を行うことができるEB-Scope(型名EBS3000)の開発を進めている。
既述したように、ホール径では45nm以下の測定が可能なこと、SiO2の薄膜計測ではnmオーダの計測ができ、コンタクト抵抗50〜250Ω程度の差を計測できることが知られている。
EB-Scopeはコンタクトホール底部の界面状態の情報を得ることができるため、プロセス制御への活用が期待できる。各種ウェハを測定した結果、吸収電流(基板電流)は、明らかにコンタクトホール界面の情報を示していると考えられる。正規化EBS手法を用いることによって、製造ラインでのプロセスモニター・制御の可能性も見出された。
以下、図面を参照しつつ本発明の原理を説明する。
(1)EB-Scopeの測定原理
図1はこの発明に係わるEB-Scopeの測定原理を示している。このEB-ScopeはSEMと同じ構成であるが、ウェハ裏面から吸収電流(EBS値)を高感度・精度で計測することができる。
(1)EB-Scopeの測定原理
図1はこの発明に係わるEB-Scopeの測定原理を示している。このEB-ScopeはSEMと同じ構成であるが、ウェハ裏面から吸収電流(EBS値)を高感度・精度で計測することができる。
この図1において、WEHはウェハ、CONHはコンタクトホール、CONHDはコンタクトホール底を示している。電子ビームEBをスキャンすることによってコンタクトホールCONHの直径を計測する測定モード、コンタクトホールCONHの直径よりも若干大きなビーム径をコンタクトホールCONHの部分に照射してEBS値を測定するモードがある。
電子銃E−Beam Gunから電子ビームEBがウェハWEHに照射されると、二次電子SEが電子検出器PMTによって検出され、電子検出器PMTの出力はプリアンプPre-AMPによって増幅されて表示装置に入力され、表示装置の画面Grに電子顕微鏡画像(SEM像)が表示される。また、吸収電流(基板電流)IACが検出され、この基板電流IACは基板電流増幅システムSCASに入力され、この基板電流IACも表示装置に入力され、表示装置の画面Grに基板電流に基づく画像が所定の処理によって表示される。
なお、表1にはEBS3000の基本仕様が示されている。
なお、表1にはEBS3000の基本仕様が示されている。
図2(a)に示すように、電子ビームEBによってスキャンすると、基板電流IACが得られる。この基板電流IACのプロファイルを微分すると、微分波形BWが得られ、この微分波形BWからコンタクトホールCONHの直径φ、エッジの形状決定ができる。コンタクトホールCONHがシングルホールの場合には、基板電流IACのプロファイルは単一であるが、コンタクトホールCONHがマルチホールの場合には、基板電流IACのプロファイルは交流形状となる。
図2(b)に示すように、電子ビームEBのビーム径を大きくして静止状態でウェハWEHのコンタクトホールCONHに照射すると、基板電流IACが得られる。この基板電流IACは、若干変動しているが、直流成分電流である。コンタクトホールCONHがシングルホールの場合、電子ビームEBの直径は、コンタクトホールCONHの直径φよりも若干大きいのが望ましい。コンタクトホールCONHがマルチホールの場合、電子ビームEBの直径は、数個のコンタクトホールCONHを含む直径とするのが望ましい。
これらの測定モードを駆使しながら、薄膜や図3に示すコンタクトホールCONHの状態等を測定する。
その図3において、(a)はCONH絶縁層残渣、(b)はCONHポリマー残渣、(c)はCONHエッチストッパー加工状態、(d)はCONHストッパ貫通状態、(e)は小さくて奇妙な形状のCONH、(f)は薄膜層厚状態をそれぞれ示している。
一般的に、ウェハ基板WEHに吸収される電流IACは、図4に示すように、
IAC=Ip−IS−IBS ・・・・(1)
の式を用いて表わすことができる。
IAC=Ip−IS−IBS ・・・・(1)
の式を用いて表わすことができる。
ここで、IpはウェハWEHに入射する初期電流、 ISはウェハ基板WEH外に放出される2次電子による電流、IBSは反射電子による電流である。EB-Scopeは加速電圧を数kV程度としているので、IBSは無視できると考えている。また、IS を“ウェハ基板WEH外に放出される2次電子”と定義したのは、ウェハ基板表面WEHSの帯電によって2次電子の引き戻しよる影響を考える必要があることを意味している。
既に、薄膜測定(SiO2膜)に関しては、シミュレーション結果との比較が行われており(図11参照)、EB照射による電子―正孔対の発生とそれらの発生キャリアによるSi基板に流れる電子を考え、定性的に膜厚数10nm程度までは、測定結果を良く説明できている。
また、EB進入深さより十分に厚い絶縁膜に関する帯電シミュレーションにおいても、ウェハ基板(WEH)に流れ込む電流を計算した結果が示されている(図12参照)。絶縁膜INSが存在してもウェハ基板WEHへの電子の流れが生じることから、EB-Scopeは様々な現象を測定できる可能性があると期待できる。
(2)LSM、BLM、D−LSMの測定例
(2−1)LSMの測定例
図5にはLSMによるコンタクトホールCONHの直径の測定例が示されている。図5に示すように、EBスキャンを行うと、基板電流IACが得られ、この基板電流IACによるLSMプロファイルに特殊データ処理を行い、コンタクトホールCONHの直径φが算出される。
(2)LSM、BLM、D−LSMの測定例
(2−1)LSMの測定例
図5にはLSMによるコンタクトホールCONHの直径の測定例が示されている。図5に示すように、EBスキャンを行うと、基板電流IACが得られ、この基板電流IACによるLSMプロファイルに特殊データ処理を行い、コンタクトホールCONHの直径φが算出される。
算出されたコンタクトホールCONHの直径φの測定再現性の一例が図6に示されている。その図6には、10回の繰り返しを行った結果が示されている。また、この図6には、5個の折れ線グラフが示されているが、この5個の折れ線グラフは、図5の5本の走査線の各1本により得られたコンタクトホールCONHの直径φに対応しており、最大値を結んだ折れ線グラフは図5の中央の走査線により得られたコンタクトホールCONHの直径φに対応している。
次に、測定リニアリティの一例を図7に示す。測定再現性は45-130nmの範囲のコンタクトホール径φの場合、約1nm程度が得られた。コンタクトホール径の測定結果では、CD-SEM測定との相関で、R2=0.9944が得られ、直線性の良い結果が得られた。EBS3000を用いて、コンタクトホール径φの偏差や、ウェハ面内分布を調査することによって、プロセスの異常を監視することができる。
(2−2)BLMの測定例
BLMではスキャンしない状態でコンタクトホール径より若干大きなビーム径を照射してEBS値を測定する。このため、コンタクトホール外側の情報も測定することになる。周辺の不要な情報をキャンセルするため、後述するように、参照ホールが無い周辺部分を同様に測定し、差し引きすることによって周辺の情報をキャンセルする方式(Base line offsetと呼ぶ)を採用している。
(2−2)BLMの測定例
BLMではスキャンしない状態でコンタクトホール径より若干大きなビーム径を照射してEBS値を測定する。このため、コンタクトホール外側の情報も測定することになる。周辺の不要な情報をキャンセルするため、後述するように、参照ホールが無い周辺部分を同様に測定し、差し引きすることによって周辺の情報をキャンセルする方式(Base line offsetと呼ぶ)を採用している。
BLMの測定例を図8(a)(b)に示す。図8(a)にはエッチング後のコンタクトホール底の界面状態が示されている。EBS値が高い部分は洗浄残りがあるものと考えられる。また、図8(b)に示すようにVia底のエッチストパーのUnder/Overエッチング等の評価も可能であることがわかっている。このように、コンタクトホール界面の状態を容易に観察することができる。しかしながら、上述したような欠点がある(測定の不安定性、測定時間など)。
(2−3)D−LSM(デフォーカス−ラインスキャンモード)の測定例
図21はD−LSMの測定例を示したものであり、このD−LSMでは電子ビームをデフォーカスし、このデフォーカスした電子ビームEB1の大きさをコンタクトホールCONHより若干大きなサイズにして、この電子ビームEB1をコンタクトホールCONH上でラインスキャンし、このときの吸収電流を測定するものである。この測定によれば、電子ビームEB1の中心がコンタクトホールCONHの中央に来た時に最も吸収電流が流れることになり、ホールの周辺や内部構造の影響を受けずに、しかもホール底部の界面状態を高い感度で測定することができる。
(2−3)D−LSM(デフォーカス−ラインスキャンモード)の測定例
図21はD−LSMの測定例を示したものであり、このD−LSMでは電子ビームをデフォーカスし、このデフォーカスした電子ビームEB1の大きさをコンタクトホールCONHより若干大きなサイズにして、この電子ビームEB1をコンタクトホールCONH上でラインスキャンし、このときの吸収電流を測定するものである。この測定によれば、電子ビームEB1の中心がコンタクトホールCONHの中央に来た時に最も吸収電流が流れることになり、ホールの周辺や内部構造の影響を受けずに、しかもホール底部の界面状態を高い感度で測定することができる。
すなわち、図22の(A)に示すように、コンタクトホールCONHの周辺や内部が例えば階段状、つまり大径ホール部H1と小径ホール部H2を有している場合、図22の(B)に示すようにBLMで測定すると、照射する電子ビームEB1の位置(コンタクトホールCONHに対する偏心位置)によって吸収電流値が異なってしまい、界面評価を正しく行うことができない。しかし、図22の(C)に示すように、デフォーカスした電子ビームEB1(図22の(A)では説明の便宜上EB1の径は大径ホール部H1より小さくしてある。)をスキャンして吸収電流を測定すると、電子ビームEB1の中心がコンタクトホール中央に来た時に吸収電流が最大となる。すなわち最大感度で吸収電流を検出することができ、この最大吸収電流を検出することによりコンタクトホールCONHの内部構造の影響を受けずに高い感度で界面評価をすることができることになる。
周辺のコンタクトホールがない部分のデータを取得した場合は、スキャンを若干広めにして、ホールの影響がない部分まで広げることで周辺のデータを取ることができる。即ち一度の操作で、ホール底データの取得、周辺データの取得が可能となり効率がよい。
また、図23に示すように、コンタクトホールHa,Hbの形状に電子ビームの形状を合わせてこの電子ビームをスキャンし、このスキャンによって得られる最大吸収電流から界面評価を行う。
すなわち、図23の(A)に示すように、左右が長径となる楕円状のコンタクトホールHaの形状に合わせて、デフォーカスした電子ビームBaの形状を左右が長径となる楕円にし、この電子ビームBaを図示のようにスキャンして最大吸収電流を検出する。また、図23の(B)に示すように、上下が長径となる楕円状のコンタクトホールHbの形状に合わせて、デフォーカスした電子ビームBbの形状を上下が長径となる楕円にし、この電子ビームBbを図示のようにスキャンして最大吸収電流を検出する。
このように、コンタクトホールHa,Hbの楕円形状とデフォーカスした電子ビームBa,Bbの楕円形状とを一致させるものであるから、電子ビームBa,Bbに対するS/N比を向上させることができる。
ちなみに、図23の(C)に示すように、コンタクトホールHaに対して従来のように円形の電子ビームBcを照射して測定を行うと、コンタクトホールHa外の周辺の絶縁領域の照射面積が大きくなり、電流量の損失が増加する。このため、電子ビームBcに対するS/N比が悪化(低下)することになる。
なお、D−LSMの測定は、図24の(A)に示すように、先ず最初にLSMの測定が行われ、この後に図24の(B)に示すBLMの測定を行わずにD−LSMの測定を行うことになる。
(3)測定方法
(2)において述べたLSM、BLM測定で、ある程度のコンタクトホール底部の状況を理解することができることが分かった。しかし、コンタクトホール底部の状況を感度良く測定できるBLMの測定結果は、ホールサイズの影響を受けている。このため、“より正確な情報”を得るには、ホール面積で正規化する必要がある。そこで、「正規化EBS」手法を採用して評価する。図9にその概要を示す。
(3)測定方法
(2)において述べたLSM、BLM測定で、ある程度のコンタクトホール底部の状況を理解することができることが分かった。しかし、コンタクトホール底部の状況を感度良く測定できるBLMの測定結果は、ホールサイズの影響を受けている。このため、“より正確な情報”を得るには、ホール面積で正規化する必要がある。そこで、「正規化EBS」手法を採用して評価する。図9にその概要を示す。
まず、図9に示すように、LSMによってコンタクトホールCONHの直径φを正確に測定する。次に、BLMによって、ホール底のEBS値を測定する。ホール径の影響をなくするために、各測定点でのEBS値をホール面積で割って単位面積当たりのEBS値を求める。この際、基準となる代表面積を決め、これとの比をとることによって正規化している。式(2)に計算式を示す。
(4)正規化EBSのパターン
一般に、各プロセスが均一であれば、図11のスタンダード(Standard)パターンに示したようにホールサイズによらないほぼ一定の正規化EBS値が得られる。事実、歩留りが良いウェハWEHではこのようなデータが得られている。
しかし、各種のウェハWEHを評価した結果、正規化EBSパターンには図11に示したパターン1、2、3(Pattern1,2,3)と、これらの複合パターン1−2、2−3(Pattern1-2,2-3)が存在することが分ってきた。
現在、パターン4(Pattern4)とパターン3−4(Pattern3-4)とはいまだ確認されていない。
適正にプロセスが行われた場合の正規化EBS値の値はほぼ一定値を示しているが、各社プロセス条件、デバイス構造、使用材料によってその数値は若干異なる。生産ラインの理由により、この一定値より上下する場合、何らかの異常がコンタクトホールCONHに生じていると考えられる。
例えば、コンタクトホールCONHが貫通していない場合(Under etching)やSiO2膜等の残膜が生じている場合、正規化EBS値は小さくなる傾向にある。アンダーエッチングの場合は導通が取れない状態に近く、残膜が生じている場合はSiO2膜の存在により2次電子発生が多くなり、結果的にEBS値が小さくなるためである。
一方、ホール底にレジスト等の有機物(高分子材料)が存在する場合は、2次電子の発生効率がSiに比べて小さくなるため、正規化EBS値は大きくなる傾向にある。ホール底が大きくても、ホール底にTiN膜が存在する場合は正規化EBS値が低くなる傾向にある。更に、エッチングが進んでストッパまでも貫通してシリサイドまで達する場合、シリサイドの2次電子発生が大きいことから、更に正規化EBS値が低くなることが予想される。
従って、コンタクトホール径が小さくなるに伴って、正規化EBS値が大きくなる場合は有機物の存在が疑わしく、逆に、小さくなる場合は加工不良が疑わしく、更に、ホール径が大きくなるに伴って正規化EBS値が小さくなる場合は、残膜の影響やオーバーエッチング状態であると推定できる。
しかし、これらは各プロセス条件、デバイス構造、使用材料によって異なるために一律の原因を導くことはできない。それぞれの場合での検証が必要である。ある程度の因果関係を理解しながら、正規化EBSを活用する手法は、プロセス管理に極めて有益であると考えられ。
(5)正規化EBS値の測定例・運用例
図12(a)には正規化EBS値のウェハ面内のマップが示されている。この図12は図11のパターン2−3に相当するウェハWEHに対応している。図12(b)にはコンタクトホールCONHのサイズと正規化EBS値との関係が示され、ある仮定のもとで良品確率の高い正規化EBS値の範囲を定め、それ以上、それ以下の正規化EBS値を色分けすると、この図12(b)に示す分布図が得られる。明らかに正規化EBS値はプロセス異常を示していると考えられる。
(5)正規化EBS値の測定例・運用例
図12(a)には正規化EBS値のウェハ面内のマップが示されている。この図12は図11のパターン2−3に相当するウェハWEHに対応している。図12(b)にはコンタクトホールCONHのサイズと正規化EBS値との関係が示され、ある仮定のもとで良品確率の高い正規化EBS値の範囲を定め、それ以上、それ以下の正規化EBS値を色分けすると、この図12(b)に示す分布図が得られる。明らかに正規化EBS値はプロセス異常を示していると考えられる。
少なくとも図12に示す場合、プロセス異常に二つの要因があると考えられる。ウェハWEHのエッジに分布している比較的ホールの大きい部分での残膜問題と、ホール径が小さくてウェハ全面に点在している有機物の残渣が想定される部分である。ちなみに、それぞれの領域のTEM観察でも差異が認められている。
図13を参照しつつ正規化EBSを用いたプロセス管理手法の一例を説明する。図13はレシピの変更によって正規化EBS値の変化を調べた結果を示している。先ず、最適と思われる正規化EBS管理値の範囲を設ける。例えば、ゴールデンチップの正規化EBSを測定して設定し、レシピ1,2,3で管理値を超える場合の変化を見た。同時に、管理範囲外となった個数から推定される歩留まりを試算した。
レシピ1では正規化EBS値の高い部分が多く、レシピ2では若干正規化EBS値の低い部分が現れ、レシピ3では多くの低いEBS値が出現し、明らかにプロセス変更に伴うホール底の異常が推定できた。また、正規化EBS値から推定される歩留まりを求めた結果、実際と定性的な傾向は一致した。
また、図13に示すように、PORウェハでも、若干、正規化EBS値の高い部分が発生していることがわかる。PORレシピの課題解明や最適レシピの探索、改良結果の確認が、正規化EBS手法を用いることによって素早く確認できると考えられる。
以上から正規化EBS手法を用いたプロセス管理が可能であることがわかる。製造ラインでのサンプル検査によって、各プロセス装置の変動を監視することが可能である。更に、レシピ変更等の影響も管理可能である。各プロセス装置のツールマッチング管理にも有効であると考えている。
ウェハ基板WEHの裏面から直接EB吸収電流を測定し、薄膜やコンタクトホール径の計測・界面評価が出来るEB-Scopeを開発し、最も有効と考えているアプリケーションであるコンタクトホール界面の評価を行った。基板電流値(EB吸収電流値)IACは、明らかにコンタクトホールCONHの界面の情報を示していると考えられるデータが得られた。
同時に、測定したEBS値をコンタクトホール径で正規化する手法によって各種データを整理したところ、正規化EBS値にプロセス異常と考えられるパターンが存在することがわかった。同時に正規化EBS値を用いたプロセス管理の可能性を示すことができた。
また、正規化EBS値のウェハ面内のマップを示す図12から、ウェハ上に、コンタクトホールの種類、大きさなどを点で表示し、その点と対応すると正規化EBS値の分布グラフを同じ色や、×、○、△などの図形記号で分類することもできる。これによって、正規化EBS値がウェハ上のどの位置に対応するのか一目でわかる。例えばポリマー残渣のあると思われるEBS値の高い領域((b)で示した上の部分)の分布に対応させて、図12の(a)のウェハマップMA上に赤点など点(図示せず)で示すようにする。この際、この点の大きさもコンタクトホールの大きさに応じて大きくしマップ上に示すと分りやすいものとなる。
正規化EBS値グラフ(b)の赤色線枠S1を囲むようにオペレータが指示すると、その範囲の正規化EBS値がウェハマップ(a)に表示されるようにする。正規化EBS値グラフ(b)の中間領域に対応させて、ウェハマップMA上に青色の点(図示せず)で示すようにする。同様にオペレータが領域を指示すると、その範囲の正規化EBS値がウェハマップ(a)に表示されるようにする。同じようにグラフ(b)の正規化EBS値の低い部分も、範囲を指定する事でその範囲をウェハマップ(a)上に表示する。このような操作は、オペレータが領域を指定したり、予め、決められた数値範囲を指定することで、ウェハマップ(a)が出来上がるようにする。上述した範囲指定は、もし、正規化EBS値のみの指定ならば、ウェハマップ(a)図の左側にある縦棒のEBS高低分布のところで範囲指定を行っても良い。
しかしながら、グラフ(b)を用いることで、正規化EBS値の範囲とコンタクトホール径の範囲を設定してウェハマップ(a)を作成することができる。このような色分けしたウェハマップを容易に作成することによって、プロセスの課題を容易に可視化できる。
上記グラフ(b)の範囲指定は任意にでき、かつ、測定点11個11個の指定もできるようにすると様々な場合に運用でき、都合が良い。
(6)本発明が適用される半導体検査装置
以下、本発明のデータ処理方法が適用される半導体検査装置について説明する。なお、この半導体検査装置の詳細な構成は、特許文献1(行番号0024〜0062)に記載されている。
(6)本発明が適用される半導体検査装置
以下、本発明のデータ処理方法が適用される半導体検査装置について説明する。なお、この半導体検査装置の詳細な構成は、特許文献1(行番号0024〜0062)に記載されている。
図14に、本発明の一実施形態による半導体検査装置の構成を示す。この半導体検査装置は、測定対象物(試料)である半導体基板(以下、ウェハと言う)に電子ビームを照射し、この電子ビームによってそのウェハに誘起された基板電流を測定し、この基板電流からそのウェハに形成された微細構造の評価値を得ることを基本原理としている。パターンマッチングのためには放出される二次電子あるいは反射電子も利用する。
図14に示すように、測定対象ウェハ23がどのような素性ウェハか判別可能な固有IDを読めるように、ウェハ識別装置20を有している。測定対象ウェハ23上には、種々の半導体デバイスが形成されているが、それらは、ウェハ23上に予め設けられたグローバルアライメント座標系に従って、ショット座標、チップ座標が一義的に決定されている。これら座標系を用いて位置指定することにより、半導体ウェハ23上に形成された全ての半導体素子を一義的に決定することができる。
逆に、検出された不具合の位置もこの座標系を用いることによって一義的に決定される。これらの座標系を用いる事で、他の装置の出力する検査結果や電気テストの結果又は設計情報であるCAD情報と照合することもできる。
測定対象物(試料)であるウェハ23を収容するチャンバー26には、電子ビームEBを発生する電子銃(照射手段)10が取り付けられ、この電子銃10は電子ビーム源11を備え、この電子ビーム源11には高圧電源40が接続されている。電子銃10の内部には、電子ビーム源11からの電子流の放出方向に沿って、コンデンサレンズ12、アパチャー13、偏向レンズ14、対物レンズ15がこの順に配置されている。このうち、偏向レンズ14には偏向装置100が接続され、電子ビームEBを高精度で偏向可能となっている。また、対物レンズ15の下方に対物レンズ15とウェハ23との間の距離を測定するウェハ対物レンズ間距離測定装置16が設けられている。また、この電子銃10の電子ビームEBのエネルギー、電流量、フォーカス状態も任意に制御可能となっている。ウェハ23に電子ビームが照射されることによって生じる基板電流は、基板電流測定装置30によって測定され、二次電子、反射電子はそれぞれ二次電子反射電子検出装置24によって検出される。
チャンバー20の内部には、ウェハ23を移動及び一定位置に支持するためのXYステージ21とトレイ22とが収容され、トレイ22にウェハ23が載置されている。電子銃10から放出される電子ビームEBは、トレイ22に載置されたウェハ23の表面に向けられており、XYステージ21によりトレイ22を移動させることにより、ウェハ23に対する電子ビームEBの照射位置を調整することが可能となっている。
ここで、電子銃10から照射された電子ビームEBをnmオーダーオーダの位置精度でウェハ23に照射するために、XYステージ21により、固定された電子ビームEBの照射軸に対して相対的にウェハ23を移動するようになっている。XYステージ21の駆動装置としてはパルスモーターや超音波モーター、リニアモーター又は圧電素子等が利用される。レーザーレーザ測長器やレーザースケール等の高精度測定技術を併用することにより、XYステージ21上に載置されたウェハ23の位置精度は数nm程度に制御される。
また、ウェハ23を載置するトレイ22には、電流測定装置30が接続されており、ウェハ23に誘起された基板電流がトレイ22を介して電流測定装置30により測定されるようになっている。電流測定装置30は、トレイ22に内蔵され、又は近傍に配置されており、外部からの電磁波ノイズをカットできるようになっている。
電流測定装置30としては、抵抗、電圧変換型の装置や交流アンプ、チャージアンプなど種々の形式を用いることができる。この電流測定装置30は、測定した基板電流値をデジタル信号にA/D(Analog/Digital)変換するA/D変換器を備えており、測定値をデジタルデータとして出力する。
また、この半導体検査装置は、2次元走査制御装置(パターンマッチングエンジンを含む)110、二次電子反射電子信号処理装置190、電流波形記憶装置120、波形整形装置130、波形画像認識処理装置140、表示装置150、データベース装置160を備え、これらは、コンピュータ等の情報処理装置上に構築されている。
このうち、2次元走査制御装置110は、電子ビームEBがウェハ23の表面を2次元的に走査するように偏向装置100を制御すると共に、電子ビームEBの照射位置を高精度に合わせるためのパターンマッチングに関する制御を担うものである。なお、本実施形態では、2次元的に走査するとは、ライン状の走査を一定の間隔で複数回にわたって繰り返すことを意味している。例えば、テレビ画面における水平走査および垂直走査と同様の概念である。このように走査された電子ビームからは二次電子又は反射電子像又は基板電流像が形成され、パターンマッチングに利用される。
ここで、パターンマッチングについて補足すると、ウェハ23上に形成されたホール等のパターンの位置は、同一ロットであってもウェハごとにわずかに異なる。このため、XY
ステージ21による位置合わせと併用して、ウェハごとに実際のパターンと基準パターンとを比較するパターンマッチングを実施し、ウェハごとに数nmの精度で電子ビームの照射位置を正確に調整する。
ステージ21による位置合わせと併用して、ウェハごとに実際のパターンと基準パターンとを比較するパターンマッチングを実施し、ウェハごとに数nmの精度で電子ビームの照射位置を正確に調整する。
このパターンマッチングを行うと、測定対象(ホール等)の中心座標が算出される。その座標が目標値と異なっている場合、その差分に相当する分だけ電子ビームをシフトすることによって、電子ビームを目標座標に照射するようにする。それを実現するために、電子ビーム照射位置を精度よくシフトさせる必要上、この半導体検査装置の偏向装置100は、電子ビームEBを正確に直線走査するために高分解能の特性を備えている。また、2次元走査制御装置110は、パターンマッチングを実施するための画像認識装置及びソフトウェア等を備えている。
電流波形記憶装置120は、電流測定装置30によって測定された基板電流値の波形を、そのときの電子ビームEBの照射座標又は時間と対応づけて記憶する。波形整形装置130は、上記基板電流値の波形を波形整形して不要なノィズ成分を除去する。波形画像認識処理装置140は、波形整形された基板電流波形を波形処理することにより、ウェハ23上に形成された微細構造の形状に関する評価値を演算する。表示装置150は、評価値を表示する。データベース装置160は、評価値を格納する。
図15に示すフローに沿って、この半導体検査装置の動作の概略を説明する。この例では、ウェハ23上に形成されたホールを測定対象とする。測定時には、最初に、ウェハ23を保持しているXYステージ21の制御系に対して測定対象のホールの位置座標を指定してXYステージ21を移動させ、ウェハ23に形成されたホールの中心出し(位置合わせ)を行う(ステップ1)。
具体的には、XYステージ21により、電子ビームEBの照射可能な範囲の位置にホール中心を大まかに合わせる。続いて、電子銃10の下端に設けられたウェハ対物レンズ間距離測定装置16を用いてウェハ23と対物レンズ15の距離を測定し(ステップ2)、電子ビームフォーカスの初期位置を決定する。次いで、電子ビームEBを、ホールを含む所定領域内で二次元走査しながら照射し、そのときに発生する二次電子を集めて二次電子像を形成する。この形成された二次電子像を用いてオートフォーヵス(ステップ3)を行い、試料上に焦点を結ぶように対物レンズの強さを自動調節する。
次に、フォーカスされた電子ビームを走査することによって得られる二次電子画像と予め2次元走査制御装置110内に記憶されているテンプレート画像とを比較してパターンマッチングを行い(ステップ4)、テンプレート画像の中心とホール中心とのずれ量を算出する。この算出されたずれ量を偏向装置100に入力し、電子ビームEBの照射位置をシフトさせ、これにより、電子ビームEBの照射位置を測定対象のホール中心に正確に合わせる。
続いて、2次元走査制御装置110の制御のもとで、ホール中心を基準として電子ビームEBによりウェハ23の表面上の所定領域を2次元的に走査する(ステップ5)。即ち、電子ビームEBを所望の先端サイズになるように電子銃10の対物レンズ15を制御すると共に、偏向装置100に制御電圧を加えることにより、ライン状に電子ビーム走査を一定のピッチで繰り返す。これにより、電子ビームEBが照射されたウェハ23の表面上の微小領域から二次電子、反射電子が生じると共に、ウェハ23に基板電流が誘起される。
ウェハ23に誘起された、二次電子、反射電子又は基板電流は、二次電子反射電子検出装置24及び電流測定装置30によって測定され、その測定値は必要な分解能を持つデジタル信号に即座に変換される。例えば、このデジタル信号の分解能は16ビットであり、そのサンプリング周波数は400MHzである。
この速度は必要によって変更することも可能である。電子ビームEBの2次元的な走査により得られた二次電子、反射電子はホール表面形状情報を含み、基板電流測定値はホール底面の2次元的形状に関する情報を含み、測定座標(電子ビームの照射位置)又は測定時間(電子ビームEBの照射時刻)の関数である時間軸に対する波形情報として取得され、電流波形記録装置120(例えば、メモリー、フラッシュメモリ、ハードディスク、光磁気ディスク等)にデジタル記録される。
以上のようにして取得された信号波形情報は、波形整形装置130において、波形に含まれる不要なノイズや高周波成分を除去するために波形整形される。波形処理の例としては、移動平均フィルター処理、特定の周波数を取り除く波形処理、又は特定の周波数の信号だけを取り出すフィルター処理、フーリエフィルター処理等がある。これらの波形整形処理はハードウェアで行っても、ソフトウェアで行っても良い。
続いて、波形整形された波形の中から、有用な波形のみを抽出し、ホールボトム面積測定を行う(ステップ6)。この場合、電子ビーム照射領域にはホールが含まれていない場所や、ホールのエッジに掛かっていて波形が汚い場合もあるので、そのような波形を含んだ状態でエッジ抽出処理を行うと、その処理によって得られるエッジ座標値の精度が低下する。このため、ホールエッジ抽出に有用な良好な電流波形は、閥値法などを用いてある一定の値よりも絶対値が大きな信号の場合だけ抽出する。電子ビームはライン状にスキャンされるだけではなく、測定点に一定時間電子ビームを照射して電流波形を取得することも行われる。これらの場合も同様の波形処理が行われ、必要な情報が抽出される。
測定に供せられるウェハ23は、ウェハ23上に設けられた識別番号、あるいは コンピュータによって識別可能なように情報が記録されている。より一般的には、半導体工場にはMES(Manufacturing Execution System)と呼ばれる装置運用管理システムが存在して、各ウェハがどの装置で、何時、どのような処理を受けたのか全て記録しており、それらの情報と相関を取ることにより、不具合分類及びその原因を推定することに役立てる。
図18に本半導体検査装置によって得られる情報群を列挙する。この半導体検査装置には、図14で説明したように、ウェハを識別するウェハ識別装置、情報を取得するための電子ビームプローブを発生させるプローブ発生装置(電子銃10および電子ビーム源11)、プローブを測定対象に照射することによって発生する信号を検出する二次電子反射電子検出装置24、電流測定装置30、プローブを測定対象に正確に照射するためのウェハ対物レンズ距離測定装置及びXYステージ21、得られた信号の二次元的性質を基準画像との相関を取ることによってパターンマッチングを行う2次元走査制御装置110等が設けられている。
<プローブ発生装置>
電子銃10及び電子ビーム源11には電子ビームエネルギー、照射電流、プローブサイズ、プローブ形状、照射時間等の電子ビーム状態を変化させるための複数のパラメータが存在し、それらを組み合わせることにより、測定対象に適したプローブを発生させることができる。プローブ状態が異なると、得られる情報が変化するので、この検査装置によって得られる測定値とプローブ条件とは常に対になって1つの情報を形成する。
<二次電子検出装置>
二次電子反射電子検出装置24内の二次電子検出装置からは、プローブ照射によって発生した二次電子強度を得ることができる。電子ビームを測定対象のホール上にて二次元走査し、その結果発生した二次電子をMCP又は電極に導いてその強度を信号として走査順(位置、時間順)に二次元に並べると二次電子画像が得られる。これを一般にSEM像と呼んでいる。各ピクセル単位でコントラスト情報を有し、その時間変化も情報として得られる。ピクセルは位置情報も有している。二次電子反射電子検出装置24内の反射電子検出装置からも反射電子画像、ピクセル単位のコントラスト情報、又はその時間変化信号が得られる。電流測定装置30からは、基板電流像、各ピクセル単位のコントラスト情報、及び基板電流値の時間変化情報が得られる。
<ウェハ対物レンズ間距離測定褒置>
ウェハ対物レンズ距離測定装置においては、Zセンサ(高さセンサ)及びフォーカス値が距離測定の機能を担当し、対物レンズ15と、被測定対象であるウェハ23間の距離情報が得られる。Zセンサからは数センチ平方メートル範囲の平均的な高さ情報が得られ、対物レンズのフォーカス値からは、ウェハ23上の数ミクロン以内の局所的な高さ情報が得られる。XYステージ21には、高精度位置座標測定能力があり、測定点座標がnmオーダの精度で常に測定されており、電子ビームシフト量と共に利用して測定対象を区別できる。
<プローブ発生装置>
電子銃10及び電子ビーム源11には電子ビームエネルギー、照射電流、プローブサイズ、プローブ形状、照射時間等の電子ビーム状態を変化させるための複数のパラメータが存在し、それらを組み合わせることにより、測定対象に適したプローブを発生させることができる。プローブ状態が異なると、得られる情報が変化するので、この検査装置によって得られる測定値とプローブ条件とは常に対になって1つの情報を形成する。
<二次電子検出装置>
二次電子反射電子検出装置24内の二次電子検出装置からは、プローブ照射によって発生した二次電子強度を得ることができる。電子ビームを測定対象のホール上にて二次元走査し、その結果発生した二次電子をMCP又は電極に導いてその強度を信号として走査順(位置、時間順)に二次元に並べると二次電子画像が得られる。これを一般にSEM像と呼んでいる。各ピクセル単位でコントラスト情報を有し、その時間変化も情報として得られる。ピクセルは位置情報も有している。二次電子反射電子検出装置24内の反射電子検出装置からも反射電子画像、ピクセル単位のコントラスト情報、又はその時間変化信号が得られる。電流測定装置30からは、基板電流像、各ピクセル単位のコントラスト情報、及び基板電流値の時間変化情報が得られる。
<ウェハ対物レンズ間距離測定褒置>
ウェハ対物レンズ距離測定装置においては、Zセンサ(高さセンサ)及びフォーカス値が距離測定の機能を担当し、対物レンズ15と、被測定対象であるウェハ23間の距離情報が得られる。Zセンサからは数センチ平方メートル範囲の平均的な高さ情報が得られ、対物レンズのフォーカス値からは、ウェハ23上の数ミクロン以内の局所的な高さ情報が得られる。XYステージ21には、高精度位置座標測定能力があり、測定点座標がnmオーダの精度で常に測定されており、電子ビームシフト量と共に利用して測定対象を区別できる。
この検査装置は、電子ビームを測定対象にフォーカスするために、対物レンズ15の強さを電気的に変化させる機能を有している。この測定対象物にジャストフォーカスさせるために必要な対物レンズの強さを表す値を電子ビームフォーカス値と呼ぶ。電子ビームフォーカス値又はZセンサからは、ウェハ23と対物レンズ15の距離を得ることができる。一般に、対物レンズ15とウェハートレイ22が装置筐体に固定されていてその距離が不変であることを考慮すると、この値の変動からウェハ23の表面高さの情報が得られる。
<パターンマッチングエンジン>
2次元走査制御装置110内のパターンマッチングエンジンは基準画像と測定対象図形を高速比較するものである。デジタル画像はピクセルと呼ばれる単位画素の集合体からなり、明るさとカラーの属性を持っている。この2つの属性の空間的な繋がりを利用して図形を認識する。パターンマッチングエンジンには大きく分けて2つの機能がある。1つは、2つの図形がどの程度、似ているかを算出する機能、もう1つは似ている図形を探し出してくるサーチ機能である。もちろん付属機能として、面積、長さ、角度、歪等あらゆる図形の特徴を表すパラメータを算出する機能がある。
<パターンマッチングエンジン>
2次元走査制御装置110内のパターンマッチングエンジンは基準画像と測定対象図形を高速比較するものである。デジタル画像はピクセルと呼ばれる単位画素の集合体からなり、明るさとカラーの属性を持っている。この2つの属性の空間的な繋がりを利用して図形を認識する。パターンマッチングエンジンには大きく分けて2つの機能がある。1つは、2つの図形がどの程度、似ているかを算出する機能、もう1つは似ている図形を探し出してくるサーチ機能である。もちろん付属機能として、面積、長さ、角度、歪等あらゆる図形の特徴を表すパラメータを算出する機能がある。
この検査装置では、測定箇所を精密位置出しするために、パターンマッチングのサーチ機能が利用されている。この場合、1つ又は複数個、予め内部に登録されているテンプレートと呼ばれる標準画像と二次電子、反射電子又は基板電流等、測定で得られた画像を比較して、得られた画像の中から、標準画像と同じ物を抽出して中心座標を算出する。中心座標を設計値等の標準値と比較することも可能である。標準値との差からアライメントエラーを検出することもできる。複数の測定対象に対して行ったパターンマッチングの結果から、複数の測定対象物間距離を測定することができる。この値からもアライメントエラーを知ることができる。
標準値は半導体デバイスのレイアウトを決定しているCADデータから抽出して利用することができる。この機能を利用するためには、CADデータとこの検査装置をリンクさせて使う。本装置はCADデータのGDSIIファイルをインポートする機能をもつ。CADデータであるGDSIIファイル等の中から測定対象のレイヤー情報を抽出し、更に、測定対象簡所の座標を抽出する。測定によって得られたアライメントエラー情報は逆の経路を通じて、CADデータに反映させることもできる。つまり、アライメントエラーが起こり易い場所を設計データにフィードバックすることにより、設計値を変えて、アライメントエラーを起こりにくくする等の処方を実行できる。
一方、表面形状の判定を行うためには、画像が基準に対してどの程度似ているかを算出する機能を活用する。画像比較方法にはいろいろなアルゴリズムが存在し、ブロッブと呼ぶコントラスト集合体に測定対象を抽象して比較する方法、測定対象のエッジを抽出して、幾何学的相関を取って比較する方法等種々の画像認識に利用されるアルゴリズムがある。知られている方法の内一番適切なものを選択利用する。このパターンマッチングを行うと、パターンマッチングスコアと呼ばれる値が得られる。この値は例えば、ある装置では100点が最高であるが、その場合は登録されている図形形状と測定された図形が完全に同じであることを示している。パターンマッチングスコア値が小さくなると、得られた図形の形状が標準画像からずれていることを表している。従って、例えば、パターンマッチングスコアを利用することによって測定対象画像形状が標準画像とどの程度似ているのかを評価できる。
<ブランケットモード>
位置決めされた測定対象に、予め定められた電子ビームエネルギー、照射電流量、フォーカスサイズにて、例えば、1秒程度の一定時間電子ビームを照射した際に得られる基板電流の平均電流値を測定する方法をブランケットモードと呼び、ホール底サイズ、ホール底残膜、ホール底表面状態の相対変化等の情報が得られる。
<ラインスキャンモード>
測定対象にフォーカスした電子ビームを予め決められた間隔、及び速度で二次元走査して得られる基板電流波形を測定する方法をラインスキャンモードと呼ぶ。基板電流波形のエッジ情報からホール底サイズや形状を得ることができる。波形の高さからは、ホール底残膜の状態を知ることもできる。ホール底サイズや形状、及びホールが存在すべき位置情報を含む設計値を総合比較することで、アライメントエラー等を知ることもできる。
<ホール面積規格化基板電流>
そのブランケットモードで得られた基板電流値を設計レイアウト上のホール面積、又は実測に基づくホール面積を利用して規格化すると規格化測定値は単位面積あたりの基板電流値となるため、ホールの大きさやサイズに無関係な量となる。ブランケット法で得られた測定値を面積規格化した値は普遍的にホール底の表面状態を示し、形状及びサイズの異なる種々のホール間のホール底表面の状態差を比較することが可能と成る。場合によっては、ホール表面面積を用いて面積規格化を行い比較することもある。図19に基板電流値面積規格化の方法が示されている。例えば、最初にブランケットモードで1つ又は幾つかの同等のホールを含むように電子ビームを照射し、基板電流値を測定する。次に、ラインスキャンモード測定を同じホール又は複数個のあるホールの内の代表ホールに対して行い、ホール底面積評価を行う。この場合、複数ホールの平均面積を用いても良い。得られたホール底面積情報を用いて、予め得られているブランケットモード測定値を割り算して単位面積当たりの基板電流値に規格化する。得られた値は単位面積あたりの基板電流値なので、ホール面積とは無関係の量となっている。従って、それぞれの測定対象の単位面積当たりの基板電流値を比較することによって、ホール底の膜の残り具合、ホール表面状態等を比較することができる。ここでは、ラインスキャンモードを用いてホールサイズを算出したが、ホールサイズが他の手段で分かっている場合にはその値を用いても構わない。また、ブランケットモード測定を必ずしも最初に行う必要も無く、ラインスキャンモードの後から行っても良い。
<ブランケットモード>
位置決めされた測定対象に、予め定められた電子ビームエネルギー、照射電流量、フォーカスサイズにて、例えば、1秒程度の一定時間電子ビームを照射した際に得られる基板電流の平均電流値を測定する方法をブランケットモードと呼び、ホール底サイズ、ホール底残膜、ホール底表面状態の相対変化等の情報が得られる。
<ラインスキャンモード>
測定対象にフォーカスした電子ビームを予め決められた間隔、及び速度で二次元走査して得られる基板電流波形を測定する方法をラインスキャンモードと呼ぶ。基板電流波形のエッジ情報からホール底サイズや形状を得ることができる。波形の高さからは、ホール底残膜の状態を知ることもできる。ホール底サイズや形状、及びホールが存在すべき位置情報を含む設計値を総合比較することで、アライメントエラー等を知ることもできる。
<ホール面積規格化基板電流>
そのブランケットモードで得られた基板電流値を設計レイアウト上のホール面積、又は実測に基づくホール面積を利用して規格化すると規格化測定値は単位面積あたりの基板電流値となるため、ホールの大きさやサイズに無関係な量となる。ブランケット法で得られた測定値を面積規格化した値は普遍的にホール底の表面状態を示し、形状及びサイズの異なる種々のホール間のホール底表面の状態差を比較することが可能と成る。場合によっては、ホール表面面積を用いて面積規格化を行い比較することもある。図19に基板電流値面積規格化の方法が示されている。例えば、最初にブランケットモードで1つ又は幾つかの同等のホールを含むように電子ビームを照射し、基板電流値を測定する。次に、ラインスキャンモード測定を同じホール又は複数個のあるホールの内の代表ホールに対して行い、ホール底面積評価を行う。この場合、複数ホールの平均面積を用いても良い。得られたホール底面積情報を用いて、予め得られているブランケットモード測定値を割り算して単位面積当たりの基板電流値に規格化する。得られた値は単位面積あたりの基板電流値なので、ホール面積とは無関係の量となっている。従って、それぞれの測定対象の単位面積当たりの基板電流値を比較することによって、ホール底の膜の残り具合、ホール表面状態等を比較することができる。ここでは、ラインスキャンモードを用いてホールサイズを算出したが、ホールサイズが他の手段で分かっている場合にはその値を用いても構わない。また、ブランケットモード測定を必ずしも最初に行う必要も無く、ラインスキャンモードの後から行っても良い。
図20はこの検査装置において単位面積当たりの基板電流量を求める別の方法を開示している。電子ビームは対物レンズ等を制御することにより、その先端形状を種々の形、サイズに変えることができる。予め電子ビームフォーカス値と電子ビーム先端面積の関係を他の手段で測定しておき、図20(a)に示すように、既知の電子ビーム先端サイズが常に実現できるように準備しておく。次に、測定対象に対して電子ビームが所望のサイズとなるように制御して電子ビームを照射し、基板電流値を測定する。この電子ビーム照射は走査しても、ホールの中だけに電子ビームが当たるように照射位置を制御して照射しても構わない。
電子ビーム照射が走査方式の場合には、図20(b)に示すように、基板電流波形の高さが単位面積あたりの基板電流に相当する。このように電子ビームをコンタクトホールの中だけに当てるようにした場合には、照射によって生じた基板電流値の平均値等が単位面積当たりの基板電流値になる。この方法では、コンタクトホールで無くても単位面積当たりの基板電流値を知ることができる。また、コンタクトホールに適用することもできるが、その際ホールの面積を態々測定する必要がないので測定スピードを上げることができる。
以上のように面積規格化を行った基板電流値を測定値として利用することにより、レイアウトサイズの違う素子同士を比較することが可能である。例えば、サイズの異なった複数のホールをマスク上に設けて、プロセスを進め、それぞれのサイズの素子に関して、先端面積が既知の電子ビームを照射し規格化基板電流値を比較してグラフ化することにより、ホールの底の状態を推定可能となる。もちろん、大きさの異なるホールは偶然できた異なるホール径を持つホールを実測して使用しても良い。1つのホールから得られた情報を基にホールの状態を推定するよりも、より確実にホール状態を推定することが可能と成る。
また、図11から明らかなように、エッチングが正常に行われているサンプルではホールサイズで規格化した基板電流値(単位面積あたりの基板電流値)はホールサイズが異なってもほぼ一定の値を示している。一方、ホール底に残膜が生じているサンプルでは、例えば、ホール底サイズが小さくなるに伴って、規格化後の測定値が小または大となる。すなわち、基板電流はホール底材料の二次電子放出効率に依存する。シリコン酸化膜等がホール底にあると、二次電子放出が大きくなり、ホール底サイズが小さくなるに従って、規格化基板電流値が下降する。
一方、レジスト等炭素を多く含む高分子は二次電子の放出効率が、シリコン等と比較して低い。そのため、ホール底にレジスト等の有機材料が出現するような場合には、ホール底サイズが小さくなるに従って、基板電流値が上昇する。複数のホール径をもつホールから得られたデータをグラフにして、その傾きをプロセス判断の指標にすることで、プロセス不具合原因を詳細に分類することができる。
以上説明したように、この検査装置によると、基板電流測定値からホール底に残膜があるか無いか、酸化膜、レジスト等の残留物があるかないかをはっきりと検出することができる。この検出装置では、規格化基板電流値の面内分布を知ることができる。ホール面積で規格化した後の基板電流値は、測定対象サイズに対して不変量なので、その値で面内分布を評価することにより、ホール底の状態のみのプロセス分布を知ることができる。例えば、エッチング装置には、装置固有のプロセス分布が存在するが、露光プロセスに分布があると、ホール表面径にも影響を与える。そのため、エッチング後に得られるプロセス分布は両者の合成と成り、そのまま測定したのでは、エッチング装置固有の分布だけを抽出することができない。しかし、基板電流をホール表面径又はホール底径で規格化することによって、露光による影響を排除し、エッチング装置固有の分布だけを抽出することができる。
また、図14に示す半導体検査装置は、図12に示すグラフのデータから表示装置(表示部)150に示したウェハマップMA上に残渣分布等を示すようになっている。これは、例えば図示しない操作キーを操作すると、波形画像認識処理装置(演算処理手段)140が図12に示すグラフのデータやEBS値を求めたコンタクトホールの位置データ(パターンマッチングで求めた位置データ)等に基づいて、ウェハマップMA上の対応位置に正規化EBS値に応じて色表示するものである。この際に、表示が一律ではなくグラフのデータとウェハマップMA上とで関連された色マップを示すことにある。
この実施例では、図12に示すように、例えばポリマー残渣のあるEBS値グラフの分布に対応(関連)させて、ウェハマップ上に赤点等(図示せず)で表示し、エッチング残渣のあるEBS値グラフの分布に対応(関連)させて、ウェハマップMA上に橙点(図示せず)で表示する。
EBS値グラフの各測定点を一個毎に、すなわち正規化EBS値やコンタクトホール径に応じて一個毎に色指定したり、領域を指定してその領域のブロック毎に色指定したりしてもよい。そのブロックの数は任意に指定することができるようする。
例えば、図12の(a)に示すウェハのマップ上に、正規化EBS値の分布グラフに表示されているコンタクトホールの種類、大きさなどを、その正規化EBS値の分布グラフを同じ色や点によって表示する。これによって、正規化EBS値がウェハ上のどの位置に対応するのか一目でわかる。例えばポリマー残渣のあると思われるEBS値の高い領域((b)で示した上の部分)の分布に対応させて、図12の(a)のウェハマップ上に赤点など点(図示せず)で示すようにする。この際、この点の大きさもコンタクトホールの大きさに応じて大きくしマップ上に示すと分りやすいものとなる。
正規化EBS値グラフ(b)の赤色線枠S1を囲むようにオペレータが指示すると、その範囲の正規化EBS値がウェハマップ(a)に表示されるようにする。正規化EBS値グラフ(b)の中間領域に対応させて、ウェハマップMA上に青色の点(図示せず)で示すようにする。同様にオペレータが領域を指示すると、その範囲の正規化EBS値がウェハマップ(a)に表示されるようにする。同じようにグラフ(b)の正規化EBS値の低い部分も、範囲を指定する事でその範囲をウェハマップ(a)上に表示する。このような操作は、オペレータが領域を指定したり、予め、決められた数値範囲を指定することで、ウェハマップ(a)が出来上がるようにする。上述した範囲指定は、もし、正規化EBS値のみの指定ならば、ウェハマップ(a)図の左側にある縦棒のEBS高低分布のところで範囲指定を行っても良い。
しかしながら、グラフ(b)を用いることで、正規化EBS値の範囲とコンタクトホール径の範囲を設定してウェハマップ(a)を作成することができる。このような色分けしたウェハマップを容易に作成することによって、プロセスの課題を容易に可視化できる。
上記グラフ(b)の範囲指定は任意にでき、かつ、測定点11個11個の指定もできるようにすると様々な場合に運用でき、都合が良い。
また、正規化EBS値のグラフにおける残渣分布がウェハマップ上のどこに対応するのかがひと目で分かることになる。
また、図13に示すグラフ上に、歩留りのよい範囲を示す領域E1と、この領域E1を越える領域E2と、領域E1を下回る領域E3をぞれぞれ異なる色で表示すれば、ウェハは歩留りのよいものであるかどうかをひと目で分かることになり、製造ラインでのサンプル検査によって、各プロセス装置の変動を監視することが可能となる。
ところで、コンタクトホール径でEBS値を正規化する場合、測定された複数のコンタクトホール径から標準ホール径を求めて正規化してもよいが、最も歩留りの良い部分のコンタクトホール径のデータの平均値を標準ホール径として正規化してもよい。
ウェハ23のコンタクトホール径の測定は、フォーカスされた電子ビームをホール上に走査して行う。
ウェハ23のコンタクトホールの吸収電流値測定は、コンタクトホールより若干大きめのデフォーカスされた電子ビームをホール上に静止させて照射して行う。
また、半導体検査装置は、ラインスキャンモードLSMでボトム電流を求め、このボトム電流をコンタクトホール径で正規化し、これを図12と同様なグラフに表示して、上記と同様にウェハマップMA上の対応位置に点P1,P2や枠線S1,S2などを表示する機能を持っている。
<D−LSMの測定による正規化>
次に、D−LSMの測定によってEBS値を正規化する場合について説明する。
<D−LSMの測定による正規化>
次に、D−LSMの測定によってEBS値を正規化する場合について説明する。
先ず、ラインスキャンモードでウェハ23(図14参照)のコンタクトホールの大きさや形状やその内部構造を測定する。
次に、図示しない操作キーによってデフォーカス−ラインスキャンモードを設定する。
このデフォーカス−ラインスキャンモードにより、図14に示す電子ビームEBがデフォーカスされるとともに、このデフォーカスされた電子ビームEBの大きさがウェハ23のコンタクトホールより若干大きなサイズにされる。そして、この電子ビームEBがコンタクトホール上でラインスキャン(図21参照)されていく。
このラインスキャンの際、電子ビームEBの形状は、図23の(A)や(B)に示すように、コンタクトホールの形状に合わせられる。また、コンタクトホールの楕円長軸が走査方向に向いている場合、コンタクトホールの長径と電子ビームEBの長径方向を合わせ、この電子ビームEBをコンタクトホールの長径軸方向に沿ってスキャンする。
コンタクトホールの楕円短軸が走査方向に向いている場合には、コンタクトホールの短径と電子ビームEBの短径方向を合わせ、この電子ビームEBをコンタクトホールの短径軸方向に沿ってスキャンする。
そして、この電子ビームEBのスキャンの際の吸収電流が電流測定装置30で測定されていく。LSMでの測定の場合は、究めて細いニームでのスキャンであったために、ホール底の平均的な情報を求めることが難しかったが、ホール径と同等のビーム径にすることによって、ホール底の平均的な上を得ることができる。またホール以外の周辺をスキャンしている状態も存在し、そのときの測定された吸収電流値から、基準信号を求めることもでき、例えばウェハがチャージアップなどして測定が不安定な場合には、ホール以外の周辺をスキャンしたときに測定された吸収電流ちを参考に補正をかけることもできる。
電流測定装置30は、電子ビームEBのラインスキャンが行われているときの最大吸収電流を検出し、ラインスキャンモードで求めたホール底径によりその最大吸収電流を正規化して正規化EBS値を求める。この正規化EBS値は例えば波形画像認識処理装置140等によって行う。
このように、最大吸収電流から正規化するものであるからコンタクトホールの内部構造の影響を受けずに高い感度で界面評価をすることができることになる。また、コンタクトホール形状にデフォーカスした電子ビームの形状を合わせるものであるから、電子ビームEBに対するS/N比を向上させることができることになる。
また、波形画像認識処理装置140は、求めた正規化EBS値によって、図12に示すグラフを作成して表示装置150に表示したり、このグラフのデータから上述のようにウェハマップMa上の対応位置に正規化EBS値に応じて色表示したりする。
上記実施例では、電子ビームEBの形状をコンタクトホールの形状に合わせるが、コンタクトホールが楕円の場合、電子ビームEBをこの楕円の短径より若干大きめの楕円にしてもよく、あるいは長径より若干大きめの楕円にしてもよい。
10 電子銃(照射手段)
24 二次電子反射電子検出装置
30 電流測定装置
140 波形画像認識処理装置(演算処理装置)
150 表示装置(表示部)
24 二次電子反射電子検出装置
30 電流測定装置
140 波形画像認識処理装置(演算処理装置)
150 表示装置(表示部)
Claims (5)
- 電子ビームを用いた吸収電流測定方法を用いて、ウェハのコンタクトホールの界面状況を評価する半導体検査装置において、
電子ビームを前記ウェハのコンタクトホールに照射してウェハの吸収電流を測定する際、前記電子ビームをデフォーカスしてコンタクトホールより若干大きめのサイズにし、この電子ビームで前記ウェハのコンタクトホールをスキャンして吸収電流を測定することを特徴とする半導体検査装置。 - 前記コンタクトホールの大きさによって前記電子ビームの大きさを変えることを特徴とする請求項1に記載の半導体検査装置。
- 前記コンタクトホールが楕円の場合、前記電子ビームをこの楕円の短径より若干大きめの楕円にするとともに、コンタクトホールの長径と電子ビームの長径方向を合わせ、この電子ビームをコンタクトホールの長径軸方向に沿ってスキャンすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体検査装置。
- 前記コンタクトホールが楕円の場合、前記電子ビームをこの楕円の長径より若干大きめの楕円にするとともに、コンタクトホールの短径と電子ビームの短径方向を合わせ、この電子ビームをコンタクトホールの短径軸方向に沿ってスキャンすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体検査装置。
- 前記電子ビームのスキャンに応じた吸収電流の変化からコンタクトホールの形状とホール底の状態を検出することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の半導体検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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-
2008
- 2008-10-23 JP JP2008273652A patent/JP2010103320A/ja not_active Withdrawn
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