JPH11117922A - アンカーの製造方法及びアンカー - Google Patents

アンカーの製造方法及びアンカー

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JPH11117922A
JPH11117922A JP10173981A JP17398198A JPH11117922A JP H11117922 A JPH11117922 A JP H11117922A JP 10173981 A JP10173981 A JP 10173981A JP 17398198 A JP17398198 A JP 17398198A JP H11117922 A JPH11117922 A JP H11117922A
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久芳 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ピンを嵌入させるための孔部を穿設する作業
と、軸部先端のスリットの形成を不要とする。また軸部
先端に下孔を穿孔できるドリル刃を固定した自己穿孔機
能を有するアンカーを提供する。 【解決手段】適宜長さに切断した金属製パイプ材5 を用
意する。上型65と下型67を使用してプレス等によりこの
パイプ材を軸方向に圧縮してプレス鍛造を行い、先端部
42に4本の凹所42a を軸方向に成形する。これらの凹所
により孔部15は押し潰される。次に軸部41を上型68と下
型67によって上方から下方にプレスにより圧力を加えて
頭部43の成形を行う。孔部15内にピン1を嵌入し、アン
カーが完成する。ピン1を打ち込むことにより、先端部
42に軸方向の破断が生じ、先端部が拡開する。先端部42
にスリットを軸方向に設けてもよい。先端部の成形と同
時にドリル刃を固定して、自己穿孔機能を有するアンカ
ーを製造することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、コンクリート、
レンガ又はブロック等の構造物に各種金具等の被固定物
を取り付け、固定する際に使用するアンカー及びその製
造方法に関するものである。ここでいうアンカーには、
自己穿孔機能を有するセルフドリリングアンカーも含ま
れる。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来のアンカーの製造方法を
順次図示した説明図であり、その(A)が素材である線
材50の正面図、その(B)が鍛造によりアンカー本体
部の頭部52を成形する説明図、その(C)が完成され
たアンカー本体部の正面図、その(D)がピン58を組
み合わせてアンカーが完成した状態の正面図である。先
ず、図10(A)において、適宜長さに切断された金属
製の断面円形の中実の線材50を用意する。図10
(B)において、プレス鍛造法等により、線材50の軸
部51をツカミダイス60等により強力に保持して、押
し型ポンチ61等により線材の長手方向にプレス機械に
より圧力を加えて、頭部52を成形する。
【0003】その後、図10(C)において、頭部52
及び軸部51の軸芯部の長手方向にピン58を受容する
ための孔部55を、キリやドリル等の加工工具によって
穿設する。或いは、頭部52と孔部55とを、チューブ
ラヘッダー等の装置を用いて、圧造することもできる。
その後、切削加工具により軸部51の下方先端部に環状
の複数の溝部56を切削加工する。この溝部56は、後
述するように、軸部51の先端部が拡開した際に、構造
物72への引っ掛かり部となるものである。更に、軸部
51の下方先端から孔部55に到るまで、先端部を2分
割するようにスリット57を設ける。最後に図10
(D)において、孔部55の上方からピン58を嵌入さ
せて、アンカーが完成する。
【0004】図11は、上記従来のアンカーの使用方法
を示す、説明図であって、その(A)が下孔にこのアン
カーをセットした状態を示し、その(B)がアンカーを
固定した状態を示す。先ず図11(A)において、予じ
め電動ドリル等によって被固定物71及び構造物72に
下孔70を穿設しておき、この下孔70にアンカー53
をセットする。図11(B)において、ピン58をハン
マー等によって打撃して、ピン58を打ち込むことによ
って、ピン58の先端部がスリット57に強制的に嵌入
して、スリット57を拡開させ、同時に軸部51の先端
部54、54が押し広げられることによってアンカー5
3が構造物72に固定され、同時に被固定物71を構造
物72に固定することができる。この図において、先端
部に設けられた複数の環状の溝部56は、ピン58を打
ち込むことによって先端部54、54が拡開した際に、
構造物72への引っ掛かり部となるものである。
【0005】上記従来のアンカー53においては、その
頭部52の外径が軸部51の外径よりも大きく形成され
ていたが、その他のアンカーとしては、頭部52が特に
設けられていないものも存在している。その一例として
は、軸部51の上方基端部の外周面にネジ山が設けられ
た所謂アンカーボルトというものがあり、その場合に
は、このネジ山に螺合するナット等により被固定物を構
造物に固定することができる。このアンカーボルトの製
造方法としては、図10(B)に示したような頭部を成
形するプレス鍛造の工程が不要となるが、ピン58の頭
部を受容するために、孔部55の上方基端部の内径を広
げる成形工程や、軸部51の上方基端部の外周面にダイ
ス等によりねじ山を刻設する工程が必要となる。
【0006】他の例としては、軸部51の軸芯部に設け
られた孔部55の上方基端部分の内径を大きく成形し、
その内周面に雌ねじを形成したものも存在する。この場
合には、この雌ねじに螺合するボルト等により被固定物
を構造物に固定することができる。このアンカーの製法
方法においても、上記図10(B)に示したような頭部
を成形するプレス鍛造の工程が不要となるが、孔部55
の内径の大きい上端部分の孔開け作業又は成形作業と、
その内周面にタップ等によりねじ山を形成する作業の工
程が必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のアンカーの
製造方法においては、中実の線材50を素材として使用
しているため、ピン58を嵌入させるための孔部55を
形成するために、キリやドリルによる穿孔作業が必要と
なり、また、圧造による場合でも、3段、4段打ちとい
ったように、数度の加工が必要となる。しかも、この孔
部55を形成するための作業は、アンカーの長さがある
程度以上に長くなると、工具、工程数、作業時間等の種
々の点から製造が困難となる。更には、あまりに孔部5
5の深さが長くなると、その作業が実質的に不可能とな
る場合があるため、この方法により製造されるアンカー
の長さには限界があった。そこで、本願発明において
は、上記従来のようなピンを嵌入させるための孔部を穿
設する作業を不要とし、且つまた、軸部先端に設けられ
るスリットの形成をも不要とし、鍛造加工又は転造加工
により軸芯部に孔部が形成されたアンカーの本体部が簡
単に成形される製造方法と、この方法により製造された
アンカーの提供をその第1の課題としている。更に、ア
ンカー本体部の鍛造加工や転造加工に加えて、その軸部
の先端に、被固定物及びコンクリート等の構造物自体に
下孔を穿孔することのできるドリル刃を固定した自己穿
孔機能を有するアンカーとその製造方法の提供も本願発
明の第2の課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願発明の第1のものは、アンカー本体部40の
素材として金属製のパイプ材を用意し、1回又は2回以
上の塑性加工によりアンカー本体部40の軸部41の先
端部42側の成形と、アンカー本体部の基端部側の成形
を行い、軸部41の先端部42側の成形によって軸部4
1の内径が縮小され、アンカー本体部40の基端側から
先端側に向かう孔部15内に、軸部先端部42を拡開す
るための打込用ピン1を配して成るコンクリート等の構
造物用のアンカーの製造方法である。この製造方法にお
いては、アンカー本体部40の素材としてパイプ材を使
用しているため、ピン1を嵌入させるための孔部15を
穿設する穿孔作業工程を必要とせず、且つ、軸部先端に
スリットを設ける工程も必要がなく、プレス鍛造等の塑
性加工により簡単にアンカーの本体部40の基礎形状が
完成する。軸部先端のスリットを形成しなくともよいこ
との理由は、軸部先端が絞り加工されることにより、軸
部先端の孔部が押しつぶされ、その押しつぶされた孔部
内にピンを強制的に打ち込むことによって、軸部先端部
に軸部の長手方向に破断が生じ、これにより軸部先端部
が拡開するからである。
【0009】本願発明の第2のものは、上記の第1の発
明において、穿孔機能を有するドリル刃8、9を金型6
3内に予じめ配置し、アンカー本体部40の軸部41の
先端部42の成形と同時に、軸部41の先端部42に前
記ドリル刃8、9が固定されることを特徴とするアンカ
ーの製造方法である。この製法により、アンカー本体部
40の成形と同時に、軸部先端にドリル刃8、9が固定
され、被固定物及び構造物に下孔を開ける機能を有する
アンカーを容易に製造することが可能となる。
【0010】本願発明の第3のものは、アンカー本体部
40の素材として金属製のパイプ材を使用し、1回又は
2回以上の塑性加工によりアンカー本体部40の軸部4
1の先端部42側の成形と、アンカー本体部40の基端
部側の成形を行い、軸部41の先端部42側の成形によ
って軸部41の内径が縮小され、アンカー本体部40の
基端側から先端側に向かう孔部15内に、軸部先端部4
2を拡開するための打込用ピン1を配したものから成る
コンクリート等の構造物用のアンカーである。このアン
カーにおいては、アンカー本体部40の素材としてパイ
プ材を使用しているため、ピン1を嵌入させるための孔
部15を穿設する穿孔作業を必要としない。また、同様
に、軸部の先端のスリットを設ける作業をも不要とする
ものである。このアンカーにおいては、被固定物及びコ
ンクリート等の構造物に予じめ電動ドリル等により下孔
を穿孔し、この下孔内にこのアンカーをセットして、ピ
ンを打ち込むことによって、ピンが軸部先端部内の押し
つぶされた孔部内に侵入し、これによって、軸部先端が
軸部の長手方向に破断して先端部が拡開し、被固定物を
構造物に固定することができるのである。
【0011】本願発明の第4のものは、上記第3の発明
において、穿孔機能を有するドリル刃8、9がアンカー
本体部40の軸部41の先端部42に固定されたアンカ
ーである。このアンカーによって、被固定物を構造物に
固定するに際して、予じめ下孔をドリル等で穿孔する作
業が不要となり、このアンカーを使用して、直接被固定
物を構造物にセットして、下孔を開け、その後ピンを打
ち込むことによって、被固定物が構造物に固定さるうる
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面と共に本願発明
の実施の形態について説明する。図1乃至図9が本願発
明の実施の形態を図示している。図1が本願発明に係る
アンカーの製造方法を示しており、その(A)が所定長
さに裁断されたパイプ材5の正面図、その(B)がアン
カー本体部の軸部11の先端部側の成形加工を示す説明
図、その(C)が軸部11の上方基端部側の成形加工を
示す説明図、その(D)が軸部11の先端部12にスリ
ットを形成した状態の正面図、その(E)がアンカーが
完成した状態の正面図である。
【0013】先ず、図1(A)に示した通り、適宜長さ
に切断した一定の外径を有する金属製のパイプ材5を用
意する。素材となるパイプ材5の軸芯部長手方向には当
然一定の内径を有する孔部15が貫通している。次に、
図1(B)に示したように、上型65と下型66を使用
して機械ハンマー或いはプレス機械等により軸方向に力
を加えて、鍛造を行い、軸部11の先端部12を成形す
る。先端部12は軸部11の外径よりも小さい外径とな
るように成形し、先端部12の孔部15は、押し潰さ
れ、その内径が縮小する。尚、この図では、ある程度の
内径を維持したものが例示されているが、実質的に孔が
なくなるように、言い換えれば、内径が実質的に0とな
るまで縮小させてもよい。その後、図1(C)に示した
ように、軸部11の頭部13の成形を行う。
【0014】即ち、軸部11を上型68と下型66によ
って、上方から下方に圧力を加えてプレス鍛造等により
頭部13及び孔部15の上方端部の内周部の成形が行わ
れる。頭部13の断面形状は、軸部11と同様に円形で
もよく、或いは断面6角形等でもよく、自由に設計でき
る。その後、図示はしていないが、ピンによって軸部1
1を蹴り出し、図1(D)に示した通り、軸部11の下
方先端から孔部15に到るまで、その先端部12を2分
割するように、即ち、軸部の中心を含む平面にて2分割
するようにスリット16を切削加工する。更に、軸部1
1の先端部12に、必要に応じて環状の溝条部や突条
部、或いは螺旋状の溝条部や突条部(又はねじ山)を加
工する。そして、孔部15内にピン1を嵌入することに
よって、図1(E)に示した通りのアンカーが完成す
る。
【0015】軸部11の先端部12に設けられる環状の
突条部等、或いは螺旋状の突条部等は、ピンを打ち込ん
で軸部11の先端の拡開部14、14が拡開した際に、
構造物への引っ掛かり部となるものである。図1(E)
に図示した螺旋状の突条部14aの加工は、切削加工に
よってもよいが、ねじの加工に用いられるローリングダ
イスを用いて転造することもできる。ローリングダイス
を用いた場合、谷径が小さくなる分、山径が大きくなる
ため、この図1(E)に示した通り、先端部12の外径
(山径)は軸部11とほぼ同等となるように形成され
る。スリット16による先端部12の分割は、2分割で
なく、4分割、5分割等、分割数は適宜変更することが
できる。環状の突条部や溝条部等の加工とスリットの加
工は、何れを先に行ってもよい。更に、スリットの形成
加工は、前記のパイプ材5の塑性加工の前に行ってもよ
い。塑性加工の前にスリット16が形成される場合に
は、このスリット16の間隔は、塑性加工によって無く
なってしまうが、即ちその間隔が0となってしまうが、
スリッ16自体の切り込みは残ったままとなるため、拡
開部14、14が拡開するに当たり何ら問題は生じな
い。
【0016】上記の製造方法においては、図1(B)及
び(C)に示した通り、2段階の鍛造工程によりアンカ
ーの本体部を製造していたが、この2工程を1工程にし
て、即ち、下型66と上型68とによってプレス機械に
よってプレスを1回行って、軸部11の先端部12及び
頭部13の両方を1度に成形することも可能である。こ
の場合には、頭部13の側の軸芯部の孔部15が潰れて
しまうことがあるため、この潰れた孔部15は、後の工
程でピンやキリを使用して孔を開ける作業が必要とな
る。しかし、この孔開け作業は、潰れる部分が孔部の一
部であるため、短時間で簡単に行うことができる。
【0017】図2は、他の種類のアンカーを製造する方
法のある一つの工程を図示する説明図である。このアン
カーは、軸部11の外径よりも大きい外径を有する頭部
を有しておらず、軸部11の基端部21の外周面18に
ネジ山が形成され、このネジ山にナット等を螺合して、
被固定物を構造物に固定できる所謂アンカーボルトであ
る。先ず、軸部11の先端部12は、図1(B)に図示
した前記実施の形態と同様で、上型65と下型66を使
用してプレス機械等による鍛造によって塑性加工が行わ
れる。次に、図2に示した通り、軸部11の基端部21
を下型66と上型69によってプレス鍛造を行って、孔
部15の上端部17の成形が行われる。この孔部にピン
1の頭部が適合するのである。
【0018】この成形加工においても、上記2回の成形
工程によらず、1回の成形工程によって製造することも
できる。即ち、上型69と下型66(図1(B))を使
用してプレス鍛造を行って、1回の工程によってアンカ
ー本体部の塑性加工を行うことができる。その後に、軸
部11の基端部21の外周面18にネジ山を形成し、軸
部11の先端部12にはスリットを形成して、アンカー
の本体部が完成する。このねじ山の形成とスリットの形
成は、何れの加工を先に行ってもよい。また、この実施
の形態においても、スリットの形成加工は、軸部の塑性
加工の前に実施することもできる。
【0019】図3は、更に他の種類のアンカーを製造す
る方法のある一つの工程を図示する説明図である。この
アンカーにおいても、軸部11の外径よりも大きい外径
を有する頭部を有しておらず、軸部11の基端部22の
内周面19にねじ溝を形成して、雌ねじ部を形成し、こ
の雌ねじ部にボルト等を螺合して、被固定物を構造物に
固定できるものである。先ず、軸部11の先端部12
は、図1(B)に図示した前記実施の形態と同様で、上
型65と下型66を使用してプレス機械による鍛造によ
って塑性加工が行われる。次に、図3に示した通り、軸
部11の基端部22を下型66と上型75によってプレ
ス鍛造を行って、孔部15の上方部分の成形が行われ
る。後の工程でこの孔部の内周面19にねじ溝が形成さ
れ、雌ネジ部が形成されるのである。
【0020】この成形加工においても、上記2回の成形
工程によらず、1回の成形工程によって製造することも
できる。即ち、上型75と下型66(図1(B))を使
用してプレス鍛造を行って、1回の工程によってアンカ
ー本体部の塑性加工を行うことができる。その後に、軸
部11の基端部22の内周面19にねじ山を刻設し、軸
部11の先端部12にはスリットを形成して、アンカー
の本体部が完成するのである。このねじ山の刻設とスリ
ットの形成は、何れを先に行ってもよい。また、スリッ
トの形成は、軸部の塑性加工の前に実施してもよい。
【0021】他方、本願発明に係るアンカーは、図1に
図示されたように、上記製造方法によって製造されたも
のであって、軸部11の軸芯部に軸部11の上方基端部
から軸部11の下方先端部12に向かって穿設されたピ
ン打込用の孔部15が設けられ、軸部11の下方先端部
12にはその先端から前記孔部15に到るまでのスリッ
ト16が設けられ、孔部15の上端部からピン1が嵌入
されたものであって、アンカー本体部10の素材として
適宜長さの金属製のパイプ材5を使用し、1回又は2回
以上の鍛打又はプレスによる鍛造によってアンカー本体
部10の先端部12の成形と、アンカー本体部10の頭
部13等の基端部側の成形を行い、その塑性加工の前又
は後に軸部11の先端部12にスリット16が形成され
たものである。
【0022】即ち、このアンカー本体部10は、上記パ
イプ材5の先端部の少なくとも内径が塑性加工によって
縮小されることにより形成された拡開部14、14と、
上記パイプ材5の基端部を加工することによって形成さ
れた基端部(頭部13)と、拡開部14と基端部(頭部
13)との間に位置している中間部20とを備え、拡開
部14が上記の塑性加工前又は後に形成されたスリット
16を有し、中間部20が上記パイプ材5を変形させず
に用いられたものである。尚、中間部20は、若干変形
したものであってもよい。更に、必要に応じて、軸部1
1の先端部12には、環状の溝条部又は突条部、或いは
螺旋状の溝条部や突条部(又はねじ山)等を形成するこ
とができる。
【0023】また、図2又は図3に図示した製法によっ
て製造されたアンカーにあっては、軸部11の基端部2
1の外周面18、又は孔部15の基端部22の内周面1
9に適宜ねじ山を刻設することによって、アンカーボル
ト等の他の種類のアンカーが形成されるのである。これ
らのアンカーにおいても、拡開部となる先端部12と基
端部21、22との中間の中間部20は、素材であるパ
イプ材5を変形させずに用いたものであるが、この中間
部20は、若干変形したものであってもよい。即ち、こ
の中間部20を塑性加工してもよいし、切削加工を加え
ることもできる。これらの加工は、素材が中空のパイプ
材であるため、迅速かつ簡単に行うことができる。
【0024】図4は、他の実施形態に係るアンカー本体
部30の正面図である。 このアンカー本体部30は、
前記アンカー本体部10と異なる点は、頭部33の形状
と、軸部31の先端部32の形状であって、その他の構
成は、ほぼ同様である。このアンカー本体部30の製造
方法は、以下の通りである。先ず、金属製のパイプ材を
適宜長さに切断する。このパイプ材の基端部側を、前記
の方法と同様に下型と上型を使用して鍛造加工を行い、
頭部33を成形する。次に、パイプ材の先端部側32を
ローリングダイス等により転造加工を施し、複数の環状
の溝条部32aを形成する。これによってパイプ材の先
端部32の溝条部32aの部分の内径が縮小する。次
に、先端部32を二分割するように、スリット16を切
削加工する。このスリット形成工程は上記塑性加工の前
に行うこともできる。このスリット16により先端部3
2は二分割され、それぞれが拡開部34、34となる。
最後に、このアンカー本体部30の孔部15内にピンを
嵌入してアンカーが完成する。アンカー本体部30の頭
部33の形状は、平面視6角形形状のボルトの頭部と同
様の形状を有している。アンカー本体部30の孔部15
内に嵌入されたピンを打ち込むことにより、軸部31の
先端部32に形成されたスリット16内にピンの先端が
嵌入し、先端部32の拡開部34、34が拡開しうるの
である。
【0025】図5は、本願発明の他の実施形態に係るア
ンカーを示し、その(A)がその斜視図、その(B)が
拡大底面図である。このアンカーは、本体部40と、本
体部40の軸芯に貫通する孔部15内に嵌入するピン1
とからなる。本体部40は、後に詳述するように金属製
のパイプ材から製造されるため、予じめその軸芯部に貫
通する孔部15が形成されている。その頭部43は、ヘ
ッダー等で成形し、同様に軸部41の先端部42も、金
型等を利用して絞り成形加工を行い、塑性加工により製
造することができる。このアンカーは、頭部43の下面
から下方に延長する軸部41を有し、軸部41の先端部
42に、その底面図から解る通り、その外周面から軸芯
に向かって、同一間隔に4つの凹所42aが形成されて
いる。これらの凹所42aの位置関係は、それぞれ中心
から90度の方向に形成されている。各凹所42aは、
軸部41の長手方向に所定長さ形成されている。この凹
所42aの成形により、軸部41の軸芯に存在する孔部
15の内径が縮小し、押しつぶされた状態となる。しか
し、この凹所42aが形成されても、軸部41の先端部
42の外径は、凹所42aが形成されていない上方の基
端側軸部41の外径と同一である。そして、孔部15内
にピン1を嵌入させ、アンカーが完成する。尚、上記の
凹所42aが割り溝となり、この割り溝同士の間が、後
に説明するように、ピン1が打ち込まれることにより破
断されるのである。
【0026】このアンカー本体部40は、パイプ材の先
端部の少なくとも内径が塑性加工によって縮小されるこ
とにより形成された拡開部44、44と、上記パイプ材
の基端部を加工することによって形成された基端部(頭
部43)と、拡開部44と基端部(頭部43)との間に
位置している中間部20とを備え、拡開部44が上記の
塑性加工によって形成された凹所42aを有し、中間部
20が上記パイプ材を変形させずに用いられたものであ
る。尚、中間部20は、若干変形したものであってもよ
い。更に、必要に応じて、軸部41の先端部42には、
環状の溝条部又は突条部、或いは螺旋状の溝条部や突条
部(ネジ山)等を形成することができる。使用に際して
は、被固定物をコンクリート等の構造物に配置し、電動
ドリル等によって下孔を穿設し、この下孔内にこのアン
カーをセットし、ハンマー等でピン1を打ち込む。これ
によって、ピン1の先端が潰された孔部15内に侵入
し、強制的に孔部15を拡開することにより、軸部41
の先端部42に破断が生じる。この破断は、図5(B)
の仮想線P、Qに沿って生じ、且つ軸部41の長手方向
に沿って破断線が延びることになる。これによって、軸
部41の先端の拡開部44が拡開して、アンカー自体が
構造物に固定され、同時に被固定物も構造物に固定され
ることになるのである。
【0027】図6は、上記のアンカーを製造するための
説明図であって、その(A)が所定長さに裁断されたパ
イプ材5の正面図、その(B)がアンカー本体部の軸部
41の先端部側の成形加工を示す説明図、その(C)
が、下型の平面図、その(D)が軸部41の上方基端部
側の成形加工を示す説明図であって、図2(C)に図示
した軸部41を約45度回転した状態の説明図、その
(E)が軸部の底面図、その(F)がアンカーが完成し
た状態の正面図である。
【0028】先ず、図6(A)に示した通り、所定の厚
みを有し、適宜長さに切断した一定の外径を有する金属
製のパイプ材5を用意する。素材となるパイプ材5の軸
芯部長手方向には当然一定の内径を有する孔部15が貫
通している。次に、図6(B)に示したように、上型6
5と下型67を使用して機械ハンマー或いはプレス機械
等により軸方向に力を加えて、鍛造を行い、軸部41の
先端部42を成形する。下型67は、図6(C)に示し
た通り、型の下方内部に、上下方向に長条の突条部67
aがそれぞれ同一間隔に、中心から直角の方向に4つ設
けられている。これらの突条部67aによって、軸部4
1の先端部42に、その上下方向に長条の凹所42a
が、突条部67aと対応する位置に4本形成せられる。
これらの凹所42aによって軸部41内部の孔部15
が、その先端部42の部分で押しつぶされた状態とな
り、その内径が縮小する。尚、この図では、ある程度の
内径を維持したものが例示されているが、実質的に孔が
なくなるように、言い換えれば、内径が実質的に0とな
るまで縮小させてもよい。
【0029】その後、図6(D)に示したように、軸部
41の頭部43の成形を行う。即ち、軸部41を上型6
8と下型67によって、上方から下方に圧力を加えてプ
レス鍛造等により頭部43及び孔部15の上方端部の内
周部の成形が行われる。頭部43の断面形状は、軸部4
1と同様に円形でもよく、或いは断面6角形等でもよ
く、自由に設計できる。図6(E)は、軸部41の底面
図を示しており、軸部の先端部42に凹所42aが夫々
同一間隔に4本設けられ、孔部15が押しつぶされてい
る状態を見て取ることができる。そして、孔部15内に
ピン1を嵌入することによって、図6(F)に示した通
りのアンカーが完成する。
【0030】これに加えて、軸部41の先端部42に、
必要に応じて環状の溝条部や突条部、或いは螺旋状の溝
条部や突条部(ネジ山)を設けるように加工することも
自由である。環状の溝条部等、或いは螺旋状の溝条部等
は、ピン1を打ち込んで軸部41の先端部42が拡開し
た際に、構造物への引っ掛かり部となるものである。環
状の溝条部や突条部等の加工は、切削加工によってもよ
いが、ねじの加工に用いられるローリングダイスを用い
て転造することもできる。上記の製造方法においては、
図6(B)及び(D)に示した通り、2段階の鍛造工程
によりアンカーの本体部を製造していたが、この2工程
を1工程にして、即ち、下型67と上型68とを用いる
ことによってプレス機械によってプレスを1回行って、
軸部41の先端部42及び頭部43の両方を1度に成形
することも可能である。この場合には、頭部43の側の
軸芯部の孔部15が潰れてしまうことがあるため、この
潰れた孔部15は、後の工程でピンやキリを使用して孔
を開ける作業が必要となる。しかし、この孔開け作業
は、潰れる部分が孔部の一部であるため、短時間で簡単
に行うことができる。
【0031】上記の製造方法によって完成したアンカー
は、コンクリート等の構造物に被固定物を配置し、この
被固定物の上から下孔を予じめ穿設し、この下孔内に上
記アンカーをセットし、ピン1をハンマー等で打ち込
む。ピン1が打ち込まれると、ピン1が軸部41の先端
部42の押しつぶされた孔部15内に強制的に侵入す
る。これによって、先端部42が破断して、軸部の長手
方向に破断線が走ると同時に、ピン1の侵入によって破
断した先端部42が拡開され、下孔の内周面に食い込む
状態になる。これによりアンカーが下孔に堅固に固定さ
れ、同時に被固定物がコンクリート等の構造物に固定さ
れるのである。
【0032】この実施形態に係るアンカーにおいては、
前記アンカーとの最も異なる点は、その先端部42が破
断して、拡開する点であって、前記アンカーに設けられ
ていたスリットが形成されていないことである。これに
より、孔部の穿設工程及びスリットの切削工程の両工程
が不要となるものである。更に、アンカー本体部40の
基端部側の形状も、他の形状に形成することも可能であ
って、この基端部を図2及び図3に示した鍛造工程によ
って成形して、アンカーボルト等として形成することも
当然可能である。
【0033】図7は、本願発明の他の実施形態に係るア
ンカーを図示しており、その(A)がその斜視図、その
(B)がアンカー先端部の拡大正面図である。この実施
の形態に係るアンカーは、その先端部42に穿孔機能を
有する板状のドリル刃が固定されたものであって、所謂
セルフドリリングアンカーと呼ばれるものである。この
アンカーの本体部の構成は、前記図5に示したアンカー
とほぼ同様のものであって、頭部の形状と、軸部41の
外周部に螺旋状の突条部41aが設けられている点のみ
が異なっている。このアンカーにおいては、その軸部4
1の先端部42に形成された4つの凹所42aの内の相
対向する2つの凹所42a、42aに板状のドリル刃8
の基端部を固定したものである。
【0034】頭部43の形状は、回転締付工具の回転係
合部と係合しうるように、6角ボルトの頭部と同様の断
面6角形の形状を有している。頭部43から下方に延長
する軸部41の外周面には、螺旋状の突条部41aが形
成され、先端のドリル刃8によって穿孔された際の切り
粉の排除のために使用される。この螺旋状の突条部41
aは、頭部43及び軸部41の成形後に、切削加工によ
って形成することもできるし、ローリングダイス等によ
り転造加工によって形成することもできる。ドリル刃8
は、正面視略U字形状を有する板状体のものからなり、
下方中央の尖った先端8eの両側に切削刃8b、8bが
設けられ、上方の基端部側には、その中央上下方向に一
定幅の切欠部8cが形成されており、この切欠部8cの
両側に位置する係合部8aが、アンカー本体部40の先
端部42の凹所42aに強制的に嵌合され、固定される
のである。上記の切欠部8cの内部に打ち込み用ピン1
の先端部分が侵入することができるのである。このドリ
ル刃8を軸部41の先端部42に固定する方法として
は、上記のように凹所42aにドリル刃8の係合部8a
を強制的に嵌合する方法の他、後述するように金型内に
ドリル刃を配置した状態で、プレス鍛造によって同時に
固定することもできる。
【0035】図8は、アンカー本体部40の先端部42
に固定されるドリル刃を図示しており、その(A)が図
7に示したドリル刃8の正面図、その(B)がその側面
図、その(C)が他の実施形態に係るドリル刃9の正面
図、その(D)がその側面図である。図8(A)及び
(B)に示したドリル刃8においては、その全体が一定
厚みの板状体からなり、下方中央の先端8eの両側に切
削刃8b、8bが形成され、上方基端部側にはその中央
部上下方向に一定幅の切欠部8cが形成され、切欠部8
cの両側にはアンカー本体部の先端部に固定される係合
部8a、8aがそれぞれ同一幅に形成されたものであ
る。この係合部8aがアンカー本体部の先端部に形成さ
れた凹所42aに固定されるのである。また、切欠部8
c内には、打ち込み用ピンの先端部分が侵入しうるよう
に構成しており、アンカーの先端部分を拡開する際に、
ピンの先端部分が有効に機能しうるようにしている。
【0036】図8(C)及び(D)に示したドリル刃9
においては、上記のドリル刃のように側面視一定厚みを
有する板状体のものでなく、その下方先端部側が基端部
側よりも大きい厚みを有し、底面から見て楕円形で、そ
の全体が略円錐形状を有しており、いわゆるセルフドリ
リングねじの先端形状に近い形状を有しているものであ
る。従って、先端部と基端部との間には段部9dが形成
されていることになる。この先端部側の中央の先端9e
の両側には切削刃9b、9bが図8(C)の右側手前縁
部と、左側背面縁部の両側に形成されている。段部9d
から上方の基端部側は、一定厚みの板状体からなり、そ
の上下方向に一定幅の切欠部9cが形成され、その両側
には同一幅の係合部9a、9aが形成されている。これ
らの係合部9aが、アンカー本体部40の先端部42に
形成された凹所42a、42aに固定され、切欠部9c
は、打ち込み用ピン1の先端部分の侵入を許容しうるも
のである。
【0037】図9は、ドリル刃がアンカー本体部の先端
部に固定される一つの方法を図示した説明図であり、そ
の(A)が金型内にドリル刃を配置し、この金型を用い
てアンカー本体部の先端側が成形される状態を示す説明
図であり、その(B)が成形加工終了後のセルフドリリ
ングアンカーの先端部の横断面図である。金型63は、
その中央に円筒形状の有底の孔部63aを有し、孔部6
3aの底部に、その孔部63aの直径方向にドリル刃8
が鉛直に垂立した状態で配置されている。金型63の孔
部の内径は、アンカー本体部の先端部42の外径とほぼ
同一である。この金型63を使用して、アンカー本体部
の先端部42を金型63の孔部63a内に導入して、プ
レス鍛造加工を行う。これによって、アンカー本体部の
先端部42の絞り加工が行われると同時に、ドリル刃8
がアンカー本体部の先端部42に固定される。
【0038】図9(B)の断面図から解る通り、ドリル
刃8の基端側の係合部8a、8aが、アンカー本体部の
先端部42に食い込んだ状態となり、軸芯部の孔部15
が両側から押しつぶされた状態となる。このアンカーに
おいては、アンカー本体部の孔部の上端から導入された
ピンを打ち込むことによって、この押しつぶされた孔部
15が拡開される。これによって、アンカー本体部の先
端部42が、図中仮想線R、Sに沿って破断が生じ、こ
の破断線はアンカー本体部の先端部42の長手方向に沿
って走り、先端部42が押し広げられる。これによっ
て、アンカーがコンクリート等の構造物に固定され、同
時に被固定物も構造物に固定されることとなるのであ
る。
【0039】この図9に図示した通り、アンカー本体部
の先端部42において、孔部15を押しつぶす部位は、
前記実施形態のように4箇所でなくとも実施可能で、こ
の実施形態の通り、対向する2箇所であってもよい。要
するに、この孔部を押しつぶす箇所は、ドリル刃を固定
する関係上、2箇所以上あればよいのである。尚、図9
に示した金型63において、金型63の孔部63a内に
更に突条部を付加して、前記実施形態と同様に、4箇所
に凹所42aを設けてもよい。
【0040】以上、本願発明の実施の形態について説明
したが、以下の通りその形態を変更することができる。
本願発明で使用するパイプ材5の材質及びサイズ(外
径、内径、肉厚、長さ等)は、適宜必要に応じて設定す
ることができる。軸部11、31、41の先端部12、
32、42の長さも自由に設定することができ、スリッ
ト16の長さもそれに応じて決定することができる。軸
部11の基端部にねじ山を設ける外周面18又は内周面
19の長手方向の長さも自由に設定することができる。
型打ち鍛造又はプレス鍛造に用いる上型、下型、或いは
固定用ダイス等は種々のものを使用することができる。
【0041】鍛造の工程は、1回又は2回以上の何れで
もよいが、1回の鍛造で塑性加工を行う場合には、パイ
プ材の中心部の孔部15が潰れてしまう場合もあるた
め、簡単な孔開け作業を付加する必要が出てくる場合が
ある。さらに精密な加工を行う場合には、3回以上行っ
てもよいが、実施の形態に示したように、2回以内の加
工(2段打ち)で、充分に精度の高いアンカーを得るこ
とができる。軸部の先端部のスリット16を形成する工
程は、上記した通りアンカー本体部の塑性加工の前に行
うこともできる。スリット16を本体部の塑性加工の前
に行った場合には、スリットの間隔が押しつぶされて、
間隔が無くなってしまうが、スリットの切り込み自体
は、残されたままであるため、軸部の先端の拡開部が押
し広げられるに当たり、何ら問題は生じない。
【0042】図1から図4に図示したアンカーにおい
て、その先端部に形成されたスリット16に、図8に図
示したドリル刃8、9を挟持させて、固定することも可
能である。これにより自己穿孔機能を有するセルフドリ
リングアンカーを容易に製造することができる。この場
合には、アンカー本体部の頭部の形状を、例えば6角ボ
ルトの頭部の形状と同様にするなどして、回転締付工具
の回転係合部と係合しうる形状にする必要がある。ま
た、アンカーの軸部には、切り粉排除用の螺旋条の溝条
部や突条部を設けることが望ましい。ドリル刃8、9を
スリット16に固定するに際しては、強制的嵌合、かし
め、ろう付け等、各種の方法によって行うことができ
る。
【0043】頭部13、33、43の形状も種々設計変
更することができるが、セルフドリリングアンカーにお
いては、その頭部が回転締付工具の回転係合部と良好に
係合できる形状であることが必要である。軸部41の先
端部42に形成される凹所42aの長手方向の長さも適
宜必要に応じて自由に設定することができ、凹所42a
の深さや幅等も適宜自由に設定することができる。ま
た、凹所の数も2箇所以上設けられていればよい。ドリ
ル刃の形状も適宜自由に設計変更することが可能であっ
て、ドリル刃の上方基端側に、打ち込み用のピンが侵入
可能な切欠部を有し、その切欠部の両側に、アンカー本
体部の先端部に固定できる係合部が設けられていればよ
い。
【0044】
【発明の効果】本願発明は以下の効果を有する。本願の
第1の発明に係るアンカーの製造方法においては、アン
カー本体部の素材としてパイプ材を使用しているため、
既に予じめ孔部が形成されており、簡単な塑性加工を行
うことによって、アンカー本体部の基本的形態が成形さ
れる。つまり、従来のように軸部の軸芯部にピンを嵌入
させるための穿孔作業工程を必要とせず、且つ、軸部先
端にスリットを設ける工程も必要がなく、プレス鍛造等
の塑性加工のみによって簡単に各種アンカーの本体部の
形状が完成する。更に、従来の方法においては、ある程
度以上の長さのアンカーを製造することが困難であっ
て、その長さに制限があったが、本願発明に係る製造方
法では、長さの長いパイプ材を使用すればよく、アンカ
ーの長さに制限がなく、如何なる長さのアンカーをも製
造することができる。
【0045】本願の第2の発明に係る製造方法において
は、アンカー本体部の成形と同時に、軸部先端にドリル
刃が固定され、被固定物及び構造物に下孔を開ける機能
を有するいわゆる自己穿孔機能を有するセルフドリリン
グアンカーを容易に製造することが可能となる。本願の
第3の発明に係るアンカーは、アンカー本体部の素材と
してパイプ材を使用しているため、ピンを嵌入させるた
めの孔部を穿設する穿孔作業を必要とせず、更にまた、
軸部の先端のスリットを設ける作業をも全く不要とし、
パイプ材から塑性加工のみによって簡単に製造されうる
ものである。本願の第4の発明に係るアンカーは、いわ
ゆるセルフドリリングアンカーと言われるものであっ
て、上記第3の発明の効果に加えて、アンカー先端にド
リル刃が設けられているため、被固定物を構造物に固定
するに際して、予じめ下孔を電動ドリル等で穿孔する作
業が不要となり、このアンカーを使用して、被固定物を
構造物にセットして、被固定物の上から直接下孔を開
け、その後ピンを打ち込むことによって、被固定物が構
造物に固定さるうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るアンカーの製造方法を示してお
り、その(A)がパイプ材の正面図、その(B)がアン
カー本体部の軸部の先端部側の成形加工を示す説明図、
その(C)が軸部の上方基端部側の成形加工を示す説明
図、その(D)が軸部の先端部にスリットが形成された
状態の正面図、その(E)がアンカーが完成した状態の
正面図である。
【図2】本願発明の他の実施形態に係るアンカーを製造
する一成形工程を図示する説明図である。
【図3】本願発明の更に他の実施形態に係るアンカーを
製造する一成形工程を図示する説明図である。
【図4】本願発明の更に他の実施形態に係るアンカー本
体部の正面図である。
【図5】本願発明の更に他の実施形態に係るアンカーを
示し、その(A)が正面図、その(B)が底面図であ
る。
【図6】図5に示したアンカーの製造方法を図示してお
り、その(A)がパイプ材の正面図、その(B)がパイ
プ材の下方先端部の成形加工を示す説明図、その(C)
が下型67の平面図、その(D)がパイプ材の上方端の
頭部の成形加工を示す説明図、その(E)がアンカー本
体の先端部の底面図、その(F)が完成したアンカーの
正面図である。
【図7】本願発明の更に他の実施形態に係るアンカーを
図示したもので、先端部にドリル刃が固定されたいわゆ
るセルフドリリングアンカーを示し、その(A)が斜視
図、その(B)が先端部分の拡大正面図である。
【図8】アンカーの先端部に固定されるドリル刃を図示
しており、その(A)が図7に図示したアンカーに使用
されるドリル刃の正面図、その(B)がその側面図、そ
の(C)が他の実施形態に係るドリル刃の正面図、その
(D)がその側面図である。
【図9】アンカー本体部の先端部の成形と同時にドリル
刃を固定する方法を図示しており、その(A)が金型内
にドリル刃を配置して、アンカー本体部の先端部を成形
する方法の説明図、その(B)がその方法によって製造
されたアンカーの先端部の横断面図である。
【図10】従来のアンカーの製造方法を図示した説明図
であり、その(A)が線材の正面図、その(B)がアン
カーの頭部の成形工程の説明図、その(C)が完成され
たアンカー本体部の正面図、その(D)がピンを組み合
わせてアンカーが完成した状態の正面図である。
【図11】図10に示した従来のアンカーの使用方法を
示す説明図であって、その(A)が下孔にこのアンカー
をセットした状態を示し、その(B)がアンカーを固定
した状態を示す。
【符号の説明】
1…ピン、5…パイプ材、8、9…ドリル刃、10、4
0…本体部、11、41…軸部、12、42…先端部、
13、43…頭部、14、44…拡開部、15…孔部、
16…スリット、20…中間部、21、22…基端部、
65、68、69、75…上型、66、67…下型

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンカー本体部(40)の素材として金属製の
    パイプ材を用意し、 1回又は2回以上の塑性加工によりアンカー本体部(40)
    の軸部(41)の先端部(42)側の成形と、アンカー本体部の
    基端部側の成形を行い、 軸部(41) の先端部(42)側の成形によって軸部(41)の内
    径が縮小され、 アンカー本体部(40)の基端側から先端側に向かう孔部(1
    5)内に、軸部先端部(42)を拡開するための打込用ピン
    (1) を配して成るコンクリート等の構造物用のアンカー
    の製造方法。
  2. 【請求項2】穿孔機能を有するドリル刃(8)(9)を金型(6
    3)内に予じめ配置し、アンカー本体部(40)の軸部(41)の
    先端部(42)の成形と同時に、軸部(41)の先端部(42)に前
    記ドリル刃(8)(9)が固定されることを特徴とする請求項
    1に記載のアンカーの製造方法。
  3. 【請求項3】アンカー本体部(40)の素材として金属製の
    パイプ材を使用し、 1回又は2回以上の塑性加工によりアンカー本体部(40)
    の軸部(41)の先端部(42)側の成形と、アンカー本体部(4
    0)の基端部側の成形を行い、 軸部(41)の先端部(42)側の成形によって軸部(41)の内径
    が縮小され、 アンカー本体部(40)の基端側から先端側に向かう孔部(1
    5)内に、軸部先端部(42)を拡開するための打込用ピン
    (1) を配したものから成るコンクリート等の構造物用の
    アンカー。
  4. 【請求項4】穿孔機能を有するドリル刃(8)(9)がアンカ
    ー本体部(40)の軸部(41)の先端部(42)に固定されたこと
    を特徴とする請求項3に記載のアンカー。
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