JPH11116733A - 防振ゴム組成物 - Google Patents

防振ゴム組成物

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JPH11116733A
JPH11116733A JP28672497A JP28672497A JPH11116733A JP H11116733 A JPH11116733 A JP H11116733A JP 28672497 A JP28672497 A JP 28672497A JP 28672497 A JP28672497 A JP 28672497A JP H11116733 A JPH11116733 A JP H11116733A
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JP
Japan
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rubber
weight
vibration
compound
parts
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP28672497A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Kawaguchi
由貴 川口
Hiroya Ogami
寛也 小神
Tomihiro Saki
富博 崎
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車エンジン用等に用いる防振ゴムにお
いて、繰り返し変形に対する耐疲労性と、長期荷重によ
るへたりに対する耐性に優れるとともに、耐熱安定性に
優れた防振ゴムを与える組成物を提供する。 【解決手段】下記(1)〜(3)の特徴を備える。 (1)ゴム高分子成分が、ネオジム系触媒を用いて重合
した、シス含量が97%以上のブタジエンゴムと、天然
ゴムとのブレンドからなり、(2)下記一般式(I)で
表される化合物(A)と下記化学式(II)で表される化
合物(B)と、ゴムの加硫のための硫黄とを含み、
(3)ゴム高分子成分100重量部に対する前記化合物
(A)、(B)及び硫黄の添加重量部a、b及びsと、
ゴム高分子成分中におけるブタジエンゴムの重量%BR
が次式(i)〜(v)を満たす。 7≦(a+b+5×s)÷BR×100≦120
(i) a+b≦10 (ii) s≦3.0 (iii) a、b≧0.5 (iv) 10≦BR (v) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用エンジン
マウント等の防振ゴムに用いるための組成物に関する。
特には、天然ゴムその他ジエン系ゴムからなる防振ゴム
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や車両の振動を吸収し騒音を防止
するため、エンジンマウント、ストラットマウント、ボ
デーマウント等のマウント、トーショナルダンパー等の
ダンパー、及び、各種ブッシュに防振ゴムが用いられ
る。
【0003】防振ゴムを組成するゴム高分子成分として
は、防振性能と繰り返し変形に対する抵抗性とを備えた
ものである天然ゴム等のジエン系ゴムが一般に用いられ
る。このようなゴム高分子成分に、適当な充填材、油剤
等が配合された後に、加硫成形される。
【0004】自動車のエンジン等から発生する振動及び
騒音の伝達を抑制するためには、この振動や騒音の周波
数領域における防振ゴムの動バネ定数(貯蔵バネ定数)
をできれば静的バネ定数の値に近いところまで低減する
ことが望ましい。すなわち、動倍率(動的バネ定数/静
的バネ定数)を充分に低減することが要求される。また
防振性能を持続するためには、長時間にわたって荷重下
に使用した際の経時的な変形(クリープ)や、荷重解除
後の残留変形(へたり)を充分に小さくすることが要求
される。
【0005】このような要求に答えるべく、特願平8−
187873においては、ゴム高分子成分として、ネオ
ジム系触媒を用いて重合した、シス−1,4結合の含量
が97%以上のポリブタジエンを10〜80重量%含み
残部が天然ゴム等からなるものを用いることが提案され
た。これにより、動倍率及びへたりを低減することがで
きた。しかし、特願平8−187873の防振ゴム組成
物では、耐熱安定性が充分でなく、そのため、加熱を受
け続ける条件で長期に使用された場合の信頼性が充分で
なかった。
【0006】特に、エンジンマウントといった自動車用
防振ゴムは、加熱を受け続ける厳しい条件で使用され、
長期にわたる耐久性とその信頼性が要求される。
【0007】特開平3−146537においては、2−
メルカプトベンゾイミダゾールを一般的なアミン系熱安
定剤と併用することが提案され、これにより熱安定性能
を大幅に向上し得ることが示されている。
【0008】しかしながら、2−メルカプトベンゾイミ
ダゾールをジエン系ゴム材料に添加した場合には、スコ
ーチ安定性が極端に悪化するため工業的な利用は困難で
あり、さらに、加熱下での使用後における圧縮永久変形
(へたり)が極端に大きいという問題があった。
【0009】一般に、ジエン系ゴムに対して優れた効果
をもつ耐熱安定剤を使用した場合、防振ゴムのへたりに
対する耐性等を悪化させてしまう。そのため、必要な防
振特性とへたりに対する耐性とを保持したまま、充分な
耐熱安定性を付与することは困難であった。
【0010】一方、優れた耐熱安定性と必要な防振特性
を有するゴム組成物として、最近、特願平8−3238
45に提案されたものがある。これは、天然ゴム等のジ
エン系のゴムに対して、2−メルカプトベンゾイミダゾ
ールの亜鉛塩、又はそのメチル化誘導体と、4,4’−
ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン
と、n−tert−ブチル−ジ−(2−ベンゾチアゾー
ルスルフェンアミド)との3種を特定の配合率で併用す
ることにより、優れた耐熱安定性を付与したものであ
る。
【0011】しかし、特願平8−323845の防振ゴ
ム組成物においては、へたりやクリープの低減が必ずし
も充分でなく、防振ゴムの使用形態によっては、防振ゴ
ムの金具同士が干渉しあって異音を発生させるおそれが
あった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記で説明した従来の
防振ゴム組成物では、へたりに対する耐性と耐熱安定性
とを兼ね備えることができなかった。このため、近年、
自動車メーカー間の性能についての競争が激化するに伴
って年々厳しさを増しつつある防振ゴムの耐久性能の要
求に必ずしも十分に答えることができなかった。
【0013】本願発明は、上記問題点に鑑み、防振性能
と、繰り返し変形に対する耐疲労性と、長期荷重による
へたりに対する耐性に優れるとともに、耐熱安定性に優
れた防振ゴムを与える組成物を提供する。
【0014】なお、本明細書において熱劣化及び熱安定
剤の用語は、それぞれ熱によって促進される酸化劣化及
びそれに対する安定剤を含むものとする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の防振ゴム
組成物においては、下記(1)〜(3)の特徴を備え
る。
【0016】(1)ゴム高分子成分が、ネオジム系触媒
を用いて重合した、シス−1,4結合の含量が97%以
上のブタジエンゴムと、天然ゴムとのブレンドから、ま
たはこのブタジエンゴム単独からなり、(2)下記一般
式(I)で表される化合物(A)と下記化学式(II)で
表される化合物(B)と、ゴムの加硫のための硫黄とを
含み、(3)ゴム高分子成分100重量部に対する前記
各化合物(A)、(B)及び硫黄の添加重量部a、b及
びsと、前記ゴム高分子成分中における前記ブタジエン
ゴムの重量%BRが次式(i)〜(v)を満たす。
【0017】 7≦(a+b+5×s)÷BR×100≦120 (i) a+b≦10 (ii) s≦3.0 (iii) a、b≧0.5 (iv) 10≦BR (v)
【化2】 上記構成により、繰り返し変形に対する耐疲労性と、長
期荷重によるへたりに対する耐性に優れるとともに、耐
熱安定性に優れた防振ゴムを提供する。
【0018】請求項2記載の防振ゴム組成物において
は、前記化合物(A)の添加重量部の前記化合物(B)
の添加重量部に対する比率a/bが、次式(vi)を満た
すことを特徴とする。
【0019】 0.5≦a/b≦2.0 (vi) 請求項3記載の防振ゴム組成物においては、請求項1記
載の防振ゴム組成物において、ジエン系ゴム100重量
部に対する前記各化合物(A)、(B)及び硫黄の添加
重量部a、b及びsと、前記ゴム高分子成分中における
前記ブタジエンゴムの重量%BRが、次式(vii)を満
たすことを特徴とする。
【0020】 23≦(a+b+5×s)÷BR×100≦70 (vii)
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の防振ゴム組成物に用いる
ゴム高分子成分は、ネオジム系触媒を用いて重合した、
シス−1,4結合の含量が97%以上のブタジエンゴ
ム、またはこのブタジエンゴムと天然ゴムとのブレンド
である。
【0022】ネオジム系触媒以外の従前のブタジエン重
合触媒、例えば、コバルト触媒やニッケル触媒を用いて
重合したブタジエンゴムを使用する場合は、シス−1,
4結合の含量が97%以上のものであっても、充分な動
倍率低減の効果が得られない。
【0023】ネオジム(Nd)系触媒とは、ネオジム単
独、またはネオジムと他の金属等からなる複合触媒であ
る。ネオジム系触媒を用いた場合に、ゴム高分子の分岐
度、分子量分布、及び、トランス結合の分子内分布等の
組み合わせが、防振ゴムの動バネ定数の低減、及び、減
衰性能の増大に適したものとなる。
【0024】ブタジエンゴムの重合は、溶液重合又はエ
マルジョン重合により行われるが、溶液重合によるもの
がより好ましい。
【0025】シス−1,4結合の含量が97%未満の場
合は、ネオジム系触媒を重合触媒として用いたものであ
っても、動倍率の低減や減衰性能の増大において充分な
効果が得られない。
【0026】ここで、天然ゴムの語には、合成天然ゴム
(1,4−シス形ポリイソプレン)を含むものとする。
【0027】ブタジエンゴムと天然ゴムとからなるゴム
高分子成分におけるブタジエンゴムの含量は、5〜60
重量%、好ましくは、10〜50重量%、より好ましく
は、15〜30重量%である。ゴムブレンドにおいて、
天然ゴムの連続相中にブタジエンゴムが細かく島状に分
散するのが引っ張り特性等の物性上好ましい。
【0028】ゴム高分子成分には、他のジエン系ゴム、
例えば、SBRが30重量%まで混合されても良い。
【0029】本発明の防振ゴム組成物に用いる熱安定剤
化合物は、下記一般式(I)で表される化合物(A)
(2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、又はそ
のメチル化誘導体)と、下記化学式(II)で表される化
合物(B)(4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベン
ジル)ジフェニルアミン)である。
【0030】
【化3】 これら安定剤化合物の添加量は、ゴム高分子成分100
重量部に対して、合計添加量a+bが10重量部以下
(すなわち10phr以下)の範囲内となり、安定剤化
合物A及びBの添加量a,bが少なくとも0.5重量部
となるよう添加される。合計添加量a+bが10重量部
を越えると、ムーニースコーチ時間が短く成りすぎる等
の理由で加工性に難がある。合計添加量a+bは、好ま
しくは、1〜8重量部、より好ましくは2〜4重量部で
ある。安定剤化合物A及びBのいずれかの添加量が0.
5重量部より少ない場合には、熱安定性が不十分とな
る。
【0031】また、安定剤化合物Aの添加量aについて
の安定剤化合物Bの添加量bに対する比率は、0.5〜
2.0が好ましく、1.0前後が最適となる。これは、
安定剤化合物Aと安定剤化合物Bとの相乗作用と関係し
ていると思われる。
【0032】本発明の防振ゴム組成物には、また、加硫
のための硫黄が含まれる。硫黄は、ゴム高分子成分10
0重量部に対する添加量が、3.0重量部以下となるよ
うに加えられる。好ましい添加量は0.5〜2重量部で
あり、最適添加量は1.0重量部前後である。硫黄の添
加量が少なすぎると加硫すなわち架橋による3次元化が
充分でなく、硫黄の添加量が多すぎた場合には、過剰な
架橋によって、物性を損なう。
【0033】前記各化合物(A)、(B)及び硫黄は、
ゴム高分子成分100重量部に対する添加重量部a、b
及びsと、前記ゴム高分子成分中における前記ブタジエ
ンゴムの重量%BRが次式(i)を満たすように加えら
れる。
【0034】 7≦(a+b+5×s)÷BR×100≦120 (i) (i)式で表される配合特性値が7未満であると、熱劣
化前の初期の機械物性が低いものとなる。
【0035】一方、(i)式による配合特性値が120
を越えると、促進劣化試験後における引っ張り強度の保
持率と伸びの保持率が低くなり、また、耐へたり性が低
下する。したがって、エンジンマウント等に用いた場合
に、製品寿命が短くなる。
【0036】(i)式による配合特性値は、好ましく
は、14〜95、より好ましくは23〜70である。
【0037】配合の最適例を示すならば、ブタジエン含
量30重量%のゴム高分子成分100重量部に対して、
安定剤化合物A2重量部、安定剤化合物B2重量部、及
び硫黄1重量部である。このような配合のとき、総合的
な性能が最適となる。この配合のとき、上記配合特性値
は30となる。
【0038】(試験方法) <混練>表面温度50℃に調整されたミキシングロール
に天然ゴム(RSS#3、すなわちリブド・スモークド
・シート3号)とブタジエンゴム(バイエル社製BUN
A CB22)とを巻き付け所定の重量比で充分混合し
た。この後、このブレンドゴム材料100重量部に対し
て、耐熱安定剤として2−メルカプトベンゾイミダゾー
ルの亜鉛塩(安定剤化合物A、大内新興化学工業(株)
製ノクラックMBZ)1〜5重量部と、4,4’−ビス
(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(安
定剤化合物B)1〜5重量部を加えた。安定剤化合物B
として、実施例においては、大内新興化学工業(株)製
ノクラックCDを用い、比較例においては、住友化学工
業(株)製アンチゲンFRを用いた。次いで、FEF級
カーボンブラック(CB)30重量部、酸化亜鉛(Zn
O)3重量部、ステアリン酸2重量部、マイクロクリス
タリンワックス1重量部、加硫促進剤としてフレキシス
(株)製サントキュアーTBSI 2重量部及び大内新
興化学工業(株)製ノクセラーTS 1重量部、及び、
硫黄0.5〜3.5重量部をこの順で逐次添加した。
【0039】<ムーニー・スコーチ時間>混練終了後の
未加硫ゴムについて、JIS K 6300に準拠し
て、島津製作所(株)製SMV−200を用い125℃
にて粘度が最低粘度から5ポイント(ムーニー単位)増
加するまでの時間(分)を測定した。
【0040】<引っ張り試験>混練終了後の未加硫ゴム
をロールでシート状にし、熱プレスにて150℃30分
加熱して2mm厚の加硫ゴムのシートを得た。このシー
トを3号ダンベルで打ち抜いた試片について、東洋精機
製作所(株)製ストログラフRを用いて引っ張り試験を
行った。これらはJIS K 6301に準拠して行っ
た。
【0041】<促進劣化試験>引っ張り試験用試験片を
90℃に調整した恒温乾燥機中1000時間放置した。
この後、上記引っ張り試験を行い、上記促進劣化前の値
に対する保持率(%)を算出した。
【0042】また、混練終了後の未加硫ゴムを熱プレス
にて150℃30分圧縮成形して円柱形試片(径29m
m×高さ12.7mm)を作成し、上記と同様の促進劣
化後に、JIS K 6301に準拠して圧縮永久歪み
(%)を測定した。
【0043】<エンジンマウント製品クリープ試験>混
練終了後の未加硫ゴムを用いて、図1の縦断面図に示す
2液室1空気室式エンジンマウントを作成した。各ゴム
部材は150℃30分の加熱により加硫成形した。ここ
で、エンジンマウントの上下の取付金具11,13間の
寸法は140mmであり、本体金具1の上端屈曲部にお
ける本体ゴム部2の直径(ストッパー用張り出し部分1
bを無視する)は150mmである。また、本体ゴム部
2の中心部における厚さは45mmである。図1は、ゴ
ム膜及び金属板の厚さを除き、寸法関係が正確になるよ
う描かれたものである。
【0044】このようなエンジンマウントについて、J
IS K 6385に記載の熱老化試験に準拠して、9
5kgの一定の圧縮荷重を90℃で1000時間加えた
後の、へたり(クリープ後、荷重解除後の残留歪み)の
量を測定した。
【0045】<エンジンマウント製品耐疲労性試験>上
記のクリープ試験後のエンジンマウントについて、JI
S K 6385に記載の定荷重耐久試験に準拠して、
95kg±95kgの範囲の正弦波状の引っ張り荷重を
5ヘルツの周期で繰り返し与え、破断するまでの回数を
測定した。
【0046】(実施例及び比較例)試験に用いた防振ゴ
ム組成物の配合と、得られた防振ゴムの物性及び耐久性
について表1にまとめて示す。特に、天然ゴムとブタジ
エンゴムとのブレンドからなるゴム高分子成分における
ブタジエンゴムの重量%BRと、このゴム高分子成分に
対する耐熱安定剤化合物(A)、(B)及び硫黄の添加
重量部a、b及びsとを変化させた場合の、配合特性値
(a+b+5×s)÷BR×100と、防振ゴムの耐久
性との関係について示す。
【0047】
【表1】 上記表1における耐久試験結果と配合特性値(a+b+
5×s)÷BR×100との関係について図2〜6にグ
ラフで示す。図2〜6は、それぞれ、引っ張り強度保持
率、伸びの保持率、圧縮永久変形、クリープ後のへた
り、及び耐疲労性と配合特性値との関係を示す。
【0048】これらの図中において、白抜きプロット
は、前記の(ii)〜(v)式(a+b≦10、 s≦
3.0、 a,b≧0.5、 10≦BR)を満足する
範囲のものについてのものであり、塗りつぶしプロット
はこの範囲から外れるものである。
【0049】図2〜6に示す耐久性試験結果は、前記の
(ii)〜(v)式を満足する限り、上記配合特性値の増
加により一様に変化し、特に配合特性値100〜150
の範囲で顕著に増加または減少している。
【0050】表1及び図2に示す、引っ張り強度の保持
率は、配合特性値が100までの領域で56〜63%で
あるが、配合特性値120で50%に低下し、さらに配
合特性値145では、42%にまで低下している。
【0051】なお、初期物性の要求値は、引っ張り強度
17MPa以上、かつ、伸び400%以上であるが、表
1に示す実施例及び比較例は全てこの要求値を満足する
ものである。
【0052】表1及び図3に示す、引っ張り試験時の伸
びの保持率も全く同様に、配合特性値が100までの領
域(実施例1〜4)で57〜63%以上であるが、配合
特性値120(実施例13)で51%に低下し、さらに
配合特性値145(比較例1)では、41%にまで低下
している。
【0053】引っ張り強度の保持率及び伸びの保持率に
ついて、現在、50%以上であることが要求されてお
り、配合特性値120前後までのものが使用可能であ
る。配合特性値が低いほどこれら保持率が高いのである
が、一方では、引っ張り強度がいくぶん低下してしま
う。したがって、強度及び伸びの保持率と、初期の強度
とを考慮すると、実施例8(配合特性値が30)が最も
好ましいと考えられる。
【0054】表1及び図4に示す、圧縮永久歪みにおい
ても、配合特性値が100までの領域で38〜44%で
あるが、配合特性値120で45%となり、さらに配合
特性値145では、53%にまで増加している。圧縮永
久歪みについては45%以下であることが要求されてお
り、配合特性値120までのものが使用可能である。
【0055】表1及び図5に示す、クリープ後のへたり
においては、配合特性値が100までの領域で4.9〜
5.6mmであるが、配合特性値120で6.0mmま
で上昇し、さらに配合特性値145では、6.3mmに
まで上昇している。クリープ後のへたりについては6.
0mm以下であることが要求されており、配合特性値1
30までのものが使用可能である。
【0056】表1及び図6に示す、破断までの繰り返し
変形回数(耐疲労性の指標)においても、配合特性値が
100までの領域で215〜230万回であるが、配合
特性値120で200万回となり、さらに配合特性値1
45では、175万回にまで低下している。破断までの
繰り返し変形回数については200万回以上であること
が要求されており、配合特性値120までのものが使用
可能である。
【0057】耐疲労性及び耐へたり性は、上記の保持率
及び圧縮永久歪みと同様、配合特性値が低いほど良好で
ある。
【0058】表1中段に示す強度及び伸び率の初期値
と、これら図2〜6に示す耐久性能とを勘案した場合、
配合特性値が30である実施例8のものが最適といえ
る。したがって、配合特性値の最も好ましい範囲は、2
3〜70程度と考えられる。
【0059】以上に説明したように、配合特性値が適切
な範囲であるならば、繰り返し変形に対する耐疲労性
と、長期荷重によるへたりに対する耐性に優れるととも
に、耐熱安定性に優れた防振ゴムが得られる。
【0060】
【発明の効果】繰り返し変形に対する耐疲労性と、長期
荷重によるへたりに対する耐性に優れるとともに、耐熱
安定性に優れた防振ゴムを与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリープ試験及び耐疲労試験に用いた、エンジ
ンマウントの縦断面図である。
【図2】実施例及び比較例における配合特性値((a+
b+5×s)÷BR×100)と、促進劣化試験後にお
ける引っ張り強度の保持率との関係について示すグラフ
である。
【図3】実施例及び比較例における配合特性値((a+
b+5×s)÷BR×100)と、促進劣化試験後にお
ける引っ張り伸びの保持率との関係について示すグラフ
である。
【図4】実施例及び比較例における配合特性値((a+
b+5×s)÷BR×100)と、促進劣化試験後にお
ける圧縮永久歪みとの関係について示すグラフである。
【図5】図1のエンジンマウント製品を作成した場合
の、実施例及び比較例における配合特性値((a+b+
5×s)÷BR×100)と、クリープ試験後における
へたりとの関係を示すグラフである。
【図6】図1のエンジンマウント製品を作成した場合
の、実施例及び比較例における配合特性値((a+b+
5×s)÷BR×100)と、破断に至る繰り返し変形
回数との関係について示すグラフである。
【符号の説明】
1 筒状の本体金具 1a 本体金具の突出片部 1b 本体金具の突出片部を埋設した、本体ゴム部の張
り出し部分 2 本体ゴム部 2a 本体金具の内周に接続する筒状ゴム部 2b シールゴム部 3 下側取付金具 4 ゴム膜からなるダイアフラム 4a ダイアフラムの周縁部に埋設された締結用のリン
グ状補助金具 4b シールゴム部 5 ストッパ兼用の仕切金具 6,7 封入液室 8 空気室 9 封入液室間の流通孔 10 下側取付金具のための取付用ボルト 11 上側取付金具 12 上側取付金具のための取付用ボルト 12a 上側の取付用ボルトのアンカー部 13 略L字形の金属板からなるスタビライザ 13a,13b スタビライザのストッパー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16F 1/36 F16F 1/36 C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(1)〜(3)の特徴を備えた防振ゴ
    ム組成物。 (1)ゴム高分子成分が、ネオジム系触媒を用いて重合
    した、シス−1,4結合の含量が97%以上のブタジエ
    ンゴムと、天然ゴムとのブレンドから、またはこのブタ
    ジエンゴム単独からなり、 (2)下記一般式(I)で表される化合物(A)と下記
    化学式(II)で表される化合物(B)と、ゴムの加硫の
    ための硫黄とを含み、 (3)ゴム高分子成分100重量部に対する前記各化合
    物(A)、(B)及び硫黄の添加重量部a、b及びs
    と、前記ゴム高分子成分中における前記ブタジエンゴム
    の重量%BRが次式(i)〜(v)を満たす。 7≦(a+b+5×s)÷BR×100≦120 (i) a+b≦10 (ii) s≦3.0 (iii) a、b≧0.5 (iv) 10≦BR (v) 【化1】
  2. 【請求項2】請求項1記載の防振ゴム組成物において、 前記化合物(A)の添加重量部の前記化合物(B)の添
    加重量部に対する比率a/bが、次式(vi)を満たすこ
    とを特徴とする防振ゴム組成物。 0.5≦a/b≦2.0 (vi)
  3. 【請求項3】請求項1記載の防振ゴム組成物において、 ジエン系ゴム100重量部に対する前記各化合物
    (A)、(B)及び硫黄の添加重量部a、b及びsと、
    前記ゴム高分子成分中における前記ブタジエンゴムの重
    量%BRが、次式(vii)を満たすことを特徴とする防
    振ゴム組成物。 23≦(a+b+5×s)÷BR×100≦70 (vii)
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009051897A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Toyo Tire & Rubber Co Ltd スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2009242582A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 防振ゴム用ゴム組成物及び防振ゴム
JP2013108080A (ja) * 2011-11-21 2013-06-06 Bridgestone Sports Co Ltd ゴルフボール用ゴム組成物
WO2014196554A1 (ja) * 2013-06-07 2014-12-11 株式会社ブリヂストン 防振ゴム用ゴム組成物

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