JPH11115005A - ガラス繊維強化ポリプロピレン成形体の製造方法 - Google Patents

ガラス繊維強化ポリプロピレン成形体の製造方法

Info

Publication number
JPH11115005A
JPH11115005A JP9297702A JP29770297A JPH11115005A JP H11115005 A JPH11115005 A JP H11115005A JP 9297702 A JP9297702 A JP 9297702A JP 29770297 A JP29770297 A JP 29770297A JP H11115005 A JPH11115005 A JP H11115005A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypropylene
glass fiber
acid
injection molding
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9297702A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3824402B2 (ja
Inventor
Takeshi Moriwaki
毅 森脇
Toshiharu Sakaguchi
俊春 阪口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kishimoto Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Kishimoto Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kishimoto Sangyo Co Ltd filed Critical Kishimoto Sangyo Co Ltd
Priority to JP29770297A priority Critical patent/JP3824402B2/ja
Publication of JPH11115005A publication Critical patent/JPH11115005A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3824402B2 publication Critical patent/JP3824402B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 品質のよいガラス(GW)繊維強化ポリプ
ロピレン(PP)成形体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】充分に酸変性したPPを少量配合して、無
変性のPPとGWとの界面接着性の改善をなすのではな
く、全体としての酸変性率は同じであるが、均等に全て
のPPを酸変性させてGWとの界面接触性の改善を図
る。更に、これを踏まえて、 1.射出成形機に供給するPP、カルボン酸、有機過酸
化物、GWの形状、寸法、比率等を最適なものとする。 2.原料の酸変性、溶融、混練に混練機構を備えたスク
リュー型射出成形機を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安価かつ機械的強
度に優れたガラス繊維強化ポリプロピレン(FRPP)
成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂は、
機械的強度、化学的性質、耐熱性、成形性に優れ、更に
は軽量かつ安価な材料である。このため、機械部品等の
射出成形体に広く使用され、今後ますますその用途が拡
大していくものと予測されている。
【0003】ところで、ガラス繊維強化ポリプロピレン
成形体の主構成材料であるであるポリプロピレン(P
P)は極性を有さないので、ガラス繊維に対する界面接
着性が悪い。よって、単にポリプロピレンとガラス繊維
とを溶融混練しても殆ど補強効果が得られない。このた
め、従来よりガラス繊維強化ポリプロピレンの製造に
は、ガラス繊維の表面をシランカップリング剤等で処理
して、ポリプロピレンとの界面接着性の向上を図ったガ
ラス繊維が使用されている。
【0004】しかし、シランカップリング剤等で処理し
た変性ガラス繊維を用いても、ポリプロピレンとの界面
接着性は殆ど改善できない。短繊維のガラス繊維を用い
た場合には、ポリプロピレンからガラス繊維がわずかな
力でも剥離するためマトリックス樹脂がガラス繊維へ力
を伝えることができず、十分な機械的強度を持つ複合材
が得られない。
【0005】これを改良するため、主原料としてのポリ
プロピレン中に、別途製造した0.4〜5重量%酸変性
した、即ちいわば充分に酸変性のなされたポリプロピレ
ンを、全体の酸変性量が0.05%〜1%程度になるよ
うに配合する、従っていわば充分に酸変性のなされたポ
リプロピレンを酸変性していないポリプロピレンに対し
て、例えば1/5〜1/3程度混入することもなされて
いる。これは、図2に概念的に示すごとくガラス繊維2
1の周囲を酸変性したポリプロピレンがガラス繊維と、
或いはその表面のシランカップリング剤と化学結合し
て、変性ポリプロピレン22の界面相(層)が生じ、そ
の周囲を酸変性していないポリプロピレン23の相
(層)が取り囲む構造として、ガラス繊維とポリプロピ
レンとの界面接着性を高め、これにより複合体の強度を
発現することができるとされている。
【0006】しかしながら、このためには別途、酸で
0.4〜5重量%変性させたポリプロピレンのペレット
を製造し、これを酸変性していないポリプロピレンのペ
レット及びガラス繊維と溶融混練して押出成形すること
により、ガラス繊維強化ポリプロピレン成形体を製造す
る必要がある。この、ポリプロピレンを酸で変性させる
ため別の工程が必要となる。しかも酸変性したポリプロ
ピレンはその生産量が少ない等のため価格が高くなり、
ひいては、ガラス繊維強化ポリプロピレンやこれを用い
た成形体の価格上昇を招く。
【0007】このため、その対策として、酸変性した高
価なポリプロピレンの配合量(配合割合)を少なくする
ため、酸変性度を上げるなどの対策がとられるが、これ
はますます変性ポリプロピレンの価格を上げることにも
なる。
【0008】次に、酸変性したポリプロピレンを一旦ペ
レット化したものが原料として使用されることとなる。
このため、、ペレット製造のための高温のストランド時
に一部酸化したものを使用することとなり、射出成形品
の見栄えも劣る。これらの為、ガラス繊維強化ポリプロ
ピレン成形体が、特にその射出成形体が今後より一層使
用されていくためには、現在のものより更に安価かつ強
度があり、しかも見栄えもよいものとする必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題に
鑑みなされたものであり、機械的強度等に優れ、安価で
しかも見栄えのよいガラス繊維強化ポリプロピレン成形
体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
達成のためガラス繊維強化ポリプロピレン成形体におけ
るガラス繊維によるポリプロピレンの強化の機構そのも
のや、更にはそれをふまえてのその製造方法について鋭
意研究した。その結果、ガラス繊維との充分な界面接着
性を得るためには、ポリプロピレン全体の酸変性度が同
じあるいはほぼ同じであるならば、何もいわば高濃度に
酸変性したポリプロピレンを無変性のポリプロピレンに
所定量混入しなくてもよいことを、すなわち、ポリプロ
ピレン全体が均一に一定の酸変性度を有してさえすれば
よいことを見出した。
【0011】これは、高濃度に変性したポリプロピレン
は、ガラス繊維に強固に接着するため、その分子運動が
阻げられて界面相が脆性になり、無変性ポリプロピレン
相との間に応力集中を生じ、これが複合材の強度を決定
する。従って、ガラス繊維ポリプロピレン形成体の強度
を効果的に上げるには、ポリプロピレン相の酸変性度を
最適に調節し、かかる応力集中を生じないようにするの
が好ましい。即ち、従来と同じ変性量であり、ポリプロ
ピレンを均一に変性させたものとするのが好ましい。
【0012】更に、このことを踏まえて、好適に原料組
成を調整し、かつ特定の混練機構を備えたスクリュー型
射出成形機を用いて、ポリプロピレンに対する酸変性
と、ポリプロピレンとガラス繊維の混練とを同時進行的
に行い、この混練物を直接射出成形して成形体となす
と、生産性よく機械的強度に優れたガラス繊維強化ポリ
プロピレン成形体を得ることができることを見いだし、
本発明を完成させた。本発明は、具体的には下記の構成
を有している。
【0013】請求項1記載の発明は、射出成形機を使用
したガラス繊維強化ポリプロピレン成形体の製造方法で
あって、ポリプロピレンに対する酸変性工程と、前記酸
変工程と同時進行的になされるポリプロピレンとガラス
繊維との混練工程と、前記両工程にて製造された溶融混
練物を一旦ペレット状に加工することなく直接金型へ射
出成形する射出成形工程とを有していることを特徴とし
ている。
【0014】上記構成により、混練機構を有する射出成
形機内にて、全てのポリプロピレンが一様、かつガラス
繊維と適切な界面接着性を有するように酸変性され、ひ
いてはガラス繊維と接着する界面相の脆化や変性してな
いポリプロピレン相との間の応力集中も生ぜず、このた
め優れた機械的強度を有するガラス繊維強化ポリプロピ
レン成形体が製造される。
【0015】請求項2記載の発明は,請求項1の発明に
おける酸変性工程、ポリプロピレンとガラス繊練工程、
及び射出成形工程は、(1) 平均粒子径1mm以下の粒状
ポリプロピレンを100部と、(2) 平均粒子径1mm以
下のカルボン酸、ジカルボン酸若しくはそれらの無水物
を0.05−1.0部と、(3) 半減期が1分で、分解温
度が150℃ないし250℃の液状体若しくは微粒子状
の有機過酸化物、または半減期が1分で、分解温度が1
50℃ないし250℃の有機過酸化物を含む平均粒子径
1mm以下の有機過酸化物マスターバッチを0.01−
0.2部と、(4) ガラス繊維チョップドストランドを2
5−150部とからなる原料を対象としてなされるもの
であることを特徴としている。
【0016】上記構成により、各原料の配合比と粒径が
好適に設定される。そして、この原料混合物を混練機構
を備えた射出成形機へ供給することとなる。この場合、
原料の配合比と粒径が適切であるので、射出成形機内で
の全てのポリプロピレンの酸変性と混練とが適切になさ
れる。したがって、機械的強度に優れた良好な成型体が
極めて生産性よく製造できることとなる。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の発明の酸変性工程に使用する酸やカルボン
酸、ジカルボン酸若しくはそれらの無水物が、マレイン
酸若しくは無水マレイン酸であることを特徴とする。上
記構成により、安価なマレイン酸若しくは無水マレイン
酸を用いてポリプロピレンへのカルボン酸の付加反応が
円滑になされる。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項2または請
求項3記載のガラス繊維強化ポリプロピレン成形体の製
造方法の発明において、各工程で処理の対象とされる原
料のカルボン酸、ジカルボン酸若しくはそれらの無水物
及び有機過酸化物マスターバッチの平均粒子径が、原料
の粒状ポリプロピレンの平均粒子径と同等以下であるこ
とを特徴としている。
【0019】上記構成により、カルボン酸等とポリプロ
ピレンとの混合が良好になされるとともに、各粒子が小
さいためカルボン酸等にポリプロピレンが十分に接触す
るので、酸変性が一層円滑に進行する。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項1ないし請
求項4記載の射出成形機は、混練機構を有するスクリュ
ー型射出成形機であって、原料供給口から供給された原
料を予熱しながら下流側に送る予熱フィードゾーンと、
予熱フィードゾーンから送られて来た原料を混練する混
練ゾーンとを少なくとも備え、上記混練ゾーンにおける
スクリューは、連続した螺旋状のフライトを少なくとも
1条有し、上記フライトは、縦断面形状における原料の
送り方向前方側の壁がスクリューの回転軸に直交若しく
はほぼ直交する一方、回転方向後方側の壁がスクリュー
直径を徐々に小さくするように形成され、上記混練ゾー
ンにおけるシリンダは、スクリューの軸方向に連続する
若しくは断続する台形、半円等の凹部を少なくも1条有
し、更に上記フライトの頂面とシリンダの内面との間に
は、原料にずり剪断が働く程度の間隙が形成されたもの
であることを特徴としている。
【0021】上記構成により、混練機構を有するスクリ
ュー型射出成形機に供給された原料混合物は、予熱フィ
ードゾーンにて熱せられ、ポリプロピレンが融点近くま
で加熱され、また有機過酸化物が分解温度まで加熱され
る。次の混練ゾーンにおいては、フライト頂面とシリン
ダ内面との間隙により原料のずり剪断がなされ、しか
も、上記間隙は適正に設定されているので、過度のずり
剪断力が作用して、ガラス繊維が過度に切断されること
がない。このため、ポリプロピレンの酸変性が十分に進
行すると共に、変性したポリプロピレンとガラス繊維と
の混練が適正になされる。この溶融混合物は、シリンダ
壁面の半円形、台形等の凹部を巡還し、しかもスクリュ
ーフライトで切断、再混合が行われ、均一な溶融物にな
る。その様子を図3に示す。そして、適切に変性したポ
リプロピレンとガラス繊維の混練物が射出成形機のスク
リュー先端に貯留する。しかる後、射出成形機へ取り付
けられた金型内へ射出され成形体となる。このため、機
械的強度に優れたガラス繊維強化ポリプロピレン成形体
が得られる。
【0022】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明におけるスクリュー型射出成形機の混練機構における
フライト頂面とシリンダー内面との間隙が、0.1〜1
mmであることを特徴としている。上記構成により、フ
ライト頂面とシリンダ内面とのずりせん断が、溶融混合
物の粘度等との関係で一層良好になされる。
【0023】請求項7記載の発明は、請求項5又は請求
項6記載の発明の前記スクリュー型射出成形機の混練ゾ
ーンは、スクリュー型射出成形機のシリンダー部の内径
をDとしたとき、1D〜5Dの範囲、より好ましくは、
1.5D〜3Dの範囲内であることを特徴としている。
上記構成により、ポリプロピレンの均一かつ充分な酸変
性と、この酸変性したポリプロピレンのガラス繊維との
混合が、ガラス繊維の切断等の少ない状態でなされる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。まず、原料について説明する。ポリプロピ
レンであるが、最終製品の使用目的によって、ホモポリ
マー、ブロックコポリマーの何れかが使用される。すな
わち、もっぱら引張強度や剛性を高めたいときはホモポ
リマーを、一方耐衝撃性が必要なときには好ましくはブ
ロックコポリマーを使用する。
【0025】本発明においては、ポリプロピレンの形態
としては、ペレットでなく粒度が直径1mm以内の粒状
ポリプロピレンが最も好ましい。かかるポリプロピレン
としては、顆粒状の平均粒度0.6〜0.7mmの材料
が市販されており、これが最も好ましい。但し、この発
明はこれに限定するものではない。
【0026】また、重合後の未ペレット品でも使用でき
るが、これらには粒子径100μ以下の微粒子が多く含
まれるため粉塵が発生しやすく、作業環境上好ましくな
いばかりか粉塵爆発の恐れもある。このような原料に対
しては、適当な湿潤剤を添加するのが好ましい。かかる
湿潤剤としては、アルキル・ナフタレン・スルホン酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレン・ソルビタン・モノラウ
レート、ポリエチレングリコール、グリセリン、流動パ
ラフィンなどがあるが、これに限られるものではない。
【0027】また、ポリプロピレンの材質の面からは、
酸化防止剤が含有されていないのが好ましい。
【0028】次に、変性に使用するカルボン酸、ジカル
ボン酸若しくはそれらの無水物であるが、通常は、2官
能性であること、安価なことよりマレイン酸の無水物が
使用される。ここで、マレイン酸でなく、その無水物と
したのは立体障害、極性因子等の面からモノマー反応性
が高くグラフトし易いことによる。その他、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無
水物などが使用可能である。
【0029】有機過酸化物としては、半減期1分間の分
解温度が150℃〜250℃、好ましくは160℃〜1
80℃のものが使用できる。これらには、ラウロイルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャ
リブチルパーオキサイド、ターシャリブチルパーベンゾ
エート、ジクミルパーオキサイドなどがある。
【0030】分解温度が150℃より低い有機過酸化物
は、ポリプロピレンが溶融する前に分解して効果を失
い、また分解温度が250℃より高い有機過酸化物は、
射出成形機のシリンダー内の滞留時間内に作用すること
ができず、ポリプロピレンからの水素引き抜き反応の機
会がなくなる。つまり、何れの場合もポリプロピレンの
酸変性度が低く、効果が低くなる。
【0031】この有機過酸化物は、粉体でも液状でも使
用できるが、均一にブレンドできる点では液状のものが
好ましいが、分解する前に揮発して損失することもあ
る。そのため、沸点の高い粉体の方が好ましい。粉体の
ものはそのままでは爆発の恐れがあり、このため、作業
の危険防止の見地から、パラフィンワックスなどに50
〜80重量%配合したマスターバッチの形態で使用する
のがよい。しかしこの場合、マスターバッチの粒度はポ
リプロピレンと同程度であることが必要条件である。
【0032】この有機過酸化物の配合量は、ポリプロピ
レン100部に対し、0.01〜0.2部である。これ
よりも配合量が少ないと、酸変性が不充分となり、また
これより多いとポリプロピレンの分子量が低下し、製品
の強度が損なわれることにもよる。ガラス繊維は、通常
直径10μm程度(耐折損性等の面からは、大体5〜1
5μの範囲内)、長さ3〜6mm程度のE−ガラスであ
り、また表面は変性ポリプロピレンとの界面接着性がよ
り良好となるべく、あらかじめシランカップリング剤で
処理されているものがよい。なお、シランカップリング
剤としては通常アミノシラン、エポキシシラン、アクリ
ルシランが使用される。
【0033】また、ガラス繊維を収束するために、ポリ
ウレタン、エポキシ樹脂などをフィルムフォーマーとし
て使用している。そして、ガラス繊維は数百〜千本収束
し、これを3mm程度に切断した、いわゆるチョップド
ストランドの形態で供給される。なお、ガラス繊維は、
あまり長くなると分散性が低下するため好ましくなく、
また短すぎるのも取扱い、製品強度の面等から好ましく
ない。
【0034】各原料の配合比であるが、ポリプロピレン
とカルボン酸と有機過酸化物の配合比は、ポリプロピレ
ンの酸による変性量が少なすぎるとガラスとの適切な接
着性を得ることができず、多すぎても接着性向上には限
界があるのみならずポリプロピレンの分子量が低下し、
組成物の強度が低下する。一般的には、無水カルボン酸
はポリプロピレンに対して0.05〜1.0重量%であ
り、より好ましくは0.1〜0.2重量%である。
【0035】次に、スクリュー式可塑化機構における混
練機構については、周知技術であるため、一般的な説明
は省略する。
【0036】本発明では、特公昭56−47847号公
報にて公開されている混練機構を備えたスクリュー型射
出成形機を使用するのが好ましい。図1は、本実施の形
態における混練機構を有するスクリュー型射出成形機の
軸方向断面を概念的にした図である。
【0037】図1において、1は原料のポリプロピレン
(PP)、ガラス繊維及びカルボン酸、有機過酸化物の
供給部である。2は、シリンダーでありバレルとも言わ
れている。3は、スクリューであり、射出時のピストン
の役も兼ねている。4は、シリンダー内筒面に軸方向に
設けられた凹部である。5は、フライトである。6は射
出ノズルである。7は、スクリュー回転駆動用モーター
である。8は、射出用油圧機構である。9は、シリンダ
ーのヒーターである。ただし、これらのうち、6の射出
ノズルから9のヒーターまで及びその他図示しない逆止
弁等は、本願発明に直接の関係はないので、説明は省略
する。
【0038】図1に示すI、II、III 及びIVは、各々、
フィード予熱ゾーン、可塑化混練ゾーン、脱気ゾーン、
計量ゾーンである。これら各ゾーンについては、後に説
明する供給部1から、ポリプロピレン等の原料がシリン
ダー2に設けられた主供給孔11を通じてその内部に自
重で或いはフィーダーを通じて供給される。また、シリ
ンダー2の下流側には、排気用の細孔12を設けること
ができる。
【0039】図3に、図1におけるA−A断面を示す。
図3に示すように、フィード予熱ゾーンと可塑化混練ゾ
ーンのシリンダー2の内筒面には、後に説明するフライ
ト5と併せてずりせん断のみならず、圧縮、交流により
原料の混練等をなすため軸方向或いは、ほぼ軸方向の溝
4が複数設けられている。そして、シリンダー2内筒面
とフライト5の頂上との隙間(tipclearanc
e)は、樹脂の可塑化と無水マレイン酸との混合、ガラ
ス繊維の分散と混合にも最適なように0.1〜1mmと
してある。
【0040】スクリュー3は、図1に示すように可塑化
部にはその外周に螺旋状のフライト5が通常は複数設け
られている。例えば、図1に示すように、可塑化混練ゾ
ーン、脱気ゾーンのスクリュー3は6つのフライト5を
有している。また、フライト5の頂部の巾は、一例とし
て、スクリュー外径が60mmのとき10mmである。
これにより、主供給孔21から投入された原料の、スク
リュー3の回転による下流への移送、原料の変性、混合
等がなされる。
【0041】図3に、シリンダー2内のスクリュー3の
回転に伴う混練材のずりせん断工程S、混合工程Pの様
子を概念的に示す。本図において、フライト5の頂面と
シリンダ2内面との細い間隙においては、溶融した原料
のずりせん断Sがなされており、フライト5間の溝とシ
リンダ2内面の凹部との存在及びフライト5のスクリュ
ー2の回転方向前面壁が回転方向に直交していることの
ため、フライト5とシリンダ2内面双方の溝にて形成さ
れる空間内では原料の交流がなされているのがわかる。
【0042】このスクリュー型射出成形機では、一般的
には、フィード予熱ゾーンでは供給された原料の加熱
が、可塑化混練ゾーンでは原料の混練が、脱気ゾーンで
は混練で生じた反応ガスの脱気が、計量ゾーンでは溶融
状態の混練生成物の貯留と計量がなされる。しかし、本
発明では、平均粒子径の小さい原料をあらかじめ混合し
て供給しているため、フィード/余熱ゾーンで配合され
た材料への熱の供給が効率よく行われる結果、可朔化/
混練部でポリプロピレンの可朔化/溶融と過酸化物の分
解が迅速に行われ、カルボン酸の付加反応が効果的に行
われる。
【0043】なお、可朔化混練ゾーンは、あまり長すぎ
るとガラス繊維の切断による短小化等も生じ得、エネル
ギー効率も低下する。逆に短すぎると、ポリプロピレン
の酸変性が不充分なものとなりかねない。このため、シ
リンダー内径をDとしたとき、1Dから5Dの範囲内、
更には原料の粒度等にもよるがより好ましくは1.5D
から3Dの範囲内としている。
【0044】この反応は、シリンダー内面とフライト頂
上との間隔を、ずりせん断が生じる程度、具体的には
0.1−1mm、好ましくは0.2−0.5mmにおい
てポリプロピレン分子とカルボン酸の混合が効率よく行
われ、しかもこの間隔で同時に供給されたガラス繊維チ
ョップドストランドが開繊して単繊維がレジン中への均
一な分散が同時進行的になされる。シリンダー内面の凹
部は、溶融状の粗混合物をより均質化する効果をもつ。
【0045】次に、酸変性について説明する。上述のご
とく、従来は、0.4〜5重量%といわば高濃度に酸変
性したポリプロピレンを、ガラス繊維とポリプロピレン
とのバインダーに使用するという考えにとらわれてい
た。このため、スクリュー型射出成形機のシリンダー内
で全体のポリプロピレンを酸変性量は同じであるが均一
に酸変性するという発想がなかった。
【0046】本発明では、前ポリプロピレンに対する酸
変性が同じであるならば、ガラス繊維強化ポリプロピレ
ンの強度は同じ、あるいはむしろ優れていることを見出
し、このもとで第1に、射出成形機へ投入するポリプロ
ピレン、カルボン酸、有機過酸化物は平均粒子径1mm
以下とし、更に、有機過酸化物は微粒子状若しくは液体
状とする限定された条件で、更にまた混練機構を備え、
好ましくは該混練機構の形状、寸法が適切なスクリュー
型射出成形機を使用することにより、スクリュー型射出
成形機内での全ポリプロピレンの適切な酸変性を可能と
した。
【0047】次に、ガラス繊維強化ポリプロピレンにお
ける酸変性ポリプロピレンの必要量について説明する。
これは、次の実験により確認された。単純ポリプロピレ
ンと酸変性度0.4重量%のポリプロピレンとをブレン
ドして、レジンの酸変性度が0、0.04、0.08お
よび0.13重量%(記号はそれぞれM1〜M4とす
る。)の4水準で、繊維径10μm、繊維長3mmのガ
ラス繊維チョップドストランドと50/50の比率でタ
ンブルブレンドし、100Tの直接射出成型機により、
ASTM D 638引張試験片とASTM D790
曲げ試験片(いずれも肉厚3.2mm)をセット取りの
金型を用いて成形した。
【0048】この酸変性による界面改良の効果を、引張
り試験片破断面のSEM(走査型電子顕微鏡)観察によ
り観察した。酸変性度0.04wt%では余り変化はな
いが、0.08wt%では ガラス繊維表面の薄い界面
相で破壊が起こっており、酸変性度0.13wt%では
界面層は厚さ数μとなり、破壊はその外側で起きてい
る。一方、物性(機械的強度)は図4に示すように、酸
変性度0.04%から除々に効果を発揮し始めるが、引
張り強さ、曲げ強さ、アイゾット衝撃などの諸物性は、
酸変性度0.1%を越えないと充分の性能を発揮しない
ことが分かった。
【0049】次に、ポリプロピレンとガラス繊維の配合
比について説明する。これは、一般的には両者を均一に
混合し、かつ最終製品に必要な強度等を得るため一定の
範囲が定まるが、このプロセスでは、ガラス繊維も樹脂
の混合に寄与すると思われ、あまり少ないとポリプロピ
レンの酸変性の効率を低下させ、また多すぎると組成物
の流動性を悪化させ、射出成形が困難になり、実用に適
さない。これより、ポリプロピレン100部に対して、
25部から150部、より好ましくは50部から100
部である。
【0050】次に、各原料の混合について説明する。最
初、ガラス繊維の粒子との衝突による折損を極力防止
し、併せてポリプロピレンの適切な酸変性をなすべく、
あらかじめ室内で別途ガラス繊維を除く原料をドラムブ
レンダーで10分間予備混合し、その後ガラス繊維チョ
ップドストランドを加えて更に2分間予備混合する。な
お、カルボン酸の予備混合を一層良好に行う方法とし
て、ポリプロピレンの粉体とカルボン酸粉末を高速ミキ
サー(スーパーミキサーなど)内で高速で混合し、カル
ボン酸の融点よりやや高くまで昇温させ、カルボン酸を
ポリプロピレンの表面に薄膜状に付着させ、或いは内部
に浸透させる方法もとられる。
【0051】このようにして作った混合物を、230℃
〜270℃程度に熱せられている混練機構を備えたスク
リュー型射出成形機の内部へホッパーから投入する。そ
して更に、射出成形機内で、そのスクリューの回転と加
熱に伴う混合物の溶融、可塑化及び酸による変性がなさ
れる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本発明の
実施例及び比較例は、以下の原料を使用して製造され
た。 ポリプロピレン a.トクヤマ製(株) MS640 直径約3mmのペ
レット b.トクヤマ製(株) PN640 平均粒度0.5m
m、1.2mm以上の粒子が0.5重量%以下の粉体 c.bを押出機で直径約3mmのペレットに作製。 d.三井東圧化学製 BJHH 1352 直径約3m
mのペレット。 e.三井東圧化学製 BJHH 平均粒度0.2mm、
1.0mm以上の粒子が0.2%重量以下の粉体 f.eを押出機で直径約3mmのペレットに作製。 無水マレイン酸(試薬1級) a.最大粒度 5mmの粉体混合物 b.最大粒度 100μmに粉砕 過酸化物 a.ジターシャリブチルパーオキサイドのワックスベー
スの、直径3mmのペレット状マスターバッチ b.aを最大粒度 1.5mmに粉砕 c.ジターシャリブチルパーオキサイドを、平均粒径1
0μmの炭酸カルシウム粉末に吸収させた粉体。 d.ジターシャリブチルパーベンゾエート(液状) ガラス繊維 日本紡績社製 245s(繊維長3mmのチョップドス
トランド)
【0053】加工機 (1)押出による製造 後に示す表の比率で各原料をドラムブレンダーに投入し
て混合し、しかる後混練し、60kg/h.で押出し、
ストランドは水冷機ペレタイザーで切断してペレットを
作成した。 混練押出機:フリージアマクロス社製NRII−46mmSG二軸押出機 シリンダー温度 200℃ 或いは230℃ スクリュー回転数 300RPM L/D=40 第1段 L/D=24 内ニーディングブロック 6.5 第2段 L/D=16 内ニーディングディスク 4.0 (2)直接射出成型による変性PPの製造 後に示す表に記した割合で、各原料をドラムブレンダー
に投入し、あらかじめ10分間予備混合した。この混合
物を、混練り機構を備えた型締力100tの射出成形機
で混練し、ASTM D638引張り試験片およびAS
MT D790曲げ試験片をセット取りの金型を用いて
射出成形した。使用した成型機は次の2種である。 射出成形機A 図1の混練機構を備えた射出成形機射出成形機Bフルフ
ライト型スクリューの一般の射出成形機、日本製鋼社製
J75EII
【0054】(酸変性の効果測定)まず、以上の原料、
機器により製造したガラス繊維強化ポリプロピレン成形
体の酸変性についての確認試験の結果について説明す
る。
【0055】押出品はペレットを、射出成形品は成形品
の一部をもとに、熱プレスにより厚さ約150μmのフ
ィルムを作製し、アセトンに1日浸積して未反応無水マ
レイン酸を除去した後、24時間80℃にて真空乾燥
し、赤外線吸収スペクトルを測定した。この赤外線吸収
スペクトルにおける840cm-1のポリプロピレンのC
−H吸収に対する1785cm-1の無水マレイン酸のC
=O吸収の吸光度比でポリプロピレンへの無水マレイン
酸のグラフトが測定できる。また、既知試料による検量
線から無水マレイン酸のグラフト率を計算した。なお、
この方法は、井手文雄他、高分子論文集32巻11号、
645−652(1975)に記載されているものであ
る。測定結果を以下の表1と表2に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】まず、両表の読み方について説明する。両
表の左端の欄の「〔配合〕」の下の記号であるが、PP
はポリプロピレンのことである。このためPPaは、原
料のところで記したポリプロピレンa.すなわち、
(株)トクヤマ製 MS640 直径約3mmのペレッ
トを指す。PPbは、その下の(株)トクヤマ製 PN
640 平均粒度0.5mm、1.2mm以上の粒子が
0.5%以下の粉体を示す。以下、PPcからPCfも
同様である。
【0059】MAHは、無水マレイン酸のことである。
このためMAHaとMAHbは各々、原料のところで記
した無水マレイン酸試薬1級a、同bを指す。過酸化物
a、同b、同c、同dの意味も同じであり、原料のとこ
ろで記した過酸化物a、同b、同c、同dを指す。
【0060】次に、この酸変性の効果の測定についての
各実施例、比較例の欄の数値の意味について説明する。
例えば表1の比較例1におけるPPbの行(段)の数値
が100、同じくMAH変性PPaの行の数値が0.
6、過酸化物aの数値が0.1なのは、比較例1はPP
bを100部、MAHaを0.6部、過酸化物aを0.
1部配合した原料を混練して射出成形されたものである
ことを示す。なお、過酸化物の配合量は全て有機過酸化
物の純分の値である。そして、他の比較例や実施例にお
いても、各原料物質に対応する行の数値の意味は同じで
ある。
【0061】次に、各実施例、比較例の製造方法につい
て説明する。表1に示す比較例1は、押出グラフト法に
より無水マレイン酸による変性ポリプロピレンを製造す
る際の代表的な原料配合比であり、得られた変性ポリプ
ロピレンの無水マレイン酸によるグラフト率(酸変性
度)は約0.5%である。従来の技術では既述のごと
く、通常この程度、若しくはそれ以上に変性したポリプ
ロピレンを無変性ポリプロピレンで1/2〜1/5に希
釈して、ガラス繊維強化ポリプロピレンに適した組成と
している。なお、このいわば高濃度に変性したポリプロ
ピレンを100%使用すると、分子量が小さいためガラ
ス繊維で強化してもその物性は低下する危険性がある。
このためそのままでは使用されない。
【0062】同じく、比較例2は、希釈せずにそのまま
使用される変性ポリプロピレンの例であり、グラフト率
は0.14%とガラス繊維との接着性が十分強くなる値
となっている。このため高強度のガラス化繊維強化ポリ
プロピレンを造るのに適度な変性ポリプロピレンとなっ
ている。
【0063】同じく、比較例3はペレット状のポリプロ
ピレンを原料とした例で、溶融温度を230℃とした
が、マレイン酸のグラフトの結果は比較例2と同じであ
る。これら押出の場合は、押出機のシリンダー長が充分
に長く、グラフト反応に必要な滞留時間が得られるた
め、無水マレイン酸の粒度が大きくてもグラフト反応に
問題はない。
【0064】比較例4は、比較例2と同じ配合で、押出
機を本発明で使用する混練機構を有する射出成形機に変
えた例である。無水マレイン酸の粒度が大きいためグラ
フト率は0.06%と著しく低下し、ガラス繊維強化の
目的には使用できない。比較例5、同6は比較例2、同
4と同じ原料組成であるが、ポリプロピレンをPPcと
f、すなわち、直径約3mmのペレットに変更したもの
である。この場合もグラフト率は各0.07、0.08
%と著しく低下し、ガラス繊維強化の目的には使用でき
ない。
【0065】次に表2であるが実施例1、同2、同3
は、同様な配合率で無水マレイン酸や過酸化物を粒度の
小さい物に変えた例である。これらの例ではグラフト率
は0.14%以上とガラス繊維強化に適した値となる。
これに対し射出成形機Bを使用して製造した比較例7、
同8、同9では、それぞれ実施例1、同2と同じポリプ
ロピレン原料でありながら、グラフト率が著しく低下
し、ガラス繊維強化には適さない。これより、射出成形
機を使用してガラス繊維強化の効果のある変性ポリプロ
ピレンを作るには、混練機構を有しかつ粒度が小さい原
料とするという限定された条件で製造する場合のみが効
果のあることが分かる。
【0066】(ガラス繊維強化ポリプロピレンについて
の実施例)次に、ガラス繊維強化ポリプロピレンやその
成形体の原料の配合比や製造に使用した機器等の相違に
よる各種機械的強度(性質、物性)の相違について説明
する。まず、試験結果を表3、表4、表5に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】なお、これらの表の各実施例、比較例の
〔配合〕欄の見方は表1、表2と同じである。なおま
た、〔配合〕欄の変性PPとは、比較例1で製造したポ
リプロピレンを指す。比較例12、同13、同14がこ
の変性ポリプロピレンを33部含んでいる。
【0071】引張り強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率の単位
は各kg/mm2 であり、アイゾット衝撃の単位はkg
・cm/cmである。このため例えば表3の比較例10
において、引張強さの行の数値が9.7なのは、この強
度が9.7kg/mm2 であることを示す。
【0072】また、GF分散とは射出成形品の表面を肉
眼で観察し、ガラス繊維の分散の程度を表6に示す基準
で判定したものである。
【0073】
【表6】
【0074】同じく、表面平滑性とは射出成形機の表面
を肉眼で観察し、表7に示す基準で判定したものであ
る。
【0075】
【表7】
【0076】このため、例えば表3の比較例10におけ
るGF分散がAとは本比較例では、ガラス繊維の10g
当りの分散不良が0であることを示す。また、表面平滑
がAとは、表面状態が全て平滑であることを示す。
【0077】次に、各実施例、比較例の製造方法につい
て概略説明する。比較例10は従来法によるものであ
る。表中の配合に従って、PP等を配合し、2軸押出機
の主ホッパーより60kg/h.で供給し、同じ押出機
の下流の第2供給口より、スクリューフィーダーにより
60kg/h.で強制供給したものである。そして、押
出機のダイスより押出されたストランドを、水中で冷却
後ペレタイザーで3mmに切断し、ガラス繊維強化ポリ
プロピレンペレットを作製した。そして、このペレット
を、日本製鋼所射出成形機J75IIを使用し、シリンダ
ー温度260℃、金型温度60℃でASTM D638
引張り試験片とASTMD790曲げ試験片をセット取
りの金型で成形したものである。
【0078】比較例11は、直接変性押出法によるもの
である。この方法は、同じ発明者による特願平9−19
755号である。表中の配合に従って、PPb、MAH
a、過酸化物aをドラムブレンダーで5分間混合後、2
軸押出機の主供給口に60kg/h.で供給し、同じ押
出機の第2供給口より、60kg/h.でガラス繊維を
強制供給したものである。そして、ダイスより押し出さ
れたストランドを、水冷後ペレタイザーで切断して、ガ
ラス繊維強化ポリプロピレンペレットを作製した。次
に、このペレットを、日本製鋼所射出成形機J75IIを
使用し、シリンダー温度260℃、金型温度60℃でA
STM D638引張り試験片とASTMD790曲げ
試験片をセット取りの金型で成形したものである。
【0079】比較例12、同13、同14は、直接射出
成形法によるものである。表中の配合に従って、PP
a、比較例1で作製したグラフト率0.46%のいわば
充分に変性したPP、ガラス繊維をドラムブレンダーで
3分間混合し、混練機構を備えた射出成形機に供給して
混練し、シリンダー温度260℃、金型温度60℃でA
STM D638引張り試験片とASTM D790曲
げ試験片をセット取りの金型を用いて射出成形したもの
である。従って、従来技術のガラス繊維強化ポリプロピ
レンに近いものである。
【0080】比較例15、同16、同17(表4)は、
無変性のPPによる直接射出成形法によるものである。
表中の配合に従って、PP、ガラス繊維をドラムブレン
ダーで3分間混合し、一般型のフルフライトスクリュー
を備えた射出成形機に供給して混練し、シリンダー温度
260℃、金型温度60℃でASTM D638引張り
試験片とASTM D790曲げ試験片のセット取りの
金型で射出成形したものである。
【0081】比較例18は、直接変性射出成形法による
が、原料の粒度が本発明の範囲外となるものである。表
中の配合に従って、PPb、MAHa、過酸化物aを配
合し、ドラムブレンダーで5分間混合した後、ガラス繊
維を加え、ドラムブレンダーで3分間混合する。次いで
この混合物を、混練機構を備えた射出成形機を使用して
混練し、シリンダー温度260℃、金型温度60℃でA
STM D638引張り試験片とASTM D790曲
げ試験片をセット取りで成形した。
【0082】実施例4〜同10(表5)は、直接変性射
出成形法によるものである。表中の配合に従って、PP
ペレット、MAH、過酸化物を配合し、ドラムブレンダ
ーで5分間混合する。その後、ガラス繊維を加え、再度
ドラムブレンダーで3分間混合する。この混合物を、混
練機構を備えた射出成形機を使用して混練し、更にシリ
ンダー温度260℃、金型温度60℃でASTM D6
38引張り試験片とASTM D790曲げ試験片のセ
ット取りの金型で射出成形したものである。
【0083】比較例19〜同22は、一般機による直接
変性射出成形法によるものである。表中の配合に従っ
て、PPペレット、MAH、過酸化物を配合し、ドラム
ブレンダーで5分間混合する。その後、ガラス繊維を加
え、再度ドラムブレンダーで3分間混合する。この混合
物を、フルフライト型のスクリューを備えた日本製鋼所
製射出成形機J75IIを使用して混練し、更にシリンダ
ー温度260℃、金型温度60℃でASTM D638
引張り試験片とASTM D790曲げ試験片のセット
取りの金型で射出成形したものである。
【0084】次に、試験結果を説明する。まず、機械的
強度であるが、これら3つの表を見れば、粒子径の小さ
いPPb、最大粒度が100μmに粉砕したMAHb及
び最大粒度が1.5mmの過酸化物b粉体の過酸化物
c、及び液状である過酸化物dで製造した実施例1〜同
7及び実施例9、同10は、そうでない条件、すなわち
ポリプロピレンや無水マレイン酸の粒子が大きい比較例
18及び同20に対して、引張強さ、曲げ強さ、曲げ弾
性率、アイゾット衝撃値が大きく改善されているのがわ
かる。
【0085】また、ポリプロピレンのグラフト率の大き
い比較例10や、同じく従来例に近いこととなる比較例
12に対しても、遜色がないどころか、むしろ優れてい
るのもわかる。なお比較例12と比較した場合、別途の
工程で製造され、しかも生産量が少ないため高価な変性
ポリプロピレンを原料として使用することがないため、
射出成形体は経済的にはずっと優れたものとなるのは勿
論である。
【0086】更に、実施例5を実施例4、同6、同7、
同8と比較した場合、無水マレイン酸の濃度の効果も、
ポリプロピレン100部に対して0.2部から0.4部
のあたり、すなわちポリプロピレンに対して0.2重量
%から0.4重量%のあたりに一応の限界があるのがわ
かる。
【0087】また、ポリプロピレンについては、直径約
3mmのペレット、PPcを使用した実施例8も、実施
例4〜同7に次ぐ機械的強度を有している。更に、実施
例9、同10は、ガラス繊維の含有量が少ないため、そ
の分、実施例4〜同8に比較して機械的強度が劣るが、
それでも混練機構を有さない一般の射出成形機を使用し
て製造した比較例21、同22より優れたものとなって
いる。また、従来技術に近い比較例13、同14と比較
しても遜色がないどころか、むしろ優れているのがわか
る。
【0088】なお、実施例8と比較例20を比較すれ
ば、射出成形機の相違と過酸化物の寸法の相違が機械的
強度に如何に大きな影響を及ぼすかも分かる。
【0089】次に、GF分散と表面平滑の評価について
説明する。一般型の射出成形機を使用した比較例19〜
同22は、これらの評価がほぼCやD、具体的にはガラ
ス繊維がけば立ったりしており、せいぜい表面平滑のみ
Bなのが2例みられるだけである。一方、混練り機構を
備えた射出成形機を使用した各実施例及びマレイン酸の
みペレット(MAHa)を使用した点が実施例と相違す
るが、同様に、混練り機構を備えた射出成形機を使用し
た比較例18においては、これらの評価が全てAであ
る。
【0090】以上、本発明を実施例に基づき説明してき
たが、本発明は何も上記実施例に限定されないのは勿論
である。例えば、有機過酸化物に作用されず、カルボン
酸と反応しない物質を、原料中にあらかじめ改質剤、着
色剤等として混合して製造してもよい。
【0091】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、わざわざ別途の工程で製造した変性度が0.4から
5重量%のポリプロピレンを純ポリプロピレンに配合す
るという工程なしで、ガラス繊維強化ポリプロピレン成
形体を射出成形にて製造しうる。このため、大幅なコス
トダウンが可能となる。しかも、ポリプロピレンは結晶
ポリマーであるため、ガラス繊維による機械的強度や耐
熱性向上の効果が充分に発揮され、このため得られた製
品は従来品以上に物性が優れたものとなる。
【0092】更に、従来のガラス繊維強化ポリプロピレ
ンの製造方法と異なり、ペレットを製造するため高温の
ストランドの状態でポリプロピレンが空気に触れるとい
う機会が少ないので、従来品と異なり成品の着色も少な
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 混練り機構を備えたスクリュー型射出成形機
の概念図である。
【図2】 高濃度に酸変性したポリプロピレンがガラス
繊維に周囲を取り囲み、更にその周囲を全く酸変してい
ないポリプロピレンが取り囲んでいる様子を概念的に示
した図である。
【図3】 図2に示すスクリュー型射出成形機のずれせ
ん断と圧縮による原材料の混合機構を概念的に示した図
である。
【図4】 ポリプロピレンの酸変性度による複合材の物
性の変化の様子を示した図である。
【符合の説明】
1 供給部 2 シリンダー 3 スクリュー兼押し出し用ピストン 4 シリンダー内筒面の軸方向凹部 5 シリンダー外表面の螺旋状フライト 6 射出ノズル 7 モーター 8 押し出し用油圧機構 9 加熱機

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機を使用したガラス繊維強化ポ
    リプロピレン成形体の製造方法であって、 ポリプロピレンに対する酸変性工程と、 前記酸変工程と同時進行的になされるポリプロピレンと
    ガラス繊維との混練工程と、 前記両工程にて製造された溶融混練物を直接金型へ射出
    成形する射出成形工程とを有していることを特徴とする
    ガラス繊維強化ポリプロピレン成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸変性工程、ポリプロピレンとガラ
    ス繊維の混練工程、及び、射出成形工程は、 (1) 平均粒子径1mm以下の粒状ポリプロピレンを10
    0部と、 (2) 平均粒子径1mm以下のカルボン酸、ジカルボン酸
    若しくはそれらの無水物を0.05−1.0部と、 (3) 半減期が1分で、分解温度が150℃ないし250
    ℃の液状体若しくは微粒子状の有機過酸化物、または半
    減期が1分で、分解温度が150℃ないし250℃の有
    機過酸化物を含む平均粒子径1mm以下の有機過酸化物
    マスターバッチを0.01−0.2部と、 (4) ガラス繊維チョップドストランドを25−150部
    と、 からなる原料を対象としてなされるものであることを特
    徴とする請求項1記載のガラス繊維強化ポリプロピレン
    成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記酸変性工程に使用する酸又は上記カ
    ルボン酸、ジカルボン酸若しくはそれらの無水物は、 マレイン酸若しくは無水マレイン酸であることを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載のガラス繊維強化ポリプ
    ロピレン成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記各工程で処理の対象とされる原料の
    カルボン酸、ジカルボン酸若しくはそれらの無水物及び
    有機過酸化物マスターバッチの平均粒子径は、 原料の粒状ポリプロピレンの平均粒子径と同等以下であ
    ることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のガラス
    繊維強化ポリプロピレン成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記射出成形機は、 混練機構を有するスクリュー型射出成形機であって、 原料供給口から供給された原料を予熱しながら下流側に
    送る予熱フィードゾーンと、予熱フィードゾーンから送
    られて来た原料を混練する混練ゾーンとを少なくとも備
    え、 上記混練ゾーンにおけるスクリューは、連続した螺旋状
    のフライトを少なくとも1条有し、 上記フライトは、縦断面形状における原料の送り方向前
    方側の壁がスクリューの回転軸に直交、若しくはほぼ直
    交する一方、回転方向後方側の壁がスクリュー直径を徐
    々に小さくするように形成され、 上記混練ゾーンにおけるシリンダは、スクリューの軸方
    向に連続する若しくは断続する凹部を少なくとも1条有
    し、 更に、上記フライトの頂面とシリンダの内面との間に
    は、原料にずり剪断が働く程度の間隙が形成されたもの
    であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3
    又は請求項4記載のガラス繊維強化ポリプロピレン成形
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記スクリュー型射出成形機の混練機構
    におけるフライト頂面とシリンダー内面との間隙は、 0.1〜1mmであることを特徴とする請求項5記載の
    ガラス繊維強化ポリプロピレン成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記スクリュー型射出成形機の混練ゾー
    ンは、 スクリュー型射出成形機のシリンダー部の内径をDとし
    たとき、1D〜5Dの範囲内であることを特徴とする請
    求項5又は請求項6記載のガラス繊維強化ポリプロピレ
    ン成形体の製造方法。
JP29770297A 1997-10-14 1997-10-14 ガラス繊維強化ポリプロピレン成形体の製造方法 Expired - Fee Related JP3824402B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29770297A JP3824402B2 (ja) 1997-10-14 1997-10-14 ガラス繊維強化ポリプロピレン成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29770297A JP3824402B2 (ja) 1997-10-14 1997-10-14 ガラス繊維強化ポリプロピレン成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11115005A true JPH11115005A (ja) 1999-04-27
JP3824402B2 JP3824402B2 (ja) 2006-09-20

Family

ID=17850061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29770297A Expired - Fee Related JP3824402B2 (ja) 1997-10-14 1997-10-14 ガラス繊維強化ポリプロピレン成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3824402B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4585117B2 (ja) * 1998-05-26 2010-11-24 Kisco株式会社 ガラス繊維強化樹脂成形体の製造方法
JP2019059081A (ja) * 2017-09-26 2019-04-18 株式会社日本製鋼所 繊維強化熱可塑性樹脂用の押出機
KR20200042934A (ko) * 2017-09-26 2020-04-24 가부시끼가이샤 니혼 세이꼬쇼 섬유 강화 열가소성 수지의 혼련 방법, 가소화 장치 및 압출기

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59143626A (ja) * 1983-02-07 1984-08-17 Japan Steel Works Ltd:The 射出成形機の極低温可塑化装置
JPS6021228A (ja) * 1983-07-15 1985-02-02 Showa Denko Kk 発泡押出成形用押出機
JPH01218825A (ja) * 1988-02-29 1989-09-01 Mitsui Petrochem Ind Ltd ポリプロピレン・パウダーとガラス繊維系の直接成形法
JPH01262113A (ja) * 1988-04-14 1989-10-19 Toyoda Gosei Co Ltd 強化ポリプロピレン樹脂成形品の製造方法
JPH05138751A (ja) * 1991-11-22 1993-06-08 Sekisui Chem Co Ltd 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH09109231A (ja) * 1995-10-20 1997-04-28 Toshiba Mach Co Ltd 2軸押出機

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59143626A (ja) * 1983-02-07 1984-08-17 Japan Steel Works Ltd:The 射出成形機の極低温可塑化装置
JPS6021228A (ja) * 1983-07-15 1985-02-02 Showa Denko Kk 発泡押出成形用押出機
JPH01218825A (ja) * 1988-02-29 1989-09-01 Mitsui Petrochem Ind Ltd ポリプロピレン・パウダーとガラス繊維系の直接成形法
JPH01262113A (ja) * 1988-04-14 1989-10-19 Toyoda Gosei Co Ltd 強化ポリプロピレン樹脂成形品の製造方法
JPH05138751A (ja) * 1991-11-22 1993-06-08 Sekisui Chem Co Ltd 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH09109231A (ja) * 1995-10-20 1997-04-28 Toshiba Mach Co Ltd 2軸押出機

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4585117B2 (ja) * 1998-05-26 2010-11-24 Kisco株式会社 ガラス繊維強化樹脂成形体の製造方法
JP2019059081A (ja) * 2017-09-26 2019-04-18 株式会社日本製鋼所 繊維強化熱可塑性樹脂用の押出機
KR20200042934A (ko) * 2017-09-26 2020-04-24 가부시끼가이샤 니혼 세이꼬쇼 섬유 강화 열가소성 수지의 혼련 방법, 가소화 장치 및 압출기
CN111132805A (zh) * 2017-09-26 2020-05-08 株式会社日本制钢所 纤维增强热塑性树脂的捏合方法、塑化装置和挤出机
US11992973B2 (en) 2017-09-26 2024-05-28 The Japan Steel Works, Ltd. Kneading method for fiber-reinforced thermoplastic resin, plasticizing device, and extruding machine

Also Published As

Publication number Publication date
JP3824402B2 (ja) 2006-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100216490B1 (ko) 복합강화된 폴리프로필렌 수지 조성물의 제조방법
US20060261509A1 (en) Method for making fiber reinforced polypropylene composites
US20060264544A1 (en) Cloth-like fiber reinforced polypropylene compositions and method of making thereof
WO2006125037A2 (en) In-line compounding and molding process for making fiber reinforced polypropylene composites
EP1888670A2 (en) Fiber reinforced polypropylene composite body panels
US20230227617A1 (en) Polyethylene terephthalate alloy having talc
WO2023097950A1 (zh) 一种高抗冲木塑头盔复合材料及制备方法
CN102942790A (zh) 一种耐高温、高强度聚苯硫醚基反应性增强增韧复合材料
CN112759845A (zh) 聚丙烯复合材料及其制备方法和应用
US5538784A (en) Process for molding fiber-reinforced thermoplastic polymer articles
JP3584890B2 (ja) 熱可塑性樹脂成形品及びその製造方法
CN110483897B (zh) 一种玄武岩纤维增强聚丙烯材料及其制备方法
JP3824402B2 (ja) ガラス繊維強化ポリプロピレン成形体の製造方法
US20080214703A1 (en) Pellet and fiber length for polyester fiber reinforced polypropylene composites
JP3276959B2 (ja) 繊維強化熱可塑性ポリマ製品の成形方法
CN100532451C (zh) 一种高冲击性增强pet组合物及其制备方法
EP3922427A1 (en) Thermoplastic resin composition molding machine and producing method, method for manufacturing molded article of composite resin composition, and injection molded article
WO2008112173A1 (en) Pellet and fiber length for polyester fiber reinforced polypropylene composites
CN110903626B (zh) 聚碳酸酯复合材料及其制备方法
JP3498079B2 (ja) 繊維強化射出成形品
CN110862606A (zh) 一种玄武岩增强改性聚丙烯电缆导管的生产方法
CN110862666A (zh) 高抗冲聚碳酸酯复合材料及其制备方法
KR20090073678A (ko) 충격강도 및 크립특성이 우수한 유리섬유 강화 열가소성수지 펠렛, 그 제조 방법 및 그로부터 성형된 전기·전자제품의 외장재

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees