JPH11112099A - 半導体光素子の作製方法 - Google Patents

半導体光素子の作製方法

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JPH11112099A
JPH11112099A JP26621297A JP26621297A JPH11112099A JP H11112099 A JPH11112099 A JP H11112099A JP 26621297 A JP26621297 A JP 26621297A JP 26621297 A JP26621297 A JP 26621297A JP H11112099 A JPH11112099 A JP H11112099A
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JP
Japan
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semiconductor
substrate
forming
layer
hole membrane
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JP26621297A
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English (en)
Inventor
Masashi Nakao
正史 中尾
Toshiaki Tamamura
敏昭 玉村
Satoru Oku
哲 奥
Toshimasa Amano
利昌 天野
Hideki Masuda
秀樹 益田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本来の特性を発揮できる量子ドット構成の活
性層を有する半導体光素子を容易に作製できるようにす
る。 【解決手段】 スルーホールメンブレン101を主表面
が(001)のn形GaAsからなる基板501上に配
置し、そのスルーホールメンブレン101をマスクとし
てPtを蒸着し、基板501上にPtからなるマスクパ
ターン502を形成する。そして、マスクパターン50
2をマスクとして基板501をエッチングし、このこと
により基板501表面にドット503からなるひずみ導
入層503aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、量子井戸構造を
有する活性層を備えた半導体光素子の作製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光素子は、その機能部、たとえば、半導
体レーザや光変調器の活性層部分をバルク構造から多重
量子井戸構造(MQW)にすることにより、発振しきい
値の低下をはじめとする素子特性の向上が図れる。さら
には、MQW構造の中で、井戸層と障壁層との格子定数
を0.5〜1%程度に意図的にずらすことにより、MQ
W内に応力を内在させたひずみMQW構造の採用によ
り、さらに高効率かを得ることができる。そして、量子
細線構造や量子ドット構造など、より低次元化すること
により、活性層のさらなる特性の向上が期待されてい
る。
【0003】その量子ドット構造は、キャリア閉じ込め
効果や状態密度の増大などの量子効果に基づく更なる特
性の向上が期待されるものであり、これら低次元構造の
作製技術を確立をするための研究が活発に行われてい
る。上述した量子ドット構造の形成に関しては、自己組
織化成長やマスキングを利用した選択成長などの結晶成
長からアプローチする方法や、量子井戸構造を持つ結晶
をエッチング技術により微細加工して低次元化する方法
が試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、平面的
に量子井戸層が形成されたMQW構造を有する光素子を
凌駕する技術は、開発されていないのが現状である。前
述した技術により形成された量子ドットによる光素子
が、本来の特性が得られていない主な原因として、形成
された量子ドットのサイズの揺らぎや配列の不規則性が
ある。この発明は、以上のような問題点を解消するため
になされたものであり、本来の特性を発揮できる量子ド
ット構成の活性層を有する半導体光素子を容易に作製で
きるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体光素子
の作製方法は、複数の貫通孔を有するスルーホールメン
ブレンを半導体からなる基板上に配置し、スルーホール
メンブレンをマスクとして基板上にマスク材料を堆積す
ることにより、マスク材料からなるドットパターンを貫
通孔の配置に合わせて基板上に形成する第1の工程と、
スルーホールメンブレンを基板上部より取り外す第2の
工程と、ドットパターンをマスクとして基板をエッチン
グして基板表面に突起を形成することにより基板表面に
歪み導入層を形成する第3の工程と、ドットパターンを
除去する第4の工程と、基板に格子整合する第1の半導
体を突起がほぼ埋め込まれるように結晶成長し、これに
より歪み導入層上に第1の半導体からなる第1の障壁層
を形成する第5の工程と、第1の半導体とは格子定数が
異なる第2の半導体を連続した膜状に形成されない程度
に結晶成長させることにより、第2の半導体からなる量
子ドットを歪み導入層の突起の位置に合わせて第1の障
壁層上に形成する第6の工程と、量子ドットを含む第1
の障壁層上に第1の半導体を結晶成長することにより、
量子ドットがほぼ埋め込まれるように第1の半導体から
なる第2の障壁層を形成する第7の工程とを少なくとも
備えるようにした。以上示すように半導体光素子を作製
するようにしたので、スルーホールメンブレンの貫通孔
の位置に合わせるように量子ドットが形成されるように
なる。また、この発明の半導体光素子の作製方法は、半
導体からなる基板上に基板と格子定数の異なる歪み膜を
形成する第1の工程と、複数の貫通孔を有するスルーホ
ールメンブレンを歪み膜上に配置し、スルーホールメン
ブレンをマスクとして歪み膜上にマスク材料を堆積する
ことにより、マスク材料からなるドットパターンを貫通
孔の配置に合わせて歪み膜上に形成する第2の工程と、
スルーホールメンブレンを基板上部より取り外す第3の
工程と、ドットパターンをマスクとして歪み膜をエッチ
ングして基板表面に突起を形成することにより基板上に
歪み導入層を形成する第4の工程と、ドットパターンを
除去する第5の工程と、基板に格子整合する第1の半導
体を突起がほぼ埋め込まれるように結晶成長し、これに
より歪み導入層上に第1の半導体からなる第1の障壁層
を形成する第6の工程と、第1の半導体とは格子定数が
異なる第2の半導体を連続した膜状に形成されない程度
に結晶成長させることにより、第1の障壁層上に歪み導
入層の突起の位置に合わせて第2の半導体からなる量子
ドットを形成する第7の工程と、量子ドットを含む第1
の障壁層上に第1の半導体を結晶成長することにより、
量子ドットがほぼ埋め込まれるように第1の半導体から
なる第2の障壁層を形成する第8の工程とを少なくとも
備えるようにした。以上示すように半導体光素子を作製
するようにしたので、スルーホールメンブレンの貫通孔
の位置に合わせるように量子ドットが形成されるように
なる。また、この発明の半導体光素子の作製方法は、複
数の貫通孔を有するスルーホールメンブレンを半導体か
らなる基板上に配置し、スルーホールメンブレンをマス
クとして基板上に基板と異なる格子定数を有する第1の
半導体を堆積することにより、基板上に第1の半導体か
らなるドットパターンを貫通孔の配置に合わせて形成す
る第1の工程と、スルーホールメンブレンを基板上部よ
り取り外す第2の工程と、基板に格子整合する第2の半
導体をドットパターンがほぼ埋め込まれるように結晶成
長し、これにより歪み導入層上に第2の半導体からなる
第1の障壁層を形成する第3の工程と、第2の半導体と
は格子定数が異なる第3の半導体を連続した膜状に形成
されない程度に結晶成長させることにより、第2の障壁
層上に歪み導入層の突起の位置に合わせて第3の半導体
からなる量子ドットを形成する第4の工程と、量子ドッ
トを含む第1の障壁層上に第2の半導体を結晶成長する
ことにより、量子ドットがほぼ埋め込まれるように第2
の半導体からなる第2の障壁層を形成する第5の工程と
を少なくとも備えるようにした。以上示すように半導体
光素子を作製するようにしたので、スルーホールメンブ
レンの貫通孔の位置に合わせるように量子ドットが形成
されるようになる。
【0006】また、この発明の半導体光素子の作製方法
は、半導体からなる基板上に上下を障壁層に挾まれた量
子井戸層からなる活性層を形成する第1の工程と 複数
の貫通孔を有するスルーホールメンブレンを活性層上に
配置し、スルーホールメンブレンをマスクとして基板上
にマスク材料を堆積することにより、基板上にマスク材
料からなるドットパターンを貫通孔の配置に合わせて形
成する第2の工程と、スルーホールメンブレンを基板上
部より取り外す第3の工程と、ドットパターンをマスク
として活性層を選択的にエッチングして活性層からなる
ポストを形成する第4の工程と、ポスト周囲の基板上に
高抵抗な半導体からなる埋め込み層を形成する第5の工
程とを少なくとも備えるようにした。以上示すように半
導体光素子を作製するようにしたので、ポストの形成に
より分離された量子井戸層から量子ドットが形成され、
それがスルーホールメンブレンの貫通孔の位置に合わせ
るように形成される。また、この発明の半導体光素子の
作製方法は、複数の貫通孔を有するスルーホールメンブ
レンを半導体からなる基板上に配置し、スルーホールメ
ンブレンをマスクとして基板表面を選択的にエッチング
することにより、基板表面にスルーホールメンブレンの
貫通孔の配置に合わせて凹部を形成する第1の工程と、
スルーホールメンブレンを基板上部より取り外す第2の
工程と、凹部を埋め込むように半導体層を結晶成長する
ことにより凹部それぞれに量子ドットもしくは多重量子
ドット構造を形成する第3の工程とを少なくとも備える
ようにした。以上示すように半導体光素子を作製するよ
うにしたので、凹部内により分離された量子ドットや多
重量子ドット構造が形成され、それがスルーホールメン
ブレンの貫通孔の位置に合わせるように形成される。そ
して、この発明の半導体光素子の作製方法は、複数の貫
通孔を有するスルーホールメンブレンを半導体からなる
基板上に配置し、スルーホールメンブレンをマスクとし
て基板表面を選択的にエッチングすることにより、基板
表面に貫通孔の配置に合わせて凹部を形成する第1の工
程と、スルーホールメンブレンをマスクとして凹部を埋
め込むように半導体層を結晶成長することにより凹部そ
れぞれに量子ドットもしくは多重量子ドット構造を形成
する第2の工程と、スルーホールメンブレンを基板上部
より取り外す第3の工程とを少なくとも備えるようにし
た。以上示すように半導体光素子を作製するようにした
ので、凹部内により分離された量子ドットや多重量子ド
ット構造が形成され、それがスルーホールメンブレンの
貫通孔の位置に合わせるように形成される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。 実施の形態1 まず、この発明の第1の実施の形態における半導体光素
子の製造方法に関して説明する。はじめに概要について
説明すると、所定の間隔で所望の寸法の細孔(貫通孔)
が形成されたスルーホールメンブレンをマスクとして利
用することにより、nmオーダーで、周期的に配列され
た微細な量子ドットを形成し、これを用いた半導体光素
子を作製するようにした。
【0008】図1は、そのスルーホールメンブレン10
1を示す斜視図であり、直径φの細孔(貫通孔)102
が間隔Λで規則正しく形成されている。また、細孔10
2は、平面的にみて近直の3個を頂点とすると、正三角
形となるように配置されている。このスルーホールメン
ブレン101の作製方法を簡単に説明すると、まず、図
2(a)に示すように、表面に所望の配列に突起201
を有する基板200と、電解研磨などにより表面が鏡面
に仕上げられたアルミニウムからなるアルミ基板203
を用意する。ここで、突起201は間隔Λで規則正しく
配置している。そして、図3(b)に示すように、基板
200の突起201形成面をアルミ基板203に押しつ
け、アルミ基板203表面の突起201に対応する部分
に微細な窪み204を形成する。すなわち、基板200
の突起201のパターンを、アルミ基板203表面に転
写する。この押しつけは、基板200の突起201形成
面をアルミ基板203表面に押しつけ、油圧プレスなど
を用いて両基板裏面より、例えば、1トン/cm2 の圧
力を印加することなどにより実施すればよい。
【0009】なお、基板200としては、その押しつけ
によるパターンの転写において、基板200自身や突起
201が破壊されたり変形したりすることのない、強度
と硬度を有する材料を用いることが望ましい。たとえ
ば、シリコン基板などを用いれば、突起も用意に形成で
きるのでよい。また、この基板を繰り返し使用すること
を考えると、より強度の高いダイヤモンドやシリコンカ
ーバイト(SiC)もしくはタンタルを基板として用い
ることがより望ましい。
【0010】次に、アルミ基板203を酸性電解質溶液
中において陽極酸化することにより、アルミ基板203
すなわちアルミニウムを酸化する。この陽極酸化によ
り、図3(c)に示すように、アルミ基板203表面に
は、アルミナに変化した酸化層203aが形成される。
このとき、窪み204が形成されていないアルミ基板2
03表面が特に酸化され、その領域にアルミナが成長し
ていく。この結果、図3(c)に示すように、形成され
た酸化層203aには、アルミ基板203表面に形成さ
れた窪み204の位置に、穴204aが形成された状態
となる。ここで、この陽極酸化においては、形成する細
孔の穴径(φ)や配列寸法(Λ)に対応して、図4に示
すように電圧条件を制御する。例えば、φ=20nm,
Λ=50nm程度とするならば、電圧は20V程度とす
ればよい。そして、その電圧を変化させることにより、
穴径を配列寸法に応じて変化させることができる。な
お、穴径に関しては、燐酸などを用いた後処理により、
配列寸法の90%程度まで大きくすることは可能であ
る。
【0011】そして、上述した陽極酸化を適当な時間行
うことにより、所望の厚さに酸化層203aを成長させ
るとともに、所望の深さに穴204aを成長させる。そ
してその後、そのアルミ基板203の酸化層203a下
のアルミニウムの部分を選択的にエッチング除去し、加
えて、酸化層203aも若干エッチングすることによ
り、図1に示すようなスルーホールメンブレン101が
完成する。ここで、アルミニウムに選択エッチングで
は、エッチング液としてHgCl2の飽和水溶液、もし
くは、Br2 の飽和メタノール溶液を用いればよい。ま
た、酸化層203aのエッチングでは、燐酸などを用い
るようにすればよい。なお、スルーホールメンブレンの
厚さ(h)は、陽極酸化の時間によって決定され、0.
5μm程度の薄膜から数10μmに及ぶ厚膜まで形成で
きる。また、スルーホールメンブレンの大きさは、数m
m角のオーダーまで形成可能である。
【0012】以上に示したようにして作製した、スルー
ホールメンブレン101(図1)を用いて、この実施の
形態1における半導体光素子を作製する方法に関して以
下に説明する。なお、以下では、Λ=50nm,φ=2
0nm,h=2μmとした。まず、図5(a)に示すよ
うに、スルーホールメンブレン101を主表面が(00
1)のn形GaAsからなる基板501上に配置し、図
5(b)に示すように、そのスルーホールメンブレン1
01をマスクとしてPtを蒸着することにより、基板5
01上にPtからなるマスクパターン502を形成す
る。ここで、マスクパターン502を形成した後、スル
ーホールメンブレン101は基板501上より取り外し
ておく。なお、このマスクパターンの材料としては、P
tに限る物ではなく、Au,Ni,Al,Taなど、蒸
着できる他の金属や、酸化シリコン,窒化シリコンなど
を用いるようにしてもよい。すなわち、マスクパターン
として、下層の化合物半導体とのエッチングにおいて選
択性がとれ、かつ、後の工程において支障のない材料な
らよい。
【0013】次に、図5(c)に示すように、今度はマ
スクパターン502をマスクとして基板501をエッチ
ングし、このことにより基板501表面にドット503
からなるひずみ導入層503aを形成する。ここで、こ
のエッチングは、酸などによるウエットエッチングを用
いてもよく、また、Arイオンミリングや反応性イオン
によるエッチングなどのドライエッチングを用いるよう
にしてもよい。次に、プラズマ酸化処理や適当な酸処理
(ウエット)によりマスクパターン502を除去し、さ
らに酸処理などにより基板表面の自然酸化膜の除去など
を行い、基板表面を清浄化する。この結果、図5(d)
に示すように、基板501表面には、高さ10nm程度
のドット503が50nm間隔で規則的に配列したひず
み導入層503aが形成された状態が得られる。
【0014】次に、図5(e)に示すように、分子ビー
ムエピタキシー法(MBE)により、基板温度500℃
程度で、ひずみ導入層503aを含めた基板501上に
GaAsを結晶成長し、このことにより下部障壁層50
4を形成する。ここで、この成長膜の厚さは15〜20
nm程度とする。このように、下層のドット503の突
起高さ10nmの3倍程度までの厚さに、基板に格子整
合する(同一材料)GaAs(下部障壁層504)を結
晶成長すると、ドット503の段差を解消する完全な平
坦化がされた状態とはならない。このため、ドット50
3上に位置する下部障壁層504表面には、応力(ひず
み)が残存した状態となる。そして、この応力が残存し
た状態の下部障壁層504上に、同一の結晶成長装置内
で、ソースガスを変更するなど条件を変更させ、引き続
いてInAsを2モノレーヤー相当分成長させることに
より、下層のドット503の配置に合わせて下部障壁層
504表面に量子ドット505からなる量子井戸層50
5aが形成される。
【0015】一般に、格子不整合な系の結晶成長におい
ては、基板と格子定数の異なる結晶をエピタキシャル成
長させようとすると、その成長初期には成長させている
結晶は3次元的な島状に凝集した状態となっている。す
なわち、基板と格子定数の異なる結晶を、連続した膜状
に形成されない程度にエピタキシャル成長させると、成
長させている結晶は3次元的な島状に凝集した状態とな
っている。この島の形状や寸法は結晶成長条件によって
決定されるが、基板表面にひずみが存在する場合は、そ
のひずみの位置に優先的に島が形成される。したがっ
て、図5(e)に示した状態では、ひずみ導入層503
aの存在により、下部障壁層504表面には50nm間
隔で規則正しく配置されたひずみが存在することにな
る。そして、この上に基板501に対して7%程度の格
子不整合を有するInAsを2モノレーヤー程度結晶成
長させれば、そのひずみの位置に合わせてInAsから
なる量子ドット505が形成されることになる。
【0016】そして、この量子ドット505が50nm
間隔で規則正しく形成された量子井戸層505aの上
に、その量子ドット505を埋め込むようにGaAsを
結晶成長して中間障壁層504aを形成すれば、この中
間障壁層504a表面にも、量子ドット505形成位置
に合わせてひずみが存在した状態となる。したがって、
この上に、同一の結晶成長装置内で、同様にしてInA
sを2モノレーヤー程度結晶成長させれば、図5(f)
に示すように、そのひずみの位置に合わせて中間障壁層
504a上に量子ドット505が形成されることにな
る。以上のことを所望の回数繰り返すことにより、図5
(g)に示すように、多重量子ドット構造506が形成
される。
【0017】ここで、図5(g)に示すように、多重量
子ドット構造506上に保護層507を形成した後、結
晶成長装置より取り出してフォトルミネッセンス法など
により多重量子ドット構造506の評価をすれば、その
ドット構造に反映した非常にスペクトル幅の狭い発光が
観測される。ついで、その評価の後で、保護層507を
選択的に除去し、図6(h)に示すように、多重量子ド
ット構造506上にP形のGaAsからなるクラッド層
508を形成し、さらに、オーミックコンタクト層50
9を形成すれば、この実施の形態1における半導体光素
子の基本構造ができあがる。なお、上述の評価は必ず必
要な工程ではなく、これを省略し、保護層507を形成
せずに、多重量子ドット構造506上に、引き続いてク
ラッド層508,オーミックコンタクト層509を形成
するようにしてもよい。
【0018】以上示したように、この実施の形態1によ
れば、スルーホールメンブレンの細孔位置に合わせて量
子ドットを形成できるので、正確に配列された量子ドッ
トからなる量子ドット構造を備えた半導体光素子を得る
ことができる。例えば、直径20nmの量子ドットを周
期を100nmとして規則正しく配置させた層を6層積
層した多重量子ドット構造を有し、1.55μmで発振
する共振器町300μmの半導体レーザを容易に形成す
ることが可能となる。そして、この半導体レーザは、発
振しきい値を1mA以下とすることができる。
【0019】実施の形態2 以下、この発明の第2の実施の形態における半導体光素
子の製造方法に関して説明する。この実施の形態2にお
いても、上記実施の形態1と同様に、図1に示したスル
ーホールメンブレン101を用いる。以下、この実施の
形態2における半導体光素子を作製する方法に関して説
明する。まず、図7(a)に示すように、主表面が(0
01)のn形GaAsからなる基板701上にInAs
層701aを膜厚10nm形成し、その上に、スルーホ
ールメンブレン101を配置する。そして、図7(b)
に示すように、そのスルーホールメンブレン101をマ
スクとしてPtを蒸着することにより、InAs層70
1a上にPtからなるマスクパターン702を形成す
る。
【0020】次に、図7(c)に示すように、今度はマ
スクパターン702をマスクとしてInAs層701a
をエッチングし、このことにより基板701表面にIn
Asからなるドット703を形成する。ここで、このエ
ッチングは、上記実施の形態1と同様であり、酸などに
よるウエットエッチングを用いてもよく、また、Arイ
オンミリングや反応性イオンによるエッチングなどのド
ライエッチングを用いるようにしてもよい。次に、プラ
ズマ酸化処理や適当な酸処理(ウエット)によりマスク
パターン702を除去し、さらに酸処理などにより基板
表面の自然酸化膜の除去などを行い、それらのことによ
り基板表面を清浄化する。この結果、図7(d)に示す
ように、基板701表面には、高さ10nm程度のIn
Asからなるドット703が50nm間隔で規則的に配
列して形成されたひずみ導入層703aが得られる。
【0021】次に、図8(e)に示すように、MBEに
より基板温度500℃程度でひずみ導入層703aを含
む基板701上にGaAsを結晶成長し、このことによ
りドット703を埋め込むように下部障壁層704を形
成する。ここで、この成長膜の厚さは15〜20nm程
度とする。ところで、前述したように、InAsはGa
Asに対して7%程度の格子不整合を有する。このた
め、下層のドット703の突起高さ10nmの3倍程度
までの厚さに、GaAs(下部障壁層704)を結晶成
長すると、下部障壁層704表面の格子定数が異なるド
ット703上に位置する領域には、応力(ひずみ)が残
存した状態となる。そして、この応力が残存した状態の
下部障壁層704上に、同一の結晶成長装置内で、ソー
スガスを変更するなど条件を変更させ、引き続いてIn
Asを2モノレーヤー相当分成長させる。このことによ
り、上記実施の形態1と同様に、下層のドット703の
配置に合わせ、下部障壁層704表面に量子ドット70
5が50nm間隔に規則正しく配列形成される。
【0022】そして、この量子ドット705からなる量
子井戸層705aの上に、その量子ドット705を埋め
込むようにGaAsからなる中間障壁層704aを形成
し、引き続いて同一の結晶成長装置内で、同様にしてI
nAsを2モノレーヤー程度結晶成長させることを繰り
返せば、図8(f)に示すように、多重量子ドット構造
706が形成される。ここで、図8(f)に示すよう
に、多重量子ドット構造706上に保護層707を形成
した後、結晶成長装置より取り出し、フォトルミネッセ
ンス法などにより多重量子ドット構造706の評価をす
れば、そのドット構造に反映した非常にスペクトル幅の
狭い発光が観測される。
【0023】ついで、その評価の後で、保護層707を
選択的に除去し、図8(g)に示すように、多重量子ド
ット構造706上にP形のGaAsからなるクラッド層
708を形成し、さらに、オーミックコンタクト層70
9を形成すれば、この実施の形態1における半導体光素
子の基本構造ができあがる。なお、上述の評価は必ず必
要な工程ではなく、これを省略し、保護層707を形成
せずに、多重量子ドット構造706上に、引き続いてク
ラッド層708,オーミックコンタクト層709を形成
するようにしてもよい。以上示したように、この実施の
形態2においても、スルーホールメンブレンの細孔位置
に合わせて量子ドットを形成できるので、正確に配列さ
れた量子ドットからなる量子ドット構造を備えた半導体
光素子を得ることができる。
【0024】ところで、上記実施の形態2では、量子ド
ットの形成位置を規則正しい配列とするためのひずみ導
入層として、格子定数の異なる材料からなるドットをリ
ソグラフィー技術と選択エッチングにより形成するよう
にしたが、これに限る物ではない。図1に示すスルーホ
ールメンブレン101をマスクとして、GaAs基板表
面に、例えばInAsを結晶成長することにより、Ga
As基板表面に格子定数の異なるInAsのドットから
なるひずみ導入層を形成するようにしてもよい。
【0025】このInAsの結晶成長では、例えば、M
BEや有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)など
の結晶成長技術を用いればよい。そして、これらの結晶
成長技術を用い、スルーホールメンブレン101の細孔
102を通し、InおよびGa源となる原子,分子ある
いは反応ガスを供給するようにすれば、InAsからな
るドットが形成できる。なおこの結晶成長技術に関して
は、上記実施の形態1,2におけるInAsの結晶成長
においても同様である。
【0026】そして、このように、ひずみ導入層の形成
をスルーホールメンブレン101を用いた結晶成長のみ
で行うようにすれば、次に示すように、以降の工程を同
一の結晶成長装置より取り出すことなく連続的に行うこ
とができるので、結晶性の向上が図れる。例えば、スル
ーホールメンブレンを用いてひずみ導入層を形成した
後、まず、その結晶成長を行った反応室内より、その反
応室に同一の真空雰囲気で接続している基板交換などの
ためのロードロック室に、基板およびスルーホールメン
ブレンを待機させる。ついで、そのロードロック室にお
いてスルーホールメンブレンを基板表面より取り外す。
そして、基板のみを反応室に戻し、ロードロック室と反
応室とを隔離した後、反応室内で引き続いて下部障壁層
の結晶成長などを行うようにする。
【0027】すなわち、上記実施の形態1,2において
は、ひずみ導入層形成のために一度結晶成長装置内より
取り出してリソグラフィーおよび選択エッチングを行っ
ている。したがって、ひずみ導入層形成後で、ひずみ導
入層を含めた基板表面が雰囲気に暴露されることにな
り、自然酸化膜の成長や汚染などを受け、結晶性の低下
がさけられない。これに対して、前述したように、同一
の結晶成長装置内で、ひずみ導入層の形成から多重量子
ドット構造の形成までを行うようにすれば、上述の汚染
などを受けることが無く、結晶性の向上が図れる。な
お、上述では、GaAsとInAsの組み合わせについ
て説明したが、これに限る物ではなく、InGaAsP
とInPの組み合わせや、In0.5Ga0.5AsとGaA
sとの組み合わせや、GaAsとSiGeとSiとの組
み合わせでもよいことはいうまでもない。
【0028】実施の形態3 以下、この発明の第3の実施の形態における半導体光素
子の製造方法に関して説明する。この実施の形態3にお
いても、上記実施の形態1,2と同様に、図1に示した
スルーホールメンブレン101を用いる。以下、この実
施の形態3における半導体光素子を作製する方法に関し
て説明する。まず、図9(a)に示すように、n形In
Pからなる基板901上に、1.55μm組成のInG
aAsP結晶を膜厚100nm成長することにより半導
体層902を形成し、その上に、スルーホールメンブレ
ン101を配置する。そして、図10(b)に示すよう
に、そのスルーホールメンブレン101をマスクとして
Ptを蒸着することにより、半導体層902上にPtか
らなるマスクパターン903を形成する。なお、このマ
スクパターンの材料としては、Ptに限る物ではなく、
Au,Ni,Al,Taなど、蒸着できる他の金属や、
酸化シリコン,窒化シリコンなどを用いるようにしても
よい。
【0029】次に、図10(c)に示すように、半導体
層902および基板901の一部を、マスクパターン9
03をマスクとして垂直異方性の強いエッチングでエッ
チングし、このことによりポスト902aを形成する。
このエッチングとしては、例えば、臭素系のガスを用い
た反応性イオンビームエッチング装置を用いるようにす
ればよい。このドライエッチングは、垂直異方性を有
し、ダメージが低く、かつ、均一な深さを形成できると
いう特徴を備えている。このポスト902aは、数10
nm程度の直径をもち、高さ100nm程度の量子ポス
トとなる。なお、図10(d)は、マスクパターン90
3をマスクとしてポスト902aが基板901上に形成
された状態を示す斜視図である。
【0030】次に、プラズマ酸化、あるいは適当な酸処
理(ウエット処理)を施すことにより、マスクパターン
903を除去した後、図10(e)に示すように、液相
エピタキシャル成長装置を用い、ポスト902aがちょ
うど埋まるように、半絶縁性のP形のInP結晶を基板
901上に成長し、このことにより埋め込み層904を
形成する。さらに、図10(f)に示すように、有機金
属気相成長法などにより、1.3μm組成のInGaA
sPからなる光ガイド層905,P形のInPからなる
上部クラッド層906,さらに,P形のInAsPから
なるオーミックコンタクト層907を形成することによ
り、この実施の形態3における半導体光素子の基本構造
ができあがる。
【0031】そして、この実施の形態3においては、ポ
ストが上下を障壁層で挾まれた量子井戸層から構成され
ているので、ポストごとに微細な量子井戸構造が形成さ
れていることになる。すなわち、ポストごとに量子ドッ
ト構造が形成されていることになる。そして、ポスト
は、スルーホールメンブレンの細孔位置に合わせて形成
されているので、量子ドット構造を構成するポストごと
の量子ドットも、精度よく配置形成されていることにな
る。
【0032】実施の形態4 以下、この発明の第4の実施の形態における半導体光素
子の製造方法に関して説明する。この実施の形態4にお
いても、上記実施の形態1〜3と同様に、図1に示した
スルーホールメンブレン101を用いる。以下、この実
施の形態4における半導体光素子を作製する方法に関し
て説明する。まず、図11(a)に示すように、n形I
nPからなる基板1101上に、多重量子井戸構造11
02および光ガイド層1103を形成し、その上に、ス
ルーホールメンブレン101を配置する。この量子井戸
構造1102は、6層のInGaP/InGaAsPよ
り構成され、1.55μmで発振する。また、光ガイド
層1103は、1.3μm組成のInGaAsPから構
成される。
【0033】そして、図11(b)に示すように、その
スルーホールメンブレン101をマスクとしてPtを蒸
着することにより、光ガイド層1103上にPtからな
るマスクパターン1104を形成する。なお、このマス
クパターンの材料としては、Ptに限る物ではなく、A
u,Ni,Al,Taなど、蒸着できる他の高融点金属
や、酸化シリコン,窒化シリコンなどを用いるようにし
てもよい。
【0034】次に、図11(c)に示すように、光ガイ
ド層1103,多重量子井戸構造1102および基板1
101の一部を、マスクパターン1104をマスクとし
て垂直異方性の強いエッチングでエッチングし、ポスト
1105を形成する。次に、プラズマ酸化、あるいは適
当な酸処理(ウエット処理)を施すことにより、マスク
パターン1104を除去した後、図11(d)に示すよ
うに、液相エピタキシャル成長装置を用い、ポスト11
05がちょうど埋まるように、半絶縁性のP形のInP
結晶を基板1101上に成長し、それらのことにより埋
め込み層1107を形成する。さらに、図11(e)に
示すように、有機金属気相成長法などにより、P形のI
nPからなる上部クラッド層1108,さらに,P形の
InAsPからなるオーミックコンタクト層1109を
形成することにより、この実施の形態4における半導体
光素子の基本構造ができあがる。この実施の形態4にお
いては、円柱状に加工された多重量子井戸構造からなる
多重量子ドット構造が形成された状態が得られる。
【0035】なお、上述では、光ガイド層1103を先
に形成してからポスト1105を形成するようにした
が、ポストを形成して高抵抗層で埋め込んだ後に、光ガ
イド層1103を形成するようにしてもよい。なお、ポ
ストの高さはマスクパターン1104をマスクとしたド
ライエッチングの時間で制御できる。ここで、高抵抗層
の埋め込みの液相エピタキシャル成長は、ポストの上に
まで高抵抗層が成長しないようにする必要がある。この
ためには、ポストの高さを0.5μm以下とする必要が
ある。以上説明したように、この実施の形態4において
は、ポストごとに微細な多重量子井戸構造が形成されて
いることになる。すなわち、ポストごとに多重量子ドッ
ト構造が形成されていることになる。そして、ポスト
は、スルーホールメンブレンの細孔位置に合わせて形成
されているので、多重量子ドット構造を構成するポスト
ごとの量子ドットも、精度よく配置形成されていること
になる。
【0036】実施の形態5 以下、この発明の第5の実施の形態における半導体光素
子の製造方法に関して説明する。この実施の形態5にお
いても、上記実施の形態1〜4と同様に、図1に示した
スルーホールメンブレン101を用いる。以下、この実
施の形態5における半導体光素子を作製する方法に関し
て説明する。まず、図12(a)に示すように、n形I
nPからなる基板1201上に、多重量子井戸構造12
02および光ガイド層1203を形成し、その上に、ス
ルーホールメンブレン101を配置する。この量子井戸
構造1202は、6層のInGaP/InGaAsPよ
り構成され、1.55μmで発振する。また、光ガイド
層1203は、1.3μm組成のInGaAsPから構
成される。これらは、上記実施の形態4と同様である。
【0037】そして、この実施の形態5では、そのスル
ーホールメンブレン101をマスクとしてまず、シリコ
ン酸化物などの酸化物を蒸着し、ついでPtを蒸着す
る。このことにより、図12(b)に示すように、光ガ
イド層1203上にシリコン酸化物からなる下層マスク
パターン1204aとPtからなる上層マスクパターン
1204bを形成する。次に、図12(c)に示すよう
に、光ガイド層1203,多重量子井戸構造1202お
よび基板1201の一部を、上層マスクパターン120
4bをマスクとして垂直異方性の強いエッチングでエッ
チングし、このことによりポスト1205を形成する。
【0038】次に、プラズマ酸化、あるいは適当な酸処
理(ウエット処理)を施すことにより、上層マスクパタ
ーン1204bのみを除去する。そしてその後、図12
(d)に示すように、ポスト1205上に下層マスクパ
ターン1204aが形成された状態で液相エピタキシャ
ル成長装置を用い、ポスト1205および下層マスクパ
ターン1204aの一部までが埋まるように、半絶縁性
のP形のInP結晶を基板1201上に成長し、それら
のことにより埋め込み層1207を形成する。ここで
は、下層マスクパターン1204aが選択成長マスクと
なる。
【0039】ついで、その下層マスクパターン1204
aを弗酸によるウエット処理により除去し、図12
(e)に示すように、有機金属気相成長法などにより、
P形のInPからなる上部クラッド層1208,さら
に,P形のInAsPからなるオーミックコンタクト層
1209を形成することにより、この実施の形態5にお
ける半導体光素子の基本構造ができあがる。そして、こ
の実施の形態5においても、円柱状に加工された多重量
子井戸構造からなる多重量子ドット構造が形成された状
態が得られ、それを用いた半導体光素子を得ることがで
きる。
【0040】また、この実施の形態5によれば、選択成
長マスクをポスト上に配置した状態で埋め込み層を形成
するようにしたので、ポストの高さ以上に埋め込み層を
形成することが可能となる。すなわち、この実施の形態
5によれば、ポストの高さにあまり制限を設ける必要が
ない。なお、上述では、パターン形成のためのマスクと
選択成長マスクとをそれぞれ用意するようにしたが、こ
れらを1つで兼用することもできる。例えば、マスクパ
ターンの材料として酸化ニッケルを用いるようにすれ
ば、ポスト形成の選択エッチング時にもエッチング選択
比を保ち、選択成長マスクとしても用いることができ
る。
【0041】実施の形態6 以下、この発明の第6の実施の形態における半導体光素
子の製造方法に関して説明する。この実施の形態6にお
いても、上記実施の形態1〜5と同様に、図1に示した
スルーホールメンブレン101を用いる。以下、この実
施の形態6における半導体光素子を作製する方法に関し
て説明する。まず、図13(a)に示すように、n形I
nPからなる基板1301上に、スルーホールメンブレ
ン101を配置する。
【0042】そして、この実施の形態6では、そのスル
ーホールメンブレン101をマスクとし、基板1301
を選択的にエッチングし、図13(b)に示すように、
基板1301表面に深さ100nm程度の微細なホール
1302を形成する。このエッチングとしては、例え
ば、臭素系のガスを用いたECRプラズマエッチング装
置を用いるようにすればよい。このドライエッチング
は、垂直異方性を有し、ダメージが低く、かつ、均一な
深さを形成できるという特徴を備えている。
【0043】次に、スルーホールメンブレン101を取
り外し、基板1301表面を硫酸などの酸処理をした
後、液相成長法を用いてホール1302がちょうど埋ま
るようにInGaAsPを結晶成長させる。なお、In
GaAsPの代わりにInGaAs/InGaAsP多
重量子井戸を結晶成長させるようにしてもよい。この結
果、図13(c)に示すように、基板1301上に量子
ドット1303からなる量子ドット層1303aが形成
される。ついで、図13(e)に示すように、有機金属
気相成長法などにより、InGaAsPからなる光ガイ
ド層1304,P形のInPからなる上部クラッド層1
305,さらに,P形のInAsPからなるオーミック
コンタクト層1306を形成することにより、この実施
の形態6における半導体光素子の基本構造ができあが
る。
【0044】そして、この実施の形態6においては、数
10nmの直径をもち、ホール1302の深さの高さを
有する量子ドットが規則正しく配列した量子ドット構造
が実現できる。また、ホール1302に多重量子井戸構
造を結晶成長させれば、数10nmの直径を有する量子
ドットが規則正しく配列した多重量子ドット構造が実現
でき、それを用いた半導体光素子を得ることができる。
そして、それら量子ドットの高さは、ホール1302の
深さにより任意に制御できる。
【0045】実施の形態7 以下、この発明の第7の実施の形態における半導体光素
子の製造方法に関して説明する。この実施の形態7にお
いても、上記実施の形態1〜6と同様に、図1に示した
スルーホールメンブレン101を用いる。以下、この実
施の形態7における半導体光素子を作製する方法に関し
て説明する。まず、図14(a)に示すように、n形I
nPからなる基板1401上に、スルーホールメンブレ
ン101を配置する。
【0046】ついで、上記実施の形態6と同様に、その
スルーホールメンブレン101をマスクとし、基板14
01を選択的にエッチングし、図14(b)に示すよう
に、基板1401表面に深さ100nm程度の微細なホ
ール1402を形成する。次に、この実施の形態7で
は、図14(c)に示すように、スルーホールメンブレ
ン101を配置したまま、これをマスクとして基板14
01上に選択的にInGaAsPあるいはInGaAs
/InGaAsP量子井戸を結晶成長させる。この結晶
成長は、例えば、MOVPE法によればよい。この結
果、図14(c)に示すように、基板1401上に量子
ドット1403からなる量子ドット層1403aが形成
される。
【0047】ついで、スルーホールメンブレン101を
取り外し、図14(d)に示すように、MOVPEなど
により、InGaAsPからなる光ガイド層1404,
P形のInPからなる上部クラッド層1405,さら
に,P形のInAsPからなるオーミックコンタクト層
1406を形成することにより、上記実施の形態6と同
様にこの実施の形態7における半導体光素子の基本構造
ができあがる。そして、この実施の形態7においても、
数10nmの直径をもち、ホール1402の深さの高さ
を有する量子ドットが規則正しく配列した量子ドット構
造が実現できる。また、ホール1402に多重量子井戸
構造を結晶成長させれば、数10nmの直径を有する多
重量子ドットが規則正しく配列した多重量子ドット構造
が実現できる。そして、それら量子ドットの高さは、ホ
ール1402の深さにより任意に制御できる。
【0048】以上示したように、この発明によれば、規
則正しく配列した量子ドットからなる量子ドット構造、
および、それらを障壁層を介して多層に形成した多重量
子ドット構造が容易に形成できる。そして、量子ドット
構造もしくは多重量子ドット構造を活性層として、図1
5に示すような半導体レーザなどの半導体光素子を構成
することができる。
【0049】すなわち、例えば、上記実施の形態1にお
いて示した基本構造(図6)において、まず、オーミッ
クコンタクト層509にストライプ状のマスクパターン
を形成し、これをマスクとして基板501の一部まで選
択的にエッチングし、図15に示すように、リッジ15
01を形成する。次に、そのリッジ1501両脇にリッ
ジ1501を埋めるように半絶縁性GaAsを成長させ
て埋め込み層1502を形成する。そして、上面にp側
電極1503を形成し下面にn側電極1504を形成す
れば、半導体レーザが構成できる。この半導体レーザ
は、図15に示す、埋め込み層1502で埋め込まれた
活性層となる多重量子ドット構造506よりレーザが発
振される。
【0050】図16は、その半導体レーザにおける電流
注入における発光特性を示す特性図である。図16にお
いて(a)は上記実施の形態1において得られた多重量
子ドット構造を活性層とした場合の結果を示している。
また、(b)は上記実施の形態4において得られた多重
量子ドット構造を活性層とした場合の結果を示してい
る。また、(c)は上記実施の形態3において得られた
多重量子ドット構造を活性層とした場合の結果を示して
いる。そして、(d)は従来よりある多重量子井戸構造
を活性層とした場合の結果を示している。図16から明
らかなように、この発明によれば、従来の多重量子井戸
構造を活性層とした場合に比較して、発振しきい値が低
下していることがわかる。なお、上述では、半導体レー
ザに適用した場合について説明したが、このほかにも、
光変調器や光受光器などへも適用できることはいうまで
もない。この場合においても、量子ドット構造および多
重量子ドット構造の構造は同様である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、ま
ず第1に、次に示す工程を備えることにより、半導体光
素子を作製するようにした。すなわち、複数の貫通孔を
有するスルーホールメンブレンを半導体からなる基板上
に配置し、スルーホールメンブレンをマスクとして基板
上にマスク材料を堆積することにより、基板上にマスク
材料からなるドットパターンを貫通孔の配置に合わせて
形成する第1の工程と、スルーホールメンブレンを基板
上部より取り外す第2の工程と、ドットパターンをマス
クとして基板をエッチングして基板表面に突起を形成す
ることにより基板表面に歪み導入層を形成する第3の工
程と、ドットパターンを除去する第4の工程と、基板に
格子整合する第1の半導体を突起がほぼ埋め込まれるよ
うに結晶成長し、このことにより歪み導入層上に第1の
半導体からなる第1の障壁層を形成する第5の工程と、
第1の半導体とは格子定数が異なる第2の半導体を連続
した膜状に形成されない程度に結晶成長させることによ
り、第1の障壁層上に歪み導入層の突起の位置に合わせ
て第2の半導体からなる量子ドットを形成する第6の工
程と、量子ドットを含む第1の障壁層上に第1の半導体
を結晶成長することにより、量子ドットがほぼ埋め込ま
れるように第1の半導体からなる第2の障壁層を形成す
る第7の工程とを少なくとも備えるようにした。以上示
すように半導体光素子を作製するようにしたので、スル
ーホールメンブレンの貫通孔の位置に合わせるように量
子ドットが形成されるようになる。したがって、スルー
ホールメンブレンの貫通孔の開口径とその配置がnmオ
ーダーで精度よく形成されていれば、量子ドットを精度
よく形成できるので、本来の特性を発揮できる量子ドッ
ト構成の活性層を有する半導体光素子を容易に作製でき
るようになる。
【0052】また、この発明では、第2に、次に示す工
程を備えることにより、半導体光素子を作製するように
した。すなわち、半導体からなる基板上に基板と格子定
数の異なる歪み膜を形成する第1の工程と、複数の貫通
孔を有するスルーホールメンブレンを歪み膜上に配置
し、スルーホールメンブレンをマスクとして歪み膜上に
マスク材料を堆積することにより、歪み膜上にマスク材
料からなるドットパターンを貫通孔の配置に合わせて形
成する第2の工程と、スルーホールメンブレンを基板上
部より取り外す第3の工程と、ドットパターンをマスク
として歪み膜をエッチングして基板表面に突起を形成す
ることにより基板上に歪み導入層を形成する第4の工程
と、ドットパターンを除去する第5の工程と、基板に格
子整合する第1の半導体を突起がほぼ埋め込まれるよう
に結晶成長し、このことにより歪み導入層上に第1の半
導体からなる第1の障壁層を形成する第6の工程と、第
1の半導体とは格子定数が異なる第2の半導体を連続し
た膜状に形成されない程度に結晶成長させることによ
り、第1の障壁層上に歪み導入層の突起の位置に合わせ
て第2の半導体からなる量子ドットを形成する第7の工
程と、量子ドットを含む第1の障壁層上に第1の半導体
を結晶成長することにより、量子ドットがほぼ埋め込ま
れるように第1の半導体からなる第2の障壁層を形成す
る第8の工程とを少なくとも備えたるようにした。以上
示すように半導体光素子を作製するようにしたので、ス
ルーホールメンブレンの貫通孔の位置に合わせるように
量子ドットが形成されるようになる。したがって、前述
した方法と同様に、スルーホールメンブレンの貫通孔の
開口径とその配置がnmオーダーで精度よく形成されて
いれば、量子ドットを精度よく形成できるので、本来の
特性を発揮できる量子ドット構成の活性層を有する半導
体光素子を容易に作製できるようになる。
【0053】また、この発明では、第3に、次に示す工
程を備えることにより、半導体光素子を作製するように
した。すなわち、複数の貫通孔を有するスルーホールメ
ンブレンを半導体からなる基板上に配置し、スルーホー
ルメンブレンをマスクとして基板上に基板と異なる格子
定数を有する第1の半導体を堆積することにより、基板
上に第1の半導体からなるドットパターンを貫通孔の配
置に合わせて形成する第1の工程と、スルーホールメン
ブレンを基板上部より取り外す第2の工程と、基板に格
子整合する第2の半導体をドットパターンがほぼ埋め込
まれるように結晶成長し、このことにより歪み導入層上
に第2の半導体からなる第1の障壁層を形成する第3の
工程と、第2の半導体とは格子定数が異なる第3の半導
体を連続した膜状に形成されない程度に結晶成長させる
ことにより、第2の障壁層上に歪み導入層の突起の位置
に合わせて第3の半導体からなる量子ドットを形成する
第4の工程と、量子ドットを含む第1の障壁層上に第2
の半導体を結晶成長することにより、量子ドットがほぼ
埋め込まれるように第2の半導体からなる第2の障壁層
を形成する第5の工程とを少なくとも備えるようにし
た。以上示すように半導体光素子を作製するようにした
ので、この方法においても、スルーホールメンブレンの
貫通孔の位置に合わせるように量子ドットが形成される
ようになる。そして、やはり、スルーホールメンブレン
の貫通孔の開口径とその配置がnmオーダーで精度よく
形成されていれば、量子ドットを精度よく形成できるの
で、本来の特性を発揮できる量子ドット構成の活性層を
有する半導体光素子を容易に作製できるようになる。
【0054】また、この発明では、第4に、次に示す工
程を備えることにより、半導体光素子を作製するように
した。すなわち、半導体からなる基板上に上下を障壁層
に挾まれた量子井戸層からなる活性層を形成する第1の
工程と 複数の貫通孔を有するスルーホールメンブレン
を活性層上に配置し、スルーホールメンブレンをマスク
として基板上にマスク材料を堆積することにより、基板
上にマスク材料からなるドットパターンを貫通孔の配置
に合わせて形成する第2の工程と、スルーホールメンブ
レンを基板上部より取り外す第3の工程と、ドットパタ
ーンをマスクとして活性層を選択的にエッチングして活
性層からなるポストを形成する第4の工程と、ポスト周
囲の基板上に高抵抗な半導体からなる埋め込み層を形成
する第5の工程とを少なくとも備えるようにした。
【0055】以上示すように半導体光素子を作製するよ
うにしたので、ポストの形成により分離された量子井戸
層から量子ドットが形成され、それがスルーホールメン
ブレンの貫通孔の位置に合わせるように形成される。そ
して、ポストごとに上下を障壁層に挾まれた量子井戸層
が形成されることになるので、微少な量子井戸構造、す
なわち、量子ドット構造がスルーホールメンブレンの貫
通孔の位置に合わせるように形成されることになる。し
たがって、この方法においても、スルーホールメンブレ
ンの貫通孔の開口径とその配置がnmオーダーで精度よ
く形成されていれば、量子ドットを精度よく形成できる
ので、本来の特性を発揮できる量子ドットや多重量子ド
ット構造の活性層を有する半導体光素子を容易に作製で
きるようになる。
【0056】そして、この発明では、第5に、複数の貫
通孔を有するスルーホールメンブレンを半導体からなる
基板上に配置し、前記スルーホールメンブレンをマスク
として前記基板表面を選択的にエッチングすることによ
り、前記基板表面に前記貫通孔の配置に合わせて凹部を
形成し、その凹部を埋め込むように埋めるように半導体
層を結晶成長することにより凹部それぞれに量子ドット
や多重量子ドット構造を形成するようにした。以上示す
ように半導体光素子を作製するようにしたので、凹部内
により分離された量子ドットや多重量子ドット構造が形
成され、それがスルーホールメンブレンの貫通孔の位置
に合わせるように形成される。したがって、この方法に
おいても、スルーホールメンブレンの貫通孔の開口径と
その配置がnmオーダーで精度よく形成されていれば、
量子ドットを精度よく形成できるので、本来の特性を発
揮できる量子ドットや多重量子ドット構造の活性層を有
する半導体光素子を容易に作製できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スルーホールメンブレンの構成を示す斜視図
である。
【図2】 図1のスルーホールメンブレンの作製方法を
示す説明図である。
【図3】 図2に続く、図1のスルーホールメンブレン
の作製方法を示す説明図である。
【図4】 スルーホールメンブレンの作製における陽極
酸化における電圧条件を示す特性図である。
【図5】 この発明の第1の実施の形態における半導体
光素子の作製方法を示す説明図である。
【図6】 図5に続く、この発明の第1の実施の形態に
おける半導体光素子の作製方法を示す説明図である。
【図7】 この発明の第2の実施の形態における半導体
光素子の作製方法を示す説明図である。
【図8】 図7に続く、この発明の第2の実施の形態に
おける半導体光素子の作製方法を示す説明図である。
【図9】 この発明の第3の実施の形態における半導体
光素子の作製方法を示す説明図である。
【図10】 図9に続く、この発明の第3の実施の形態
における半導体光素子の作製方法を示す説明図である。
【図11】 この発明の第4の実施の形態における半導
体光素子の作製方法を示す説明図である。
【図12】 この発明の第5の実施の形態における半導
体光素子の作製方法を示す説明図である。
【図13】 この発明の第5の実施の形態における半導
体光素子の作製方法を示す説明図である。
【図14】 この発明の第5の実施の形態における半導
体光素子の作製方法を示す説明図である。
【図15】 この発明による半導体光素子の概略的な構
成を示す斜視図である。
【図16】 この発明による半導体光素子の発振特性を
示す特性図である。
【符号の説明】
101…スルーホールメンブレン、102…細孔、50
1…基板、502…マスクパターン、503…ドット、
503a…ひずみ導入層、504…下部障壁層、504
a…中間障壁層、505…量子ドット、505a…量子
井戸層、506…多重量子ドット構造、507…保護
層、508…クラッド層、509…オーミックコンタク
ト層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 利昌 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 益田 秀樹 東京都八王子市別所2−13−2−510

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の貫通孔を有するスルーホールメン
    ブレンを半導体からなる基板上に配置し、前記スルーホ
    ールメンブレンをマスクとして前記基板上にマスク材料
    を堆積することにより、前記マスク材料からなるドット
    パターンを前記貫通孔の配置に合わせて前記基板上に形
    成する第1の工程と、 前記スルーホールメンブレンを前記基板上部より取り外
    す第2の工程と、 前記ドットパターンをマスクとして前記基板をエッチン
    グして前記基板表面に突起を形成することにより前記基
    板表面に歪み導入層を形成する第3の工程と、 前記ドットパターンを除去する第4の工程と、 前記基板に格子整合する第1の半導体を前記突起がほぼ
    埋め込まれるように結晶成長し、これにより前記歪み導
    入層上に前記第1の半導体からなる第1の障壁層を形成
    する第5の工程と、 前記第1の半導体とは格子定数が異なる第2の半導体を
    連続した膜状に形成されない程度に結晶成長させること
    により、前記第2の半導体からなる量子ドットを前記歪
    み導入層の突起の位置に合わせて前記第1の障壁層上に
    形成する第6の工程と、 前記量子ドットを含む前記第1の障壁層上に前記第1の
    半導体を結晶成長することにより、前記量子ドットがほ
    ぼ埋め込まれるように前記第1の半導体からなる第2の
    障壁層を形成する第7の工程とを少なくとも備えたこと
    を特徴とする半導体光素子の作製方法。
  2. 【請求項2】 半導体からなる基板上に前記基板と格子
    定数の異なる歪み膜を形成する第1の工程と、 複数の貫通孔を有するスルーホールメンブレンを前記歪
    み膜上に配置し、前記スルーホールメンブレンをマスク
    として前記歪み膜上にマスク材料を堆積することによ
    り、前記マスク材料からなるドットパターンを前記貫通
    孔の配置に合わせて前記歪み膜上に形成する第2の工程
    と、 前記スルーホールメンブレンを前記基板上部より取り外
    す第3の工程と、 前記ドットパターンをマスクとして前記歪み膜をエッチ
    ングして前記基板表面に突起を形成することにより前記
    基板上に歪み導入層を形成する第4の工程と、前記ドッ
    トパターンを除去する第5の工程と、 前記基板に格子整合する第1の半導体を前記突起がほぼ
    埋め込まれるように結晶成長し、これにより前記歪み導
    入層上に前記第1の半導体からなる第1の障壁層を形成
    する第6の工程と、 前記第1の半導体とは格子定数が異なる第2の半導体を
    連続した膜状に形成されない程度に結晶成長させること
    により、前記第2の半導体からなる量子ドットを前記歪
    み導入層の突起の位置に合わせて前記第1の障壁層上に
    形成する第7の工程と、 前記量子ドットを含む前記第1の障壁層上に前記第1の
    半導体を結晶成長することにより、前記量子ドットがほ
    ぼ埋め込まれるように前記第1の半導体からなる第2の
    障壁層を形成する第8の工程とを少なくとも備えたこと
    を特徴とする半導体光素子の作製方法。
  3. 【請求項3】 複数の貫通孔を有するスルーホールメン
    ブレンを半導体からなる基板上に配置し、前記スルーホ
    ールメンブレンをマスクとして前記基板上に前記基板と
    異なる格子定数を有する第1の半導体を堆積することに
    より、前記第1の半導体からなるドットパターンを前記
    貫通孔の配置に合わせて前記基板上に形成する第1の工
    程と、 前記スルーホールメンブレンを前記基板上部より取り外
    す第2の工程と、 前記基板に格子整合する第2の半導体を前記ドットパタ
    ーンがほぼ埋め込まれるように結晶成長し、これにより
    前記第2の半導体からなる第1の障壁層を前記歪み導入
    層上に形成する第3の工程と、 前記第2の半導体とは格子定数が異なる第3の半導体を
    連続した膜状に形成されない程度に結晶成長させること
    により、前記第3の半導体からなる量子ドットを前記歪
    み導入層の突起の位置に合わせて前記第2の障壁層上に
    形成する第4の工程と、 前記量子ドットを含む前記第1の障壁層上に前記第2の
    半導体を結晶成長することにより、前記量子ドットがほ
    ぼ埋め込まれるように前記第2の半導体からなる第2の
    障壁層を形成する第5の工程とを少なくとも備えたこと
    を特徴とする半導体光素子の作製方法。
  4. 【請求項4】 上下を障壁層に挾まれた量子井戸層から
    なる活性層を半導体からなる基板上に形成する第1の工
    程と複数の貫通孔を有するスルーホールメンブレンを前
    記活性層上に配置し、前記スルーホールメンブレンをマ
    スクとして前記基板上にマスク材料を堆積することによ
    り、前記マスク材料からなるドットパターンを前記貫通
    孔の配置に合わせて前記基板上に形成する第2の工程
    と、 前記スルーホールメンブレンを前記基板上部より取り外
    す第3の工程と、 前記ドットパターンをマスクとして前記活性層を選択的
    にエッチングして前記活性層からなるポストを形成する
    第4の工程と、 前記ポスト周囲の前記基板上に高抵抗な半導体からなる
    埋め込み層を形成する第5の工程とを少なくとも備えた
    ことを特徴とする半導体光素子の作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の半導体光素子の作製方法
    において、 前記第5の工程の前に前記ドットパターンを除去するこ
    とを特徴とする半導体光素子の作製方法。
  6. 【請求項6】 請求項4,5記載の半導体光素子の作製
    方法において、 前記第1の工程で、前記量子井戸層とこの上に配置され
    る障壁層との組を複数形成することにより前記活性層を
    形成することを特徴とする半導体光素子の作製方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6いずれか1項記載の半導体
    光素子の作製方法において、 前記第2の工程の前に、前記活性層上に光ガイド層を形
    成しておくことを特徴とする半導体光素子の作製方法。
  8. 【請求項8】 複数の貫通孔を有するスルーホールメン
    ブレンを半導体からなる基板上に配置し、前記スルーホ
    ールメンブレンをマスクとして前記基板表面を選択的に
    エッチングすることにより、前記貫通孔の配置に合わせ
    て前記基板表面に凹部を形成する第1の工程と、 前記スルーホールメンブレンを前記基板上部より取り外
    す第2の工程と、 前記凹部を埋め込むように半導体層を結晶成長すること
    により前記凹部それぞれに量子ドットを形成する第3の
    工程とを少なくとも備えたことを特徴とする半導体光素
    子の作製方法。
  9. 【請求項9】 複数の貫通孔を有するスルーホールメン
    ブレンを半導体からなる基板上に配置し、前記スルーホ
    ールメンブレンをマスクとして前記基板表面を選択的に
    エッチングすることにより、前記基板表面に前記貫通孔
    の配置に合わせて凹部を形成する第1の工程と、 前記スルーホールメンブレンをマスクとして前記凹部を
    埋め込むように半導体層を結晶成長することにより、前
    記凹部それぞれに量子ドットを形成する第2の工程と、 前記スルーホールメンブレンを前記基板上部より取り外
    す第3の工程とを少なくとも備えたことを特徴とする半
    導体光素子の作製方法。
  10. 【請求項10】 複数の貫通孔を有するスルーホールメ
    ンブレンを半導体からなる基板上に配置し、前記スルー
    ホールメンブレンをマスクとして前記基板表面を選択的
    にエッチングすることにより、前記貫通孔の配置に合わ
    せて前記基板表面に凹部を形成する第1の工程と、 前記スルーホールメンブレンを前記基板上部より取り外
    す第2の工程と、 前記凹部を埋め込むように、障壁層となる第1の半導体
    層と量子井戸層となる第2の半導体層を交互に結晶成長
    することにより、前記凹部内それぞれに多重量子ドット
    構造を形成する第3の工程とを少なくとも備えたことを
    特徴とする半導体光素子の作製方法。
  11. 【請求項11】 複数の貫通孔を有するスルーホールメ
    ンブレンを半導体からなる基板上に配置し、前記スルー
    ホールメンブレンをマスクとして前記基板表面を選択的
    にエッチングすることにより、前記貫通孔の配置に合わ
    せて前記基板表面に凹部を形成する第1の工程と、 前記スルーホールメンブレンをマスクとして前記凹部を
    埋め込むように、障壁層となる第1の半導体層と量子井
    戸層となる第2の半導体層を交互に結晶成長することに
    より、前記凹部内それぞれに多重量子ドット構造を形成
    する第2の工程と、 前記スルーホールメンブレンを前記基板上部より取り外
    す第3の工程とを少なくとも備えたことを特徴とする半
    導体光素子の作製方法。
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