JPH11108515A - 自動製氷機付き冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】扉が引出し方式を採用している冷蔵庫では冷凍
室の扉の開閉時に引出し容器と自動製氷機及びその枠部
より生じる空間より氷が落下するという問題があった。 【解決手段】自動製氷機枠部に製氷動作時の製氷皿及び
扉開閉時の冷凍室引出し容器と干渉しない位置に、リブ
もしくはフランジを設けたもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は多扉化に対応して、
冷蔵庫の庫内（冷凍室を含む）を数室に仕切った時の冷
蔵庫に関するもので、特に自動製氷機付き冷蔵庫の冷凍
室引出し容器からの氷の落下防止策に関わるものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】最近市販されている冷蔵庫は冷凍食品を
貯蔵する冷凍室，冷蔵食品を貯蔵する冷蔵室，野菜，く
だものを貯蔵する野菜室、それにチルド食品を貯蔵する
チルド室といった具合に冷蔵庫を細かく区画し、且つそ
れぞれに専用の仕切壁及び扉を備えている。

【０００３】一方、冷蔵庫の製造工程から見ると、例え
ば庫内を冷却する冷却器及びその冷却器で冷却された冷
気を各部屋に送る冷気循環用ファンモータ等は以前とし
て前面の庫内側より冷凍室背壁近くに配設されている。
従って前記した如く、仕切壁により庫内が数室に区画さ
れるようになると、先の冷却器及びファンモータ等の冷
蔵庫本体への組み付けが非常に問題となることは、すぐ
に理解される所である。一般的にはこのことから、庫内
前面側からの組み込みを考え組み込み部品の多い冷凍室
の間口は大きくとっているのが現状である。

【０００４】ところが、最近になって従来冷蔵室の上方
に位置していた冷凍室を冷蔵室のした下方に設置する所
謂、ボトムフリーザタイプの冷蔵庫が市販されるように
なってきた。このものであると当然、冷凍室は引出し式
（使い勝手上）となり、この引出し式の冷凍室であった
場合、底の深い容器であると、下の方に何が入っている
か識別しにくくなることにより、引出し式の容器は底の
浅いものとならざるを得ない。特に冷凍室が引出し扉で
ある自動製氷機付き冷蔵庫の冷凍室引出し容器に於いて
は、氷の貯蔵量を可能な限り多くしたい為、満氷の検知
を容器の縁付近に設定することとなる。従って、この氷
の入った冷凍室扉を開閉時において、開閉時の反動によ
り冷凍室引出し容器の氷貯蔵部より氷が落ちるという問
題があった。尚、多扉化した冷蔵庫の例としては特開昭
60−111867号公報及び、特開平4−313665号公報等が挙
げられる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記した如き冷凍室が
冷蔵室の下方に位置した冷蔵庫であって、しかも冷凍室
が引出し扉である自動製氷機付き冷蔵庫にあっては次の
ような問題点があった。

【０００６】（１）氷の貯蔵量を可能な限り多くするた
めには、満氷の検知を容器の縁付近に設定しなければな
らない。

【０００７】（２）自動製氷機の枠部及び製氷皿部及び
冷凍室引出し容器外縁フランジ部より成る隙間には氷が
通るだけのスペースがある。

【０００８】（３）冷凍室を最下部に形成する所謂ボト
ムフリーザーにおいては、自動製氷機が作る氷の使い勝
手が問題となる。

【０００９】即ち、使用者は腰をかがめて氷の入った容
器を引出すこととなる。この時問題となるのが、冷凍室
の扉開閉時における冷凍室引出し容器内の氷の挙動であ
る。冷凍室容器内の氷は扉の開閉動作を行うたびに容器
内を開閉方向に向かって、滑ったり転がったりして移動
する。このため氷の位置が上昇した満氷時には、上側に
溜まった氷の位置は冷凍室容器の外縁フランジ部により
近くなり、扉開閉の衝撃により自動製氷機製氷皿と自動
製氷機枠部と冷凍室引出し容器外縁フランジ部により形
成される隙間より氷が引出し容器の外への落下を生じ
る。

【００１０】本発明の目的は、自動製氷機製氷皿と自動
製氷機枠部と冷凍室引出し容器外縁フランジ部の間に生
じる隙間からの氷の落下を防止した自動製氷機付き冷蔵
庫を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべくなされたものである。

【００１２】即ち、上から冷蔵室，野菜室，冷凍室の順
に配設され、冷蔵室側に給水ボトル部を、冷凍室側に製
氷部を有する自動製氷機付き冷蔵庫において、自動製氷
機の枠部に自動製氷機の離氷動作時の製氷皿及び冷凍室
扉開閉時の冷凍室引出し容器に干渉しない位置に、リブ
もしくはフランジ形状を形成したものである。

【００１３】具体的には、自動製氷機の枠部外壁部と自
動製氷機の製氷皿の間に、自動製氷機の離氷動作時の製
氷皿及び冷凍室扉開閉時の冷凍室引出し容器に干渉しな
い位置に、リブもしくはフランジ形状を設け、冷凍室扉
開閉時に自動製氷機枠部と製氷皿及び冷凍室引出し容器
外縁フランジ部の間に生じる隙間からの氷落下防止を図
るものである。

【００１４】又、自動製氷機枠部のリブもしくはフラン
ジ形状の下端形状は、冷凍室扉開閉時における冷凍室容
器外縁フランジ部の移動軌跡との距離を一定とする形状
としたものである。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下本発明の詳細を図に示す一実
施例で説明する。

【００１６】図１は本発明を備えた冷蔵庫の縦断面図、
図２は冷却室正面図、図３は本発明を備えた自動製氷機
枠部を説明する図、図４は図３の側面図、図５は図３と
は異なる第２の自動製氷機枠部を説明する図、図６は図
５の側面図である。

【００１７】まず、図１において、１は冷蔵庫本体、こ
の冷蔵庫本体１は外箱２と内箱３間に発砲断熱材４を充
填した箱体５と圧縮機６，凝縮機７，冷却器８等より成
る冷凍サイクルと、上記箱体５が形成する冷凍室９，野
菜室１０、それに冷蔵室１１等の前面開口部を閉鎖する
扉１２，１３，１４，１５等より構成されている。

【００１８】尚、上記扉１２，１３，１４は冷凍室９
ａ，９ｂを形成する引出し容器１６，１７及び野菜室１
０を形成する引出し容器１８を枠をもって扉側に有して
いる。換言すると、形成する扉１２，１３，１４は引出
し式の扉であり扉の引出しに合わせ、該引出し容器１
６，１７，１８が引出されてくるものである。又、本冷
蔵庫は冷凍室９が最下段であり中央が野菜室１０そして
その上が冷蔵室１１となるよう構成されている点も特徴
としているものである。

【００１９】しかして、上記冷蔵庫本体１は圧縮機６を
収納の為に、冷凍室９の後方部を前方部に比較して上底
としている。これに伴い、先の冷凍室の引出し容器１６
はこの部分を避けた形状に作られている。１９は冷凍室
９の背面後方部に形成された冷却室。この冷却室１９内
に先の冷却器８は縦に収納されている。２０は上記冷却
器８の上方に設置された冷気循環用ファン。２１はファ
ンモータである。これら冷却器８，冷気循環用ファン２
０は図１にも示す如く冷蔵庫本体１の背面部に位置す
る。従って圧縮機６により冷凍室９の下面が上底になっ
ているものにあっては冷凍室９の上面（仕切壁２２の下
面）より冷気循環用ファン２０の位置の方が上方に位置
してしまう。

【００２０】２２は上記した如く仕切壁。この仕切壁２
２は冷凍室９と野菜室１０間を熱的に区画する。又、こ
の仕切壁２２は後方に立上り部２２ａを有している。こ
の立上り量は冷気循環用ファン２０の上部に至る高さと
する。更に、この仕切壁２２は先にも記述した如く冷凍
室９の上面を形成する。換言すると、仕切壁２２は扉１
３，１４のガスケット（図示せず）受面も形成している
ものである。従ってこの仕切壁２２の前端部には、仕切
板２３表面を加熱し露が付かないようにする為の高温の
パイプ２４（冷凍サイクルの凝縮器部のパイプを意味す
る）を有している。

【００２１】この仕切板２３を基準にして、先の立上り
部２２ａは上方に立上っているものである。２５は冷却
室１９と冷凍室９を仕切る役目も果たすファンガード
で、冷却器８で冷却された冷気は冷気循環用ファン２０
の働きにより冷凍室９に上記ファンガード２５を経由し
て吹き出されるものである。２６は自動製氷機。この自
動製氷機２６は先の仕切壁２２の下面近くに設けられて
いる。２７は上記自動製氷機２６部に冷気ダクトで、先
の仕切壁２２の下面に図に示す如く取付けられ、仕切壁
２２下面と冷気ダクト２７間を冷気通路としている。

【００２２】又、上記仕切壁２２は、立上り部２２ａを
有する側（第２の仕切壁２２ｃ）と仕切壁２３を有する
側（第１の仕切壁２２ｂ）とに分割されているものであ
る。そして、第１の仕切壁２２ｂは発砲断熱剤４の発砲
前に冷蔵庫の箱体５に組み付けられる。

【００２３】次に図２，図３，図４を用いて、自動製氷
機２６について説明する。

【００２４】この図２は、図１のＣ−Ｃ断面相当図、図
３は図２の要部拡大図であり、図４は図３の側面図であ
る。以下図において、２６は自動製氷機。この自動製氷
機２６は先の仕切壁２２に取付けられているものであ
る。又、この自動製氷機２６は製氷皿部２６ａと駆動部
等より構成されているものである。しかして、この製氷
皿部２６ａは図にも示す如く、駆動部２６ｂにより強制
的に回転され、製氷皿部２６ａで出来た氷が離氷される
構造になっている。この為、製氷皿部２６ａと仕切壁２
２との間には該製氷皿を回転することが出来る寸法が確
保されているものである。

【００２５】５１は、上記自動製氷機２６で作られた氷
を一時ストックしておく貯氷箱である。この貯氷箱５１
は、引出し容器１７内に設置されている。５２は、冷蔵
室１１内に設置された給水タンク。５３は、この給水タ
ンクより一定の量の水を製氷皿部２６ａに導水する給水
パイプ。この給水パイプ５３は図にも示す如く、野菜室
１０ａ側壁（発泡断熱材４）部に形成されたガイド溝５
４中に、着脱自在に装着されている。

【００２６】尚、この自動製氷機の枠部２６ｃには離氷
動作時の製氷皿２６ａ及び扉開閉時の冷凍室引出し容器
１７と干渉しない位置に、リブ２６ｄを設置している。
尚、このリブ２６ｄと製氷皿２６ａ，枠部２６ｃ，冷凍
室引出し容器１７の外縁フランジ部との距離はそれぞれ
製氷皿２６ａで出来る氷の大きさより小さい寸法に設置
されている。又、リブの下端の形状は冷凍室扉開閉時に
おける冷凍室引出し容器の外縁フランジ部上面の移動軌
跡６３との距離を一定とする形状としている。

【００２７】以上の如く構成することにより、冷凍室扉
開閉時に自動製氷機枠部と製氷皿及び冷凍室引出し容器
の外縁フランジ部の間に生じる隙間からの氷落下防止を
図るものである。

【００２８】次に図３，図４とは異なる自動製氷機につ
いて図５、図６を用いて説明する。

【００２９】図５は図２の要部拡大図であり、図６は図
５の側面図である。以下図において、２６は自動製氷
機。この自動製氷機２６は先の仕切壁２２に取付けられ
ているものである。又、この自動製氷機２６は製氷皿部
２６ａと駆動部等より構成されているものである。しか
して、この製氷皿部２６ａは図にも示す如く、駆動部２
６ｂにより強制的に回転され、製氷皿部２６ａで出来た
氷が離氷される構造になっている。この為、製氷皿部２
６ａと仕切壁２２との間には該製氷皿を回転することが
出来る寸法が確保されているものである。

【００３０】５１は、上記自動製氷機２６で作られた氷
を一時ストックしておく貯氷箱である。この貯氷箱５１
は、引出し容器１７内に設置されている。５２は、冷蔵
室１１内に設置された給水タンク。５３は、この給水タ
ンクより一定の量の水を製氷皿部２６ａに導水する給水
パイプ。この給水パイプ５３は図にも示す如く、野菜室
１０ａ側壁（発泡断熱材４）部に形成されたガイド溝５
４中に、着脱自在に装着されている。

【００３１】尚、この自動製氷機の枠部２６ｃには離氷
方向と反対の位置で離氷動作時の製氷皿２６ａ及び扉開
閉時の冷凍室引出し容器１７と干渉しない位置に、フラ
ンジ部２６ｅを設置している。尚、このフランジ部２６
ｅと冷凍室引出し容器１７の外縁フランジ部との距離は
製氷皿２６ａで出来る氷の大きさより小さい寸法に設置
されている。又、フランジ部の形状は冷凍室扉開閉時に
おける冷凍室引出し容器の外縁フランジ部上面の移動軌
跡６３との距離を一定とする形状としている。

【００３２】以上の如く構成することにより、冷凍室扉
開閉時に自動製氷機枠部と製氷皿及び冷凍室引出し容器
の外縁フランジ部の間に生じる隙間からの氷落下防止を
図るものである。

【００３３】

【発明の効果】本発明は以上の如き構造を有するもので
あるから、冷凍室扉開閉時に自動製氷機枠部と製氷皿及
び冷凍室引出し容器の外縁フランジ部の間に生じる隙間
からの氷落下防止を図ることが出来るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例である冷蔵庫の断面図。

【図２】図１のＣ−Ｃ線から断面した断面図。

【図３】図２の要部を拡大した側断面図。

【図４】図３のＡ−Ａ線断面図。

【図５】図１とは異なる要部を拡大した側断面図。

【図６】図５のＢ−Ｂ線断面図。

【符号の説明】

１…冷蔵庫本体、２…外箱、３…内箱、４…発泡断熱
剤、５…箱体、６…圧縮機、７…凝縮器、８…冷却器、
９…冷凍室（９ａ，９ｂ冷凍室）、１０，１４…野菜
室、１１…冷蔵室、１２，１３…冷凍室扉、１５…冷蔵
室扉、１６…引出し容器（冷凍室９ａ用）、１７…引出
し容器（冷凍室９ｂ用）、１８…引出し容器（野菜室
用）、１９…冷却室、２０…冷気循環用ファン、２１…
ファンモータ、２２…仕切壁、２２ａ…立上り部、２２
ｂ…第１の仕切壁、２２ｃ…第２の仕切壁、２２ｄ…溝
部、２３…仕切板、２４…高温パイプ、２５…ファンガ
ード、２６…自動製氷機、２６ａ…製氷皿部、２６ｂ…
駆動部、２６ｃ…枠部、２６ｄ…リブ部、２６ｅ…フラ
ンジ部、２７…冷気ダクト、２８…第３の仕切壁、２９
…突出壁、２９ａ…凹溝、３０…成形断熱材、３１…冷
気通路、３２…ダンパー組品、３３…枠、４０…ケー
ス、４１…冷蔵室用ダクト、５１…貯氷箱、５２…給水
タンク、５３…給水パイプ、５４…ガイド溝、５５…
樋、５７…凍結防止用ヒータ、５９…立上リブ、６０…
カバー、６１…穴、６２…溝部、６３…移動軌跡。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上から冷蔵室，野菜室，冷凍室の順に配設
   され、冷蔵室側に給水ボトル部を、冷凍室側に製氷部を
   有する自動製氷機付き冷蔵庫において、自動製氷機枠部
   に製氷動作時の製氷皿及び扉開閉時の冷凍室引出し容器
   と干渉しない位置にリブもしくはフランジを設けたこと
   を特徴とする自動製氷機付き冷蔵庫。
2. 【請求項２】上記自動製氷機枠部のリブもしくはフラン
   ジ形状の下端形状は、冷凍室扉開閉時における冷凍室引
   出し容器の奥側フランジ部の移動軌跡との距離を一定と
   する形状としたことを特徴とする請求項１記載の自動製
   氷機付き冷蔵庫。