JPH11108070A - 軸部材の嵌合構造および嵌合方法 - Google Patents

軸部材の嵌合構造および嵌合方法

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JPH11108070A
JPH11108070A JP9287838A JP28783897A JPH11108070A JP H11108070 A JPH11108070 A JP H11108070A JP 9287838 A JP9287838 A JP 9287838A JP 28783897 A JP28783897 A JP 28783897A JP H11108070 A JPH11108070 A JP H11108070A
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潤 秋保
Koichi Tanaka
航一 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第2軸部材の円周方向における応力の集中を
緩和することの可能な軸部材の嵌合構造を提供する。 【解決手段】 孔の内周に複数の内歯5が形成されたリ
ング2と、孔の内部に配置され、かつ、複数の内歯5に
噛合する複数の外歯8が形成されたスプライン軸3とを
備えた軸部材の嵌合構造において、複数の外歯8のいず
れかの歯先面9と、内歯5の歯底面10とを当接して相
互に塑性変形させた第1圧入部B1と、第1圧入部B1
が形成される外歯8以外の外歯8の歯面11と、内歯5
の歯面12とを当接して相互に塑性変形させた第2圧入
部C1とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両の動力伝達
装置などに用いられる軸部材の嵌合構造および嵌合方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両の動力伝達装置などにおい
ては、複数のトルク伝達部材が設けられており、これら
のトルク伝達部材同士の間でトルクの伝達が行われる。
ここで、複数のトルク伝達部材を、格別の接続部材を用
いることなく、比較的大きなトルクの伝達が可能な状態
で接続するための構成として、軸部材の嵌合構造が用い
られている。
【0003】この軸部材の嵌合構造は、孔の内周に複数
の内歯が形成された第1軸部材と、外周に複数の外歯が
形成された第2軸部材とを備えている。そして、第2軸
部材を孔の内部に挿入することにより、複数の内歯と複
数の外歯とが噛合され、第2軸部材と第1軸部材との間
におけるトルクの伝達が可能な状態になる。
【0004】このように、軸部材の嵌合構造は、第1軸
部材と第2軸部材とを孔の軸線方向に相対移動させる過
程を経て両者が結合される。そこで、第2軸部材を孔の
内部に挿入する場合の挿入抵抗を軽減させるため、複数
の内歯と複数の外歯との間に、円周方向に所定の隙間が
形成されるように、複数の内歯および複数の外歯の寸法
が設定されている。
【0005】しかし、複数の内歯と複数の外歯との間に
円周方向の隙間が形成された状態で第1部材と第2部材
とが接続されていると、トルクの変化により隙間の範囲
内で第2軸部材と第1軸部材とが円周方向に相対移動す
る。その結果、第1軸部材または第2軸部材が振動した
り、内歯と外歯との噛合い部分に騒音が生じる可能性が
あった。
【0006】ここで、第1軸部材と第2軸部材とが接続
された状態において、第1軸部材と第2軸部材との円周
方向の相対移動を防止することの可能な軸部材の嵌合構
造および嵌合方法の一例が、特開昭58−211018
号公報に記載されている。この公報に記載された軸部材
の嵌合構造では、雌形スプライン(第1軸部材)の歯部
(内歯)の谷部の一部が塑性変形されて、谷部の円周方
向の長さが部分的に狭くなるように形成されている。そ
して、雌形スプラインに雄形スプライン(第2軸部材)
が圧入固定されている。
【0007】つまり、この公報に記載された軸部材の嵌
合構造は、雌形スプラインの歯部の一部を塑性変形させ
てその谷部の円周方向の長さを部分的に狭く形成し、そ
の後に焼き入れなどの熱処理を施し、雄形スプラインを
雌形スプラインに圧入して製造されている。
【0008】上記公報に記載された軸部材の嵌合構造お
よび嵌合方法によれば、雌形スプラインの歯部の谷部の
間隔が狭くなっているため、雌雄一対のスプラインが円
周方向に隙間なく噛合して圧入される。したがって、雌
雄一対のスプラインの間で伝達されるトルクが変化した
場合でも、雌雄一対のスプラインの円周方向の相対移動
を防止することができるとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載されたスプラインおよびその製造方法においては、雌
形スプラインの内周を円周方向において局部的に塑性変
形させることにより、雌雄一対のスプラインを相互に圧
入している。このため、雌形スプラインの内周に円周方
向において局部的な応力の集中が発生し、圧入時の圧入
荷重が高い場合は雌形スプラインの外周形状の変形や強
度の低下を招く恐れがあった。
【0010】この発明は上記事情を背景としてなされた
もので、第2軸部材の円周方向における応力の集中を緩
和することの可能な軸部材の嵌合構造およびその嵌合方
法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記目的
を達成するため請求項1の発明は、孔の内周に複数の内
歯が形成された第1軸部材と、前記孔の内部に配置さ
れ、かつ、前記複数の内歯に噛合する複数の外歯が形成
された第2軸部材とを備えた軸部材の嵌合構造におい
て、前記複数の外歯のいずれかの歯先面と、前記内歯の
歯底面とを当接して相互に塑性変形させた第1圧入部
と、前記第1圧入部が形成される外歯以外の外歯の歯面
と、前記内歯の歯面とを当接して相互に塑性変形させた
第2圧入部とを備えていることを特徴とする。
【0012】また、請求項2の発明は、孔の内周に複数
の内歯が形成された第1軸部材と、複数の外歯が形成さ
れた第2軸部材とを、前記孔の軸線方向に相対移動さ
せ、この第2軸部材を前記孔の内部に挿入して前記複数
の内歯と前記複数の外歯とを噛合させる軸部材の嵌合方
法において、前記第2軸部材を前記孔の内部に挿入する
過程で、複数の外歯のいずれかの歯先面と、前記内歯の
歯底面とを当接して相互に塑性変形させて第1圧入部を
形成し、かつ、前記第1圧入部が形成される外歯以外の
外歯の歯面と、前記内歯の歯面とを当接して相互に塑性
変形させて第2圧入部を形成することを特徴とする。
【0013】請求項1の発明または請求項2の発明によ
れば、単一の歯溝に臨む箇所に第1圧入部および第2圧
入部が両方共形成されることなく、第1軸部材の円周方
向に分散して形成されている。このため、第1軸部材の
孔に第2軸部材を嵌合する場合に第1軸部材の孔の内周
側が塑性変形するが、孔の円周方向における局部的な応
力の集中が緩和される。したがって、内歯の強度や耐久
性が向上する。また、孔の円周方向における局部的な応
力の集中が緩和されるため、結果的に第1軸部材の外周
形状の変形が抑制され、外周形状の精度が維持される。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明の一実施例を添付
図面に基づいて説明する。図2はこの発明の一実施例に
係る軸部材の嵌合構造の組み立て状態を示す側面図、図
3は軸部材の嵌合構造の分解状態を示す正面断面図であ
る。この軸部材の嵌合構造は、例えば車両の動力伝達装
置の部品として用いられ、この軸部材の嵌合構造は、ト
ルク伝達部材であるリング2およびスプライン軸3の組
み合わせにより構成されている。
【0015】まず、リング2は軸線A1を中心として回
転可能に構成されており、リング2には軸線A1を中心
とする孔4が貫通して形成されている。孔4の内周に
は、円周方向に所定間隔をおいて複数の内歯5が形成さ
れ、各内歯5同士の間には歯溝6がそれぞれ形成されて
いる。図4は単体のリング2を示す側面図であり、各歯
溝6には、円周方向の幅の広い歯溝、および円周方向の
幅の狭い歯溝の2種類がある。また、リング2の外周に
は複数の外周歯7が形成されている。この複数の外周歯
7は、他の回転部材(図示せず)に噛合される。
【0016】一方、スプライン軸3は孔4の内部に配置
されており、軸線A1を中心として回転可能に構成され
ている。図5は単体のスプライン軸3を示す側面図であ
り、スプライン軸3の外周には、円周方向に所定間隔を
おいて複数の外歯8が形成されている。そして、各外歯
8と各内歯5とが噛合している。そして、幅の狭い歯溝
6には1つの外歯8が嵌合され、幅の広い歯溝6には2
つの外歯8が嵌合されている。なお、スプライン軸3の
端部の外周には面取り部3Aが形成されている。
【0017】図1(A)は、内歯5と外歯8との噛合い
部分を示す拡大側面図である。すなわち、外歯8の歯先
面9と、歯溝6の歯底面10とが当接し、歯先面9およ
び歯底面10が相互に塑性変形して第1圧入部B1が形
成されている。さらに、外歯8の歯面11と、内歯5の
歯面12とが非接触状態にあり、歯面11と歯面12と
の間に隙間が形成されている。また、外歯8の歯面11
がインボリュート曲線状に成形されている一方、内歯5
の歯面12がほぼ直線状に成形されている。
【0018】図1(B)は、第1圧入部B1が形成され
た外歯8以外の外歯8と、この外歯8が噛合う内歯5と
を示す部分的な拡大側面図である。すなわち、外歯8の
歯面11と、内歯5の歯面12とが当接して相互に塑性
変形し、第2圧入部C1が形成されている。
【0019】図6は、第1圧入部B1または第2圧入部
C1のいずれも形成されていない外歯8と、この外歯8
の両側に位置する内歯5とを示す拡大側面図である。図
6においては、歯先面9と歯底面10との間に隙間が形
成され、歯面11と歯面12との間に隙間が形成されて
いる。また、外歯8の歯面11がインボリュート曲線状
に成形されている一方、内歯5の歯面12がほぼ直線状
に成形されている。
【0020】以上のように、この実施例の軸部材の嵌合
構造1においては、第1圧入部B1および第2圧入部C
1と、第1圧入部B1および第2圧入部C1のいずれも
形成されていない領域とが、別々の外歯8に対応して形
成されている。リング2の孔4の円周方向において、第
1圧入部B1および第2圧入部C1と、第1圧入部B1
および第2圧入部C1のいずれも形成されていない領域
との配置順序は任意に決定可能である。そして、第1圧
入部B1または第2圧入部C1を形成する歯数、第1圧
入部B1または第2圧入部C1のいずれも形成しない歯
数は、孔4に対するスプライン軸3の圧入荷重、または
歯面11と歯面12との許容接触応力などの条件に基づ
いて決定されている。
【0021】ここで、実施例の構成と、請求項1および
請求項2の構成との対応関係を説明すれば、リング2が
請求項1および請求項2の第1軸部材に相当し、スプラ
イン軸3が請求項1および請求項2の第2軸部材に相当
する。
【0022】つぎに、軸部材の嵌合構造1の製造方法を
説明する。まず、リング2およびスプライン軸3が別々
に機械加工される。ここで、リング2およびスプライン
軸3の各部の寸法は、例えば以下の通りに設定すること
が可能である。すなわち、図5に示す各外歯8の歯先円
の直径D1を全て同一に設定する。また、外歯8の幅E
1は全て同一に設定する。一方、図4に示す内歯5の歯
元円の直径D2は、直径D1を越えるものと、直径D1
未満のものとの2種類を設定する。さらに、歯溝6の幅
E2は、幅E1を越えるものと、E1未満のものとの2
種類を設定する。
【0023】上記の寸法に設定されたリング2およびス
プライン軸3を、図3に示すように同一軸線A1上に配
置するとともに、リング2とスプライン軸3とを軸線A
1に沿って相対移動し、リング2の孔4の内部にスプラ
イン軸3を挿入する。この挿入過程において、外歯8の
歯先円の直径D1が、内歯5の歯元円の直径D2よりも
大きく設定されている箇所では、図1(A)に示すよう
に外歯8の歯先面9と歯底面10とが当接する。そし
て、歯先面9から歯底面10に対して外側向きの荷重が
作用し、歯先面9および歯底面10が塑性変形して第1
圧入部B1が形成される。
【0024】また、歯溝6の幅E2の方が、外歯8の幅
E1よりも狭く設定されている箇所では、図1(B)に
示すように歯面11と歯面12とが当接する。そして、
歯面12を外側に押し広げる荷重が作用し、歯面11お
よび歯面12が塑性変形して第2圧入部C1が形成され
る。
【0025】さらに、内歯5の歯元円の直径D2より
も、外歯8の歯元円の直径D1の方が小さく設定されて
いる箇所では、図1(B)および図6に示すように、歯
先面9と歯底面10との間に隙間が形成される。さら
に、外歯8の幅E1よりも歯溝6の幅E2の方が広く設
定されている箇所では、図1(A)および図6に示すよ
うに歯面11と歯面12との間に隙間が形成される。
【0026】上記の軸部材の嵌合構造を車両のトルク伝
達装置の部品として用いた場合は、リング2とスプライ
ン軸3との間でトルクの伝達が行われる。この場合、リ
ング2を入力部材とし、スプライン軸3を出力部材とす
る構成、または、リング2を出力部材とし、スプライン
軸3をの入力部材とする構成のいずれを選択することも
可能である。
【0027】そして、この実施例では、リング2とスプ
ライン軸3との嵌合部に、第1圧入部B1および第2圧
入部C1が形成されているため、リング2とスプライン
軸3との円周方向の相対移動が防止される。したがっ
て、リング2とスプライン軸3との間で伝達されるトル
クが変化した場合でも、リング2またはスプライン軸3
の振動が低減され、かつ、内歯5と外歯8との噛合い部
分に生じる騒音が抑制される。
【0028】また、この実施例では、第1圧入部B1お
よび第2圧入部C1と、第1圧入部B1および第2圧入
部C1のいずれも形成されていない領域とが、別個の外
側スプライン歯8に対応して形成されている。言い換え
れば、単一の歯溝6に臨む箇所には、第1圧入部B1ま
たは第2圧入部C1のいずれか一方が形成されるか、ま
たは、第1圧入部B1および第2圧入部C1がいずれも
形成されていない構成になっている。つまり、第1圧入
部B1および第2圧入部C1が、単一の歯溝6に形成さ
れずに、リング2の円周方向に分散して形成されてい
る。
【0029】このため、孔4の内部にスプライン軸3を
嵌合する場合は孔4の内周が塑性変形するが、孔4の円
周方向における局部的な応力の集中が緩和され、内歯5
の歯元の隅肉部の亀裂、欠損、割れなどが抑制される。
したがって、内歯5の強度や耐久性が向上する。また、
リング2の半径方向の肉厚が比較的薄い場合でも、リン
グ2の外周形状、具体的には外周歯7の変形が抑制され
てその形状精度が維持される。したがって、リング2の
外周歯7と、外周歯7に噛み合う回転部材(図示せず)
とのギヤノイズが抑制され、かつ、外周歯7の強度や耐
久性が向上する。
【0030】つぎに、リング2の孔4にスプライン軸3
を嵌合した場合に、この嵌合荷重がリング2の外周形状
に与える影響を、図4に示す外周歯7の圧力角θ1を例
として説明する。この圧力角θ1は、外周歯7の歯面1
3上において、その半径線F1と歯面13に対する接線
G1との成す角である。
【0031】図7は、実施例に係る軸部材の嵌合構造の
外周歯7の圧力角θ1の誤差の変化量と、および比較例
に係る軸部材の嵌合構造の外歯の圧力角の誤差の変化量
とを比較した線図である。ここで、比較例は、内歯の単
一の歯溝に臨む箇所に、外歯の歯先面と内歯の歯底面と
を当接させて相互に塑性変形した第1圧入部と、外歯の
歯面と内歯の歯面とを当接させて相互に塑性変形した第
2圧入部とが形成されている。
【0032】図7の線図においては、縦軸に圧力角の誤
差の変化量が示され、横軸にリングの内歯の歯番号(1
〜n)が示されている。この図7によれば、実施例の圧
力角θ1の変化量の変化割合の方が、比較例の圧力角の
変化量の変化割合よりも少ないことが分かる。このよう
な差異が生じる理由は、比較例では、内歯の単一の歯溝
に臨む箇所に、第1圧入部および第2圧入部が形成され
ており、リングの内周面に局部的な応力の集中が発生
し、結果的に外歯が変形しやすいからである。
【0033】なお、上記実施例において、複数の内歯5
の歯元円の直径D2を全てほぼ同一に設定したリング2
と、複数の外歯8の歯先円の直径D1を、直径D2より
も小さい値および大きい値の2種類に設定したスプライ
ン軸3とを嵌合して第1圧入部B1を形成することも可
能である。さらに、歯溝6の幅E2を全て同一に設定し
たリング2と、各外歯8の幅E1が幅E2よりも狭いも
のと広いものとの2種類に設定したスプライン軸3とを
嵌合して第2圧入部C1を形成することも可能である。
【0034】また、この実施例では、内歯5の歯面12
がほぼ直線状に成形されているため、面取り部3Aが施
されたスプライン軸3を孔4に挿入する場合に、外歯8
の歯面11と歯面12との間に隙間が形成される。した
がって、スプライン軸3とリング2との円周方向の位相
を合致させやすく、リング2の孔4に対するスプライン
軸3の嵌合作業性が向上する。
【0035】さらに、歯面11と歯面12との間に隙間
が形成される歯面12の形状をインボリュート曲線状に
成形することも可能である。この構成を採用すれば、ト
ルクの伝達時にリング2とスプライン軸3とが円周方向
に相対移動して歯面11と歯面12とが接触した場合
に、歯面11と歯面12とが面接触して単位面積当たり
の接触圧力が軽減され、歯面11または歯面12の変
形、欠損、割れが抑制される。なお、上記スプライン軸
3の歯をほぼ矩形とした角形スプライン軸を用いること
も可能である。さらに、この発明の内側部材としてセレ
ーション軸を用いることも可能である。
【0036】ここで、上記の実施例に開示されたこの発
明の特徴的な構成を列挙すれば以下の通りである。すな
わち、孔の内周に複数の内歯が形成された第1軸部材
と、前記孔の内部に配置され、かつ、前記複数の内歯に
噛合する複数の外歯が形成された第2軸部材とを備えた
軸部材の嵌合構造において、前記複数の外歯のいずれか
の歯先面と、前記内歯の歯底面とを当接して相互に塑性
変形させた第1圧入部と、前記第1圧入部が形成される
外歯以外の外歯の歯面と、前記内歯の歯面とを当接して
相互に塑性変形させた第2圧入部とを備えており、か
つ、前記第2圧入部以外の箇所では前記外歯の歯面と、
前記内歯の歯面との間に隙間が形成されていることを特
徴とする軸部材の嵌合構造。ここで、上記隙間に臨む前
記内歯の歯面の形状を、ほぼ直線状またはインボリュー
ト曲線状に成形することが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上のように請求項1または請求項2の
発明によれば、単一の歯溝に臨む箇所に第1圧入部およ
び第2圧入部が両方共形成されることなく、第1軸部材
の円周方向に分散して形成されている。このため、第1
軸部材の孔に第2軸部材を嵌合する場合に第1軸部材の
孔の内周側が塑性変形するが、孔の円周方向における局
部的な応力の集中が緩和される。したがって、内歯の強
度や耐久性が向上する。また、孔の円周方向における局
部的な応力の集中が緩和されるため、結果的に第1軸部
材の外周形状の変形が抑制され、外周形状の精度が維持
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)は、この発明の一実施例に係る
軸部材の嵌合構造の要部を示す側面図である。
【図2】この発明の一実施例に係る軸部材の嵌合構造の
組み立て状態を示す側面図である。
【図3】この発明の一実施例に係る軸部材の嵌合構造の
分解状態を示す正面断面図である。
【図4】図2の軸部材の嵌合構造のリングのみを示す側
面図である。
【図5】図2の軸部材の嵌合構造のスプライン軸を示す
側面図である。
【図6】この発明の軸部材の嵌合構造の要部を示す側面
図である。
【図7】この発明の実施例に用いられたリングの外歯の
圧力角の変化量と、比較例のリングの外歯の圧力角の変
化量とを比較した線図である。
【符号の説明】
2 リング 3 スプライン軸 4 孔 5 内歯 8 外歯 9 歯先面 10 歯底面 11,12 歯面 A1 軸線 B1 第1圧入部 C1 第2圧入部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔の内周に複数の内歯が形成された第1
    軸部材と、前記孔の内部に配置され、かつ、前記複数の
    内歯に噛合する複数の外歯が形成された第2軸部材とを
    備えた軸部材の嵌合構造において、 前記複数の外歯のいずれかの歯先面と、前記内歯の歯底
    面とを当接して相互に塑性変形させた第1圧入部と、 前記第1圧入部が形成される外歯以外の外歯の歯面と、
    前記内歯の歯面とを当接して相互に塑性変形させた第2
    圧入部とを備えていることを特徴とする軸部材の嵌合構
    造。
  2. 【請求項2】 孔の内周に複数の内歯が形成された第1
    軸部材と、複数の外歯が形成された第2軸部材とを、前
    記孔の軸線方向に相対移動させ、この第2軸部材を前記
    孔の内部に挿入して前記複数の内歯と前記複数の外歯と
    を噛合させる軸部材の嵌合方法において、 前記第2軸部材を前記孔の内部に挿入する過程で、複数
    の外歯のいずれかの歯先面と、前記内歯の歯底面とを当
    接して相互に塑性変形させて第1圧入部を形成し、か
    つ、前記第1圧入部が形成される外歯以外の外歯の歯面
    と、前記内歯の歯面とを当接して相互に塑性変形させて
    第2圧入部を形成することを特徴とする軸部材の嵌合方
    法。
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Cited By (12)

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