JPH11105761A - 自転車用ギヤクランクのカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カバーを可撓性ある材料で形成して、ギヤク
ランクを分解することなくカバーを容易に装着できるよ
うにし、これによってギヤ板の外観向上及び着衣巻き込
み等の防止を図ると共に、カバー自体の意匠的加工を容
易とする。 【解決手段】 ギヤ板２及びクランク３を備えた自転車
用ギヤクランク１に装着されるカバー２０であって、可
撓性を有する材料によりほぼリング状に形成され、中心
の孔２１がクランクのギヤ板への接合端１４に弾性力を
もって嵌合し、且つ外周縁２２がギヤ板に形成された窓
部１１の付近まで覆うように形成されている。外周縁２
２が、チェンガイド１２におけるクランク用開口１３の
内縁付近まで形成されている。材質が樹脂であり、蓄光
顔料又は蛍光顔料が混入又は付着されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自転車用ギヤクラ
ンクに装着されるカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】図２に示すように、一般的な自転車用ギ
ヤクランク１は、ギヤ板２と、一端が上記ギヤ板２の中
心部に対してねじ締結により接合されたクランク３とを
備えており、このギヤ板２及びクランク３の中心に貫通
された貫通孔４を、フレーム５のボトムブラケットで回
転可能に支持されたハンガーシャフトに嵌合し、貫通孔
４内のハンガーシャフトの先端にボルト又はナット６を
締め込むことでフレーム５に組み付けている。そして、
上記ギヤ板２と、フリーホイールのスプロケット（図示
省略）とにチェン７を巻き掛け、クランク３の先端にペ
ダル（図示省略）を取り付ける。その場合、必要に応じ
てギヤ板２、フリーホイールのスプロケット及びチェン
７を覆うチェンガイドをフレーム５に取り付けている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的なギ
ヤクランク１のギヤ板２は、中心部８と、この中心部８
から外周に向かって延びる複数のアーム９・・と、各ア
ーム９・・の外周側に連設されたリングギヤ１０とを備
えるが、例えばアーム間に形成された窓部１１・・など
の凹凸は、外観上、乱雑な印象を与えると共に、着衣を
引っかけたり汚すといった不具合も懸念される。そのた
め従来、上記中心部８から窓部１１・・付近を金属性の
カバーで覆うことにより、ギヤ板２の外観をすっきりさ
せて意匠的効果を高めると共に、着衣の巻き込み等を防
止することが行われていた。しかし、この金属性カバー
を取り付けるには、完成車メーカー又は自転車ショップ
に納品されるギヤクランク１のギヤ板２からクランク３
を取外し、ギヤ板２の窓部等を利用して金属性カバーを
カシメ止めしてから再度ギヤ板２にクランク３を取り付
ける必要があり、この作業が非常に煩雑なことから、改
良が切望されていた。また、チェンガイドを有する自転
車では、これに金属性カバーを取り付けることも考えら
れるが、やはりカシメ止めやネジ止めなどの煩雑な作業
によることを余儀なくされていた。

【０００４】本発明は、このような点に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、カバーを可撓
性ある材料で形成することにより、ギヤクランクを分解
することなくカバーを容易に装着できるようにし、これ
によってギヤ板の外観向上及び着衣巻き込み等の防止を
図ると共に、カバー自体の意匠的加工を容易とすること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の自転車用ギヤクランクのカバーは、ギヤ
板及びクランクを備えた自転車用ギヤクランクに装着さ
れるカバーを対象とする。そして、可撓性を有する材料
によりほぼリング状に形成され、中心の孔がクランクの
ギヤ板への接合端に弾性力をもって嵌合し、且つ外周縁
がギヤ板に形成された窓部の付近まで覆うように形成さ
れていることを特徴としている。

【０００６】このカバーの孔をクランクに通し、カバー
を弾性変形させてクランクのギヤ板への接合端まで移動
させると、孔がこの接合端に弾性力をもって嵌合し、容
易に装着される。そうすると、カバーがギヤ板の窓部付
近まで覆うので、ギヤ板の外観が向上し、着衣巻き込み
等が防止される。また、材質を樹脂等にすれば、成形、
着色などの意匠的加工が容易となり、外観向上が図り易
い。例えば、樹脂等の材料に顔料等で着色してから成形
することができるし、成形時に熱転写を施したり成形後
に印刷、転写を行うことで色彩又は模様を容易につける
ことができる。

【０００７】請求項２の自転車用ギヤクランクのカバー
は、請求項１の構成において、上記外周縁が、チェンガ
イドにおけるクランク用開口の内縁付近まで形成されて
いることを特徴とする。

【０００８】このようにすれば、チェンガイドを有する
自転車でカバーがチェンガイドのクランク用開口を塞ぐ
ので、チェンガイドのクランク用開口から覗くギヤ板の
外観が向上し、着衣巻き込み等が防止される。

【０００９】請求項３の自転車用ギヤクランクのカバー
は、上記請求項１又は２の構成において、材質が樹脂で
あり、蓄光顔料又は蛍光顔料が混入又は付着されてい
る。

【００１０】このようにすれば、カバーが発光し又は光
を反射するので、夜間又は暗所では自転車の視認性が高
くなる。また、カバーの材質を樹脂等にすれば、材料に
蓄光顔料又は蛍光顔料で着色してから成形することがで
きるし、成形時に熱転写を施したり成形後に印刷、転写
を行うことで蓄光顔料又は蛍光顔料を容易に付けること
ができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る自転車用ギヤ
クランクのカバーの実施形態を説明するが、この実施形
態により本願発明が限定されるものではない。

【００１２】図１は実施形態に係る自転車用ギヤクラン
クのカバー２０を示す。このカバー２０は、先に図２で
説明したギヤ板２及びクランク３を備えた自転車用ギヤ
クランク１に対して用いられるものである。従って、先
の説明で引用した符号をそのまま踏襲しながら説明を進
める。この実施形態では最終的に、図５に示すように、
ギヤ板２、フリーホイールのスプロケット及びチェン７
を覆うチェンガイド１２をフレーム５に取り付ける。こ
のチェンガイド１２には、クランク３を通すためのクラ
ンク用開口１３が開口している。

【００１３】上記カバー２０は、ウレタン樹脂などの樹
脂で例示されるような可撓性を有する材料によりほぼリ
ング状に形成されている。そして、中心の孔２１がクラ
ンク３のギヤ板２への接合端１４に弾性力をもって嵌合
し、且つ外周縁２２がギヤ板２に形成された窓部１１・
・の付近まで覆うように形成されている。この実施形態
ではチェンガイド１２を設けているので、上記外周縁２
２はチェンガイド１２におけるクランク用開口１３の内
縁付近まで形成されているに過ぎないが、それよりも外
周側はチェンガイド１２に覆われるので、これで充分で
ある。また、カバー２０は、孔２１から外周縁２２に向
けて斜面を形成するよう、すり鉢状に形成されている。
そして、このカバー２０には、蓄光顔料又は蛍光顔料が
混入され、又は付着している。なお、これは任意事項で
あるが、上記孔２１の内周にスプライン状の凹凸を付け
たときには、クランク３の接合端１４への嵌合力が増し
て、外れ難くなる。

【００１４】上記カバー２０の使用法を説明する。図３
に示すように、カバー２０の孔２１をクランク３に通
し、カバー２０を弾性変形させてクランク３のギヤ板２
への接合端１４まで移動させると、図４及び図６に示す
ように、孔２１がこの接合端１４に弾性力をもって嵌合
する。そうすると、図５に示すように、チェンガイド１
２をフレーム５に取り付けたときに、カバー２０がチェ
ンガイド１２のクランク用開口１３を塞ぐので、チェン
ガイド１２のクランク用開口１３から覗くギヤ板２の外
観が向上し、着衣巻き込み等が防止される。このように
上記カバー２０はギヤクランク１を分解することなく容
易に装着できるので、装着作業が非常に簡単である。そ
のため、金属性カバーに比して作業効率を大幅に向上で
き、コスト低減効果も大きい。また、材質を樹脂等にす
れば、成形、着色などの意匠的加工が容易となり、外観
向上等が図り易い。例えば、樹脂等の材料に顔料等で着
色してから成形することができるし、成形時に熱転写を
施したり成形後に印刷、転写を行うことで色彩又は模様
を容易につけることができる。その点で金属性カバーに
比して生産効率が良く、コストも安上がりである。

【００１５】また、上記カバー２０は、蓄光顔料又は蛍
光顔料により発光し又は光を反射するので、夜間又は暗
所では自転車の視認性が高くなる。また、カバー２０の
材質を樹脂等にすれば、樹脂材料に蓄光顔料又は蛍光顔
料で着色してから成形することができるし、成形時に熱
転写を施したり成形後に印刷、転写を行うことで蓄光顔
料又は蛍光顔料を容易につけることができる。

【００１６】さらに、一般にクランク３のギヤ板２への
接合端１４の外径は規格化により統一されているので、
孔２１の寸法はほぼ一定に設定してよく、またカバー２
０の外径が大きすぎるときには、材質が樹脂等であれば
これを切って用いることができるから、上記カバー２０
はあらゆる種類の自転車に用いることができる。

【００１７】また、カバー２０を孔２１から外周縁２２
に向けて斜面を形成するよう、すり鉢状に形成したの
で、図６に示すように、外周縁２２が弾性力を受けてギ
ヤ板２に密着することになり、クランク３のギヤ板２へ
の接合部付近に塵、水などが入り難くなり、接合部付近
が錆難い。そのため、整備のためにクランク３をギヤ板
２から取り外す作業を行うときに分離し易くなる。

【００１８】本発明は、チェンガイドを設けない自転車
にも用いることができる。また、本発明は、蓄光顔料及
び蛍光顔料のいずれもが混入せず、付着していない実施
形態、すり鉢状に形成せずにほぼ平坦に形成した実施形
態を含むものである。

【００１９】

【発明の効果】請求項１の自転車用ギヤクランクのカバ
ーをギヤクランクに装着すれば、ギヤ板の外観を向上さ
せることができると共に、着衣巻き込み等を防止するこ
とができる。その場合、ギヤクランクを分解することな
く容易に装着できるので、装着作業が非常に簡単であ
る。そのため、金属性カバーに比して作業効率を大幅に
向上でき、コスト低減効果も大きい。また、材質を樹脂
等にすれば、成形、着色などの意匠的加工が容易とな
り、外観向上等を図り易い。

【００２０】請求項２のようにすれば、チェンガイドを
有する自転車でクランク用開口から覗くギヤ板の外観を
向上させることができると共に、着衣巻き込み等を防止
することができる。その場合、ギヤクランクを分解する
ことなく容易に装着できるので、装着作業が非常に簡単
である。そのため、金属性カバーに比して作業効率を大
幅に向上でき、コスト低減効果も大きい。また、材質を
樹脂等にすれば、成形、着色などの意匠的加工が容易と
なり、外観向上等を図り易い。

【００２１】請求項３のようにすれば、夜間又は暗所で
自転車の視認性がよくなり、安全性を高めることができ
る。また、カバーの材質を樹脂等とすれば、材料に蓄光
顔料又は蛍光顔料で着色してから成形することができる
し、成形時に熱転写を施したり成形後に印刷、転写を行
うことで蓄光顔料又は蛍光顔料を容易につけることがで
きるので、生産効率が良く、コストも安上がりである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るカバーを示す斜視図で
ある。

【図２】自転車用ギヤクランク付近を斜め後方からみた
斜視図である。

【図３】上記カバーを装着する過程を示す自転車用ギヤ
クランク付近の斜視図である。

【図４】上記カバーを装着した状態を示す自転車用ギヤ
クランク付近の斜視図である。

【図５】上記カバーを装着し、更にチェンガイドを取り
付けた状態を示す自転車用ギヤクランク付近の斜視図で
ある。

【図６】上記カバーを装着した自転車用ギヤクランクを
示す拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 自転車用ギヤクランク ２ ギヤ板 ３ クランク １１ 窓部 １２ チェンガイド １３ クランク用開口 １４ 接合端 ２０ カバー ２１ 孔 ２２ 外周縁

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ギヤ板及びクランクを備えた自転車用ギ
   ヤクランクに装着されるカバーであって、可撓性を有す
   る材料によりほぼリング状に形成され、中心の孔がクラ
   ンクのギヤ板への接合端に弾性力をもって嵌合し、且つ
   外周縁がギヤ板に形成された窓部の付近まで覆うように
   形成されていることを特徴とする自転車用ギヤクランク
   のカバー。
2. 【請求項２】 外周縁が、チェンガイドにおけるクラン
   ク用開口の内縁付近まで形成されている請求項１記載の
   自転車用ギヤクランクのカバー。
3. 【請求項３】 材質が樹脂であり、蓄光顔料又は蛍光顔
   料が混入又は付着されている請求項１又は２に記載の自
   転車用ギヤクランクのカバー。