JPH11104397A - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ドラム式洗濯乾燥機において、乾燥運転中、洗
濯や乾燥を行う水槽内部の湿気を含んだ熱風が洗剤投入
ケース部から漏出したり、漏出した熱風のため洗剤投入
ケースの扉部分に結露を生じて、水が床に流れ落ちたり
する不具合を防止する。 【解決手段】乾燥運転進行中も、制御装置により給水弁
を動作させて、トラップ内の水量が少なくなり過ぎない
ように水を補給するような制御方法を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯及び乾燥を行
う水槽に、途中に洗剤投入ケースを有する給水路によっ
て水を供給する構成のドラム式洗濯乾燥機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、このようなドラム式洗濯乾燥
機においては洗濯及び乾燥を行う水槽を有し、その水槽
に対して洗濯運転時に水を供給する給水路が備えられ、
そしてその給水路の途中に洗剤投入ケースが設けられ
て、必要な洗剤の供給を給水と併せて行うようになって
いる。給水路には制御装置で制御される給水弁により給
水される。

【０００３】このものにおいては、乾燥運転時に洗濯物
からでた多量の湿気をおびた熱風が、給水路を通って洗
剤投入ケース部から機外にでて、ドラム式洗濯乾燥機を
置いた部屋の環境を悪くしたり、常に外気に触れている
ため低い温度になっている洗剤投入ケースの扉の裏側や
隙間の部分で結露し、結露した水滴が集まって機外に流
れ出して床を濡らしてしまったりする恐れがある。

【０００４】そこで、前記の給水路には、更にその途中
部位に図３及び図４に示すようなトラップを設け、この
トラップにたまって満たされる水によって、上記乾燥運
転時の洗濯物から出た多量の湿気をおびた熱風の漏出を
防止するようにしている。

【０００５】しかし、部品の配置の関係からトラップの
深さＤをむやみに大きくすることはできないため、そこ
にたまった水が水槽の振動によってこぼれ落ちたり、乾
燥運転時に流される冷却水や凝縮により発生した水を機
外に排出するために運転される排水ポンプの動作時に水
槽内の圧力が下がって吸いだされたりして、貯水量に不
足をきたして、その水面より上方に開いた空間から乾燥
運転時に熱風が漏れ、上記のような結露などの不具合が
発生するという問題があった。

【０００６】そのため給水経路の途中に機械的な弁を設
置して、乾燥運転時には弁を閉じることにより熱風が漏
れださないように工夫した公知例（特開平2ー136167
号）もある。しかしこのような方法では部品数が増加
し、コストアップにつながるという問題があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乾燥
運転時に湿気をおびた熱風が給水路の洗剤投入ケースを
通じて機外に漏れだしたり、洗剤投入ケースの扉の裏側
で結露した水が流れ落ちて床を濡らしたりするのを防止
し、またそれを安価に実現できるような構成と制御方法
を持ったドラム式洗濯乾燥機を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のドラム式洗濯乾
燥機は、洗濯及び乾燥を行う水槽を有し、その水槽に水
を供給するための、給水弁及びこれを制御する制御装
置、途中に洗剤投入ケースを有する給水路を具えたもの
であり、更にその給水路の洗剤投入ケース部と水槽への
注水口の間にトラップを設けて乾燥運転時に水槽の内部
の熱風が洗剤投入ケース部に漏出しないようにしたもの
である。

【０００９】従来は乾燥運転を開始する前に、制御装置
により給水弁を動作させてトラップを満たす量の水を給
水するが、その後の乾燥運転中にこの給水路により給水
することはなかった。

【００１０】本発明は、更に乾燥運転進行中にも、適切
な量の水を前記の給水路を経てトラップに補給する制御
方法を採用したことを特徴とするものである。

【００１１】上記手段によれば、給水路にトラップを設
け、乾燥運転進行中も制御装置により給水弁を動作させ
て適切な量の水をトラップに補給する制御を行うことに
より、乾燥運転進行中に水槽が振動してトラップ内の水
がこぼれたり、排水ポンプの動作によってトラップ内の
水が吸いだされたりしても、トラップ内の貯水量が不足
することがなくなるため、水槽からの多量の湿気を帯び
た熱風の漏出を阻止でき、ドラム式洗濯乾燥機を置いた
室の環境の悪化や洗剤投入ケース部で結露した水が流出
して床に流れ落ちるという不具合が起こらない。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図１及
び図２を参照して説明する。

【００１３】まず１はドラム式洗濯乾燥機全体の外枠で
ありこれの内部に洗濯及び乾燥を行う室として水槽２が
弾性支持機構３によって支持され、振動を減衰するため
の摩擦ダンパー４が取り付けられている。５は水槽２の
内部に配設したドラムで、これはシャフト６により、水
槽２に軸受７を介して回転可能に支持されており同壁部
の全域に通水口兼通気口８を多数有している。９は水槽
２の下方に配置した第一のモータであり、これの回転力
はベルト伝動機構１０を介してシャフト６、ひいてはド
ラム５に伝達するようにしている。ドラム５及び水槽２
の前面には洗濯物を投入するための円形の開口部が設け
られており、水槽２の開口部には外枠１との間を運動可
能に連結し、水漏れを防ぐためのゴム製のドアベローズ
１１が取り付けられている。外枠の開口部にはボウル状
のガラスとプラスチック製のリング状の枠からなるドア
１２が回動自在に取り付けられている。ドア１２を閉じ
たときにはドアはロックされドアガラスがドアベローズ
１１に密着して水が漏れないように密閉する。

【００１４】次に給水路について説明する。本体上部に
は給水弁１３が外枠１に固定されている。給水弁１３は
流入口が１個であるのに対して４個の流出口をもってお
り、それぞれ独立して動作させることができる。４個の
出口は、予備洗い用洗剤投入用，本洗い用洗剤投入用，
ソフト仕上げ剤投入用、そして水冷凝縮乾燥のための冷
却水を供給するためのものである。なお、給水弁は、モ
ータ等により流路を切り換えるものでもかまわない。

【００１５】給水弁１３が動作して流路が開くと、流れ
だした水は給水ホース１４によって注水ケース１５に導
かれる。注水ケース１５の上部には、***１６が多数設
けられており、洗剤投入ケース１７の上にシャワー状に
降り注ぎ、洗剤投入ケース１７の中に投入された洗剤等
を溶かしながら下の注水パイプ１８に流れ込む。注水パ
イプ１８の下部はゴム製の注水ベローズ１９により、水
槽２の側面に運動可能に接続されている。注水ベローズ
１９はその中に水を貯めて、水槽２内部の熱風が漏出し
ないようにするためにＵ字形のトラップ２０が設けられ
ている。水槽２の底部には排水のための穴が設けられて
おりゴム製の排水ベローズ２１によって排水ポンプ２２
に運動可能に接続されている。

【００１６】これらの給水弁１３や排水ポンプ２２の動
作は制御装置２３によって制御されている。

【００１７】次に、本機の乾燥の機構について説明す
る。

【００１８】本体上部には乾燥ファン用モータ２４、こ
のモータによって駆動される送風ファン２５が取り付け
られている、乾燥ダクト２６が外枠１に固定されてい
る。乾燥ダクト２６の内部にはシーズヒータ方式の乾燥
ヒータ２７が固定されており、その前方は下に折れ曲が
ってドアベローズ１１の開口部１８に接続されている。
また送風ファン２５の下側には凝縮ダクト３０が接続さ
れており、凝縮ダクト３０は下部で凝縮ベローズ２９に
よって水槽２の下部に運動可能に接続されている。凝縮
ダクト３０の上部にはまた、給水弁１３から給水ホース
３１により冷却水が供給されるようになっている。

【００１９】次に、本機の乾燥の動作について説明す
る。

【００２０】濡れた洗濯物がドラム５内に投入され、ド
ア１２が閉じられると、制御装置２３によってモータ９
が駆動され、ドラム５を低い回転数で時計回り方向，反
時計回り方向に交互に同じ時間ずつタンブリングを繰り
返す。また、乾燥ファン用モータ２４が駆動され送風フ
ァン２５が回って、乾燥ダクト２６の中に前方向に流れ
る空気の流れを作り、この空気は乾燥ヒータ２７部を通
過するときに加熱されて熱風になって、ドアベローズ１
１の開口部１８を通ってドラム５の中に吹き込む。

【００２１】ここで熱風は濡れた洗濯物に触れて水分を
蒸発させ、湿気を多量に含んだ熱風となってドラム５に
設けられた通水口兼通気口８からドラム５と水槽２の間
の空間に流れだす。次に水槽２の右側下部に接続された
凝縮ベローズ２９を通って、熱風は凝縮ダクト３０に流
れ込む。

【００２２】凝縮ダクト３０には前記の給水弁１３から
乾燥用給水ホース３１により約０．３Ｌ／分程度の量の
冷却水が常に供給されており、乾燥ダクト３０内を冷却
しているため、熱風の温度が低下し、水蒸気として存在
できなくなった水分が凝結して水になる。凝結した水は
冷却水と一緒になって、乾燥ダクト３０から凝縮ベロー
ズ２９を通って水槽２内に流れ込む。この水は排水ポン
プ２２に流れ込み、制御装置２３により排水ポンプ２２
を間歇的に動作させることによって機外に排出される。

【００２３】一方、凝縮ダクト３０内で水分をとられて
乾いた空気は送風ファン２５のところに戻り、洗濯物が
乾燥するまでこの経路を循環し続ける。

【００２４】次に本発明の、乾燥運転時の湿気を含んだ
熱風の漏出防止方法について説明する。熱風が漏出する
経路は前述のように、洗濯時に洗剤と一緒に水を水槽２
の内部に供給するための給水路であり、注水ベローズ１
９と注水パイプ１８を通った熱風が洗剤投入ケース１７
の周辺から漏出するものである。

【００２５】このため注水ベローズ１９にはトラップ２
０を設け、乾燥運転を開始するときにトラップ２０を十
分に満たす量の水を給水して、水槽２内の熱風が漏出し
ないようにしているのだが、乾燥運転が進行するにつれ
て、前述のように水槽２の振動によって水がこぼれた
り、冷却水と凝結させた水を排水するために排水ポンプ
２２を駆動したときに、水槽２内の圧力が下がってトラ
ップ２０内の水が吸いだされたりして、トラップ２０内
の水量が少なくなり、トラップ内の水面上に隙間が生じ
て、ここから熱風が漏出する。

【００２６】このため本発明においては、乾燥運転開始
後も、制御装置２３が一定時間ごとに給水弁１３を動作
させ、給水を行うことによって、減少した水を補い、ト
ラップ２０に隙間が生じないようにしたものである。本
発明の実施例の場合、乾燥運転開始後２０分以降、５分
間につき１秒間給水弁を開いてトラップ２０に給水する
と、熱風の漏出や結露現象は見られなくなった。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、乾燥運転時に湿気をお
びた熱風が給水経路の洗剤投入ケースを通じて機外に漏
れだしたり、洗剤投入ケースの扉の裏側で結露した水が
流れ落ちて床を濡らしたりするのを防止し、またそれを
特別な部品を追加することなく行えるため、安価に実現
できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の断面図。

【図２】本発明の一実施例の概観斜視図。

【図３】本発明の一実施例のトラップの正面図。

【図４】本発明の一実施例のトラップの断面図。

【符号の説明】

２…水槽、５…ドラム、１３…給水弁、１７…洗剤投入
ケース、１８…注水パイプ、２０…トラップ、２２…排
水ポンプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸線が横軸で、かつ多数の脱水通気孔
   を有する洗濯兼乾燥用の回転ドラムと、この回転ドラム
   を内置し、かつ水槽を兼ねる外槽と、この外槽の下方に
   備えられ、かつドラムを回転駆動するモータと、外槽お
   よびモータを内置する外枠と、モータを含む外槽を外枠
   に支持する弾性支持機構と、前記回転ドラムに連通し、
   かつ回転ドラムに向かう乾燥空気が流れる乾燥ダクト
   と、この乾燥ダクト内に備わるヒータと、前記水槽に連
   通し、かつ前記回転ドラム内の衣類からとった水分を含
   む空気の流出を導く凝縮ダクトと、凝縮ダクトを流れる
   空気を乾燥ダクトに還流させる送風手段と、凝縮ダクト
   に凝縮用の冷却水を冷却水給水手段と、前記水槽に連通
   し、かつ水槽および回転ドラムに洗濯水を供給する洗濯
   水給水路と、この洗濯水給水路の水槽寄り部位に備わる
   Ｕ字状通路のトラップと、前記水槽の底部に連通し、か
   つ排水ポンプを有する排水通路と、前記洗濯水給水路に
   給水する給水弁と、この給水弁の開閉作動を指示する制
   御手段とを備え、乾燥運転中に制御手段により所定時間
   毎に洗濯水給水路の給水弁を作動させて前記トラップの
   水の補給をすることを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。