JPH1099902A - 細線材の圧延方法および細線材の圧延装置 - Google Patents

細線材の圧延方法および細線材の圧延装置

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JPH1099902A
JPH1099902A JP25938996A JP25938996A JPH1099902A JP H1099902 A JPH1099902 A JP H1099902A JP 25938996 A JP25938996 A JP 25938996A JP 25938996 A JP25938996 A JP 25938996A JP H1099902 A JPH1099902 A JP H1099902A
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rolling
roll
rolled
rolls
tandem
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JP25938996A
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Masafumi Araki
雅文 荒木
Iwao Kashiwagi
巖 柏木
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の多方タンデムミルによる細線の高減面
率の圧延を、より少ないタンデム段数とより少ない圧延
ロール数を用いて圧延可能とする。 【解決手段】 圧延の前段は、2方ロール等ロール孔型
を構成するロール数が少ない圧延装置、後段は4方ロー
ル等、ロール孔型を構成するロール数が多い圧延装置で
圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直径が5mm程度
以下の線材(本発明で細線と記す)の圧延による製造方
法およびその装置の技術分野に属するものである。
【0002】細線の製造方法は熱間分塊圧延によるビレ
ットを、やはり熱間による粗圧延装置、中間および仕上
圧延装置で順次圧延し、線径が5.5〜7mm程度の断
面円形のコイル状線材を得て、これを出発材として、巻
き戻しつつ、さらに小径化加工することで得ている。こ
の小径化の具体的方法は、孔ダイス、もしくはロール孔
型を無駆動の2個以上のロールで構成したロールダイス
による引抜き、またはロール孔型を2個の駆動ロールで
構成した2方ロールスタンドもしくはロール孔型を3個
以上のロールで構成した多方ロールスタンド、の1段ま
たは必要段数をタンデムに結合してなる圧延装置による
圧延等によっている。
【0003】このうち、前記引抜法は、被加工材の先端
を孔ダイスまたはロールダイスへ通線すること、および
この先端をチャックを介して引抜きドラムへ係止するこ
とを必要とするが、これらの処理は人手に依存してお
り、かつ引抜法は1パス当りの減面率は小さいから、所
望径の細線を得るためには、多数回の引抜と多くの工数
が必要であり、これらは線径が小さくなるほど多くな
る。これに対し前記の圧延法は、被圧延材の先端を前段
のロールスタンド出口から次段のロールスタンド入口に
うまく誘導して噛み込ませるなら、多数段のロールスタ
ンドをタンデムに連結することにより、引抜法に対し、
大きな1パス当り減面率が得られているので、大幅な工
数の低減が可能である。
【0004】なお、上記の引抜法や圧延法を熱間または
温間等の高温で行なうなら、高変形能、低変形応力、中
間焼鈍の省略、炭化物の割れによるミクロボイドの抑制
等種々の利益に浴することができる。また、引抜法で
は、被加工材の1回の加熱で1回の引抜しかできない
が、タンデム圧延法では1回の加熱で数基〜十数基のロ
ールスタンドでの高温加工を実現し得るから、所望直径
の線材を得るための加熱回数や加熱熱量を引抜法に比し
大幅に低減することが可能である。
【0005】しかし、前記の一対の2方ロールでロール
孔型を形成したスタンドによる圧延法では、噛み出しを
少なくしてタンデム1段当りの減面率を大きくすること
が可能である等の利点があるものの、真円度等高寸法精
度の圧延材を得ることは一般に困難であり、特に小径線
では困難であるから、真円度等高い寸法精度を要求され
る場合や細線等に対しては、前記の多方ロールスタンド
(特に4方ロールスタンド)法が適している。
【0006】これら多方のロールスタンドをタンデムに
連結する方法は、各ロールスタンド段のロール孔型をほ
ぼ円形として、前段のロールスタンドに対する次段のロ
ールスタンドの圧下方向をパスライン回りでθ=180
°/N(N;前記多方向ロールスタンドのロール孔型を
構成するロールの数・・・N=4個の場合、θ=45°)
だけ旋回させたごとく配列して、隣接するロールスタン
ドは、互いに被圧延材の非拘束部分が重複しない関係と
されている。本発明ではこれを多方タンデムミルと呼
ぶ。多方タンデムミルは、その任意のi段目のロールス
タンドのロール孔型面積Aiとロール周速度Viを、A
i×Viがほぼ一定(後段となるほどやや大きくする)
として共通の駆動源で回転駆動するものが知られてい
る。
【0007】細線の多方タンデムミル方式の圧延のうち
には、任意段数目以降のロールスタンドを一括して撤去
可能とすることにより、残された最後尾のロールスタン
ドの孔型直径、したがって種々の直径の線材を得られる
ようにしたものが多い。また、このタンデム圧延では、
ロールスタンド間のガイド類を皆無または大幅に簡略化
することが可能であるから、被圧延材はスリ疵発生の危
険を少なくし、また、熱間または温間圧延の場合でも加
熱時間は一般に短いから酸化、脱炭も極小とすることが
でき、高い表面性状の線材を得ることができる。
【0008】細線材の多方タンデムミルによる圧延にお
いて、被圧延材は小径であり、またロール孔型がほぼ円
形であることから、倒れ(被圧延材の断面が回転し、そ
の断面に対し、正規の圧下方向と異なる方向から圧下さ
れる状態)を生じ易い。特開昭63−168202号や
特開平5−200403号は、この倒れを防止する手段
として、被圧延材の先端部を低速度で各圧延スタンド間
を通線しつつ巻取機まで持ち来し、該先端を巻取機のド
ラムにセットした後、定常の圧延速度まで徐々に増速す
る圧延法を提案している。
【0009】また、特開平6−182404号および特
開平8−1207号は、4方タンデムミルにおけるロー
ル孔型を正八角形または図4に示す変形八角形(対角距
離比d2/d>1)とすることにより倒れを防止するこ
とを提案している。そして、特開平8−1207号は、
ロールスタンド1段当り最大20%の減面率が得られる
ことを述べている。なお、前記特開昭63−16820
2号による提案では、低速度で通線および巻取機へのセ
ットが行なわれるから、線材を加熱して通線したとして
もその先端部は冷却されるから、高温加工による利益は
得られず、また、その先端に続く被圧延材の全体も、冷
却された先端部分で加工可能な減面率等の低い加工条件
に限定されるため、十分に高温加工の利益を享受するこ
とができない。
【0010】前述のように、多方タンデムミルによる圧
延法は、素材に対して得ようとする線材が十分小径の場
合には低工数で、高い寸法精度および表面性状を有する
種々の直径の線材が得られ、また高温加工の場合、低加
熱熱量等、数々の利点を有するが、減面率が小さい場合
は、むしろ不利となる。すなわち、多方タンデムミルは
概して装置が大掛かりとなり、またロール孔型を構成す
るロール数が多く、ロール数が増加するほどロールスタ
ンドの構造が複雑化して高設備費化し、かつ得られる減
面率は低く(4方ロールで円形断面の場合、通常10%
程度)なる。このため、所定の減面率を得るためのタン
デム段数が増加するので経済性は低下する。また、小径
の場合多方タンデムミルでは倒れが発生し易い。そこで
本発明は、素材からの減面率が小さい寸法範囲の線材
は、従来の方法等他の方法で得ることとして、減面率が
大きい範囲の線材を従来の多方タンデムミルよりさらに
安定して高経済性を有し、多方タンデムミルの特徴を十
分発揮し得る線材の圧延方法および圧延装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、素材線径から
目標線径までの加工範囲のうち、太い線径範囲は、ロー
ル孔型を構成するロール数が少ないロールスタンドを用
い、この線径範囲に続く目標線径までの小径の範囲は、
多方ロール圧延機で圧延することにより、ロール孔型を
構成するロール数が少ない圧延方式と多い圧延方式それ
ぞれの長所を兼備した細線材の圧延方法および装置を提
供するものである。
【0012】すなわち、本願の方法発明は、被圧延材
を、ロール孔型を構成するロールが、3個または4個の
ロールスタンドの単基またはタンデムに配列された複数
基でなる圧延装置により、圧延する細線材の圧延方法に
おいて、前記被圧延材を、ロール孔型を構成するロール
数が前記圧延装置の前記ロール数より少ないロールスタ
ンドのタンデムに配列された複数基でなる前段圧延装置
で圧延しつつ連続して前記圧延装置(後段圧延装置)に
より圧延を行なうことを特徴とする細線材の圧延方法で
あり、また、本願の装置発明は、被圧延材を、ロール孔
型を構成するロールが、3個または4個のロールスタン
ドの単基またはタンデムに配列された複数基でなる後段
圧延装置、および前記後段圧延装置の前方に設けられ
た、ロール孔型を構成するロール数が前記後段圧延装置
の前記ロール数より少ないロールスタンドのタンデムに
配列された複数基でなる前段圧延装置からなることを特
徴とする細線材の圧延装置である。
【0013】なお本発明において、前段および後段の圧
延装置は、ロールスタンドをタンデムとする場合、各段
間の圧下方向が前述のようにθ=180°/Nだけ旋回
させたごとき方向関係とする等、隣接する2基のロール
スタンドが互いに被圧延材の非拘束部分を重複しない関
係とすることを前提する。上記本願の製造方法発明にお
いて、被圧延材を巻出し機にセットして、その一方端か
ら巻き出しつつ圧延することで、該圧延を被圧延材の製
造や検査手入れ等とは無関係に独立させると、該圧延の
起動、停止、速度変更等が自由に行なえるので好都合で
ある。本発明の細線材の圧延装置として、上記の巻出し
機は素材コイルを通常の縦軸または横軸のサプライスタ
ンドにセットするものよりも、素材コイルを巻き込んだ
リールを横軸型でセットするものがもつれ防止の点から
望ましい。
【0014】また、上記本願の両発明において、後段圧
延装置としては4方圧延方式とすると真円度等の寸法精
度も良好で望ましく、また前段圧延装置を2方方式とす
るとロール数が少ない、圧延装置の構造がより簡単であ
る、倒れや噛み出しが比較的容易に防止できる、ロール
スタンド一段当りの減面率を14%またはそれ以上20
%程度とし得る等有利性が増す。2方ロールとすると、
さらにロール軸を片持ち形式とし得るから、ロールの組
替えが大幅に容易となる。
【0015】また、前段圧延装置を2方方式とし、ロー
ル孔型断面形状を後述のように面取りダイヤ状断面とす
ると特に倒れ防止効果が大であり、従来の2方ロール圧
延よりも有利となる。また、後段圧延機の第1ロールス
タンド直前には、回転駆動ロールによる案内装置を設け
ることが倒れ防止上望ましい。さらに、本発明の前段圧
延は、高温圧延を有利とする。すなわち、細線の高温で
の圧延の際、従来、ロールによる冷却作用のため、十分
その効果を達し得なかったが、本発明により前段圧延の
ロール数を減少すると、被圧延材の冷却が減少し、かつ
1段当りの加工発熱量(大減面率による)を増加可能で
線材を高温に保持する点で有利となり、さらに倒れ、噛
み出し防止効果が大であるから、コイル先端から定常速
度の圧延が可能となって高温圧延の効果をより多く享受
できることがわかった。
【0016】特に工具鋼等の高合金は、変形能が低く、
変形抵抗や加工硬化能が高い等により難加工性であり、
また前記ミクロボイドが発生して熱処理硬さを低下する
等により材料としての性能低下を起し易いから、前記高
温加工により加工を容易化すること、中間焼鈍の省略ま
たは回数低減、前記ミクロボイドの発生を防止すること
等が強く望まれている。なお、前述の特開平8−120
7号で、ロールスタンド1段当りの減面率20%を達成
できることが示されているが、圧延ロール1個当りでは
5%となり、これはロール費上は2方ロールで10%を
達成したことに相当すると考えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を温間圧延として実
施する場合の実施の形態例を示す図面に基づき、具体的
に説明する。図1は本発明に係る細線材の装置を温間圧
延用に具体化した1例の装置を示す概要構成図、図2は
その前段圧延装置のうち、横軸圧延スタンドの構成図、
図3は被圧延材の断面形状変化過程を示す図である。図
1において、圧延装置は上流側から巻出し機1、オーバ
ーランニングクラッチ付きの駆動ローラーレベラ2、潤
滑剤塗布装置3、高周波加熱コイル4、2方タンデムミ
ルである前段圧延装置5、ガイドロール6、4方タンデ
ムミルである後段圧延装置7、冷却装置8および走間把
持巻取り機9からなる。
【0018】巻出し機1から引き出された素材コイル1
0は下記のように上記各装置内で一連の加工処理を施さ
れる。ローラレベラ2は、コイル10に対し、曲り矯正
作用をなすが、曲りが均一である場合は特に必要ではな
い。該実施の形態例ではコイル10の先端が前段圧延装
置5の第1ロールスタンドに噛み込まれるまでは、該コ
イル10に対し所定の速度の送り運動を与えることで、
コイル10の先端部の温度の変動を抑え、噛み込み後
は、そのオーバーランニングクラッチの作用によりコイ
ル材10の送り運動に追従して回転する。
【0019】次にコイル10は、潤滑剤塗布装置3によ
り、ペースト状の潤滑剤を特許1000125号で開示
のノズル法等により、均一な所定厚み量だけ塗布された
後、高周波加熱コイル4を通過し、該通過中に所定温度
に加熱される。このようにして焼付け形成された潤滑剤
膜は、温間または熱間引抜きにも耐える程度に強固なも
のであり、本実施形態例は、この潤滑剤膜を適用するこ
とにより、ロールの摩耗やガイド等との擦過疵の発生が
抑制されるとともに、素材材質や素材の表面状態の変化
による幅広がり(ロール孔型による拘束を受けない部分
の盛り上がり)率等の圧延状況の変化を緩和して装置全
体の汎用性を拡大している。次に素材10は、圧下方向
が垂直および水平方向を交互とする如く、適当段数タン
デムに配列された2方タンデムミルである前段圧延機5
で圧延される。
【0020】図2は、前段圧延装置5の水平ロール段の
構成例を示す。一対のロール5Aは一対のピニオンギヤ
を内蔵するロールハウジング5Bに支持されたロール軸
により、片持ち形式でそれぞれ支持されている。本実施
形態例では、二方ロールスタンドとしたため、ロール軸
を片持ち形式とすること、したがって、ロール交換はロ
ール用ナット5Cを着脱することにより、容易に行ない
得る。なお、5Dおよび5Eはそれぞれカップリングお
よび減速機である。垂直ロール段も構成はほぼ同様であ
る。
【0021】次に図3は、被圧延材10の断面形状変化
の過程を示す図で、実線はロールおよび被圧延材の断面
を、破線はロール入口での被圧延材の断面形状を示す。
図3のA,Bは、前段圧延での断面形状の変化を示して
いる。本実施形態例で被圧延材の断面形状は、面取りダ
イヤ状である。A,Bからも明らかなように、ロール入
口での被圧延材はその面取りダイヤ状断面の丈の高い方
の一対の面取り状部をロール溝底で保持して圧下される
ので、倒れが生じ難い。但し、前段圧延での被圧延材の
断面形状は、周知のオーバル − オーバル、オーバル
− ダイヤ、オーバル − 丸、ダイヤ − ダイヤ等とし
てもよく、それに続く後段圧延装置7またはガイドロー
ル6での取り扱い等に有利に形状とされ、該実施形態例
で最終段は円形断面との偏差が少ない面取り正方形形状
とされている。
【0022】次に被圧延材は、後段圧延装置7の先頭の
ロールスタンドに噛み込まれる。本実施形態例は、後段
圧延の第1ロールスタンドの孔型が図3Dに示すよう
に、円形であって、倒れが生じやすい点に鑑みて、案内
装置6が設けられている。該案内装置6は、小径の回転
駆動4方ロールによるものとされている。
【0023】すなわち、該案内装置6は拘束案内作用を
強化するため、後段圧延の第1ロールに可能の限り近接
させるべく小径とし、また、ロール孔型溝を刻設すると
溝面に周速度差を生じ、ロール摩耗や被圧延材の擦り疵
発生の原因となるから、さらに、4面接触による案内効
果増加のため、無溝、4ロール型とし、さらに小径かつ
高温のため、座屈し易い被圧延材の先端を確実に後段圧
延装置7に誘導するため、回転駆動ロール式とした。図
3Cは、ガイドロール6の孔型と被圧延材の断面形状を
示す。この無溝、回転駆動とすること、および前述の潤
滑剤塗布との協働作用により、被圧延材の先端を確実に
誘導すること、全長に亘り倒れを防止すること、および
被圧延材の疵発生防止がより確実となった。しかし、ガ
イドロールは、その前後のロールスタンドでの孔型形状
の変化を緩やかにする場合には、特に必要ではない。
【0024】次に、後段圧延装置7は、所望の線径範囲
の線材が、そのタンデムロールスタンドの使用段数の選
定で得られるように、後方の任意段数のロールスタンド
を撤去可能とされている。後段圧延装置7は、高温圧延
の場合、その最終段またはさらに前段のロールはその熱
膨張による被圧延材の断面形状、寸法の変化を防止する
構成とすることが特に望ましく、その具体的例として
は、ロールの熱風、赤外線ランプ、その他による予熱
と、冷却、例えば、シールド板やエアジェットまたは
真空吸引により液体冷却剤をそれが被圧延材に直接接触
するのを防止しつつロールに注ぐ等による冷却、を単独
または併用する方法が有効である。
【0025】後段圧延を終了された被圧延材は、冷却装
置8により冷却された後、走間把握巻取り機9で巻き取
られる。冷却の目的は、以降の取り扱いの便と、巻取り
リールの破損防止のためであるが、冷却法は、冷却水の
直接接触によるものがよい。しかし、この場合、冷却水
を確実に除去することが防錆上必要である。また、走間
把持巻取り機は、長手方向に飛来する被圧延材の先端
を、互いに軸方向に離間して高速回転するリール本体と
その蓋体間で走間把持するものとするとよい。
【0026】また、本実施形態例は次の特徴を有する。
加熱温度や冷却状態の相違、高速度工具鋼、高C高C
rステンレス鋼、その他、鋼種の相違による変形挙動の
相違、熱間圧延後脱スケール酸洗ままやシェービング等
による表面欠陥を除去する等による被圧延材の表面状態
の大幅な相違、素材の直径の相違等に対して柔軟に対応
できるようにするため、またロール孔型溝の製作誤差、
摩耗等によるロール孔型断面積のバラツキに対応可能と
するため、前段圧延装置5の各ロールスタンド、駆動ガ
イドロール6、後段圧延装置7の各ロールスタンド、お
よび走間把持巻取り機9の駆動をそれぞれ独立で、適当
な負の回転数対出力トルク特性を有し、かつ回転数設定
可能であり、また全体を比例的に増・減速できるよう制
御される個別の電動機によることとしたこと、温間ま
たは熱間圧延が可能なように高周波加熱装置を組み合わ
せたこと、潤滑膜処理可能としたこと等の特徴があ
る。また、本実施形態例は前段圧延装置でロール孔型を
面取りダイヤ形状とし、また、後段圧延機直前に駆動ガ
イドを設けることにより、被圧延材の倒れ防止が図られ
ている。
【0027】
【実施例】SKH51,SKH59,SUS440Cお
よび鋼種A,Bの、直径5.8mmの熱間圧延後完全焼
鈍、ショットブラスト、脱スケールの各工程を経て酸洗
ままの材料、および該材料に表面の不健全層除去加工
と、この加工に伴う冷間引抜きを施した素材(直径5.
3mm)について、前述の実施形態例の装置により温間
圧延を行なった。この時の作業条件は、仕上がり直径:
2.0mm、加熱温度:800℃、圧延速度500m/
min(巻取り速度)であり、この結果、得られたいず
れの材料も表面は潤滑皮膜が残る美麗なものであり、倒
れは発生しなかった。次に得られた線材を、連続焼鈍し
て、冷間スキンパス引抜後、渦流探傷した結果、上記圧
延に起因する欠陥は見られず良好であり、内部組織につ
いても、ミクロボイド等も観察されず、品質的な異常は
認められなかった。
【0028】表2に上記作業条件および結果を示す。因
みに、表1のNo.1では総ロール段数は、n=11+
2=13段、圧延ロール総数は、N=11×2+2×4
=30個必要であるが、仮にこれを4方ロールスタンド
でロールスタンド1段当り10%の減面率で実行しよう
とすると、総ロール段数nは約20段、総ロール数は8
0個必要となる。すなわち、本発明によると圧延総段数
で35%、圧延ロール総数で62.5%低減できること
になることがわかる。なお、鋼種AおよびBは表2に化
学成分を示すマルテンサイトステンレス鋼である。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】以上に述べたように本発明は、前段にロ
ール孔型を構成するロール数が少ないロールスタンド
を、後段にロール孔型構成ロール数が多い(但し、3個
または4個)ロールスタンドをそれぞれ必要段数配列す
るものであるから、前段では噛み出しや倒れを生ずるこ
となく高減面圧延を、後段では高寸法精度圧延をそれぞ
れ行なうことが可能で、したがって従来の多方タンデム
ミルと同等の寸法精度等の製品を、総圧延ロールスタン
ド数では、勿論総圧延ロール数ではさらに大幅に削減し
て生産することを可能とする。また、本発明は総ロール
スタンド段数や総ロール数が少ないことから、細線の高
温圧延で問題となる線材の冷却が抑制され、高温圧延の
実施を容易化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の態様を説明する圧延装置の1例
の全体図である。
【図2】図1の前段圧延装置のうち、横軸圧延スタンド
の構成を示す図である。
【図3】図1の被圧延材の断面変化過程を示す図であ
る。
【図4】先行技術の被圧延材の断面形状を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 巻出し機、2 駆動(オーバーランニングクラッチ
付)ローラレベラ、3 潤滑剤塗布装置、4 高周波加
熱コイル、5 前段圧延装置(2方ロール式)、5A
前段圧延ロール、5B 前段圧延ロールハウジング、5
C ロール用ナット、5D カップリング、5E 減速
機、6 ガイドロール、7 多方タンデム後段圧延装
置、7a 後段(第1段)ロール、8 冷却装置、9
走間把持巻取り機、10 コイル線材、10a 前段圧
延形状、10b 仕上圧延形状(真円形状)、15 圧
延モータ
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】特に工具鋼等の高合金は、変形能が低く、
変形抵抗や加工硬化能が高い等により難加工性であり、
また前記ミクロボイドが発生して熱処理硬さを低下する
等により材料としての性能低下を起し易いから、前記高
温加工により加工を容易化すること、中間焼鈍の省略ま
たは回数低減、前記ミクロボイドの発生を防止すること
等が強く望まれている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【表1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被圧延材を、ロール孔型を構成するロー
    ルが、3個または4個のロールスタンドの単基またはタ
    ンデムに配列された複数基でなる圧延装置により圧延す
    る細線材の圧延方法において、前記被圧延材を、ロール
    孔型を構成するロール数が前記圧延装置の前記ロール数
    より少ないロールスタンドのタンデムに配列された複数
    基でなる前段圧延装置で圧延しつつ連続して前記圧延装
    置(後段圧延装置)により圧延を行なうことを特徴とす
    る細線材の圧延方法。
  2. 【請求項2】 被圧延材は、巻出し機に貯えられ、その
    一端から巻き出されつつ圧延される請求項1の細線材の
    圧延方法。
  3. 【請求項3】 前段圧延装置を構成するロールスタンド
    の少なくとも1基は、2方ロールスタンドである請求項
    1または2の細線材の圧延方法。
  4. 【請求項4】 前段圧延装置による圧延は被圧延材を加
    熱手段で加熱昇温した状態で行なうものである請求項
    1,2または3の細線材の圧延方法。
  5. 【請求項5】 被圧延材を、ロール孔型を構成するロー
    ルが、3個または4個のロールスタンドの単基またはタ
    ンデムに配列された複数基でなる後段圧延装置および前
    記後段圧延装置の前方に設けられた、ロール孔型を構成
    するロール数が前記後段圧延装置の前記ロール数より少
    ないロールスタンドのタンデムに配列された複数基でな
    る前段圧延装置からなることを特徴とする細線材の圧延
    装置。
  6. 【請求項6】 前段圧延装置と後段圧延装置の間に案内
    装置を有するものであり、該案内装置は少なくとも一対
    のロールが対向する回転駆動ロールによるものである請
    求項5の細線材の圧延装置。
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