JPH1092425A - 酸化スズ系非水電解液二次電池用負極活物質の製造方法 - Google Patents

酸化スズ系非水電解液二次電池用負極活物質の製造方法

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JPH1092425A
JPH1092425A JP8244947A JP24494796A JPH1092425A JP H1092425 A JPH1092425 A JP H1092425A JP 8244947 A JP8244947 A JP 8244947A JP 24494796 A JP24494796 A JP 24494796A JP H1092425 A JPH1092425 A JP H1092425A
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alcohol
tin
soluble
compound
negative electrode
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JP8244947A
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Shoji Tachibana
昇二 橘
Hiroya Yamashita
博也 山下
Shinichi Saito
慎一 齋藤
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Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量の酸化スズ系非水電解液二次電池用負
極活物質を、高収率で、かつ再現性よく製造でき、さら
には10時間以内という短時間で焼成できる製造方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 メタノール、エタノールなどのアルコー
ルに塩化第一スズ、臭化第一スズなどのアルコール可溶
性スズ化合物、金属スズ、五塩化タンタル、五塩化ニオ
ブなどのアルコール可溶性周期表第5族元素化合物、三
塩化アンチモンなどのアルコール可溶性周期表第15族
元素化合物、テトラエトキシシラン、塩化アルミニウ
ム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラブトキシチタ
ン、テトラブトキシジルコニウム、塩化マグネシウム、
トリメトキシボロンなどのアルコール可溶性金属化合
物、エチルセルロース、ポリエチレンオキシドなどのア
ルコール可溶性高分子化合物などを溶解して前駆体溶液
を調製した後、濃縮し、次いで焼成することを特徴とす
る酸化スズ系非水電解液二次電池用負極活物質の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池用負極活物質並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、急速に普及する携帯電話、携帯用
端末などの携帯用機器の電源として、小型かつ軽量で、
長時間稼働させることができる電池が要求されている。
電池には、充電できない乾電池などの一次電池と、充電
によって繰り返し使用できる二次電池があり、携帯用機
器の種類、またそれらの機器を使用する状況によって、
それぞれの電池が使い分けらている。
【0003】二次電池の中でも非水電解液二次電池(非
水二次電池ともいう)は電解液に非水溶媒を用いるた
め、水の分解電圧を超える高い電池電圧が得られる。し
たがって他の二次電池である鉛蓄電池、ニッケル−カド
ミウム電池、ニッケル−水素電池などと比較して、非水
電解液二次電池は電池容量が高く、かつ高エネルギー密
度であるため、小型化及び軽量化が可能であり、携帯用
機器の電源として急速に需要が伸びている。しかしなが
ら携帯用機器などをさらに長時間稼働させる二次電池が
求められている。
【0004】非水電解液二次電池は、Ti、Mo、N
b、Cr、Mn、V、Ni、及びCoなどの金属とリチ
ウムとの酸化物、硫化物、セレン化物、あるいはポリア
ニリン、ポリアセンなどの導電性高分子物質などのリチ
ウムを吸蔵、放出することが可能な正極活物質と集電体
などからなる正極と、リチウムを吸蔵、放出することが
可能な負極活物質と集電体などからなる負極、さらには
LiClO4やLiPF6などのリチウム塩をプロピレン
カーボネートやエチレンカーボネート、1,2−ジメト
キシエタンなどの非水溶媒に溶解してなる非水電解液、
及びセパレータ、電池容器などから構成される。
【0005】非水電解液二次電池では、充放電にともな
ってリチウムがイオンの状態で正極と負極の間を行き来
し、同時に電子が、非水電解液二次電池と充電器あるい
は携帯用機器からなる外部回路中を動くことによって動
作する。充電時、リチウムは正極活物質中から放出さ
れ、負極活物質中に吸蔵され、また放電時、リチウムは
逆に負極活物質中から放出され、正極活物質中に吸蔵さ
れる。
【0006】非水電解液二次電池の電池容量及びエネル
ギー密度をより向上させるには、3V以上の電池電圧が
得られ、かつより多くのリチウムを吸蔵、放出できる負
極活物質あるいは正極活物質を開発する必要がある。
【0007】ここで、電池電圧は正極電位と負極電位
(いずれも同一基準とする)の電位差によって発生す
る。そして正極電位の方が高い電位にあるため、放電
時、電流は高い電位の正極から、携帯用機器などを接続
した外部回路を通り、低い電位の負極へ流れる。この電
位差の大きい方がエネルギー密度が高い。例えば、正極
活物質にLiCoO2(Li/Li+に対して約+4
V)、負極活物質に黒鉛(Li/Li+に対して約0〜
+0.5V)を選択した場合、約3.5〜4Vの電池電
圧が得られる。但し通常、放電とともに、正極電位が低
下するか、あるいは負極電位が上昇するので、電池電圧
が低下するという現象が起こる。
【0008】該非水電解液二次電池に用いられる負極活
物質としては、金属リチウム、リチウム合金、炭素材
料、スズを含む複合酸化物などが提案されている。特に
炭素材料を負極活物質とした非水電解液二次電池が市販
されている。
【0009】該負極活物質としては、電池容量及びエネ
ルギー密度の観点から言えば、単位重量当たりに含まれ
るリチウム量が最も多いことから金属リチウムを用いる
ことが望ましい。しかし、負極活物質に金属リチウムを
用いると、充電時にリチウムが負極表面に均一に析出せ
ず、樹枝状の析出物、即ちデントライトが生成し、これ
がセパレータを貫通して負極と正極が短絡し、発熱や発
火する恐れが生じ、非常に危険であるという問題があっ
た。またデントライトが生成すると、金属リチウムが脱
落したりして充放電サイクル寿命が短くなっていた。
【0010】このような現象を防ぐために、負極活物質
として金属リチウムではなく、リチウム合金を用いるこ
とが検討されている。しかしながらリチウム合金中には
充放電反応に関与しないアルミニウムなどが多く含まれ
るため、単位重量当たりの容量は低下してしまう。また
負極活物質としてリチウム合金を用いると、放電が進行
するとともに負極電位が徐々に+2V(Li/Li+
対して)以上にまで上昇するという現象が生じる。この
ように放電に伴って負極電位が上昇する負極活物質を用
いた非水電解液二次電池においては、携帯用機器などの
電源として使用したときに放電とともに電池電圧が低下
するため、電池容量を最後まで利用しない内に充電を開
始しなければならない。即ち実質上、電池容量が低い非
水電解液二次電池と何ら変わらなくなってしまうという
課題があった。
【0011】一方、黒鉛などの結晶化度の高い炭素や、
難黒鉛化炭素などの結晶化度の低い炭素などの炭素材料
などが、市販の非水電解液二次電池の負極活物質として
用いられている。負極活物質に黒鉛を使用した非水電解
液二次電池は、放電初期及び中期においては負極電位の
上昇がそれほど大きくなく、放電末期において負極電位
が急上昇するため、電池容量をある程度効率よく利用で
きる。しかしながら黒鉛の単位重量当たりの容量(以下
単に容量と呼び、電池容量と区別する)は実際280〜
330mAh/g程度であり、また理論容量も372m
Ah/gと低いため、これ以上、容量を高くすることは
できないという課題があった。また黒鉛は非水電解液と
の濡れ性が悪いため、負極活物質中に非水電解液が充分
に含浸せず、反応面積が減少して容量が低下する上、個
々の非水電解液二次電池の性能が異なるという問題が発
生していた。さらには、黒鉛を負極活物質に用いると、
他の炭素材料と比較して非水電解液が分解しやすいとい
う問題がある。
【0012】難黒鉛化炭素などの結晶化度の低い炭素
は、黒鉛の理論容量を超える400〜700mAh/g
程度の容量を有するという報告がなされている。しかし
ながらこのような炭素材料では、放電とともに負極電位
(Li/Li+に対して)が上昇し続けるため、実際の
非水電解液二次電池に用いたときに放電中に電池電圧が
低下し続ける。よって電池容量を最後まで利用しない内
に充電を開始しなければならないため、結局利用できる
容量は黒鉛とほぼ同等の300mAh/g程度にすぎな
い場合がある。
【0013】一方、ジャーナル・オブ・エレクトロケミ
カル・ソサイアティの140巻、5号(1993)にお
いて、SnO2中にリチウムイオンが可逆的に挿入され
ることがすでに報告されている。
【0014】またスズを含む複合酸化物を負極活物質と
して用いることが提案されている。例えば、特開平6−
275268のLiXSnO(X≧0)である。この特
許においては、該複合酸化物の容量を単位重量当たりで
はなく、一個の電池セル当たりで示しており、また一個
の電池セルに用いた負極活物質の量も明確でないため、
正確には比較はできないが、電池セルの容積から推察す
ると、該負極活物質の容量は低く、300mAh/g以
下と考えられる。また充放電サイクルを繰り返すと容量
が極端に低下する。
【0015】さらにスズを主成分とし、ケイ素やゲルマ
ニウムなどを含む複合酸化物(SnSiO3など)の粉
末を負極活物質として利用することが提案されている。
例えば、特開平6−338325、同7−220721
などである。該複合酸化物粉末を負極活物質に使用した
非水電解液二次電池においては、炭素材料を負極活物質
に使用した場合と比較して負極電位が高くなるため、電
池電圧が若干低くなるが、実際に利用できる容量が大き
いので、高容量かつ高エネルギー密度の非水電解液二次
電池を製造できるものと期待されている。
【0016】特開平6−338325、同7−2207
21などで提案されているスズとケイ素などの複合酸化
物粉末の製造方法は、以下のような固相反応法を利用し
た方法である。まず原料としてスズ源のSnO粉末と、
例えばケイ素源のSiO2粉末などを乾式混合し、この
混合粉末を坩堝などの容器に入れ、電気炉などの焼成炉
を用いて1000℃前後で10時間以上という長時間係
留するという焼成を行い、粉末同士を固体の状態で反応
させる。反応が進行すると反応生成物が溶融するので、
この溶融物を冷却、凝固させ、粉砕して粉末とする。
【0017】ところがこの製造方法を本発明者らが追試
した結果、焼成後に得られた粉末中には金属スズやSn
2、あるいはSiO2などの目的としない物質が多く生
成していた。即ち、全ての混合粉末が均一に反応するわ
けではなく、同じ坩堝内でも反応が不均一であり、目的
の複合酸化物の収率が非常に悪く、再現性に乏しいた
め、大量生産ができないという欠点があった。収率が悪
い理由として、原料に使用しているSnOは高温で昇華
しやすいので、焼成中に飛散する量が多いこと、及び溶
融物が坩堝と反応して付着し、取れなくなることが考え
られる。また再現性に乏しい理由として、SnOが高温
で昇華しやすいので、焼成後の組成が仕込み組成からず
れやすいこと、また焼成時の雰囲気中の酸素濃度や還元
性ガス濃度によって還元あるいは酸化が起こって金属ス
ズやSnO2が生成しやすいので、目的の複合酸化物を
再現性よく製造することができる雰囲気の制御が困難で
あることなどが考えられる。
【0018】また、上記固相反応を起こすには高温で1
0時間以上という長時間の焼成が必要であるため、多量
のエネルギーを必要としていた。
【0019】一方、特開平7−235293において、
固相反応を利用せずに、水溶液中で塩化スズなどのスズ
化合物と水酸化ナトリウムを反応させ、得られた沈殿物
を焼成するという溶液法を利用した方法で製造したSn
2粉末を負極活物質として用いることが記載されてい
る。この水溶液を用いた方法においては、スズ化合物の
水への溶解度が非常に小さく、スズ化合物が均一に溶解
した水溶液を調製することが困難であるため、スズ化合
物を添加して白濁した水溶液に、水酸化ナトリウムや水
酸化カリウムなどのアルカリ金属を含むアルカリを使用
して、さらに強制的にSn(OH)4の沈殿を生成させ
る。しかしながら、沈殿を焼成した後に得られる酸化ス
ズの粉末中には、ナトリウムやカリウムなどが多く含ま
れており、これらの元素は容量を低下させる上、容量の
ばらつきを大きくするなどの悪影響を及ぼしていた。ま
た水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリの
代わりに、アンモニア水などを使用することも考えられ
るが、スズがアンモニアと錯体を形成しやすいので、沈
殿が生成するpH値の調整が難しいことが多く、また、
たとえpH値を調整して沈殿を生成させることができて
も焼成後の粉末に微量のアンモニアあるいは塩化アンモ
ニウムが残存し、これが非水電解液と反応して容量の低
下を招いていた。
【0020】また上記水溶液を用いた方法で、導電性、
機械的強度、充放電サイクル特性などを向上させたりす
る効果があるアンチモン、ケイ素などの他の構成元素を
含む酸化スズ系粉末を製造する場合、原料として用いる
スズ化合物を始めとしてアンチモン、ケイ素などの他の
構成元素を含む化合物は、水への溶解度が非常に低いも
のが多いため、スズとアンチモンやケイ素などの他の構
成元素が均一に溶解した水溶液を調製することは、非常
に困難であった。また仮に均一な水溶液を調製できたと
しても、構成元素のイオン濃度と水酸イオン濃度との
積、即ち溶解度積の値が構成元素によって異なるため、
アルカリを添加して沈殿を生成させようとしたときに、
不均一な組成の沈殿、即ちスズを多く含む沈殿あるいは
アンチモンやケイ素などを多く含む沈殿が生成してしま
う。このような不均一な沈殿を焼成して得られる粉末
は、SnO2と他の構成元素の酸化物に完全に分相した
混合物となってしまい、導電性、機械的強度、充放電サ
イクル特性などを向上させる効果が得られない上に、焼
成後の粉末の容量が低下したり、容量のばらつきが生じ
たりするなどの問題があった。即ち、上記水溶液を用い
た方法では、スズと、アンチモンやケイ素などの他の構
成元素が原子レベルで、かつ任意の割合で均一に混合し
た溶液、あるいは粉末を調製することは非常に困難であ
った。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】そこで、高容量の酸化
スズ系の非水電解液二次電池用負極活物質を、高収率
で、かつ再現性よく製造でき、さらには10時間以内と
いう短時間で焼成できる製造方法の開発が望まれてい
た。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記技術
課題を解決するべく、鋭意研究を行ってきた。その結
果、有機溶媒の中でも特にアルコールを主溶媒とし、こ
れにアルコール可溶性スズ化合物、金属スズ、アルコー
ル可溶性周期表第5族元素化合物、アルコール可溶性周
期表第15族元素化合物、その他のアルコール可溶性金
属化合物、アルコール可溶性高分子化合物などの原料を
溶解すると、それぞれの構成元素を任意の割合で溶解し
た均一で透明な前駆体溶液が得られ、その後濃縮するこ
とによって、不均質な沈殿を起こさずに、また容量低下
など悪影響を及ぼすアルカリを添加することなく、重合
及び縮合反応が起こって、組成むらのない均質な粉末状
あるいは繊維状のゲルを生成することができ、さらにこ
のゲルを焼成することにより、従来よりも高容量の非水
電解液二次電池用負極活物質を、高収率でかつ再現性よ
く製造することができる上、さらには10時間以内とい
う短時間の焼成によって製造できることを見い出し、こ
こに本発明を完成させるに至った。
【0023】即ち、本発明は、アルコールにアルコール
可溶性スズ化合物及び/又は金属スズを溶解して前駆体
溶液を調製した後、濃縮し、次いで焼成することを特徴
とする酸化スズ系非水電解液二次電池用負極活物質の製
造方法である。
【0024】他の発明は、アルコールにアルコール可溶
性スズ化合物及び/又は金属スズ、並びにアルコール可
溶性周期表第5族元素化合物(族の数字は新IUPAC
方式、以下同様)及び/又はアルコール可溶性周期表第
15族元素化合物を溶解して前駆体溶液を調製した後、
濃縮し、次いで焼成することを特徴とする酸化スズ系非
水電解液二次電池用負極活物質の製造方法である。
【0025】更に他の発明は、アルコールにアルコール
可溶性スズ化合物及び/又は金属スズ、並びにアルコー
ル可溶性ケイ素化合物、アルコール可溶性アルミニウム
化合物、アルコール可溶性ゲルマニウム化合物、アルコ
ール可溶性チタン化合物、アルコール可溶性ジルコニウ
ム化合物、アルコール可溶性マグネシウム化合物、およ
びアルコール可溶性ほう素化合物よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種のアルコール可溶性金属化合物を溶解
して前駆体溶液を調製した後、濃縮し、次いで焼成する
ことを特徴とする酸化スズ系非水電解液二次電池用負極
活物質の製造方法である。
【0026】更に他の発明は、アルコールにアルコール
可溶性スズ化合物及び/又は金属スズ、アルコール可溶
性周期表第5族元素化合物及び/又はアルコール可溶性
周期表第15族元素化合物、並びにアルコール可溶性ケ
イ素化合物、アルコール可溶性アルミニウム化合物、ア
ルコール可溶性ゲルマニウム化合物、アルコール可溶性
チタン化合物、アルコール可溶性ジルコニウム化合物、
アルコール可溶性マグネシウム化合物、およびアルコー
ル可溶性ほう素化合物よりなる群から選ばれた少なくと
も1種のアルコール可溶性金属化合物を溶解して前駆体
溶液を調製した後、濃縮し、次いで焼成することを特徴
とする酸化スズ系非水電解液二次電池用負極活物質の製
造方法である。
【0027】次に本発明をさらに具体的に説明する。
【0028】本発明の酸化スズ系非水電解液二次電池用
負極活物質(以下単に酸化スズ系負極活物質ともいう)
の製造方法においては、まずアルコールにアルコール可
溶性スズ化合物、金属スズ、アルコール可溶性周期表第
5族元素化合物、アルコール可溶性周期表第15族元素
化合物、その他のアルコール可溶性金属化合物、アルコ
ール可溶性高分子化合物など(以下これらを総称してア
ルコール可溶性化合物という)の原料を溶解させた溶
液、即ち前駆体溶液を調製した後、濃縮し、次いで焼成
を行う。
【0029】前駆体溶液は、後述するアルコール及びア
ルコール可溶性化合物を用いて調製する。また濃縮は、
前駆体溶液中の余分なアルコールを除去して高粘度の前
駆体溶液を調製したり、重合及び縮合反応を促進してゲ
ル化するなどの目的で行われる。具体的には、前駆体溶
液を入れた容器を直接加熱したり、真空ポンプなどの減
圧装置を付属した濃縮装置(例えばロータリーエバポレ
ーターなど)などを用いたりして行われる。濃縮後の高
粘度の前駆体溶液またはゲルは、後述する条件で焼成を
行う。
【0030】この製造方法によって通常、粉末状の酸化
スズ系負極活物質が得られるが、もし繊維形状の酸化ス
ズ系負極活物質を得たい場合には、濃縮によって曳糸性
を示すように粘度を調整した前駆体溶液を紡糸した後、
得られた繊維状のゲル(以下ゲル繊維という)を焼成し
てもよい。繊維形状の酸化スズ系負極活物質は、粉末状
のものと比較して、非水電解液二次電池を構成するとき
に非水電解液が浸透しやすいこと、あるいは充放電サイ
クルを繰り返しても酸化スズ系負極活物質が集電体から
脱落又は剥離しにくいなどの利点があるため、好まし
い。
【0031】本発明において前駆体溶液の調製に用いる
アルコールは、後述の各種アルコール可溶性化合物を溶
解するものであれば何ら制限されない。これらアルコー
ルを一般式ROHで表わすと、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、オクチル基などの非置換ア
ルキル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル
基、2−ヒドロキシエチル基、1−メトキシ−2−プロ
ピル基、メトキシエトキシエチル基、2−フェニルエチ
ル基、フェニルメチル基などの置換アルキル基、アリル
基などの非置換アルケニル基、2−メチル−2−プロペ
ニル基、3−メチル−3−ブテニル基などの置換アルケ
ニル基などが挙げられる。
【0032】上記の置換アルキル基、置換アルケニル基
または置換アリール基における置換基の具体例として
は、上記したRの具体例に見られるメトキシ基、エトキ
シ基などのアルコキシル基、ヒドロキシル基、フェニル
基などのアリール基、メチル基、エチル基などのアルキ
ル基の他に、アミノ基、シアノ基、Cl原子、Br原
子、I原子、F原子などのハロゲンなどが挙げられる。
【0033】これらアルコールの具体例として、メタノ
ール(メチルアルコールともいう)、エタノール(エチ
ルアルコールともいう)、プロパノール(プロピルアル
コールともいう)、ブタノール(ブチルアルコールとも
いう)、オクタノール(オクチルアルコール)、2−メ
トキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレン
グリコール、1−メトキシ−2−プロピルアルコール、
メトキシエトキシエタノール、2−フェニルエチルアル
コール、ベンジルアルコール、アリルアルコール、2−
メチル−2−プロペン−1−オール、3−メチル−3−
ブテン−1−オールなどを挙げることができる。中でも
メタノール、エタノールは、アルコール可溶性化合物の
溶解度が高いため、好ましく、特にメタノールは安価で
手に入りやすいという理由もあり、より好ましい。上記
アルコールは通常単独で用いられるが、アルコール可溶
性化合物との反応性や溶解性などを制御するために2種
類以上のアルコールの混合物を用いることもできる。
【0034】本発明に用いるアルコール可溶性スズ化合
物(以下スズ化合物という)としては、ハロゲン化ス
ズ、有機スズなどが挙げられる。ハロゲン化スズのハロ
ゲンは、Cl、Br、I、F原子である。また水和物で
も構わない。ハロゲン化スズ化合物のなかでも、塩化ス
ズ、臭化スズが価格、安定性の点から好ましい。具体的
には、SnCl2、SnCl2・2H20、SnBr2、S
nI2、SnF2などが挙げられ、特に、SnCl2、S
nBr2、SnCl2・2H2Oが好ましく用いられる。
また該ハロゲン化スズ化合物において有機化合物で修飾
したもの、例えばSn(CH3)2Cl2なども使用でき
る。有機スズ化合物としては、(CH32Sn、(C2
52Sn、(C374Snなどが溶解する範囲で使
用または添加することができる。また上記スズ化合物は
2種類以上の混合物を用いることもできる。
【0035】本発明に用いる金属スズの形状は特に限定
されず、板状、棒状、シート状、粒状、粉末状、砂状、
花状、塊状のものなどが挙げられ、溶解のしやすさの点
からは粒状、粉末状、砂状のものが好ましい。純度は高
い方が好ましいが、製造方法に影響を与えず、後述する
比抵抗の再現性に影響しない範囲であれば特に制限され
ない。
【0036】前駆体溶液を調製する際のアルコールとス
ズ化合物及び/又は金属スズとの配合割合は、スズ化合
物及び/又は金属スズがアルコールに均一に溶解する範
囲であれば、特に制限されない。但し、あまりにアルコ
ールが少ないと、スズ化合物及び/又は金属スズが完全
に溶解せずに不溶物が残り均一な前駆体溶液が得られな
い。またあまりにアルコールが多いと、スズ化合物及び
/又は金属スズの溶解速度は速まるが、後の濃縮や焼成
において時間がかかってしまう。したがって、使用する
アルコールやスズ化合物及び/又は金属スズの種類によ
っても異なるが、元素換算でスズに対してアルコールの
量がモル比で2〜100倍となるような配合割合が好ま
しく、さらには5〜50倍となるような配合割合が望ま
しい。但し、前駆体溶液を調製する際に、以下に述べる
導電性付与のためのアルコール可溶性第5族元素あるい
は第15族元素元素化合物、またはケイ素、アルミニウ
ム、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウ
ム、ほう素のアルコール可溶性金属化合物を用いるとき
は、これらのアルコール可溶性化合物中のスズと上記他
の構成元素の合計量に対して、アルコールの量がモル比
で2〜100倍となるような配合割合が好ましく、さら
には5〜50倍となるような配合割合が望ましい。
【0037】本発明において導電性の高い酸化スズ系負
極活物質を得るために、バナジウム、ニオブ、タンタル
といった第5族元素、あるいはアンチモン、ビスマスな
どの第15族元素(以下、第5族元素と第15族元素を
総称して導電性付与元素という)を含有するアルコール
可溶性周期表第5族元素化合物あるいはアルコール可溶
性周期表第15族元素化合物(以下、総称して導電性付
与元素化合物という)を必要に応じて原料に用いること
ができる。
【0038】導電性付与元素化合物としては、バナジウ
ム化合物、ニオブ化合物、タンタル化合物、アンチモン
化合物、あるいはビスマス化合物などが挙げられる。具
体的には、バナジウム化合物として、VBr3、VC
2、VCl3、VCl4、VOBr2、VOBr3、VO
Cl3、VF3、VF4、VF5、VI3・6H2O、バナジ
ウムのアルコキシドなどが挙げられ、ニオブ化合物とし
てNbCl5、NbBr5、NbF5、NbOCl3、ニオ
ブのアルコキシドなどが挙げられ、またタンタル化合物
としてTaBr5、TaCl5、タンタルのアルコキシド
などが、さらにはアンチモン化合物としてSbCl3
SbCl5、SbBr3、オキシ塩化アンチモン、アンチ
モンのアルコキシドなどが、またさらにはビスマス化合
物としてBiCl3、BiI2、ビスマスのアルコキシド
などが挙げられる。
【0039】上記導電性付与元素化合物は、それぞれ単
独でアルコール中又は前駆体溶液中に溶解してもよく、
あるいは複数を同時に溶解してもよい。上記導電性付与
元素化合物の配合割合は、導電性を付与したい場合、元
素換算でスズと導電性付与元素の合計量に対して0.1
〜25モル%が好ましく、さらには2〜10モル%が好
ましい。上記割合があまりにも低いと導電性付与の効果
が小さく、またあまりに高くしても導電性付与の効果は
飽和する。
【0040】本発明において、酸化スズ系負極活物質の
機械的強度、容量、充放電サイクル特性などを向上させ
る目的で、ケイ素、アルミニウム、ゲルマニウム、チタ
ン、ジルコニウム、マグネシウム、ほう素(以下、総称
して第二元素という)のアルコキシド、ハロゲン化物、
オキシ塩化物、硝酸塩、あるいは硫酸塩などのアルコー
ルに可溶性の化合物(以下、総称してアルコール可溶性
金属化合物という)を原料の一部として加えてもよい。
また酢酸塩もアルコールに可溶であれば用いることもで
きる。これら第二元素の添加は、特に繊維形状の酸化ス
ズ系負極活物質において機械的強度を向上させる効果も
ある。
【0041】ケイ素のアルコール可溶性金属化合物(ケ
イ素化合物という)としては、ケイ素アルコキシド、ハ
ロゲン化ケイ素などが挙げられる。ケイ素アルコキシド
としては、一般式Si(ORA4、RBSi(O
A3、RBCSi(ORA2で表されるケイ素アルコ
キシドが用いられる。ここで、RA、RB、RCは、各
々、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基などの直鎖状または分岐状アルキル基;エテニル
基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基などの直
鎖状または分岐状アルケニル基、フェニル基などのアリ
ール基を示す。ケイ素アルコキシドを具体的に例示する
と、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラ
ン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメ
トキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−
オクタデシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、アミルトリエトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−オクチル
トリエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシ
ラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、メチルトリブ
トキシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリ
プロポキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリル
トリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラ
ン、ジエチルジメトキシシラン、エチルメチルジエトキ
シシランなどが挙げられる。ハロゲン化ケイ素として
は、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2などが挙げ
られる。
【0042】アルミニウムのアルコール可溶性金属化合
物(アルミニウム化合物という)の一例を例示すると、
AlCl3、AlCl3・6H2O、AlBr3、AlBr
3・6H2O、AlI3、AlI3・6H2O、Al(N
33・9H2O、Al(NO33・6H2O、アルミニ
ウムイソプロポキシドなどのアルミニウムのアルコキシ
ドなどが挙げられる。
【0043】ゲルマニウムのアルコール可溶性金属化合
物(ゲルマニウム化合物という)としては、GeC
4、GeBr2、GeBr4、テトラエトキシゲルマニ
ウムなどのゲルマニウムアルコキシドなどが挙げられ、
チタンのアルコール可溶性金属化合物(チタン化合物と
いう)としては、TiCl4、TiCl3、TiCl2
TiBr4、TiBr4・6H2O、TiF4、テトライソ
プロポキシチタンなどのチタンアルコキシドなどが挙げ
られる。ジルコニウムのアルコール可溶性金属化合物
(ジルコニウム化合物という)としては、ZrCl4
Zr(NO34・5H2O、ZrOCl2・8H2O、Z
rOI2・8H2O、テトラブトキシジルコニウムなどの
ジルコニウムアルコキシドが挙げられ、マグネシウムの
アルコール可溶性金属化合物(マグネシウム化合物とい
う)としては、MgCl2・6H2O、MgBr2・6H2
O、Mg(NO32・nH2O、マグネシウムアルコキ
シドなどが挙げられる。ほう素のアルコール可溶性金属
化合物(ほう素化合物という)としては、H247
3BO3、HBF4、BBr2、トリメトキシボロンなど
のほう素アルコキシドなどが挙げられる。
【0044】また、上記アルコール可溶性金属化合物は
最初から当該化合物である必要はなく、アルコール中あ
るいは前駆体溶液中で初期に当該化合物となるようにし
てもよい。例えば、塩化アルミニウムを用いる代わり
に、ハロゲン化スズが溶解した前駆体溶液に金属アルミ
ニウムを添加してハロゲン化してもよい。
【0045】アルコール可溶性金属化合物がジルコニウ
ム化合物の場合、酸化スズ系負極活物質中に生成する酸
化ジルコニウムの正方晶、あるいは立方晶を安定化、あ
るいは準安定化させて強度を高くしたり、酸素イオン導
電性を高めるために含有させる酸化カルシウム、酸化マ
グネシムなどのアルカリ土類金属の酸化物、酸化イット
リウム、酸化セリウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウ
ム、酸化ガドリニウム、酸化ユーロピウム、酸化スカン
ジウムなどの希土類酸化物の原料としては、これら各元
素のアルコキシド、塩化物、オキシ塩化物、硝酸塩、硫
酸塩、あるいは酢酸塩などのアルコールに可溶性の原料
を用いることができる。
【0046】上記アルコール可溶性金属化合物は、それ
ぞれ単独でアルコール中又は前駆体溶液中に溶解しても
よく、あるいは複数を同時に溶解してもよい。該上記ア
ルコール可溶性金属化合物の量は、特に制限されず目的
に応じて適宜決定すればよい。より高い容量を有する酸
化スズ系負極活物質を得るためには、元素換算でスズ2
0〜99.99モル%に対して、第二元素は80〜0.
01モル%が好ましい。
【0047】焼成後の酸化スズ系負極活物質中のスズ、
導電性付与元素、第二元素の構成比率は、化学分析や蛍
光X線分析によって確認できるが、本発明の製造方法に
おいては通常原料中の上記元素の構成比率と焼成後の酸
化スズ系負極活物質中の構成比率は大差がないので、目
的の組成の酸化スズ系負極活物質は、原料の仕込み組成
を調整することによって得られる。
【0048】本発明において、焼成中に余分なハロゲン
を効率よく除去したい場合、あるいは繊維形状の酸化ス
ズ系負極活物質を得たい場合には、アルコール可溶性高
分子化合物を前駆体溶液中に添加することが効果的であ
る。アルコール可溶性高分子化合物としては、アルコー
ルに可溶な高分子化合物であれば何等制限なく使用する
ことができる。具体的に例示すれば、エチルセルロー
ス、酢酸セルロース、硝酸セルロース、プロピオン酸セ
ルロース、三酢酸セルロース、アセチルブチルセルロー
ス、ヒドロキシルプロピルセルロースなどのセルロース
類、ポリビニルブチラール、ポリメチレンオキシド、ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ酢
酸ビニルなどが挙げられる。これらのアルコール可溶性
高分子化合物を添加することにより、焼成によって該ア
ルコール可溶性高分子化合物が燃焼あるいは分解すると
きに、前駆体溶液中のハロゲンを燃焼ガスあるいは分解
生成ガスとして除去する働きをしたり、また濃縮によっ
て粘度を調整した前駆体溶液を用いて紡糸を行い、繊維
形状の酸化スズ系負極活物質を製造するときに、粘度や
乾燥速度を調整したり、曳糸性を向上させたりするなど
の紡糸特性を改善する効果を有し、紡糸が容易となる。
【0049】アルコール可溶性高分子化合物の添加量
は、上記スズ化合物とアルコール可溶性高分子化合物の
合計量に対して0.01〜20重量%が好ましい。上記
アルコール可溶性高分子化合物の添加量が0.01重量
%よりも少ないと充分な効果が得られない。一方、20
重量%を越えてもその効果は飽和するだけでなく、焼成
の際にアルコール可溶性高分子化合物が残留したり、金
属スズの生成量が増加し、容量を低下させたりするので
好ましくない。
【0050】また紡糸する際、濃縮によって粘度を調整
した前駆体溶液の安定性を向上させるために、アセチル
アセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチルなどの
カルボキシル基を2個以上有する化合物などをスズの錯
化剤として適宜含有させてもよく、さらに紡糸特性を改
善するために他の化合物を添加することも可能である。
アルコール中へのアルコール可溶性化合物の溶解方法
は、特に限定されない。例えば、撹拌下、スズ化合物、
金属スズ、導電性付与元素化合物、アルコール可溶性金
属化合物、及びアルコール可溶性高分子化合物の混合物
にアルコールを滴下する方法、あるいは撹拌下、アルコ
ールにスズ化合物、金属スズ、導電性付与元素化合物、
アルコール可溶性金属化合物、及びアルコール可溶性高
分子化合物を同時に、又は順次溶解させる方法などを用
いることができる。また、金属スズの溶解を促進するた
めに、アルコールをリフラックスさせて金属スズを溶解
させることも効果的である。
【0051】さらに、アルコール可溶性化合物の加水分
解反応、重合及び縮合反応を促進させるために、若干の
水を添加してもよい。この水の添加は、特にアルコキシ
ドなどのアルコール可溶性化合物を用いて前駆体溶液を
調製する際に、加水分解、重合及び縮合反応を十分に進
行させるなどの効果がある。但し、添加する水の量があ
まりに多いと、沈殿が生じたり、急激にゲル化したりす
る。アルコール可溶性化合物の種類などによっても異な
るが、添加する水の量はアルコール可溶性化合物に対し
てモル換算で0.01〜10倍が好ましい。
【0052】繊維形状の酸化スズ系負極活物質を製造す
る場合は、ロータリーエバポレーターなどの濃縮装置を
用いて、前駆体溶液中に含まれるアルコールなどの揮発
成分を蒸発させて濃縮し、曳糸性を有するように粘度を
調整した前駆体溶液、即ち紡糸液とした後、紡糸を行
う。このときの粘度は、導電性付与元素や第二元素の種
類及び量、紡糸ノズルの径などによっても異なるが、1
〜1000ポアズが好ましい。
【0053】紡糸方法は特に制限はなく、従来の紡糸方
法を用いることができる。例えば、紡糸ノズルから紡糸
液を押し出す方法などが挙げられる。得られる繊維の長
さ及び直径などは前記紡糸液の粘度、紡糸ノズルの径あ
るいは紡糸ノズルから紡糸液を押し出す速度などを調整
することによって任意に制御することができ、また巻き
取ることによって連続繊維の製造も可能である。
【0054】また繊維形状の酸化スズ系負極活物質を製
造する場合は、スズ源としてスズ化合物の他に金属スズ
を使用して前駆体溶液を調製した方が、安定的に紡糸す
ることができ、また紡糸されたゲル繊維が高湿度雰囲気
下においても形状を維持しやすくなる、さらにはゲル繊
維同士の付着を防げる、またさらにはゲル繊維の乾燥が
速くなるなど取り扱いがきわめて容易になるため、好ま
しい。さらに粉末状、繊維形状のいずれの形態の酸化ス
ズ系負極活物質を製造する際においても、スズ化合物と
金属スズの両方を使用して前駆体溶液を調製した場合、
金属スズの量によって前駆体溶液中に含まれるハロゲン
の量を調節することができるので、焼成後のハロゲンの
量を低減することもできる。
【0055】金属スズの量は各仕込組成において溶解す
る範囲であれば特に制限されない。但し、金属スズの量
が多すぎると溶解に時間がかかったり、溶けないで残る
場合があるので、アルコール可溶性化合物を溶解した前
駆体溶液において、該前駆体溶液中に導電性付与元素化
合物及びアルコール可溶性金属化合物を含まない場合に
は、ハロゲンとスズの原子数の比、即ちX/Snを0.
60以上1.80未満となるように、また導電性付与元
素化合物を含有する場合には、ハロゲン、スズ、及び導
電性付与元素の各原子数の関係が、 (0.60NSn+0.65NY)≦X/(Sn+Y)<(1.
80NSn+2.70NY) となるように調整することが好ましい。ここで、NSn
前駆体溶液中のスズ、導電性付与元素の原子数の合計量
に対するスズの原子数の比であり、NYは前駆体溶液中
のスズ、導電性付与元素の原子数の合計量に対する導電
性付与元素の原子数の比であり、X、Sn、及びYはそ
れぞれ前駆体中のハロゲン、スズ、及び導電性付与元素
の原子数を表わす。
【0056】さらにハロゲンを含むアルコール可溶性金
属化合物を添加する場合は、当該化合物中のハロゲンも
勘案しなければならない。即ち、上記式において、導電
性付与元素の原子数を導電性付与元素と第二元素の原子
数の合計量に置き換えればよい。
【0057】繊維形状の酸化スズ系負極活物質を製造す
る場合、ハロゲンとスズの原子数比X/Sn、あるいは
ハロゲンとスズおよび導電性付与元素の原子数の関係X
/(Sn+Y)が上記範囲より大きくてもゲル繊維を紡
糸することが可能であるが、得られる繊維が高湿度雰囲
気下で軟化し形状が崩れやすくなるため湿度の制御など
が必要になる。また、上記ハロゲンとスズの原子数比X
/Sn、あるいはハロゲンとスズおよび導電性付与元素
の原子数の関係X/(Sn+Y)が上記範囲よりも小さ
いと紡糸したゲル繊維は高湿度下においても安定である
が、金属スズの溶解に時間がかかる、金属スズが完全に
溶解しないという問題が出てくる。従って上記ハロゲン
とスズの原子数比X/Sn、あるいはハロゲン、スズ、
及び導電性付与元素の原子数の関係X/(Sn+Y)を
上記範囲に制御することが好ましい。
【0058】なお、金属アンチモンなどのハロゲンを含
まない導電性付与元素の単体を溶解させて、ハロゲン、
スズ、及び導電性付与元素の原子数の関係X/(Sn+
Y)を制御する方法を併用してもよい。
【0059】本発明における焼成は、濃縮後の高粘度の
前駆体溶液中あるいは乾燥粉末中、さらにはゲル繊維中
のアルコール、水などの揮発成分を除去、あるいは分
解、燃焼させ、粉末又は繊維の骨格を強くし、場合によ
ってはさらに結晶化させる目的で行われる。特に紡糸液
から紡糸したままのゲル繊維はそのままでは十分な機械
的強度を示さない。高い機械的強度はゲル繊維を焼成す
ることで発現する。
【0060】該焼成は、市販の電気炉、ガスバーナー炉
などの焼成炉あるいは焼結炉を使用して行われる。中で
も、プログラム式温度調節機能、焼成時の雰囲気を調節
するためのガス導入及び排出機能などを付属した焼成炉
が好ましい。
【0061】該焼成は、通常、昇温、温度を一定に保持
する係留、降温の工程に分けられるが、昇温速度を非常
に遅くした場合などにおいて、昇温後、係留過程を経ず
に直ちに冷却するという工程で行うこともできる。降温
は、昇温又は係留後、粉末あるいは繊維を焼成炉内に入
れたままで行うという炉冷がよく行われるが、降温速度
を非常に速くしたい場合には、昇温又は係留後、直ちに
水などの溶媒中に浸漬したり、回転する金属製のロール
などに落下させるなどの急冷法を用いてもよい。
【0062】さらには前駆体溶液中のハロゲンを効率よ
く除去するなどの目的で、焼成を2段階以上に分けて行
ってもよい。例えば、室温から昇温し、一度300℃で
2時間係留し、その後再度昇温して500℃で2時間係
留し、炉冷したり、あるいは焼成炉Aを用いて300℃
で2時間係留するという焼成を行った後、別の焼成炉B
を用いて500℃で2時間係留するという焼成を行うな
どである。
【0063】なお、本発明における焼成温度、焼成時間
とは、焼成時の係留温度、係留時間のことをいう。
【0064】焼成温度は、容量が高くなるように、また
得られる粉末あるいは繊維に機械的強度を付与できるよ
うに設定した方がよい。用いるアルコール可溶性金属化
合物などの種類、量などによっても異なるが、焼成温度
としては100〜1000℃の範囲が好ましい。さらに
好適には200〜700℃の温度が好ましい。焼成温度
があまりにも低い場合には、繊維中にアルコール、水な
どが残存するために、容量が低下したり、十分な機械的
強度が得られないといったことが生じる。また焼成温度
が高すぎると、酸化スズの分解が進行したり、導電性付
与元素が昇華したり、あるいは繊維中の結晶粒が成長し
過ぎて、比抵抗が増加したり、強度が低下したり、容量
が低下したり、さらにはエネルギーを多量に消費するな
どの問題が生じる。
【0065】焼成時間があまりにも短いと当然のことな
がら焼成が不十分になり、またあまりにも長いと導電性
付与元素が昇華したり、あるいは繊維中の結晶粒が成長
し過ぎて、比抵抗が増加したり、強度が低下したり、容
量が低下したり、さらにはエネルギーを多量に消費する
などの問題が生じる。焼成温度、雰囲気などによっても
異なるが、焼成時間は0.03〜8時間が好ましい。
【0066】焼成時の昇温速度は特に制限されないが、
あまりにもゆっくりした昇温速度で焼成を行うと、導電
性付与元素が昇華したり、あるいは繊維中の結晶粒が成
長し過ぎて、比抵抗が増加したり、強度が低下したり、
容量が低下したり、さらにはエネルギーを多量に消費す
るなどの問題が生じる。またあまりにも速い昇温速度で
焼成を行うと、焼成炉の炉内温度が設定温度を超えた
り、炉内に温度分布が生じたり、さらには繊維形状の場
合、繊維の機械的強度が低下したりするなどの不都合が
生じる。よって昇温速度は0.1〜100℃/分が好ま
しい。
【0067】焼成時の雰囲気は特に限定されない。例え
ば、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどの不活性ガス、窒
素ガス、あるいは水素ガス、一酸化炭素ガスなどの還元
性ガス、あるいは空気、酸素ガス、水蒸気などの酸化性
ガス、又はこれらの混合ガスなどで満たされた雰囲気な
どが挙げられる。但し、焼成の途中でガスの種類を変更
して行ってもよい。上記ガスの雰囲気下での焼成では、
焼成炉にガス導入及び排出機能を設けて、上記ガスを焼
成炉内に導入しながら行った方が、均一な酸化スズ系負
極活物質が得られやすいので好ましい。さらには真空ポ
ンプなどで減圧した雰囲気下、あるいは上記ガスの全圧
力が1気圧を超える状態の雰囲気下、即ち加圧状態で焼
成を行ってもよいが、0.01〜5気圧の圧力下で行っ
た方が、高真空容器や高圧容器などの特別な設備の容器
が不要であるため、好ましい。
【0068】上記焼成は、ゲル化する前、即ち高粘度の
前駆体溶液の状態で焼成を行っても、従来よりも高容量
の酸化スズ系負極活物質が得られるが、ゲル繊維の状
態、あるいは濃縮してゲル化させた後、乾燥粉末の状態
で焼成を行った方が、より均質なものが得られる他、焼
成時のアルコールの揮発量が少ないため、安全性が向上
することなどの理由から好ましい。
【0069】本発明の製造方法によって製造された酸化
スズ系負極活物質は、焼成の昇温速度、焼成温度及び焼
成時間、雰囲気の種類、導電性付与元素及び第二元素の
種類、量などによっても異なるが、通常、非晶質構造
か、又は結晶化が不十分で非晶質構造に近い構造か、又
は結晶化が十分に進行した結晶質構造か、あるいは非晶
質構造の物質と結晶質構造の物質が同時に存在するなど
の構造を有する複合体となる。一般に、低温あるいはよ
り短時間の焼成を行うと、非晶質構造あるいは非晶質構
造に近い構造の物質が増加する。酸化スズ系負極活物質
の構造は、エックス線回折分析などの物質同定あるいは
構造解析の手段を用いることによって判断できる。例え
ば、エックス線回折分析の回折パターンにおいて、非晶
質構造の物質が存在すると回折角2θ=20〜40°の
付近にハローが得られ、また非晶質構造に近い構造の物
質が存在すると半値幅(半価幅ともいう)の大きい広が
った回折ピークが得られ、さらには結晶質構造の物質が
存在すると半値幅の非常に小さな鋭い回折ピークが得ら
れる。
【0070】非晶質構造と結晶質構造のどちらの構造の
物質が多い方がよいかは一概には言えないが、通常、非
晶質構造あるいは非晶質構造に近い構造の物質が残留し
ている方が、また非晶質構造に近い構造の物質の結晶化
の度合い(半値幅などからわかる)が小さい方が容量が
高くなる傾向がある。但し、結晶質構造を有する物質が
多い方が、導電性は高くなる。導電性の高い酸化スズ系
負極活物質は、非水電解液二次電池の負極を製造すると
きにアセチレンブラックなどの導電性付与剤の添加量を
低減できるため、負極の単位重量当たりの容量が増加す
ることにつながる上、さらに大電流での放電が可能とな
る。必要とする酸化スズ系負極活物質の性能、及びコス
トなどに応じて、構造を選択すればよい。
【0071】導電性付与元素化合物やアルコール可溶性
金属化合物として添加された導電性付与元素や第二元
素、及びスズが焼成後にどのような化合物として存在す
るかについては、一部分析が困難なものもあり、本発明
者らも全てについて正確に把握しているわけではない
が、通常、酸化物、炭化物、あるいはアルコール可溶性
金属化合物などに含まれる修飾基が分解不十分な状態で
残留した酸化物など、あるいはこれらの複合体であると
推定している。
【0072】例えば、高温で焼成した場合には、スズは
酸化スズ(二酸化スズ、一酸化スズなど)などとして存
在し、導電性付与元素や第二元素は酸化スズなどの中に
固溶していることが多い。ここで固溶とは、例えば、導
電性付与元素や第二元素が酸化スズ中のスズ原子と置換
した状態、あるいは酸化スズの結晶構造中に侵入した状
態、即ち固体A中に別の物質Bが均一に溶け込んでいる
状態のことをいい、その状態の固体を固溶体という。
【0073】但し、導電性付与元素や第二元素の量が多
い場合には、スピノーダル分解などが起こり、酸化スズ
中に固溶しきれない導電性付与元素や第二元素が酸化物
などの状態で分離し、2つ以上の相がミクロな構造で複
合化されて存在する、いわば複合物となる場合もある。
但し、この場合、上記2つ以上の相の大きさは非常に小
さいため、エックス線回折分析から判断すると非晶質構
造、または非晶質構造に近い構造となる。
【0074】また低温で焼成した場合には、スズ化合
物、導電性付与元素化合物、及びアルコール可溶性金属
化合物などに含まれる修飾基が分解不十分な状態で炭素
などとして残留し、炭化物、あるいは炭素などを含有す
る酸化物などの非晶質構造を有するものとなる場合もあ
る。一方、焼成前の乾燥粉末やゲル繊維を真空中などで
十分に乾燥してアルコールを飛散させた後、焼成を行っ
たり、あるいは空気中または空気中の酸素分圧以上の酸
素濃度の雰囲気(例えば酸素中)で焼成を行うと、焼成
時に炭素が十分に除去され、炭素がほとんど残留しない
酸化物となるが、このときの焼成温度が低温ならば、非
晶質構造を有する酸化スズ系負極活物質となりやすい。
【0075】本発明の製造方法によって製造された酸化
スズ系負極活物質中の各構成元素の組成は、蛍光エック
ス線などの定量分析装置を用いて、予め各構成元素のモ
ル比率がわかっている標準試料において、各構成元素か
ら得られる特性エックス線のピーク強度の比率と、各構
成元素のモル比率の関係、即ち検量線を求めておき、未
知試料のピーク強度の比率の測定と検量線から組成を求
めることができる。
【0076】本発明の酸化スズ系負極活物質の比抵抗の
値は、導電性付与元素の種類、添加量、焼成の雰囲気、
焼成温度及び焼成時間などによって大きく変わるが、通
常、103〜10ー2Ω・cmの値をとることができる。
また、水素ガス、一酸化炭素ガスなどの還元性ガスの雰
囲気下で焼成すると10-4Ω・cmの値を取ることもで
きる。
【0077】本発明の製造方法によって製造された酸化
スズ系負極活物質は、非水電解液二次電池に好適に用い
ることができる。酸化スズ系負極活物質を用いた非水電
解液二次電池の製造方法の概略は以下の通りである。
【0078】まず混練機、混合機などを用いて、本発明
の酸化スズ系負極活物質と結着剤をN−メチルピロリド
ンなどの溶媒と混練し、ペーストを製造する。先に結着
剤を溶媒と混練し、その後酸化スズ系負極活物質を混練
するなどしても構わない。ペースト製造後、集電体にペ
ーストを塗布、あるいは含浸させ、溶媒を乾燥、除去し
た後、加圧、切断などを行って所望の形状に加工して負
極とする。該負極と、同様にして製造した正極をセパレ
ータを介して帯状に重ね、円筒型非水電解液二次電池で
あれば円柱状に巻回し、また角形非水電解液二次電池で
あれば折り重ねて、電極部分を製造する。その後、この
電極部分を所望の電池容器に挿入し、非水電解液を注入
後、安全装置などを挿入し、封缶する。
【0079】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、高容量の酸
化スズ系非水電解液二次電池用負極活物質を高収率で、
かつ再現性よく製造できるという効果を有する上、さら
には10時間以内という短時間の焼成によって製造でき
るため、要するエネルギーが少ないという効果を有す
る。よって本発明の製造方法は、工業的に有用な製造方
法である。
【0080】前記固相反応法を利用した製造方法と比較
して、本発明の製造方法が収率、再現性、焼成時間の短
さにおいて優位性があったのは、焼成前に予めアルコー
ル中で酸化スズ系負極活物質の構成元素が沈殿を形成す
ることなく、原子レベルで均一に混合されている上に、
室温で重合及び縮合反応が十分に進んでおり、固相反応
法のように高温かつ長時間の焼成によって原料同士を反
応させる必要がないので、収率、再現性、焼成時間に影
響を及ぼす相分離、分解、昇華などが起こりにくいため
と考えられる。
【0081】また本発明の製造方法によって製造された
酸化スズ系負極活物質が高容量である理由については、
本発明者らもよくわかっていないが、以下のように推定
される。
【0082】本発明の製造方法によって製造された酸化
スズ系負極活物質は、焼成前に予めアルコール中で酸化
スズ系負極活物質の構成元素が沈殿を形成することな
く、原子レベルで均一に混合され、室温で構成元素間の
重合及び縮合反応が十分に進んでいるので、焼成後に相
分離や分解などがほとんど起こっていない状態となる。
よって充放電反応に関与しない相や分解生成物がほとん
ど存在しないため、容量の向上が実現したものと考えら
れる。
【0083】また、本発明の製造方法によって製造され
た酸化スズ系負極活物質は溶融状態を経ていないため、
多孔質であり、そのため非水電解液がよく浸透し、充放
電反応に関与する酸化スズ系負極活物質の割合が高くな
ったことも容量向上の一因と考えられる。
【0084】さらには、本発明の製造方法によって製造
された酸化スズ系負極活物質の中には、200〜400
℃程度の低温で焼成しても高い容量を示すものがある
が、これは原料となったアルコールあるいはアルコール
可溶性化合物中のアルコキシ基などが焼成後にも炭素な
どの形で残留したり、ポアを形成したりしてリチウムを
より多く吸蔵、放出できる構造を有する酸化スズ系負極
活物質を形成する原因になったためとも考えられるが、
明確でない。
【0085】
【実施例】本発明を以下、実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0086】以下の実施例及び比較例において、負極活
物質の容量を次のようにして測定した。
【0087】焼成後の負極活物質(粉末の場合は一度乳
鉢で粉砕した)、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)、ア
セチレンブラック(導電性付与剤)を80/5/15
(重量比)の割合で混合し、この混合物500mgに対
し、溶媒としてN−メチルピロリドン1mlを添加して
混練し、ペースト状にした。このペーストを100℃の
真空乾燥器にて24時間乾燥した。この負極活物質を含
む混練物を6mgとり、ニッケル網に塗布し、負極とし
た。非水電解液には、LiCl04(1モル/リットル
の濃度)をエチレンカーボネートとジエチルカーボネー
トの等体積混合溶媒に溶解したものを使用した。また電
池容器にはガラス製の円筒容器を使用し、負極1個の両
側に正極(リチウムを使用)2個、また負極の近傍に参
照電極(リチウムを使用)1個を配置するように、上部
蓋からクリップ付きのニッケル線(ガラス管被覆)を吊
り下げて簡易型電池セルを構成した。
【0088】充放電装置(北斗電工製)を用いて、上記
簡易型電池セルの充放電サイクル試験を行い、負極活物
質の容量を測定した。充放電サイクル試験では、30m
A/gに相当する電流値(一定)で行った。負極活物質
の容量は、放電時間t(単位;時間)を測定することに
よって、 容量=30×t (単位;mAh/g) から計算した。また充放電は参照電極に対して、0〜
1.99Vの範囲内で行った。なお、実施例及び比較例
における容量は、初回放電時の容量で比較した。
【0089】また製造方法の再現性を見るために、同一
の前駆体溶液を用いて5回の焼成を行い、エックス線回
折分析によって両焼成物中の生成物の比較を行うととも
に、簡易型電池セルを作製し、充放電サイクル試験を行
い、容量を比較した。これら5回の容量測定の中で、最
大の容量が得られたものを負極活物質A、また最低の容
量が得られたものを負極活物質Bとし、結果を表1及び
表2に示した。
【0090】さらに焼成後のスズ、導電性付与元素、第
二元素の組成分析は、蛍光エックス線分析を用いて、予
め作成した検量線によって行った。なお、表1及び2中
の導電性付与元素、及び第二元素のモル%は、スズとそ
れぞれの元素との合計量に対する値である。
【0091】焼成後の収率は、仕込み量及び組成から計
算されるスズ、導電性付与元素及び第二元素の酸化物の
重量(W0)に対して、焼成後に得られた焼成物の重量
(W)の割合から算出した。即ち、次式を用いた。
【0092】 収率=(W/W0)×100 (単位;%) 収率は大きい方が、工業的に有用な製造方法となる。
【0093】実施例1 メタノール38.5g(1.20モル)に、塩化第一ス
ズ(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属ス
ズ4.75g(0.04モル)をリフラックスさせなが
ら順次溶解させ、均一で透明な前駆体溶液を調製した。
このとき塩素、スズのモル数の関係は、Cl/Sn=1
である。
【0094】上記前駆体溶液を濃縮し、乾燥粉末を得
た。この乾燥粉末を市販の電気炉を用いて、空気中で5
00℃、2時間、5バッチ焼成した。得られた5つの焼
成物のエックス線回折分析を行った結果、いずれもSn
2の(110)面及び(101)面からの広がった回
折ピークが検出されたことから、非晶質構造に近いSn
2が生成していることがわかった。
【0095】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表1に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0096】実施例2 メタノール40.5g(1.26モル)に、塩化第一ス
ズ(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属ス
ズ4.75g(0.04モル)、三塩化アンチモン(S
bCl3)0.96g(0.0042モル)をリフラッ
クスさせながら順次溶解させ、均一で透明な前駆体溶液
を調製した。このとき塩素、スズ、及びアンチモンのモ
ル数の関係は、 Cl/(Sn+Sb)=1.10 0.60NSn+0.65NSb=0.60 1.80NSn+2.70NSb=1.85 である。
【0097】上記前駆体溶液を濃縮し、乾燥粉末を得
た。この乾燥粉末を市販の電気炉を用いて、空気中で5
00℃、2時間、5バッチ焼成した。得られた5つの焼
成物のエックス線回折分析を行った結果、いずれもSn
2の(110)面及び(101)面からの広がった回
折ピークが検出されたことから、非晶質構造に近いSn
2が生成していることがわかった。また酸化アンチモ
ンの回折ピークが検出されなかったことから、酸化アン
チモンは非晶質構造に近いSnO2中に固溶しているこ
とがわかった。また蛍光エックス線分析から、スズとア
ンチモンのモル数の関係はSb/(Sn+Sb)=0.
05であり、仕込み組成からのズレはなかった。
【0098】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表1に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0099】実施例3 メタノール38.5g(1.20モル)に、塩化第一ス
ズ(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属ス
ズ4.75g(0.04モル)をリフラックスさせなが
ら順次溶解させた後、テトラエトキシシラン(Si(0
25)4)16.7g(0.08モル)を添加し、均一
で透明な前駆体溶液を調製した。このとき塩素、スズの
モル数の関係は、Cl/Sn=1である。
【0100】上記前駆体溶液を濃縮し、乾燥粉末を得
た。この乾燥粉末を市販の電気炉を用いて、アルゴン中
で200℃、2時間、5バッチ焼成した。得られた5つ
の焼成物のエックス線回折分析を行った結果、いずれも
ハローが検出されたことから、SnとSiを含む非晶質
構造の粉末が生成していることがわかった。また蛍光エ
ックス線分析から、スズとケイ素のモル数の関係はSi
/(Sn+Si)=0.50であり、仕込み組成からの
ズレはなかった。
【0101】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表1に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0102】実施例4 実施例3と同一の前駆体溶液を調製した後、濃縮し、乾
燥粉末を得た。この乾燥粉末を市販の電気炉を用いて、
アルゴン中で500℃、2時間、5バッチ焼成した。得
られた5つの焼成物のエックス線回折分析を行った結
果、いずれもSnO2の(110)面及び(101)面
からの広がった回折ピークと、回折角2θ=20〜40
°付近にハローが検出されたことから、非晶質構造に近
いSnO2と別の非晶質構造の物質の複合体が生成して
いるものと考えられる。また蛍光エックス線分析から、
スズとケイ素のモル数の関係はSi/(Sn+Si)=
0.50であり、仕込み組成からのズレはなかった。
【0103】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表1に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。であった。
【0104】実施例5 メタノール38.5g(1.20モル)に、臭化第一ス
ズ(SnBr2)11.1g(0.04モル)、金属ス
ズ4.75g(0.04モル)をリフラックスさせなが
ら順次溶解させた後、テトラエトキシシラン(Si(0
25)4)16.7g(0.08モル)を添加し、均一
で透明な前駆体溶液を調製した。このとき臭素、スズの
モル数の関係は、Br/Sn=1である。
【0105】上記前駆体溶液を濃縮し、乾燥粉末を得
た。この乾燥粉末を市販の電気炉を用いて、アルゴン中
で500℃、2時間、5バッチ焼成した。得られた5つ
の焼成物のエックス線回折分析を行った結果、いずれも
ハローが検出されたことから、SnとSiを含む非晶質
構造の粉末が生成していることがわかった。また蛍光エ
ックス線分析から、スズとケイ素のモル数の関係はSi
/(Sn+Si)=0.50であり、仕込み組成からの
ズレはなかった。
【0106】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表1に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0107】実施例6 エタノール55.3g(1.20モル)に、塩化第一ス
ズ(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属ス
ズ4.75g(0.04モル)、Sb(OC25)31.
08g(0.0042モル)をリフラックスさせながら
順次溶解させ、均一で透明な前駆体溶液を調製した。こ
のとき塩素、スズ、及びアンチモンのモル数の関係は、 Cl/(Sn+Sb)=0.95 0.60NSn+0.65NSb=0.60 1.80NSn+2.70NSb=1.85 である。
【0108】上記前駆体溶液を濃縮し、乾燥粉末を得
た。この乾燥粉末を市販の電気炉を用いて、アルゴン中
で500℃、2時間、5バッチ焼成した。得られた5つ
の焼成物のエックス線回折分析を行った結果、いずれも
SnO2の(110)面及び(101)面からの広がっ
た回折ピークが検出されたことから、非晶質構造に近い
SnO2が生成していることがわかった。また酸化アン
チモンの回折ピークが検出されなかったことから、酸化
アンチモンは非晶質構造に近いSnO2中に固溶してい
ることがわかった。また蛍光エックス線分析から、スズ
とアンチモンのモル数の関係はSb/(Sn+Sb)=
0.05であり、仕込み組成からのズレはなかった。
【0109】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表1に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0110】実施例7 メタノール38.5g(1.20モル)の代わりに、同
モルの2−エトキシエタノールを用いること、焼成時の
雰囲気を空気中とすること以外は実施例4と同様に行な
った。得られた5つの焼成物のエックス線回折分析を行
った結果、いずれもSnO2の(110)面及び(10
1)面からの広がった回折ピークと、回折角2θ=20
〜40°付近にハローが検出されたことから、非晶質構
造に近いSnO2と別の非晶質構造の物質の複合体が生
成しているものと考えられる。また蛍光エックス線分析
から、スズとケイ素のモル数の関係はSi/(Sn+S
i)=0.50であり、仕込み組成からのズレはなかっ
た。
【0111】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表1に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0112】実施例8 三塩化アンチモン(SbCl3)0.96g(0.00
42モル)の代わりに、同モルの五塩化タンタル(Ta
Cl5)を用い、焼成時の雰囲気をアルゴン中とするこ
と以外は実施例2と同様に行なった。このとき塩素、ス
ズ、及びタンタルのモル数の関係は、 Cl/(Sn+Ta)=1.20 0.60NSn+0.65NTa=0.60 1.80NSn+2.70NTa=1.85 である。
【0113】得られた5つの焼成物のエックス線回折分
析を行った結果、いずれもSnO2の(110)面及び
(101)面からの広がった回折ピークが検出されたこ
とから、非晶質構造に近いSnO2が生成していること
がわかった。また酸化タンタルの回折ピークが検出され
なかったことから、酸化タンタルは非晶質構造に近いS
nO2中に固溶していることがわかった。また蛍光エッ
クス線分析から、スズとタンタルのモル数の関係はTa
/(Sn+Ta)=0.05であり、仕込み組成からの
ズレはなかった。
【0114】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表1に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0115】実施例9 三塩化アンチモン(SbCl3)0.96g(0.00
42モル)の代わりに、同モルの五塩化ニオブ(NbC
5)を用い、焼成時の雰囲気をアルゴン中とすること
以外は実施例2と同様に行なった。このとき塩素、ス
ズ、及びニオブのモル数の関係は、 Cl/(Sn+Nb)=1.20 0.60NSn+0.65NNb=0.60 1.80NSn+2.70NNb=1.85 である。
【0116】得られた5つの焼成物のエックス線回折分
析を行った結果、いずれもSnO2の(110)面及び
(101)面からの広がった回折ピークが検出されたこ
とから、非晶質構造に近いSnO2が生成していること
がわかった。また酸化ニオブの回折ピークが検出されな
かったことから、酸化ニオブは非晶質構造に近いSnO
2中に固溶していることがわかった。また蛍光エックス
線分析から、スズとニオブのモル数の関係はNb/(S
n+Nb)=0.05であり、仕込み組成からのズレは
なかった。
【0117】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表1に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0118】実施例10 テトラエトキシシラン(Si(0C25)4)16.7g
(0.08モル)の代わりに、塩化アルミニウム(Al
Cl3)1.07g(0.008モル)を用いること以
外は実施例4と同様に行なった。このとき塩素、スズの
モル数の関係は、Cl/Sn=1.30である。
【0119】得られた5つの焼成物のエックス線回折分
析を行った結果、いずれもSnO2の(110)面及び
(101)面からの広がった回折ピークが検出されたこ
とから、Alを含む非晶質構造に近いSnO2が生成し
ていることがわかった。また蛍光エックス線分析から、
スズとアルミニウムのモル数の関係はAl/(Sn+A
l)=0.09であり、仕込み組成からのズレはなかっ
た。
【0120】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表1に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0121】
【表1】
【0122】実施例11 テトラエトキシシラン(Si(0C25)4)16.7g
(0.08モル)の代わりに、テトラエトキシゲルマニ
ウム(Ge(0C25)4)2.02g(0.008モ
ル)を用い、メタノール量を2倍の77.0g(2.4
0モル)としたこと以外は実施例4と同様に行なった。
このとき塩素、スズのモル数の関係は、Cl/Sn=1
である。
【0123】得られた5つの焼成物のエックス線回折分
析を行った結果、いずれもSnOの(110)面及び
(101)面からの広がった回折ピークが検出されたこ
とから、Geを含む非晶質構造に近いSnOが生成し
ていることがわかった。また蛍光エックス線分析から、
スズとゲルマニウムのモル数の関係はGe/(Sn+G
e)=0.09であり、仕込み組成からのズレはなかっ
た。
【0124】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表2に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0125】実施例12 テトラエトキシシラン(Si(0C25)4)16.7g
(0.08モル)の代わりに、テトラブトキシチタン
(Ti(0C49)4)2.72g(0.008モル)を
用いること以外は実施例4と同様に行なった。このとき
塩素、スズのモル数の関係は、Cl/Sn=1である。
【0126】得られた5つの焼成物のエックス線回折分
析を行った結果、いずれもSnO2の(110)面及び
(101)面からの広がった回折ピークが検出されたこ
とから、Tiを含む非晶質構造に近いSnO2が生成し
ていることがわかった。また蛍光エックス線分析から、
スズとチタンのモル数の関係はTi/(Sn+Ti)=
0.09であり、仕込み組成からのズレはなかった。
【0127】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表2に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0128】実施例13 テトラエトキシシラン(Si(0C25)4)16.7g
(0.08モル)の代わりに、テトラブトキシジルコニ
ウム(Zr(0C49)4)3.07g(0.008モ
ル)を用いること以外は実施例4と同様に行なった。こ
のとき塩素、スズのモル数の関係は、Cl/Sn=1で
ある。
【0129】得られた5つの焼成物のエックス線回折分
析を行った結果、いずれもSnO2の(110)面及び
(101)面からの広がった回折ピークが検出されたこ
とから、Zrを含む非晶質構造に近いSnO2が生成し
ていることがわかった。また蛍光エックス線分析から、
スズとジルコニウムのモル数の関係はZr/(Sn+Z
r)=0.09であり、仕込み組成からのズレはなかっ
た。
【0130】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表2に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0131】実施例14 テトラエトキシシラン(Si(0C25)4)16.7g
(0.08モル)の代わりに、塩化マグネシウム(Mg
Cl2)0.76g(0.008モル)を用いること以
外は実施例4と同様に行なった。このとき塩素、スズの
モル数の関係は、Cl/Sn=1.20である。
【0132】得られた5つの焼成物のエックス線回折分
析を行った結果、いずれもSnO2の(110)面及び
(101)面からの広がった回折ピークが検出されたこ
とから、Mgを含む非晶質構造に近いSnO2が生成し
ていることがわかった。また蛍光エックス線分析から、
スズとマグネシウムのモル数の関係はMg/(Sn+M
g)=0.09であり、仕込み組成からのズレはなかっ
た。
【0133】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表2に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0134】実施例15 テトラエトキシシラン(Si(0C25)4)16.7g
(0.08モル)の代わりに、トリメトキシボロン(B
(0CH3)3)0.83g(0.008モル)を用いるこ
と以外は実施例4と同様に行なった。このとき塩素、ス
ズのモル数の関係は、Cl/Sn=1である。
【0135】得られた5つの焼成物のエックス線回折分
析を行った結果、いずれもSnO2の(110)面及び
(101)面からの広がった回折ピークが検出されたこ
とから、Bを含む非晶質構造に近いSnO2が生成して
いることがわかった。また蛍光エックス線分析から、ス
ズとほう素のモル数の関係はB/(Sn+B)=0.0
9であり、仕込み組成からのズレはなかった。
【0136】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表2に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0137】実施例16 テトラエトキシシラン(Si(0C25)4)の量を1.
67g(0.008モル)にすること以外は実施例4と
同様に行なった。このとき塩素、スズのモル数の関係
は、Cl/Sn=1である。
【0138】得られた5つの焼成物のエックス線回折分
析を行った結果、いずれもSnO2の(110)面及び
(101)面からの広がった回折ピークが検出されたこ
とから、Siを含む非晶質構造に近いSnO2が生成し
ていることがわかった。また蛍光エックス線分析から、
スズとケイ素のモル数の関係はSi/(Sn+Si)=
0.09であり、仕込み組成からのズレはなかった。
【0139】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表2に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0140】実施例17 メタノール40.5g(1.26モル)に、塩化第一ス
ズ(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属ス
ズ4.75g(0.04モル)、三塩化アンチモン(S
bCl3)0.96g(0.0042モル)をリフラッ
クスさせながら順次溶解させた後、さらにテトラエトキ
シシラン(Si(0C25)4)16.7g(0.08モ
ル)を添加し、均一で透明な前駆体溶液を調製した。こ
のとき塩素、スズ、及びアンチモンのモル数の関係は、 Cl/(Sn+Sb)=1.10 0.60NSn+0.65NSb=0.60 1.80NSn+2.70NSb=1.85 である。
【0141】上記前駆体溶液を濃縮し、乾燥粉末を得
た。この乾燥粉末を市販の電気炉を用いて、アルゴン中
で500℃、2時間、5バッチ焼成した。得られた5つ
の焼成物のエックス線回折分析を行った結果、いずれも
SnO2の(110)面及び(101)面からの広がっ
た回折ピークと、回折角2θ=20〜40°付近にハロ
ーが検出されたことから、非晶質構造に近いSnO2
別の非晶質構造の物質の複合体が生成しているものと考
えられる。また酸化アンチモンの回折ピークが検出され
なかったことから、酸化アンチモンは非晶質構造に近い
SnO2と別の非晶質構造の物質の複合体中に固溶して
いることがわかった。また蛍光エックス線分析から、ス
ズとアンチモン、及びスズとケイ素のモル数の関係は、
それぞれSb/(Sn+Sb)=0.05、Si/(S
n+Si)=0.50であり、仕込み組成からのズレは
なかった。
【0142】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表2に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0143】実施例18 メタノール38.5g(1.20モル)に、塩化第一ス
ズ(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属ス
ズ4.75g(0.04モル)をリフラックスさせなが
ら順次溶解させた後、テトラエトキシシラン(Si(0
25)4)16.7g(0.08モル)、及び平均分子
量200万のポリエチレンオキシド0.06gを添加
し、均一で透明な前駆体溶液を調製した。このとき塩
素、スズのモル数の関係は、Cl/Sn=1である。
【0144】上記前駆体溶液を濃縮し、乾燥粉末を得
た。この乾燥粉末を市販の電気炉を用いて、空気中で5
00℃、2時間、5バッチ焼成した。得られた5つの焼
成物のエックス線回折分析を行った結果、いずれもSn
2の(110)面及び(101)面からの広がった回
折ピークと、回折角2θ=20〜40°付近にハローが
検出されたことから、非晶質構造に近いSnO2と別の
非晶質構造の物質の複合体が生成しているものと考えら
れる。また蛍光エックス線分析から、スズとケイ素のモ
ル数の関係はSi/(Sn+Si)=0.50であり、
仕込み組成からのズレはなかった。
【0145】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表2に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0146】実施例19 メタノール384.5g(12.0モル)に、塩化第一
スズ(SnCl2)75.8g(0.4モル)、金属ス
ズ47.5g(0.4モル)をリフラックスさせながら
順次溶解させ、均一で透明な前駆体溶液を調製した。こ
のとき塩素、スズのモル数の関係は、Cl/Sn=1で
ある。
【0147】上記前駆体溶液を濃縮し、粘度33ポアズ
に調整し、紡糸液を得た。この紡糸液を多数の穴を有す
るノズルを用いて紡糸した。得られたゲル繊維を空気中
で500℃、2時間、5バッチ焼成した。得られた5つ
の繊維の平均直径は約29μmであり、この繊維のエッ
クス線回折分析を行った結果、いずれもSnO2の(1
10)面及び(101)面からの広がった回折ピークが
検出されたことから、非晶質構造に近いSnO2が生成
していることがわかった。
【0148】上記5つの繊維を用いて前記簡易型電池セ
ルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果を
表2に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非常
に高かった。
【0149】実施例20 メタノール403.7g(1.26モル)に、塩化第一
スズ(SnCl2)75.8g(0.4モル)、金属ス
ズ47.5g(0.4モル)、三塩化アンチモン(Sb
Cl3)9.58g(0.042モル)をリフラックス
させながら順次溶解させた後、さらにテトラエトキシシ
ラン(Si(0C25)4)16.7g(0.08モル)
を添加し、均一で透明な前駆体溶液を調製した。このと
き塩素、スズ、及びアンチモンのモル数の関係は、 Cl/(Sn+Sb)=1.10 0.60NSn+0.65NSb=0.60 1.80NSn+2.70NSb=1.85 である。
【0150】上記前駆体溶液を濃縮し、粘度30ポアズ
に調整し、紡糸液を得た。この紡糸液を多数の穴を有す
るノズルを用いて紡糸した。得られたゲル繊維をアルゴ
ン中で500℃、2時間、5バッチ焼成した。得られた
5つの繊維の平均直径は約33μmであり、この繊維の
エックス線回折分析を行った結果、いずれもSnO2
(110)面及び(101)面からの広がった回折ピー
クと、回折角2θ=20〜40°付近に弱いハローが検
出されたことから、非晶質構造に近いSnO2と別の非
晶質構造の物質の複合体が生成しているものと考えられ
る。また酸化アンチモンの回折ピークが検出されなかっ
たことから、酸化アンチモンは非晶質構造に近いSnO
2と別の非晶質構造の物質の複合体中に固溶しているこ
とがわかった。また蛍光エックス線分析から、スズとア
ンチモン、及びスズとケイ素のモル数の関係は、それぞ
れSb/(Sn+Sb)=0.05、Si/(Sn+S
i)=0.50あり、仕込み組成からのズレはなかっ
た。
【0151】上記5つの焼成物を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表2に示す。いずれの負極活物質も容量及び収率が非
常に高かった。
【0152】
【表2】
【0153】比較例1 市販の黒鉛を負極活物質として前記簡易型電池セルを5
つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果を表3に
示す。
【0154】上記黒鉛を負極活物質としたときの容量
は、本発明の酸化スズ系負極活物質と比較して、非常に
低いものであった。
【0155】比較例2 市販のSnO粉末を負極活物質として前記簡易型電池セ
ルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果を
表3に示す。
【0156】上記SnO粉末を負極活物質としたときの
容量は、本発明の酸化スズ系負極活物質と比較して、低
いものであった。
【0157】比較例3 市販のSnO2粉末を空気中で500℃、2時間、5バ
ッチ焼成した後、負極活物質として前記簡易型電池セル
を5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果を表
3に示す。
【0158】上記SnO2粉末を負極活物質としたとき
の容量は、本発明の酸化スズ系負極活物質と比較して、
低いものであった。
【0159】比較例4 水1リットルに塩化第一スズ(SnCl2)75.8g
(0.4モル)を加え、1時間撹拌した。このとき溶液
は白濁していた。その後、水酸化ナトリウムを徐々に加
え、水酸化スズの沈殿を生成させた。濾過して得られた
沈殿物を乾燥後、空気中、500℃、2時間、5バッチ
焼成した。
【0160】得られた粉末のエックス線回折分析を行っ
た結果、いずれもSnO2の(110)面及び(10
1)面からの弱い回折ピークが検出されたことから、非
晶質構造に近いSnO2が生成しているものと考えられ
る。また蛍光エックス線分析から、スズとナトリウムの
モル数の関係はNa/(Sn+Na)=0.04であっ
た。
【0161】得られた焼成物を負極活物質として前記簡
易型電池セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行っ
た。結果を表3に示す。
【0162】上記SnO2粉末を負極活物質としたとき
の容量は、本発明の酸化スズ系負極活物質と比較して、
低いものであった。
【0163】比較例5 市販の一酸化スズ(SnO)粉末10.8g(0.08
モル)と、二酸化ケイ素粉末(SiO2)4.81g
(0.08モル)を乳鉢にて5分間混合した。この混合
粉末をアルミナ製坩堝に入れ、アルゴン中、1000
℃、12時間、5バッチ焼成した。焼成後、一部が溶融
した痕跡があり、焼成物は坩堝に付着しており、そのま
までは焼成物を採取することが困難であった。よって収
率は、焼成物が坩堝に付着したままの状態の重量と坩堝
の重量の差から算出した。その後、金属製の薬さじで、
付着した焼成物を採取し、得られた焼成物を粉砕した。
【0164】得られた粉末のエックス線回折分析を行っ
た結果、いずれもSnO2の(110)面及び(10
1)面からの強い回折ピークと、Snの(200)面、
(101)面、(220)面、(211)面、(30
1)面、(112)面、(400)面、(321)面、
(420)面、(411)面などからの回折ピーク、及
び回折角2θ=20〜40°付近に弱いハローが検出さ
れたことから、結晶質構造のSnO2、スズ、及び非晶
質構造のSiO2の混合物が生成しているものと考えら
れる。また蛍光エックス線分析から、スズとケイ素のモ
ル数の関係はSi/(Sn+Si)=0.55であり、
仕込み組成とずれていた。
【0165】上記焼成後の粉末を用いて前記簡易型電池
セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行った。結果
を表3に示す。
【0166】上記焼成後の粉末を負極活物質としたとき
の容量は、本発明の酸化スズ系負極活物質と比較して、
低いものであった。また収率も低かった。
【0167】比較例6 水1リットルに塩化第一スズ(SnCl2)75.8g
(0.4モル)を加え、撹拌した。このとき溶液は白濁
していた。その後、テトラエトキシシラン(Si(0C2
5)4)83.3g(0.4モル)を添加し、撹拌し
た。テトラエトキシシランを添加した直後、溶液は2相
に分離しており、その後撹拌するにしたがって沈殿物が
生成し、その量が増加した。24時間撹拌した後、水酸
化ナトリウムを徐々に加え、さらに沈殿物を生成させ
た。濾過して得られた沈殿物を乾燥後、空気中、500
℃、2時間、5バッチ焼成した。
【0168】得られた粉末のエックス線回折分析を行っ
た結果、いずれもSnO2の(110)面及び(10
1)面からの弱い回折ピークと、回折角2θ=20〜4
0°付近に弱いハローが検出されたことから、非晶質構
造に近いSnO2と非晶質構造のSiO2が生成している
ものと考えられる。また蛍光エックス線分析から、スズ
とナトリウム、及びスズとケイ素のモル数の関係は、そ
れぞれNa/(Sn+Na)=0.02、Si/(Sn
+Si)=0.50であった。
【0169】得られた焼成物を負極活物質として前記簡
易型電池セルを5つ作製し、充放電サイクル試験を行っ
た。結果を表3に示す。
【0170】上記焼成物を負極活物質としたときの容量
は、本発明の酸化スズ系負極活物質と比較して、非常に
低いものであった。
【0171】
【表3】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコールにアルコール可溶性スズ化合
    物及び/又は金属スズを溶解して前駆体溶液を調製した
    後、濃縮し、次いで焼成することを特徴とする酸化スズ
    系非水電解液二次電池用負極活物質の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルコールにアルコール可溶性スズ化合
    物及び/又は金属スズ、並びにアルコール可溶性周期表
    第5族元素化合物及び/又はアルコール可溶性周期表第
    15族元素化合物を溶解して前駆体溶液を調製した後、
    濃縮し、次いで焼成することを特徴とする酸化スズ系非
    水電解液二次電池用負極活物質の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルコールにアルコール可溶性スズ化合
    物及び/又は金属スズ、並びにアルコール可溶性ケイ素
    化合物、アルコール可溶性アルミニウム化合物、アルコ
    ール可溶性ゲルマニウム化合物、アルコール可溶性チタ
    ン化合物、アルコール可溶性ジルコニウム化合物、アル
    コール可溶性マグネシウム化合物、およびアルコール可
    溶性ほう素化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1
    種のアルコール可溶性金属化合物を溶解して前駆体溶液
    を調製した後、濃縮し、次いで焼成することを特徴とす
    る酸化スズ系非水電解液二次電池用負極活物質の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 アルコールにアルコール可溶性スズ化合
    物及び/又は金属スズ、アルコール可溶性周期表第5族
    元素化合物及び/又はアルコール可溶性周期表第15族
    元素化合物、並びにアルコール可溶性ケイ素化合物、ア
    ルコール可溶性アルミニウム化合物、アルコール可溶性
    ゲルマニウム化合物、アルコール可溶性チタン化合物、
    アルコール可溶性ジルコニウム化合物、アルコール可溶
    性マグネシウム化合物、およびアルコール可溶性ほう素
    化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種のアルコ
    ール可溶性金属化合物を溶解して前駆体溶液を調製した
    後、濃縮し、次いで焼成することを特徴とする酸化スズ
    系非水電解液二次電池用負極活物質の製造方法。
  5. 【請求項5】 前駆体溶液がさらにアルコール可溶性高
    分子化合物を溶解していることを特徴とする請求項1〜
    4記載の酸化スズ系非水電解液二次電池用負極活物質の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の製造方法によって得られ
    た酸化スズ系非水電解液二次電池用負極活物質。
JP8244947A 1996-09-17 1996-09-17 酸化スズ系非水電解液二次電池用負極活物質の製造方法 Withdrawn JPH1092425A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6270923B1 (en) * 1998-04-03 2001-08-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2011192478A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Tdk Corp 活物質粒子、電極、リチウムイオン二次電池、及び、活物質粒子の製造方法

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