JPH1088689A - 吸音フィルムを部分的に貼り合わせた吸音構造体 - Google Patents
吸音フィルムを部分的に貼り合わせた吸音構造体Info
- Publication number
- JPH1088689A JPH1088689A JP8262328A JP26232896A JPH1088689A JP H1088689 A JPH1088689 A JP H1088689A JP 8262328 A JP8262328 A JP 8262328A JP 26232896 A JP26232896 A JP 26232896A JP H1088689 A JPH1088689 A JP H1088689A
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- JP
- Japan
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- sound absorbing
- absorbing film
- sound
- metal plate
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- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた吸音性能を示す薄い吸音構造体を提供
する。 【解決手段】 多数の開口部をもつ金属板（パンチング
メタル１）の片面又は両面に吸音性フィルム２が積層さ
れており、吸音性フィルム２は無張力状態で金属板に部
分的に接着されている。吸音性フィルム２を貼り付けた
金属板を溝型鋼等の枠構造体４と組み合わせ、金属板と
枠構造体との間に背面空気層５を設けることにより、吸
音周波数が制御される。
する。 【解決手段】 多数の開口部をもつ金属板（パンチング
メタル１）の片面又は両面に吸音性フィルム２が積層さ
れており、吸音性フィルム２は無張力状態で金属板に部
分的に接着されている。吸音性フィルム２を貼り付けた
金属板を溝型鋼等の枠構造体４と組み合わせ、金属板と
枠構造体との間に背面空気層５を設けることにより、吸
音周波数が制御される。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維質吸音材を必要と
しない吸音フィルムを部分的に貼り合わせた吸音構造体
に関する。
しない吸音フィルムを部分的に貼り合わせた吸音構造体
に関する。
【０００２】
【従来の技術】住宅，ビル等の防音壁は、吸音材として
ロックウール，ガラスウール等の繊維質材料を使用して
構築されている。繊維質材料で騒音を吸収するとき、２
ｋＨｚ以上の高周波領域の騒音は比較的薄い繊維層でも
吸収できる。しかし、２ｋＨｚ以下の低周波領域の騒音
に対しては、繊維層を厚くしないと必要とする吸音効果
が得られない。そこで、吸音性をもつ薄い材料としてフ
ィルムの使用が検討されている。この場合、フィルムの
共鳴振動によって吸音することから、フィルムが単独で
使用されることは少なく、繊維質材料の仕上げを兼ねて
ロックウール，ガラスウール等の吸音繊維層の表面を覆
う形態で使用されている。
ロックウール，ガラスウール等の繊維質材料を使用して
構築されている。繊維質材料で騒音を吸収するとき、２
ｋＨｚ以上の高周波領域の騒音は比較的薄い繊維層でも
吸収できる。しかし、２ｋＨｚ以下の低周波領域の騒音
に対しては、繊維層を厚くしないと必要とする吸音効果
が得られない。そこで、吸音性をもつ薄い材料としてフ
ィルムの使用が検討されている。この場合、フィルムの
共鳴振動によって吸音することから、フィルムが単独で
使用されることは少なく、繊維質材料の仕上げを兼ねて
ロックウール，ガラスウール等の吸音繊維層の表面を覆
う形態で使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】繊維層の表面に吸音フ
ィルムを貼り付ける工法では、手数がかかり、作業コス
トも高くなる。また、繊維層への貼付け次第では、吸音
フィルムが初期の性能を発揮しないこともある。更に
は、繊維層を薄くすることにも限界があり、結果として
防音壁が厚くなり易い。本発明は、このような問題を解
消すべく案出されたものであり、吸音フィルムを無張力
状態で有孔板に部分的に貼り付けることにより、厚い繊
維質吸音材を使用することなく、優れた吸音性能を呈す
る吸音構造体を提供することを目的とする。
ィルムを貼り付ける工法では、手数がかかり、作業コス
トも高くなる。また、繊維層への貼付け次第では、吸音
フィルムが初期の性能を発揮しないこともある。更に
は、繊維層を薄くすることにも限界があり、結果として
防音壁が厚くなり易い。本発明は、このような問題を解
消すべく案出されたものであり、吸音フィルムを無張力
状態で有孔板に部分的に貼り付けることにより、厚い繊
維質吸音材を使用することなく、優れた吸音性能を呈す
る吸音構造体を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明の吸音構造体は、
その目的を達成するため、多数の開口部をもつ金属板の
片面又は両面に吸音性フィルムが積層されており、吸音
性フィルムは無張力状態で金属板に部分的に接着されて
いることを特徴とする。金属板としては、パンチングメ
タル，メッシュ，エキスパンドメタル，シュートスリッ
トメタル等が使用される。吸音性フィルムは、材質が特
に制約されるものではないが、たとえばポリエチレン，
ポリプロピレン，ポリエステル，セロファン，ナイロ
ン，ポリスチレン，ポリ塩化ビニル，ポリ塩化ビニリデ
ン，ポリウレタン，フッ素樹脂，ポリアクリロニトリル
等の樹脂フィルムが挙げられる。吸音性フィルムは、薄
すぎると取扱いが困難となり、厚すぎると吸音性が低下
することから、２０〜３００μｍの厚みをもつことが好
ましい。吸音性フィルムを貼り付けた金属板を溝型鋼等
の枠構造体と組み合わせ、金属板と枠構造体との間に背
面空気層を設けるとき、吸音周波数が制御される。
その目的を達成するため、多数の開口部をもつ金属板の
片面又は両面に吸音性フィルムが積層されており、吸音
性フィルムは無張力状態で金属板に部分的に接着されて
いることを特徴とする。金属板としては、パンチングメ
タル，メッシュ，エキスパンドメタル，シュートスリッ
トメタル等が使用される。吸音性フィルムは、材質が特
に制約されるものではないが、たとえばポリエチレン，
ポリプロピレン，ポリエステル，セロファン，ナイロ
ン，ポリスチレン，ポリ塩化ビニル，ポリ塩化ビニリデ
ン，ポリウレタン，フッ素樹脂，ポリアクリロニトリル
等の樹脂フィルムが挙げられる。吸音性フィルムは、薄
すぎると取扱いが困難となり、厚すぎると吸音性が低下
することから、２０〜３００μｍの厚みをもつことが好
ましい。吸音性フィルムを貼り付けた金属板を溝型鋼等
の枠構造体と組み合わせ、金属板と枠構造体との間に背
面空気層を設けるとき、吸音周波数が制御される。
【０００５】
【実施の形態】多数の開口部をもつ金属板に吸音性フィ
ルムを無張力状態で貼り付けるため、金属板と吸音性フ
ィルムとを部分的に接着する方法が採用される。以下の
説明では、金属板としてパンチングメタルを例にとって
説明する。パンチングメタル１には、図１に示すように
多数の孔が形成されている。このパンチングメタル１
に、吸音性フィルム２を接着剤３で部分的に貼り付け
る。図１では吸音性フィルム２をパンチングメタル１の
片面に積層しているが、図２に示すようにパンチングメ
タル１の両面に吸音性フィルム２を積層しても良い。接
着剤３は、図３に示すように吸音性フィルム２に部分的
に塗布される。
ルムを無張力状態で貼り付けるため、金属板と吸音性フ
ィルムとを部分的に接着する方法が採用される。以下の
説明では、金属板としてパンチングメタルを例にとって
説明する。パンチングメタル１には、図１に示すように
多数の孔が形成されている。このパンチングメタル１
に、吸音性フィルム２を接着剤３で部分的に貼り付け
る。図１では吸音性フィルム２をパンチングメタル１の
片面に積層しているが、図２に示すようにパンチングメ
タル１の両面に吸音性フィルム２を積層しても良い。接
着剤３は、図３に示すように吸音性フィルム２に部分的
に塗布される。
【０００６】接着剤３が部分的に塗布された吸音性フィ
ルム２は、無張力状態でパンチングメタル１に貼り付け
られる。吸音性フィルムは、フィルム自体が音のエネル
ギーに共鳴することにより吸音作用を呈することから、
フィルムが振動するように無張力状態でパンチングメタ
ル１に貼り付けられる。吸音性フィルム２が積層された
パンチングメタル１を図４に示すように溝型鋼等の枠構
造体４と組み合わせるとき、パンチングメタル１と枠構
造体４との間に背面空気層５が形成される。背面空気層
５の大きさに応じて、吸音周波数が制御される。そのた
め、吸音材が薄い場合でも、２ｋＨｚ以下の低周波領域
の騒音も効率よく吸収される。
ルム２は、無張力状態でパンチングメタル１に貼り付け
られる。吸音性フィルムは、フィルム自体が音のエネル
ギーに共鳴することにより吸音作用を呈することから、
フィルムが振動するように無張力状態でパンチングメタ
ル１に貼り付けられる。吸音性フィルム２が積層された
パンチングメタル１を図４に示すように溝型鋼等の枠構
造体４と組み合わせるとき、パンチングメタル１と枠構
造体４との間に背面空気層５が形成される。背面空気層
５の大きさに応じて、吸音周波数が制御される。そのた
め、吸音材が薄い場合でも、２ｋＨｚ以下の低周波領域
の騒音も効率よく吸収される。
【０００７】
【実施例】パンチングメタル１として、口径８ｍｍの孔
を１０ｍｍのピッチで開けた板厚０．６ｍｍのステンレ
ス鋼板を用意した。パンチングメタル１に、ラテックス
系の接着剤３を用いて膜厚５０μｍのポリエチレンフィ
ルムを吸音フィルム２として積層した。このとき、接着
面積を２０％程度にとり、吸音フィルム２を部分的にパ
ンチングメタル１に貼り合わせた。積層された吸音材の
吸音性能を調査するため、Ｂ＆Ｋ社製の４２０６型２マ
イクロフォン測定管と２０３２型ＦＦＴ分析器を使用し
て垂直入射吸音率を測定した。測定結果を、図５に示
す。なお、図５では、同じパンチングメタル１を比較例
１とし、同じパンチングメタル１の全面に張力を張って
同じ吸音フィルム２を接着したものを比較例２として対
比させている。
を１０ｍｍのピッチで開けた板厚０．６ｍｍのステンレ
ス鋼板を用意した。パンチングメタル１に、ラテックス
系の接着剤３を用いて膜厚５０μｍのポリエチレンフィ
ルムを吸音フィルム２として積層した。このとき、接着
面積を２０％程度にとり、吸音フィルム２を部分的にパ
ンチングメタル１に貼り合わせた。積層された吸音材の
吸音性能を調査するため、Ｂ＆Ｋ社製の４２０６型２マ
イクロフォン測定管と２０３２型ＦＦＴ分析器を使用し
て垂直入射吸音率を測定した。測定結果を、図５に示
す。なお、図５では、同じパンチングメタル１を比較例
１とし、同じパンチングメタル１の全面に張力を張って
同じ吸音フィルム２を接着したものを比較例２として対
比させている。
【０００８】図５から明らかなように、パンチングメタ
ル単体では大きな吸音性能が期待できない（比較例１）
が、無張力状態で吸音性フィルムを部分的に貼り合わせ
ることにより高い吸音率が得られている。しかし、張力
を張ってパンチングメタルの全面に吸音性フィルムを貼
り合わせる（比較例２）と、吸音率が大幅に低下してい
る。また、形状が異なる枠構造体４の使用により背面空
気層５の厚みを変更したものについて、同様に垂直入射
吸音率を測定した。測定結果を背面空気層５の厚みで整
理したところ、図６に示すように背面空気層５の厚みに
よってピーク吸音周波数を制御できた。
ル単体では大きな吸音性能が期待できない（比較例１）
が、無張力状態で吸音性フィルムを部分的に貼り合わせ
ることにより高い吸音率が得られている。しかし、張力
を張ってパンチングメタルの全面に吸音性フィルムを貼
り合わせる（比較例２）と、吸音率が大幅に低下してい
る。また、形状が異なる枠構造体４の使用により背面空
気層５の厚みを変更したものについて、同様に垂直入射
吸音率を測定した。測定結果を背面空気層５の厚みで整
理したところ、図６に示すように背面空気層５の厚みに
よってピーク吸音周波数を制御できた。
【０００９】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の吸音構
造体は、パンチングメタル等の多数の開口部をもつ金属
板に無張力状態で吸音性フィルムを部分的に接着するこ
とにより、ロックウール，ガラスウール等の繊維質吸音
材を必要とせず、優れた吸音性能を呈する吸音構造体が
得られる。また、枠構造体と組み合わせて吸音構造体の
背面に空気層を形成すると、背面空気層の厚みにより吸
音周波数を制御できる。このようにして、本発明による
とき、遮断しようとする騒音に対応した吸音構造体が提
供される。
造体は、パンチングメタル等の多数の開口部をもつ金属
板に無張力状態で吸音性フィルムを部分的に接着するこ
とにより、ロックウール，ガラスウール等の繊維質吸音
材を必要とせず、優れた吸音性能を呈する吸音構造体が
得られる。また、枠構造体と組み合わせて吸音構造体の
背面に空気層を形成すると、背面空気層の厚みにより吸
音周波数を制御できる。このようにして、本発明による
とき、遮断しようとする騒音に対応した吸音構造体が提
供される。
【図１】 パンチングメタルの片面に吸音性フィルムを
積層した吸音構造体
積層した吸音構造体
【図２】 パンチングメタルの両面に吸音性フィルムを
積層した吸音構造体
積層した吸音構造体
【図３】 パンチングメタルに部分的に接着するため、
接着剤を部分的に塗布した吸音性フィルム
接着剤を部分的に塗布した吸音性フィルム
【図４】 枠構造体と組み合わせて背面空気層を形成し
た吸音構造体
た吸音構造体
【図５】 パンチングメタルの吸音性及び吸音性フィル
ムの張力が吸音性能に及ぼす影響
ムの張力が吸音性能に及ぼす影響
【図６】 吸音性能に及ぼす背面空気層の影響
１：パンチングメタル ２：吸音性フィルム ３：
接着剤 ４：枠構造体 ５：背面空気層
接着剤 ４：枠構造体 ５：背面空気層
フロントページの続き (72)発明者 輿石 謙二 千葉県市川市高谷新町７番１号 日新製鋼 株式会社技術研究所内
Claims (2)
- 【請求項１】 多数の開口部をもつ金属板の片面又は両
面に吸音性フィルムが積層されており、吸音性フィルム
は無張力状態で金属板に部分的に接着されている吸音フ
ィルムを使用した吸音構造体。 - 【請求項２】 金属板が枠構造体と組み合わせ、金属板
と枠構造体との間に背面空気層を設けた請求項１記載の
吸音構造体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8262328A JPH1088689A (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 吸音フィルムを部分的に貼り合わせた吸音構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8262328A JPH1088689A (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 吸音フィルムを部分的に貼り合わせた吸音構造体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1088689A true JPH1088689A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17374252
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8262328A Withdrawn JPH1088689A (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 吸音フィルムを部分的に貼り合わせた吸音構造体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1088689A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006123505A1 (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-23 | Kyowa Sangyo Co., Ltd. | 車両用サンバイザ |
| US8371419B2 (en) | 2008-04-22 | 2013-02-12 | 3M Innovative Properties Company | Hybrid sound absorbing sheet |
| US8469145B2 (en) | 2008-04-14 | 2013-06-25 | 3M Innovative Properties Company | Multilayer sound absorbing sheet |
| US8573358B2 (en) | 2008-05-22 | 2013-11-05 | 3M Innovative Properties Company | Multilayer sound absorbing structure comprising mesh layer |
| CN103696501A (zh) * | 2014-01-06 | 2014-04-02 | 北京灵众博通科技有限公司 | 内外隔音彩钢板 |
| WO2020116399A1 (ja) * | 2018-12-04 | 2020-06-11 | マクセルホールディングス株式会社 | 防音材の吸音特性の制御方法 |
-
1996
- 1996-09-12 JP JP8262328A patent/JPH1088689A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006123505A1 (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-23 | Kyowa Sangyo Co., Ltd. | 車両用サンバイザ |
| US8469145B2 (en) | 2008-04-14 | 2013-06-25 | 3M Innovative Properties Company | Multilayer sound absorbing sheet |
| US8371419B2 (en) | 2008-04-22 | 2013-02-12 | 3M Innovative Properties Company | Hybrid sound absorbing sheet |
| US8573358B2 (en) | 2008-05-22 | 2013-11-05 | 3M Innovative Properties Company | Multilayer sound absorbing structure comprising mesh layer |
| CN103696501A (zh) * | 2014-01-06 | 2014-04-02 | 北京灵众博通科技有限公司 | 内外隔音彩钢板 |
| WO2020116399A1 (ja) * | 2018-12-04 | 2020-06-11 | マクセルホールディングス株式会社 | 防音材の吸音特性の制御方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031202 |