JPH1087982A - 制音・制振性に優れる芳香族ポリカーボネート成形品 - Google Patents

制音・制振性に優れる芳香族ポリカーボネート成形品

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JPH1087982A
JPH1087982A JP26035996A JP26035996A JPH1087982A JP H1087982 A JPH1087982 A JP H1087982A JP 26035996 A JP26035996 A JP 26035996A JP 26035996 A JP26035996 A JP 26035996A JP H1087982 A JPH1087982 A JP H1087982A
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aromatic polycarbonate
carbonate
noise
bis
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JP26035996A
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Shinichi Yamaguchi
真一 山口
Akihiro Saito
明宏 斉藤
Chisato Suganuma
千里 菅沼
Hiromi Ishida
博巳 石田
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
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GE Plastics Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 制音・制振性に優れる芳香族ポリカーボネー
ト組成物よりなる成形品を提供すること。 【構成】 A)芳香族ポリカーボネート 10〜95W
t%と、B)液晶ポリエステル 5〜90Wt%と、任
意により(A)/(B)100重量部に対してC)摺動
性改質剤 0.5〜50重量部と、を用いた制音・制振
性に優れる芳香族ポリカーボネート組成物よりなる成形
品である。このような成形品は、事務機器、コンピュー
タ周辺機器類に適用する歯車として利用することができ

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制音性制振性に優れ
た芳香族ポリカーボネート組成物による成形品に関する
ものであり、さらに詳しくは優れた機械特性、耐熱特性
を損なうことなく溶融流動性、剛性を向上しつつ、金属
や他樹脂と接触した際の制音性・制振性に優れた芳香族
ポリカーボネートを用いた制音材及び制音歯車(ギヤ)
等の成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種事務機、通信機器、コンピュ
ータ周辺装置等における駆動歯車には、金属製のものが
多く用いられてきた。しかし、かかる分野における要求
特性は次第に高度化しつつあり、金属製歯車は金属特有
のノイズが発生し耳ざわりであると共に金属自体の重量
も重く軽量化が望まれている。
【0003】金属歯車に代わる合成樹脂組成物製歯車の
素材としてポリカーボネートやポリエステル樹脂等があ
る。
【0004】しかし、前者は剛性及び流動性に、後者は
強度に不安があり、また液晶ポリエステルは溶融流動
性、剛性、制音性制振性に優れるものの異方性が極めて
大きいため、寸法精度が悪く実用化が困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記課題
に鑑み、制音性・制振性に優れた成形品用素材を得るべ
く鋭意検討した。その結果、芳香族ポリカーボネートを
主体とし、これに液晶ポリエステルを配合した組成物は
機械特性、耐熱特性、溶融流動性、剛性のバランスに優
れかつ制音性制振性にも優れることを見出し本発明に至
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は(A)芳香族ポ
リカーボネート 10〜95Wt%と、(B)液晶ポリ
エステル 5〜90Wt%と、及び任意により(A)/
(B)100重量部に対し(C)摺動性改質剤 0.5
〜50重量部と、を含む組成物を用いた制音材および又
は制音性・制振性に優れた成形品によって解決される。
【0007】以下、順次本発明の樹脂材料の構成成分に
ついて詳しく説明する。
【0008】本発明において使用される(A)ポリカー
ボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート
前駆体とを反応させて得られる芳香族ホモーまたはコ-ポ
リカーボネートである。また、ポリカーボネートは分岐
していてもよい。そのような分岐ポリカーボネートは、
多官能性芳香族化合物を芳香族ジヒドロキシ化合物およ
びカーボネート前駆体と反応させることにより得られ
る。
【0009】分岐ポリカーボネートを製造するために使
用する多官能性芳香族化合物の代表例は、米国特許明細
書第3,028,385号、第3,334,154号、第4,001,124号およ
び第4,131,576号に挙げられている。
【0010】カーボネート系樹脂は一般に、次式(化
1):
【0011】
【化1】(−O−A−O−C(=O)−) (上記式中、Aは芳香族ジヒドロキシ化合物の2価の残
基である)で示される繰り返し構造単位を有するものと
して特徴づけられる。
【0012】使用される芳香族ジヒドロキシ化合物は、
官能基としてヒドロキシ基を2個含有し、そのそれぞれ
が芳香核の炭素原子に直接接合している、単核もしくは
多核の芳香族化合物を使用することができる。例とし
て、次式(化2):
【0013】
【化2】 (ここで、RaおよびRbはそれぞれ独立して、ハロゲン
原子または一価の炭化水素基であり、Xは−C(Rc
−)C(−Rd)−、−C(=Re)−、−O−、−S
−、−SO−または−SO2−であり、RcおよびRdは
それぞれ独立して水素原子または一価の炭化水素基であ
り、Reは2価の炭化水素基であり、nおよびn’はそ
れぞれ独立して0〜4の整数であり、dは0または1で
ある)で示される化合物が挙げられる。
【0014】具体的には、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(いわ
ゆるビスフェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オク
タン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1-メチルフェニル)プロパ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロ
パン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プ
ロパン、2,2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)
プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類;1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタ
ン、1,1-(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の
ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4'-
ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシ-
3,3'-ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシア
リールエーテル類;4,4'-ジヒドロキシジフェニルスル
フィド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフェニルス
ルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'-ジヒ
ドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどの
ジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4'-ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-
ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリ
ールスルホン類等を挙げることができるが、これらに限
定されない。これらの中で、特に2,2-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)プロパンが好ましく用いられる。上記以外
の芳香族ジヒドロキシ化合物として、以下の式(化
3):
【0015】
【化3】 (ここで、Rfは夫々独立して、炭素数1〜10個の炭
化水素基もしくはそのハロゲン化合物またはハロゲン原
子であり、mは0〜4の整数である)
【0016】で示される化合物を使用することができ
る。このような化合物としては、例えばレゾルシン、お
よび3-メチルレゾルシン、3-エチルレゾルシン、3-プロ
ピルレゾルシン、3-ブチルレゾルシン、3-t-ブチルレ
ゾルシン、3-フェニルレゾルシン、3-クミルレゾルシ
ン、2,3,4,6-テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6-テト
ラブロモレゾルシン等の置換レゾルシン;カテコール;
ヒドロキノン、及び3-メチルヒドロキノン、3-エチルヒ
ドロキノン、3-プロピルヒドロキノン、3-ブチルヒドロ
キノン、3-t-ブチルヒドロキノン、3-フェニルヒドロ
キノン、3-クミルヒドロキノン、2,3,5,6-テトラメチル
ヒドロキノン、2,3,5,6-テトラ−t−ブチルヒドロキノ
ン、2,3,5,6-テトラフルオロヒドロキノン、2,3,5,6-テ
トラブロモヒドロキノンなどの置換ヒドロキノン等、及
び、次式(化4):
【0017】
【化4】 で表される2,2,2',2'-テトラヒドロ-3,3,3',3'-テトラ
メチル-1,1'-スピロビ−(1H−インデン)-7,7'-ジオ
ール等を用いることもできる。
【0018】これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単
独で用いてもよく、また、二種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0019】ポリカーボネートの製造には、公知の製造
方法が使用でき、例えば芳香族ジヒドロキシ化合物と
カーボネート前駆体(例えば炭酸ジエステル)とを溶融
状態でエステル交換反応させて、ポリカーボネートを合
成する方法;溶液中で芳香族ジヒドロキシ化合物とカ
ーボネート前駆体(例えばホスゲン)とを反応させる方
法(特に界面法)などが挙げられる。
【0020】これらの製造法については、例えば特開平
2−175723号公報、特開平2-124934号公報、米国特許第
4,001,184号明細書、同第4,238,569号明細書、同第4,23
8,597号明細書、同第4,474,999号明細書等に記載されて
いる。の方法において使用される炭酸ジエステルとし
ては、例えばジフェニルカーボネート、ジトリルカーボ
ネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−ク
レジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス
(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、
ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシク
ロヘキシルカーボネート等が挙げられ、また好ましい触
媒としては、例えば本出願人が特開平4-175368号公報に
おいて提案した化合物を用いることができる。
【0021】の方法において使用されるカーボネート
前駆体としては、例えばハロゲン化カルボニル、ジアリ
ールカーボネート、ビスハロホルメートが挙げられ、い
ずれを使用してもよい。ハロゲン化カルボニルとして
は、例えば臭化カルボニル、塩化カルボニル(いわゆる
ホスゲン)およびこれらの混合物が挙げられる。アリー
ルカーボネートとしては、例えばジフェニルカーボネー
ト、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、
ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカ
ーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニ
ル)カーボネートなどが挙げられる。また、ビスハロホ
ルメートとしては、例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジク
ロロフェニル)プロパン、ヒドロキノンなどの芳香族ジ
ヒドロキシ化合物のビスクロロホルメートもしくはビス
ブロモホルメート;エチレングリコールなどのグリコー
ル類のビスクロロホルメートもしくはビスブロモホルメ
ート等が挙げられる。上記のカーボネート前駆体は、い
ずれも有用であるが、塩化カルボニル(すなわちホスゲ
ン)が好ましい。
【0022】芳香族ポリカーボネートの配合量は10〜
97Wt%、好ましくは20〜90Wt%、更に好まし
くは30〜80Wt%、更に好ましくは40〜70Wt
%で配合量が97Wt%を超えると制音性制振性が悪く
なり、10Wt%以下だと機械特性が低下するので好ま
しくない。
【0023】次に本発明で用いられる(B)成分の液晶
ポリエステルの具体例としては、 特公昭56-18016号公報及び特開昭64-26632号公報に開
示されたパラヒドロキシ安息香酸残基単位とエチレンテ
レフタレート単位とからなる共重合ポリエステル。 特開昭54-77691号公報に開示された6-ヒドロキシ-2-ナ
フトエ酸残基単位とパラヒドロキシ安息香酸残基単位とか
らなる共重合ポリエステル。 特公昭47-47870号公報に開示されたパラヒドロキシ安
息香酸残基単位とテレフタル酸残基単位及び2価フェノール残
基単位からなる共重合ポリエステル。 特開昭53-65421号公報に開示されたフェニルハイドロ
キノン残基単位とテレフタル酸残基単位とからなる共重
合ポリエステル。 米国特許第4600765号明細書に開示されたフェニルハ
イドロキノン残基単位とスタイロハイドロキノン残基単
位とからなる共重合ポリエステル。 等が挙げられる。
【0024】具体的には、一般に市販されているアモコ
パフォーマンスプロダクツ社製のZyder(商標)、
住友化学(株)製のEkonol E,Ekonol S1000,Ekonol S20
0,Ekonol S300(商標)、ポリプラスチックス(株)製
のVectra(商標)、ユニチカ(株)製のRodrun L
C-3000,Rodrun LC-5000(商標)、出光石油化学(株)製
の出光LCP(商標)、三菱化成(株)製のNovaccurate
(商標)等が上げられる。
【0025】液晶ポリエステルの配合量は、3〜90W
t%で、好ましくは5〜80Wt%更に好ましくは10
〜70Wt%、更に好ましくは35〜60Wt%で、配
合量が3Wt%以下だと制音性制振性が不十分であり、
また90Wt%を超えると寸法精度が著しく低下しソリ
などを生じると言う問題があった。またポリカーボネー
トとの相溶性が悪化しデラミ現象が激しくなり、成形品
表面に真珠光沢模様が現れ成形品外観が悪くなるのでよ
り好ましくはこの範囲である。
【0026】次に、本発明で用いられる成分(C)の摺動
性改質剤は摺動性を更に向上させるものであり、具体的
にはフッ素樹脂であり、例えば、テトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、ビニルフルオライ
ド、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレ
ン、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどのフッ素
含有モノマーの単独または共重合体;前記フッ素含有モ
ノマーと、エチレン、プロピレン、アクリレートなどの
共重合性モノマーとの共重合体が含まれる。フッ素樹脂
の具体例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデン
フルオライドなどの単独重合体;テトラフルオロエチレ
ン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオ
ロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピ
レンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、
エチレンーテトラフルオロエチレン共重合体、エチレンー
クロロトリフルオロエチレン共重合体などの共重合体が
例示できる。
【0027】これらのフッ素樹脂は一種又は二種以上混
合して使用できる。これらのフッ素樹脂の中で、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい、なお、フッ素
樹脂は、慣用の方法、例えば、米国特許2,393,967号明
細書に記載の乳化重合法などのにより得ることができ
る。
【0028】前記フッ素樹脂が、粉状、例えば、平均粒
子径1〜5000μm、好ましくは2〜1000μm、
さらに好ましくは3〜500μm、さらに好ましくは4
〜100μm程度の粉粒体として使用する場合が多い。
【0029】また、粉粒状フッ素樹脂の見掛け密度は、
例えば、0.1〜0.9g/cm3、好ましくは0.15〜
0.8g/cm3、さらに好ましくは0.20〜0.7g/c
m3、更に好ましくは0.25〜0.65g/cm3程度であ
り、フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンである場
合、比重2.13〜2.26g/cm3程度、融点は320
〜330℃程度である。
【0030】一般に市販されているポリテトラフルオロ
エチレンとしては,例えば、ダイキン(株)社製LUBR
ON L−5(商標),旭アイシーアイフロロポリマー
ズ(株)製フルオンL169J(商標)等が上げられ
る。
【0031】配合量は(A)/(B)の合計100重量
部に対し0.5〜50重量部、好ましくは1〜40重量
部、さらに好ましくは2〜30重量部、さらに好ましく
は3〜20重量部で配合量が50重量部を超えると機械
的強度の低下などを生じるため好ましくない。
【0032】また、本発明の制音性制振性芳香族ポリカ
ーボネートは、その目的に応じ前記成分の他に、制音性
制振性に効果のある室温付近にガラス転移点Tgを持つ
ゴム状物質を併用してもよい。例えば、東レデュポン
(株)製Hytrel4057(商標)、クラレ(株)社製Hybrar V
S-1,Hybrar VS-3,Hybrar HVS-3(いずれも商標)等を挙
げることができる。
【0033】また、熱可塑性樹脂を補助的に少量併用す
ることも可能である。ここで用いられる他の熱可塑性樹
脂としては、高温において安定な樹脂であれば、何れの
ものでも良い。例えば、ポリエステル、ポリオレフィ
ン、アクリル系重合体、ポリアミド、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセター
ル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルホン、ポリエー
テルイミド、ポリエーテルケトン、フッ素樹脂やポリス
チレン、スチレンーアクリロニトリル共重合体、ABS等の
スチレン系樹脂を挙げることができる。またこれらの熱
可塑性樹脂は一種又は二種以上混合して使用することが
できる。
【0034】また、十分な機械強度を確保するために無
機充填剤としてガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン
繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア
繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン
酸カリ繊維等の無機質繊維状物質を使用することができ
る。これらの繊維状充填剤は収束剤又は表面処理剤で処
理されていてもよい。かかる収束剤は、例えばウレタン
系やエポキシ系、表面処理剤としては、例えば、シラン
系化合物、例えばアミノシラン系やエポキシシラン系、
エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、チタネー
ト系化合物等の官能性化合物である。
【0035】また、タルク、マイカ、クレー、ウォラス
トナイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ミルドグラ
ス、ガラスバルーン、重質または軽質の炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニ
ウム、ケイソウ土、カオリン等の無機質無定型物質を使
用することができる。これらの無機質無定型物質は表面
処理剤で処理されていてもよい。かかる表面処理剤とし
ては、例えば、シラン系化合物たとえばアミノシラン系
やエポキシシラン系、エポキシ系化合物、イソシアネー
ト系化合物、チタネート系化合物等の官能性化合物であ
る。
【0036】さらに本発明の主旨を阻害しない範囲で種
々の添加剤を添加してもよい。例えば、一般に熱可塑性
樹脂および熱硬化性樹脂に添加される公知の物質、即ち
酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤や顔
料等の着色剤、潤滑剤、抗菌剤、防かび剤、難燃剤等、
難燃剤としてはトリフェニレンホスフェート、各種ポリ
ホスフェート(レゾルシノールポリホスフェート、BP
Aポリホスフェートなど)等の燐酸エステル系やハロゲ
ン系、例えばブロム化スチレン、ブロム化BPA、ブロ
ム化BPAポリカーボネート、及び同オリゴマー等や難
燃助剤、例えば三酸化アンチモン、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。
【0037】本発明の制音性制振性芳香族ポリカーボネ
ートの調製は、従来の樹脂組成物調製法として一般に用
いられる設備と方法により容易に調製される。例えば、 1)各成分を混合した後、一軸又は二軸の押出機により溶
融押出してペレットを調製し、しかる後調製する方法、 2)一旦組成の異なるペレットを調製し、そのペレットを
所定量混合して成形に供し成形後に目的の成形品を得る
方法、 3)成形機に各成分の1または2以上を直接仕込む方法等
の方法があるが、これらの方法に限定されるものではな
い。
【0038】
【実施の形態】以下実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0039】実施例1〜3 (A)成分として芳香族ポリカーボネート(日本ジーイ
ープラスチックス(株)製,LEXAN145(商標))、
(B)成分として液晶ポリエステル(ユニチカ(株)
製,ロッドランLC-5000(商標))、(C)成分としてポ
リテトラフルオロエチレン(ダイキン(株)製,LUBRON
L-5(商標))、を表1に示す成分割合にてヘンシェル
ミキサーで混合したのち、日本製鋼所(株)製TEX30
HSST-40BW-3V型ベント付き二軸押出機を用い
てシリンダー設定温度250〜285℃で溶融混練して
押し出しペレット化し、このペレットを東洋機械金属
(株)製PLASTER Ti-80G2型射出成形機を用
いて、成形温度260〜310℃、金型温度60〜10
0℃で射出成形した成形品について以下の要領で物性測
定を行った。
【0040】・制音制振特性 FFTアナライザーSA-74.マスキャンセルアンプ XG-81
B.加振機 G21-005Dの試験機で、ASTM1号試験片を用い、
中央加振による機械インピーダンス法により損失係数を
測定した。測定結果は、表1に示す通りである。
【0041】
【表1】
【0042】・曲げ弾性率(FM) ASTM D790の方法に準じ、1/4インチ試験片を用いて試験
した。
【0043】・流動特性 ASTM D1238の方法に準じ、測定温度300℃、荷重1.
2kgにて試験した。
【0044】比較例1〜2 比較のために表1に示すように、(A)成分のPCと(C)成
分PTFEのみの場合(比較例1)、比較例1にLCP2
%を配合した場合(比較例2)について、上記実施例と同
様にして評価した。結果を表1に示す。表1の結果から
明らかなように芳香族ポリカーボネートに液晶ポリエス
テルを配合することにより極めて制音制振特性,流動
性、耐熱性および剛性の良好な芳香族ポリカーボネート
を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明による芳香族ポリ
カーボネートを使用した成形品は、従来技術における欠
点を解消し、制音・制振特性、溶融流動性、耐熱性、剛
性に優れ、各種制音材及び制音ギヤに好適である。した
がって、各種事務機器やコンピュータ周辺機器等に適用
することにより、使用雰囲気の清粛性や作業環境の改善
を図ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 博巳 東京都中央区日本橋浜町2丁目35番4号 日本ジーイープラスチックス株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート 10〜
    97Wt%と、 (B)液晶ポリエステル 5〜90Wt%と、 とを含む組成物からなる制音性および/又は制振性に優
    れた成形品。
  2. 【請求項2】 (A)および(B)の合計100重量部
    に対し(C)摺動性改質剤を0.5〜50重量部配合し
    た組成物より成る制音性および/又は制振性に優れた成
    形品。
  3. 【請求項3】 前記摺動性改質剤がフッ素樹脂である請
    求項2に記載の成形品。
  4. 【請求項4】 前記フッ素樹脂が粉状ポリテトラフルオ
    ロエチレンである請求項3記載の成形品。
  5. 【請求項5】 前記成形品が歯車である請求項1ないし
    4のいずれかに記載の成形品。
JP26035996A 1996-09-09 1996-09-09 制音・制振性に優れる芳香族ポリカーボネート成形品 Pending JPH1087982A (ja)

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