JPH1087644A - 高純度シクロヘキセンオキサイドの製造法 - Google Patents

高純度シクロヘキセンオキサイドの製造法

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JPH1087644A
JPH1087644A JP23924896A JP23924896A JPH1087644A JP H1087644 A JPH1087644 A JP H1087644A JP 23924896 A JP23924896 A JP 23924896A JP 23924896 A JP23924896 A JP 23924896A JP H1087644 A JPH1087644 A JP H1087644A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シクロヘキセンを原料としてシクロヘキセン
オキサイドを製造する方法において、臭気の原因物質で
あるCPAL及びCPCAの副生を可及的に防止し、高
純度シクロヘキセンオキサイドを収率良く工業的に有利
に製造することができる高純度シクロヘキセンオキサイ
ドの製造法を提供する。 【解決手段】 シクロヘキセンに次亜塩素酸塩水溶液及
び酸を作用させて2−クロロシクロヘキサノールを生成
せしめる第1反応工程と、この第1反応工程で得られた
2−クロロシクロヘキサノールにアルカリを作用させて
シクロヘキセンオキサイドを生成せしめる第2反応工程
とを含むシクロヘキセンオキサイドの製造法において、
上記第1反応工程の反応を、その反応系の水素イオン濃
度を7≦pH≦9の範囲内に維持しながら反応温度30
〜70℃の条件で行う高純度シクロヘキセンオキサイド
の製造法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロヘキセンを
原料としてシクロヘキセンオキサイドを製造する方法に
係り、特にシクロペンタンカルボアルデヒド(以下「C
PAL」と略す)及びシクロペンタンカルボン酸(以下
「CPCA」と略す)等の不純物の少ない高純度シクロ
ヘキセンオキサイドの製造法に関する。本発明により得
られるシクロヘキセンオキサイドは、溶剤等の添加剤、
医・農薬の中間体、ポリマー原料の中間体等の用途に利
用できる有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】純度の高いシクロヘキセンオキサイドを
製造する方法として、シクロヘキセンに塩酸及び過酸化
水素を作用させ、生成した2−クロロシクロヘキサノー
ルに苛性ソーダを作用させ、得られたシクロヘキセンオ
キサイドを蒸留により精製し、純度99重量%(ガスク
ロマトグラフィー分析)のシクロヘキセンオキサイドを
得る方法が知られている(例えば、特開昭46−226
1号公報)。
【0003】この方法は、シクロヘキセンを原料にして
容易に99重量%を超える純度のシクロヘキセンオキサ
イドを製造できる点で優れているが、得られたシクロヘ
キセンオキサイドには不純物による臭気(特に不純物に
関する記載はない)の問題があり、この点で必ずしも満
足できる製造法であるとは言えない。
【0004】そこで、本発明者らは、この製品のシクロ
ヘキセンオキサイドが有する臭気の原因物質について鋭
意検討した結果、この臭気の直接的な原因物質はシクロ
ヘキセンからシクロヘキセンオキサイド(沸点:130
℃)を製造する製造過程で副生し、蒸留では容易に分離
除去することが困難であって、シクロヘキセンオキサイ
ド中に不純物として微量含まれるCPCAであり、ま
た、この臭気の間接的な原因物質はシクロヘキセンオキ
サイドの製造過程で副生し、蒸留では分離除去が困難で
あってシクロヘキセンオキサイド中に不純物として含ま
れ、空気との接触により酸化されてCPCAを生成する
CPAL(沸点:136℃)であることを突き止めた。
【0005】そして、臭気の少ないシクロヘキセンオキ
サイドの製品を得る方法として、このシクロヘキセンオ
キサイド中に不純物として含まれ、酸化されて臭気の直
接的原因物質のCPCAに変わるCPALが空気酸化さ
れるのを防止するため、フェノール系、硫黄系、リン系
及びヒンダードアミン系の酸化防止剤を添加する方法を
提案した(特願平8−186155号明細書)。
【0006】この酸化防止剤を添加する方法によれば、
CPALが空気酸化されてCPCAになることを防止
し、これによって結果的に製品のシクロヘキセンオキサ
イド中に含まれて臭気の直接的な原因物質になるCPC
Aの含有量を低減せしめ、臭気の発生を防止することが
できるという利点はあるが、この方法は臭気の原因物質
(直接的原因物質と間接的原因物質を含めて)そのもの
の副生を低減させるものではなく、しかも、酸化防止剤
を添加するためにそれだけ純度が低下し、高純度化が要
求される用途には不向きであるという問題がある。
【0007】また、臭気の原因物質を分離除去する方法
として、CPAL及びCPCAを含むシクロヘキセンオ
キサイドにヒドロキシルアミンを作用させ、処理液を蒸
留精製することにより、例えばCPAL含有量12pp
m及びCPCA含有量5ppm未満であって純度が9
9.8%(ガスクロマトグラフィー分析)という不純物
含有量の少ない高純度シクロヘキセンオキサイドを得る
方法を提案した(特願平8−186154号明細書)。
【0008】この方法はシクロヘキセンオキサイドに含
まれる臭気の原因物質であるCPAL及びCPCAを可
及的に除去して高純度のシクロヘキセンオキサイドが得
られるという点で優れているが、この方法はシクロヘキ
センオキサイド中の不純物、特に臭気の原因物質を分離
除去する精製蒸留法であり、反応混合物中から単離され
たシクロヘキセンオキサイドを再度精製するために付加
的にヒドロキシルアミン処理及び精製蒸留の工程を必要
とし、工業的な製造においては不可避的に設備の増加や
作業工程の増加をもたらし、製造コストが嵩んで経済的
でないという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる観点の下に、本
発明者らは更に研究を進め、シクロヘキセンを原料とし
てシクロヘキセンオキサイドを製造する製造工程で臭気
の原因物質となる不純物のCPCAやCPALの副生を
可及的に防止し、これによって上述した従来技術のよう
な臭気の問題がないだけでなく、先に提案した酸化防止
剤添加方法や精製蒸留法におけるような問題もなく、高
純度シクロヘキセンオキサイドを工業的に有利に製造す
ることができる方法について検討した。
【0010】そこで、先ず始めに、シクロヘキセンに次
亜塩素酸ナトリウム水溶液及び硫酸を水素イオン濃度2
<pH<7及び反応温度30〜70℃の条件下で作用さ
せて2−クロロシクロヘキサノールを製造し(特開平7
−196567号公報)、次いで得られた2−クロロシ
クロヘキサノールにアルカリを作用させてシクロヘキセ
ンオキサイドを製造したところ、消費したシクロヘキセ
ンに対する収率が78.3重量%でシクロヘキセンオキ
サイドが得られ、これを蒸留精製して得られた純度9
9.3%(ガスクロマトグラフィー)のシクロヘキセン
オキサイドはそのCPAL濃度が3200ppmであっ
てCPCA濃度が600ppmであり、この時点での臭
気はかなり改善されていた。しかしながら、このシクロ
ヘキセンオキサイドはそのCPAL濃度が3200pp
mと高く、空気と接触するとCPCA濃度が上昇して臭
気が悪化した。
【0011】そこで、更に検討を進めた結果、意外なこ
とには、シクロヘキセンに次亜塩素酸ナトリウム水溶液
及び硫酸を水素イオン濃度7≦pH≦9の条件下で作用
させて得られた2−クロロシクロヘキサノールを用いて
シクロヘキセンオキサイドを製造した場合、得られたシ
クロヘキセンオキサイド中の臭気の直接的な原因物質C
PCAだけでなく、間接的な原因物質CPALも含めて
その副生を合計で1000ppm以下になるまで大幅に
低減することができ、これによって臭気の発生を可及的
に抑制した高純度のシクロヘキセンオキサイドを工業的
に有利に製造できることを見い出した。
【0012】従って、本発明の目的は、シクロヘキセン
を原料としてシクロヘキセンオキサイドを製造する方法
において、臭気の原因物質であるCPAL及びCPCA
の副生を可及的に防止し、高純度シクロヘキセンオキサ
イドを収率良く工業的に有利に製造することができる高
純度シクロヘキセンオキサイドの製造法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、シ
クロヘキセンに次亜塩素酸塩水溶液及び酸を作用させて
2−クロロシクロヘキサノールを生成せしめる第1反応
工程と、この第1反応工程で得られた2−クロロシクロ
ヘキサノールにアルカリを作用させてシクロヘキセンオ
キサイドを生成せしめる第2反応工程とを含むシクロヘ
キセンオキサイドの製造法において、上記第1反応工程
の反応を、その反応系の水素イオン濃度を7≦pH≦9
の範囲内に維持しながら反応温度30〜70℃の条件で
行い、これによってCPAL及びCPCA等の不純物の
副生を可及的に抑制することができる高純度シクロヘキ
センオキサイドの製造法である。
【0014】本発明方法において、その第1反応工程で
用いられる原料のシクロヘキセンとしては、特に限定さ
れるものではなく、種々の方法で製造されたもの、例え
ばシクロヘキサノールを脱水したもの、クロロシクロヘ
キサンを脱塩化水素したもの、ベンゼンを部分水添した
もの等を挙げることができる。また、このシクロヘキセ
ンにはその製造に由来する原料や副生物が含まれていて
も差し支えなく、このような原料や副生物としては、例
えばシクロヘキサノール、クロロシクロヘキサン、ベン
ゼン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチル
シクロペンテン等が挙げられ、また、その含有量も数重
量%から等量、場合によってはシクロヘキセンに対して
数倍量存在してもそのまま用いることもできる。これら
の原料や副生物は、第1反応工程あるいは第2反応工程
の反応終了後の後処理工程で容易に分離除去することが
できる。
【0015】本発明方法で用いる次亜塩素酸塩水溶液と
しては特に限定されるものではないが通常は次亜塩素酸
ナトリウム水溶液が用いられ、この次亜塩素酸ナトリウ
ム水溶液としては、一般に、苛性ソーダー水溶液に塩素
ガスを導入して製造したものや、塩化ナトリウム水溶液
を電解して製造したもの等を挙げることができる。ま
た、本発明における次亜塩素酸ナトリウム水溶液中の次
亜塩素酸ナトリウム濃度は、通常2〜40重量%、好ま
しくは5〜30重量%である。この次亜塩素酸ナトリウ
ム濃度が低すぎると、生成する2−クロロシクロヘキサ
ノールの濃度が低くなり生産効率が低下し、反対に、こ
の次亜塩素酸ナトリウム濃度が高すぎると、1,2−ジ
クロロシクロヘキサン及び2,2’−ジクロロシクロヘ
キシルエーテル等の副生物が増加して目的の2−クロロ
シクロヘキサノールの収率が低下して好ましくない。
【0016】次亜塩素酸塩を中和してクロロヒドリン化
のためのフリーの次亜塩素酸を生成させるための酸とし
ては、硫酸、リン酸、硝酸等の強酸を挙げることがで
き、好ましくは硫酸であって、塩酸の使用は好ましくな
い。塩酸を用いて次亜塩素酸ナトリウムを中和し、シク
ロヘキセンのクロロヒドリン化を行うと、生成するフリ
ーの次亜塩素酸濃度が低下し、反応終了後の反応混合物
中の2−クロロシクロヘキサノールの濃度が低くなって
生産効率が低下するだけでなく、1,2−ジクロロシク
ロヘキサンや2,2’−ジクロロシクロヘキシルエーテ
ル等の副生物が増加し、2−クロロシクロヘキサノール
の収率が低下して好ましくない。
【0017】本発明において、酸は通常水溶液として使
用されるが、その酸水溶液における酸濃度については、
例えば酸水溶液が硫酸水溶液である場合、通常3〜70
重量%、好ましくは5〜60重量%である。この酸濃度
が低すぎると、生成する2−クロロシクロヘキサノール
の濃度が低くなり生産効率が低下し、反対に、この酸濃
度が高すぎると、1,2−ジクロロシクロヘキサンや
2,2’−ジクロロシクロヘキシルエーテル等の副生物
が増加し、2−クロロシクロヘキサノールの収率が低下
して好ましくない。
【0018】本発明方法において、その第1反応工程は
その反応系の水素イオン濃度pHを7≦pH≦9に維持
することが必要である。この水素イオン濃度がpH7未
満になると、最終的に得られるシクロヘキセンオキサイ
ド中の不純物の含有量が増加し、臭気の原因物質CPA
L及びCPCAの含有量を目標とする1000ppm以
下、好ましくは800ppm以下に抑制するのが難しく
なり、反対に、この水素イオン濃度がpH9を超える
と、反応性が著しく低下して好ましくない。2−クロロ
シクロヘキサノールの収率を高めるという観点からは、
反応系の水素イオン濃度を2<pH<7の範囲、特に3
<pH<6の範囲に制御するのが望ましいが、最終的に
得られるシクロヘキセンオキサイド中の臭気の原因物質
CPAL及びCPCAの含有量を可及的に低減するとい
う観点からは、多少の収率を犠牲にしても、反応液の水
素イオン濃度を7≦pH≦9に維持する必要があり、更
にCPAL及びCPCAの含有量を可及的に低減し、か
つ、2−クロロシクロヘキサノールの収率を可及的に高
めるという観点から、好ましくは水素イオン濃度pHが
弱アルカリ性側、すなわち7<pH≦8の範囲であるの
が望ましい。
【0019】また、この第1反応工程では、その反応温
度を30〜70℃、好ましくは35〜60℃に保持す
る。この反応温度は30℃以下になっても反応性及び収
率に影響を与えないが、反応系の冷却のために必要とす
る費用が増加し、また、反応温度が70℃を越えると、
1,2−ジクロロシクロヘキサンや2,2’−ジクロロ
シクロヘキシルエーテル等の副生物が増加して2−クロ
ロシクロヘキサノールの収率が低下するほか、最終的に
得られるシクロヘキセンオキサイド中の臭気原因物質C
PAL及びCPCAの含有量が増加する。
【0020】ところで、第1反応工程でのシクロヘキセ
ンと次亜塩素酸ナトリウム及び酸との反応は十分に速
く、例えば10℃あるいはそれ以下の温度でも特に長時
間をかける必要はなく、逆に反応温度を高くして反応速
度を速くしようとすると、副生物が増加して2−クロロ
シクロヘキサノールの収率が低下したり、シクロヘキセ
ンの蒸気圧が高くなって反応の制御が難しくなるという
問題が生じ、そして、この第1反応工程での反応には蒸
発が伴うので、周囲温度あるいはそれ以下の温度に冷却
するには冷却のための装置や冷媒に多大の費用を要す
る。しかしながら、本発明方法においては、反応系の水
素イオン濃度pHを7≦pH≦9に維持しているので、
特に冷却しなくても、あるいはごく僅かな冷却でも、周
囲温度あるいはそれ以上ではあるが極端には高くない温
度で収率をあまり低下させずに2−クロロシクロヘキサ
ノールを得ることができる。
【0021】本発明の第1反応工程は、反応系の水素イ
オン濃度が7≦pH≦9の範囲に維持されれば、反応器
中に全ての原料を同時に仕込んで反応させてもよく、ま
た、各反応原料を適宜分散させて反応器中に添加しても
よい。例えば、回分反応で行う場合、先ず反応器に所定
量のシクロヘキセンを仕込んだ後、反応混合物の水素イ
オン濃度が7≦pH≦9の範囲になるように制御しなが
ら、所定量の次亜塩素酸ナトリウム水溶液と硫酸とを同
時に添加する方法や、反応器に所定量のシクロヘキセン
と次亜塩素酸ナトリウム水溶液とを予め仕込んだ後、反
応混合物の水素イオン濃度が7≦pH≦9の範囲になる
ように制御しながら、硫酸を添加する方法等が例示され
る。
【0022】また、この第1反応工程での反応時間は、
仕込み量、反応温度等によって異なるが、通常は10分
から100時間で必要な原料を逐次添加した後、1分か
ら10時間、更に反応を行えば良い。反応の進行は30
℃程度の温度でも十分早く、特に長時間かける必要はな
い。
【0023】第1反応工程での反応を連続的に行うこと
は望ましい形態の1つである。すなわち、シクロヘキセ
ン、次亜塩素酸塩水溶液及び酸を同時に反応器に連続的
に供給し、かつ、2−クロロシクロヘキサノールを含む
反応混合物を反応器から連続的に抜き出す。反応器から
反応混合物を抜き出す方法としては反応器の上部からオ
ーバーフロー方式で行ってもよいほか、反応器の下部又
は側面に取り付けた抜き出し口から一定速度で行うよう
にしてもよい。この連続反応の場合における反応時間、
すなわち滞留時間についても、反応温度等によって異な
るが、通常は1分から10時間の範囲でよい。
【0024】更に、第1反応工程において、その反応は
シクロヘキセンからなる油相と次亜塩素酸塩水溶液及び
酸からなる水相との界面で行われるので、この反応を効
率良くかつ円滑に進めるためには両者が良好な接触状態
で共存するエマルジョン状態で行うのがよく、そのため
には良好な混合状態下で反応させるのがよいほか、必要
により反応に関与しない界面活性剤を添加してもよい。
【0025】次に、本発明の第2反応工程は、第1反応
工程で生成した2−クロロシクロヘキサノールにアルカ
リを作用させてシクロヘキサンオキサイドを生成せしめ
る工程である。そして、この第2反応工程では、第1反
応工程の反応混合物をそのまま用いてもよいほか、この
反応混合物を油水分離して2−クロロシクロヘキサノー
ルを含む油相を回収し、この回収された反応混合物の油
相をそのまま原料として用いてもよく、更に、反応混合
物の油相から2−クロロシクロヘキサノールを分離し、
この2−クロロシクロヘキサノールを精製し、あるい
は、精製することなく原料として用いてもよい。
【0026】また、この第2反応工程で用いられるアリ
カリは、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、
炭酸塩等が好ましく、具体的には例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシ
ウム等が挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上
の混合物として用いることができる。このアルカリの添
加方法については、特に制限はないが、通常は水溶液や
懸濁液の形態で反応に用いられ、その使用量についても
特に制限はないが、通常は第1反応工程で用いられる次
亜塩素酸塩に対して0.9倍モル当量以上である。添加
するアルカリ量がこれより少ないと、未反応の2−クロ
ロシクロヘキサノールが増加して収率が低下する。
【0027】第2反応工程の2−クロロシクロヘキサノ
ールとアルカリの反応も、上記第1反応工程のシクロヘ
キセンと次亜塩素酸塩及び酸との反応と同様に十分速
く、例えば10℃あるいはそれ以下の温度でも特に長時
間をかける必要はなく、例えば第1反応工程で得られた
反応混合物の油相をそのまま用いる場合には、特に加温
冷却の必要がないほか、必要により僅かに冷却してもよ
く、この反応温度が30℃より低くなってもその反応性
や収率にほとんど影響を与えない。従って、反応温度は
通常30〜70℃、好ましくは35〜60℃に保持する
のがよく、この反応温度を30℃より低くすることは無
用な冷却のための費用が増加することになり、反対に、
反応温度が70℃を越えると、副反応として生成物のシ
クロヘキセンオキサイドが2次的に水と反応して1,2
−シクロヘキサンジオールを生成する等の問題が生じ、
副生物が増加してシクロヘキセンオキサイドの収率が低
下する。
【0028】この第2反応工程の反応も、上記第1反応
工程の反応と同様に、水相及び油相の界面で進行するの
で、この反応を効率良くかつ円滑に進めるためには両者
が良好な接触状態で共存するエマルジョン状態で行うの
がよく、そのためには良好な混合状態下で反応させるの
がよいほか、必要により反応に関与しない界面活性剤を
添加してもよい。
【0029】反応時間は、反応温度や攪拌条件等の反応
条件によって異なるが、1分から10時間の間でよい。
しかしながら、必要以上に長時間の反応時間をとると、
生成物であるシクロヘキセンオキサイドが2次的に水と
反応して1,2−シクロヘキサンジオールを生成する等
の副生物の問題が生じるので好ましくない。
【0030】本発明において、上記第2反応工程で得ら
れた反応混合物から目的物のシクロヘキセンオキサイド
を回収する方法については特に制限されないが、通常は
次のような方法で行われる。
【0031】すなわち、先ず始めに、第2反応工程で得
られた反応混合物を油水分離し、シクロヘキセンオキサ
イドを含有する反応混合物の油相を回収する。この反応
混合物の油相の回収は、反応混合物をそのまま遠心分離
し、あるいは静置して水相と油相とに相分離させて油水
分離し、水相については更に有機溶剤を用いて有機成分
を抽出し、水相中のシクロヘキセン及びシクロヘキセン
オキサイドを含む有機成分を回収する。この目的で用い
られる有機溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環族炭化
水素、芳香族炭化水素、及びこれらのハロゲン化物等が
挙げられ、これらは単独で若しくは併用して用いられ
る。特に好ましい有機溶剤としては、原料であるシクロ
ヘキセンを用いることであり、これによってシクロヘキ
センオキサイドの精製、未反応シクロヘキセンの回収、
抽出溶剤の回収等の手間を軽減することができる。
【0032】次に、このようにして回収された反応混合
物の油相は蒸留に付され、目的物のシクロヘキセンオキ
サイドが分離回収される。この蒸留は回分式であっても
連続式であってもよく、また、この蒸留で回収された目
的物以外の未反応シクロヘキセンや有機溶剤等は通常再
利用される。
【0033】本発明においては、シクロヘキセンに次亜
塩素酸塩水溶液及び酸を作用させる第1反応工程の反応
系を水素イオン濃度7≦pH≦9の範囲に維持してクロ
ロヒドリン化反応を行い、2−クロロシクロヘキサノー
ルの合成を行っている。ここで、水素イオン濃度は、反
応系での次亜塩素酸イオンの存在形態を支配する因子で
あると考えられ、例えばEncyclophedia of Chemical Te
chnology, 3rd Ed.,Vol. 8, pp.680, John Wiley & So
ns, Inc. 1979によれば、次亜塩素酸イオンはpHによ
ってその存在形態が変化し、pHの酸性側からアルカリ
性側に向かって順次、塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸イ
オンと変化する。
【0034】ところで、シクロヘキセンに次亜塩素酸ナ
トリウム水溶液及び硫酸を作用させて2−クロロシクロ
ヘキサノールを製造する方法(特開平7−196567
号公報)において、その反応系の水素イオン濃度を2<
pH<7、好ましくは3<pH<6に保持すると、2−
クロロシクロヘキサノールが収率良く得られる。従っ
て、この反応系の水素イオン濃度と2−クロロシクロヘ
キサノールの収率との相関関係から、このクロロヒドリ
ン化反応における反応種は塩素や次亜塩素酸イオンでは
なくて次亜塩素酸であろうことが推測され、また、シク
ロヘキセンに塩素を作用させると、1,2−ジクロロシ
クロヘキサンが生成することも知られている。
【0035】これらのことから、上記第1反応工程の反
応系の水素イオン濃度を本発明の範囲7≦pH≦9に維
持することは、シクロヘキセンのクロロヒドリン化反応
における反応種である次亜塩素酸の濃度を制限すること
になり、このことはクロロヒドリン化反応の反応条件を
より穏やかな条件にすることになり、このことが結果と
して不純物を生成する副反応を抑制し、最終的に得られ
るシクロヘキセンオキサイド中の不純物、特に臭気の原
因物質であるCPAL及びCPCA、あるいはその前駆
体の生成を抑制し、これらCPAL及びCPCAの含有
量を減少せしめるものと考えられる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例に基づい
て、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0037】実施例1 次亜塩素酸ナトリウムに対して1.3倍モルのシクロヘ
キセンを用い、また、反応液の水素イオン濃度が7≦p
H≦9になるように硫酸を用いて、反応温度50℃及び
滞留時間3時間の条件でクロロヒドリン化連続反応を実
施し(第1反応工程)、生成した2−クロロシクロヘキ
サノールを含む反応混合物を反応装置から抜き出し、次
いで、この反応混合物に出発原料のシクロヘキセンに対
して1.2倍モルの苛性ソーダを仕込み、反応温度50
℃でエポキシ化バッチ反応を行い(第2反応工程)、得
られた反応混合物を油水分離し、その反応混合物の油相
を蒸留して目的のシクロヘキセンオキサイドを得た。
【0038】〔クロロヒドリン化反応装置〕1000m
lの5口フラスコにメカニカル・スターラー、温度計及
びpHメーターをセットした。原料供給用の滴下ロート
3つに、それぞれ、シリコーン・ゴムチューブを取り付
け、チューブ・ポンプを通してフラスコへチューブの先
端を導入した。一方、反応液抜き出しのために、シリコ
ーン・ゴムチューブをフラスコから、チューブ・ポンプ
を通して、1000mlメスシリンダーへ導入した。
【0039】〔エポキシ化反応装置〕1000mlの5
口フラスコにメカニカル・スターラー及び温度計をセッ
トした。原料供給用の滴下ロート1つにシリコーン・ゴ
ムチューブを取り付け、チューブ・ポンプを介してフラ
スコ内へチューブの先端を導入した。 〔精製蒸留装置〕ステンレス製螺旋状充填物を充填した
蒸留塔(内径10mm×高さ150mm)を備えた真空
(常圧〜減圧)蒸留装置を用いた。
【0040】〔クロロヒドリン化仕込み反応液〕仕込み
用として次亜塩素酸ナトリウム3モルを使用して別途調
製した反応液を油相と水相とに分離し、それぞれをガス
クロマトグラフィーで分析した。次亜塩素酸ナトリウム
0.5モル相当の油相73.0g中の組成はシクロヘキ
セン8.52g及び2−クロロシクロヘキサノール5
1.0gであり、同水相433g中の組成は2−クロロ
シクロヘキサノール2.63gであった。全2−クロロ
シクロヘキサノールは53.6gであった。
【0041】〔クロロヒドリン化連続反応〕上記0.5
00モル相当の油相・水相の反応液を十分に攪拌しなが
らシクロヘキセン、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び硫
酸を同時に滴下し、この反応成分を滴下しながら反応液
を抜き出して連続反応を15時間実施した。滴下速度
は、シクロヘキセン54.5g/3h(純度98%、
0.650モル/3h)、次亜塩素酸ナトリウム水溶液
282g/3h(濃度13.2重量%、0.500モル
/3h)であり、硫酸(20重量%)については反応混
合物の水素イオン濃度が7≦pH≦9になるようにコン
トロールし、また、反応液抜き出し速度は反応液量が一
定となるようにした。反応温度は油浴でフラスコを温
め、約50℃にコントロールした。硫酸の全使用量は6
42g(1.31モル)であった。
【0042】3時間毎の反応液と反応終了後のフラスコ
内反応液とを油相と水相とに分離し、それぞれをガスク
ロマトグラフィーで分析した。全反応液油相468g中
の組成はシクロヘキセン80.6g及び2−クロロシク
ロヘキサノール261gであり、全反応液水相2355
g中の組成は2−クロロシクロヘキサノール9.8gで
あった。全2−クロロシクロヘキサノールは271gで
あった。
【0043】連続反応部分の生成物は、全反応液組成か
ら仕込み反応液組成を引くことにより、シクロヘキセン
72.1g(0.878モル)と2−クロロシクロヘキ
サノール217g(1.61モル)とになる。従って、
連続部分で使用したシクロヘキセン272g(3.25
モル)を基準にすると、連続部分の平均反応成績はシク
ロヘキセン転化率が73%であって、2−クロロシクロ
ヘキサノール選択率が68%であった。
【0044】〔エポキシ化バッチ反応〕全反応液油相4
68g(2−クロロシクロヘキサノール261g、1.
94モル)及び全反応液水相2355g(2−クロロシ
クロヘキサノール9.8g、0.07モル)に苛性ソー
ダ水溶液780g(20.0重量%、3.90モル)を
約50℃で1時間かけて添加した。全反応液油相389
g中の組成はシクロヘキセン80.1g及びシクロヘキ
センオキサイド182g(1.86モル)であって、全
反応液水相3195g中の組成はシクロヘキセンオキサ
イド12.8g(0.13モル)であった。全シクロヘ
キセンオキサイドは195g(1.99モル)であっ
た。2−クロロシクロヘキサノールの転化率は100%
であり、シクロヘキセンオキサイドの選択率は99%で
あった。
【0045】〔エポキシ化反応油相の蒸留〕上記全反応
液油相389gを精製蒸留装置に仕込み、常圧で25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を開始した。塔頂温
度60〜82℃でシクロヘキセンと水の共沸混合物8
5.0gが得られた。また、圧力80mmHgで25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を再開し、塔頂温度
40〜60℃でシクロヘキセンオキサイドの初留5.5
gを得、次いで塔頂温度64〜65℃でシクロヘキセン
オキサイド173g(蒸留収率95%)を得た。得られ
たシクロヘキセンオキサイドのCPAL含有量は500
ppmであってCPCAの含有量は100ppmであ
り、純度は99.6%であった。
【0046】比較例1 次亜塩素酸ナトリウムに対して1.3倍モルのシクロヘ
キセンを用い、また、反応液の水素イオン濃度が6<p
H<7になるように硫酸を用いて、反応温度50℃及び
滞留時間1時間の条件でクロロヒドリン化連続反応を実
施し、生成した2−クロロシクロヘキサノールを含む反
応混合物を反応装置から抜き出し、次いで、この反応混
合物に出発原料のシクロヘキセンに対して1.2倍モル
の苛性ソーダを仕込み、反応温度50℃でエポキシ化バ
ッチ反応を行い、得られた反応混合物を油水分離し、そ
の反応混合物の油相を回収し蒸留してシクロヘキセンオ
キサイドを得た。
【0047】〔反応・蒸留装置〕実施例1と同じものを
用いた。 〔クロロヒドリン化仕込み反応液〕実施例1と同じもの
を用いた。
【0048】〔クロロヒドリン化連続反応〕上記0.5
00モル相当の油相・水相の反応液を十分に攪拌しなが
らシクロヘキセン、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び硫
酸を同時に滴下し、この反応成分を滴下しながら反応液
を抜き出して連続反応を15時間実施した。滴下速度
は、シクロヘキセン54.5g/3h(純度98%、
0.650モル/3h)、次亜塩素酸ナトリウム水溶液
282g/h(濃度13.2重量%、0.500モル/
h)であり、硫酸(20重量%)については反応混合物
の水素イオン濃度が6<pH<7になるようにコントロ
ールし、また、反応液抜き出し速度は反応液量が一定と
なるようにした。反応温度は油浴でフラスコを温め、約
50℃にコントロールした。硫酸の全使用量は686g
(1.40モル)であった。
【0049】3時間毎の反応液と反応終了後のフラスコ
内反応液とを油相と水相とに分離し、それぞれをガスク
ロマトグラフィーで分析した。全反応液油相470g中
の組成はシクロヘキセン57.5g及び2−クロロシク
ロヘキサノール323gであり、全反応液水相2395
g中の組成は2−クロロシクロヘキサノール10.2g
であった。全2−クロロシクロヘキサノールは333g
であった。
【0050】連続反応部分の生成物は、全反応液組成か
ら仕込み反応液組成を引くことにより、シクロヘキセン
49.0g(0.598モル)と2−クロロシクロヘキ
サノール269g(2.00モル)とになる。従って、
連続部分で使用したシクロヘキセン272g(3.25
モル)を基準にすると、連続部分の平均反応成績はシク
ロヘキセン転化率が82%であって、2−クロロシクロ
ヘキサノール選択率が75%であった。
【0051】〔エポキシ化バッチ反応〕全反応液油相4
70g(2−クロロシクロヘキサノール323g、2.
40モル)及び全反応液水相2395g(2−クロロシ
クロヘキサノール10.2g、0.08モル)に苛性ソ
ーダ水溶液800g(20.0重量%、4.00モル)
を約50℃で1時間かけて添加した。全反応液油相39
0g中の組成はシクロヘキセン56.9g及びシクロヘ
キセンオキサイド226g(2.31モル)であって、
全反応液水相3255g中の組成はシクロヘキセンオキ
サイド14.4g(0.15モル)であった。全シクロ
ヘキセンオキサイドは240g(2.46モル)であっ
た。2−クロロシクロヘキサノールの転化率ば100%
であり、シクロヘキセンオキサイドの選択率は99%で
あった。
【0052】〔エポキシ化反応油相の蒸留〕上記全反応
液油相390gを精製蒸留装置に仕込み、常圧で25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を開始した。塔頂温
度60〜82℃でシクロヘキセンと水の共沸混合物6
1.9gが得られた。また、圧力80mmHgで25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を再開し、塔頂温度
40〜60℃でシクロヘキセンオキサイドの初留8.0
gを得、次いで塔頂温度64〜65℃でシクロヘキセン
オキサイド212g(蒸留収率94%)を得た。得られ
たシクロヘキセンオキサイドのCPAL含有量は150
0ppmであって、CPCAの含有量は350ppmで
あり、純度は99.5%であった。
【0053】比較例2 次亜塩素酸ナトリウムに対して1.1倍モルのシクロヘ
キセンを用い、反応液の水素イオン濃度が4<pH<6
になるように硫酸を用いて、反応温度50℃及び滞留時
間1時間の条件でクロロヒドリン化連続反応を実施し、
生成した2−クロロシクロヘキサノールを含む反応混合
物を反応装置から抜き出し、次いで、この反応混合物に
出発原料のシクロヘキセンに対して1.2倍モルの苛性
ソーダを仕込み、反応温度50℃でエポキシ化バッチ反
応を行い、得られた反応混合物を油水分離し、その反応
混合物の油相を蒸留して目的のシクロヘキセンオキサイ
ドを得た。
【0054】〔反応・蒸留装置〕実施例1と同じものを
用いた。 〔クロロヒドリン化仕込み反応液〕実施例1と同じもの
を用いた。
【0055】〔クロロヒドリン化連続反応〕上記0.5
00モル相当の油相・水相の反応液を十分に攪拌しなが
らシクロヘキセン、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び硫
酸を同時に滴下し、この反応成分を滴下しながら反応液
を抜き出して連続反応を6時間実施した。滴下速度は、
シクロヘキセン46.1g/h(純度98%、0.55
0モル/h)、次亜塩素酸ナトリウム水溶液282g/
h(濃度13.2重量%、0.500モル/h)、硫酸
(20重量%)については反応混合物の水素イオン濃度
が4<pH<6になるようにコントロールし、また、反
応液抜き出し速度は反応液量が一定となるようにした。
反応温度は油浴でフラスコを温め、約50℃にコントロ
ールした。硫酸の全使用量は819g(1.60モル)
であった。
【0056】1時間毎の反応液と反応終了後のフラスコ
内反応液とを油相と水相とに分離し、それぞれをガスク
ロマトグラフィーで分析した。全反応液油相485g中
の組成はシクロヘキセン46.5g及び2−クロロシク
ロヘキサノール337gであって、全反応液水相280
1g中の組成は2−クロロシクロヘキサノール14.2
gであった。全2−クロロシクロヘキサノールは352
gであった。
【0057】連続反応部分の生成物は、全反応液組成か
ら仕込み反応液組成を引くことにより、シクロヘキセン
38.0g(0.462モル)と2−クロロシクロヘキ
サノール298g(2.21モル)とになる。従って、
連続部分で使用したシクロヘキセン277g(3.30
モル)を基準にすると、連続部分の平均反応成績はシク
ロヘキセン転化率が86%であって、2−クロロシクロ
ヘキサノール選択率が78%であった。
【0058】〔エポキシ化バッチ反応〕全反応液油相4
85g(2−クロロシクロヘキサノール337g、2.
50モル)及び全反応液水相2801g(2−クロロシ
クロヘキサノール14.2g、0.11モル)に苛性ソ
ーダ水溶液792g(20.0重量%、3.96モル)
を約50℃で1時間かけて添加した。全反応液油相43
8g中の組成はシクロヘキセン37.4g及びシクロヘ
キセンオキサイド238g(2.43モル)であって、
全反応液水相3620g中の組成はシクロヘキセンオキ
サイド15.2g(0.15モル)であった。全シクロ
ヘキセンオキサイドは253g(2.58モル)であっ
た。2−クロロシクロヘキサノールの転化率は100%
であり、シクロヘキセンオキサイドの選択率は99%で
あった。
【0059】〔エポキシ化反応油相の蒸留〕上記全反応
液油相438gを精製蒸留装置に仕込み、常圧で25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を開始した。塔頂温
度60〜82℃でシクロヘキセンと水の共沸混合物4
2.9gが得られた。また、圧力80mmHgで25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を再開し、塔頂温度
40〜60℃でシクロヘキセンオキサイドの初留6.0
gを得、次いで塔頂温度64〜65℃でシクロヘキセン
オキサイド234g(蒸留収率94%)を得た。得られ
たシクロヘキセンオキサイドのCPAL含有量は320
0ppmであってCPCAの含有量は600ppmであ
り、純度は99.4%であった。
【0060】比較例3 次亜塩素酸ナトリウムに対して1.3倍モルのシクロヘ
キセンを用い、反応液の水素イオン濃度がpH≒1にな
るように硫酸を用いて、反応温度50℃及び滞留時間3
時間の条件でクロロヒドリン化連続反応を実施し、生成
した2−クロロシクロヘキサノールを含む反応混合物を
反応装置から抜き出し、次いで、この反応混合物にシク
ロヘキセンに対して1.2倍モルの苛性ソーダを仕込
み、反応温度50℃でエポキシ化バッチ反応を行い、得
られた反応混合物を油水分離し、その反応混合物の油相
を蒸留して目的のシクロヘキセンオキサイドを得た。
【0061】〔反応・蒸留装置〕実施例1と同じものを
用いた。 〔クロロヒドリン化仕込み反応液〕実施例1と同じもの
を用いた。
【0062】〔クロロヒドリン化連続反応〕上記0.5
00モル相当の油相・水相の反応液を十分攪拌しながら
シクロヘキセン、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び硫酸
を同時に滴下し、この反応成分を滴下しながら反応液を
抜き出して連続反応を15時間実施した。滴下速度は、
シクロヘキセン54.5g/3h(純度98%、0.6
50モル/3h)次亜塩素酸ナトリウム水溶液282g
/3h(濃度13.2重量%、0.500モル/3
h)、硫酸(20重量%)については反応混合物の水素
イオン濃度がpH≒1になるようにコントロールし、ま
た、反応液抜き出し速度は反応液量が一定となるように
した。反応温度は油浴でフラスコを温め、約50℃にコ
ントロールした。硫酸の全使用量は922g(1.88
モル)であった。
【0063】3時間毎の反応液と反応終了後のフラスコ
内反応液とを油相と水相とに分離し、それぞれをガスク
ロマトグラフィーで分析した。全反応液油相473g中
の組成はシクロヘキセン83.3g及び2−クロロシク
ロヘキサノール248gであり、全反応液水相2628
g中の組成は2−クロロシクロヘキサノール13.2g
であった。全2−クロロシクロヘキサノールは261g
であった。
【0064】連続反応部分の生成物は、全反応液組成か
ら仕込み反応液組成を引くことにより、シクロヘキセン
74.8g(0.910モル)と2−クロロシクロヘキ
サノール208g(1.54モル)とになる。従って、
連続部分で使用したシクロヘキセン272g(3.25
モル)を基準にすると、連続部分の平均反応成績はシク
ロヘキセン転化率が72%であって、2−クロロシクロ
ヘキサノール選択率が66%であった。
【0065】〔エポキシ化バッチ反応〕全反応液油相4
73g(2−クロロシクロヘキサノール248g、1.
84モル)及び全反応液水相2628g(2−クロロシ
クロヘキサノール13.2g、0.10モル)に苛性ソ
ーダ水溶液780g(20.0重量%、3.90モル)
を約50℃で1時間かけて添加した。全反応液油相39
2g中の組成はシクロヘキセン74.3g及びシクロヘ
キセンオキサイド176g(1.80モル)であって、
全反応液水相3505g中の組成はシクロヘキセンオキ
サイド12.2g(0.12モル)であった。全シクロ
ヘキセンオキサイドは188g(1.92モル)であっ
た。2−クロロシクロヘキサノールの転化率が100%
であって、シクロヘキセンオキサイドの選択率が99%
であった。
【0066】〔エポキシ化反応油相の蒸留〕上記全反応
液油相392gを精製蒸留装置に仕込み、常圧で25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を開始した。塔頂温
度60〜82℃でシクロヘキセンと水の共沸混合物7
9.0gが得られた。また、圧力80mmHgで25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を再開し、塔頂温度
40〜60℃でシクロヘキセンオキサイドの初留5.3
gを得、次いで塔頂温度64〜65℃でシクロヘキセン
オキサイド166g(蒸留収率94%)を得た。得られ
たシクロヘキセンオキサイドのCPAL含有量は540
0ppmであってCPCAの含有量は1100ppmで
あり、純度は98.9%であった。
【0067】比較例4 次亜塩素酸ナトリウムに対して1.3倍モルのシクロヘ
キセンを用い、反応液の水素イオン濃度が9<pHにな
るように硫酸を用いて、反応温度50℃及び滞留時間3
時間の条件でクロロヒドリン化連続反応を実施し、生成
した2−クロロシクロヘキサノールを含む反応混合物を
反応装置から抜き出し、次いで、この反応混合物にシク
ロヘキセンに対して1.2倍モルの苛性ソーダを仕込
み、反応温度50℃でエポキシ化バッチ反応を行い、得
られた反応混合物を油水分離し、その反応混合物の油相
を蒸留して目的のシクロヘキセンオキサイドを得た。
【0068】〔反応・蒸留装置〕実施例1と同じものを
用いた。 〔クロロヒドリン化仕込み反応液〕実施例1と同じもの
を用いた。
【0069】〔クロロヒドリン化連続反応〕上記0.5
00モル相当の油相・水相の反応液を十分に攪拌しなが
らシクロヘキセン、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び硫
酸を同時に滴下し、この反応成分を滴下しながら反応液
を抜き出して連続反応を15時間実施した。滴下速度
は、シクロヘキセン54.5g/3h(純度98%、
0.650モル/3h)次亜塩素酸ナトリウム水溶液2
82g/3h(濃度13.2重量%、0.500モル/
3h)、硫酸(20重量%)については反応混合物の水
素イオン濃度が7≦pH≦9になるようにコントロール
し、また、反応液抜き出し速度は反応液量が一定となる
ようにした。反応温度は油浴でフラスコを温め、約50
℃にコントロールした。硫酸の全使用量は617g
(1.26モル)であった。
【0070】3時間毎の反応液と反応終了後のフラスコ
内反応液とを油相と水相とに分離し、それぞれをガスク
ロマトグラフィーで分析した。全反応液油相422g中
の組成はシクロヘキセン155.4g及び2−クロロシ
クロヘキサノール185gであり、全反応液水相238
0g中の組成は2−クロロシクロヘキサノール6.9g
であった。全2−クロロシクロヘキサノールは192g
であった。
【0071】連続反応部分の生成物は、全反応液組成か
ら仕込み反応液組成を引くことにより、シクロヘキセン
146.9g(1.788モル)と2−クロロシクロヘ
キサノール138g(1.02モル)とになる。従っ
て、連続部分で使用したシクロヘキセン272g(3.
25モル)を基準にすると、連続部分の平均反応成績は
シクロヘキセン転化率が45%であって、2−クロロシ
クロヘキサノール選択率が70%であった。
【0072】〔エポキシ化バッチ反応〕全反応液油相4
22g(2−クロロシクロヘキサノール185g、1.
37モル)及び全反応液水相2380g(2−クロロシ
クロヘキサノール6.9g、0.05モル)に苛性ソー
ダ水溶液780g(20.0重量%、3.90モル)を
約50℃で1時間かけて添加した。全反応液油相356
g中の組成はシクロヘキセン146.1g及びシクロヘ
キセンオキサイド129g(1.32モル)であり、全
反応液水相3206g中の組成はシクロヘキセンオキサ
イド9.0g(0.09モル)であった。全シクロヘキ
センオキサイドは138g(1.41モル)であった。
2−クロロシクロヘキサノールの転化率は100%であ
って、シクロヘキセンオキサイドの選択率は99%であ
った。
【0073】〔エポキシ化反応油相の蒸留〕上記全反応
液油相422gを精製蒸留装置に仕込み、常圧で25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を開始した。塔頂温
度60〜82℃でシクロヘキセンと水の共沸混合物14
9.5gが得られた。また、圧力80mmHgで25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を再開し、塔頂温度
40〜60℃でシクロヘキセンオキサイドの初留3.9
gを得、次いで塔頂温度64〜65℃でシクロヘキセン
オキサイド120g(蒸留収率93%)を得た。得られ
たシクロヘキセンオキサイドのCPAL含有量は700
ppmであってCPCAの含有量は120ppmであ
り、純度は99.6%であった。
【0074】比較例5 次亜塩素酸ナトリウムに対して1.3倍モルのシクロヘ
キセンを用い、反応液の水素イオン濃度が7≦pH≦9
になるように硫酸を用いて、反応温度75℃及び滞留時
間3時間の条件でクロロヒドリン化連続反応を実施し、
生成した2−クロロシクロヘキサノールを含む反応混合
物を反応装置から抜き出し、次いで、この反応混合物に
シクロヘキセンに対して1.2倍モルの苛性ソーダを仕
込み、反応温度50℃でエポキシ化バッチ反応を行い、
得られた反応混合物を油水分離し、その反応混合物の油
相を蒸留して目的のシクロヘキセンオキサイドを得た。
【0075】〔反応・蒸留装置〕実施例1と同じものを
用いた。 〔クロロヒドリン化仕込み反応液〕実施例1と同じもの
を用いた。
【0076】〔クロロヒドリン化連続反応〕上記0.5
00モル相当の油相・水相の反応液を十分に攪拌しなが
らシクロヘキセン、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び硫
酸を同時に滴下し、この反応成分を滴下しながら反応液
を抜き出して連続反応を15時間実施した。滴下速度
は、シクロヘキセン54.5g/3h(純度98%、
0.650モル/3h)及び次亜塩素酸ナトリウム水溶
液282g/3h(濃度13.2重量%、0.500モ
ル/3h)であって、硫酸(20重量%)については反
応混合物の水素イオン濃度が7≦pH≦9になるように
コントロールし、また、反応液抜き出し速度は反応液量
が一定となるようにした。反応温度は油浴でフラスコを
温め、約75℃にコントロールした。硫酸の全使用量は
637g(1.30モル)であった。
【0077】3時間毎の反応液と反応終了後のフラスコ
内反応液とを油相と水相とに分離し、それぞれをガスク
ロマトグラフィーで分析した。全反応液油相422g中
の組成はシクロヘキセン102.0g及び2−クロロシ
クロヘキサノール208gであり、全反応液水相239
5g中の組成は2−クロロシクロヘキサノール7.6g
であった。全2−クロロシクロヘキサノールは、216
gであった。
【0078】連続反応部分の生成物は、全反応液組成か
ら仕込み反応液組成を引くことにより、シクロヘキセン
93.5g(1.138モル)と2−クロロシクロヘキ
サノール162g(1.20モル)とになる。従って、
連続部分で使用したシクロヘキセン272g(3.25
モル)を基準にすると、連続部分の平均反応成績はシク
ロヘキセン転化率が65%であって、2−クロロシクロ
ヘキサノール選択率が57%であった。
【0079】〔エポキシ化バッチ反応〕全反応液油相4
22g(2−クロロシクロヘキサノール208g、1.
55モル)及び全反応液水相2395g(2−クロロシ
クロヘキサノール7.6g、0.06モル)に苛性ソー
ダ水溶液780g(20.0重量%、3.90モル)を
約50℃で1時間かけて添加した。全反応液油相351
g中の組成はシクロヘキセン92.8g及びシクロヘキ
センオキサイド146g(1.49モル)であり、全反
応液水相3226g中の組成はシクロヘキセンオキサイ
ド9.8g(0.10モル)であった。全シクロヘキセ
ンオキサイドは156g(1.59モル)であった。2
−クロロシクロヘキサノールの転化率は100%であっ
て、シクロヘキセンオキサイドの選択率は99%であっ
た。
【0080】〔エポキシ化反応油相の蒸留〕上記全反応
液油相351gを精製蒸留装置に仕込み、常圧で25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を開始した。塔頂温
度60〜82℃でシクロヘキセンと水の共沸混合物9
6.5gが得られた。また、圧力80mmHgで25℃
から蒸留缶の温度を昇温させて蒸留を再開し、塔頂温度
40〜60℃でシクロヘキセンオキサイドの初留4.7
gを得、次いで塔頂温度64〜65℃でシクロヘキセン
オキサイド147g(蒸留収率94%)を得た。得られ
たシクロヘキセンオキサイドのCPAL含有量は170
0ppmであってCPCAの含有量は400ppmであ
り、純度は99.4%であった。
【0081】以上の実施例1及び比較例1〜5の結果を
下記の表1にまとめて示す。
【表1】
【0082】
【発明の効果】本発明方法によれば、シクロヘキセンを
原料としてシクロヘキセンオキサイドを製造する方法に
おいて、臭気の原因物質であるCPAL及びCPCAの
副生を可及的に防止することができ、これによって高純
度のシクロヘキセンオキサイドを収率良く製造すること
ができる。しかも、臭気の予防又は防止のために各種の
酸化防止剤を使用したり、ヒドロキシアミン等の除去助
剤を用いて精製を繰り返す必要もないことから、これら
添加剤由来の有機物系や金属系の不純物が混入すること
もなく、また、工業的規模での製造に極めて有利であ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】比較例1 次亜塩素酸ナトリウムに対して1.3倍モルのシクロヘ
キセンを用い、また、反応液の水素イオン濃度が6<p
H<7になるように硫酸を用いて、反応温度50℃及び
滞留時間3時間の条件でクロロヒドリン化連続反応を実
施し、生成した2−クロロシクロヘキサノールを含む反
応混合物を反応装置から抜き出し、次いで、この反応混
合物に出発原料のシクロヘキセンに対して1.2倍モル
の苛性ソーダを仕込み、反応温度50℃でエポキシ化バ
ッチ反応を行い、得られた反応混合物を油水分離し、そ
の反応混合物の油相を回収し蒸留してシクロヘキセンオ
キサイドを得た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】〔クロロヒドリン化連続反応〕上記0.5
00モル相当の油相・水相の反応液を十分に攪拌しなが
らシクロヘキセン、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び硫
酸を同時に滴下し、この反応成分を滴下しながら反応液
を抜き出して連続反応を15時間実施した。滴下速度
は、シクロヘキセン54.5g/3h(純度98%、
0.650モル/3h)、次亜塩素酸ナトリウム水溶液
282g/3h(濃度13.2重量%、0.500モル
3h)であり、硫酸(20重量%)については反応混
合物の水素イオン濃度が6<pH<7になるようにコン
トロールし、また、反応液抜き出し速度は反応液量が一
定となるようにした。反応温度は油浴でフラスコを温
め、約50℃にコントロールした。硫酸の全使用量は6
86g(1.40モル)であった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】〔クロロヒドリン化連続反応〕上記0.5
00モル相当の油相・水相の反応液を十分に攪拌しなが
らシクロヘキセン、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び硫
酸を同時に滴下し、この反応成分を滴下しながら反応液
を抜き出して連続反応を15時間実施した。滴下速度
は、シクロヘキセン54.5g/3h(純度98%、
0.650モル/3h)次亜塩素酸ナトリウム水溶液2
82g/3h(濃度13.2重量%、0.500モル/
3h)、硫酸(20重量%)については反応混合物の水
素イオン濃度が9<pHになるようにコントロールし、
また、反応液抜き出し速度は反応液量が一定となるよう
にした。反応温度は油浴でフラスコを温め、約50℃に
コントロールした。硫酸の全使用量は617g(1.2
6モル)であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻田 祥宏 東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号、 東レ株式会社内 (72)発明者 西村 一明 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1、東 レ株式会社名古屋事業場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロヘキセンに次亜塩素酸塩水溶液及
    び酸を作用させて2−クロロシクロヘキサノールを生成
    せしめる第1反応工程と、この第1反応工程で得られた
    2−クロロシクロヘキサノールにアルカリを作用させて
    シクロヘキセンオキサイドを生成せしめる第2反応工程
    とを含むシクロヘキセンオキサイドの製造法において、
    上記第1反応工程の反応を、その反応系の水素イオン濃
    度を7≦pH≦9の範囲内に維持しながら反応温度30
    〜70℃の条件で行うことを特徴とする高純度シクロヘ
    キセンオキサイドの製造法。
  2. 【請求項2】 第1反応工程で用いる酸が硫酸である請
    求項1に記載の高純度シクロヘキセンオキサイドの製造
    法。
  3. 【請求項3】 第1反応工程での反応が、シクロヘキセ
    ン、次亜塩素酸塩水溶液及び酸を反応器に連続的に供給
    すると共に生成した2−クロロシクロヘキサノールを含
    む反応混合物を反応器から連続的に抜き出す連続反応で
    ある請求項1又は2に記載の高純度シクロヘキセンオキ
    サイドの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102993131A (zh) * 2012-12-27 2013-03-27 南京工业大学 一种邻氯环己醇环化制备环氧环己烷的方法
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