JPH1081956A - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

積層フィルムおよびその製造方法

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JPH1081956A
JPH1081956A JP23341596A JP23341596A JPH1081956A JP H1081956 A JPH1081956 A JP H1081956A JP 23341596 A JP23341596 A JP 23341596A JP 23341596 A JP23341596 A JP 23341596A JP H1081956 A JPH1081956 A JP H1081956A
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laminated film
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寿幸 大谷
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正典 小林
Yozo Yamada
陽三 山田
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
に、下式(a)を満たすシリコンカルシウム複合酸化物
薄膜層を有してなることを特徴とする積層フィルム。 2.1≦D−0.01W≦2.65 (a) 〔式中、Dはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の比
重を、Wはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層中の酸
化カルシウム含有率(重量%)を示す。〕 【効果】 本発明の積層フィルムは、優れた層間密着力
およびガスバリア性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その表面に透明電
極を形成させるための積層フィルムおよびその製造方
法、特に液晶セルや液晶表示パネル製造のために用いら
れる積層フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の液晶表示パネル用の基板にはガラ
ス基板が使用されており、携帯型情報端末機やパームト
ップコンピューター等の表示部としての使用には適して
いる。しかし、ガラス基板は、重い、破損しやすい、薄
型にできない、曲がらない等の欠点を有している。その
ため、軽量化、薄型化、ペン入力時に破損しにくいこと
が要求される用途の液晶表示パネルには、ガラス基板を
用いると不都合な点が多い。そこで最近では、ガラス基
板に代わり、プラスチックフィルム基板を用いた液晶表
示パネルが実用化されつつある。
【0003】液晶表示パネル用基板としてプラスチック
フィルム基板を用いる場合には、以下の特性が要求され
る。 1.可視光領域において透明であること。 2.表面が平滑であり、かつ硬いこと。 3.光等方性を有すること。 4.液晶表示パネルの製造工程に耐え得る100℃以上
の耐熱性を有すること。 5.液晶表示パネルの製造工程に使用する薬品に耐える
こと。 6.液晶表示パネルの製造工程中にかかるストレスに対
して、層間剥離しないこと。 7.ガスバリア性が十分であること。 8.優れた防湿性を有すること。 9.耐液晶性を有すること。
【0004】このような要求特性を満足するために、プ
ラスチックフィルムの少なくとも片面にアンカーコート
層を形成し、この上にエチレン−ビニルアルコール共重
合体もしくはポリビニルアルコールからなる層を形成
し、さらに硬化性樹脂硬化物層を積層した積層フィルム
(特開昭61−86252号公報);プラスチックフィ
ルムの少なくとも片面に塩化ビニリデン樹脂からなる層
を形成し、さらに硬化性樹脂硬化物層を積層した積層フ
ィルム(特開昭60−134215号公報);プラスチ
ックフィルムの少なくとも片面に蒸着法によるSiOx
(ただし、1<x<2)薄膜層と硬化性樹脂硬化物層と
を積層した積層フィルム(特開平6−175143号公
報)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開昭61−86252号公報や特開昭60−1342
15号公報に記載の積層フィルムは、プラスチックフィ
ルム上にエチレン−ビニルアルコール共重合体(接着性
に関与する官能基が少ない)や硬化性樹脂硬化物等をコ
ーティングしており、それぞれの層間の密着力は不十分
である。そのため、液晶表示パネルの製造工程中にかか
るストレスにより、これらの積層フィルムは層間剥離を
生じてしまうことがあり、液晶表示パネル製造の歩留り
を低いものにしていた。
【0006】また、エチレン−ビニルアルコール共重合
体もしくはポリビニルアルコールからなる層を用いたも
のは、ガスバリア性および防湿性が十分満足できるもの
ではない。このような積層シートを用いた液晶表示パネ
ルは、液晶が劣化して駆動電力が増加したり、長時間使
用後に液晶表示部に黒色の泡が発生してしまい使用不可
能となる。
【0007】特開昭60−134215号公報に記載の
ような塩化ビニリデン樹脂は、ガスバリア性、防湿性が
不十分であるばかりでなく、紫外線により劣化し、黄色
に着色するため、液晶表示パネルに用いるには適さな
い。
【0008】特開平6−175143号公報に記載のよ
うなSiOx (ただし、1<x<2)薄膜を用いたもの
は、その着色のために液晶表示パネルには不適である。
さらに通常の蒸着法で作製したSiOx (ただし、1<
x<2)薄膜は、下地であるプラスチックフィルムとの
密着力が十分ではなく、この積層フィルムは層間剥離を
生じてしまうことがあり、液晶表示パネル製造の歩留り
を低いものにしていた。
【0009】本発明は、このような背景下において、層
間密着力およびガスバリア性が顕著に改善された積層フ
ィルム、(特に透明電極形成用の積層フィルム、液晶セ
ルや液晶表示パネル製造のための積層フィルム)および
その製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
〔式中、Dはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の比重を、Wはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層中の酸化カルシウム含有率(重量%)を示す。〕
【0011】また、本発明は、シリコンカルシウム複合
酸化物薄膜層中の酸化カルシウム含有率が25〜90重
量%であることを特徴とする上記積層フィルム;シリコ
ンカルシウム複合酸化物薄膜層の厚さが30〜8000
Åであることを特徴とする上記積層フィルム;プラスチ
ックフィルムのリターデーション値が30nm以下また
は5000nm以上であることを特徴とする上記積層フ
ィルムに関する。
【0012】さらに、本発明は、シリコンカルシウム複
合酸化物薄膜層上に硬化性樹脂硬化物層が積層されてな
ることを特徴とする上記積層フィルム;各層の層間密着
力が300g/inch以上であることを特徴とする上
記積層フィルム;酸素透過度が3cc/m2 ・atm ・day 以
下であることを特徴とする上記積層フィルムに関する。
【0013】また、本発明は、シリコンカルシウム複合
酸化物薄膜層を、5×10-5Torr以下の水蒸気分
圧中で電子ビーム蒸着法で製膜する工程、あるいはイ
オンビームを照射しながら電子ビーム蒸着法で製膜する
工程を含むことを特徴とする上記積層フィルムの製造方
法に関する。
【0014】さらに、本発明は、上記積層フィルムの表
面に透明電極を有してなることを特徴とする電極基板;
上記積層フィルムを有してなる液晶セル;上記積層フィ
ルムを有してなる液晶表示パネルに関する。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】プラスチックフィルムとしては、例えば、
ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポ
リエステルフィルム、ポリ−4−メチルペンテンフィル
ム、ポリフェニレンオキサイドフィルム、ポリアミドイ
ミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリア
リレートフィルム、アモルファスポリオレフィン、ノル
ボルネン系ポリマーフィルム、ポリビニルアルコールフ
ィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィル
ム、セルロースフィルム(セルローストリアセテート、
セルロースジアセテート、セルロースアセテートプチレ
ート等)等が挙げられる。好ましくはポリカーボネート
フィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエーテルス
ルホンフィルム、ポリアリレートフィルム、ノルボルネ
ン系ポリマーフィルムである。また、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィル
ム等の一軸延伸フィルム等も用いることができる。さら
に、当該プラスチックフィルムは単層でも、複層にして
もよい。
【0017】当該プラスチックフィルムのリターデーシ
ョン値は、好ましくは30nm以下または5000nm
以上、より好ましくは0.2〜20nmまたは8000
〜40000nmである。リターデーション値が30n
m以下であれば、液晶表示パネルに用いた際に、可視光
線の干渉縞が生じることがなく、表示品位が良好であ
る。また、5000nm以上であれば、可視光線領域に
おいて干渉縞の間隔が十分に広がるため、液晶表示パネ
ル内に干渉縞が現れず、表示品位が良好である。
【0018】リターデーション値とは、フィルム上の直
交する二軸の屈折率の異方性(△N=Nx −Ny )〔N
x :最大屈折率を有する軸方向の屈折率、Ny :Nx 軸
に対して垂直軸の屈折率〕と、フィルム厚さdとの積
(△N×d)を意味する。
【0019】当該リターデーション値は、エリプソメー
タ(AEP-100B、(株)島津製作所製)を用いて測定した
ものである。なお、リターデーション値は、プラスチッ
クフィルムを製膜する速度および温度等により調節する
ことができる。延伸フィルムの場合には、延伸倍率によ
っても調節することができる。
【0020】また、プラスチックフィルムの可視光線透
過率は、液晶表示パネルの視認性の点から、好ましくは
75%以上、より好ましくは80%以上である。当該可
視光線透過率は、JIS K 7105に準拠した積分
球式光線透過率測定装置(NDH-1001DP、日本電色工業
(株)製)を用いて測定したものである。なお、可視光
線透過率は、プラスチックフィルム製膜時の熱処理温度
を変化させること等により調節することができる。
【0021】プラスチックフィルムは、機械的強度の点
から、引張強度が200kgf/cm2 以上、引張伸度が5%
以上であることが好ましい。
【0022】プラスチックフィルムは、機械的強度が十
分で、かつ薄いことが好ましい点から、その厚さは50
〜500μmが好ましい。当該厚さはミリトロン1254D
(Mahr社製)を用いて測定したものである。なお、厚さ
は、押出機からの吐出量やプラスチックフィルム製膜時
のフィルム送り速度を変えること等により調節すること
ができる。
【0023】当該プラスチックフィルムは、一般的には
流延法(コーティング法)で製膜することにより得られ
るが、押出法等、他の成形法を用いることもできる。な
お、リターデーション値、可視光線透過率等が上記範囲
を満足するように製膜条件を設定することが好ましい。
【0024】本発明において用いられるシリコンカルシ
ウム複合酸化物薄膜層は、下式(a)を満たすことが必
要である。 2.1≦D−0.01W≦2.65 (a) 〔式中、Dはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の比
重を、Wはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層中の酸
化カルシウム含有率(重量%)を示す。〕 好ましくは2.15≦D−0.01W≦2.65であ
る。
【0025】D−0.01W<2.1であれば、ガスバ
リア性、層間密着力が不十分となる。また、後述するよ
うに、D−0.01W>2.65となることはない。
【0026】ところで、通常の溶融急冷法により作成さ
れたバルクのシリコンカルシウム複合酸化物ガラス(カ
ルシア−シリカガラス;以下バルクのガラスともいう)
は、理想的な三次元網目構造を有し、高い比重を有す
る。これは、溶融急冷法では、真空蒸着法やスパッタリ
ング法等の薄膜作成法に比べて、はるかに遅い速度で複
合酸化物が形成されるからである(しかし、溶融急冷法
で作成された複合酸化物はバルクとなり、薄膜とはなら
ない)。このようなバルクのガラスは、その理想的な三
次元網目構造のため、高いガスバリア性を有する。ま
た、当該バルクのガラス表面には、シラノール基等の反
応基が多数存在し、密着性にも影響を与える。そこで、
シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の物性をバルクの
ガラスの物性に近づけることが好ましい。
【0027】なお、溶融急冷法により作成されたバルク
のシリコンカルシウム複合酸化物ガラスにおいては、そ
のDおよびWの関係が、D−0.01W=2.65で表
されることが、『ガラスハンドブック;1987年;作
花、境野、高橋編;朝倉書店』に記載されている。ま
た、シリコンカルシウム複合酸化物においては、当該複
合酸化物がどのような方法で作成され、どのような状態
である場合にも、D−0.01Wの最大値は2.65で
あることも記載されている。
【0028】つまり、式(a)を満たすシリコンカルシ
ウム複合酸化物薄膜層は、本発明の積層フィルムにガス
バリア性を付与し、各層間密着力(後述するように、プ
ラスチックフィルムと薄膜層との密着力、薄膜層と硬化
物層の密着力)を向上させることができる。また、防湿
性、耐薬品性、耐熱性、耐液晶性等を付与することもで
きる。
【0029】ここで、本発明でいう比重とは、ある温度
で、ある体積を占める物質の質量と、それと同体積の標
準物質(4℃における水)の質量との比をいう。
【0030】比重の測定は、通常物体の質量と体積を測
り、同体積の4℃の水の質量との比を求めればよいが、
本発明における薄膜では体積の測定が困難である。そこ
で、本発明においては、シリコンカルシウム複合酸化物
薄膜層の比重(D)は、プラスチックフィルム/シリコ
ンカルシウム複合酸化物薄膜層の積層フィルムから、プ
ラスチックフィルムのみを溶媒で溶解させることによ
り、薄膜のみからなる単独膜の状態とした後、JIS
K 7112の浮沈法により測定したものである。つま
り、試料を比重既知の溶液(四塩化炭素とヨウ化メチレ
ンの混合液)の中に浸漬させ、その浮沈状態から薄膜の
比重を測定する。
【0031】なお、当該比重は、後述するように製膜条
件等により調節することができる。例えば、シリコンカ
ルシウム複合酸化物薄膜層を電子ビーム蒸着法で製膜す
る場合、水蒸気分圧を5×10-5Torr以下とする
か、あるいはイオンビームを照射しながら製膜するこ
と等により調節することができる。
【0032】シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(こ
れを100重量%とする)中の酸化カルシウムの含有率
(W)は、好ましくは25〜90重量%、より好ましく
は30〜80重量%である。この酸化カルシウムの含有
率が25重量%未満の場合、本発明の積層フィルムのガ
スバリア性が十分でなくなり易い傾向があり、90重量
%を越える場合、可撓性が不十分となり易い傾向があ
る。
【0033】当該酸化カルシウムの含有率とは、薄膜中
のシリコン(Si)とカルシウム(Ca)の原子比をI
CP発光分析装置(ICPS-2000;(株)島津製作所製)で
求め、シリコンとカルシウムとが完全酸化物(Si
2 、CaO)であると仮定して、完全酸化カルシウム
の含有率を算出した値である。なお、酸化カルシウムの
含有率は、例えば電子ビーム蒸着法において製膜する際
に、電子ビームの加熱時間比を変えること等により調節
することができる。
【0034】上記シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層
の製膜方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法等のPVD法(物理的
蒸着法)、あるいはCVD法(化学的蒸着法)等が挙げ
られる。生産性の点からは真空蒸着法が好ましいが、下
地であるプラスチックフィルムとの密着力向上のために
は電子ビーム蒸着法が好ましい。
【0035】シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層を製
膜する際の蒸着材料としては、Ca、CaO、Si、S
iO、SiO2 等が挙げられる。
【0036】以下、電子ビーム蒸着法で製膜する場合に
ついて説明する。電子ビーム蒸着法で製膜する際の蒸着
材料としては、好ましくはCaOとSiO2 や、Caと
SiO2 等が用いられる。
【0037】電子ビーム蒸着法で製膜する際、その圧力
は3×10-4Torr以下であることが好ましい。ま
た、この圧力中の水蒸気分圧が5×10-5Torr以下
であることが好ましく、より好ましくは4×10-5To
rr以下である。水蒸気分圧が5×10-5Torrを越
える場合は、複合酸化物薄膜の比重が低く、ガスバリア
性が十分ではなく、またプラスチックフィルムとの密着
力も不十分となり易い傾向がある。また、圧力が3×1
-4Torrを越える場合も、同様のことがいえる。
【0038】なお、水蒸気分圧が上がると、蒸着粒子と
水分子とが衝突し、薄膜中に水を含有するようになる。
その結果、薄膜の三次元網目構造が不均一になり、比重
が低下する。この構造不均一のために、ガスバリア性が
良好でなくなる。また、蒸着粒子と水分子が衝突するこ
とにより、蒸着粒子のエネルギーが失われ、プラスチッ
クフィルム表面との結合(密着力)が弱くなる。
【0039】圧力は、電離真空計(MIG-821 、日電アネ
ルバ(株)製)を用いて測定したものである。また、水
蒸気分圧は、残留ガス分析計(AQA-100R、日電アネルバ
(株)製)を用いて測定したものである。なお、圧力、
水蒸気分圧はそれぞれ、真空排気時間を変えたり、水蒸
気を優先的に排気できるクライオパネルを用いること等
により調節することができる。
【0040】また、イオンビームを照射しながら電子ビ
ーム蒸着法で製膜することによっても、シリコンカルシ
ウム複合酸化物薄膜層の比重を上げることができ、プラ
スチックフィルムとシリコンカルシウム複合酸化物薄膜
層の密着力を向上させることができる。
【0041】イオンビームのイオン種としては、アルゴ
ン、ヘリウム、クリプトン等の希ガスや酸素等の反応性
ガス等が好適に挙げられる。
【0042】イオンビーム電流密度は0.02〜5.0
mA/cm2 、イオンビームエネルギーは30〜300
0Vの範囲が好ましい。イオンビーム電流密度が0.0
2mA/cm2 未満ではイオンビーム照射の効果(蒸着
粒子のエネルギーを高める効果)が発揮されにくい傾向
があり、5.0mA/cm2 を越えると照射量が多す
ぎ、下地であるプラスチックフィルムが熱変形し易い傾
向がある。また、イオンビームエネルギーが30V未満
ではイオンビーム照射の効果が発揮されにくい傾向があ
り、3000Vを越えるとエネルギーが高すぎ、プラス
チックフィルムが熱変形し易い傾向がある。
【0043】以上のような条件で製膜する(電子ビーム
蒸着法で製膜する場合、水蒸気分圧を5×10-5To
rr以下とするか、あるいはイオンビームを照射しな
がら製膜する)と、蒸着粒子のエネルギーが非常に高
く、プラスチックフィルムとシリコンカルシウム複合酸
化物薄膜層の界面に混合層が形成される(プラスチック
フィルムと薄膜層との間に物理的結合が生じる)と考え
られる。このために、プラスチックフィルムとシリコン
カルシウム複合酸化物薄膜層の密着力は非常に強くな
り、300g/inch以上の値を示す。
【0044】また、プラスチックフィルムの温度を上げ
たり(加熱)下げたり(冷却)してもよい。
【0045】シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の厚
さは、特に限定されるものではないが、好ましくは30
〜8000Å、より好ましくは70〜5000Åであ
る。厚さが30Å未満の場合、本発明の積層フィルムの
ガスバリア性が不十分となり易い傾向があり、8000
Åを越える場合、可撓性が不十分となり易い傾向があ
る。
【0046】当該薄膜層の厚さは、薄膜中のシリコンと
カルシウムの原子比をICP発光分析装置(ICPS-2000;
(株)島津製作所製)で求め、シリコンとカルシウムと
が完全酸化物(SiO2 、CaO)であると仮定し、こ
れら(SiO2 とCaO)のバルク比重を用いて算出し
たものである。なお、厚さは、例えば電子ビーム蒸着法
において製膜する際に、電子ビームの投入電力を変えた
り、プラスチックフィルムの送り速度を変えること等に
より調節することができる。
【0047】上記シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層
中には、特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対し
て5重量%くらいまで)の他の成分を含有してもよい。
また、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜の結晶性は、
その特性を損なわない限り、光学的等方性の点から、非
晶質状態であることが好ましい。
【0048】本発明の積層フィルムにおいては、上記シ
リコンカルシウム複合酸化物薄膜層上に、さらに硬化性
樹脂硬化物層を積層させることができる。硬化性樹脂硬
化物層を設けることにより、本発明の積層フィルムを液
晶パネルに用いた場合、シリコンカルシウム複合酸化物
薄膜層は液晶によりさらに劣化されにくくなる。
【0049】硬化性樹脂硬化物層としては、例えば、加
熱硬化型樹脂(フェノキシエーテル型架橋性樹脂、エポ
キシ系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン樹
脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、メラミン
系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹
脂等)、紫外線硬化型樹脂(紫外線硬化型アクリル系樹
脂、ポリアミドイミド系樹脂、ホスファゼン系樹脂
等)、電子線硬化型樹脂等からなる硬化物層が挙げられ
る。
【0050】硬化性樹脂硬化物層は、後述のようなウエ
ットプロセスでの製膜が容易で、かつ薄いことが好まし
い点から、その厚さは0.5〜50μmが好ましい。当
該硬化物層の厚さは、ミリトロン1254D (Mahr社製)を
用いて測定したものである。なお、厚さは、ダイからの
硬化性樹脂組成物の吐出量やフィルム送り速度を変える
こと等により調節することができる。
【0051】この硬化性樹脂硬化物層も光等方性を有す
ることが好ましい。
【0052】硬化性樹脂硬化物層を形成させる場合に
は、形成した硬化性樹脂硬化物層の表面粗度(シリコン
カルシウム複合酸化物薄膜層と接していない表面におけ
る表面粗度)を、好ましくはRmax で0.5μm以下、
Ra で0.01μm以下、より好ましくはRmax で0.
2μm以下、Ra で0.007μm以下、さらに好まし
くはRmax で0.1μm以下、Ra で0.005μm以
下となるようにすることが望ましい。表面粗度を上記範
囲内にすれば、本発明の積層フィルムを液晶表示パネル
に用いた場合、表示品質が良好である。
【0053】なお、本発明の積層フィルムにおける最外
層が上記表面粗度を満たすことが好ましく、硬化物層を
形成させない場合は、薄膜層が当該値を満たすことが好
ましい。
【0054】Rmax とはJIS B 0601記載の最
大高さを、Ra とはJIS B 0601記載の中心線
平均粗さを示す。表面粗度は、JIS B 0651に
準じた触針式表面粗度測定器(サーフコム304B、(株)
東京精密社製)を用いて測定したものである。
【0055】硬化性樹脂硬化物層の表面粗度をこのよう
に小さくする方法としては、例えば、以下に述べる第1
または第2の方法が挙げられる。
【0056】第1の方法としては、まず、プラスチック
フィルム/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層と、平
滑化鋳型材(F)を用い、両者の間隙に、加熱硬化型樹
脂組成物、紫外線硬化型樹脂組成物または電子線硬化型
樹脂組成物をダイにより供給して、該樹脂組成物が両者
間に層状に挟持されるようにする。この場合、プラスチ
ックフィルム/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層が
一つの製膜用ロールに、平滑化鋳型材(F)がもう一つ
の製膜用ロールにそれぞれ供給されるようにしておき、
両製膜ロール間の間隙は所定の値に調整しておく。次い
で、加熱、紫外線照射または電子線照射により上記の挟
持層(硬化型樹脂組成物層)を硬化させて、プラスチッ
クフィルム/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層/硬
化性樹脂硬化物層/平滑化鋳型材(F)よりなる積層フ
ィルムを得る。さらに、その後の適当な段階で、その積
層フィルムから平滑化鋳型材(F)を剥離除去する。
【0057】上記における平滑化鋳型材(F)は、硬化
物層の表面粗度を小さくするために用いられ、例えば、
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延
伸ポリエチレンナフタレートフィルム等の二軸延伸ポリ
エステルフィルムや、二軸延伸ポリプロピレンフィルム
等が用いられる。
【0058】平滑化鋳型材(F)は、その表面粗度が好
ましくはRmax で0.15μm以下、Ra で0.008
μm以下、より好ましくはRmax で0.05μm以下、
Raで0.005μm以下、さらに好ましくはRmax で
0.01μm以下、Ra で0.002μm以下であるも
のを用いる。なお、当該表面粗度も上記と同様にして測
定したものである。
【0059】第2の方法は、プラスチックフィルム/シ
リコンカルシウム複合酸化物薄膜層、または平滑化鋳型
材(F)の一方に、加熱硬化型樹脂組成物、紫外線硬化
型樹脂組成物または電子線硬化型樹脂組成物を流延(コ
ーティング)しておき、該流延層上に平滑化鋳型材
(F)、またはプラスチックフィルム/シリコンカルシ
ウム複合酸化物薄膜層を被覆させながら、ロールの間隙
により挟持層(硬化型樹脂組成物層)の厚さを制御しつ
つ、加熱、紫外線照射または電子線照射によりその挟持
層を硬化させて、硬化性樹脂硬化物層となす方法であ
る。さらに、その後の適当な段階で、その積層フィルム
から平滑化鋳型材(F)を剥離除去する。
【0060】ところで、シリコンカルシウム複合酸化物
薄膜層が式(a)を満たせば、シリコンカルシウム複合
酸化物薄膜層と硬化性樹脂硬化物層との密着力は300
g/inch以上となり、十分強い。特にD−0.01
W=2.65の場合には、シリコンカルシウム複合酸化
物薄膜層の比重は、バルクのガラスと同じ比重であり、
このとき薄膜層と硬化物層の層間密着力は1000g/
inch以上の非常に強いものとなる。
【0061】薄膜層が式(a)を満たせば、シリコンカ
ルシウム複合酸化物薄膜層の表面に、通常の溶融急冷法
で作成したバルクのガラスと同様に、シラノール基等の
反応基が多数存在し、この表面反応基と硬化性樹脂硬化
物とが強固に化学結合するために、硬化性樹脂硬化物層
とシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層との密着力は極
めて強くなる。
【0062】しかしながら、複合酸化物薄膜中の酸化カ
ルシウムの含有率が同じ薄膜においても、シリコンカル
シウム複合酸化物薄膜の比重が低下するに伴い、表面反
応基数が低下する。薄膜の比重が低下する物理的意味合
いは、単位体積中に存在するシリコン、カルシウムおよ
び酸素の原子数が少なくなることであり、薄膜表面にお
いてもシリコン、カルシウムおよび酸素の原子数が少な
くなる。このため、シリコン、カルシウムおよび酸素に
よる三次元網目構造を終端している反応基(Si−O−
H、Ca−O−H)の数が表面に少なくなる。つまり、
複合酸化物薄膜中の酸化カルシウムの含有率が同じで
も、比重が低くなるのに伴い、薄膜層と硬化性樹脂硬化
物層との密着力は低下する。
【0063】上記のようにして得られた本発明の積層フ
ィルム全体において、そのリターデーション値は好まし
くは30nm以下または5000nm以上、より好まし
くは20nm以下または8000nm以上であり、可視
光線透過率は好ましくは70%以上、より好ましくは7
5%以上である。なお、積層フィルム全体を用い、前記
と同様にしてリターデーション値、可視光線透過率を測
定することができる。
【0064】積層フィルム全体のリターデーション値、
可視光線透過率は、上記範囲内の値を有する各層(プラ
スチックフィルム、薄膜層、硬化物層)を用いること等
により、上記範囲内に調節することができる。
【0065】当該積層フィルムの酸素透過度は、好まし
くは3cc/m2 ・atm ・day 以下、より好ましくは1cc/m
2 ・atm ・day 以下である。酸素透過度が3cc/m2 ・at
m ・day を越えると、積層フィルムのガスバリア性が不
十分となり易い傾向がある。
【0066】当該酸素透過度は、酸素透過度測定装置
(OX-TRAN100、モダンコントロールズ社製)を用い、2
5℃、80%RHで測定したものである。なお、酸素透
過度は、上式(a)を満たすようにすることにより調節
することができる。
【0067】当該積層フィルムの各層の層間密着力は、
好ましくは300g/inch以上、より好ましくは5
00g/inch以上である。いずれかの層間密着力が
300g/inch未満であると、液晶表示パネルの製
造工程中に層間剥離が生じ易くなる傾向がある。
【0068】本発明の積層フィルムの各層の層間密着力
のうち、最も密着力の弱い層間の密着力の測定方法を以
下に示す。まず、積層フィルムの最外層(シリコンカル
シウム複合酸化物薄膜層、または平滑化鋳型材を有して
いるものはこれを剥離除去した後の露出した硬化性樹脂
硬化物層)上に、ポリエステルポリウレタン系接着剤
(武田薬品(株)製:A−310)100部にイソシア
ネート系硬化剤(武田薬品(株)製:A−3)10部を
加えた熱硬化型接着剤を、厚さ3μmに塗布する。この
接着剤層上に、コロナ処理を施した厚さ100μmの二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績
(株)製:E5100)をラミネートし、45℃、4日
間の条件で接着剤を硬化させる。このようにして作製し
た二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/熱硬
化型接着剤層/積層フィルムからなる積層体において、
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと、積層
フィルムの部分をつかみ、JISK 6854に準拠し
た90度T型剥離法にて剥離強度を測定する。上記測定
方法によれば、最も密着力の弱い層間から剥離が起こ
る。
【0069】なお、層間密着力は、上式(a)を満たす
ようにすることにより調節することができる。
【0070】本発明の積層フィルムの構造としては、例
えば、プラスチックフィルム(11)/シリコンカルシ
ウム複合酸化物薄膜層(12);(11)/(12)/
硬化性樹脂硬化物層(13);(12)/(11)/
(12);(13)/(12)/(11)/(12)/
(13);(12)/(13)/(12)/(11)/
(12)/(13)/(12)等が挙げられる。好まし
くは(13)/(12)/(11)/(12)/(1
3)である。
【0071】このようにして得られた本発明の積層フィ
ルムを用い、その最外層(シリコンカルシウム複合酸化
物薄膜層または硬化性樹脂硬化物層)上に、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の手
段により透明電極を形成して、電極基板を得ることがで
きる。
【0072】透明電極としては、例えば、インジウムス
ズ複合酸化物、インジウム亜鉛複合酸化物、インジウム
カドミウム複合酸化物等が好適に挙げられるが、他の導
電性金属酸化物を用いることもできる。
【0073】透明電極の厚さは、好ましくは100〜3
000Åである。厚さが100Å未満の場合は導電性が
十分ではなくなり易い傾向があり、3000Åを越える
場合は透明性が損なわれ易い傾向がある。
【0074】液晶分子の配向のために、必要に応じて、
形成した透明電極の上に配向膜を形成させることができ
る。配向膜としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリア
ミドイミド樹脂等が挙げられる。
【0075】さらに、このようにして作製した電極基板
2枚を、それぞれの透明電極側が対向する状態で所定の
間隔をあけて配置すると共に、その間隙に液晶を封入
し、その周囲をシール材でシールすると、液晶セルが得
られる。シール材としては、例えば、エポキシ樹脂等が
挙げられる。
【0076】液晶表示パネルは、上記液晶セルの片面に
偏光板を、他面に位相差板を介して偏光板を積層するこ
とにより作製する。なお、位相差板を省略したり、位相
差板に代えて補償用液晶セルを用いることもできる。ま
た、上記電極基板は、偏光板または位相差板と一体化さ
せた一体型基板とすることもできる。
【0077】図1は、本発明の積層フィルムの一例を模
式的に示した断面図である。図2は、積層フィルムに透
明電極を付した電極基板の一例を模式的に示した断面図
である。図3は、電極基板を用いて作製した液晶セルの
一例を模式的に示した断面図である。図4は、液晶セル
を用いて作製した液晶表示パネルの一例を模式的に示し
た断面図である。
【0078】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以
下、「部」とあるのは重量部のことを示す。
【0079】実施例1(1−1〜1−3) プラスチックフィルム(11)としてポリアリレートフ
ィルムを用いた。このプラスチックフィルムは、塩化メ
チレンを溶媒とする20重量%濃度のポリアリレート溶
液から流延法により製膜した。厚さは75μm、リター
デーション値は5nm、可視光線透過率は91%であっ
た。
【0080】このプラスチックフィルム(11)上に、
シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を電子ビ
ーム蒸着法で製膜した。この時、蒸着材料として、3〜
5mmの大きさの粒子状のCaO(純度99.5%)と
SiO2 (純度99.9%)を用いた。これらの蒸着材
料は混合せずに、水冷銅ハース内を水冷した銅製の板で
2つに仕切り、加熱源として一台の電子銃を用い、Ca
OとSiO2 のそれぞれを時分割で加熱した。その時の
電子銃のエミッション電流は2.5Aとし、薄膜中の酸
化カルシウムの含有率を変化させるために、加熱時間比
を表1のように変えた。また、酸素ガスを20sccm供給
し、センターロール温度は−15℃、フィルム送り速度
は120m/分とした。さらに、真空排気装置として油
拡散ポンプとクライオパネルを用いた。これにより、蒸
着時の圧力は2.5×10-4Torr、水蒸気分圧は3
×10-5Torrであった。以上のような製膜条件で、
膜厚200Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層
(12)を製膜した。また、当該薄膜の比重を測定し、
その結果を表1に示した。
【0081】わずかの間隔をあけて平行に配置した一対
の製膜ロールの一方に、上記で得られた積層フィルム
(プラスチックフィルム(11)上にシリコンカルシウ
ム複合酸化物薄膜層(12)を積層したフィルム)を供
給しながら走行させ、もう一方の製膜ロールには平滑用
鋳型剤(F)として、厚さ50μm、表面粗度Ra =
0.004μm、Rmax =0.05μmのコロナ処理し
ていない二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
(東洋紡績(株)製:A4100)をその平滑面が上面
となるように供給しながら走行させた。この両製膜用ロ
ールの間隙に向けて、エポキシアクリル樹脂100部に
ベンゾフェノン4部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物
を、ダイから吐出した。吐出された紫外線硬化型樹脂組
成物は、プラスチックフィルム(11)のシリコンカル
シウム複合酸化物薄膜層(12)形成側の面と、平滑化
鋳型材(F)の平滑面との間に挟持されたので、この状
態で走行させながら、高圧水銀灯、200w/cm、1
灯、照射時間10秒、水銀灯と平滑化鋳型材(F)との
距離200mmの条件で紫外線照射した。これにより挟
持層は硬化し、厚さ20μmの硬化性樹脂硬化物層(1
3)となった。
【0082】プラスチックフィルム(11)の他面にも
上記と同様の操作を実施し、厚さ200Åのシリコンカ
ルシウム複合酸化物薄膜層(12)と厚さ20μmの硬
化性樹脂硬化物層(13)を形成させた。これにより、
平滑化鋳型材(F)/硬化性樹脂硬化物層(13)/シ
リコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)/プラスチ
ックフィルム(11)/シリコンカルシウム複合酸化物
薄膜層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)/平滑化
鋳型材(F)の層構成を有する積層フィルムが得られ
た。次いで、平滑化鋳型材(F)を剥離除去し、(1
3)/(12)/(11)/(12)/(13)の層構
成を有する積層フィルム(1)を得た〔図1参照〕。
【0083】硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度
は、いずれもRa =0.005μm以下、Rmax =0.
1μm以下であった。いずれの積層フィルム(1)も、
そのリターデーション値は5nm、可視光線透過率は8
4%、厚さは115μmであった。積層フィルム(1)
の層間密着力(剥離強度)を測定し、その結果を表1に
示した。いずれも十分強い剥離強度を示し、剥離界面は
硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシウム複合
酸化物薄膜層(12)の界面であった。この結果より、
本発明の積層フィルム(1)は十分強い層間密着力を有
していた。積層フィルム(1)のガスバリア性を評価す
るために、酸素透過度を測定した。結果は表1に示した
とおり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0084】次いで、片方の硬化性樹脂硬化物層(1
3)の上に、スパッタリング法により、厚さ500Åの
インジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形
成し、電極基板(5)〔透明電極(2)付きの積層フィ
ルム(1)〕を得た〔図2参照〕。この透明電極(2)
の表面抵抗率は100Ω/□であった。
【0085】液晶セル(6)は、上記電極基板(5)の
透明電極(2)面に、配向膜を形成した後、電極基板
(5)2枚をそれぞれの透明電極(2)が対向する状態
で所定の間隔をあけて配置すると共に、その間隙に液晶
(3)を封入し、周囲をシール材(4)でシールするこ
とにより作製した〔図3参照〕。
【0086】液晶表示パネル(7)は、この片面に偏光
板(8)、他面に位相差板(9)を介して偏光板(8)
を積層することにより作製した〔図4参照〕。このよう
にして製作された液晶表示パネルは、積層フィルム
(1)の層間密着力が十分強いため、製造プロセス中に
積層フィルム(1)が層間剥離をすることはなかった。
【0087】比較例1(1−1〜1−3) 実施例1と同様のポリアリレートフィルムをプラスチッ
クフィルム(11)として用い、この上にシリコンカル
シウム複合酸化物薄膜層(12)を形成した。その際、
真空排気装置としてクライオパネルを用いず、油拡散ポ
ンプのみを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ2
00Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)
を形成した。このとき、圧力は5×10-4Torr、水
蒸気分圧は1.0×10-4Torrであった。また、薄
膜の比重を測定し、その結果を表1に示した。
【0088】このプラスチックフィルム(11)/シリ
コンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の積層フィル
ムの薄膜層(12)上に、実施例1と同様にして硬化性
樹脂硬化物層(13)を形成した。また、プラスチック
フィルム(11)の他面にも上記と同様の手法で、シリ
コンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と硬化性樹脂
硬化物層(13)を積層し、積層フィルム(1)を得
た。
【0089】硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度
は、いずれもRa =0.005μm以下、Rmax =0.
1μm以下であった。いずれの積層フィルム(1)も、
そのリターデーション値は5nm、可視光線透過率は8
4%、厚さは115μmであった。上記積層フィルム
(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、結果を表1
に示した。いずれも剥離強度は低かった。剥離界面は、
いずれも硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシ
ウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。上記積
層フィルム(1)の酸素透過度の測定結果を表1に示す
が、液晶表示パネルに使用するのには不十分であった。
【0090】上記積層フィルム(1)上に実施例1と同
様の透明電極(2)を形成した後、実施例1と同様にし
て液晶表示パネル(7)を作製した。しかし、積層フィ
ルム(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロ
セス中に積層フィルム(1)が層間剥離することがあっ
た。
【0091】実施例2(2−1〜2−4) プラスチックフィルム(11)としてポリアミドイミド
フィルムを用いた。厚さは100μm、リターデーショ
ン値は5nm、可視光線透過率は90%であった。
【0092】このプラスチックフィルム(11)の片面
に、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を、
イオンビームを照射しながら電子ビーム蒸着法で製膜し
た。この時、蒸着材料として、3〜5mmの大きさの粒
子状のCaO(純度99.5%)とSiO2 (純度9
9.9%)を用いた。これらの蒸着材料は混合せずに、
水冷銅ハース内を水冷した銅製の板で2つに仕切り、加
熱源として一台の電子銃を用い、CaOとSiO2 のそ
れぞれを時分割で加熱した。その時の電子銃のエミッシ
ョン電流は2.6Aとし、薄膜中の酸化カルシウムの含
有率を変化させるために、加熱時間比を表2のように変
えた。また、酸素ガスを5sccm供給し、センターロール
温度は−15℃、フィルム送り速度は180m/分とし
た。真空排気装置として油拡散ポンプを用いた。この時
の圧力は4.5×10-4Torr、水蒸気分圧は8×1
-5Torrであった。なお、イオンビームのイオン種
として、酸素イオンを用い、イオンビーム電流密度1.
0mA/cm2 、イオンビームエネルギーを200Vと
した。またプラスチックフィルム(11)へのイオンビ
ームの入射角は45度とした。以上のような製膜条件の
もとで、厚さ300Åのシリコンカルシウム複合酸化物
薄膜層(12)を積層した。また、当該薄膜の比重を測
定し、その結果を表2に示した。
【0093】フェノキシエーテル樹脂35部、メチルエ
チルケトン35部、セロソルブアセテート30部、トリ
レンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのア
ダクト体の75%溶液(日本ポリウレタン工業(株)製
のコロネートL)50部からなる組成の硬化性樹脂組成
物を用意した。次いで、上記シリコンカルシウム複合酸
化物薄膜層(12)付きのプラスチックフィルム(1
1)を走行させながら、その薄膜層(12)の上に、上
記硬化性樹脂組成物をダイにより塗布し、100℃で3
分間乾燥させた。その上に実施例1で用いたのと同じ平
滑化鋳型材(F)を被覆し、ロール群間を通して圧着し
ながら150℃で5分間加熱した。これにより塗布層は
硬化し、厚さ20μmの硬化性樹脂硬化物層(13)と
なった。
【0094】プラスチックフィルム(11)の他面にも
上記と同様にして、厚さ300Åのシリコンカルシウム
複合酸化物薄膜層(12)と厚さ20μmの硬化性樹脂
硬化物層(13)を形成させた。これにより、(F)/
(13)/(12)/(11)/(12)/(13)/
(F)の層構成を有する積層フィルムが得られた。次い
で、平滑化鋳型材(F)を実施例1と同様にして剥離除
去し、積層フィルム(1)を得た。
【0095】硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度
は、いずれもRa =0.004μm以下、Rmax =0.
1μm以下であった。いずれの積層フィルム(1)も、
そのリターデーション値は5nm、可視光線透過率は8
2%、厚さは140μmであった。積層フィルム(1)
の層間密着力(剥離強度)を測定し、その結果を表2に
示した。いずれも十分強い剥離強度を示し、剥離界面は
硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシウム複合
酸化物薄膜層(12)の界面であった。この結果より、
本発明の積層フィルム(1)は十分強い層間密着力を有
していた。積層フィルム(1)のガスバリア性を評価す
るために、酸素透過度を測定した。結果は表2に示した
とおり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0096】次いで、片方の硬化性樹脂硬化物層(1
3)の上に、スパッタリング法により厚さ500Åのイ
ンジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形成
し、電極基板(5)を得た。この透明電極(2)の表面
抵抗率は80Ω/□であった。
【0097】電極基板(5)を用い、実施例1と同じ方
法で液晶表示パネルを作製したが、いずれの積層フィル
ム(1)もプロセス中に層間剥離することはなかった。
【0098】比較例2(2−1〜2−4) 実施例2と同様のポリアミドイミドフィルムをプラスチ
ックフィルム(11)として用い、この上にシリコンカ
ルシウム複合酸化物薄膜層(12)を形成した。この
時、イオンビームを用いなかった以外は実施例2と同様
にして、厚さ300Åのシリコンカルシウム複合酸化物
薄膜層(12)を積層した。真空排気装置として油拡散
ポンプを用いた。この際、蒸着時の圧力は4.3×10
-4Torr、水蒸気分圧は8×10-5Torrであっ
た。また、当該薄膜の比重を測定し、その結果を表2に
示した。
【0099】このプラスチックフィルム(11)/シリ
コンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)からなる積層
フィルムの薄膜層(12)上に、実施例2と同様の硬化
性樹脂硬化物層(13)を形成した。さらに、プラスチ
ックフィルム(11)の他面にも上記と同様の方法で、
シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と硬化性
樹脂硬化物層(13)を積層し、積層フィルム(1)を
得た。
【0100】硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度
は、いずれもRa =0.004μm以下、Rmax =0.
1μm以下であった。いずれの積層フィルム(1)も、
そのリターデーション値は5nm、可視光線透過率は8
2%、厚さは140μmであった。上記積層フィルム
(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、結果を表2
に示した。いずれも剥離強度は低かった。剥離界面は、
いずれも硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシ
ウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。この積
層フィルム(1)の酸素透過度の測定結果を表2に示す
が、いずれも液晶表示パネルに使用するのには不十分で
あった。
【0101】積層フィルム(1)上に、実施例1と同様
の透明電極(2)を形成した後、実施例1と同様にして
液晶表示パネル(7)を作製した。しかし、積層フィル
ム(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロセ
ス中に積層フィルム(1)が層間剥離することがあっ
た。
【0102】実施例3(3−1〜3−3) プラスチックフィルム(11)として一軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを用いた。厚さは100μ
m、リターデーション値は10200nm、可視光線透
過率は91%であった。
【0103】このプラスチックフィルム(11)上に、
シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を電子ビ
ーム蒸着法で製膜した。この時、蒸着材料として、3〜
5mmの大きさの粒子状のCaO(純度99.5%)と
SiO2 (純度99.9%)を用いた。これらの蒸着材
料は混合せずに、水冷銅ハース内を水冷した銅製の板で
2つに仕切り、加熱源として一台の電子銃を用い、Ca
OとSiO2 のそれぞれを時分割で加熱した。その時の
電子銃のエミッション電流は2.3Aとし、薄膜中の酸
化カルシウムの含有率を変化させるために、加熱時間比
を表3のように変えた。また、酸素ガスを15sccm供給
し、センターロール温度は−10℃、フィルム送り速度
は100m/分とした。さらに、真空排気装置として油
拡散ポンプとクライオパネルを用いた。これにより、蒸
着時の圧力は2.3×10-4Torr、水蒸気分圧は
2.5×10-5Torrであった。以上のような製膜条
件で、膜厚200Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄
膜(12)を製膜した。また、当該薄膜の比重を測定
し、その結果を表3に示した。
【0104】わずかの間隔をあけて平行に配置した一対
の製膜ロールの一方に、上記で得られた積層フィルム
(プラスチックフィルム(11)上にシリコンカルシウ
ム複合酸化物薄膜層(12)を積層したフィルム)を供
給しながら走行させ、もう一方の製膜ロールには平滑用
鋳型剤(F)として、厚さ75μm、表面粗度Ra =
0.005μm、Rmax =0.05μmのコロナ処理し
ていない二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
(東洋紡績(株)製:A4100)をその平滑面が上面
となるように供給しながら走行させた。この両製膜用ロ
ールの間隙に向けて、エポキシアクリル樹脂100部に
ベンゾフェノン1部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物
を、ダイから吐出した。吐出された紫外線硬化型樹脂組
成物は、プラスチックフィルム(11)のシリコンカル
シウム複合酸化物薄膜層(12)形成側の面と、平滑化
鋳型材(F)の平滑面との間に挟持されたので、この状
態で走行させながら、高圧水銀灯、200w/cm、1
灯、照射時間10秒、水銀灯と平滑化鋳型材(F)との
距離200mmの条件で紫外線照射した。これにより挟
持層は硬化し、厚さ25μmの硬化性樹脂硬化物層(1
3)となった。
【0105】プラスチックフィルム(11)の他面にも
上記と同様の操作を実施し、厚さ200Åのシリコンカ
ルシウム複合酸化物薄膜層(12)と厚さ25μmの硬
化性樹脂硬化物層(13)を形成させた。これにより、
(F)/(13)/(12)/(11)/(12)/
(13)/(F)の層構成を有する積層フィルムが得ら
れた。次いで、平滑化鋳型材(F)を剥離除去し、(1
3)/(12)/(11)/(12)/(13)の層構
成を有する積層フィルム(1)を得た。
【0106】硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度
は、いずれもRa =0.005μm以下、Rmax =0.
1μm以下であった。いずれの積層フィルム(1)も、
そのリターデーション値は10200nm、可視光線透
過率は82%、厚さは150μmであった。積層フィル
ム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、その結果
を表3に示した。いずれも十分強い剥離強度を示し、剥
離界面は硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシ
ウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。この結
果より、本発明の積層フィルム(1)は十分強い層間密
着力を有していた。積層フィルム(1)のガスバリア性
を評価するために、酸素透過度を測定した。結果は表3
に示したとおり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0107】次いで、片方の硬化性樹脂硬化物層(1
3)の上に、スパッタリング法により、厚さ200Åの
インジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形
成し、電極基板(5)を得た。この透明電極(2)の表
面抵抗率は80Ω/□であった。
【0108】液晶セル(6)は、上記電極基板(5)の
透明電極(2)面に、配向膜を形成した後、電極基板
(5)2枚をそれぞれの透明電極(2)が対向する状態
で所定の間隔をあけて配置すると共に、その間隙に液晶
(3)を封入し、周囲をシール材(4)でシールするこ
とにより作製した。
【0109】液晶表示パネル(7)は、この片面に偏光
板(8)、他面に位相差板(9)を介して偏光板(8)
を積層することにより作製した。このようにして製作さ
れた液晶表示パネルは、積層フィルム(1)の層間密着
力が十分強いため、製造プロセス中に積層フィルム
(1)が層間剥離をすることはなかった。
【0110】比較例3(3−1〜3−3) 実施例3と同様の一軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムをプラスチックフィルム(11)として用い、
この上にシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)
を形成した。その際、真空排気装置としてクライオパネ
ルを用いず、油拡散ポンプのみを用いた以外は実施例3
と同様にして、厚さ200Åのシリコンカルシウム複合
酸化物薄膜層(12)を形成した。このとき、圧力は
5.5×10-4Torr、水蒸気分圧は1.5×10-4
Torrであった。また、薄膜の比重を測定し、その結
果を表3に示した。
【0111】このプラスチックフィルム(11)/シリ
コンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の積層フィル
ムの薄膜層(12)上に、実施例3と同様にして硬化性
樹脂硬化物層(13)を形成した。また、プラスチック
フィルム(11)の他面にも上記と同様の手法で、シリ
コンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と硬化性樹脂
硬化物層(13)を積層し、積層フィルム(1)を得
た。
【0112】硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度
は、いずれもRa =0.005μm以下、Rmax =0.
1μm以下であった。いずれの積層フィルム(1)も、
そのリターデーション値は10200nm、可視光線透
過率は82%、厚さは150μmであった。上記積層フ
ィルム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、結果
を表3に示した。いずれも剥離強度は低かった。剥離界
面は、いずれも硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコン
カルシウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。
上記積層フィルム(1)の酸素透過度の測定結果を表3
に示すが、液晶表示パネルに使用するのには不十分であ
った。
【0113】上記積層フィルム(1)上に実施例3と同
様の透明電極(2)を形成した後、実施例3と同様にし
て液晶表示パネル(7)を作製した。しかし、積層フィ
ルム(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロ
セス中に積層フィルム(1)が層間剥離することがあっ
た。
【0114】実施例4(4−1〜4−4) プラスチックフィルム(11)として一軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを用いた。厚さは125μ
m、リターデーション値は11500nm、可視光線透
過率は90%であった。
【0115】このプラスチックフィルム(11)の片面
に、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を、
イオンビームを照射しながら電子ビーム蒸着法で製膜し
た。この時、蒸着材料として、3〜5mmの大きさの粒
子状のCaO(純度99.5%)とSiO2 (純度9
9.9%)を用いた。これらの蒸着材料は混合せずに、
水冷銅ハース内を水冷した銅製の板で2つに仕切り、加
熱源として一台の電子銃を用い、CaOとSiO2 のそ
れぞれを時分割で加熱した。その時の電子銃のエミッシ
ョン電流は2.6Aとし、薄膜中の酸化カルシウムの含
有率を変化させるために、加熱時間比を表4のように変
えた。また、酸素ガスを5sccm供給し、センターロール
温度は−15℃、フィルム送り速度は180m/分とし
た。真空排気装置として油拡散ポンプを用いた。この時
の圧力は5.3×10-4Torr、水蒸気分圧は9×1
-5Torrであった。なお、イオンビームのイオン種
として、酸素イオンを用い、イオンビーム電流密度1.
0mA/cm2 、イオンビームエネルギーを200Vと
した。またプラスチックフィルム(11)へのイオンビ
ームの入射角は45度とした。以上のような製膜条件の
もとで、厚さ300Åのシリコンカルシウム複合酸化物
薄膜層(12)を積層した。また、当該薄膜の比重を測
定し、その結果を表4に示した。
【0116】フェノキシエーテル樹脂45部、メチルエ
チルケトン45部、セロソルブアセテート10部、トリ
レンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのア
ダクト体の75%溶液(日本ポリウレタン工業(株)製
のコロネートL)50部からなる組成の硬化性樹脂組成
物を用意した。次いで、上記シリコンカルシウム複合酸
化物薄膜層(12)付きのプラスチックフィルム(1
1)を走行させながら、その薄膜層(12)の上に、上
記硬化性樹脂組成物をダイにより塗布し、100℃で5
分間乾燥させた。その上に実施例3で用いたのと同じ平
滑化鋳型材(F)を被覆し、ロール群間を通して圧着し
ながら150℃で7分間加熱した。これにより塗布層は
硬化し、厚さ25μmの硬化性樹脂硬化物層(13)と
なった。
【0117】プラスチックフィルム(11)の他面にも
上記と同様にして、厚さ300Åのシリコンカルシウム
複合酸化物薄膜層(12)と厚さ25μmの硬化性樹脂
硬化物層(13)を形成させた。これにより、(F)/
(13)/(12)/(11)/(12)/(13)/
(F)の層構成を有する積層フィルムが得られた。次い
で、平滑化鋳型材(F)を実施例3と同様にして剥離除
去し、積層フィルム(1)を得た。
【0118】硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度
は、いずれもRa =0.004μm以下、Rmax =0.
1μm以下であった。いずれの積層フィルム(1)も、
そのリターデーション値は11500nm、可視光線透
過率は81%、厚さは175μmであった。積層フィル
ム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、その結果
を表4に示した。いずれも十分強い剥離強度を示し、剥
離界面は硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシ
ウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。この結
果より、本発明の積層フィルム(1)は十分強い層間密
着力を有していた。積層フィルム(1)のガスバリア性
を評価するために、酸素透過度を測定した。結果は表4
に示したとおり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0119】次いで、片方の硬化性樹脂硬化物層(1
3)の上に、スパッタリング法により厚さ250Åのイ
ンジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形成
し、電極基板(5)を得た。この透明電極(2)の表面
抵抗率は150Ω/□であった。
【0120】電極基板(5)を用い、実施例3と同じ方
法で液晶表示パネル(7)を作製したが、いずれの積層
フィルム(1)もプロセス中に層間剥離することはなか
った。
【0121】比較例4(4−1〜4−4) 実施例4と同様の一軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムをプラスチックフィルム(11)として用い、
この上にシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)
を形成した。この時、イオンビームを用いなかった以外
は実施例4と同様にして、厚さ300Åのシリコンカル
シウム複合酸化物薄膜層(12)を積層した。真空排気
装置として油拡散ポンプを用いた。この際、蒸着時の圧
力は5.1×10-4Torr、水蒸気分圧は9×10-5
Torrであった。また、当該薄膜の比重を測定し、そ
の結果を表4に示した。
【0122】このプラスチックフィルム(11)/シリ
コンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)からなる積層
フィルムの薄膜層(12)上に、実施例4と同様の硬化
性樹脂硬化物層(13)を形成した。さらに、プラスチ
ックフィルム(11)の他面にも上記と同様の方法で、
シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と硬化性
樹脂硬化物層(13)を積層し、積層フィルム(1)を
得た。
【0123】硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度
は、いずれもRa =0.004μm以下、Rmax =0.
1μm以下であった。いずれの積層フィルム(1)も、
そのリターデーション値は11500nm、可視光線透
過率は81%、厚さは175μmであった。上記積層フ
ィルム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、結果
を表4に示した。いずれも剥離強度は低かった。剥離界
面は、いずれも硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコン
カルシウム複合酸化物薄膜層(12)であった。この積
層フィルム(1)の酸素透過度の測定結果を表4に示す
が、いずれも液晶表示パネルに使用するのには不十分で
あった。
【0124】積層フィルム(1)上に、実施例3と同様
の透明電極(2)を形成した後、実施例3と同様にして
液晶表示パネル(7)を作製した。しかし、積層フィル
ム(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロセ
ス中に積層フィルム(1)が層間剥離することがあっ
た。
【0125】実施例5(5−1〜5−4) プラスチックフィルム(11)としてノルボルネン系ポ
リマーフィルムを用いた。厚さは100μm、リターデ
ーション値は2nm、可視光線透過率は91%であっ
た。
【0126】このプラスチックフィルム(11)の片面
に、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を、
イオンビームを照射しながら電子ビーム蒸着法で製膜し
た。この時、蒸着材料として、2〜4mmの大きさの粒
子状のCaO(純度99.5%)とSiO2 (純度9
9.9%)を用いた。これらの蒸着材料は混合せずに、
水冷銅ハース内を水冷した銅製の板で2つに仕切り、加
熱源として一台の電子銃を用い、CaOとSiO2 のそ
れぞれを時分割で加熱した。その時の電子銃のエミッシ
ョン電流は2.3Aとし、薄膜中の酸化カルシウムの含
有率を変化させるために、加熱時間比を表5のように変
えた。また、酸素ガスを3sccm供給し、センターロール
温度は−10℃、フィルム送り速度は15m/分とし
た。真空排気装置としてターボ分子ポンプを用いた。こ
の時の圧力は4.8×10-4Torr、水蒸気分圧は7
×10-5Torrであった。なお、イオンビームのイオ
ン種として、酸素イオンを用い、イオンビーム電流密度
1.5mA/cm2 、イオンビームエネルギーを80V
とした。またプラスチックフィルム(11)へのイオン
ビームの入射角は30度とした。以上のような製膜条件
のもとで、厚さ400Åのシリコンカルシウム複合酸化
物薄膜層(12)を積層した。また、当該薄膜の比重を
測定し、その結果を表5に示した。
【0127】プラスチックフィルム(11)の他面にも
上記と同様にして、厚さ400Åのシリコンカルシウム
複合酸化物薄膜層(12)を形成させた。これにより、
(12)/(11)/(12)の層構成を有する積層フ
ィルム(1)が得られた。
【0128】この積層フィルム(1)の表面粗度は、い
ずれもRa =0.004μm以下、Rmax =0.1μm
以下であった。いずれの積層フィルム(1)も、そのリ
ターデーション値は2nm、可視光線透過率は90%、
厚さは100μmであった。積層フィルム(1)の層間
密着力(剥離強度)を測定し、その結果を表5に示し
た。いずれも十分強い剥離強度を示し、剥離界面は熱硬
化型接着剤層とシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層
(12)の界面であった。この結果より、シリコンカル
シウム複合酸化物薄膜層(12)とプラスチックフィル
ム(11)は、これらの剥離強度以上の密着力を有して
おり、十分強い層間密着力である。積層フィルム(1)
のガスバリア性を評価するために、酸素透過度を測定し
た。結果は表5に示したとおり、極めて高いガスバリア
性を示した。
【0129】次いで、片方のシリコンカルシウム複合酸
化物薄膜層(12)の上に、スパッタリング法により、
厚さ1000Åのインジウムスズ複合酸化物からなる透
明電極(2)を形成し、電極基板(5)を得た。この透
明電極(2)の表面抵抗率は30Ω/□であった。
【0130】電極基板(5)を用い、実施例1と同じ方
法で液晶表示パネルを作製したが、いずれの積層フィル
ムも層間剥離することはなかった。
【0131】上記実施例および比較例における各物性
は、以下のようにして測定した。
【0132】a.フィルム厚さ ミリトロン1254D (Mahr社製)を用いて測定した。 b.薄膜層厚さ 薄膜中のシリコンとカルシウムの原子比をICP発光分
析装置(ICPS-2000;(株)島津製作所製)で求め、シリ
コンとカルシウムとが完全酸化物(SiO2 、CaO)
であると仮定し、これら(SiO2 とCaO)のバルク
比重を用いて算出した。
【0133】c.リターデーション値 エリプソメータ(AEP-100B、(株)島津製作所製)を用
いて測定した。 d.可視光線透過率 JIS K 7105に準拠した積分球式光線透過率測
定装置(NDH-1001DP、日本電色工業(株)製)を用いて
測定した。
【0134】e.比重(D) 上記実施例および比較例で得られたプラスチックフィル
ム(11)/薄膜層(12)の積層フィルムの一部を切
り出し、プラスチックフィルム(11)を溶媒で溶解
し、薄膜(12)のみの単独膜を得た。この単独膜の比
重を、JIS K7112に記載の浮沈法(試料を比重
既知の溶液(四塩化炭素とヨウ化メチレンの混合液)の
中に浸漬させ、その浮沈状態から薄膜の比重を測定)に
より測定した。
【0135】f.酸化カルシウム含有率(W) 当該酸化カルシウム含有率は、薄膜中のシリコンとカル
シウムの原子比をICP発光分析装置(ICPS-2000;
(株)島津製作所製)で求め、シリコンとカルシウムと
が完全酸化物(SiO2 、CaO)であると仮定して、
完全酸化カルシウムの含有率を算出した。
【0136】g.表面粗度 JIS B 0651に準じた触針式表面粗度測定器
(サーフコム304B、(株)東京精密社製)を用いて測定
した。
【0137】h.剥離強度(層間密着力) 上記で得られた積層フィルム(1)の最外層(シリコン
カルシウム複合酸化物薄膜層(12)または硬化性樹脂
硬化物層(13))の片面上に、ポリエステルポリウレ
タン系接着剤(武田薬品(株)製:A−310)100
部にイソシアネート系硬化剤(武田薬品(株)製:A−
3)10部を加えた熱硬化型接着剤を、厚さ3μmに塗
布した。この接着剤層上に、コロナ処理を施した厚さ1
00μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(東洋紡績(株)製:E5100)をラミネートし、
45℃、4日間の条件で接着剤を硬化させた。このよう
にして作製した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム/熱硬化型接着剤層/積層フィルム(1)からな
る積層体において、二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムと、積層フィルムの部分をつかみ、JIS
K 6854に準拠した90度T型剥離法にて剥離強度
を測定した。
【0138】i.酸素透過度(ガスバリア性) 酸素透過度測定装置(OX-TRAN100、モダンコントロール
ズ社製)を用い、25℃、80%RHの条件下で、積層
フィルム(1)の酸素透過度を測定した。
【0139】j.表面抵抗率 JIS K 7194に記載の4探針法による抵抗率計
(ロレスタ AP MCP-1400、三菱油化(株)製)を用いて
測定した。
【0140】
【表1】
【0141】
【表2】
【0142】
【表3】
【0143】
【表4】
【0144】
【表5】
【0145】
【発明の効果】本発明の積層フィルムは、プラスチック
フィルムの利点(可撓性、薄い、軽量等)を有する他
に、積層フィルムの層間密着力が極めて強く、液晶表示
パネルを製造する際に層間剥離することがない。また、
金属酸化物であるシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層
を用いているため、ガスバリア性も極めて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層フィルムの一例を模式的に示した
断面図である。
【図2】本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面
図である。
【図3】本発明の液晶セルの一例を模式的に示した断面
図である。
【図4】本発明の液晶表示パネルの一例を模式的に示し
た断面図である。
【符号の説明】
1 積層フィルム 11 プラスチックフィルム 12 シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層 13 硬化性樹脂硬化物層 2 透明電極 3 液晶 4 シール材 5 電極基板 6 液晶セル 7 液晶表示パネル 8 偏光板 9 位相差板

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
    に、下式(a)を満たすシリコンカルシウム複合酸化物
    薄膜層を有してなることを特徴とする積層フィルム。 2.1≦D−0.01W≦2.65 (a) 〔式中、Dはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の比
    重を、Wはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層中の酸
    化カルシウム含有率(重量%)を示す。〕
  2. 【請求項2】 シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層中
    の酸化カルシウム含有率が25〜90重量%であること
    を特徴とする請求項1記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の
    厚さが30〜8000Åであることを特徴とする請求項
    1または2記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 プラスチックフィルムのリターデーショ
    ン値が30nm以下または5000nm以上であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィ
    ルム。
  5. 【請求項5】 シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層上
    に硬化性樹脂硬化物層が積層されてなることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 【請求項6】 各層の層間密着力が300g/inch
    以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 酸素透過度が3cc/m2 ・atm ・day 以下
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の積層フィルム。
  8. 【請求項8】 シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層
    を、5×10-5Torr以下の水蒸気分圧中で電子ビ
    ーム蒸着法で製膜する工程、あるいはイオンビームを
    照射しながら電子ビーム蒸着法で製膜する工程を含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の積層フィルムの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の積層フ
    ィルムの表面に透明電極を有してなることを特徴とする
    電極基板。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれかに記載の積層
    フィルムを有してなる液晶セル。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれかに記載の積層
    フィルムを有してなる液晶表示パネル。
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