JPH1080281A - 新規蛋白質及びその製造方法 - Google Patents

新規蛋白質及びその製造方法

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JPH1080281A
JPH1080281A JP8257644A JP25764496A JPH1080281A JP H1080281 A JPH1080281 A JP H1080281A JP 8257644 A JP8257644 A JP 8257644A JP 25764496 A JP25764496 A JP 25764496A JP H1080281 A JPH1080281 A JP H1080281A
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kda
seq
amino acid
sequence
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JP8257644A
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Atsushi Serizawa
篤 芹澤
Tetsuya Ishii
哲也 石井
Tomoshige Takayama
朋栄 高山
Morimasa Tanimoto
守正 谷本
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Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 システインプロテアーゼ阻害活性を有する新
規な蛋白質及びその製造方法の提供。 【解決手段】 還元及び非還元条件下のSDS-PAGEによる
分子量測定で、13±2kDa又は16±2kDaを示すシステイン
プロテアーゼ阻害活性を有する新規蛋白質。人乳をカル
ボキシメチル化パパイン固定化担体を用いてアフィニテ
ィクロマトグラフィーにかけ、吸着画分をアルカリ条件
下で溶出し、ゲルろ過及び逆相クロマトグラフィーによ
り精製する該蛋白質の製造法。本発明蛋白質は、抗体産
生促進効果及び破骨細胞の骨吸収作用に対する阻害効果
を示し、抗ウイルス剤、骨粗鬆症治療剤などとして有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人乳に由来するシ
ステインプロテアーゼ阻害活性を有する新規蛋白質及び
その製造方法に関する。本発明の蛋白質は、その活性よ
り、抗体産生促進効果及び破骨細胞の骨吸収作用に対す
る阻害効果を有し、抗ウイルス剤、抗アレルギー剤、あ
るいは骨粗鬆症などの骨疾患の予防及び/又は治療剤と
して有用である。
【0002】
【従来の技術】システインプロテアーゼ阻害剤は、活性
中心にSH基を持ったシステインプロテアーゼの蛋白質
分解活性を阻害する物質であり、動物組織、細胞、血液
中や尿中に見出されている。このようなシステインプロ
テアーゼ阻害剤であって蛋白性の物質はシスタチンと総
称されている。これまでに見出されたシスタチンは、そ
の分子構造から3つのファミリーに分類されている(Bi
ochem.J., 236, 312 (1986))。この文献によれば、ファ
ミリー1(ステフィンファミリー)にはラット肝臓由来
のシスタチンβ(Biochem. Biophys. Res. Commun., 11
5, 902 (1983))、ラット表皮由来のシスタチンα(Bioc
hem. Biophys. Res. Commun., 121, 149 (1984))やヒト
の白血球に見出されたステフィンA(Hoppe-Seyler's Z.
Physiol.Chem.,364,1487 (1983))が含まれている。こ
れらのシスタチンはいずれも分子量約12kDa を示し、糖
を持たない。又、ファミリー2にはヒト尿由来のシスタ
チンC(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.79, 3024 (198
2))、卵白シスタチン(Hoppe-Seyler's Z. Physiol. Che
m.,364, 1487 (1983)) が分類されており、またウシ初
乳由来のシスタチン(FEBS Lett., 186, 41 (1985))もこ
のファミリーに属する。このファミリーに属するものは
分子量約13〜15KDa を示し、ファミリー1と同様に糖を
有していない。さらに、血漿蛋白質であるヒトキニノー
ゲン (Biochemistry, 23, 5691 (1984))、ラットのTキ
ニノーゲン(Biochem. Biophys. Res. Commun., 129, 2
80 (1985))など、キニノーゲン類がファミリー3に属し
ている。キニノーゲン類は分子量 78KDaの高分子キニノ
ーゲンと分子量 45kDaの低分子キニノーゲンが存在する
ことが知られている。本発明者らは既に、牛初乳由来の
糖鎖を有する分子量約57kDa 及び16±2 kDa又は13±2 k
Da の新規な2種のシスティンプロテアーゼ阻害物質を
単離した。そして、牛初乳由来の糖鎖を有する分子量約
57kDa の新規なシステインプロテアーゼ阻害剤(特開平
7-2896号公報)、及び、牛初乳由来の分子量16±2kDa又
は13±2kDaの新規なシステインプロテアーゼ阻害剤(特
開平7-126294号公報)を見出している。
【0003】システインプロテアーゼ阻害剤の有用な作
用の1つとして、ウィルスの増殖阻害作用が確認されて
いる (Biochem. Biophys. Res. Commun., 127, 1072
(1985))。又、骨疾患モデルの動物の骨からのカルシウ
ムの遊離を抑制する作用を示すことから、特開平2-2235
29号公報には抗アレルギー剤や骨疾患治療剤としての用
途が開示されている。又、特開昭61-225130 号公報には
卵白由来のシスタチンを精製し、これを抗ウイルス剤と
して使用することが開示されている。又、特開昭64-258
2 号公報にはシスタチンαの合成遺伝子、特開平1-7149
2 号公報にはシスタチンBの合成遺伝子、特開平1-1573
90号公報にはシスタチンAの合成遺伝子がそれぞれ開示
されており、遺伝子操作によりシスタチンを生産するこ
とも可能となってきている。
【0004】近年、高齢化の進展にともない、破骨細胞
の骨吸収に起因する骨粗鬆症が急増している。現在、破
骨細胞の吸収活性を抑える医薬として、カルシトニン製
剤がある。しかしこの製剤は、医薬品として、サケやウ
ナギ由来のホルモンを利用したホルモン製剤であり、食
品素材から得られ、食品素材として使えるような安全な
物質についてはあまり検討されていないのが現状であ
る。特開平7-126294号公報では、牛由来の新規シスタチ
ンが骨吸収阻害因子であることが示されているが、医薬
品として用いる場合、ヒト型のシスタチンとの構造の違
いからアレルゲンとなる可能性もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、抗原性
のない、安全な素材として使える新規なシステインプロ
テアーゼ阻害物質を求め鋭意探索した結果、人乳中に従
来のものと明らかに異なる、システインプロテアーゼ阻
害活性を有する新規な蛋白質を見出した。従って本発明
は、人乳由来のシステインプロテアーゼ阻害活性を有す
る新規蛋白質及びその製造方法を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、システインプ
ロテアーゼ阻害活性を有する新規蛋白質及びその製造方
法に関する。本発明の蛋白質は、その活性より、抗体産
生促進効果及び破骨細胞に対する骨吸収作用に対する阻
害効果を示し、抗ウイルス剤、抗アレルギー剤、あるい
は骨粗鬆症などの骨疾患の予防及び/又は治療剤として
有用である。本発明により提供される人乳由来のシステ
インプロテアーゼ阻害活性を有する新規蛋白質は、下記
の特性により特定される。 (1) 還元及び非還元条件下のSDS-PAGEによる分子量測
定で、13±2 kDa 又は16±2 kDa を示す。 (2) 13±2 kDa の蛋白質は PAS染色陰性で等電点 4.8
〜5.0 を示す。16±2 kDa の蛋白質は PAS染色陽性で等
電点 4.4〜4.6 を示す。 (3) 配列表配列番号1に示されるN末端アミノ酸配列
を有する。 (4) 固定化したカルボキシメチル化パパインに結合性
を有する。 (5) カテプシンLに特異的な阻害活性を有する。 また、本発明は、人乳をカルボキシメチルパパイン固定
化担体を用いてアフィニティクロマトグラフィーにかけ
てシスタチン画分を吸着させ、この吸着画分をアルカリ
条件下で溶出させ、ゲルろ過及び逆相クロマトグラフィ
ーにより精製することを特徴とするシステインプロテア
ーゼ阻害活性を有する蛋白質の製造法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の蛋白質は人乳から容易に
回収することができる。本発明の蛋白質は、泌乳期間の
うち特に初乳中に大量に含有されるが、通常の乳中にも
含有される。これらの人乳を原料として、上述の文献に
記載されているように、代表的なシステインプロテアー
ゼであるパパインなどに対する親和性を利用してアフィ
ニティークロマトグラフィー等のクロマトグラフィー操
作により分離することができる。即ち、ヒト脱脂初乳に
終濃度0.5MとなるようにNaClを添加し、これをカルボキ
シメチル化パパイン固定化担体を用いたアフィニティー
クロマトグラフィーに供し、ヒト初乳シスタチン類の濃
縮画分を調製する。この画分は既知のシスタチンと本発
明の物質を含有している。特に、NaClの添加により非特
異的吸着を抑制し、比活性の高い濃縮画分を調製でき
る。あるいは、超遠心分離によりホエー画分を調製し、
このホエー画分をエタノールにより分別沈澱し、さらに
凍結乾燥によりエタノールを除去したものを出発材料と
して、カルボキシメチル化パパイン固定化担体を用いた
アフィニティークロマトグラフィーに供し、ヒト初乳シ
スタチン類の濃縮画分を調製する。さらに、この画分を
イオン交換クロマトグラフィーやゲル濾過クロマトグラ
フィー等のクロマトグラフィーによって、本発明の蛋白
質と既知のシスタチンとを分離することができる。さら
に、蛋白質の精製方法として知られている逆相クロマト
グラフィーやHPLCなどの方法を組み合わせても良
い。
【0008】本発明の上述のようにして得られた天然型
の蛋白質のアミノ酸配列に基づいてこの蛋白質をコード
するcDNAをクローニングし、得られるcDNAを用
いて遺伝子工学的手法により本発明のシステインプロテ
アーゼ阻害活性を有する蛋白質を得ることができる。即
ち、配列表配列番号1と配列表配列番号3に示したアミ
ノ酸配列をもとにPCR用デジェネレーションプライマ
ーを合成し、ヒト乳腺上皮細胞より調製したRNAから
逆転写反応により合成したcDNAを鋳型としてPCR
反応を行い、本発明蛋白質の遺伝子のクローニングを行
う。次いでクローニングされたcDNA断片をもとに、
3'RACE法及び5'RACE法により、本発明蛋白質の
全長cDNAをクローニングする。得られた本発明蛋白
質全長cDNAを発現ベクターに挿入して、本発明蛋白
質の発現プラスミドを作製し、これを各種の細胞又は菌
株に導入して形質転換させることにより、組み換え型の
本発明蛋白質を発現させることができる。
【0009】本発明の蛋白質は、乳由来のシスタチンC
として知られている物質やその他のシスタチンファミリ
ーの物質と比較して、そのN末端アミノ酸配列や内部の
アミノ酸配列が明らかに異なっており、又、遺伝子配列
のホモロジー検索を行ってもこのような配列を報告した
文献はなく、新規な蛋白質である。本発明の蛋白質の分
子量は、上記したようにSDS-PAGEの還元及び非還元条件
下のいずれにおいても、16±2kDa 又は13±2kDa のい
ずれかである。このうち、16±2kDa (以後、単に16kDa
という)を示す物質はPAS染色陽性であることから糖
鎖の存在が推定され、一方、13±2kDa (以後、単に13kD
a という) を示す物質はPAS染色陰性であることか
ら、糖鎖を有しない。この16kDa を示す物質を、N−グ
リカナーゼを用い常法によって脱グリコシレーション処
理を行い、SDS-PAGEにより分子量の変化を分析したとこ
ろ、処理後の蛋白質の移動度が13kDa の移動度と一致し
たことから、16kDa の物質は、13kDa の物質に糖鎖が付
加したものと考えられる。
【0010】本発明の蛋白質は、固定化したカルボキシ
メチル化パパインによるアフィニティークロマトグラフ
ィーとゲル濾過により、分子量の異なる2つの画分とし
て分離される。この分離した画分をゲルろ過及び逆相ク
ロマトグラーフィーに付すことにより、それぞれ単一の
ピークとして回収することができる。この逆相クロマト
グラフィー単一ピークをSDS-PAGEに付しても、やはり単
一のバンドとして検出される。このバンドの分子量は、
13±2kDa 及び16±2kDa の値を示す。逆相クロマトグ
ラフィーで単離した前記 13kDaと16kDa の各成分を、気
相法によるアミノ酸シーケンサーによりN末端アミノ酸
配列を分析すると、両者共に配列表配列番号1に記載し
た配列を示す。又、逆相クロマトグラフィーで単離した
各成分を還元ピリジルエチル化し、アルギニルエンドペ
プチダーゼを用いて常法によって加水分解を行い、再度
逆相クロマトグラフィーで分離し、特定のピークを分取
して内部アミノ酸配列を分析すると、配列表配列番号3
〜6に記載した配列が得られる。さらに後述するよう
に、本発明の蛋白質は乳中から分離されるシスタチンフ
ァミリー2の物質と比較して、同程度のシステインプロ
テアーゼ阻害活性を示す。さらに、本発明の蛋白質はゲ
ル等電点電気泳動法により等電点を測定すると、前記16
kDa の物質は 4.4〜4.6 を示し、13kDa の物質は 4.8〜
5.0 を示す。これらの特性により、本発明の蛋白質は特
定される。
【0011】また、本発明の蛋白質のパパインに対する
阻害活性は Barrettらの方法(Methods in Enzymology,
Vol.80, pp771(1981))に準じて測定することができ
る。即ち、0.1Mベンゾイル−D,L−アルギニン−4−
ニトロアニリド (Benzoil-D,L-arginine-4-nitroanilid
e)のジメチルスルホキシド溶液を基質とし、測定用の緩
衝液として、2mMのEDTAを含む20mMリン酸緩衝液
に、使用直前にシステインを終濃度8mMとなるように添
加した溶液を用いて、比色法により酵素の活性を測定す
ることにより酵素の阻害率を求めることができる。
【0012】本発明の蛋白質は、微生物あるいはウイル
スなどによる感染症、アレルギー、あるいは骨粗鬆症な
どの骨疾患の治療及び改善を目的とした医薬組成物とし
て、あるいはこのような疾患の免疫学的診断を確立する
ための抗原として有用である。本発明の蛋白質を含む製
剤は、医薬組成物あるいは食品等に配合することによ
り、ヒト及び動物に対して安全に投与されるものであ
る。医薬組成物の形態としては、注射剤、点滴用液剤、
坐剤、経鼻剤、舌下剤、経皮吸収剤などが挙げられる。
これらの製剤は、本発明の蛋白質の薬理学的有効量と製
剤学的に許容されうる担体との混合物であり、担体とし
てアミノ酸、糖類、セルロース誘導体及びその他の有機
又は無機化合物などの、一般的に添加される賦形剤又は
賦活剤を用いることができる。又、必要に応じてpH調
整剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添加すること
ができる。
【0013】以下の実施例によって本発明をより詳細に
説明するが、これらは単に例示するのみであり、これら
によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
【実施例1】システインプロテアーゼ阻害活性を有する蛋白質の単離 (1)システインプロテアーゼ阻害活性測定法 システインプロテアーゼに対する阻害活性は、パパイン
に対する阻害活性を Barrettらの方法(Methods in Enz
ymology, Vol.80, pp771(1981))に準じて測定した。即
ち、0.1Mベンゾイル−D,L−アルギニン−4−ニトロ
アニリド(Benzoil-D,L-arginine-4-nitroanilide、シグ
マ社) ジメチルスルホキシド溶液を基質とし、測定用の
緩衝液として、2mMのEDTAを含む20mMリン酸緩衝液
に、使用直前にシステインを終濃度8mMとなるように添
加した。パパイン(シグマ社)を0.5 mg/ml の濃度で、
システインを含まない測定用緩衝液に溶解した。又、反
応停止用溶液として30%酢酸溶液を使用した。測定は、
以下の手順で行った。測定用チューブに1mlのシステイ
ンを含むリン酸緩衝液と0.1 mlのパパイン溶液を入れ、
37℃で5分間インキュベートした。次いで、試料溶液0.
1 ml及び基質溶液30μlを加え攪拌した。37℃で30分間
反応後、0.2 mlの反応停止液を加え、410nm の吸光度を
測定した。インヒビター活性は次式(I)より求めた。
【0015】 比活性[unit/mg] ={ (A0-AI ) ×1.43}/{ 8.8×30× WS } (I) A0 : インヒビターフリーの吸光度 AI : サンプルの吸光度 WS : サンプル溶液中の蛋白質量[mg]
【0016】(2) システインプロテアーゼ阻害活性を有
する蛋白質の精製 1) エタノール沈澱 分娩後3日以内に搾乳したヒト初乳2lから遠心分離に
より脱脂乳を調製し、次いで超遠心分離によりホエーを
調製した。得られたホエーを氷冷しながら、終濃度30%
(v/v) になるようにエタノールを添加し、生じた沈殿を
遠心分離により除去した。さらに終濃度60%(v/v) とな
るようにエタノールを添加し、生じた沈殿を遠心分離に
より回収した。回収した沈殿に含まれるエタノールを除
去するため、沈澱を凍結乾燥した。
【0017】2) カルボキシメチル化パパインアフィニ
ティークロマトグラフィー カルボキシメチル化パパインをトレシルトヨパール(Tr
esyl-Toyopearl, 東ソー社) に結合させた担体を26φ×
150mm のカラムへ充填後、50mMリン酸−0.5M NaCl 緩衝
液 (pH7.0)で平衡化した。このカラムに、先の凍結乾燥
物をカラムの平衡化緩衝液に溶解後通液し、システイン
プロテアーゼ阻害活性を有する蛋白質を吸着させた。通
液後、平衡化に使用した緩衝液に 0.1% Tween-20 を添
加した溶液でカラムを洗浄した。次いで、50mMリン酸ナ
トリウム−0.5M NaCl 緩衝液 (pH11.5) で該蛋白質を溶
出させ、溶出画分を1M グリシン塩酸緩衝液 (pH3.0)で
直ちに中和した。
【0018】3) ゲルろ過 アフィニティークロマトグラフィーで調製した画分に対
し、セファクリルS-200 HR(ファルマシア社)を用いた
ゲルフィルトレーションを実施した。各画分の活性は実
施例1(1) に示したように、インヒビターフリーの吸光
度 (A0)及びサンプルの吸光度(A1)を求め、次式(II)
によって相対活性値を求めた。結果を図1に示す。
【0019】 活性〔%〕={(A0 −A1 )/A0 }×100 (II)
【0020】4) 逆相クロマトグラフィー ゲルろ過で調製した画分を分画分子量6kDa のフォロー
ファイバー型UF膜(旭化成製)により濃縮した。0.15
M の塩化ナトリウムを含む20mMリン酸ナトリウム緩衝液
で平衡化したカラム (26φ×750mm)に通液した。溶出液
を分取し、阻害活性を示す画分のうち、既知のシスタチ
ンと明らかに異なる二つのピークで、図1に矢印で示し
た画分 (本発明の 16kDa及び13kDa の蛋白質) を回収
し、それぞれ、逆相クロマトグラフィーに供した。VYDA
C 214TP54 (Vydac社) カラム(4.6mm×250mm)を用い、逆
相クロマトグラフィーを実施した。カラムの平衡化に
は、0.08% TFA (トリフロロ酢酸)を添加した5%
CH3 CN-95 %H2Oを、溶離液として、0.06%のTFAを
添加した80% CH3 CN-20 % H2Oを使用し、1%/分
の溶出速度で直線グラジエントによって溶出した。その
結果を図2及び図3に示した。図2は、13kDa の蛋白質
の溶出パターンを、図3は、16kDa の蛋白質の溶出パタ
ーンをそれぞれ示す。さらに、各ピークを分取し、阻害
活性を測定した。図中にP37又はP38で示した各ピーク
に活性が認められた。この活性画分の一部を同一条件で
逆相クロマトグラフィーに供した結果、それぞれ単一の
ピークを示した。2つの活性画分中には、本発明の 16k
Da及び 13kDaの蛋白質が、それぞれ38μg 及び57μg 含
まれていた。
【0021】
【実施例2】本発明蛋白質の特性 実施例1で得られた16kDa 及び13kDa の本発明の蛋白質
をそれぞれ 5mgづつ用い、特性値を測定した。(1)SDS-PAGE 実施例1(2)4) で得られた、逆相クロマトグラフィーで
精製した2種類の本発明の蛋白質をSDS-PAGE(Fast Syst
em, ファルマシア社) に供した。結果を図4に示す。16
kDa 及び13kDa の本発明の蛋白質は還元状態及び非還元
状態のいずれにおいても共に単一バンドを示し、不純物
は認められなかった。又、還元及び非還元条件下でも変
化が無いことから、両者共に単一のポリペプチドから成
ることが示された。又、これらの分子量は、それぞれ約
16kDa 及び約13kDa であることが確認された。
【0022】(2)パパイン阻害活性 精製した 16kDa及び13kDa の本発明の蛋白質、及び公知
のヒトシスタチンCのパパインに対する阻害活性を、実
施例1(1) の阻害活性測定法に従って比較した。その結
果を表1に示す。表1に示されるように、本発明の蛋白
質は、公知のヒトシスタチンCと同等及びそれ以上の比
活性を示した。
【0023】
【表1】 ─────────────────────── 比活性(unit/mg) ─────────────────────── 天然型本発明蛋白質(16KDa) 0.294 天然型本発明蛋白質(13KDa) 0.302 ヒトシスタチンC 0.283 ───────────────────────
【0024】(3)N末端アミノ酸配列 精製した16kDa 、13kDa の分子量を有する本発明の蛋白
質のN末端アミノ酸配列分析を、気相法によるアミノ酸
シーケンサー(120 A型アナライザー、ABI社)を用
いて実施した。両者とも18残基まで同定でき、両者は
完全に一致した。このことから、両画分とも同一のN末
端配列を有するペプチド鎖を含んでいることが確認され
た。この配列を配列表配列番号1に示した。又、比較の
ために公知のヒトシスタチンCの配列を配列表配列番号
2に示した。公知のヒトシスタチンCと本発明の蛋白質
(16±2kDa及び13±2kDa) は、全く異なる配列であっ
た。
【0025】(4)精製した13kDa 及び16kDa の蛋白質
の内部アミノ酸配列分析 精製した本発明の蛋白質(16kDa 及び13kDa)の内部アミ
ノ酸配列の分析を行った。即ち、精製した本発明の蛋白
質をそれぞれ還元ピリジルエチル化し、アルギニルエン
ドペプチダーゼ(宝酒造社)で加水分解し、ついで逆相
クロマトグラフィーでペプチドマッピングを行った。結
果を図5(13kDaの蛋白質) 及び図6(16kDa の蛋白質)
に示す。それぞれの図のAP-3及び AP-3'で示したピーク
の溶出時間 (AP-3: 50.4分, AP-6: 61.3分, AP-3': 46.
4 分,AP-6': 61.4 分) やピークの形状が全く異なって
いたがその他のピークには顕著な差は認められなかっ
た。そこでAP-6及び AP-6'とともに、アミノ酸配列を解
析した。アミノ酸配列の分析は実施例2(3) と同様に行
った。これらの配列を配列表配列番号3から6に示す。
AP-6 (配列番号3) とAP-6'(配列番号4) のペプチドの
配列は完全に一致していた。又、 AP-3(配列番号5) と
AP-3'(配列番号6) ではAP-3' の未同定な1残基を除き
一致していた。AP-3' の未同定アミノ酸残基及びその前
後部分に相当するAP-3の配列は-Asn-Ser-Ser- であり、
この配列はN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列、
即ち -Asn-Xaa-Ser/Thr-(Xaaは任意のアミノ酸残基)と
一致していた。又、糖鎖が結合しているAsn 残基は通常
のアミノ酸配列分析では同定できないこと、及び16kDa
の蛋白質が糖蛋白質であることから、AP-3' の未同定の
アミノ酸残基は糖鎖を結合したAsn 残基と推定される。
【0026】(5)糖鎖の有無 精製した16kDa 及び13kDa の本発明の蛋白質の糖鎖の有
無を、PAS染色法で確認した。その結果、16kDa の蛋
白質のみが陽性を示し、糖鎖を含有していることが確認
された。
【0027】(6)等電点 両画分をゲル等電点電気泳動法(Fast system 、ファル
マシア社) に供し、pI値(等電点)を求めた。その結
果、16kDa の蛋白質のpI値は4.4-4.6 を示し、13kDa
の蛋白質のpI値は、4.8-5.0 を示した。この結果か
ら、本発明蛋白質は、糖鎖を含有する分子量16kDa と糖
鎖を有しない13kDa の2つの分子量を持つ物質であるこ
とが確認された。
【0028】
【実施例3】本発明蛋白質の遺伝子クローニング (1)本発明蛋白質の遺伝子クローニング アミノ酸配列分析の結果をもとに、PCR反応用のプラ
イマーを合成した。即ち、配列表配列番号1に示したN
末端アミノ酸配列をコードするDNA配列、及び配列表
配列番号3から6に示した内部アミノ酸配列をコードす
るDNA配列を推定して、デジェネレートプライマーを
合成した。デジェネレートプライマーの配列を、表2に
示す。又、鋳型として、正常ヒト乳腺上皮細胞 (Mammar
y Pack、クラボウ社)より調製したmRNA由来一本鎖
cDNAを用い、PCR反応を行った。反応終了後、反
応液を2%アガロースゲル電気泳動に付したところ、約
200bp の顕著なバンドが認められた。このフラグメント
を回収し、 DNA BluntingKit (宝酒造社)によりフラ
グメントの末端を平滑化した後、あらかじめ制限酵素Hi
ncIIで切断処理したプラスミドベクターpUC119(宝酒造
社)とライゲーションさせた。次いで、ライゲーション
混合物により大腸菌JM109 (宝酒造社)を形質転換し
た。形質転換によりアンピシリン耐性株となった中から
PCR法により200bp の挿入フラグメントを有する株を
選定した。選定した株からプラスミドを精製し、挿入フ
ラグメントの塩基配列を解析したところ、実施例2(3)
又は(4) で示した本発明の蛋白質のアミノ酸配列の一部
をコードしていた。
【0029】
【表2】
【0030】(2)RACE法による3'末端領域の塩基
配列解析 実施例3(1) で得られたcDNA配列をもとにプライマ
ーを合成し、 3' RACE法とネステッドPCR法を組
み合わせた方法により、本発明蛋白質の3'末端領域の塩
基配列を解析した。一連の操作に用いるプライマーとし
て、本発明の蛋白質の固有なアミノ酸配列をコードする
プライマー#1(配列表配列番号9)及びプライマー#
2(配列表配列番号10)を、逆転写用のプライマーと
してはプライマー#3(配列表配列番号11)を、RA
CE反応用としてプライマー#4(配列表配列番号1
2)をそれぞれ合成した。プライマー#2には制限酵素
EcoRI 及びKpnIの切断サイトを、プライマー#3及び#
4には制限酵素SalI, PstI,HindIII の切断サイトをデ
ザインした。実施例3(1) で使用したヒト乳腺上皮細胞
由来のmRNAから、プライマー#3を用いて一本鎖c
DNAを合成し、これを鋳型としてプライマーをセンス
プライマー、プライマー#4をアンチセンスプライマー
としてPCR反応を行った。反応後の反応液の一部を取
り1000倍に希釈して次に行うネステッドPCR反応の鋳
型とし、プライマーには#2及び#4を用いた。ネステ
ッドPCR反応後, 反応液を2%アガロースゲル電気泳
動に付したところ、 300bpの顕著なバンドが認められ
た。このフラグメントを回収し、制限酵素EcoRI 及びHi
ndIII で処理後、あらかじめ制限酵素 EcoRI及びHindII
I で切断しておいたプラスミドベクターpUC18 (宝酒造
社)とライゲーションさせた。以後は実施例3(1) と同
様にして、挿入フラグメントの配列を解析した。得られ
た塩基配列は、実施例2(4) で示した本発明の蛋白質の
内部アミノ酸配列をコードしていた。
【0031】(3)RACE法による5'末端領域の塩基
配列 RACE法によって本発明の蛋白質遺伝子の5'末端領域
の塩基配列を決定した。デザインしたプライマーは、プ
ライマー#5(配列表配列番号13)及びプライマー#
6(配列表配列番号14)であり、これらは本発明蛋白
質に固有なアミノ酸配列をコードする。又、目的の遺伝
子を検索するプローブとして、DIG標識したcDNA
を調製した。即ち、(1) で得られた配列をもとにして、
プライマー#7(配列表配列番号15)及びプライマー
#8(配列表配列番号16)を合成し、実施例3(1) で
得られたプラスミドを鋳型としてPCR反応によってプ
ローブを調製した。PRC反応で、 DIG DNA Labeling
Mix (ベーリンガーマンハイム社)を反応液に添加し
て、PCR産物をDIG 標識しプローブとした。PRC反
応終了後、バイオスピンカラムP6(バイオラット社)
を用いて目的のプローブを精製した。 5' RACEは以
下の手順で行った。まずヒト乳腺上皮細胞よりmRNA
を精製し、プライマー#5を用いて一本鎖cDNAを合
成し、その5'末端にデオキシリボヌクレオチド末端転位
酵素(ギブコ社)を用いて、ポリAテイルを付加させ
た。次にポリAをテイル付加した一本鎖cDNAを鋳型
として、プライマー#6及び#3をプライマーとしてP
CR反応を行った。反応液の一部を2%アガロースゲル
電気泳動に付した。又、ニトロセルロースメンブランに
転写後、DIGプローブを用いて目的の遺伝子をサザン
ブロッティングで検索したところ、 250bpのバンドが検
出された。このフラグメントを回収し、制限酵素EcoRI
及びHindIII で末端を処理した後実施例3(2) と同様に
サブクローニングして挿入断片の配列を解析した。得ら
れた塩基配列は、実施例2(4) で示した本発明蛋白質の
アミノ酸配列をコードしていた。
【0032】(4)本発明の蛋白質全長遺伝子のクロー
ニング PCR法により、本発明の蛋白質の全長遺伝子をクロー
ニングした。プライマーにプライマー#9(配列表配列
番号17)及びプライマー#10(配列表配列番号1
8)を用い、制限酵素によって容易に切り出せるように
デザインした。実施例3(1) で用いた一本鎖cDNAを
鋳型として、PCR法によりクローニングした。PCR
法、サザンブロッティング、塩基配列等の解析によっ
て、目的の遺伝子を挿入断片として有するクローンを選
別した。得られたクローンには、N末端のArg 残基から
121 番目のMet 残基までをコードする遺伝子を有してい
た。このクローンより得られたプラスミドを、pUC-hcm1
と命名した。配列表配列番号7に本発明蛋白質のcDN
A配列を、配列表配列番号8にそれがコードするアミノ
酸配列を示す。
【0033】
【発明の効果】本発明によりシステインプロテアーゼ阻
害活性を有する新規蛋白質及びその製造方法が提供され
る。本発明の蛋白質は、その活性より、抗体産生促進効
果及び破骨細胞の骨吸収作用に対する阻害効果を示し、
抗ウイルス剤、抗アレルギー剤、あるいは骨粗鬆症など
の骨疾患の予防及び/又は治療剤として有用である。
【0034】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Arg Pro Gln Glu Arg Met Val Gly Glu Leu Arg Asp Leu Ser Pro Asp 1 5 10 15 Asp Pro
【0035】配列番号:2 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Ser Pro Gly Lys Pro Pro Pro Arg Leu Val Gly Gly Pro Met Asp 1 5 10 15 Ala Ser
【0036】配列番号:3 配列の長さ:28 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Thr His Ile Ile Lys Ala Gln Ser Gln Leu Val Ala Gly Ile Lys 1 5 10 15 Lys Try Phe Leu Thr Met Glu Met Gly Ser Thr Asp Cys 20 25
【0037】配列番号:4 配列の長さ:28 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Thr His Ile Ile Lys Ala Gln Ser Gln Leu Val Ala Gly Ile Lys 1 5 10 15 Tyr Phe Leu Thr Met Glu Met Gly Ser Thr Asp Cys 20 25
【0038】配列番号:5 配列の長さ:22 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys Asp Phe Glu Val Leu Val Val Pro Trp Gln Asn Ser Ser Gln Leu 5 10 15 Leu Lys His Asn Cys Val 20
【0039】配列番号:6 配列の長さ:22 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys Asp Phe Glu Val Leu Val Val Pro Trp Gln Xaa Ser Ser Gln Leu 1 5 10 15 Leu Lys His Asn Cys Val 20
【0040】配列番号:7 配列の長さ:450 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列の特徴: 特徴を表す記号: sig peptide 存在位置: 1..84 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号: CDS 存在位置: 85..447 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号: terminator 存在位置: 448..450 特徴を決定した方法:E 配列 atggcgcgtt cgaacctccc gctggcgctg ggcctggccc tggtcgcatt ctgcctcctg 60 gcgctgccac gcgacgcccg ggcccggccg caggagcgca tggtcggaga actccgggac 120 ctgtcgcccg acgacccgca ggtgcagaag gcggcgcagg cggccgtggc cagctacaac 180 atgggcagca acagcatcta ctacttccga gacacgcaca tcatcaaggc gcagagccaa 240 ctggtggccg gcatcaagta cttcctgacg atggagatgg ggagcacaga ctgccgcaag 300 accagggtca ctggagacca cgtcgacctc accacttgcc ccctggcagc aggggcgcag 360 caggagaagc tgcgctgtga ctttgaggtc cttgtcgttc cctggcagaa ctcctctcag 420 ctcctaaagc acaactgtgt gcagatgtga 450
【0041】配列番号:8 配列の長さ:149 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Ala Arg Ser Asn Leu Pro Leu Ala Leu Gly Leu Ala Leu Val Ala -25 -20 -15 Phe Cys Leu Leu Ala Leu Pro Arg Asp Ala Arg Ala Arg Pro Gln Glu -10 -5 -1 1 Arg Met Val Gly Glu Leu Arg Asp Leu Ser Pro Asp Asp Pro Gln Val 5 10 15 20 Gln Lys Ala Ala Gln Ala Ala Val Ala Ser Tyr Asn Met Gly Ser Asn 25 30 35 Ser Ile Tyr Tyr Phe Arg Asp Thr His Ile Ile Lys Ala Gln Ser Gln 40 45 50 Leu Val Ala Gly Ile Lys Tyr Phe Leu Thr Met Glu Met Gly Ser Thr 55 60 65 Asp Cys Arg Lys Thr Arg Val Thr Gly Asp His Val Asp Leu Thr Thr 70 75 80 Cys Pro Leu Ala Ala Gly Ala Gln Gln Glu Lys Leu Arg Cys Asp Phe 85 90 95 100 Glu Val Leu Val Val Pro Trp Gln Asn Ser Ser Gln Leu Leu Lys His 105 110 115 Asn Cys Val Gln Met 120
【0042】配列番号:9 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 agcaacagca tctactactt 20
【0043】配列番号:10 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 gagaattcgg taccatcaag tacttcctga cgat 34
【0044】配列番号:11 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 gagtcgactg cagaagcttt tttttttttt tttt 34
【0045】配列番号:12 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 gagtcgactg cagaagct 17
【0046】配列番号:13 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 tcaaagtcac agcgcagctt 20
【0047】配列番号:14 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 gagaattcgg taccatcgtc aggaagtact tgat 34
【0048】配列番号:15 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 aggagcgcat ggtcggagaa 20
【0049】配列番号:16 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ctggtcttgc ggcagtctgt 20
【0050】配列番号:17 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 gaattcaggc ctcggccgca ggagcgcat 29
【0051】配列番号:18 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 aagcttcatc tgcacacagt tgtg 24
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明蛋白質のゲル濾過による分画プロファイ
ルを示す。
【符号の説明】
─●−:活性 ───:OD280nm の吸光度
【図2】ゲル濾過によって得られた分子量13kDa の本発
明蛋白質の、逆相HPLCにおける溶出プロファイルを
示す。
【図3】ゲル濾過によって得られた分子量16kDa の本発
明蛋白質の、逆相HPLCにおける溶出プロファイルを
示す。
【図4】HPLCにより分画した本発明の蛋白質の、SD
S-PAGEの泳動パターンを示す。
【符号の説明】
1:分子量16kDa の本発明蛋白質の還元条件下における
パターン 2:分子量13kDa の本発明蛋白質の還元条件下における
パターン 3:分子量16kDa の本発明蛋白質の非還元条件下におけ
るパターン 4:分子量13kDa の本発明蛋白質の非還元条件下におけ
るパターン
【図5】分子量13kDa の本発明の蛋白質加水分解物の、
逆相HPLCにおける溶出プロファイルを示す。
【図6】分子量16kDa の本発明の蛋白質加水分解物の、
逆相HPLCにおける溶出プロファイルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C12P 21/02 C // A61K 38/55 ABF C12N 9/99 ABJ A61K 37/64 ABF ADY ABJ C12N 9/99 ADY (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の特性を示すシステインプロテアーゼ
    阻害活性を有する蛋白質。 (1) 還元及び非還元条件下のSDS-PAGEによる分子量測
    定で、13±2kDa又は16±2kDaを示す。 (2) 13±2kDaの蛋白質はPAS 染色陰性で、等電点 4.8
    〜5.0 を示す。16±2 kDa の蛋白質は PAS染色陽性で等
    電点 4.4〜4.6 を示す。 (3) 配列表配列番号1に示されるN末端アミノ酸配列
    を有する。 (4) 固定化したカルボキシメチル化パパインに結合性
    を有する。 (5) カテプシンLに特異的な阻害活性を有する。
  2. 【請求項2】 配列表配列番号3及び5に示される内部
    アミノ酸配列を有する、請求項1記載の蛋白質。
  3. 【請求項3】 配列表配列番号4及び6に示される内部
    アミノ酸配列を有する、請求項1記載の蛋白質。
  4. 【請求項4】 配列表配列番号7に示されるアミノ酸配
    列を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の蛋白質。
  5. 【請求項5】 配列表配列番号7で示されるアミノ酸配
    列をコードするcDNA。
  6. 【請求項6】 配列表配列番号8に示される塩基配列を
    有する、請求項1〜4のいずれかに記載の蛋白質をコー
    ドするDNA。
  7. 【請求項7】 人乳をカルボキシメチル化パパイン固定
    化担体を用いたアフィニティクロマトグラフィーにかけ
    てシスタチン画分を吸着させ、この吸着画分をアルカリ
    条件下で溶出させ、ゲルろ過及び逆相クロマトグラフィ
    ーにより精製することを特徴とする請求項1記載のシス
    テインプロテアーゼ阻害活性を有する蛋白質の製造法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1040833A1 (en) * 1999-03-30 2000-10-04 Snow Brand Milk Products, Co., Ltd. Bone resorption suppressing agent
EP1161881A3 (en) * 2000-06-09 2004-05-06 Snow Brand Milk Products, Co., Ltd. Method of producing fractions containing a high concentration of milk basic cystatin and decomposition products thereof
WO2004050116A1 (ja) * 2002-11-29 2004-06-17 Morinaga Milk Industry Co., Ltd. プロテアーゼ阻害剤
EP1602284A1 (en) * 2000-06-09 2005-12-07 Snow Brand Milk Products, Co., Ltd. Method of producing fractions containing a high concentration of milk basic cystatin and decomposition products thereof

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