JPH1078064A - ディスクブレーキ用ディスクロータ - Google Patents

ディスクブレーキ用ディスクロータ

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JPH1078064A
JPH1078064A JP23559696A JP23559696A JPH1078064A JP H1078064 A JPH1078064 A JP H1078064A JP 23559696 A JP23559696 A JP 23559696A JP 23559696 A JP23559696 A JP 23559696A JP H1078064 A JPH1078064 A JP H1078064A
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brake
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disk
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
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  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】可聴域のブレーキ鳴きを防止するディスクブレ
ーキ用ディスクロータを提供する。 【解決手段】ディスクロータ2のブレーキパッドが摺動
接触する環状摺動板部2aにおける軸方向の面内方向固
有振動数に対して接線方向の面外方向固有振動数が連成
振動を発生しない離間周波数例えば800Hz以上好ま
しくは900Hz以上離間するように環状摺動板部2a
の曲げ剛性を調整し、これによって制動時の面外方向固
有振動数の変化による面内方向固有振動数との連成振動
の発生を防止してブレーキ鳴きを防止する。ここで、環
状摺動板部2aの曲げ剛性はその板厚を変更するか又は
ベンチレーテッドロータである場合にはベンチホールを
形成するリブの幅及び本数の何れかを変更することで調
整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪と共に回転するデ
ィスクロータを一対のブレーキパッドで両側から挟み込
むことにより制動を行うディスクブレーキに使用するデ
ィスクロータに関し、特にブレーキ鳴きを防止するよう
にしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来のディスクブレーキ用ディスクロー
タとしては、例えば特開昭58−200827号公報
(以下、第1従来例と称す)、特開昭59−17035
号公報(以下、第2従来例と称す)及び特開平7−12
151号公報(以下、第3従来例と称す)に記載された
ものがある。
【0003】第1従来例は、制動時のディスクロータに
おけるパッド押圧部が常に加振点となってロータ面外振
動モードが空間固定となることによりブレーキ鳴きが発
生するものと考え、面外振動モードの腹の数に合わせて
冷却フィンの間隔及び幅の何れか一つを3〜7回周期的
に変化させることにより特定の鳴き音の発生を防止する
ようにしている。
【0004】第2従来例も、上記第1従来例と同様にブ
レーキ鳴きの原因として制動時のディスクロータにおけ
るパッド押圧部が常に加振点となってロータ面外振動モ
ードが空間固定となることを考え、環状摺動板部の1直
径に沿う部位の剛性を他の部位の剛性に比較して所定量
低くすることによりと全ての直径節の定常な振動モード
の発生を防止してブレーキ鳴きを低減させるようにして
いる。
【0005】第3従来例は、第1従来例及び第2従来例
とは異なり、ロータの面内振動がハット部に拘束され、
摺動部の面外振動が発生することによりブレーキ鳴きが
発生すると考え、この対策として、ハット部と摺動部と
を連設する円筒状の縦壁部にその剛性を下げる剛性低下
部を設けることにより、ブレーキ鳴きを大幅に低減させ
るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1及び第2従来例にあっては、制動時のパッド押圧部が
常に加振点となってロータ面外振動が空間固定となって
いることがブレーキ鳴きの原因として、1直径に沿う部
位の剛性を他の部位より低くするか、冷却フィンの間隔
及び幅の何れか一方を周期的に変化させて直径節共振で
の曲げ振動を抑制するようにしているが、これだけでは
ブレーキ鳴きの十分な抑制効果を発揮することができな
いという未解決の課題がある。
【0007】また、第3従来例にあっては、摺動部の面
振変動即ち軸方向振動がハット部と摺動部とを連設する
縦壁部で摺動部が拘束されるために発生し、これがブレ
ーキ鳴きの原因となるものとして、縦壁部にその剛性を
低下させる剛性低下部を形成するようにしているが、こ
れでもブレーキ鳴きに対して十分な抑制効果を発揮する
ことができないと共に、縦壁部の剛性が低下している分
例えば6KHz以下の低周波鳴きに対しては、ロータ摺
動部の剪断方向振動、捩じり方向振動が増大するため鳴
きが悪化するという未解決の課題がある。
【0008】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、ブレーキ鳴きの発
生原因を解析したことによりブレーキ鳴きを確実に防止
することができるディスクブレーキ用ディスクロータを
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、一対のブレーキパッドによ
って挟圧される環状摺動板部を外周縁に備えているディ
スクブレーキ用ディスクロータにおいて、前記環状摺動
板部のロータ面内方向固有振動数とロータ面外方向固有
振動数とを両者間の連成振動を抑制可能な周波数分離間
させたことを特徴としている。
【0010】また、請求項2に係る発明は、請求項1の
発明において、前記連成振動を抑制可能な周波数は、9
00Hz以上であることを特徴としている。さらに、請
求項3に係る発明は、一対のブレーキパッドによって挟
圧される環状摺動板部を外周縁に備えているディスクブ
レーキ用ディスクロータにおいて、前記環状摺動板部の
ロータ面内方向固有振動数に対して、前記環状摺動板部
の曲げ剛性を調整することにより、ロータ面外方向固有
振動数を両者間の連成振動を抑制する周波数分離間させ
たことを特徴としている。
【0011】さらにまた、請求項4に係る発明は、請求
項3の発明において、前記環状摺動板部の曲げ剛性は板
厚を変更することにより調整するようにしたことを特徴
としている。
【0012】なおさらに、請求項5に係る発明は、請求
項3の発明において、前記環状摺動板部の曲げ剛性は環
状摺動板部に形成したベンチホールを形成するリブの幅
及び本数の何れか一方を変更することにより調整するよ
うにしたことを特徴としている。
【0013】本発明においては、本願発明者がディスク
ロータの環状摺動部に軸方向加振及び接線方向加振を行
って、環状摺動部に軸方向の面内振動及び接線方向の面
外振動を発生させて種々の解析を行ったところ、ディス
クロータの環状摺動部には、軸方向加振点応答関数には
面外方向固有モードが大きく励起されて複数の周波数で
ピークを有するロータ面外方向固有振動数が存在すると
共に、接線方向加振点応答関数には面内方向固有モード
が大きく励起されて複数の周波数でピークを有するロー
タ面内方向固有振動数が存在し、面外方向固有振動数と
面内方向交遊振動数の周波数は一般のディスクロータ単
体では互いに600Hz〜700Hz程度離れており、
互いに共振系を構成することはない。
【0014】ところが、制動時にディスクロータの環状
摺動部に一対のパッド部が当接してこれらに液圧が付加
されると、面外固有振動数が500Hz程度上昇すると
共に、摩擦係数によっても面外固有振動数が100Hz
程度上昇することになり、この面外固有振動数の増加に
よって面内固有振動数に近づき両者で連成振動を発生し
共振系が構成されて耳障りな例えば6Hz以上の高周波
ブレーキ鳴きが発生することが判明した。
【0015】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであり、ディスクロータの面外固有振動数と面内固有
振動数とを制動時の面外固有振動数の増加によって連成
振動を発生しない周波数分離間させることにより、連成
振動の発生を抑制するようにしたものである。
【0016】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、ディスク
ロータの面外固有振動数と面内固有振動数とを制動時の
面外固有振動数の増加によって連成振動を抑制可能な周
波数分離間させたので、制動時に面外固有振動数が増加
して面内固有振動数に近づいたとしても、両者の連成振
動が発生することを確実に防止することができ、耳障り
な高周波ブレーキ鳴きを確実に防止することができる。
【0017】また、請求項2に係る発明によれば、面外
固有振動数と面内固有振動数との周波数差を900Hz
以上としたので、制動時の連成振動の発生を確実に防止
して、高周波ブレーキ鳴きを確実に防止することができ
る。
【0018】さらに、請求項3に係る発明によれば、ロ
ータ面外方向固有振動数を前記環状摺動板部の曲げ剛性
を調整することにより、ロータ面内方向固有振動数に対
して両者間の連成振動を抑制する周波数分離間させたの
で、高周波ブレーキ鳴きの発生を防止することができる
と共に、ハット部と連設する縦壁部の形状を変化させな
いので、低周波鳴きの悪化が生じることも確実に防止す
ることができるという効果が得られる。
【0019】さらにまた、請求項4に係る発明によれ
ば、環状摺動板部の曲げ剛性を板厚を変更することによ
り調整するので、冷却性能に影響を与えることなく面外
方向固有振動数の調整幅を大きくとることができるとい
う効果が得られる。
【0020】なおさらに、請求項5に係る発明によれ
ば、環状摺動板部の曲げ剛性は環状摺動板部に形成した
ベンチホールを形成するリブの幅及び本数の何れか一方
を変更することにより調整するので、板厚を変更する場
合のように大きな重量変化を伴うことなく曲げ剛性を調
整することができるという効果が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明を適用し得るディスク
ブレーキを示す断面図である。
【0022】図中、1はディスクブレーキであって、車
輪に取付けられてこれと一体に回転するディスクロータ
2と、このディスクロータ2の環状摺動板部2aを挟ん
で対向するブレーキパッド3A,3Bと、これらブレー
キパッド3A,3Bを支持するシリンダボディ4と、こ
のシリンダボディ4に内装されて一方のブレーキパッド
3Bを支持するピストン5とを備えている。
【0023】ディスクロータ2は、図2に示すように、
ディスクパッド3A,3Bが摺動接触する環状摺動板部
2aと、この環状摺動板部2aの内周縁に一体に形成さ
れた円筒板部2bと、この円筒板部2bの自由端側に一
体に形成された中心開口2cを有すると共に、ホイール
ハブ(図示せず)を取付けるための取付孔2dを有する
環状取付板部2eとで構成されている。
【0024】ここで、ディスクロータ2の環状摺動板部
2aの接線方向即ち面外方向の固有振動数は7節直径モ
ードで7575Hzに選定され、軸方向即ち面内方向の
固有振動数は回転1次モードで8475Hzに選定さ
れ、両者の差である離間周波数が900Hzに選定され
ている。
【0025】このように離間周波数を900Hzに選定
した理由は、以下の通りである。すなわち、本発明者は
図3に示すようにディスクロータ2の面外方向(接線方
向)固有振動数及び面内方向(軸方向)固有振動数をイ
ンパクト加振試験によって種々測定した。
【0026】このインパクト加振試験は、面外方向につ
いては直径及び高さとも5mm程度の鋼鉄製円柱を環状
摺動板部2aの外周面に瞬間接着材で接着して加振し、
面内方向については15KHzまでの周波数特性を有す
る軽量インパクトハンマーで加振し、これらの応答を軽
量加速度計で計測し、これをFFT(高速フーリエ変換
装置)で周波数分析することにより行った。
【0027】ここで、ロータ面外方向固有振動数につい
ては、軸方向加振点応答関数には、面外方向固有モード
が大きく励起されているため、図4に示すように、ピー
クを有する周波数をロータ面外方向固有振動数として特
定し、同様にロータ面内方向固有振動数については、接
線方向加振点応答関数には、面内方向固有モードが大き
く励起されているため、図5に示すようにピークを有す
る周波数をロータ面内方向固有振動数として特定した。
【0028】そして、種々の実験を行って、理論解析及
び実験解析を行った結果、ブレーキ鳴き発生のメカニズ
ムは、ロータ面外方向固有振動数と可聴域の面内方向固
有振動数が連成することによってブレーキ系が不安定に
なり2〜16Hzの耳障りな高周波異音であるブレーキ
鳴きが発生することを知見した。
【0029】すなわち、ブレーキ鳴きを発生するディス
クロータは、例えば面外固有振動数が6節直径モードで
8900Hz及び面内固有振動数が回転1次モードで9
050Hzで両者の離間周波数が150Hzのもの、面
外固有振動数が6節直径モードで7550Hz及び面内
固有振動数が回転1次モードで7920Hzで両者の離
間周波数が370Hzのもの、面外固有振動数が8節直
径モードで11450Hz及び面内固有振動数が回転2
次モードで12225Hzで両者の離間周波数が775
Hzのものがあった。
【0030】これらの結果から、ブレーキ鳴きを発生す
るディスクロータは、面外固有振動数と可聴域の面内固
有振動数との周波数差が800Hz未満に設定されるも
のであることが確認された。
【0031】ここで、ブレーキ鳴きを発生するメカニズ
ムとしては、ディスクロータ単体では、面外固有振動数
と面内固有振動数とは、最低でも150Hz離間してい
るので、非制動時には両者の振動系が連成して振動する
ことはないが、制動時にピストン5に液圧を付加してブ
レーキパッド3A,3Bをディスクロータ2の環状摺動
板部2aに摺動接触させると、環状摺動板部2aの面内
固有振動数はほとんど変化しないが、面外固有振動数は
500Hz程度上昇し、且つブレーキパッド3A,3B
との摩擦係数によっても100Hz程度上昇することが
分かり、これによって面外固有振動数と面内固有振動数
とが互いに連成して振動を発生し、これがブレーキ鳴き
となることが知見された。
【0032】したがって、ブレーキ鳴きを防止するため
には、ディスクロータ2における環状摺動板部2aの面
外固有振動数と面内固有振動数とを少なくとも800H
z以上好ましくは900Hz以上離間させればよいこと
が確認された。
【0033】ここで、面外固有振動数と面内固有振動数
とを800Hz以上離間させるとは、前述したように、
面外方向固有振動数及び面内方向固有振動数は共に図4
及び図5に示すように、1つの周波数ではなく複数の周
波数で存在するので、1つの面外方向固有振動数を例え
ば可聴域となる1次の面内方向固有振動数から800H
z以上となる大きな周波数分離間させた結果、他の面外
方向固有振動数が1次又は2次面内方向固有振動数に8
00Hz未満に近づいた場合には、制動時に連成振動を
生じることになるため、この点を考慮して面外方向固有
振動数と面内方向固有振動数とを選定する必要がある。
【0034】ところで、面内方向固有振動数は、環状摺
動板部2aの外径D1 が決定されると自ら定まり、環状
摺動板部2aの板厚の変化には影響されないが、面外方
向固有振動数は環状摺動部の曲げ剛性に大きく影響され
ることが実験から知見された。
【0035】このため、ブレーキ鳴きを生じないディス
クロータ2を製作するには、先ず、環状摺動板部2aの
外径D1 を決定し、これによって定まる面内方向固有振
動数に対して、環状摺動板部2aの板厚を調整すること
により、面外方向固有振動数を連成振動を生じない離間
周波数800Hz以上好ましくは900Hz以上離間さ
せる。
【0036】上記を考慮して、ディスクロータ2の環状
摺動板部2aの外径D1 を278mm、内径D2 を15
4mm、板厚t1 を9mmに選定すると共に、参考まで
に円筒板部2bの外径D3 を163mm、板厚t2
4.5mm、高さHを30.5mmに選定し、環状取付
板部2eの板厚t3 を5mmに選定したときに、前述し
たように環状摺動板部2aのロータ面外方向固有振動数
が7節直径モードで7575Hz、ロータ面内方向固有
振動数が回転1次で8575Hzとなり、両者の離間周
波数が900Hzとなり、制動時のブレーキ鳴きを確実
に防止することができた。
【0037】このように、上記実施形態によると、環状
摺動部2aの外径D1 を決定することにより、面内方向
固有振動数が定まった状態で、環状摺動部2aの板厚t
を調整して、環状摺動部2aの曲げ剛性を変化させるこ
とにより、面外方向固有振動数を面内方向固有振動数と
の離間周波数が制動時に連成振動を生じない周波数即ち
800Hz以上好ましくは900Hz以上となるように
選定することにより、高周波域でのブレーキ鳴きを確実
に防止することができる。
【0038】そして、このブレーキ鳴きを防止するため
には、環状摺動部2aの板厚を調整するだけでよく、円
筒板部2bには剛性低下部を形成する必要がないので、
前述した第3従来例のように低周波数域でのブレーキ鳴
きを生じることもない。
【0039】また、環状摺動板部2aの板厚を調整する
ことにより、曲げ剛性を変更して、面外方向固有振動数
を調整するので、冷却性能に影響を与えることなく面外
方向固有振動数の調整幅を大きくとることができる。
【0040】なお、上記実施形態においては、環状摺動
部2aが円板状であり、板厚を調整することにより、曲
げ剛性を変更して面外方向固有振動数を調整する場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、環
状摺動部2aのブレーキパッド3A,3Bが摺接する円
周領域とそれ以外の領域とを異なる厚みとすることによ
り、曲げ剛性を変化させたり、環状摺動板部2aの板厚
を均一とするが、ブレーキパッド3A,3Bが摺接しな
い内周側領域に内周縁から切り込みを入れたり、前後面
に溝を形成することにより曲げ剛性を変化させることも
できる。
【0041】また、上記実施形態においては、環状摺動
板部2aが中実円板状であるディスクロータに本発明を
適用した場合について説明したが、これに限定されるも
のではなく、図6(a),(b)に示すように、環状摺
動板部2aに、内周面から外周面に貫通する放射状の多
数のベンチホール11を形成したベンチレーテッドロー
タ12にも本発明を適用することができ、この場合に
は、図6(b)に示すように、ベンチホール11を形成
するリブ13の軸方向高さtr とこれを挟む板部12
a,12bの板厚ta,b とを変更することにより、環
状摺動板部2aの曲げ剛性を調整することができる他、
ペンチホール11を形成するリブ13の幅w又はリブ本
数を変更することによっても環状摺動板部2aの曲げ剛
性を調整することができ、これによって面外方向固有振
動数を調整することができ、この場合には、板厚を変更
する場合のように大きな重量変化を伴うことなく曲げ剛
性を調整することが可能となる。
【0042】この図6の例では、環状摺動板部2aの外
径D1 を280mm、内径D2 を160mm、板厚ta
及びtb を10mm、リブ高さtr を8mm、円筒板部
2cの外径D3 を154mm、板厚t2 を5mm、高さ
Hを18mm、環状取付板部2eの板厚t3 を7.5m
mに設定することにより、面外方向固有振動数が5節直
径モードで6725Hz、面内方向固有振動数を回転1
次モードが8075Hzとなって、両者の離間周波数は
1350Hzとなり、ブレーキ鳴きを確実に防止するこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したディスクブレーキを示す断面
図である。
【図2】本発明のディスクブレーキ用ディスクロータを
示す図であって、(a)は正面図、(b)は断面図であ
る。
【図3】ディスクロータのインパクト加振試験方法の説
明に供する斜視図である。
【図4】ロータ面外方向固有振動数の説明に供する軸方
向加振時の周波数と伝達関数との関係を示す特性線図で
ある。
【図5】ロータ面内方向固有振動数の説明に供する接線
方向加振時の周波数と伝達関数との関係を示す特性線図
である。
【図6】ディスクブレーキの他の実施形態を示す図であ
って、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 ディスクブレーキ 2 ディスクロータ 2a 環状摺動板部 2b 円筒板部 2e 環状取付板部 3A,3B ブレーキパッド 4 シリンダボディ 5 ピストン 11 ベンチホール 12 ベンチレーテッドロータ 13 リブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のブレーキパッドによって挟圧され
    る環状摺動板部を外周縁に備えているディスクブレーキ
    用ディスクロータにおいて、前記環状摺動板部のロータ
    面内方向固有振動数とロータ面外方向固有振動数とを両
    者間の連成振動を抑制可能な周波数分離間させたことを
    特徴とするディスクブレーキ用ディスクロータ。
  2. 【請求項2】 前記連成振動を抑制可能な周波数は、9
    00Hz以上であることを特徴とする請求項1記載のデ
    ィスクブレーキ用ディスクロータ。
  3. 【請求項3】 一対のブレーキパッドによって挟圧され
    る環状摺動板部を外周縁に備えているディスクブレーキ
    用ディスクロータにおいて、前記環状摺動板部のロータ
    面内方向固有振動数に対して、前記環状摺動板部の曲げ
    剛性を調整することにより、ロータ面外方向固有振動数
    を両者間の連成振動を抑制する周波数分離間させたこと
    を特徴とするディスクブレーキ用ディスクロータ。
  4. 【請求項4】 前記環状摺動板部の曲げ剛性は板厚を変
    更することにより調整するようにしたことを特徴とする
    請求項3記載のディスクブレーキ用ディスクロータ。
  5. 【請求項5】 前記環状摺動板部の曲げ剛性は環状摺動
    板部に形成したベンチホールを形成するリブの幅及び本
    数の何れか一方を変更することにより調整するようにし
    たことを特徴とする請求項3記載のディスクブレーキ用
    ディスクロータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007211890A (ja) * 2006-02-09 2007-08-23 Toyota Motor Corp パワートレイン曲げ共振時応力調節方法及びパワートレイン
JP2008292002A (ja) * 2008-08-01 2008-12-04 Nissan Motor Co Ltd ドラムブレーキ装置

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