JPH1077732A

JPH1077732A - 防音性床材

Info

Publication number: JPH1077732A
Application number: JP23290296A
Authority: JP
Inventors: Masato Kobayashi; 真人小林; Masazumi Shioda; 正純塩田; Yutaka Koike; 豊小池; Ryoji Ito; 良治伊藤; Isao Kashino; 功樫野; Junichi Kanazawa; 純一金沢
Original assignee: Tobishima Corp; Kobayashi Institute of Physical Research
Current assignee: Tobishima Corp; Kobayashi Institute of Physical Research
Priority date: 1996-09-03
Filing date: 1996-09-03
Publication date: 1998-03-24

Abstract

(57)【要約】【課題】建物躯体の床スラブ上に配設されてから床仕
上げ材で上面が覆われ、床表面に対する衝撃の音レベル
を低減しながら歩行感を改善する防音性床材に関し、室
内の天井高を十分に確保し、その床材の製造コストを著
しく削減し、大幅に軽量化することが可能となる床材を
提供する。【解決手段】床スラブ１に配設される下側の層と床仕
上げ材５で上面が覆われる上側の層とで形成されて下側
と上側の層が一体化される。下側の層は、発泡系または
多孔質の緩衝材で形成された振動吸収板３と、内部損失
の係数が０．１以上の弾性体で形成され振動吸収板３の
沈み込みを防止する支持脚２と、を有する。上側の層
は、衝撃による曲げ振動を無視できる範囲の板材４から
成る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建物躯体の床スラ
ブ上に配設されてから床仕上げ材で上面が覆われ、床表
面に対する衝撃の音レベルを低減しながら歩行感を改善
する防音性床材に関するものである。居室などの床には
防音性が要求されるので、この種の床材が床表面仕上げ
材の下に敷設される。

【０００２】

【従来の技術】床表面の仕上げ材に鋸目を入れてその面
剛性を低下させ、これに緩衝材料を貼り付ける場合、仕
上げ材の面剛性が低下して良好な歩行性が得られず、緩
衝材料による防音効果も十分でない。そこで、多種の板
材を張り合わせて防音効果を高め、厚さを十分に取るこ
とで良好な歩行感を確保していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】多種の板材を張り合わ
せて防音効果を高め、厚さを十分に取ることで良好な歩
行感を確保するときには、その材料厚が１００ミリメー
トルを超えるので、室内の天井高を十分に確保すること
が困難となる。本発明は上記従来の事情に鑑みて為され
たものであり、その目的は、室内の天井高を容易に確保
することが可能となり、かつ、はるかに安価で軽量な防
音性床材を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

・第１発明：図１参照床スラブ１に配設される下側の層と床仕上げ材５で上面
が覆われる上側の層とで形成されて下側と上側の層が一
体化される。下側の層は、発泡系または多孔質の緩衝材
で形成された振動吸収板３と、内部損失の係数が０．１
以上の弾性体で形成され振動吸収板３の沈み込みを防止
する支持脚２と、を有する。

【０００５】上側の層は、衝撃による曲げ振動を無視で
きる範囲の板材４から成る。・第２発明：図１参照第１発明において、板材４は金属板とし、床仕上げ材５
を介し加えられる荷重を分散させて局所的な撓みを解消
する。・第３発明：図１参照第２発明において、上下計２層の単位板が重ね合わされ
て一体化され、最下層は床スラブ１に貼り付けれられて
最上層は床仕上げ材５で上面が覆われる（図１では単位
板が２枚重ねられている）。・第４発明：図１参照第３発明において、各単位板で上側となる層に、板材４
を縁取りする弾性体を設け、床衝撃による曲げ波の板材
（４）間伝播を阻止する。・第５発明：図１参照第４発明において、弾性体を支持脚２と一体化させる。・第６発明第５発明において、衝撃による曲げ振動を無視できる範
囲を面積０．５ｍ2以下、密度５ｔ／ｍ3以上の範囲とす
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１において、防音性床材は建物
躯体の床スラブ１上に配設されてから、床仕上げ材５で
上面が覆われ、床表面に対する衝撃音を低減しながら良
好な歩行感を得る。防音性床材には殺虫，殺菌剤が塗
布，含浸されており、それらにより室内の衛生が維持さ
れる。

【０００７】この例では、上下計２層の単位板が２枚重
ね合わされて全ての層が一体化されている。その最下層
は床スラブ１に貼り付けれられ、最上層の上面は床仕上
げ材５（木質系，硬質系）で覆われる。防音性床材は工
場において規格のサイズで一体成型され、単位板の重ね
合わせ枚数が１枚から数枚までの製品が用意される。

【０００８】使用される防音性床材の製品は要求された
防音性に適合した重ね合わせ枚数のものが選択される。
なお、防音床の施工は・スラブ上面を２メートル以内で３ミリメートルの不陸
が生じないように調整する・防音性床材を接着剤でスラブに貼り付けて敷き並べる
（尚、必ずしも貼り付けて敷き並べることを要せず、配
設する場合でもよい。）・床仕上げ材を防音性床材に貼り付けて敷き並べる。の手順で行われる。

【０００９】ここで、各単位板において下側となる層
は、発泡系または多孔質の緩衝材で形成された振動吸収
板３と、内部損失の係数が０．１以上の弾性体で形成さ
れ振動吸収板３の沈み込みを防止する支持脚２と、によ
り形成されている。また各単位板において上側となる層
は、衝撃による曲げ振動を無視できる範囲（面積０．５
ｍ2以下、密度５ｔ／ｍ3以上）の板材４と、板材４を縁
取りして床衝撃による曲げ波の板材（４）間伝播を阻止
する弾性体と、で形成されている。

【００１０】さらに板材４は、金属板（例えば、鉄板）
とされ、床仕上げ材５を介し加えられる荷重を分散させ
て局所的な撓みを解消する。弾性体は前記の支持脚２と
一体化され、その支持脚２には板材４を嵌め込む段差が
設けられる。そして振動吸収板３にはダンピング性が付
与されており、これにより振動吸収板３の振動吸収能力
が高められる。

【００１１】以上のように構成された床材においては、
振動吸収板３が床衝撃音を十分に吸収し、板材４が床上
荷重の分散で局所的な撓みを解消して良好な歩行感を提
供し、持脚２が振動吸収板３の沈み込みを防止し、か
つ、床に対する衝撃で発生した曲げ波の板材（４）間伝
播を阻止しながら、板材４の擦れによる軋み音の発生を
防止する。

【００１２】その上、必要とされる適切な防振性及び歩
行性が単位板の重ね合わせ枚数を調整することで得られ
る。図２は単位板の重ね合わせ枚数別（１〜３枚）にこ
れらの防振効果を示す特性図で、防振効果は広い周波数
範囲に亘り得られ、重ね合わせ枚数の増加でより高い防
振性が得られる。

【００１３】図３は単位板が１枚とされた本発明の適用
品と既存品とを比較する特性図で、人間の聴覚が敏感な
中高音域で本発明適用品が既存品に対して優れているこ
とを確認できる。さて、床の良好な歩行感が金属製の板
材４で得られていることから、振動吸収板３をより薄く
形成できる。

【００１４】その結果、本発明が適用された床材の厚さ
は、同様な防音性の得られる条件下で、従来品の厚さが
１００ミリメートルであるのに対して２０ミリメートル
となり、約５分の１に減少する。したがって、室内の天
井高を容易に確保することが可能となる。また、振動吸
収材の使用量が大幅に削減し、板材４に鉄板を利用でき
ることから、製品の製造コストを著しく削減し、その製
品をきわめて軽量なものとすることが可能となる。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、防
振性床材の厚さが大幅に減少するので、室内の天井高を
十分に確保し、その床材の製造コストを著しく削減し、
これをきわめて軽量なものとすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】発明が適用された防音性床材の構成説明図

【図２】防振効果を説明する特性図（重ね合わせの枚数
別）

【図３】防振効果を説明する特性図（既存品との比較）

【符号の説明】

１床スラブ２支持脚３振動吸収板４板材５床仕上げ材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者小池豊東京都千代田区三番町２番地飛島建設株式会社内 (72)発明者伊藤良治東京都千代田区三番町２番地飛島建設株式会社内 (72)発明者樫野功東京都千代田区三番町２番地飛島建設株式会社内 (72)発明者金沢純一東京都国分寺市東元町３−20−41 財団法人小林理学研究所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】床スラブ（１）上に配設されてから床仕
上げ材（５）で上面が覆われ、床衝撃音を低減しながら
歩行感を改善する防音性床材において、床スラブ（１）に配設される下側の層と床仕上げ材
（５）で上面が覆われる上側の層とで形成されて下側と
上側の層が一体化され、下側の層は、発泡系または多孔質の緩衝材で形成された振動吸収板
（３）と、内部損失の係数が０．１以上の弾性体で形成され振動吸
収板（３）の沈み込みを防止する支持脚（２）と、を有し、上側の層は、衝撃による曲げ振動を無視できる範囲の板材（４）から
成る、ことを特徴とした防音性床材
【請求項２】床スラブ（１）上に配設されてから床仕
上げ材（５）で上面が覆われ、床衝撃音を低減しながら
歩行感を改善する防音性床材において、床スラブ（１）に配設される下側の層と床仕上げ材
（５）で上面が覆われる上側の層とで形成されて下側と
上側の層が一体化され、下側の層は、発泡系または多孔質の緩衝材で形成された振動吸収板
（３）と、内部損失の係数が０．１以上の弾性体で形成され振動吸
収板（３）の沈み込みを防止する支持脚（２）と、を有し、上側の層は、衝撃による曲げ振動を無視できる範囲の板材（４）から
成り、板材（４）は、金属板とされ、床仕上げ材（５）を介し加えられる荷重
を分散させて局所的な撓みを解消する、ことを特徴とした防音性床材
【請求項３】床スラブ（１）上に配設されてから床仕
上げ材（５）で上面が覆われ、床衝撃音を低減しながら
歩行感を改善する防音性床材において、上下計２層の単位板が重ね合わされて一体化され、最下
層は床スラブ（１）に配設されて最上層は床仕上げ材
（５）で上面が覆われ、各単位板で下側となる層は、発泡系または多孔質の緩衝材で形成された振動吸収板
（３）と、内部損失の係数が０．１以上の弾性体で形成され振動吸
収板（３）の沈み込みを防止する支持脚（２）と、を有し、各単位板で上側となる層は、衝撃による曲げ振動を無視できる範囲の板材（４）から
成り、板材（４）は、金属板とされ、床仕上げ材（５）を介し加えられる荷重
を分散させて局所的な撓みを解消する、ことを特徴とした防音性床材
【請求項４】床スラブ（１）上に配設されてから床仕
上げ材（５）で上面が覆われ、床衝撃音を低減しながら
歩行感を改善する防音性床材において、上下計２層の単位板が重ね合わされて一体化され、最下
層は床スラブ（１）に配設されて最上層は床仕上げ材
（５）で上面が覆われ、各単位板で下側となる層は、発泡系または多孔質の緩衝材で形成された振動吸収板
（３）と、内部損失の係数が０．１以上の弾性体で形成され振動吸
収板（３）の沈み込みを防止する支持脚（２）と、を有し、各単位板で上側となる層は、衝撃による曲げ振動を無視できる範囲の板材（４）と、板材（４）を縁取りして床衝撃による曲げ波の板材
（４）間伝播を阻止する弾性体と、から成り、板材（４）は、金属板とされ、床仕上げ材（５）を介し加えられる荷重
を分散させて局所的な撓みを解消する、ことを特徴とした防音性床材
【請求項５】床スラブ（１）上に配設されてから床仕
上げ材（５）で上面が覆われ、床衝撃音を低減しながら
歩行感を改善する防音性床材において、上下計２層の単位板が重ね合わされて一体化され、最下
層は床スラブ（１）に配設されて最上層は床仕上げ材
（５）で上面が覆われ、各単位板で下側となる層は、発泡系または多孔質の緩衝材で形成された振動吸収板
（３）と、内部損失の係数が０．１以上の弾性体で形成され振動吸
収板（３）の沈み込みを防止する支持脚（２）と、を有し、各単位板で上側となる層は、衝撃による曲げ振動を無視できる範囲（面積０．５ｍ2
以下、密度５ｔ／ｍ3以上）の板材（４）と、板材（４）を縁取りして床衝撃による曲げ波の板材
（４）間伝播を阻止する弾性体と、から成り、板材（４）は、金属板とされ、床仕上げ材（５）を介し加えられる荷重
を分散させて局所的な撓みを解消し、弾性体は前記支持脚（２）と一体化された、ことを特徴とする防音性床材
【請求項６】床スラブ（１）上に配設されてから床仕
上げ材（５）で上面が覆われ、床衝撃音を低減しながら
歩行感を改善する防音性床材において、上下計２層の単位板が重ね合わされて一体化され、最下
層は床スラブ（１）に配設されて最上層は床仕上げ材
（５）で上面が覆われ、各単位板で下側となる層は、発泡系または多孔質の緩衝材で形成された振動吸収板
（３）と、内部損失の係数が０．１以上の弾性体で形成され振動吸
収板（３）の沈み込みを防止する支持脚（２）と、を有し、各単位板で上側となる層は、衝撃による曲げ振動を無視できる範囲である面積０．５
ｍ2以下、密度５ｔ／ｍ3以上の範囲とされた板材（４）
と、板材（４）を縁取りして床衝撃による曲げ波の板材
（４）間伝播を阻止する弾性体と、から成り、板材（４）は、金属板とされ、床仕上げ材（５）を介し加えられる荷重
を分散させて局所的な撓みを解消し、弾性体は前記支持脚（２）と一体化された、ことを特徴とする防音性床材