JPH1077587A - リラクセーションに優れた耐蝕性pc鋼より線及びその製造方法 - Google Patents

リラクセーションに優れた耐蝕性pc鋼より線及びその製造方法

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JPH1077587A
JPH1077587A JP8235272A JP23527296A JPH1077587A JP H1077587 A JPH1077587 A JP H1077587A JP 8235272 A JP8235272 A JP 8235272A JP 23527296 A JP23527296 A JP 23527296A JP H1077587 A JPH1077587 A JP H1077587A
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哲郎 野間
Motohiro Nakano
元裕 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リラクセーション特性の劣化防止を図って耐
蝕性及び耐久性に富んだPC鋼より線およびその製造方
法を提供する。 【解決手段】 複数の素線2が撚り合わされたPCスト
ランド1の撚りを一定長さの局部的に緩解してこの部分
に液状で始まり200℃以下で硬化する熱硬化性樹脂を
内部まで充填する解撚・充填手段と、撚りが緩解され熱
硬化性樹脂が充填されてなるPCストランド1を解撚・
充填手段に引続いてダイス5に通して扱き正常な撚り線
状態に復元すると同時に、PCストランド1の構造上生
じる内部の隙間に余すところなく充填し、その周面にも
フィルム状にコーティングした充填内層3を形成する再
撚手段と、その直後で充填内層3を含むPCストランド
1の全表面に熱処理温度が200℃以下の熱可塑性樹脂
を押し出しによりさらにコーティングさせて被覆外層4
を形成する被覆手段とを経てPC鋼より線が製造され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレストレストコ
ンクリートに用いるリラクセーションに優れたPC鋼よ
り線(Stress-Relieved Steel Strands for Prestresse
d Concrete)及びその製造方法に関する。なお、ここで
言うリラクセーションとは、stress relax-ation(応力
緩和)のことであり、全ひずみ一定の条件の下で試験片
の荷重(応力)が時間とともに低下する現象である(JI
S G 3536参照)。
【0002】
【従来の技術】プレストレストコンクリートに用いるP
C鋼より線は、従来は、心線の周りに複数の素線が撚り
合わされて形成される7本撚り、19本撚りのものが多
用されており、これらのPC鋼より線はピアノ線材を素
線として、パテンティング(熱処理)→洗線→伸線→撚
り線→熱延伸(hot stretching)の各処理を経て製造さ
れる。この場合において、熱延伸処理によって低いリラ
クセーション特性、即ち、良好なリラクセーション特性
が得られることが知られている。
【0003】PC鋼より線は周知の如く、コンクリート
中に埋め込まれて使用されるものであるが、コンクリー
トはpHが10〜12のアルカリ性の物体であるために
錆び難くて、特に、耐蝕性については従来から問題にさ
れていなかった。しかしながら近年になって、コンクリ
ートに生じるひび割れ、海砂使用、凍結防止材 CaCL2
使用等によりコンクリート中へのCL- の侵入、海岸地帯
の場合の塩害、酸性雨の降雨等の問題から、耐蝕性が俄
にクローズアップされるようになってきた。
【0004】この耐蝕性の問題に対応して、最近に至っ
て各種の技術的な提案が成されており、そのうちの典型
的な先行技術としては、特開平 5− 98742号公報(第1
例)、特開平 7− 90786号公報(第2例)、特開平 7−
157987号公報(第3例)の3例が挙げられる。第1例
は、「300〜350℃程度に加熱した複数の単素線を
撚り合わせたPCストランドを加圧タンク内で溶融熱可
塑性合成樹脂材内に沈めて加圧することにより、撚り合
わされた各単素線内部空間に溶融熱可塑性合成樹脂材を
滲透充填させ、さらに各単素線を含むPCストランドの
全表面を被覆させてなるPCストランドの防錆被覆方
法」である。
【0005】第2例は、「心線の外周に複数の側線を撚
り合わせたPCストランドを約200℃に加熱しながら
押出形成機に導入する一方、約200℃に加熱溶融され
た熱可塑性樹脂からなる防錆材を押出形成機のクロスヘ
ッド部に連結した加圧補助ヘッド部先端の成形ダイスか
ら押出して、PCストランドの心線及び各側線の全周に
防錆被覆層を密着形成させるPCストランドの防錆被覆
方法」である。一方、第3例は、「心線の外周に複数の
側線を撚り合わせ、側線の少なくとも一部に外周面に凹
凸形状を一体成形した異形PC鋼材を用いて成るPCス
トランドを約200℃に加熱しながら合成樹脂押出成型
機に通し、該合成樹脂押出成型機の加圧ヘッド部にて加
圧しながら約200℃に加熱され溶融状態にある溶融熱
可塑性合成樹脂材を各側線間より心線外周に圧入させ、
該加圧ヘッド先端の成形ダイスから押出すことにより、
PCストランドの心線及び各側線の全周に熱可塑性合成
樹脂材を密着させる防錆被覆PCストランドの防錆加工
方法」である。
【0006】これらの各例は、PCストランドの表面を
熱可塑性合成樹脂で被覆し、かつ、その撚り線を構成す
る各素線の隙間にも同上合成樹脂を滲透させたものであ
り、隙間があると切断面部から水分等の腐食液が浸入
し、撚り線が内部から腐食されることになるので、内部
まで合成樹脂を充填するのが耐蝕性PC鋼より線の構造
上のポイントである。しかし、これらの各例は後述する
ようにPC鋼より線のリラクセーションが劣化するとい
う問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】プレストレストコンク
リートに用いられるPC鋼より線は、コンクリートに圧
縮力を与えるために高い応力で緊張されていて、しかも
この状態は長年月維持されなければならないが、リラク
セーション特性が良いと言うことは、ひいてはコンクリ
ート構造物の寿命を引き延ばさせる上で重要な要素であ
ることは言うまでもない。ところで、先行技術の前記各
例では、合成樹脂を被覆する際にこの合成樹脂とPC鋼
より線との間の接着性を十分保持するためにいずれの場
合もPC鋼より線を高い温度に加熱する必要があり、例
えば、第3例では加熱温度域を約200℃とすると記載
されてはいるが、現実には合成樹脂を被覆する工程にお
いてPC鋼より線を200℃の温度に保持するには、そ
の前段階におけるPC鋼より線の加熱処理に際し、合成
樹脂押出成型機に至る間での放熱等による温度低下を見
込んで250〜300℃の高温度に加熱させる必要があ
り、従って、前段階での実質的な高温度加熱処理によっ
てPC鋼より線のリラクセーション値(荷重低下率)が
劣化することは避けられなかったのである。
【0008】先行技術の前記各例は、加熱温度が200
〜350℃で実施されており、この温度域まで加熱しな
ければならない理由については記載されていないが、
PC鋼より線の内部にまで合成樹脂を滲透させるには、
熱可塑性樹脂の流動性を上げる(粘性を下げる)必要が
あること、PC鋼より線と樹脂との接着性を向上させ
ること、等が考慮される。なお、流動性を上げる必要が
あることは、第3例に係る公報において、異形素線を用
いてPC鋼より線の素線間に隙間を積極的に設けている
点の記載からしても、当然窺い知られるところである。
【0009】本発明は、このような問題点の解消を図る
ために成されたものであり、本発明の目的は、従来技術
では成し得なかった機械的特性の改善、即ち、リラクセ
ーション特性の劣化防止を図って耐蝕性及び耐久性に富
んだPC鋼より線およびその製造方法を提供することに
ある。なお、本発明に関しては、従来のPC鋼より線被
覆加工の技術では凡そ考え及ぶに至らなかったリラクセ
ーション特性の問題に着目して、樹脂被覆する際のPC
鋼より線の加熱温度、加熱保持時間とリラクセーション
値との関係に関して検討及び実験を重ねた結果、図3に
示される如きリラクセーション特性を求めて、リラクセ
ーション値が劣化しない条件の下での合成樹脂の特定並
びに被覆手法を見出すに至った点に最大の特徴が存する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明は、プレストレストコンクリート用PC鋼よ
り線であって、複数の素線が撚り合わされたPCストラ
ンドと、このPCストランドの構造上生じる内部の隙間
を余すところなく充填し、かつ、その周面にもフィルム
状にコーティングした液状で始まり200℃以下で硬化
する熱硬化性樹脂から形成される充填内層と、この充填
内層を含むPCストランドの全表面にさらにコーティン
グした熱処理温度が200℃以下である熱可塑性樹脂か
ら形成される被覆外層とを含むことを特徴とするリラク
セーションに優れた耐蝕性PC鋼より線である。
【0011】本発明はまた、前項に記載のリラクセーシ
ョンに優れた耐蝕性PC鋼より線において、20℃の温
度下で破断荷重×0.7の値の載荷荷重を1分間で負荷
した後、10時間後に測定した結果のリラクセーション
値が0.8%以下であることを特徴とする。
【0012】本発明はまた、パテンティング→洗線→伸
線→撚り線→熱延伸の各処理を経て製造されたPCスト
ランドを繰り出しラインにおいて、複数の素線が撚り合
わされてなる前記PCストランドの撚りを一定長さに局
部的に緩解してこの部分に液状で始まり200℃以下で
硬化する熱硬化性樹脂をPCストランドの内部まで充填
する解撚・充填手段と、撚りが緩解され熱硬化性樹脂が
充填されてなるPCストランドを前記解撚・充填手段に
引続いてダイスに通して扱く(しごく)ことにより、正
常な撚り線状態に復元すると同時に、PCストランドの
構造上生じる内部の隙間に余すところなく充填し、か
つ、その周面にもフィルム状にコーティングした充填内
層を形成する再撚手段と、その直後において充填内層を
含むPCストランドの全表面に熱処理温度が200℃以
下の熱可塑性樹脂を押し出しによりさらにコーティング
させて被覆外層を形成する被覆手段とが設けられてなる
ことを特徴とするリラクセーションに優れた耐蝕性PC
鋼より線の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る好ましい実施の形態
について、本発明の実施例が示される図1及び図2並び
にPC鋼より線のリラクセーション特性線図が示される
図3を参照しながら以下に説明する。
【0014】本発明の1実施例に係るPC鋼より線は、
その断面構造が示される図1によって明らかなように、
後記する側線より若干太径の1本の素線2から成る心線
の周りに複数本例えば6本の該心線と同質の素線2から
成る側線が撚り合わされて形成される7本撚りのPCス
トランド1と、その周りを取り巻いて形成される充填内
層3と、さらにその周りを取り巻いて形成される被覆外
層4とを含んで構成される。充填内層3は、液状のもの
で200℃以下の温度で硬化する性質の例えばエポキシ
系の熱硬化性樹脂から成っていて、PCストランド1の
構造上生じる内部の隙間を余すところなく完全に充填
し、かつ、各素線2の周面にも薄いフィルム状にコーテ
ィングした中実層部を形成しており、このような充填内
層3は、硬化した時点では十分な接着性を備えてPCス
トランド1の表面に密着し一体化している。
【0015】被覆外層4は、熱処理温度(押出温度)が
200℃以下である例えばポリエチレン系樹脂等の熱可
塑性樹脂から成っていて、充填内層3が設けられてなる
PCストランド1の全表面にさらにコーティングするこ
とによって、充填内層3に対して強固に接着し一体化さ
せた外被部を形成している。
【0016】このような構造のPC鋼より線は、熱延伸
して冷却した後の被覆処理工程における加熱温度が高く
ても200℃であるため、鋼より線自体のリラクセーシ
ョン値が低値に保たれ、後述する実施例の場合のように
0.5%以下に保持されて、耐蝕性、耐久性に優れた特
性を備える。
【0017】1.製造方法(A):次に、図1に図示す
るPC鋼より線の製造方法について、図2に基づき説明
する。この場合、断面形状が円形あるいはより線断面形
状を成すダイス孔を持つダイス5が使用される。PCス
トランド1としては、JIS G 3536における7本撚り、1
9本撚りの各PC鋼より線が用いられる。このPC鋼よ
り線のダイス5に挿通する直前の端末部を適当長さに亘
って、例えばストランド径φ15.2mmのPC鋼より線
の場合50cm程度の長さに亘って、撚りを櫛形の治具又
は作業員の手先によって一旦解放して、この部分を「ほ
ぐす」、即ち素線2間に隙間を開けさせる。これは後述
するように熱硬化性樹脂をPCストランドの内部にまで
容易に入り込ませるためのものである。
【0018】そして、このほぐした部分を例えば30cm
長さ維持して残りの先端部( この場合20cm)を再び元
の状態に撚り合わせた後、前記ダイス5の押出用型内に
この先端部を挿通する(図2(イ)参照)。
【0019】ところで、局部的に撚りが緩解され、か
つ、ダイス5に挿通した状態で、該ダイス5を前後方向
に移動しないよう保持しながら(但し、回転について
は、ダイスの形態に応じて回転あるいは非回転とす
る)、PC鋼より線を図2上の白抜き矢示線方向に、即
ち、ダイス5を通過する方向に繰り出させると、撚りが
緩解されている部分はダイス5によって扱かれて元の正
常な撚り状態に復元しながらダイス5を通り抜ける一
方、PC鋼より線については、ダイス5の直前に隣接す
る個所において繰り出し操作に対応して順次後方側に移
動しながら撚りが連続的に緩解されるようになり、従っ
て、繰り出し中のPC鋼より線の撚りを初めにダイス5
の手前の定位置で所定長さだけ局部的に緩解しておけ
ば、後はダイス5に隣接する定位置において連続的に撚
りを緩解させながら、同時にダイス5によって正常な撚
り状態に連続的に復元させることが可能となる。
【0020】このように撚りを局部的に緩解させた状態
の下で、この緩解した個所に200℃以下の温度下にお
ける熱反応によって各種材料に接着する官能基を持った
液状タイプの熱硬化性樹脂7を適当な手段により塗布さ
せる。この熱硬化性樹脂7は、常温下で流動性が良く、
かつ低温度で接着性が高い例えばエポキシ系合成樹脂等
が好適な材料として挙げられる。この場合、ダイス5を
通過した後に熱硬化性樹脂が塗布されたPC鋼より線を
例えば3分以内の適当時間の下で80〜150℃の温度
に、加熱装置9(例えば高周波加熱装置)によって保持
し得るようにすることが好ましい(図2(イ)参照)。
【0021】撚りが緩解され、かつ熱硬化性樹脂7が塗
布されてなるPC鋼より線は、ダイス5を通過すること
によって、前述するように扱かれて撚りが正常な状態に
復元する一方、塗布された熱硬化性樹脂7は、所要量を
超える余剰量がダイス5により扱かれて除かれ、後方側
に移動するために、ダイス5を通過した時点ではPCス
トランドの構造上生じる内部の隙間を余すところなく充
填し、かつ、その周面にも例えば10μm厚さ程度の薄
いフィルム状にコーティングした状態となって概ね硬化
してなることにより、充填内層3を形成する(図2の
(ロ)参照)。
【0022】次いで、図2の(イ)に示すようにダイス
5の直後方部に設けた周知の構造に成る押出し装置6に
よって、充填内層3を含むPC鋼より線の全表面に熱可
塑性樹脂8を押出して所定の厚さの例えば0.4〜1.
2mm厚みの被覆外層4を形成させる(図1参照)。この
場合の熱可塑性樹脂8としては、200℃以下の温度下
における熱反応によって各種材料に接着する官能基を持
った合成樹脂例えばポリエチレン系の樹脂が使用され
て、150〜200℃の温度下で押出させる。
【0023】このようにして押出し装置6による熱可塑
性樹脂8の押出しが成される過程において、充填内層3
を形成する略硬化状態の熱硬化性樹脂7と粘性状態下の
熱可塑性樹脂8とが熱反応によって接着・一体化するの
で、その後に水冷等の手段によって冷却する。なお、こ
の接着反応が完了するまでの温度と時間は、前掲の従来
技術の場合よりも低く、かつ短くて済み、例えば、温度
は120〜150℃、時間は1〜10分程度でよい。
【0024】ここで、熱硬化性樹脂7を充填及びコーテ
ィングして充填内層3を形成する際のPC鋼より線の温
度は150℃以下であり、また、被覆外層4を形成する
熱可塑性樹脂8の温度は150〜200℃となるが、両
樹脂は官能基を持ち、熱反応による両樹脂の接着は短時
間で終わるため、内部のPC鋼より線の温度は200℃
よりも高くはならない。
【0025】以上、本発明に係る製造方法について説明
したが、このようにして得られるPC鋼より線は、図3
に示される特性から明らかなように、樹脂被覆処理工程
での加熱温度域が200℃以下と低いため、リラクセー
ション値は0.8%以下となり、従来方法の300℃の
加熱によって1.5%に達するのに比して荷重低下率が
大幅に低くなり、従って、緊張下で使用されるプレスト
レストコンクリート用PC鋼より線の場合、耐久性が向
上して構造物の長寿命化が図れる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。前
述する製造方法(A)によって製造した本発明に係る2
種の実施例と、従来方法により得られる2種の比較例
と、樹脂被覆が施されていないPC鋼より線からなる2
種の参考例とについて、リラクセーション値をそれぞれ
測定したところ、下記〔表1〕に示される如き結果が得
られた。
【0027】
【表1】
【0028】なお、リラクセーション値の測定条件は、
初荷重:破断荷重×0.7、測定時間:10時間後であ
る。また、本発明の実施例における充填内層3としての
熱硬化性樹脂は、液状タイプのエポキシ系合成樹脂で、
粘度が1〜4ps/20 ℃、硬化時間が120℃×1分のも
のであり、一方、被覆外層4としての熱可塑性樹脂は、
押出し被覆用のポリエチレン系合成樹脂で、融点が12
0℃、押出し温度190℃のものである。
【0029】また、部分的に撚りが緩解されたPC鋼よ
り線を正常な状態に復元するために使用するダイス5に
関しては、下記〔表2〕に示される寸法、材質を持つダ
イスを使用した。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、
本発明の実施によって、JIS G 3536にある低リラクセー
ションレベルと同等の特性を維持し、かつ、耐蝕性の良
好なPC鋼より線が容易に得られ、土木、建築等の分野
でのプレストレストコンクリートに用いることにより、
これらの構造物の耐久性の向上、換言すれば、長寿命化
に寄与するところ多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例に係るPC鋼より線の断面図
である。
【図2】本発明の1実施例に係るPC鋼より線の製造方
法の工程説明図である。
【図3】PC鋼より線のリラクセーション特性線図であ
る。
【符号の説明】
1…PCストランド、 2…素線、 3…充
填内層、4…被覆外層、 5…ダイス、
6…押出し装置、7…熱硬化性樹脂、 8…熱可塑
性樹脂、 9…加熱装置、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレストレストコンクリート用PC鋼よ
    り線であって、複数の素線が撚り合わされたPCストラ
    ンドと、このPCストランドの構造上生じる内部の隙間
    を余すところなく充填し、かつ、その周面にもフィルム
    状にコーティングした液状で始まり200℃以下で硬化
    する熱硬化性樹脂から形成される充填内層と、この充填
    内層を含むPCストランドの全表面にさらにコーティン
    グした熱処理温度が200℃以下である熱可塑性樹脂か
    ら形成される被覆外層とを含むことを特徴とするリラク
    セーションに優れた耐蝕性PC鋼より線。
  2. 【請求項2】 20℃の温度下で破断荷重×0.7の値
    の載荷荷重を1分間で負荷した後、10時間後に測定し
    た結果のリラクセーション値が0.8%以下である請求
    項1記載のリラクセーションに優れた耐蝕性PC鋼より
    線。
  3. 【請求項3】 パテンティング→洗線→伸線→撚り線→
    熱延伸の各処理を経て製造されたPCストランドの繰り
    出しラインにおいて、複数の素線が撚り合わされてなる
    前記PCストランドの撚りを一定長さに局部的に緩解し
    てこの部分に液状で始まり200℃以下で硬化する熱硬
    化性樹脂をPCストランドの内部まで充填する解撚・充
    填手段と、撚りが緩解され熱硬化性樹脂が充填されてな
    るPCストランドを前記解撚・充填手段に引続いてダイ
    スに通して扱くことにより、正常な撚り線状態に復元す
    ると同時に、PCストランドの構造上生じる内部の隙間
    に余すところなく充填し、かつ、その周面にもフィルム
    状にコーティングした充填内層を形成する再撚手段と、
    その直後において充填内層を含むPCストランドの全表
    面に熱処理温度が200℃以下の熱可塑性樹脂を押し出
    しによりさらにコーティングさせて被覆外層を形成する
    被覆手段とが設けられてなることを特徴とするリラクセ
    ーションに優れた耐蝕性PC鋼より線の製造方法。
JP8235272A 1996-09-05 1996-09-05 リラクセーションに優れた耐蝕性pc鋼より線及びその製造方法 Withdrawn JPH1077587A (ja)

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