JP3735050B2 - アンボンド被覆pc鋼より線 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は法面補強、地滑り対策などのために長期間使用されるアンカー用防食ケーブルとして最適なアンボンド被覆PC鋼より線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
法面補強等に用いられているアンカー用防食ケーブルには、ケーブルを緊張後定着する技術として、ウェッジタイプとスリーブタイプとがある。
【0003】
(1)ウェッジタイプは、図5に示すように、PC鋼より線60を挿通する孔61を設けたアンカーディスク62にウェッジ63によりPC鋼より線60を定着し、アンカープレート64で法面にアンカーディスクやウェッジを支持する技術である。
【0004】
(2)スリーブタイプは、図6に示すように、鋼製のスリーブ70にPC鋼より線60を挿通して圧着加工などで一体化した後、スリーブ70の外周にねじ加工し、このねじ部にナット71を取り付けて定着する技術である。
【0005】
このうちウェッジタイプで多く用いられる防食ケーブルには次のものがある。▲1▼裸のPC鋼より線81にエポキシ樹脂被覆82を形成した被覆PC鋼より線80を利用する。自由長部分では、この被覆PC鋼より線80にポリエチレンシース83を被せ、シース83と被覆PC鋼より線80との間は、滑剤などを入れないで被覆PC鋼より線80が自由に動けるようにクリアランスをとる。定着長部分では、被覆PC鋼より線80をスペーサで所定の間隔に保持し、グラウトが被覆PC鋼より線80に直接接触して付着力がとれるようにされている(図7)。
【0006】
▲2▼裸の素線90上に薄いエポキシ樹脂被覆91を形成して、この被覆素線を撚り合わせた被覆PC鋼より線を用いる。自由長部分では被覆PC鋼より線に薄いポリエチレン樹脂のフィルム92を被せ、その上に潤滑剤93を塗布し、さらにポリエチレン樹脂のシース94を被せて被覆PC鋼より線が自由に動けるようにする。定着長部分では被覆PC鋼より線とグラウトとが直接接触して付着力がとれるようにする(図8)。
【0007】
一方、スリーブタイプに用いられる防食ケーブルとしては、例えばPC鋼より線を多重に撚り合わせたケーブル100にグリース等の潤滑剤を塗布し、さらにその上からポリエチレンシース101を被せたものが利用される。緊張側端部には鋼製のスリーブ102を圧着加工すると共に、反対側の端部には固化したグラウト中で緊張力を保持する耐荷体が装着されてアンカー用防食ケーブルシステムとして完成されている(図9)。
【0008】
しかし、ウェッジタイプのものは次のような問題があった。
▲1▼アンカーディスクの孔にPC鋼より線を挿通してから緊張定着する前にウェッジをセットする必要があり、施工に手間がかかる。特に、設計アンカー力が大きいとき、PC鋼より線が複数本になり、ウェッジのセットに手間がかかる。
【0009】
▲2▼施工現場での管理が悪いとアンカーディスクの孔の内面が錆びることがあり、このまま使用すると、緊張定着時にウェッジが中へ滑り込まないためPC鋼より線が滑ることがある。
【0010】
▲3▼経年後にアンカー力を除荷するような機構になっていない。即ち、除荷するにはアンカーディスクをアンカープレートより下側(削孔内側)に位置するようにする必要がある。しかし、アンカーディスクをアンカープレートの上に載せるような機構になっているので除荷ができない。
【0011】
これに対して、スリーブタイプではスリーブとPC鋼より線とが一体になっているので、ウェッジをセットする手間とかPC鋼より線が滑るといった問題がない。さらに、経年後の除荷に対しても、スリーブを緊張してナットをゆるめてスリーブを削孔内側に移動させることで、簡単に対応できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ケーブルを削孔内に配置した場合、ケーブルに角度が付き、緊張時に自由長部での被覆PC鋼より線とシースとの摩擦が大きくなると言う問題がある。これは、ケーブルのスリーブ側はほぼ削孔の中心に配置されるのに対し、ケーブルの末端側(定着長部側)は削孔内の下方に下がってしまうために折れ曲がりが生じ、緊張時の摩擦が大きくなるためである。
【0013】
通常、アンカーはボーリングした後、削孔にはめ込まれたケーシングを抜きながらケーブルを挿入し、その後グラウトを注入して形成される。その際、ケーブルに取り付けるスペーサの外径はケーシングの中を通りやすくするため、通常ケーシングの内径よりは約10mmほど小さいものを使用する。また、ケーシングの内径より削孔の内径は大きくなっている。そのため、ケーシングを抜いた際、ケーブルの末端側はスペーサを介して削孔の下側に接するように配置される。このような場合、PC鋼より線がスリーブにより削孔の中心部分に集束された形になるので、角度がつくことになる。例えば、15.2mm×4本、15.2mm×7本ケーブルの場合、約1度から1.5度程度の角度がつく。
【0014】
このように角度がついた状態で樹脂被覆PC鋼より線がスリーブと一体になって緊張されると、ポリエチレンシースは外周のグラウトで固定されて移動しないため、樹脂被覆PC鋼より線はポリエチレンシースの内面に接しながら伸びることになる。その結果、従来の防食PC鋼より線では摩擦が大きくなることがある。
【0015】
従って、本発明の主目的は、自由長部での被覆PC鋼より線とシースとの摩擦を低減できるアンボンドPC鋼より線を提供することにある。
【0016】
また、本発明の他の目的は、自由長部での被覆PC鋼より線とシースとの摩擦を低減でき、かつ定着構造の施工が容易なアンボンドPC鋼より線を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明アンボンド被覆PC鋼より線は、樹脂被覆PC鋼より線と、この樹脂被覆PC鋼より線の外側を覆う樹脂シースと、樹脂被覆PC鋼より線と樹脂シースとの間に充填される滑剤とを具える。この樹脂被覆PC鋼より線は、PC鋼より線と、その表面に形成される熱硬化性樹脂の被覆層と、被覆層から部分的に突出するように埋設された粒状体とを有し、この粒状体は75μm未満の粒子が60質量%以上含有される。そして、前記樹脂被覆PC鋼より線と樹脂シースとの間の摩擦係数λが0.004(1/m)以下であることを特徴とする。
【0018】
樹脂被覆PC鋼より線と樹脂シースとの間に滑剤を介在させることにより、両者の間の摩擦抵抗を低減し、樹脂被覆PC鋼より線の円滑な緊張を可能にする。
【0019】
特に、樹脂被覆PC鋼より線とシースとのクリアランスを小さくした場合、樹脂被覆PC鋼より線と樹脂シースとの接触抵抗が大きくなり、摩擦も大きくなる傾向にあるため、滑剤を介在させることは有効である。
【0020】
さらに、樹脂被覆PC鋼より線と樹脂シースとのクリアランスを小さくすることで、樹脂シースの内径をできるだけ小さくすることができる。その結果、自由長部分からスリーブ部分への移行個所におけるPC鋼より線の角度を小さくすることができる。
【0021】
さらに本発明の構成を詳細に説明する。
(樹脂被覆)
本発明アンボンド被覆PC鋼より線では、防食方法として裸のPC鋼より線に樹脂被覆を形成したものを用いる。樹脂被覆の材質には、合成樹脂のなかで硬さが高く、かつ耐蝕性の優れたものが好適である。特に、PC鋼より線の緊張力に対して変形が追随し、かつ比較的硬い熱硬化性樹脂が好ましい。具体的にはエポキシ樹脂が挙げられる。
【0022】
樹脂被覆の厚さは、後述する粒状体が樹脂を貫いてPC鋼より線に達しないようにし、かつピンホールをなくして確実な防食を確保するため、0.2mm以上が好適である。
【0023】
被覆の形成方法は、粉体塗装または押し出しが良い。その場合、PC鋼より線のより目が被覆層の表面に現れるように形成することが付着力をさらに確保する点で望ましい。この樹脂被覆は、PC鋼より線の外周に形成されていることが最低条件であるが、さらには素線間の隙間(素線同士接触して形成する三角形部分)にも樹脂が充填されていることが防食上望ましい。これはPC鋼より線のよりを一旦ほどいて塗装を施してよりを戻すか、押し出し被覆にて溶融樹脂を加圧することによって得られる。
【0024】
(粒状体)
さらに、上記の樹脂被覆には粒状体が部分的に埋設され、残部が突出したものとする。
【0025】
この粒状体には、無機系の硬い粒子が好ましい。たとえばSiO、AlO、FeO、MgOおよびCaO等よりなる群から選択される1種以上からなるものが好適である。
【0026】
粒状体の付着は、樹脂被覆の硬化前に樹脂被覆表面に吹き付け、その後樹脂を硬化させること等で実現できる。
【0027】
粒状体の粒度分布は75μm未満の粒子を60質量%以上含有させる。この粒状体の大きさは、JIS Z−8801−1994<試験用ふるい>で規定されている網目の目開き寸法を基準としている。
【0028】
75μm未満の粒子の含有量は多い方が望ましく、より好ましくは80質量%以上とし、すべてを75μm以下にすることが一層良い。75μmを越える大きさの粒子を含有する場合、200μm程度の粒子サイズを上限とすることが望ましい。200μmを超える大きさの粒子が含有されると、シースとの摩擦が大きくなりやすい。もし200μmを超える大きさの粒子を含有する場合、その含有量は5質量%以下とすることが好適である。
【0029】
また、ケーブルが長尺になったり、アンカープレートの配置がずれ、スリーブの中心が削孔の中心からずれることによりケーブルの屈曲角度がより大きくなったりして、摩擦抵抗が大きくなることがある。そのようなときには、粒度分布をさらに細粒にすると良い。即ち、53μm以下を60質量%以上にすればよい。53μm以下の粒子の含有量は多い方が好ましく、より好ましくは80質量%以上とし、さらに好ましくは全て53μm以下の粒子で構成する。53μmを超える大きさの粒子を含有する場合、その粒子のサイズは75μm未満とすることが好ましい。また、75μm以上の粒子を含む場合、200μm程度を粒子サイズの上限とすることが好ましい。できれば53μm超75μm未満の大きさの粒子を10質量%以下とし、かつ75μm以上〜200μm以下の大きさの粒子を5質量%以下とする。
【0030】
(シース)
シースには、種々のプラスチックが利用できるが、ポリエチレンが好適である。
【0031】
自由長部分のシースの厚みはできるだけ薄い方が良い。ただし、施工時の損傷を考えて1mm程度以上とする。
【0032】
シースと樹脂被覆PC鋼より線とのクリアランスは、50μm以上で極力小さくすることが好ましい。これにより、自由長部分において中心へPC鋼より線を寄せることができ、自由長部分からスリーブに入るところの角度をより小さくできる。
【0033】
クリアランスを約50μm以上としたのは、樹脂被覆PC鋼より線にグリース等の滑剤をできるだけ少なく充填するようにしても、シースを被せるとき樹脂被覆されたPC鋼より線のクラウン部分に滑剤が付着し、そのときの膜の厚みが約20μm程度になるためと、表面に埋設された粒状体が部分的に突起するので、粒状体の大きさを考慮したためである(図7)。
【0034】
(滑剤)
滑剤としては、一般のアンボンドPC鋼より線で用いられているのと同等の、JIS K−2220−1993<ちょう度試験方法>による測定で約250以上のものが好ましい。これにはグリース、防食油等がある。
【0035】
(摩擦係数)
上述の構成を具える樹脂被覆PC鋼より線を用いることによって、自由長部分からスリーブに入るところで角度がついても摩擦係数をλ=0.004(l/m)以下にすることができる。摩擦係数の求め方については後に詳細に説明する。
【0036】
摩擦係数を0.004以下に抑えたのは、アンカー力を設計する場合の設計値が地盤工学会<グラウンドアンカー設計、施工基準、同解説>では摩擦係数を一般に0.004以下としているので、これより小さくすることで緊張側の荷重をできるだけ低下させないで、固定側(アンカー定着部分)へ伝えるためである。
【0037】
また、アンカーにおいては、アンカー定着長部分から被覆PC鋼より線が抜けないようにする必要がある。グラウトとPC鋼より線との付着力は裸のPC鋼より線が抜けないように、上記地盤工学会の基準では、通常許容付着力は8kgf/cm(785kPa)を基に設計するようになっている。そのため、防食のために用いられた樹脂被覆PC鋼より線においても、できれば裸のPC鋼より線の付着特性の100%以上、悪くとも90%以上は確保できるようにしたものである。
【0038】
(定着具)
定着具はいわゆるスリーブタイプが好適である。すなわち、鋼製のスリーブに樹脂被覆PC鋼より線を収納し、このスリーブをダイスを通し断面を減少させて圧着加工する。その後、スリーブの外周にナットが嵌合するねじ加工をすることによって得られる。スリーブを圧着加工するとき、PC鋼より線の樹脂被覆を部分的に剥がして裸の鋼より線に加工することもできる。
【0039】
その他、スリーブ内に樹脂被覆PC鋼より線を挿入して、適度な間隔を持たせ、スリーブ内と樹脂被覆PC鋼より線との隙間に樹脂等を充填して、樹脂被覆PC鋼より線との付着力により緊張力に耐えるように構成しても良い。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に使用する被覆PC鋼より線の製造工程を示す説明図である。
素線径が、側線は5mm、中心線は5.2mmの素線7本をより合わせた15.2mmの裸のPC鋼より線を用意する。サプライ側1より裸のPC鋼より線10を前処理装置2に供給し、りん酸による前処理を超音波をかけながら行い表面を洗浄する。
【0041】
その後、裸のPC鋼より線10を加熱装置3に導入して250℃に加熱し、さらに目板5により解撚を行い、その後塗装装置4に通し、エポキシ樹脂による静電粉体塗装を行う。続いて閉撚を行い、その後粒状体付着装置6に導入し、硬化前の樹脂に粒状体をつけ、粒状体の一部が埋設されて一部が突出した状態に付着させる。硬化を促進させるために、樹脂被覆されたPC鋼より線を再加熱装置7に通し、PC鋼より線のより目が少し現れる程度に樹脂被膜を硬化させる。そして、エポキシ樹脂被膜PC鋼より線11を冷却装置8により冷却し、その後PC鋼より線の駆動装置9を通してからリール12に巻き取る。
【0042】
さらに、このエポキシ樹脂被覆PC鋼より線11をサプライ側13よりグリース箱14の中に通し、樹脂の表面にグリースを薄く付着させ、その後押し出し機15に導入し、加熱されたポリエチレン16を1mmの厚みで被覆する。その後、ポリエチレンシースの上から冷却装置(水冷装置)17によりシースを冷却し、リールに巻き取る。
【0043】
以上の工程により、図2に示す防食PC鋼より線20が得られる。これは、PC鋼より線10の素線の間にも樹脂21が充填され、エポキシ樹脂被覆層22には所定の粒度をもつ粒状体24が部分的に埋設され、残部が被覆層22の表面から突出する樹脂被覆PC鋼より線を具える。この樹脂被覆PCより線の外側にはポリエチレンシース23が形成され、樹脂被覆PCより線とシース23との間には滑剤25であるグリースが充填されている。樹脂被覆PCより線の外径とシース内径との差は約100μm(つまりクリアランスLは50μm)であった。
【0044】
樹脂表面には所定の粒度分布をもつ粒状体を埋設させた。このときの粒状体としてはMgO、SiOを主成分とする材料を用いた。
【0045】
滑剤として用いたグリースは、一般に用いられているアンボンドPC鋼より線用のグリースである。
【0046】
これで得られたポリエチレンシースで被覆したエポキシ樹脂被覆PC鋼より線の端部におけるポリエチレンシースをはぎ取り、樹脂表面についているグリースを脱脂する。次に、緊張定着具となるJIS G−4051<機械構造用炭素鋼鋼材>S45Cからなる外径38mm、内径20mm、長さ63mmのスリーブを用意する。そして、スリーブの中心にある孔の中にエポキシ樹脂被覆PC鋼より線の端部を通し、ダイスにて圧着を行い、スリーブを固定する。その後、外周にM35のねじ加工を施す。一方、防食PC鋼より線には1m間隔でスペーサを取り付け、スペーサの両サイドに結束線を巻き付けてケーブルを固定する。
【0047】
このようなスリーブタイプの緊張定着具を装着し、全長がポリエチレンシースで覆われたケーブルで摩擦試験を行った。対象とした防食ケーブルは15.2mm鋼より線4本である。まず外径101.6mmのJIS G−3444<一般構造用炭素鋼鋼線>を長さ10mにして、その中にケーブルを挿入し、約1mぐらいのところに最初のスペーサがくるようにして、その後グラウトを注入する。グラウトの配合は質量でセメント1に対して水0.50を加え、さらに減水剤を3%加えたものである。
【0048】
摩擦試験を行ったのは、4本の樹脂被覆PC鋼より線のなかで最も下側に位置するケーブルとした。即ち、図3に示すように、鋼管30内に配置された際に角度の最も大きい樹脂被覆PC鋼より線20の配置と同じになるようにして1本の樹脂被覆PC鋼より線で行った。
【0049】
緊張側鋼管端部にはアンカープレート31をセットし、その上にラムチェアー32を載せ、さらにロードセル33を載せ、アンカープレート34をセットする。また、固定側鋼管端部にもアンカープレート35をセットし、その上にロードセル36を載せ、さらにアンカープレート37を載せ、そして、アンカーディスク38にウェッジ39をセットし、樹脂被覆PC鋼より線20が緊張時止まるようにする。
【0050】
このような状態で、プルロッド40を用いてジャッキ41にてスリーブ42を緊張する。そして、緊張側の荷重と固定側の荷重との比較から以下の式に従って摩擦係数λを求める。これによって得られた摩擦係数を表1に示す。
【0051】
P=Po×e−(μα+λl)
P=固定側での荷重(kgf)
Po=緊張端での荷重(kgf)
l=緊張端と固定端の距離(m)
μ=角度あたりの摩擦係数(l/rad)
λ=長さあたりの摩擦係数(l/m)
α=緊張端から固定端間での角変化(rad)
この試験ではμα=0として計算する。
【0052】
さらに、比較のために滑剤の充填されていない内径19.5mm、厚み2mmポリエチレンシースを被せたエポキシ樹脂被覆PC鋼より線4本のものについても同じような試験を行い摩擦係数を求めた。これらの結果についても併せて表1に示す。
【0053】
次に、グラウトとの付着試験は、日本コンクリート工学協会の<コンクリート引き抜き試験方法>に準じた方法により行った。図4に示すように、20cm立方で、内部に内径16cmで、直径6mmの補強筋50が配置され、モルタル強度を270kgf/cm(26.5MPa)としたコンクリートブロック51内で樹脂被覆PC鋼より線20を引き抜き、そのときの荷重を測定する。これにより樹脂被覆PC鋼より線の付着強度を求めた。付着強度は引き抜き時の最大荷重を測定し、裸のPC鋼より線の付着強度を1.00として比率で評価した。その結果も表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0003735050
【0055】
この表から明らかなように、75μm未満の粒子が60質量%以上されている各実施例はいずれも摩擦係数が0.004以下となっており、摩擦抵抗が小さいことがわかる。また、これらの実施例は十分な付着強度も得られており、アンカーとして高い信頼性の得られることもわかる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明アンボンドPC鋼より線によれば樹脂被覆PC鋼より線と樹脂シースとの間に滑剤を充填することにより、削孔内でケーブルに折れ曲がりが生じても摩擦抵抗を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明アンボンド被覆PC鋼より線の製造工程の説明図である。
【図2】本発明アンボンドPC鋼より線の断面図である。
【図3】摩擦試験の試験方法の説明図である。
【図4】グラウトとの付着試験の試験方法の説明図である。
【図5】ウェッジタイプのアンカー構造の説明図である。
【図6】スリーブタイプのアンカー構造の説明図である。
【図7】ウェッジタイプの防食ケーブルの説明図である。
【図8】ウェッジタイプの防食ケーブルの説明図である。
【図9】スリーブタイプの防食ケーブルの説明図である。
【符号の説明】
1 サプライ側
2 前処理装置
3 加熱装置
4 塗装装置
5 目板
6 粒状体付着装置
7 再加熱装置
8 冷却装置
9 駆動装置
10 裸のPC鋼より線
11 樹脂被膜PC鋼より線
12 リール
13 サプライ側
14 グリース箱
15 押し出し機機
16 ポリエチレン
17 冷却装置
20 防食PC鋼より線
21 樹脂
22 エポキシ樹脂被覆層
23 ポリエチレンシース
24 粒状体
25 滑剤
30 鋼管
31 アンカープレート
32 ラムチェアー
33 ロードセル
34 アンカープレート
35 アンカープレート
36 ロードセル
37 アンカープレート
38 アンカーディスク
39 ウェッジ
40 プルロッド
41 ジャッキ
42 スリーブ
50 補強筋
51 コンクリートブロック
60 PC鋼より線
61 孔
62 アンカーディスク
63 ウェッジ
64 アンカープレート
70 スリーブ
71 ナット
80 被覆PC鋼より線
81 裸のPC鋼より線
82 エポキシ樹脂被覆
83 ポリエチレンシース
90 素線
91 エポキシ樹脂被覆
92 フィルム
93 潤滑剤
94 シース
100 ケーブル
101 ポリエチレンシース
102 スリーブ
L クリアランス

Claims (5)

  1. 樹脂被覆PC鋼より線と、
    この樹脂被覆PC鋼より線の外側を覆う樹脂シースと、
    樹脂被覆PC鋼より線と樹脂シースとの間に充填される滑剤とを具え、
    前記樹脂被覆PC鋼より線は、PC鋼より線と、その表面に形成される熱硬化性樹脂の被覆層と、被覆層から部分的に突出するように埋設された粒状体とを具え、この粒状体は75μm未満の粒子が60質量%以上含有され、
    前記樹脂被覆PC鋼より線と樹脂シースとの間の摩擦係数λが0.004(1/m)以下であることを特徴とするアンボンド被覆PC鋼より線。
  2. 前記粒状体は53μm未満の粒子が60質量%以上含有されることを特徴とする請求項1に記載のアンボンド被覆PC鋼より線。
  3. 樹脂被覆PC鋼より線と合成樹脂製シースとのクリアランスが50μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のアンボンド被覆PC鋼より線。
  4. 外周にナットが嵌合するねじ面を有するスリーブと、
    このスリーブ内に、請求項1〜3のいずれかに記載のアンボンド被覆PC鋼より線における樹脂被覆PC鋼より線の端部をそのまま又は部分的に樹脂被覆を剥いで固定する充填剤とを具えることを特徴とするアンボンド被覆PC鋼より線。
  5. 外周にナットが嵌合するねじ面を有するスリーブを具え、
    このスリーブ内には、請求項1〜3のいずれかに記載のアンボンド被覆PC鋼より線における樹脂被覆PC鋼より線の端部がそのまま又は部分的に樹脂被覆を剥いで圧着固定されていることを特徴とするアンボンド被覆PC鋼より線。
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