JPH1077561A - 繊維成形体およびその製造方法 - Google Patents

繊維成形体およびその製造方法

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JPH1077561A
JPH1077561A JP8230314A JP23031496A JPH1077561A JP H1077561 A JPH1077561 A JP H1077561A JP 8230314 A JP8230314 A JP 8230314A JP 23031496 A JP23031496 A JP 23031496A JP H1077561 A JPH1077561 A JP H1077561A
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fiber
fibers
composite
thermoplastic polymer
layer
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JP8230314A
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Noriyoshi Shintaku
知徳 新宅
Tomoshige Sugino
知重 杉野
Masumi Fujimoto
倍已 藤本
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】目的の用途に必要な厚さまたは長さまたは幅に
容易に分離して使用可能な消臭性を有する繊維成形体を
提供すること。 【解決手段】消臭繊維Aおよび複合繊維Bを含む繊維成
形体であって、複合繊維Bは熱可塑性重合体R1と熱可
塑性重合体R2から構成され、熱可塑性重合体R1の融
点は消臭繊維Aおよび熱可塑性重合体R2の融点のいず
れよりも低く、かつ複合繊維Bの相互間および複合繊維
Bと消臭繊維Aとの間の接触点の少なくとも一部が実質
的に接着してなる層aと複合繊維Bが含まれないかまた
は層aの複合繊維Bの重量比より、複合繊維Bの重量比
が小さい層bとが交互に存在することを特徴とする繊維
成形体およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維成形体に関す
る。さらに詳しくは、所望の用途に必要な厚さまたは長
さまたは幅に容易に分離して使用することが可能な消臭
性を有する繊維成形体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、寝装用や医療用のベッドマットの
中材、電車や自動車などで使用される車両用シートの中
材、家具用ソファーの中材等クッション材や、衣料用パ
ッド材、ドアトリム、サンバイザー、各種用途のフィル
ター、住宅用遮音、断熱などの遮蔽材としては、一般に
ポリウレタン等の樹脂発泡体が主として用いられてきた
が、樹脂発泡体は発泡時に環境面で問題があるフロンガ
スまたはその代替ガスを使用する必要があり、通気性や
透湿性が低く蒸れやすい上に、透水性や乾燥性が低いと
いう問題があった。そこで、これら樹脂発泡体の問題を
解消するクッション材として、繊維を加熱圧縮して相互
の接触点を接合せしめた繊維成形体が、例えば特公昭6
2−2155号公報、特公平1−18183号公報、特
公平4−33478号公報、特開平3−140185号
公報等により提案されている。
【0003】これらの繊維成形体からなるクッション材
は、熱接着性の繊維として低融点の繊維を使用したり、
高融点の熱可塑性樹脂を芯成分とし、低融点の熱可塑性
樹脂を鞘成分とする複合繊維を用いること等によって、
繊維相互間の接着を図ったものであり、ある程度の成果
は得られている。しかし、従来の樹脂発泡体のように大
型のブロックに成形し、裁断、接着によって製品化する
必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た消臭性を有すると共に、圧縮に対してへたり難く、ソ
フトで透湿性、透水性が高く快適な使用感を有し、目的
の用途に必要な厚さまたは長さまたは幅に容易に分離し
て使用することが可能な繊維成形体およびこの繊維成形
体を効率的に製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維成形体は前
記課題を解決するため以下の構成を有する。
【0006】すなわち、消臭繊維Aおよび複合繊維Bを
含む繊維成形体であって、複合繊維Bは熱可塑性重合体
R1と熱可塑性重合体R2から構成され、熱可塑性重合
体R1の融点は消臭繊維Aの融点および熱可塑性重合体
R2の融点のいずれよりも低く、かつ複合繊維Bの相互
間および複合繊維Bと消臭繊維Aとの間の接触点の少な
くとも一部が実質的に接着してなる層aと、複合繊維B
が含まれないかまたは層aの複合繊維Bの重量比より複
合繊維Bの重量比が小さい層bとが交互に存在すること
を特徴とする繊維成形体である。
【0007】また、本発明の繊維成形体の製造方法は以
下の構成を有する。
【0008】すなわち、2種類以上の繊維を混綿するに
際し、1種は融点が消臭繊維Aおよび熱可塑性重合体R
2より低い熱可塑性重合体R1を有する複合繊維Bを混
綿、開繊して、気体と共に通気性型枠内に充填して形成
される層aおよび前記複合繊維Bの含有割合が層aに比
べて低く充填して形成される層bを交互に存在せしめ、
圧縮した状態で熱接着処理をすることを特徴とする繊維
成形体の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
について実施例を用いて詳細に説明する。
【0010】本発明の繊維成形体は、消臭繊維Aと複合
繊維Bを含むものである。例えば、図1のように複合繊
維Bを多く含む層a(a1 〜a6 )と複合繊維Bを含ま
ないかまたは層aの複合繊維Bの含有量に比べて複合繊
維Bの含まれる割合が低い層b(b1 〜b5 )が交互に
存在し、積層されたものである。
【0011】層aは本発明の用途に使用され、複合繊維
Bの相互間および複合繊維Bと消臭繊維Aとの接触点
で、複合繊維Bの熱可塑性重合体R1によって溶融接着
され、安定な形状に熱固定され得る。一方、層bは多層
に積層された層aの間にあって、層a1 、a2 、a3 、
a4 、a5 、a6 を使用する際に分離可能な層であっ
て、層aに比べて複合繊維Bの熱可塑性重合体R1によ
る溶融接着がないかまたは溶融接着の程度が少ない層で
ある。したがって層bの厚さは層a間を分離するに必要
な厚さであればよい。
【0012】この多層構造化された繊維成形体は、使用
される場合に裁断機などを使用して裁断することなく、
層b部分で容易に剥離して使用できるのである。
【0013】次に、本発明の繊維成形体に用いる消臭繊
維Aについて説明する。消臭繊維Aとして、特開平3−
124809号公報に記載されているようにポリマに消
臭成分を練りこむ形の繊維を使用してもよいし、特開昭
62−6978号公報に記載されているように消臭成分
を後加工で付与する方法で得たものでもよい。消臭繊維
Aは、例えば、消臭成分を後加工で付与する方法とし
て、グラフト重合により遊離の酸性基をグラフトするこ
とによっても得られる。この方法における酸性基はカル
ボキシル基やスルホン酸基を意味し、酸性基の含有量
は、耐久性のある消臭性能を付与するために3.2×1
-4グラム当量/グラム・ファイバー以上が好ましく、
より好ましくは9.3×10-4グラム当量/グラム・フ
ァイバー以上である。なお、グラフト重合により導入さ
れた酸性基の末端は−COOH、あるいは−SO3 Hの
状態のものが最も好ましいが、一部アルカリ金属やアル
カリ土類金属、さらには一般の金属や第4級アンモニウ
ム塩などのイオン性有機物によって置換されていてもよ
い。このようなグラフト重合で多量の酸性基を繊維の表
面により多く分布させることは、悪臭の根源といわれて
いるアンモニア、硫化水素、メルカプタン類等の悪臭を
効率良く吸収させることができ好ましい。
【0014】消臭繊維Aの断面形状は丸形断面であって
もよく、多角、多葉、楕円などの異形断面やそれらの中
空断面でもよい。中空断面は繊維成形体の嵩高性を向上
させるためより好ましい例である。消臭繊維Aとして
は、繊度が0.5〜30デニール、繊維長が10〜10
0mmの短繊維が好ましく用いられる。0.5デニール
より細いと、繊維の嵩が低くなったり、繊維成形体の密
度のわりに圧縮に対する抵抗が低くなり、かつ、圧縮回
復性も低下することがある。また、30デニールより太
くなると、触感が粗硬になることがある。また、繊維長
が10mmより短いと、繊維間の絡合性が悪くなり、繊
維成形体を薄くした場合に形状を保持し難くなることが
あり、100mmより長いと、開繊、混綿性が悪くな
り、均一な密度の繊維成形体を得難くなることがある。
さらに、消臭繊維Aの捲縮は、繊維成形体の用途によっ
て適宜定めればよく、嵩高性、ソフト感、圧縮に対する
回復性をよくするためには、捲縮数は3〜10山/25
mm、捲縮度は5〜30%が好ましい。消臭繊維Aに
は、必要に応じて酸化チタン、カーボンブラック等の顔
料のほか、各種の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電
防止剤等を、本来の機能を喪失しないかぎり混合などに
より添加することも好ましい。
【0015】次に、本発明の繊維成形体に用いる複合繊
維Bについて説明する。
【0016】複合繊維Bは熱可塑性重合体R2および熱
可塑性重合体R1からなり、熱可塑性重合体R1として
は、例えば、ポリエステル系の場合、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン
ブテン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリ
オレフィンあるいはオレフィン共重合体、ポリヘキサメ
チレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンブチレンテ
レフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートイソ
フタレート等のポリエステルあるいは共重合ポリエステ
ル等の熱可塑性ポリマーから選ばれる、少なくとも一種
類のポリマーを用いることができる。
【0017】熱可塑性重合体R2は、特に限定されない
が、例えば、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸あるいはそれらのエステルを主たるジカルボン酸
成分とし、エチレングリコールもしくはテトラメチレン
グリコールを主たるグリコール成分とするポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートあるい
は、ポリエチレン2,6−ナフタレートなどのポリエス
テルを用いることができる。このうちポリエチレンテレ
フタレート(通常のポリエステル)が好ましい。
【0018】また、複合繊維Bがナイロン系の場合は、
例えば、熱可塑性重合体R2がナイロン6で熱可塑性重
合体R1がナイロン6にナイロン66を共重合して融点
を低くしたものなども使用可能である。
【0019】これら熱可塑性重合体R1の融点は、繊維
成形体の製造において熱処理を施して熱融着するため、
繊維間の十分な熱接着性を得ることや必要以上に高温熱
処理を施すことを避けるために、その他の繊維や熱可塑
性重合体R2に比べて20℃以上低いのが好ましく、8
0〜170℃の範囲にあるのが好ましい。
【0020】複合繊維Bにおける熱可塑性重合体R1/
熱可塑性重合体R2の重量比R1/R2は20/80〜
60/40であるのが好ましく、特に、20/80〜5
0/50の範囲がより好ましく、R1の重量比が20%
未満になると繊維間の熱接着性が十分に得られなくな
り、製造した繊維形成体の形態固定性が悪くなる傾向が
ある。また、R1の重量比が60%を越えると、繊維成
形体のソフト感が損なわれ、さらに圧縮残留歪が大きく
なる問題を生ずる傾向がある。
【0021】複合繊維Bは、繊維成形体を使用する際の
揉み作用などに対する形態安定性や発塵が少ない観点か
ら、熱可塑性重合体R2を芯成分とし、熱可塑性重合体
R1を鞘成分とする芯鞘型の複合繊維が特に好ましい。
【0022】本発明の繊維成形体の層aに用いる複合繊
維Bは、重量比で15〜60重量%とするのが好まし
い。複合繊維Bが15重量%未満では複合繊維Bによる
熱接着点が少なくなって形態安定性が悪くなる傾向があ
る。また、複合繊維Cが60重量%を越えると繊維成形
体のソフト感が低下し、触感が粗硬になる傾向がある。
【0023】複合繊維Bには、このほか必要に応じてR
1、R2以外の酸化チタン、カーボンブラック等の顔料
のほか各種の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止
剤などが添加されていても勿論よい。このような複合繊
維Bは通常の複合紡糸法によって製造することができ
る。また、本発明の繊維成形体に嵩高性、ソフト感を付
与し、圧縮に対する回復性を向上させるため、複合繊維
Bは機械捲縮等を有するのが好ましい。この捲縮数は繊
維成形体の用途によって適宜定めればよいが、捲縮数は
少なくとも3〜10山/25mm、捲縮度が5〜30%
が好ましい。一層の嵩高性を付与するため、この捲縮が
紡糸時に非対称冷却などによって発現する潜在捲縮であ
ることはより好ましい。さらに、複合繊維Bとしては、
嵩高性、ソフト感付与の観点から繊度が0.5〜30デ
ニール、繊維長が10〜100mmの短繊維が好ましく
用いられる。
【0024】本発明の繊維成形体には、必要に応じて消
臭繊維Aおよび複合繊維B以外にその他の繊維が混用さ
れていてもよい。その他の繊維としては、木綿、羊毛な
どの天然繊維から、ポリエステル、ポリアミド、ポリア
クリルニトリルなどの合成繊維やレーヨン、アセテート
などの再生繊維や半合成繊維などを用い得る。その中で
もポリエステル系繊維やポリアミド系繊維が繊維成形体
の圧縮に対する回復性や形態安定性の面で優れた素材と
して好ましく用いられる。また、その他の繊維の断面形
状は丸形断面であってもよく、さらに多角、多葉、楕円
などの異形断面やそれらの中空断面でもよい。
【0025】本発明の繊維成形体に用いるその他の繊維
は、嵩高性、ソフト感を付与し、圧縮に対する回復性を
向上させるため、捲縮を有するのが好ましい。この捲縮
数は繊維成形体の用途によって適宜定めればよいが、捲
縮数は3〜10山/25mmが好ましく、捲縮度は5〜
30%が好ましい。一層の嵩高性を付与するため、この
捲縮が紡糸時に非対称冷却などによって発現する潜在捲
縮であることは好ましい。さらに、その他の繊維として
は、繊維成形体の形態固定性やソフト感付与の観点か
ら、繊度が0.5〜30デニールであるのが好ましく、
繊維長が10〜100mmの短繊維が好ましく用いられ
る。その他の繊維には、このほか必要に応じて酸化チタ
ン、カーボンブラック等の顔料のほか各種の抗酸化剤、
着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤などが添加されていて
も勿論よい。
【0026】次に、本発明の繊維成形体の製造方法につ
いて説明する。図2は、本発明の繊維成形体の製造方法
の一例に用いられる装置の金型の模式的概略縦断面図で
ある。
【0027】前記の消臭繊維A、複合繊維Bおよび必要
に応じてその他の繊維を、通常の紡績工程で使用する給
綿機、混綿機、開繊機によって、目的の混綿率に混綿、
開繊し、目的に応じた形状の通気性型枠に送綿ファンに
よる空気流などの気体と共に吹き込んで充填する。
【0028】本発明で用いる型枠は通気性を有する。型
枠が通気性を有さない場合、繊維の充填が効率よく行え
ない問題がある。通気性の範囲は、例えば、JIS L
1079−1966フラジール型通気性試験機により
測定した際においては、通気性は5〜200cc/cm
2 ・secの範囲が好ましい。
【0029】このような型枠としては、例えば、図2に
示すパンチング金属板を用いた上金型2および下金型1
を用いることができる。
【0030】通気性下金型1内に吹き込む方法は、ま
ず、少なくとも消臭繊維Aと複合繊維Bあるいは、その
他の繊維を混綿、開繊し、吹き込み口3から吹き込んで
層aを充填する。次いで、前記混綿の組合せで複合繊維
Bを混綿しないかまたは、複合繊維Bの混綿割合を層a
に比べて低くして層bを吹き込み口3から吹き込み充填
する。前記層aと層bの吹き込み充填を繰り返した後、
通気性上金型2で充填繊維を圧縮し、目的の密度で通気
性上金型2を圧縮固定する。前記圧縮は、層aと層bの
繊維を吹き込むごとに実施すれば、各層の密度を均一に
することができ好ましい。
【0031】さらに、前記の圧縮固定された繊維を通気
性金型ごと熱処理して、複合繊維B相互間および複合繊
維Bと消臭繊維Aやその他の繊維との接触点の一部を接
着して形態を固定する。熱処理の温度は複合繊維Bの熱
可塑性重合体R1が溶融接着する温度であればよく、一
般的には、熱可塑性重合体R1の融点以上で、200℃
以下が好ましい。
【0032】充填密度は、繊維成形体の用途に応じて適
宜定めればよいが、一般的には、0.01〜0.1g/
cm3 が好ましい。密度が0.01g/cm3 未満で
は、繊維成形体がソフトすぎて形態安定性が悪くなり、
0.1g/cm3 を越えると、繊維成形体のソフト感が
低下する傾向にある。
【0033】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳
細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法は次の
通りである。
【0034】(1)消臭性 A法:アンモニアガス検知管法で、ガラス製カラムに繊
維成形体のa層を開繊して3g充填し、1000ppm
のアンモニアガス濃度の気体を3.3cm/秒の通気速
度で通過させ、破過時間、破過吸着量を測定する(破過
吸着量としては、消臭性を発揮させるために家庭水洗い
後においても12mg/g以上であることが望まし
い)。
【0035】B法:約5%のアンモニア水を3×6cm
の濾紙に0.25ml含浸させた後、150mlのガラ
ス容器に入れ、同時に繊維成形体のa層を開繊した繊維
を0.5g入れて密栓をし、4時間放置後の臭気変化を
官能評価する。(無臭、やや臭う、臭う、強臭の4段階
に評価した。) ただし、洗濯は家庭用洗剤2g/l、欲比1:50の条
件で40℃、5分間洗濯し、水洗、乾燥したものであ
る。
【0036】(2)繊度 JIS L 1015−7−51Aの方法に準じて測定
した。
【0037】(3)平均繊維長(カット長) JIS L 1015A法(ステープルダイヤグラム
法)に準じて測定した。
【0038】(4)捲縮数および捲縮度 捲縮数および捲縮度はJIS L 1015−7−12
−1およびJIS L1015−7−12−2の方法に
準じて測定した。
【0039】(5)密度 繊維成形体(タテ:20cm、ヨコ:20cm、厚さ:
20cm)を20℃×65%RHの雰囲気中に24時間
放置した後の重量(w)を測定し、次式で求めた。
【0040】密度(g/cm3 )=w/8000 (5)層bでの剥離による分離性 層a1と層a2を指でつかみ、層bでの剥離による分離
性を触感判定し、層aが変形することなく極めて容易に
分離性する(◎)から、分離性困難(×)まで4段階で
評価した。
【0041】[実施例1〜3および比較例1]通常のナ
イロン6チップ(融点215℃)を溶融紡糸、延伸して
得られた繊度約8デニール、カット長51mmの円形中
空(中空率18%)ナイロン6ステープルとした。さら
に、このステープルをアクリル酸19%owf、メタク
リル酸30%owf、過硫酸アンモニウム1%owf、
スーパーライトC(三菱ガス化学社製)3%owf、浴
比1:14の条件で常温から1℃/分の速度で80℃の
加温昇温し、80℃で60分間グラフト重合加工してナ
イロン6系消臭繊維Aを製造した。この消臭繊維A10
0%のメタクリル酸のグラフト率を重量増加率から求
め、カルボキシル基の量を求めたところ、3.27×1
-2グラム当量/グラム・ファイバーであった。繊維の
断面をカットし、カチオン染料で染色し、カルボキシル
基の分布状態を調べたところ、カルボキシル基は繊維の
表面に多く存在することを確認した。この消臭繊維A1
00%の消臭性はA法の破過吸着量の洗濯前で34.6
mg/g、洗濯後で31.2mg/g、B法では洗濯前
後ともに無臭であり、極めて高い消臭性を示した。な
お、A法の洗濯前破過時間は46分であった。
【0042】これとは別に、通常のナイロン6チップ
(融点215℃)を芯部に50重量%、ナイロン6にナ
イロン66を共重合した融点105℃のチップを鞘部に
50重量%複合した繊度4デニール、カット長51mm
の円形断面の複合繊維Bを製造した。
【0043】前記消臭繊維Aおよび複合繊維Bを混綿
し、ローラカードでさらに混綿・開繊し、図2のような
金型の吹込口3から、各面にパンチングが施された内面
が1000×1000×1000mmの下金型1に空気
流と共に吹き込んで、層aおよび層bを充填するごとに
各面にパンチングが施された上金型2で圧縮し、層aお
よび層bを多層に吹き込充填した後、充填繊維を上金型
2で充填密度0.038g/cm3 、厚さ500mmで
固定した。充填圧縮した繊維混合物を金型ごと紡績糸の
セットに使用するヒートセッターを用いて、蒸熱120
℃×30分間熱セットし、層aおよび層bが多層に積層
された繊維成形体を製造した。
【0044】表1に層bの消臭繊維Aと複合繊維Bの混
綿割合を変えて得られた繊維成形体の性質を示す。実施
例1、2および3は層bの複合繊維Bの混綿割合が0〜
30重量%で、層aに比べて複合繊維Bの混綿割合が低
く、層aの繊維成形体を変形させることなく、層bでの
剥離による分離が良好で、かつ消臭性A法およびB法と
もに良好なものであった。これに対し、比較例1は消臭
性はA法およびB法ともに良好なものの、層aと層bに
含まれる複合繊維Bの混綿割合が同一で、層bでの剥離
による分離性に劣るものであった。
【0045】
【表1】 [実施例4]融点が255℃の通常ポリエチレンテレフ
タレートをペレット状態とし、紡糸温度280℃、引取
り速度1350m/分、中空率31%の中空断面構造と
し、紡糸口金の出口で非対称冷却した未延伸糸を紡糸
し、この未延伸糸を延伸倍率3.0倍、延伸浴温度80
℃で延伸し、クリンパで機械捲縮を付与した後、カット
長38mmに切断して175℃の熱処理をして繊度約6
デニール、捲縮数4.6山/25mm、捲縮度26.4
%の通常ポリエステル中空繊維(その他の繊維)を製造
した。
【0046】これとは別に、熱可塑性重合体R2として
融点が255℃の通常ポリエチレンテレフタレート、熱
可塑性重合体R1としてイソフタル酸40モル%共重合
した融点が110℃のポリエチレンテレフタレート系ポ
リエステルを用いて、紡糸温度285℃、引取り速度1
350m/分、R1/R2で表される重量比が50/5
0の熱可塑性重合体R2を芯部とし、熱可塑性重合体R
1を鞘部とした同心円状の複合繊維Bの未延伸糸を紡糸
し、この未延伸糸を延伸倍率3.0倍、延伸浴温度80
℃で延伸し、クリンパで機械捲縮を付与した。さらに、
70℃の熱セッターで乾燥した後、仕上げ油剤を付与し
て、カット長64mmに切断して、繊度約4デニール、
表面層の融点が約110℃の複合繊維Bを得た。
【0047】前記実施例1で製造した消臭繊維A、前記
ポリエステル系複合繊維Bおよび前記その他の繊維を混
綿し、ローラカードでさらに混綿・開繊し、図2のよう
な金型の吹込口3から、各面にパンチングが施された内
面が1000×1000×1000mmの下金型1に層
aは前記消臭繊維Aを40重量%、ポリエステル系複合
繊維Bを30重量%、その他の繊維を30重量%とし、
層bはその他の繊維のみとして空気流と共に吹き込ん
で、層aと層bを充填するごとに各面にパンチングが施
された上金型2で圧縮し、層aおよび層bを多層に吹き
込み充填した後、充填繊維を上金型2で充填密度0.0
3g/cm3 、厚さ500mmで固定した。充填圧縮し
た繊維混合物を金型ごと紡績糸のセットに使用するヒー
トセッターを用いて、蒸熱130℃×25分間熱セット
し、層aおよび層bが多層に積層された繊維成形体を製
造した。
【0048】得られた繊維成形体は、層bの複合繊維B
の混綿割合が0重量%で、層aに比べて複合繊維Bの混
綿割合が低く、層aの繊維成形体を変形させることな
く、層bでの剥離による分離が良好で、かつ消臭性A法
およびB法ともに良好なものであった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、所望の用途に必要な厚
さまたは長さまたは幅に容易に分離して使用可能な消臭
性を有する繊維成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維成形体の一例をモデル的に示す概
略斜視図である。
【図2】本発明の繊維成形体の製造に用いられる装置の
一例をモデル的に示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
1:下金型 2:上金型 3:気体の吹き込み口

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】消臭繊維Aおよび複合繊維Bを含む繊維成
    形体であって、複合繊維Bは熱可塑性重合体R1と熱可
    塑性重合体R2から構成され、熱可塑性重合体R1の融
    点は消臭繊維Aの融点および熱可塑性重合体R2の融点
    のいずれよりも低く、かつ複合繊維Bの相互間および複
    合繊維Bと消臭繊維Aとの間の接触点の少なくとも一部
    が実質的に接着してなる層aと、複合繊維Bが含まれな
    いかまたは層aの複合繊維Bの重量比より複合繊維Bの
    重量比が小さい層bとが交互に存在することを特徴とす
    る繊維成形体。
  2. 【請求項2】層aにおける前記複合繊維Bの重量比が1
    5〜60%であることを特徴とする請求項1に記載の繊
    維成形体。
  3. 【請求項3】消臭繊維Aの重量比が40%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の繊維成形体。
  4. 【請求項4】複合繊維Bが芯鞘複合繊維であり、熱可塑
    性重合体R2を芯成分に、熱可塑性重合体R1を鞘成分
    とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の繊維成形体。
  5. 【請求項5】消臭繊維Aは、遊離のカルボキシル基を
    3.2×10-4グラム当量/グラム・ファイバー以上含
    有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の繊維成形体。
  6. 【請求項6】構成繊維の繊度がいずれも0.5〜30デ
    ニール、繊維長が10〜100mmであることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の繊維成形体。
  7. 【請求項7】構成繊維がいずれも3次元捲縮を有する短
    繊維であり、かつ、少なくとも3山/25mmの捲縮数
    と少なくとも5%の捲縮度とを有することを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の繊維成形体。
  8. 【請求項8】複合繊維Bの鞘成分/芯成分の重量比が2
    0/80〜60/40であることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載の繊維成形体。
  9. 【請求項9】2種類以上の繊維を混綿するに際し、1種
    は融点が消臭繊維Aおよび熱可塑性重合体R2より低い
    熱可塑性重合体R1を有する複合繊維Bを混綿、開繊し
    て、気体と共に通気性型枠内に充填して形成される層a
    および前記複合繊維Bの含有割合が層aに比べて低く充
    填して形成される層bを交互に存在せしめ、圧縮した状
    態で熱接着処理をすることを特徴とする繊維成形体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】層aと層bに用いる繊維を充填するごと
    に圧縮処理を施すことを特徴とする請求項9に記載の繊
    維成形体の製造方法。
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