JPH1076906A

JPH1076906A - エアバッグ

Info

Publication number: JPH1076906A
Application number: JP8235998A
Authority: JP
Inventors: Takahiro Iino; 恭弘飯野; Yasusuke Matsushima; 庸介松島; Tomomasa Terasawa; 知真寺澤; Takashi Kikuchi; 隆志菊地
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1996-09-06
Filing date: 1996-09-06
Publication date: 1998-03-24

Abstract

(57)【要約】【課題】乗員保護のために必要かつ充分なだけの高圧
ガスをエアバッグ内に確保するまでは、ベントホールか
らの余剰ガスのエアバッグ外への漏洩を少なくして、エ
アバッグの迅速かつ確実な展開を可能にしたエアバッグ
を提供する。【解決手段】ほぼ中央に穿設されたインフレータ用開
口４にインフレータ５が装着された袋状のエアバッグ１
において、エアバッグ１の適宜位置にベント用スリット
８を穿設しことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の乗員保
護のために運転席、助手席、側面あるいは後部座席等に
設置されるエアバッグに係り、エアバッグ展開時の高圧
ガスを適度に逃すために設けられるベントホールの構造
に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、乗員保護のためにステアリングホ
イールや助手席あるいはその他にエアバッグを採用する
自動車の比率が高まり、数多くの種類のエアバッグが提
案されてきている。車両の乗員保護のために使用される
エアバッグは、例えば運転席に設置される例として、通
常、ステアリングホイール等の車体側に位置する裏布と
乗員側に位置する表布とがそれらの外周部を縫合等によ
り接合されて袋状に形成される。そして、万一の衝突時
には、減速度を検知して作動するインフレータから発生
した高圧ガスにより袋状のエアバッグが展開膨張する。
この時、通常、エアバッグの適宜部位には乗員保護のた
めに必要かつ充分なだけの内圧を確保した上で、余剰ガ
スをエアバッグ外に逃がすためのベントホールが穿設さ
れている。このようなものの一例として図５に示したも
のがある。これを説明すると、エアバッグ２１は乗員側
の表地２２と車体側の裏地２３からなり、それらの周縁
の縫合部により接合されて袋状に構成され、この袋状の
エアバッグ２１における裏地２３のほぼ中央には補強体
２６によって補強されたインフレータ用開口２４が穿設
され、図示省略のインフレータを装着できるように構成
されている。そして、裏地２３の適宜部位には補強体２
９によって周囲が補強された複数個の円形のベントホー
ル２８が穿設される。これによって、エアバッグが展開
膨張する時、乗員保護のために必要かつ充分なだけの内
圧を確保した上で余剰ガスをエアバッグ外に逃がすこと
ができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のエアバッグにあっては、ベントホールとして所定
半径の円形孔が穿設されているだけであって、エアバッ
グの内圧の微妙な調節は不可能であった。このため、エ
アバッグ内に乗員保護のために必要かつ充分なだけの内
圧を確保する前に高圧ガスがエアバッグ外に逃げてしま
う虞れがないわけではなかった。したがって、インフレ
ータから発生する総ガス量をエアバッグ容積より過剰に
する必要があり、インフレータ発生ガス量の低減および
インフレータの軽量化、コンパクト化が困難であった。

【０００４】そこで、本発明は従来のエアバッグにおけ
る前記課題を解決して、乗員保護のために必要かつ充分
なだけの高圧ガスをエアバッグ内に確保するまでは、ベ
ントホールからの余剰ガスのエアバッグ外への漏洩を少
なくして、エアバッグの迅速かつ確実な展開を可能にし
たエアバッグを提供する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、ほぼ
中央に穿設されたインフレータ用開口にインフレータが
装着された袋状のエアバッグにおいて、エアバッグの適
宜位置にベント用スリットを穿設しことを特徴とするも
のである。また本発明は、前記ベント用スリットが複数
のスリット群よりなることを特徴とするものである。ま
た本発明は、前記ベント用スリットに過大圧力逃しスリ
ットを連設したことを特徴とするもので、これらを課題
解決のための手段とするものである。

【０００６】

【実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づい
て説明する。図１および図２は本発明の第１実施の形態
を示すもので、図１（Ａ）はインフレータが省略された
エアバッグ装置の一部カットの全体斜視図、図１（Ｂ）
はＡ矢視の底面図である。図２（Ａ）はエアバッグ装置
の半分の断面図であり、図２（Ｂ）はＢ矢視のスリット
ベントホール底面図、図２（Ｃ）はスリットベントホー
ルの作動を示すＢ斜視図である。図１（Ａ）および図２
（Ａ）に示すように、エアバッグ１は、ほぼ中央に穿設
されたインフレータ用開口４の周囲が複数層の補強体６
にて接合補強された車体側の裏地３の外周部と該裏地３
に対向して配置される乗員側の表地２の外周部とを接合
して袋状に形成され、前記インフレータ用開口４にはエ
アバッグ１内に高圧ガスを供給するインフレータ５が挿
入される。該インフレータ５を図示外のステアリングシ
ャフト等に固定されたベースプレート１２に対して前記
補強体６にて接合補強された裏地３および該ベースプレ
ート１２をリテーナ７とによって挟持する形態にて取り
付ける。

【０００７】本発明では、図１に示すように、エアバッ
グ１の裏地３の適宜位置に複数（図示の例では２個）の
ベント用スリット８が穿設される。本実施の形態では、
図２（Ａ）のＢ矢視図である図２（Ｂ）に明示されるよ
うに、４つの小さな十字形に配列されたスリット群によ
りベント用スリット８が形成されたものである。図示は
しないが、これらのスリットには補強用縁取りや亀裂防
止のための応力分散用の端部拡大丸孔が形成されてもよ
い。本発明では、エアバッグ１の表地２および裏地３と
して、高周波溶着等の熱溶着性に優れて伸縮性のあるフ
ィルム、例えば、ウレタン等の熱可塑性エラストマー、
エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エ
ラストマー等の熱可塑性フィルムあるいはポリアミド
（ポリアミド６あるいはポリアミド６６等）、ポリエス
テル、ポリイミド等の合成繊維織布が採用される。

【０００８】このように構成されているので、万一の衝
突時には、減速度を検知して作動するインフレータ５か
ら発生した高圧ガスが袋状のエアバッグ１内に噴出して
エアバッグ１を膨張展開させることとなるが、図２
（Ａ）に示すように、乗員保護のために必要かつ充分な
だけの高圧ガスがエアバッグ１内に確保されて充分にエ
アバッグ１が膨張するまでは、ベントホール８自体がス
リット状のオリフィスを形成しているために高圧ガスが
妄りにエアバッグ外に漏洩することがなく、エアバッグ
１が迅速かつ確実に膨張展開することになる。その後、
図２（Ｃ）に示すように、エアバッグ１が膨張して乗員
保護のために必要かつ充分なだけの内圧が得られた段階
で、さらに余剰ガスによって内圧（図面黒矢印）が高ま
り、さらに乗員がエアバッグに当接してバッグ内圧がよ
り高まると、ベント用スリット８を形成する４つの小さ
な十字形に配列されたスリット群を通じて余剰ガスが白
矢印のようにエアバッグ２の外に流出することになる。
このことは、恰も、ベント用スリット８によるオリフィ
ス作用によってエアバッグ１内が所定圧で調圧されたこ
とと同様の結果を生じさせることとなる。本発明によれ
ば、エアバッグ本体にスリットを穿設するだけの簡素な
構造によって、エアバッグ１内が所定圧で調圧されたこ
とと同様の結果を生じさせることができ、乗員保護のた
めに必要かつ充分なだけの高圧ガスを供給してエアバッ
グ１を迅速かつ確実に膨張展開させることができる。

【０００９】図３は本発明の第２実施の形態を示すもの
で、前記第１実施の形態のものと同様に複数のスリット
群によりベント用スリット８が形成されているが、本実
施の形態では、複数のスリット群が基本的には円形に配
列されたものである。図３（Ａ）の例では、４つの円弧
状のスリット群により円形のベント用スリット８が形成
され、図３（Ｂ）の例では、図３（Ａ）のものの円形の
スリット群の中に十字形のスリット群が配置されたもの
である。このように構成されているので、前記第１実施
の形態のものの直線状のスリットに比較して円弧状のス
リットを採用したことにより、スリットの有効長さが大
きくなるので、余剰の高圧ガスを少しでも速く流出する
ことができる。

【００１０】図４は本発明の第３実施の形態を示すもの
で、単数のスリットによってベント用スリット８が形成
されたものである。図４（Ａ）の例では、１つのスリッ
トによりベント用スリット８が形成され、図４（Ｂ）の
例では、図４（Ａ）のもののスリットに過大圧力逃しス
リット８Ｓを連設したものである。このように構成され
ているので、図４（Ａ）の例では、単数のスリットの加
工が容易で、単純な形状でありながら、乗員保護のため
に必要かつ充分なだけの高圧ガスがエアバッグ１内に確
保されて充分にエアバッグ１が膨張するまでは、ベント
用スリット８自体がスリット状のオリフィスを形成して
いるために高圧ガスが妄りにエアバッグ外に漏洩するこ
とがなく、ひとたび余剰の高圧ガスによってベント用ス
リット８からガスが流出し出すと、充分に長いベント用
スリット８がその形状を大きく崩して余剰ガスが迅速に
流出して、エアバッグ１内が所定圧で調圧される。図４
（Ｂ）の例では、スリット８に直交する過大圧力逃しス
リット８Ｓを連設することによって、スリット８の幅を
さらに細いものとすることを可能にしたものである。余
剰ガスの流出時には点線のような形状のスリットとなり
余剰ガスの迅速な流出を助長する。

【００１１】以上、本発明の実施の形態に係るエアバッ
グについて詳述したが、該エアバッグが使用されるエア
バッグ装置はステアリングホイールや助手席のみなら
ず、ドアや後部座席その他に配置されるエアバッグ装置
にも採用されるものであり、本発明の趣旨の範囲内で、
エアバッグ、インフレータ用開口の補強体の形状、材
質、ベント用スリットの形状、幅、数、配置等について
は適宜採用できる。

【００１２】

【発明の効果】以上詳細に述べてきたように本発明によ
れば、万一の衝突時には、減速度を検知して作動するイ
ンフレータから発生した高圧ガスが袋状のエアバッグ内
に噴出してエアバッグを膨張展開させることとなるが、
乗員保護のために必要かつ充分なだけの高圧ガスがエア
バッグ内に確保されて充分にエアバッグが膨張するまで
は、エアバッグ本体に穿設されたベント用スリットのオ
リフィス作用によって、高圧ガスのエアバッグ外への漏
洩が少ないので、エアバッグ内が所定の内圧に達するま
でにエアバッグが迅速かつ確実に膨張展開することがで
きる。その後、エアバッグが膨張して乗員保護のために
必要かつ充分なだけの内圧が得られた段階で、さらに余
剰ガスによって内圧が高まり、さらに乗員がエアバッグ
に当接してバッグ内圧がより高まると、ベント用スリッ
トがその形状を大きく崩して余剰ガスが迅速にエアバッ
グ外に流出し、エアバッグ内が所定圧で調圧される。こ
のように、エアバッグ本体にきわめて単純なスリットを
穿設するだけで、所定の調圧された内圧が確実に得られ
て乗員保護を充分に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施の形態を示すもので、図１
（Ａ）はインフレータが省略されたエアバッグ装置の一
部カットの全体斜視図、図１（Ｂ）はＡ矢視の底面図で
ある。

【図２】本発明の第１実施の形態を示すもので、図２
（Ａ）はエアバッグ装置の半分の断面図であり、図２
（Ｂ）はＢ矢視のベント用スリットの底面図、図２
（Ｃ）はベント用スリットの作動を示すＢ斜視図であ
る。

【図３】本発明の第２実施の形態を示すもので、ベント
用スリットの底面図である。

【図４】本発明の第３実施の形態を示すもので、ベント
用スリットの底面図である。

【図５】従来のエアバッグ装置の一部カットの全体斜視
図および底面図である。

【符号の説明】

１エアバッグ２（乗員側）表地３（車体側）裏地４インフレータ用開口５インフレータ６補強体７リテーナ８ベント用スリット１２ベースプレート

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ほぼ中央に穿設されたインフレータ用開
口にインフレータが装着された袋状のエアバッグにおい
て、エアバッグの適宜位置にベント用スリットを穿設し
ことを特徴とするエアバッグ。
【請求項２】前記ベント用スリットが複数のスリット
群よりなることを特徴とする請求項１に記載のエアバッ
グ。
【請求項３】前記ベント用スリットに過大圧力逃しス
リットを連設したことを特徴とする請求項１または２に
記載のエアバッグ。