JPH1067824A - 高級α−オレフィン系共重合体 - Google Patents

高級α−オレフィン系共重合体

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JPH1067824A
JPH1067824A JP22684197A JP22684197A JPH1067824A JP H1067824 A JPH1067824 A JP H1067824A JP 22684197 A JP22684197 A JP 22684197A JP 22684197 A JP22684197 A JP 22684197A JP H1067824 A JPH1067824 A JP H1067824A
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Masaaki Kawasaki
川崎  雅昭
Shuji Minami
修治 南
Tetsuo Tojo
哲夫 東條
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性、低温特性
に優れ、しかも耐屈曲性などの動的特性に優れた高級α
−オレフィン系共重合体を得る。 【解決手段】 エチレン、炭素数6〜20の高級α−オ
レフィンおよび非共役ポリエンの共重合体であって、
(a)エチレン/α−オレフィン(モル比)が50/5
0〜5/95、(b)ヨウ素価が2〜40、(c)デカ
リン中135℃で測定した極限粘度〔η〕が1.0〜1
0dl/g、 (d)X線による結晶化度が5%以下で
ある防振ゴム、ゴムロール、タイヤ振動部のカバー材、
ベルトまたは樹脂改質材用高級α−オレフィン系共重合
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防振ゴム、ゴムロ
ール、タイヤ振動部のカバー材、ベルトまたは樹脂改質
材用高級α−オレフィン系共重合体に関する。さらに詳
しくは耐動的疲労性、耐熱性、耐オゾン性、低温特性な
どに優れた防振ゴム、ゴムロール、タイヤ振動部のカバ
ー材、ベルトまたは樹脂改質材用高級α−オレフィン系
共重合体(以下、単に高級α−オレフィン系共重合体と
いう)に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン・プロピレン・ジエン系共重合
体は、その耐熱性、耐オゾン性が良好なことから、自動
車工業部品、工業用ゴム製品、電気絶縁材、土木建材用
品、ゴム引布等のゴム製品、およびポリプロピレン、ポ
リスチレン等へのプラスチックブレンド用材料として広
く用いられている。しかしながら、この共重合体は耐動
的疲労性が劣るため、防振ゴム、ゴムロール、タイヤ振
動部のカバー材などに使用するには不適である。一方、
天然ゴムは耐動的疲労性に優れるものの耐熱性、耐オゾ
ン性に劣るという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、エチ
レン、高級α−オレフィンおよび非共役ポリエンの共重
合体であって、耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性、低温
特性に優れ、しかも耐屈曲性などの動的特性に優れた防
振ゴム、ゴムロール、タイヤ振動部のカバー材、ベルト
または樹脂改質材用高級α−オレフィン系共重合体を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、エチレン、炭
素数6〜20の高級α−オレフィンおよび非共役ポリエ
ンの共重合体であって、(a)エチレン/α−オレフィ
ン(モル比)が50/50〜5/95、(b)ヨウ素価
が2〜40、(c)デカリン中135℃で測定した極限
粘度〔η〕が1.0〜10dl/g、 (d)X線によ
る結晶化度が5%以下である防振ゴム、ゴムロール、タ
イヤ振動部のカバー材、ベルトまたは樹脂改質材用高級
α−オレフィン系共重合体である。
【0005】本発明の高級α−オレフィン系共重合体を
構成する高級α−オレフィン成分は炭素数が6〜20の
α−オレフィンであり、具体的にはへキセン−1、へプ
テン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ド
デセン−1、ウンデセン−1、トリデセン−1、テトラ
デセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エ
イコセン−1などを例示することができる。
【0006】本発明の高級α−オレフィン系共重合体を
構成する非共役ポリエン成分としては、具体的には5−
エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノル
ボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジ
シクロペンタジエンなどを例示することができる。
【0007】本発明の高級α−オレフィン系共重合体に
おいて、共重合体を構成するエチレン/α−オレフィン
(モル比)は50/50〜5/95、好ましくは60/
40〜10/90、特に好ましくは65/35〜15/
85の範囲である。共重合体の組成は13C−NMR法に
より測定することができる。
【0008】本発明の高級α−オレフィン系共重合体に
おいて、共重合体のヨウ素価は2〜40、好ましくは5
〜30の範囲である。この特性値は、本発明の高級α−
オレフィン系共重合体を硫黄あるいは過酸化物を用いて
加硫する場合の目安となる値である。
【0009】本発明の高級α−オレフィン系共重合体に
おいて、デカリン中135℃で測定した極限粘度〔η〕
は1.0〜10dl/g、好ましくは1.5〜6dl/
gの範囲である。この特性値は本発明の高級α−オレフ
ィン系共重合体の分子量を示す尺度であり、他の特性値
と結合することにより、前述の優れた性質の共重合体の
提供に役立っている。
【0010】本発明の高級α−オレフィン系共重合体は
マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分として
含有するチタン触媒成分(i)および有機アルミニウム
触媒成分(ii)から形成される触媒成分の存在下にエチ
レン、炭素数6〜20のα−オレフィンおよび非共役ポ
リエンを共重合させることにより製造される。共重合に
際して触媒成分、共重合条件、その他の共重合体製造の
条件は、本発明の共重合体が前記(a)〜(d)で示し
た範囲の特性値を持つように任意に選択設定することが
できる。
【0011】本発明の共重合体の製造に用いられるチタ
ン触媒成分(i)は、マグネシウム、チタンおよびハロ
ゲンを必須成分として含有するもので、マグネシウム/
チタン(原子比)は通常1より大きく、好ましくは3〜
50、特に好ましくは6〜30、またハロゲン/チタン
(原子比)は通常1より大きく、好ましくは4〜10
0、特に好ましくは6〜40の範囲である。また、チタ
ン触媒成分(i)中には、触媒合成段階で使用した電子
供与体が含まれていてもよく、電子供与体/チタン(モ
ル比)は好ましくは0.1〜10、特に好ましくは0.
2〜6の範囲である。チタン触媒成分(i)の比表面積
は、通常3m2/g以上、好ましくは約40〜1000
2/g、特に好ましくは約100〜800m2/gであ
る。通常、常温におけるヘキサン洗浄のような手段で
は、チタン触媒成分(i)からチタン化合物は脱離しな
い。チタン触媒成分(i)のX線スペクトルは、触媒調
製に用いた原料マグネシウム化合物に関係なく、マグネ
シウム化合物に関して微結晶化された状態を示すか、ま
たはマグネシウムジハライドの通常の市販品のそれに比
べて、非常に微結晶化された状態にあるのが好ましい。
また前記必須成分および電子供与体の他に、他に元素、
金属、官能基などを含んでいてもよく、さらに有機また
は無機の希釈剤で希釈されていてもよい。
【0012】このようなチタン触媒成分(i)は、例え
ばマグネシウム化合物(もしくはマグネシウム金属)、
電子供与体およびチタン化合物の相互接触によって得ら
れるが、場合によっては、他の反応試剤、例えばケイ
素、リン、アルミニウムなどの化合物を使用することも
できる。
【0013】このようなチタン触媒成分(i)を製造す
る方法としては、例えば特開昭50−108385号、
同50−126590号、同51−20297号、同5
1−28189号、同51−64586号、同51−9
2885号、同51−136625号、同52−874
89号、同52−100596号、同52−14768
8号、同52−104593号、同53−2580号、
同53−40093号、同53−40094号、同55
−135102号、同55−152710号、同56−
135106号、同56−811号、同56−1190
8号、同5−18606号、同58−83006号、同
58−138705号、同58−138706号、同5
8−138707号、同58−138708号、同58
−138709号、同58−138710号、同58−
138715号、同60−23404号、同61−21
109号、同61−37802号、同61−37803
号などの各公報に開示された方法に準じて製造すること
ができる。これらチタン触媒成分(i)の調製方法の数
例について、以下に簡単に述べる。
【0014】(1)マグネシウム化合物あるいはマグネ
シウム化合物と電子供与体の錯化合物を、粉砕助剤など
の存在下または不存在下で、粉砕しまたは粉砕すること
なく、電子供与体および/または有機アルミニウム化合
物やハロゲン含有ケイ素化合物のような反応助剤で予備
処理し、または予備処理せずに得られた固体と、反応条
件下に液相をなすチタン化合物とを反応させる。ただ
し、上記電子供与体を少なくとも一回は使用するのが好
ましい。 (2)還元能を有しないマグネシウム化合物の液状物
と、液状チタン化合物とを、電子供与体の存在下で反応
させて固体状チタン複合体を析出させる。 (3)上記(2)で得られるものに、チタン化合物を反
応させる。 (4)上記(1)または(2)で得られるものに、電子
供与体およびチタン化合物を反応させる。
【0015】(5)マグネシウム化合物あるいはマグネ
シウム化合物と電子供与体の錯化合物とを、電子供与
体、粉砕助剤などの存在下または不存在下で、チタン化
合物の存在下に粉砕し、電子供与体および/または有機
アルミニウム化合物やハロゲン含有ケイ素化合物のよう
な反応助剤で予備処理し、または予備処理せずに得られ
た固体を、ハロゲンまたはハロゲン化合物または芳香族
炭化水素で処理する。ただし、上記電子供与体を少なく
とも一回は使用するのが好ましい。 (6)上記(1)〜(4)で得られる化合物をハロゲ
ン、ハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理する。 (7)金属酸化物、ジヒドロカルビルマグネシウムおよ
びハロゲン含有アルコールの接触反応物を、多価カルボ
ン酸エステルおよびチタン化合物と接触させる。 (8)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウ
ム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネシウム化合
物を、多価カルボン酸エステル、チタン化合物またはハ
ロゲン含有炭化水素と反応させる。 これらの調製法の中では、液状のハロゲン化チタンを使
用したもの、およびチタン化合物使用後あるいは使用の
際にハロゲン化炭化水素を使用したものが好ましい。
【0016】前記チタン触媒成分(i)の調製に用いら
れるマグネシウム化合物は還元能を有するか、または有
しないマグネシウム化合物である。還元能を有するもの
の例としては、マグネシウム・炭素結合あるいはマグネ
シウム・水素結合を有するマグネシウム化合物、例えば
ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジイソ
プロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジアミ
ルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジデシルマ
グネシウム、エチル塩化マグネシウム、プロピル塩化マ
グネシウム、ブチル塩化マグネシウム、ヘキシル塩化マ
グネシウム、アミル塩化マグネシウム、ブチルエトキシ
塩化マグネシウム、エチルブチルマグネシウム、ブチル
マグネシウムハイドライドなどがあげられる。これらマ
グネシウム化合物は、例えば有機アルミニウムなどとの
錯化合物の形で用いることもでき、また液体状態であっ
ても、固体状態であってもよい。
【0017】一方、還元能を有しないマグネシウム化合
物としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨ
ウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムのようなハロゲ
ン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキ
シ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウ
ム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネ
シウムのようなアルコキシマグネシウムハライド;フェ
ノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネ
シウムのようなアリロキシマグネシウムハライド;エト
キシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブト
キシマグネシウム、オクトキシマグネシウム、2−エチ
ルヘキソキシマグネシウムのようなアルコキシマグネシ
ウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマ
グネシウムのようなアリロキシマグネシウム;ラウリン
酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなマ
グネシウムのカルボン酸塩などを例示することができ
る。
【0018】これらの還元能を有しないマグネシウム化
合物は、上述した還元能を有するマグネシウム化合物か
ら誘導したもの、あるいは触媒成分の調製時に誘導した
ものであってもよく、例えば還元能を有するマグネシウ
ム化合物をポリシロキサン化合物、ハロゲン含有シラン
化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、エステル、
アルコールなどの化合物と接触させることにより還元能
を有しないマグネシウム化合物に変化させてもよい。ま
た、マグネシウム化合物は、他の金属との錯化合物、複
化合物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよ
い。さらにこれらの化合物の2種以上の混合物であって
もよい。
【0019】これらの中で好ましいマグネシウム化合物
は還元能を有しない化合物であり、特に好ましくはハロ
ゲン含有マグネシウム化合物、とりわけ塩化マグネシウ
ム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化マグ
ネシウムである。
【0020】チタン触媒成分(i)の調製に用いられる
チタン化合物としては種々あるが、通、Ti(OR)g
4-g(Rは炭化水素基、Xはハロゲン、0≦g≦4)で
示される4価のチタン化合物が好適である。具体的に
は、TiCl4、TiBr4、TiI4などのテトラハロ
ゲン化チタン;Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC25)C
8、Ti(On−C49)Cl3、Ti(OC25)B
8、Ti(OisoC49)Br 3などのトリハロゲン化
アルコキシチタン;Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC2
5)2Cl2、Ti(On−C49)Cl2、Ti(OC
25)2Br2などのジハロゲン化アルコキシチタン;T
i(OCH3)3Cl、Ti(OC25)3Cl、Ti(On−
49)3Cl、Ti(OC25)3Brなどのモノハロゲ
ン化トリアルコキシチタン;Ti(On−C49)4など
のテトラアルコキシチタンなどを例示することができ
る。これらの中で好ましいのはハロゲン含有チタン化合
物、特に好ましいのは四塩化チタンである。これらのチ
タン化合物は単体で用いてもよいし、混合物の形で用い
てもよい。あるいは炭化水素やハロゲン化炭化水素など
に希釈して用いてもよい。
【0021】チタン触媒成分(i)の調製時には電子供
与体を用いてもよく、その電子供与体としては、アルコ
ール、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン
酸、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミ
ド、酸無水物、アルコキシシランのような含酸素電子供
与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネート
のよう含窒素電子供与体などを用いることができる。具
体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ペ
ンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ドデカノー
ル、オクタデシルアルコール、ベンジルアルコール、フ
ェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イソプロ
ピルベンジルアルコールなどの炭素数1〜18のアルコ
ール類;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチ
ルフェノール、プロピルフェノール、ノニルフェノー
ル、クミルフェノール、ナフトールなどの低級アルキル
基を有する炭素数6〜20のフェノール類;アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセト
フェノン、ベンゾフェノンなどの炭素数3〜15のケト
ン類;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オク
チルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、
ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド
類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニ
ル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシ
ル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、
クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸
メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸
エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プ
ロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸
シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジ
ル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸
アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニ
ス酸エチル、エトキシ安息香酸エチルなどのモノカルボ
ン酸エステル類;マロン酸ジブチル、イソプロピルマロ
ン酸ジエチル、n−ブチルマロン酸ジエチル、フェニル
マロン酸ジエチル、2−アリルマロン酸エチル、ジイソ
ブチルマロン酸ジエチル、ジ−n−ブチルマロン酸ジエ
チル、コハク酸ジ−n−ブチル、メチルコハク酸ジエチ
ル、エチルコハク酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マ
レイン酸ジブチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン
酸ジオクチル、ブチルマレイン酸ジブチル、ブチルマレ
イン酸ジエチル、フマル酸ジイソオクチル、イタコン酸
ジ−n−ブチル、シトラコン酸ジメチル、1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジエチル、1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ
メチル、フタル酸モノイソブチル、フタル酸ジエチル、
フタル酸エチル−n−ブチル、フタル酸ジ−n−プロピ
ル、フタル酸−n−ブチル、フタル酸イソブチル、フタ
ル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジネオペンチ
ル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジフェニル、ナ
フタレンジカルボン酸ジイソブチル、セバシン酸ジ−2
−エチルヘキシルなどのジカルボン酸エステル類;γ−
ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、クマリン、フタ
リド、炭酸エチレンなどの環状エステル類;アセチルク
ロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、ア
ニス酸クロリドなどの炭素数2〜15のサンハライド
類;メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエ
ーテル、ブチルエーテル、イソアミルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジフェニルエーテルなどの炭素数2〜2
0のエーテル類;酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイ
ル類アミドなどの酸アミド類;メチルアミン、エチルア
ミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジ
ン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリ
ン、テトラメチルメチレンジアミン、テトラメチルエチ
レンジアミンなどのアミン類;アセトニトリルベンゾニ
トリル、トルニトリルなどのニトリル類;亜リン酸トリ
メチル、亜リン酸トリエチルなどのP−O−C結合を有
する有機リン化合物;ケイ酸エチル、ジフェニルジメト
キシシランなどのアルコキシシラン類などをあげること
ができる。
【0022】前記例示のような諸方法で得られるチタン
触媒成分(i)は、反応終了後、液状の不活性炭化水素
で充分に洗浄することによって精製できる。この目的に
使用される不活性炭化水素としては、n−ペンタン、イ
ソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、n−ド
デカン、灯油、流動パラフィンのような脂肪族炭化水
素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサンのような脂環族炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレン、サイメンのような
芳香族炭化水素;クロルベンゼン、ジクロルエタンのよ
うなハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物などを
例示できる。
【0023】前記有機アルミニウム化合物触媒成分(i
i)としては、次のようなものがある。 (1)少なくとも分子内に1個以上のアルミニウム−炭
素結合を有する有機アルミニウム化合物、例えば一般式 R1 mAl(OR2)npq (ここで、R1およびR2は炭素数1〜15、好ましくは
1〜4の炭化水素基で、互いに同一であっても異なって
いてもよい。Xはハロゲン、mは0≦m≦3、nは0≦
n≦3、pは0≦p≦3、qは0≦q≦3の数であり、
m+n+p+q=3である。)、(2)一般式 M1AlR1 4 (ここで、M1はLi、Na、Kであり、R1は前記と同
じである。)で表わされる第1族金属とアルミニウムと
の錯アルキル化物などをあげることができる。
【0024】前記(1)に属する有機アルミニウム化合
物としては、次のものを例示できる。一般式 R1 mAl(OR2)3-m (ここで、R1およびR2は前記と同じ、mは好ましくは
1.5≦m≦3の数である。)、一般式 R1 mAlX3-m (ここで、R1は前記と同じ、Xはハロゲン、mは好ま
しくは0<m<3である。)、一般式 R1 mAlH3-m (ここで、R1は前記と同じ、mは好ましくは2≦m<
3である。)、一般式 R1 mAl(OR2)nq (ここで、R1およびR2は前記と同じ、Xはハロゲン、
mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数
であって、しかもm+n+q=3である。)で表される
ものを例示できる。
【0025】前記(1)に属するアルミニウム化合物と
して、具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブチ
ルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリ
イソブレニルアルミニウムのようなトリアルケニルアル
ミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチル
アルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウム
アルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、
ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルア
ルミニウムセスキアルコキシド;R1 2.5Al(OR2)6.5
で表わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化さ
れたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロ
リド、ジブチルアルミニウムブロミドなどのジアルキル
アルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロ
リド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアル
ミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセ
スキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピ
ルアルミニウムジクロリド、ジブチルアルミニウムジブ
ロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部
分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチ
ルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリ
ドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;エチルアル
ミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド
のようなアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的
に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニ
ウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシク
ロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部
分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルア
ルミニウムなどをあげることができる。
【0026】前記(2)に属する化合物としては、Li
AlEt4、LiAl(C74)4などを例示できる。ま
た、(1)に類似するアルミニウム化合物として酸素原
子や窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結合した
有機アルミニウム化合物であってもよい。このような化
合物としては、例えば(C24)2AlOAl(C
24)2、(C49)2AlOAl(C49)2、(C24)2
AlN(C24)Al(C24)2、などを例示できる。こ
れらの中では、特にトリアルキルアルミニウムおよび上
記した2以上のアルミニウムが結合したアルキルアルミ
ニウムが好ましい。
【0027】本発明の高級α−オレフィン系共重合体の
重合に際しては、電子供与体を触媒成分(i)および
(ii)とともに使用することが可能である。このような
電子供与体としては、例えばアミン類、アミド類、エー
テル類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、スチビ
ン類、アルシン類、ホスホルアミド類、エステル類、チ
オエーテル類、チオエステル類、酸無水物類、酸ハライ
ド類、アルデヒド類、アルコレート類、アルコキシ(ア
リーロキシ)シラン類、有機酸類および周期律表の第1
族ないし第4族に属する金属のアミド類および塩類など
をあげることができる。塩類は、有機酸と触媒成分(i
i)として用いられる有機金属化合物との反応によって
共重合体生成過程中で形成させることもできる。
【0028】これらの電子供与体の具体例としては、例
えばチタン触媒成分(i)に含有されてもよい電子供与
体として先に例示したものから選ぶことができる。ま
た、一般式RnSi(OR1)4-n(式中、R、R1は炭化水
素基、0≦n<4)で表わされるアルコキシ(アリーロ
キシ)シラン化合物を重合に際して触媒成分(i)およ
び(ii)と併用することができる。より具体的には、ト
リメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジイソプロピルジメトキシシラン、t−ブチルメチ
ルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラ
ン、t−アミルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、ビス−o−トリルジメトキ
シシラン、ビス−m−トリルジメトキシシラン、ビス−
p−トリルジメトキシシラン、ビス−p−トリルジエト
キシシラン、ビスエチルフェニルジメトキシシラン、ジ
シクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチ
ルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、デシル
トリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、t−ブチル
トリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、
iso−ブチルエトキシシラン、フェニルトリエトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロ
ルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラ
ン、ビニルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリメ
トキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、2
−ノルボルナントリメトキシシラン、2−ノルボルナン
トリエトキシシラン、2−ノルボルナンメチルジメトキ
シシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフ
ェノキシシラン、メチルトリアリロキシシラン、ビニル
トリス(β−メトキシエトキシシラン)、ビニルアセト
キシシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサンなど
があげられる。
【0029】本発明の高級α−オレフィン系共重合体の
重合に不活性炭化水素溶媒を用いることができる。重合
に用いられる不活性炭化水素溶媒としては、プロパン、
ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、
イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオク
タン、n−デカン、n−ドデカン、灯油などの脂肪族炭
化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサンのような脂環式炭化
水素;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭
化水素;メチレンクロリド、エチルクロリド、エチレン
クロリド、クロルベンゼンのようなハロゲン化炭化水素
などを例示することができ、中でも脂肪族炭化水素、特
に炭素数4〜12の脂肪族炭化水素が好ましい。
【0030】重合温度は適宜に選択でき、好ましくは約
20〜約200℃、一層好ましくは約50〜約180℃
程度、圧力も適宜に選択でき、大気圧ないし約100k
g/cm2、好ましくは大気圧ないし約50kg/cm2
程度の加圧条件下で行うのが好ましい。重合は回分式、
反連続式、連続式のいずれの方法においても行うことが
できる。分子量の調節は、重合温度、触媒成分の使用割
合などの重合条件を変えることによってある程度調節で
きるが、重合系中に水素を添加するのが最も効果的であ
る。
【0031】上記の重合によって得られる本発明の高級
α−オレフィン系共重合体は耐動的疲労性、耐熱性、耐
オゾン性、低温特性等、中でも耐動的疲労性に優れてお
り、特に樹脂改質材、各種ゴム製品へ応用した場合、そ
の特性を最大限に発揮するため、防振ゴム、ゴムロー
ル、タイヤ振動部のカバー材、ベルトまたは樹脂改質材
用の重合体として用いる。
【0032】樹脂改質材としては、例えばポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリスチレン等の改質材として用い
ることができる。これらの樹脂に本発明の高級α−オレ
フィン系共重合体を添加すると、耐衝撃性、耐ストレス
クラック性を飛躍的に向上させることができる。
【0033】各種ゴム製品は一般に加硫状態で用いられ
るが、本発明の高級α−オレフィン系共重合体も加硫状
態で用いれば、さらにその特性を発揮する。本発明の高
級α−オレフィン系共重合体を防振ゴム、ゴムロール、
ベルトまたはタイヤ振動部のカバー材として用いる場
合、加硫物は通常一般のゴムを加硫するときと同様に、
未加硫の配合ゴムを一度調製し、次いでこの配合ゴムを
意図する形状に成形した後に加硫を行うことにより製造
される。加硫方法としては、加硫剤を使用して加熱する
方法、および電子線を照射する方法のどちらを採用して
もよい。
【0034】加硫の際に使用される加硫剤としては、イ
オウ系化合物および有機過酸化物をあげることができ
る。イオウ系化合物としては、イオウ、塩化イオウ、二
塩化イオウ、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノ
ールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどを例示で
き、なかでもイオウの使用が好ましい。イオウ系化合物
は本発明の高級α−オレフィン系共重合体100重量部
に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重
量部の割合で使用される。有機過酸化物としては、ジク
ミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第
三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキ
シン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペ
ルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、第
三ブチルヒドロペルオキシドなどを例示できるが、なか
でもジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシ
ド、ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサンの使用が好ましい。有機過酸化物は本発
明の高級α−オレフィン系共重合体100重量部に対し
て3×10-4〜5×10-2モル部、好ましくは1×10
-3〜3×10-2モル部使用する。
【0035】加硫剤としてイオウ系化合物を使用すると
きは加硫促進剤の併用が好ましい。加硫促進剤として
は、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スル
フェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチア
ゾール−スルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−
2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプ
トベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニ
ル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエ
チル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベン
ゾチアジル−ジスルフィドなどのチアゾール系;ジフェ
ニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソト
リルグアニジン、オルソトリル・バイ・グアナイド、ジ
フェニルグアニジン・フタレートなどのグアニジン系;
アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド
−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセト
アルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミンまたはア
ルデヒド−アンモニア系;2−メルカプトイミダゾリン
などのイミダゾリン系;チオカルバニリド、ジエチルチ
オユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリ
ア、ジオルソトリルチオユリアなどのチオユリア系;テ
トラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウ
ラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレ
ンチウラムテトラトラスルフィドなどのチウラム系;ジ
メチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオルカルバ
ミン酸亜鉛、ジ−n−ジブチルジチオカルバミン酸亜
鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフ
ェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバ
ミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレ
ン、ジエチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオ酸
塩系;ジブチルキサントゲン酸亜鉛などのサンテート
系;その他亜鉛華などをあげることができる。これら加
硫促進剤は高級α−オレフィン系共重合体100重量部
に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10
重量部の割合で使用される。
【0036】加硫剤として有機過酸化物を使用するとき
は加硫助剤の併用が好ましい。加硫助剤としては、硫
黄、p−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系;
ポリエチレングリコールジメタクリレートなどのメタク
リレート系;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレ
ートなどのアリル系;その他マレイミド系;ジビニルベ
ンゼンなどが例示される。このような加硫助剤は使用す
る有機過酸化物1モルに対して1/2〜2モル、好まし
くは約等モル使用する。
【0037】加硫方法として加硫剤を使用せず、電子線
を使用する場合は、後述する成形された未加硫の配合ゴ
ムに0.1〜10MeV(メガエレクトロンボルト)、
好ましくは0.3〜2MeVのエネルギーを有する電子
を吸収線量が0.5〜35Mrad(メガラッド)、好
ましくは0.5〜10Mradになるように照射すれば
よい。このとき加硫剤としての有機過酸化物と併用して
加硫助剤を使用してもよく、その量は本発明の高級α−
オレフィン系共重合体100重量部に対して1×10-4
〜1×10-1モル部、好ましくは1×10-3〜3×10
-2モル部配合する。
【0038】未加硫の配合ゴムは次の方法で調製され
る。すなわちバンバリーミキサーのようなミキサー類に
より高級α−オレフィン系共重合体、充填剤、軟化剤を
80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、オー
ブンロールのようなロール類を使用して、加硫剤、必要
に応じて加硫促進剤または加硫助剤を追加混合し、ロー
ル温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出
し、リボン状またはシート状の配合ゴムを調製する。
【0039】このように調製された配合ゴムは押出成形
機、カレンダーロール、またはプレスにより意図する形
状に成形され、成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に
導入し、150〜270℃の温度で1〜30分間加熱す
るか、あるいは前記した方法により電子線を照射するこ
とにより加硫物が得られる。この加硫の段階は金型を用
いてもよいし、また金型を用いずに実施してもよい。金
型を用いない場合は成形、加硫の工程は通常連続的に実
施される。加硫槽における加熱方法としては熱空気、ガ
ラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチー
ムなどの加熱槽を用いることができる。もちろん、電子
線照射により加硫を行う場合は加硫剤の配合されない配
合ゴムを用いる。
【0040】以上のようにして製造されたゴム加硫物
は、そのもの自体で防振ゴム、タイヤ振動部のカバー
材、ゴムロールまたはベルトとして用いられる。
【0041】
【発明の効果】本発明の振動ゴム、ゴムロール、タイヤ
振動部のカバー材、ベルトまたは樹脂改質材用の高級α
−オレフィン系共重合体は、耐動的疲労性、耐熱性、耐
オゾン性、耐候性、低温特性等、特に耐動的疲労性に優
れている。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。 実施例1 <チタン触媒成分の調製>市販の塩化マグネシウム(水
分0.2%)95.3g、n−デカン488mlおよび
2−エチルヘキサノール464.5mlを130℃で2
時間加熱反応を行い、均一溶液とした後、安息香酸エチ
ル22.88mlを添加する。この均一溶液を−20℃
に保持した四塩化チタン4 literに20分で攪拌下滴下
後、さらに−20℃で1時間攪拌した。徐々に昇温し、
80℃に到達後、さらに安息香酸エチル48.6mlを
加え、80℃で2時間攪拌した。ろ過により固体物質を
採取し、これを4 literの四塩化チタンに再び懸濁さ
せ、90℃で2時間攪拌した後、ろ過により固体物質を
採取し、洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくな
るまで精製ヘキサンで十分洗浄した。チタン触媒成分中
には、原子換算でチタン3.6重量%、塩素59.0重
量%、マグネシウム17.0重量%、安息香酸エチル1
5.0重量%を含むものであった。
【0043】<重 合>攪拌翼を備えた4 literガラス
製重合器を用いて、連続的にエチレン、ヘキセン−1、
エチリデンノルボルネン(ENB)の共重合を行った。
すなわち、重合器上部からヘキセン−1を毎時1.4 l
iter、ENBを毎時0.5 liter、前記チタン触媒成分
のデカンスラリー溶液を、重合器内のチタン濃度が0.
15mmol/l、トリイソブチルアルミニウムを重合
器内のアルミニウム濃度が0.75mmol/lとなる
ように重合器内に連続的に供給し、一方重合器下部から
重合器内の重合液が常に2 literになるように連続的に
抜きだした。
【0044】また、重合器上部からエチレンを毎時40
liter、水素を毎時2 literの速度で供給した。反応
は、重合器外部に取り付けられたジャケットに冷媒を循
環させることにより50℃で行った。上記条件で共重合
反応を行うとヘキセン−1・エチレン・ENB共重合体
を含む重合反応混合物が得られた。
【0045】次に、重合器下部から抜きだした重合溶液
にメタノールを少量添加して重合反応を停止させ、大量
のメタノール中に投入して生成共重合体を析出させた。
得られた共重合体を100℃で一昼夜減圧乾燥した。共
重合体は毎時205gの速度で得られた。13C−NMR
で測定した共重合体のエチレンとヘキセン−1のモル比
(エチレン/ヘキセン−1)は25/75、デカリン中
135℃で測定した極限粘度〔η〕は2.1dl/g、
ヨウ素価(IV)は8.7であった。
【0046】実施例2〜5 実施例1と同様に、モノマーおよび重合条件を変えて行
った結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】実施例6 実施例2で製造した共重合体を用いて、表2に従い、8
インチオーブンロールにより混練し、未加硫の配合ゴム
を得た。この配合ゴムを160℃に加熱されたプレスに
より30分間加熱し加硫シートを作成した。このシート
によりJIS K 6301に従い、破断点応力
(TB)および破断点伸び(EB)を測定した。あわせて
100℃、70時間の老化試験を行い耐熱老化性を調べ
た。またJISの規定に従い、硬度HS(JIS A)
を測定した。さらにJIS K 6301に従って屈曲
試験を行い、2から17mm成長に達する屈曲回数を調
べた。それらの結果を表3に示す。
【0049】
【表2】 1):旭80:旭カーボン社製、商品名 2):サンセン4240:サンオイル社製、商品名 3):サンセラ−M:三新化学社製、商品名 4):サンセラ−TT:三新化学社製、商品名
【0050】実施例7 実施例6において、実施例2で製造した共重合体の代わ
りに実施例4で製造した共重合体を用いた以外は実施例
6と全く同様に行った。結果を表3に示す。
【0051】実施例8 実施例6において、実施例2で製造した共重合体の代わ
りに実施例5で製造した共重合体を用いた以外は実施例
6と全く同様に行った。結果を表3に示す。
【0052】比較例1 実施例2で製造した共重合体の代わりにEPDM(三井
EPT 3045、三井石油化学工業(株)製、商標)
を用いた以外は実施例6と全く同様に行った。結果を表
3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】実施例9 ポリプロピレン(三井石油化学工業(株)製、ハイポー
ルJ 700、商標)80重量部、実施例2で製造した
高級α−オレフィン系共重合体20重量部、および2,
6−ジターシャリ−ブチル−4−メチルフェノール0.
1重量部を190℃で3分間、B型バンバリーミキサー
(神戸製鋼所製)により混練後、オーブンロールでシー
ト出しした。これを角ペレタイザー(朋来鉄工社製)で
ペレット化し、射出成形に供し、150×120×2m
mのシートを成形した。射出成形条件は以下の通りであ
る。 射出一次圧 1000kg/cm2、サイクル5秒 保持二次圧 800kg/cm2、サイクル5秒 射出速度 40mm/sec 樹脂温度 230℃
【0055】このシートからJIS K 6758に規
定する方法で降伏点応力(YS)および破断点伸び(E
L)を測定し、さらにASTM D256に従い23℃
の雰囲気下でアイゾット衝撃強度を測定した。結果を表
4に示す。
【0056】比較例2 実施例2で製造した高級α−オレフィン系共重合体を使
用する代わりに、ポリプロピレンをそのまま射出成形に
供した以外は、実施例9と全く同様に行った。結果を表
4に示す。
【0057】
【表4】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン、炭素数6〜20の高級α−オ
    レフィンおよび非共役ポリエンの共重合体であって、 (a)エチレン/α−オレフィン(モル比)が50/5
    0〜5/95、 (b)ヨウ素価が2〜40、 (c)デカリン中135℃で測定した極限粘度〔η〕が
    1.0〜10dl/g、 (d)X線による結晶化度が
    5%以下である防振ゴム、ゴムロール、タイヤ振動部の
    カバー材、ベルトまたは樹脂改質材用高級α−オレフィ
    ン系共重合体。
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