JPH1066571A - フェニルアラニン脱水素酵素のチロシンに対する反応を阻害する反応阻害剤及びフェニルアラニン定量用試薬 - Google Patents

フェニルアラニン脱水素酵素のチロシンに対する反応を阻害する反応阻害剤及びフェニルアラニン定量用試薬

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JPH1066571A
JPH1066571A JP22642096A JP22642096A JPH1066571A JP H1066571 A JPH1066571 A JP H1066571A JP 22642096 A JP22642096 A JP 22642096A JP 22642096 A JP22642096 A JP 22642096A JP H1066571 A JPH1066571 A JP H1066571A
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phenylalanine
tyrosine
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dehydrogenase
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JP22642096A
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Ken Iwata
建 岩田
Kazue Kawahara
一恵 川原
Takuma Yano
拓磨 矢野
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェニルアラニン脱水素酵素のチロシンに対
する反応を特異的に阻害することのできる反応阻害剤及
びそれを用いたフェニルアラニン定量用試薬を提供す
る。 【解決手段】 フェノール誘導体を含有してなることを
特徴とするフェニルアラニン脱水素酵素のチロシンに対
する反応を阻害する反応阻害剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェニルアラニン
脱水素酵素のチロシンに対する反応を阻害する反応阻害
剤及びそれを用いたフェニルアラニン定量用試薬に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】フェニルアラニン脱水素酵素は、下記反
応式に示す反応を触媒する酵素である。
【0003】
【化1】
【0004】この反応において、減少したフェニルアラ
ニンと増加したNAD(P)Hとが化学量論的に等量で
あることから、フェニルアラニン脱水素酵素を用いたフ
ェニルアラニン定量用試薬が提案されている。しかし、
フェニルアラニン脱水素酵素はフェニルアラニンと構造
が類似した化合物であるチロシンに対しても反応性を有
することから、チロシンが常に存在しているような溶液
中、例えば、血漿中のフェニルアラニンの定量には不向
きであることが指摘されている。この問題を解決するた
めに、これまで、比較的チロシンに対する反応性の低い
フェニルアラニン脱水素酵素をスクリーニングにより選
択すること〔ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミ
ストリー誌、第262巻、10346〜10354(1
987年)〕、フェニルアラニンとチロシンに対する反
応速度の違いに着目し、チロシンの影響の少ない反応初
期の反応速度でフェニルアラニンを測定すること〔アナ
リティカル・バイオケミストリー誌、第170巻、39
7〜401(1988年)〕が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの提案
でも、やはり、チロシンの影響を受けやすいという問題
があった。また、遺伝子操作の技術により、フェニルア
ラニン脱水素酵素のフェニルアラニンに対する反応特異
性を向上させるために、基質認識部位を改変することが
提案されているが、実際には基質認識部位が特定されて
いるに過ぎない〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリ
ー誌、第114巻、69〜75(1993年)〕。
【0006】本発明は、チロシンを含む試料中のフェニ
ルアラニンの定量を正確に行うための反応阻害剤を提供
することを目的とするものである。また、本発明は、試
料中に含まれるチロシンの影響をほとんど受けずに、正
確にフェニルアラニンの定量を行うことのできるフェニ
ルアラニン定量用試薬を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討の結果、フェノール誘導体が
フェニルアラニン脱水素酵素のチロシンに対する反応を
特異的に阻害するということを見出し、本発明に到達し
た。すなわち、第1の発明は、フェノール誘導体を含有
してなることを特徴とするフェニルアラニン脱水素酵素
のチロシンに対する反応を阻害する反応阻害剤を要旨と
するものである。また、第2の発明は、フェニルアラニ
ン脱水素酵素と、上記の反応阻害剤とを含有してなるこ
とを特徴とするフェニルアラニン定量用試薬を要旨とす
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反応阻害剤は、フェノール誘導体を含有してな
るものであり、そのフェノール誘導体としては、一価の
フェノール誘導体、多価のフェノール誘導体が挙げら
れ、一価のフェノール誘導体としては、フェノール、パ
ラクレゾール(以下p−クレーゾルと略する)、メタク
レゾール(以下m−クレゾールと略す)、オルトクレゾ
ール(以下o−クレゾールと略す)等が挙げられる。こ
れらは単独で含有してもよいし、また複数を含有しても
よい。複数を含有する場合の混合比としては、特に限定
されるものではないが、それぞれの成分が0〜100容
量%となるように混合すればよく、好ましくは20〜6
0容量%となるように混合すればよい。
【0009】また、本発明の反応阻害剤はこのような成
分をそのまま用いて反応阻害剤としてもよいし、またこ
れらの成分を水や緩衝液等に溶解又は混合して反応阻害
剤としてもよい。このときに用いられる緩衝液として
は、リン酸、クエン酸、ホウ酸、酢酸、アンモニア、炭
酸、ペロナール、イミダゾール、トリエタノールアミ
ン、グリシン、各種グッド緩衝液が挙げられる。このよ
うな成分の濃度としては、特に限定されるものではない
が、0.001〜100重量%が好ましく、特に、0.
01〜10重量%が好ましい。
【0010】次に、本発明のフェニルアラニン定量用試
薬について説明すると、本発明のフェニルアラニン定量
用試薬は、下記反応式で示されるようにフェニルアラニ
ン脱水素酵素の作用によりフェニルアラニンがフェニル
ピルビン酸に変換される際に生成するNAD(P)Hを
定量することによりフェニルアラニンを定量するもので
ある。
【0011】
【化2】
【0012】本発明のフェニルアラニン定量用試薬は、
上記の反応阻害剤を含有してなるものであり、その含有
量としては、通常0.0001〜90容量%、好ましく
は0.001〜20容量%、さらに好ましくは0.01
〜5容量%である。
【0013】本発明に用いられるフェニルアラニン脱水
素酵素としては、市販のもの、フェニルアラニン脱水素
酵素を含有する菌体を破砕した溶液、破砕した溶液より
精製を行ったもの等どのようなものを用いてもよく、ま
た、その由来も特に限定されるものではない。市販のフ
ェニルアラニン脱水素酵素としては、サーモアクチノミ
セス由来のフェニルアラニン脱水素酵素(ユニチカ社
製)、スポロサルキナ由来のフェニルアラニン脱水素酵
素(シグマ社製)等が挙げられる。フェニルアラニン脱
水素酵素の濃度としては、通常0.001〜10000
0U/mlが好ましく、さらに0.01〜1000U/
mlが好ましく、特に0.1〜100U/mlが好まし
い。
【0014】本発明においては、フェニルアラニン脱水
素酵素の反応を速やかに進行させるために、試薬中にN
AD又はNADPを加えてもよい。NAD又はNADP
の濃度としては、特に限定されるものではなく、通常0
〜1000mM、好ましくは0.001〜200mM、
さらに好ましくは0.01〜50mM添加すればよい。
【0015】さらに、本発明においては、試薬中に各種
添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば、pH
を調整するための緩衝剤、フェニルアラニン脱水素酵素
の反応を促進させる活性化剤、フェニルアラニン脱水素
酵素の活性を維持するための安定化剤、試薬を取り扱い
やすくするための増粘剤等が挙げられる。
【0016】緩衝剤としては、リン酸、クエン酸、ホウ
酸、酢酸、アンモニア、炭酸、ペロナール、イミダゾー
ル、トリエタノールアミン、グリシン、各種グッド緩衝
剤等が挙げられる。このような緩衝剤の濃度としては、
特に限定されるものではなく、通常0〜2000mMが
好ましく、さらに0.1〜500mMが好ましく、特に
1〜200mMが好ましい。
【0017】活性化剤としては、例えば、ステアリン酸
塩、パルミチン酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、
アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルアリルスルホン酸塩等の陰イオン性界面活
性剤、アルキルアンモニウム塩、アルキルアミン酸塩等
の陽イオン性界面活性剤、レシチン、アルキルジメチル
ベタイン等の両性界面活性剤、ポリエチレングリコール
誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン性界面活性
剤等の各種界面活性剤、リチウム、カリウム、ナトリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、
亜鉛等の金属イオン、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等の
陰イオン等の各種イオン等が挙げられる。このような活
性化剤の濃度としては、特に限定されるものではなく、
通常0〜90重量%が好ましく、さらに0〜20重量%
が好ましく、特に0.01〜10重量%が好ましい。
【0018】安定化剤や増粘剤としては、例えば、ウシ
血清アルブミン等のタンパク質やマルトース、グルコー
ス、スクロース等の糖類、ポリエチレングリコール等の
高分子化合物、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
エチレングリコール(βーアミノエチルエーテル)四酢
酸(EGTA)等が挙げられる。このような安定化剤や
増粘剤の濃度としては、特に限定されるものではなく、
通常、それぞれ0〜90重量%が好ましく、さらに0〜
20重量%が好ましく、特に0.01〜10重量%が好
ましい。
【0019】本発明のフェニルアラニン定量用試薬を用
いてフェニルアラニンを定量するには、例えば、本発明
のフェニルアラニン定量用試薬にフェニルアラニンを含
む試料を添加して反応を行い、次いで、生成したNAD
(P)Hを分光光度計を用いて測定すればよい。また、
測定感度をさらに高めるために、生成したNAD(P)
Hをジアホラーゼと反応させて発色物質や蛍光物質に変
換させて測定してもよい。
【0020】このときの反応の温度及び反応の時間とし
ては、反応が進行しうる温度及び時間であれば特に限定
されるものではなく、反応の温度としては、通常0.5
〜80℃で行えばよい。また、反応の時間としては、通
常0.000001〜100時間、好ましくは0.00
001〜24時間、さらに好ましくは0.0001〜6
時間である。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、フェニルアラニン脱水素酵素の活性を表すユ
ニット数(U)は、光路長1cmの分光光度計(日立製
作所製、U−3210)中で、340nmの吸光度変化
を測定する際、吸光度が30℃で1分間に6.22増加
するのに必要なフェニルアラニン脱水素酵素量を1Uと
した。また、フェニルアラニンの定量は、光路長1cm
の分光光度計(日立製作所製、U−3210)中で、3
40nmの吸光度変化を測定する際、最終到達点におい
て吸光度が30℃で6.22だけ増加するフェニルアラ
ニンの量を1mMの濃度とした。
【0022】実施例1、比較例1 フェニルアラニン10mM又はチロシンを12mMと、
反応阻害剤としてフェノールを0.5〜1.0容量%含
むグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、これに、
サーモアクチノミセス(Thermoactinomyces )由来のフ
ェニルアラニン脱水素酵素(ユニチカ社製)を5U/m
lとなるように添加して、フェニルアラニン脱水素酵素
の活性を測定した(実施例1)。また、比較のため、反
応阻害剤としてのフェノールを添加しないでフェニルア
ラニン脱水素酵素の活性を測定した(比較例1)。その
結果を図1に示す。図1は、フェニルアラニンを基質と
した場合(●)及びチロシンを基質とした場合(○)
の、フェノールの添加量とフェニルアラニン脱水素酵素
の活性の測定値の関係を示す図であり、横軸に添加した
フェノールの濃度を、縦軸に吸光度変化より算出したフ
ェニルアラニン脱水素酵素の活性を示している。図1に
示すように、反応阻害剤としてのフェノールを添加する
ことによりチロシンを基質とした場合のフェニルアラニ
ン脱水素酵素の活性の測定値のみが減少していることか
ら、反応液中に反応阻害剤としてのフェノールを添加す
ることでフェニルアラニン脱水素酵素のチロシンに対す
る反応を特異的に阻害できることがわかる。
【0023】実施例2、比較例2 反応阻害剤としてp−クレゾールを用いた以外は実施例
1と同様にしてフェニルアラニン脱水素酵素の活性を測
定した(実施例2)。また、比較のため、反応阻害剤と
してのp−クレゾールを添加しないでフェニルアラニン
脱水素酵素の活性を測定した(比較例2)。その結果を
図2に示す。図2は、フェニルアラニンを基質とした場
合(●)及びチロシンを基質とした場合(○)の、p−
クレゾールの添加量とフェニルアラニン脱水素酵素の活
性の測定値の関係を示す図であり、横軸に添加したp−
クレゾールの濃度を、縦軸に吸光度変化より算出したフ
ェニルアラニン脱水素酵素の活性を示している。図2に
示すように、反応阻害剤としてのp−クレゾールを添加
することによりチロシンを基質とした場合のフェニルア
ラニン脱水素酵素の活性の測定値のみが減少しているこ
とから、反応液中に反応阻害剤としてのp−クレゾール
を添加することでフェニルアラニン脱水素酵素のチロシ
ンに対する反応を特異的に阻害できることがわかる。
【0024】実施例3、比較例3 反応阻害剤としてo−クレゾールを用いた以外は実施例
1と同様にしてフェニルアラニン脱水素酵素の活性値を
測定した(実施例3)。また、比較のため、反応阻害剤
としてのo−クレゾールを添加しないでフェニルアラニ
ン脱水素酵素の活性を測定した(比較例3)。その結果
を図3に示す。図3は、フェニルアラニンを基質とした
場合(●)及びチロシンを基質とした場合(○)の、o
−クレゾールの添加量とフェニルアラニン脱水素酵素の
活性の測定値の関係を示す図であり、横軸に添加したo
−クレゾールの濃度を、縦軸に吸光度変化より算出した
フェニルアラニン脱水素酵素の活性を示している。図3
に示すように、反応阻害剤としてのo−クレゾールを添
加することによりチロシンを基質とした場合のフェニル
アラニン脱水素酵素の活性の測定値のみが減少している
ことから、反応液中に反応阻害剤としてのo−クレゾー
ルを添加することでフェニルアラニン脱水素酵素のチロ
シンに対する反応を特異的に阻害できることがわかる。
【0025】実施例4、比較例4 反応阻害剤としてm−クレゾールを用いた以外は実施例
1と同様にしてフェニルアラニン脱水素酵素の活性を測
定した(実施例4)。また、比較のため、反応阻害剤と
してのm−クレゾールを添加しないでフェニルアラニン
脱水素酵素の活性を測定した(比較例4)。その結果を
図4に示す。図4は、フェニルアラニンを基質とした場
合(●)及びチロシンを基質とした場合(○)の、m−
クレゾールの添加量とフェニルアラニン脱水素酵素の活
性の測定値の関係を示す図であり、横軸に添加したm−
クレゾールの濃度を、縦軸に吸光度変化より算出したフ
ェニルアラニン脱水素酵素の活性を示している。図4に
示すように、反応阻害剤としてのm−クレゾールを添加
することによりチロシンを基質とした場合のフェニルア
ラニン脱水素酵素の活性の測定値のみが減少しているこ
とから、反応液中に反応阻害剤としてのm−クレゾール
を添加することでフェニルアラニン脱水素酵素のチロシ
ンに対する反応を特異的に阻害できることがわかる。
【0026】実施例5、比較例5 反応阻害剤としてフェノール、p−クレゾール、o−ク
レゾール及びm−クレゾールの混合液(体積比1:1:
1:1)を用いた以外は実施例1と同様にしてフェニル
アラニン脱水素酵素の活性を測定した(実施例5)。ま
た、反応阻害剤としての上記の混合液を添加しないでフ
ェニルアラニン脱水素酵素の活性を測定した(比較例
5)。その結果を図5に示す。図5は、フェニルアラニ
ンを基質とした場合(●)及びチロシンを基質とした場
合(○)の、混合液の添加量とフェニルアラニン脱水素
酵素の活性の測定値の関係を示す図であり、横軸に添加
した混合液の濃度を、縦軸に吸光度変化より算出したフ
ェニルアラニン脱水素酵素の活性を示している。図5に
示すように、反応阻害剤としてのフェノール、p−クレ
ゾール、o−クレゾール及びm−クレゾールの混合液を
添加することによりチロシンを基質とした場合のフェニ
ルアラニン脱水素酵素の活性の測定値のみが減少してい
ることから、反応液中に反応阻害剤としての混合液を添
加することでフェニルアラニン脱水素酵素のチロシンに
対する反応を特異的に阻害できることがわかる。
【0027】実施例6〜7、比較例6 グリシン緩衝液(pH10.0)にサーモアクチノミセ
ス(Thermoactinomyces )由来のフェニルアラニン脱水
素酵素(ユニチカ社製)を2U/mlと、NADを1m
Mと、反応阻害剤としてのフェノールを0容量%(比較
例6)、0.5容量%(実施例6)、0.75容量%
(実施例7)となるように溶解してフェニルアラニン定
量用試薬を作製した。この試薬に、フェニルアラニンが
10μMと、チロシンが0〜1mMとなるように添加し
て、フェニルアラニンの定量を行った。その結果を図6
に示す。図6は反応阻害剤としてフェノールを0容量%
(○)、0.5容量%(▲)及び0.75容量%(■)
含むフェニルアラニン定量用試薬を用いてフェニルアラ
ニンの定量を行ったときの定量値とチロシン濃度の関係
を示す図であり、横軸にチロシン濃度を、縦軸にフェニ
ルアラニンの定量値を示している。図6から、フェニル
アラニン定量用試薬に、反応阻害剤としてのフェノール
を添加することにより、チロシンの影響を受けることな
く正確にフェニルアラニンを定量できることがわかる。
【0028】実施例8〜9、比較例7 フェニルアラニン脱水素酵素としてスポロサルキナ(Sp
orosarcinia )属由来のフェニルアラニン脱水素酵素
(シグマ社製)を用いた以外は実施例6、7及び比較例
6と同様にしてフェニルアラニン定量用試薬を作製し
た。この試薬に、フェニルアラニンが10μMと、チロ
シンが0〜1mMとなるように添加して、フェニルアラ
ニンの定量を行った。その結果を図7に示す。図7は反
応阻害剤としてフェノールを0容量%(比較例7、
○)、0.5容量%(実施例8、▲)及び0.75容量
%(実施例9、■)含むフェニルアラニン定量用試薬を
用いてフェニルアラニンの定量を行ったときの定量値と
チロシン濃度の関係を示す図であり、横軸にチロシン濃
度を、縦軸にフェニルアラニンの定量値を示している。
図7から、フェニルアラニン定量用試薬に、反応阻害剤
としてのフェノールを添加することにより、チロシンの
影響を受けることなく正確にフェニルアラニンを定量で
きることがわかる。
【0029】
【発明の効果】本発明の反応阻害剤は、フェニルアラニ
ン脱水素酵素のチロシンに対する反応を特異的に阻害す
ることができるため、チロシンを含む試料中のフェニル
アラニンの定量を正確に行うためのものとして利用でき
る。また、本発明のフェニルアラニン定量用試薬は、試
料中に含まれるチロシンの影響をほとんど受けずに、正
確にフェニルアラニンの定量を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基質としてフェニルアラニン又はチロシンを用
いたときのフェニルアラニン脱水素酵素の活性の測定値
とフェノールの濃度の関係を示す図である。
【図2】基質としてフェニルアラニン又はチロシンを用
いたときのフェニルアラニン脱水素酵素の活性の測定値
とp−クレゾールの濃度の関係を示す図である。
【図3】基質としてフェニルアラニン又はチロシンを用
いたときのフェニルアラニン脱水素酵素の活性の測定値
とo−クレゾールの濃度の関係を示す図である。
【図4】基質としてフェニルアラニン又はチロシンを用
いたときのフェニルアラニン脱水素酵素の活性の測定値
とm−クレゾールの濃度の関係を示す図である。
【図5】基質としてフェニルアラニン又はチロシンを用
いたときのフェニルアラニン脱水素酵素の活性の測定値
とフェノール、p−クレゾール、o−クレゾール及びm
−クレゾールの混合液の濃度の関係を示す図である。
【図6】本発明のフェニルアラニン定量用試薬及び従来
のフェニルアラニン定量用試薬を用いてフェニルアラニ
ンの定量を行ったときの定量値に与えるチロシン影響を
示す図である。
【図7】本発明のフェニルアラニン定量用試薬及び従来
のフェニルアラニン定量用試薬を用いてフェニルアラニ
ンの定量を行ったときの定量値に与えるチロシンの影響
を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール誘導体を含有してなることを
    特徴とするフェニルアラニン脱水素酵素のチロシンに対
    する反応を阻害する反応阻害剤。
  2. 【請求項2】 フェニルアラニン脱水素酵素と、請求項
    1記載の反応阻害剤とを含有してなることを特徴とする
    フェニルアラニン定量用試薬。
JP22642096A 1996-08-28 1996-08-28 フェニルアラニン脱水素酵素のチロシンに対する反応を阻害する反応阻害剤及びフェニルアラニン定量用試薬 Pending JPH1066571A (ja)

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JP22642096A JPH1066571A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 フェニルアラニン脱水素酵素のチロシンに対する反応を阻害する反応阻害剤及びフェニルアラニン定量用試薬

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9181296B2 (en) 2008-03-26 2015-11-10 Novozymes A/S Stabilized liquid enzyme compositions

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9181296B2 (en) 2008-03-26 2015-11-10 Novozymes A/S Stabilized liquid enzyme compositions

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