JPH106445A - 生分解性を有する積層体 - Google Patents

生分解性を有する積層体

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JPH106445A
JPH106445A JP8177189A JP17718996A JPH106445A JP H106445 A JPH106445 A JP H106445A JP 8177189 A JP8177189 A JP 8177189A JP 17718996 A JP17718996 A JP 17718996A JP H106445 A JPH106445 A JP H106445A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性に優れたポリー3ーヒドロキシアル
カノエートやこれらの共重合体は、チルロールへブロッ
キングする等で押し出し加工適性に欠けるため、ポリオ
レフィン樹脂をもう一層共押出しして積層体を作製し、
その後ポリオレフィン樹脂層を剥離、除去して生分解性
を有する積層体を作製していた。 【解決手段】 紙基材11の両面にコロナ処理を行い、
そのコロナ処理面に、生分解性に優れた3ーヒドロキシ
アルカノエート系樹脂と、ジカルボン酸とグリコールか
らなる脂肪族ポリエステルを主成分とする生分解性樹
脂、又はポリ乳酸ををブレンドした生分解性ブレンド樹
脂12を、押し出しラミネートして生分解性を有する積
層体1を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物処理が容易
で、環境保護に役立つ生分解性に優れた基材又は包装材
料を提供するもので、例えば、テレホンカード、ショッ
ピングカード、キャッシュカード、施設利用カード等に
代表されるいわゆる使い捨てのプリペイドカード等の基
材、又は、一般に、品物を包むための包装紙等の材料と
して使用される。
【0002】
【従来の技術】従来、テレホンカード、ショッピングカ
ード、キャッシュカード、施設利用カード等のプリペイ
ドカードは、一般にプラスチック製の使い捨てカードで
あって、使用後はそのまま破棄される。そして、これら
の破棄されたプリペイドカードは、ゴミとして焼却又は
埋め立て処理される。また、包装材料として使用された
包装袋又は包装容器も使用後は、一部再利用されるもの
もあるが、大部分はゴミとして焼却又は埋め立て処理さ
れる。プラスチックは焼却処理する場合は発熱カロリー
が高すぎて焼却炉を傷めたりする問題がある。
【0003】焼却処理せずに埋め立て処分する場合で
も、プラスチックは他の廃棄物に比べて単位重量当たり
の容積比が高い上、何時までも腐敗しないで残るため、
埋め立て後の地盤を弱くし、埋め立て地の跡地利用を困
難にする等の問題がある。また、使用後放置された場
合、地上に散乱して、周辺の環境を損なう場合があり、
環境保護の点でも大きな問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
る目的で、紙に生分解性樹脂をラミネートしたプリペイ
ドカードが提案されているが、生分解性に優れたポリー
3ーヒドロキシアルカノエート、或いは3ー又は4ーヒ
ドロキシアルカノエートの共重合体、又はこれらの混合
物(以下これらのポリマー、共重合体、及び混合物を含
めて3ーヒドロキシアルカノエート系樹脂とする)は、
押し出し加工時にチルロールへのブロッキングの問題が
あり、加工適性に欠ける欠点がった。
【0005】そのため、3ーヒドロキシアルカノエート
系樹脂を押し出し加工により紙とラミネートする場合、
ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をもう一層共押出
しして積層体を作製後、ポリオレフィン樹脂を剥離し
て、生分解性を有する積層体を作製する方法をとってい
た。しかし、このポリオレフィン樹脂のフィルムは、積
層体を作製後は、再利用することなく破棄されるだけと
なるので、廃棄物処理の点では大きな問題であった。
【0006】以上のような観点から、使用後は埋め立て
処理されたり、そのまま放置しても、自然環境の中で、
微生物によって分解され、生態系の循環サイクルに還元
されるプリペイドカード基材又は包装材料の開発が大き
な課題となっている。また、ゴミの減量化を図るため
に、生分解性樹脂を押し出し加工する際に、加工適性の
よいラミネート方法が望まれていた。
【0007】本発明は、3ーヒドロキシアルカノエート
系樹脂に、加工適性のよいジカルボン酸とグリコールを
重縮合した脂肪族ポリエステル、又はポリ乳酸をブレン
ドした樹脂を用いて、押し出し機で、紙基材に押し出し
コーティングすることにより、チルロールへのブロッキ
ングを防止し、押し出し加工時の作業能率の向上を図っ
た。また、上記生分解性ブレンド樹脂を使用することに
より、生分解性樹脂をポリオレフィン樹脂と共押出しす
る必要がなくなり、表面平滑性のよい生分解性を有する
積層体を得ることができた。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、プリペイドカード基材及び包装材料となる生分解
性を有する積層体の構成を以下のようにした。生分解性
を有する基材の片面又は両面に、押し出し加工適性の異
なる二種又は三種の樹脂をブレンドした生分解性ブレン
ド樹脂を、押し出しコーティングにより積層したことを
特徴とする生分解性を有する積層体とした。
【0009】また、前記生分解性ブレンド樹脂が、ポリ
ー3ーヒドロキシアルカノエート、或いは3又は4ーヒ
ドロキシアルカノエートの共重合体、又はこれらの混合
物と、ジカルボン酸とグリコールを重縮合して成る脂肪
族ポリエステル、又は/及び、乳酸を原料としてこれを
直接又は二量体の開環重合してなるポリ乳酸を、二種又
は三種ブレンドした樹脂である生分解性を有する積層体
とした。
【0010】更に、前記生分解性を有する基材が、セル
ロースを主成分とする紙、板紙、セロハン、セルロース
エステル、又は、ポリビニルアルコール、ポリアミノ
酸、ポリグリコール酸、プルラン、又はこれらの基材に
アルミ、シリカ等の無機物を蒸着したものである生分解
性を有する積層体とした。
【0011】使い捨てプリペイドカードの基材、又は、
包装材料としての積層体を上記の構成としたことは以下
の理由によるものである。生分解性のよいポリー3ーヒ
ドロキシアルカノエート、3ーヒドロキシブチレートと
3ーヒドロキシバリレートの共重合体、又は3ーヒドロ
キシブチレートと3ーヒドロキシバリレートと4ーヒド
ロキシブチレートの共重合体は、押し出し加工時にチル
ロールにブロッキングして作業性がよくないため、汎用
樹脂と同程度の加工適性を有するコハク酸又はアジピン
酸とエチレングリコールからなる脂肪族ポリエステル
を、3ーヒドロキシアルカノエート系樹脂にブレンドす
ることにより、チルロールへのロッキングが防止でき、
押し出し加工時の作業性を向上させることができた。
【0012】また、ポリ乳酸はそれ自体は、加工温度が
200℃以上であり、加工時に加熱による分解が発生し
易く、加工適性のよい樹脂ではないが、3ーヒドロキシ
アルカノエート系樹脂にブレンドすることにより、ポリ
乳酸の加工温度が低下し、良好な押し出し加工ができる
ようになる。更に、比較的生分解性の遅いコハク酸又は
アジピン酸とエチレングリコールからなる脂肪族ポリエ
ステルやポリ乳酸も、3ーヒドロキシアルカノエート系
樹脂とブレンドすることにより、生分解性のよい3ーヒ
ドロキシアルカノエート系樹脂の影響を受けて、単体で
の生分解性より速くなる。
【0013】生分解性を有する積層体は、プリペイドカ
ード基材として使用する場合、成形加工性が良く、且
つ、使用に耐え得る剛性が必要である。生分解性樹脂だ
けで積層体を作製し、プリペイドカードとしての剛性を
得ようとすると、一定の厚さを必要とし、価格の高い生
分解性樹脂を使用する場合は非常にコスト高となり、経
済的負担が大きい。そのため、剛性があり且つ生分解性
のある紙を中心層にして、紙の片面又は両面に生分解性
樹脂層を設けることにより、プリペイドカードとしての
剛性を確保し、更に生分解性樹脂層を薄くして、プリペ
イドカードのコスト低減を図ることができた。また、紙
を使用することにより、種々の印刷が従来の印刷方式で
可能であり、プリペイドカードの商品価値を高めること
ができる。
【0014】また、一般包装紙として使用する場合、包
装紙としての加工適性が必要であり、紙を中心層にし、
その片面又は両面に生分解性樹脂を積層して使用に耐え
得る剛性を付与する必要がある。上記生分解性を有する
積層体は、従来の紙を中心層にしたプラスチックラミネ
ート紙と同様に、袋、カートン、トレイ等に加工するこ
とができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明の、基材の片面に生
分解性ブレンド樹脂層を形成した生分解性を有する積層
体の模式断面図であり、図2は基材の両面に生分解性ブ
レンド樹脂層を形成した生分解性を有する積層体の模式
断面図である。本発明は、紙基材を中心層とし、その片
面又は両面に生分解性ブレンド樹脂を積層して生分解性
を有する積層体としたもので、その生分解性を有する積
層体を用いて、プリペイドカードを作製したり、又は
袋、カートン、トレイ等の一般包装用に加工して使用す
るものである。
【0016】本発明の生分解性を有する積層体は、図1
及び図2に示すように、紙基材11の片面又は両面に、
3ーヒドロキシアルカノエート系樹脂に、ジカルボン酸
とグリコールからなる脂肪族ポリエステル、又は、ポリ
乳酸をブレンドした生分解性ブレンド樹脂12(以下単
に生分解性ブレンド樹脂とする)が積層されたものであ
る。
【0017】そして、生分解性ブレンド樹脂は、生分解
性樹脂(A)として3ーヒドロキシアルカノエート系樹
脂を用い、これに、生分解性樹脂(B)としてジカルボ
ン酸とグリコールを重縮合して成る脂肪族ポリエステル
樹脂、又は、生分解性樹脂(C)としてポリ乳酸をブレ
ンドしたものである。即ち、生分解性ブレンド樹脂とし
ては、上記生分解性樹脂のA、B、Cをブレンドして、
A+B、A+C、A+B+Cのいずれの組成にしても使
用できる。
【0018】生分解性樹脂(A)としては、微生物が生
成するポリー3ーヒドロキシアルカノエート系のポリエ
ステルが好適である。微生物により発酵法で生産される
ポリエステルとして、ポリー3ーヒドロキシブチレー
ト、3ーヒドロキシブチレートと3ーヒドロキシバリレ
ートのランダム共重合体、3ーヒドロキシブチレートと
4ーヒドロキシブチレートのランダム共重合体、3ーヒ
ドロキシブチレートと3ーヒドロキシバリレートと4ー
ヒドロキシブチレートの3元共重合体等がある。また、
これらの混合物が使用される。例えば、米国モンサント
社では、水素細菌にプロピオン酸とグルコースを与えて
発酵法で3ーヒドロキシブチレートと3ーヒドロキシバ
リレートのランダム共重合体を生産し、バイオポールの
商品名で販売している。
【0019】3ーヒドロキシブチレートと3ーヒドロキ
シバリレートとの共重合比としては、3ーヒドロキシバ
リレートの含有量が2〜20モル%の共重合体が望まし
い。好ましくは、3ーヒドロキシバリレートの含有量が
5〜15モル%の共重合体がよい。前記3ーヒドロキシ
ブチレートと3ーヒドロキシバリレートの共重合体に
は、必要に応じて可塑剤、安定剤、無機物等を添加して
使用する場合がある。
【0020】生分解性樹脂(B)としては、脂肪族二塩
基酸と二価アルコールの縮合重合により合成される各種
の脂肪族ポリエステル等が使用される。例えば、コハク
酸、アジピン酸とエチレングリコール、1,4ブタンジ
オールの縮合重合により得られるポリエチレンサクシネ
ート、ポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンア
ジペート等の脂肪族ポリエステル等が使用される。ま
た、3官能又は4官能の多価アルコール、オキシカルボ
ン酸及び多価カルボン酸、若しくはその無水物から合成
した脂肪族ポリエステル等も使用することができる。
又、これらの混合物も使用される。生分解性樹脂(C)
としては、ポリ乳酸が使用されるが、ポリグリコール酸
等の脂肪族ポリエステルを使用することもできる。
【0021】生分解性ブレンド樹脂として、生分解性樹
脂の(A)、(B)、(C)のブレンド比率は、使用対
象によって異なるが、紙基材に押出しラミネートする場
合は、チルロールへブロッキングしない程度にブレンド
する必要がある。即ち、生分解性樹脂(A)に対して、
生分解性樹脂(B)又は生分解性樹脂(C)のブレンド
割合を多くすれば、加工適性はよくなるが、生分解性が
遅くなるので、生分解性を重視する場合は、生分解性樹
脂(B)又は(C)の割合を少なくした方がよい。チル
ロールへブロッキングしないためには、生分解性樹脂
(A)に対して、生分解性樹脂(B)又は(C)のブレ
ンド割合は下記の範囲が好ましい。生分解性樹脂(B)
では、30重量%以上、生分解性樹脂(C)では、40
重量%以上、(B)と(C)の50:50の重量%混合
物では、30重量%以上である。
【0022】生分解性を有する積層体に上記ブレンド樹
脂を使用することにより、紙基材に、生分解性樹脂を押
し出しラミネートするとき、チルロールへのブロッキン
グを防止することができ、作業上のトラブルも少なくな
り、作業能率を向上させることができた。上記生分解性
を有する積層体を製造方法するには、先ず、紙基材と生
分解性ブレンド樹脂の接着性をよくするために、紙の表
面をコロナ処理、フレーム処理、アンカーコート処理等
を行い、その処理面に、生分解性ブレンド樹脂を押出機
より押出して紙とラミネートする。
【0023】本発明に使用される紙は、カップ原紙又は
漂白しない未晒のパルプからなるものが望ましい。特
に、プリペイドカード用に使用される場合はカップ原紙
が望ましい。紙には必要に応じて、耐水剤、撥水剤、無
機物等を添加してもよい。また、基材としては、紙に限
らず生分解性を有する素材であれば使用でき、下記のよ
うな素材をフィルム又はシートに加工して使用すること
ができる。セルロースを主成分とするセロハン、セルロ
ースエステル、又は、ポリビニルアルコール、ポリアミ
ノ酸、ポリグリコール酸、プルラン、又はこれらの基材
にアルミ、シリカ等の無機物を蒸着したものが挙げられ
る。
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明を更に詳細
に説明する。 (実施例1)図1に示すように、基材11として坪量2
15g/m2 のカップ原紙を用いて、そのカップ原紙の
両面に、コロナ処理機にてインライン方式でコロナ処理
を行い、このコロナ処理の両面に、押出しコーティング
により、下記の生分解性ブレンド樹脂(I)を厚さ30
μmでラミネートして生分解性を有する積層体1を作製
した。 生分解性ブレンド樹脂(I)の組成:生分解性樹脂
(A)30重量%と生分解性樹脂(B)70重量%のブ
レンド物 生分解性樹脂(A):3−ヒドロキシブチレートと3−
ヒドロキシバリレートの共重合体で3−ヒドロキシバリ
レートの含有率が8モル%のもの 生分解性樹脂(B):エチレングリコールとアジピン酸
からなる脂肪族ポリエステル
【0025】(実施例2)実施例1と同様に、基材にコ
ロナ処理を行い、その処理面に、下記の生分解性ブレン
ド樹脂(II)を押出しコーティングして生分解性を有す
る積層体1を作製した。生分解性ブレンド樹脂(II)の
厚さは、実施例1と同様に、30μmとした。 生分解性樹脂(II)の組成:生分解性樹脂(A)及び
(B)は実施例1と同じ樹脂を用い、生分解性樹脂
(A)と(B)のブレンド割合は50重量%:50重量
%とした。
【0026】(実施例3)実施例1と同様に、基材にコ
ロナ処理を行い、その処理面に、下記の生分解性ブレン
ド樹脂(III )を厚さ30μmで押出しコーティングし
て生分解性を有する積層体1を作製した。 生分解性樹脂(III )の組成:生分解性樹脂(A)及び
(B)は実施例1と同じ樹脂を用い、生分解性樹脂
(A)と(B)のブレンド割合は30重量%:70重量
%とした。
【0027】(実施例4)実施例1と同様に、基材にコ
ロナ処理を行い、その処理面に、下記の生分解性ブレン
ド樹脂(IV)を厚さ30μmで押出しコーティングして
生分解性を有する積層体1を作製した。 生分解性樹脂(IV)の組成:生分解性樹脂(A)60重
量%と生分解性樹脂(C)40重量%のブレンド物 生分解性樹脂(A):3−ヒドロキシブチレートと3−
ヒドロキシバリレートの共重合体で3−ヒドロキシバリ
レートの含有率が8モル%のもの 生分解性樹脂(C):ポリ乳酸
【0028】(比較例1)実施例1と同様に、カップ原
紙の両面をコロナ処理後、そのカップ原紙の両面に、生
分解性樹脂(B)単体で厚さ30μmで押し出しラミネ
ートして、生分解性を有する積層体をを作製した。
【0029】(比較例2)実施例1と同様に、カップ原
紙の両面をコロナ処理後、そのカップ原紙の両面に、生
分解性樹脂(C)単体を厚さ30μmで押し出しラミネ
ートして、生分解性を有する積層体をを作製した。
【0030】実施例1〜4及び比較例1、2で生分解性
を有する積層体を作製するときのチルロールへのブロッ
キング状況及び加工後の生分解性を有する積層体の表面
状態を目視により観察した。その結果を表1に示す。ま
た、実施例1〜4及び比較例1、2で作製した生分解性
を有する積層体を土壌に埋設して、1か月及び2か月後
の重量変化を測定した。その結果を表2に示す。
【0031】表1に示すように、実施例1〜4では、比
較例1、2と同様、押出し加工時にチルロールへのブロ
ッキングもなく、また、加工後の製品の表面状態も良好
であった。また、表2に示すように、実施例1〜4で作
製した生分解性を有する積層体は、土壌中で2か月後に
は、重量が30%以上も減少しており、1年以内には完
全に分解されることを示唆している。これに対して、比
較例1、2では、押し出し加工適性は良好であるが、土
壌中での分解は2か月後でも重量減少は10%以下で分
解が進んでおらず、完全分解には長期間要することが示
唆されている。
【0032】従って、本発明による生分解性樹脂(A)
と、生分解性樹脂(B)又は生分解性樹脂(C)をブレ
ンドすることにより、紙基材に押出しラミネートする場
合、押し出し加工適性がよくなり、比較例1、2で示し
た生分解性樹脂(B)又は(C)を単独で使用するとき
と性能的に同じ製品が得られた。更に、得られた積層体
は、土壌中での分解速度が3ーヒドロキシアルカノエー
ト系樹脂と比較して大差がなく、生分解性に優れた積層
体である。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】 ○:重量減少が30%以上のもの △:重量減少が10%以下のもの
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、従来技術におい
て、生分解性を有する積層体を作製する際、生分解性樹
脂をポリオレフィン樹脂と共押出しすることによって加
工性や表面平滑性を得ていたが、本発明によれば、生分
解性のよい3ーヒドロキシアルカノエート系樹脂に、ジ
カルボン酸とエチレングリコールからなる脂肪族ポリエ
ステル、又はポリ乳酸をブレンドするこにより、押し出
し加工適性がよくなり、紙基材に直接押し出しラミネー
トがきるようになる。そのため、従来の生分解性樹脂と
ポリオレフィン樹脂を共押出しする方法のように、積層
体加工後に、ポリオレフィン樹脂を剥離して、不要にな
ったポリオレフィン樹脂を破棄する必要がなくなり、作
業能率の向上が図れる。また、生分解性のよい3ーヒド
ロキシアルカノエート系樹脂に、ジカルボン酸とグリコ
ールからなる脂肪族ポリエステル、又はポリ乳酸をブレ
ンドしても、土壌中の生分解性には大きな変化はなく、
生産性を低下させずに、生分解性に優れた積層体を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、紙の片面に生分解性ブレンド樹脂層
を形成した生分解性を有する積層体の模式断面図であ
る。
【図2】本発明の、紙の両面に生分解性ブレンド樹脂層
を形成した生分解性を有する積層体の模式断面図であ
る。
【符号の説明】
1 生分解性を有する積層体 11 基材 12 生分解性ブレンド樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B42D 15/00 341 B42D 15/00 341C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性を有する基材の片面又は両面
    に、押し出し加工適性の異なる二種又は三種の樹脂をブ
    レンドした生分解性ブレンド樹脂を、押し出しコーティ
    ングにより積層したことを特徴とする生分解性を有する
    積層体。
  2. 【請求項2】 前記生分解性ブレンド樹脂が、ポリー3
    ーヒドロキシアルカノエート、或いは3又は4ーヒドロ
    キシアルカノエートの共重合体、又はこれらの混合物
    と、ジカルボン酸とグリコールを重縮合して成る脂肪族
    ポリエステル、又は/及び、乳酸を原料としてこれを直
    接又は二量体の開環重合してなるポリ乳酸を、二種又は
    三種ブレンドした樹脂であることを特徴とする請求項1
    に記載の生分解性を有する積層体。
  3. 【請求項3】 前記生分解性を有する基材が、セルロー
    スを主成分とする紙、板紙、セロハン、セルロースエス
    テル、又は、ポリビニルアルコール、ポリアミノ酸、ポ
    リグリコール酸、プルラン、又はこれらの基材にアル
    ミ、シリカ等の無機物を蒸着したものであることを特徴
    とする請求項1及び請求項2に記載の生分解性を有する
    積層体。
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