JPH1062785A

JPH1062785A - 集光性拡散板及びそれを用いたバックライト用照明パネル

Info

Publication number: JPH1062785A
Application number: JP8239875A
Authority: JP
Inventors: Shuzo Ohara; 柊三大原; Ryoichi Kitamura; 良一北村; Yoshinobu Yamazaki; 順伸山崎; Fumiya Terakado; 文也寺門; Takumi Kosugi; 巧小杉; Jungo Hirose; 順吾廣瀬
Original assignee: Goyo Paper Working Co Ltd
Current assignee: Goyo Paper Working Co Ltd
Priority date: 1996-08-21
Filing date: 1996-08-21
Publication date: 1998-03-06

Abstract

(57)【要約】【課題】印刷ドット・パターンが見えず、且つ視野角
が広く、正面輝度が充分な集光性拡散板を提供する。【解決手段】シート１の一方の面に、断面が三角形状
よりなる柱状物２を直線畝状に配列した集光性構造３を
有し、その反対側面に繊維を植毛してなる光拡散性構造
５を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、集光性構造を有す
る拡散板及びそれを用いたバックライト用照明パネルに
関し、更に詳しくは、液晶表示ディスプレイに使用され
るバックライトにおいて、導光板の印刷ドット・パター
ンを拡散して見えなくする機能を有するとともに、同時
に集光性機能を有し、より高い正面輝度が得られる集光
性拡散板及び該集光性拡散板を用いたバックライト用照
明パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、液晶表示ディスプレイに使用され
るバックライトは、冷陰極管より照射された光線を上方
に導く導光板と、導光板の印刷ドット・パターンを拡散
させて見えなくし、かつ均一な光を得るための拡散板及
び液晶パネルの正面輝度を上げるための集光機能を有す
るプリズムシートの構成よりなる。近年、組立工程の合
理化のため、拡散板と集光機能を有するプリズムシート
とを一体化する試みが種々なされている。しかし、拡散
板をプリズムシートの裏面に単純に全面接着して一体化
したものは正面輝度が著しく低下し、実用的なものは得
られない。

【０００３】一方、拡散板とプリズムシートの貼り合わ
せにおいて、拡散板とプリズムシートの間に空気層を設
けることにより、輝度の低下もなく一体化させる方法が
特開平８−１８４７０４号に開示されている。この場合
の一体化法は、拡散板とプリズムシートとの間に微粒子
状の粘着剤（マイクロ粘着剤）が分散状態で配置され、
接着点を散在させることで均一な層厚の空気層を安定的
に得ることを特徴としている。更に、微粒子状の粘着剤
は、接着面積率が５％以下になるよう均一に塗工される
必要があるとしている。しかし、このような条件下での
一体化は、実用上強度的に不安があり、さらには、長期
の使用条件に対しても経時変化がおこる可能性がある。

【０００４】本発明者らは、強度及び経時変化の問題を
解決するために、プリズム状シートの裏面に空気を埋蔵
又は含有した層からなる光拡散性構造を設けた集光性拡
散板を開発し、先に特許出願（特願平８−１８８７１５
号等）した。しかし、このような集光性拡散板は、プリ
ズム状シートの裏面に光拡散性構造を強固に一体化すれ
ば空気層が減少し、輝度が低下する場合があるという問
題を含んでいる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記公知技
術又は先願技術の問題を解消し、製造が容易で、視野角
を広く、且つ正面輝度を高くする機能を有し、しかも導
光板の印刷ドット・パターンが見えず、実用強度もあ
り、経時変化のない集光性拡散板を提供するものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の第１は、シート
の一方の面に、断面が三角形状よりなる柱状物を直線畝
状に配列した集光性構造を有し、その反対側の面に、繊
維を植毛してなる光拡散性構造を有する集光性拡散板
を、本発明の第２は、上記の集光性拡散板の集光性構造
を有する面上にプリズムシートを重ねて設置したバック
ライト用照明パネルを、それぞれ内容とするものであ
る。

【０００７】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図１は、本発明の集光性拡散板の実施態様を示し、シー
ト１の一方の面に、断面が三角形状よりなる柱状物２を
直線畝状に配列した集光性構造３を有し、その反対側の
面に、繊維４を接着剤６を介して植毛してなる光拡散性
構造５を有する。

【０００８】図２は本発明の集光性拡散板の他の実施態
様を示し、シート１の一方の面に、断面が三角形状より
なる柱状物２を直線畝状に配列した集光性構造３を有
し、その反対側の面に、別のシート７に繊維４を接着剤
８を介して植毛した植毛シート９の繊維４の露出先端部
を接着剤１１を介して接着してなる光拡散性構造１０を
有する。

【０００９】本発明の集光性構造３は、シート１の一方
の面に断面が三角形状よりなる柱状物２を直線畝状に配
列したプリズム状のもので、断面の三角形状は特に制限
はなく、二等辺または不等辺でもよい。三角形状の頂角
は８０〜１２０°が好ましく、また頂角に若干の丸味を
つけたものでもよい。三角形状の底辺は通常連接してい
るものが好ましいが、必ずしも連接していなくてもよ
く、また波形状で連接してもよい。底辺サイズについて
は通常３０〜１００μｍ、厚さは１５０〜２００μｍ程
度が好適である。シート１は光透過損失の少ない透明な
材料であれば特に制限なく使用できるが、普通、アクリ
ル系、ポリカーボネート系、ポリエステル系合成樹脂な
どが好ましく、高屈折率を有するように、更には成形性
改良のために変性したものがより好適である。一方、集
光性構造３の反対側面は、植毛された繊維層からなる光
拡散性構造５（図１）又は１０（図２）を具備する。

【００１０】植毛された繊維層からなる光拡散性構造
は、集光性構造を有するシート１の集光性構造３の反対
側に直接植毛されることにより設けられるが、集光性構
造３の反対側面は平滑であっても若干の凹凸があっても
よい。植毛は、繊維による光拡散効果と光拡散性構造内
に多くの空気を含有できること、及び実用強度も充分有
している利点がある。この場合の植毛とは、接着剤を介
して、短繊維（パイル）を植付けることを意味し、その
方法は接着剤を塗布した、シート等の被植毛物に一定の
機械的振動を与え、その振動によって短繊維を植え付け
ると同時に立毛させ植毛する方法、あるいは、短繊維を
あらかじめ電気伝導性を付与させる導電化処理（電着処
理）を施して静電気を利用して立毛させ接着剤を介して
被植毛物に植毛する方法などがあり、その方法について
は特に制限はないが、植毛方向が一定で直立していて、
密集度がよく緻密に仕上がり、短繊維の接着強度がよ
く、生産能率がよい点で静電気式植毛法が好ましい。

【００１１】使用される繊維は、本発明の目的から、細
くて短く、無色透明タイプのものがよく、天然繊維・合
成繊維・無機繊維・再生繊維・半合成繊維すべて使用さ
れるが、ポリアミド（ナイロン）系、ポリエステル系、
アクリル系、セルロース系及びガラス繊維等が好まし
い。より好ましくは空気を含有した繊維、例えば中空繊
維が望ましい。また短繊維はカット品でも粉砕品でもよ
く、そのサイズは、直径（ｄ）が１〜５０μｍ、長さ
（ｌ）は５〜３００μｍ程度が好ましい。微粉砕である
と繊維粒子を塗工したと同様となり、目的とする効果が
小さい。従って、少なくとも短繊維の直径と長さの比
（ｌ／ｄ）が１．５〜２０が好ましい。短繊維の直径が
５０μｍを越えると、短繊維の接着している接着点が見
えてくるので好ましくない。また、短繊維の長さが３０
０μｍを越えると、得られる集光性拡散板の総厚みが厚
くなり、バックライトを使用する液晶表示装置の薄型化
に反するものとなる。使用される短繊維は、単一サイズ
の繊維であってもよく、またはサイズの若干異なるもの
を混合した繊維を使用してもよい。

【００１２】短繊維の接着のために使用される植毛用接
着剤は、溶剤型とエマルジョン型があり、いずれも無色
透明な接着剤層を得るものが好ましい。溶剤型のものは
接着力、耐水性がよく、エポキシ系、フェノール系、ブ
チラール系、ポリウレタン系などあるが、処理される集
光性構造を有するシート１の耐溶剤性によっては使用で
きない場合もある。エマルジョン型は酢酸ビニル樹脂、
アクリル酸エステル樹脂、合成ゴム系樹脂などがあり、
接着力、耐久性はやや劣るが、シート１の素材の種類を
問わず使用可能でなる。とりわけ、架橋も可能なアクリ
ル酸エステル樹脂が好適である。

【００１３】また、接着剤層には、光拡散効果の大きい
酸化チタンや、シリカ、ガラスなど中空ビーズ、アクリ
ロニトリル系発泡体を添加してもよく、特に集光性構造
を有する面上の「キズ」を見えにくくする目的でシリカ
中空ビーズが好適である。さらに光拡散性構造に帯電防
止性を付与し、ちり、ほこりの付着を防止し、またブロ
ッキングを防止してバックライト組立時の作業性を向上
させる目的で、植毛短繊維や接着剤層に帯電防止剤を使
用してもよい。使用される接着剤の塗工量は、使用され
る接着剤の種類、短繊維の直径及び長さにより左右さ
れ、それらに応じて適宜決定すればよい。

【００１４】植毛される短繊維の密度は、加工速度や短
繊維の供給量で調整されるが、使用される短繊維の直
径、長さ及び接着剤に添加されるシリカ中空ビーズなど
によって異なり、更には導光板の反射ドット・パターン
特性などにより異なるので、これらを勘案して適宜決定
される。さらに植毛した短繊維の露出先端部に無色透明
フィルムを短繊維の脱落防止のために接着してもよい。
この目的に使用されるシートは上記シート１と同じ合成
樹脂が使用でき、更に他の無色透明の合成樹脂も使用で
き、その厚さは１０〜５０μｍ程度が好適である。ま
た、接着剤は無色透明なタイプで溶剤系、エマルジョン
系のいずれでもよく、実用強度を得る点で架橋タイプの
接着剤がよく、熱硬化、光硬化のタイプは問わないが、
特に加工工程上の点でＵＶキュアタイプが好ましい。さ
らに接着剤層に、前記した如く、光拡散効果を付与する
酸化チタンやシリカ中空ビーズなどを添加してもよい。

【００１５】図２に示す集光性拡散板は、別に準備した
無色透明シート７上に短繊維４を接着剤８を介して植毛
した植毛シート９の繊維の露出先端部を、シート１の集
光性構造３の反対側面に接着させた構成からなる。この
場合の利点は、別の無色透明シート上に短繊維が植毛さ
れるので、シート１の耐溶剤性、耐熱性に影響されずに
植毛できる。さらにシート１との接着に関しては植毛用
以外の接着剤が使用可能となり、それだけ加工上の制約
が少なくなる。この場合の接着剤は、特に制限されない
が、無色透明なタイプでエマルジョン系、又は使用可能
であれば溶剤系いずれでもよく、実用強度を得る点で架
橋タイプの接着剤がよく、熱硬化、光硬化のタイプは問
わないが特に加工工程上の点でＵＶキュアタイプが好ま
しい。

【００１６】さらに図１の場合と同様、接着剤１１に光
拡散効果の大きいシリカ等の中空ビーズを添加してもよ
く、また帯電防止剤を含有させてもよい。一方、植毛用
の接着剤８も同様に、シリカなどの中空ビーズ及び帯電
防止剤などを併用してもよい。

【００１７】なお、植毛層を作製するために別に準備し
たシート７は、そのまま集光性構造を有するシート１と
一体化してもよく、また、集光性構造を有するシート１
と一体化した後、シート７を剥離して植毛層のみを集光
性構造を有するシート１に残留させてもよい。このよう
に、後から剥離する場合は、耐熱性および剥離性の点で
ポリメチルペンテン−１（商品名ＴＰＸ、三井石油化学
工業株式会社製）からなるシートが好ましく、またポリ
エステルシートの表面無処理品も容易に剥離されるので
好ましい。シート７を剥がす利点は、バックライトの薄
型化に有効であり、また曲げ力が加わったときフィルム
があるとたるみが生じたりする場合があるが、これを防
止することにある。シート７は厚い方が均一な植毛がな
される利点があるが、通常５０〜１５０μｍ程度が好適
である。

【００１８】上記構成からなる本発明の集光性拡散板
は、特にバックライト用照明パネル用に好適に用いられ
る。即ち、集光性拡散板の集光構造を有する面上にプリ
ズムシートを重ねて設置してバックライト用照明パネル
として使用される。プリズムシートの重ね方は通常、集
光性拡散板の断面三角形状よりなる柱状物の直線畝状配
列に対し、重ね合わせるプリズムシートのプリズム方向
が概ね９０°になるように且つプリズム面が上方になる
ように重ね合わせられるが、その配置については特にこ
れに制限されず、また重ね合わせる枚数も１枚でも複数
枚でも可能である。

【００１９】本発明の集光性拡散板は、実用上充分な強
度を有するとともに、経時変化を起こさず、従来使用の
拡散板が不要となる。バックライト用照明パネルとして
の性能も正面輝度を向上させ、同時に視野角も広げる特
徴を有している。また光拡散性構造内に多くの空気を含
有することによりモアレ防止効果も付与され、さらには
集光性構造をもつ面のキズを目立たなくする効果も有し
ている。更にまた、帯電防止処理を施すことにより、集
光性拡散板の帯電を防止し、ちり、ほこりの付着を防止
するとともに、ブロッキングを防止しバックライト組立
時の作業性が大きく向上する。

【００２０】

【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもの
ではない。尚、「部」、「％」は特に断らない限り、そ
れぞれ「重量部」、「重量％」を表す。以下の実施例で
使用したバックライトは、液晶表示用のバックライトで
あり、１６６mm×１２９mm（８インチ相当）の長辺方向
の一端に一灯設置した冷陰極線管に電圧１２ボルト、電
流０．６アンペアをインバーターを通して供給した。こ
の導光板には、裏面に反射板と表面に拡散板が具備され
ており、この導光板上の拡散板表面の法線方向に６００
mmの距離の場所で、ＬＵＭＩＮＡＮＣＥＣＯＬＯＲＩ
ＭＥＴＥＲ（ＴＯＰＣＯＮ社製ＢＭ５Ａ）により輝度及
び視野角を測定した。この時、集光性拡散板の長手方向
（冷陰極管の方向）をＸ方向といい、正面法線上を０°
とし長手方向に左右にふらした角度で輝度を測定し、Ｘ
方向の視野角と表示した。また、集光性拡散板の短辺方
向（冷陰極管に対し垂直方向）をＹ方向といい、正面法
線上を０度とし短辺方向に前後にふらした角度で輝度を
測定し、Ｙ方向の視野角と表示した。導光板の印刷ドッ
ト・パターンの確認は、集光性拡散板をバックライト用
照明パネルに組み込んで実際に使用する際に目視で行な
った。

【００２１】実施例１集光性構造を有するシートとし、ポリカーボネート系樹
脂よりなる断面三角形状が二等辺三角形で底辺５０μ
ｍ、その直角が９０°よりなる柱状物を５０μｍのピッ
チで直線畝状に配列したプリズム状シートで厚さ１６０
μｍのものを準備した。短繊維としては、ポリエステル
中空繊維の粉砕品で中空率２０％、太さ２デニール、長
さ３０〜６０μｍ品を篩にかけて選別し準備した。植毛
用の接着剤は、アクリル系エマルジョン樹脂ＥＫ−１０
０５（サイデン化学株式会社製、固形分３９％）１００
部にエポキシ系硬化剤「Ａ−５２」（サイデン化学株式
会社製）４部を添加し、さらに帯電防止剤として「ケミ
スタット３５００」（三洋化成工業株式会社製、固形分
９９％）０．５部添加し調整した。集光性構造を有する
シートの反対側面に前記植毛用の接着剤を４ｇ／ｍ
²（固形分）塗工し、接着剤層を上面にし陰極側に置
き、上方より、前記植毛用短繊維を常法により電着処理
されたものを篩落としホッパーから一様に落とし、５０
ＫＶの高電圧を加えた陽極の間隙を通過させ、接着剤層
面に垂直に短繊維を電気植毛した。植毛後１１０℃で３
分、接着剤の硬化処理をした。植毛の密度は４ｇ／ｍ²
であった。植毛強度は、通常のセロファンテープテスト
で剥がれがなく、実用上十分な強度のものであった。こ
のようにして、得られた集光性拡散板のプリズム状面の
上に別に準備したプリズムシートのＴＤ方向を重ねた場
合の輝度と視野特性を測定した。結果を図３（図中）
に示したが、この集光性拡散板は、後記比較例１として
示した、拡散板とプリズムシートのＭＤ・ＴＤ方向の合
計３枚を重ねたものと比較して、正面輝度はやや低下す
るが、視野角が著しく広いものであった。導光板の印刷
ドット・パターンも見えなかった。一方、この集光性拡
散板の実用試験をプリズムシートの信頼性テストに準じ
て行なったが、実用上十分な強度を有し、また経時変化
も認められなかった。さらに帯電防止剤の添加効果によ
り、ちり、ほこりの付着しにくいことも確認された。
尚、ＭＤ方向とは、冷陰極管と同方向にプリズムの長さ
方向をおき、三角柱状物が冷陰極管に垂直である方向を
いい、ＴＤ方向とは冷陰極管と平行にプリズムの三角柱
状物がある方向をいう。

【００２２】実施例２実施例１と同様の集光性構造を有するプリズム状シート
（プリズム状方向はＭＤ方向）を準備した。別に厚さ１
６μｍのポリエステルシートの表面にフレーム処理を施
し、短繊維として、電着処理した太さ０．８デニール、
長さ２００μｍのナイロンを用い、実施例１と同様の植
毛用接着剤を使用し、実施例１と同様の方法で前記ポリ
エステルシート上に静電気植毛し、植毛シートを得た。
植毛の密度は５ｇ／ｍ²であった。植毛強度は、通常の
セロファンテープテストで剥がれがなく、実用上十分な
強度のものであった。一方、前記集光性構造を有するシ
ートの反射側面に、アクリルエマルジョン系接着剤ＡＰ
−１３０Ａ（中央理化工業株式会社製、固形分６０％）
１００部に硬化剤ＡＰ−１３０Ｂ（中央理化工業株式会
社製、固形分３０％）５部混合し、４ｇ／ｍ²（固形
分）になるように塗工し、前記植毛シートの繊維の露出
先端部を接着して一体化した。得られた集光性拡散板の
プリズム状面の上に別に準備したプリズムシートのＴＤ
方向を重ね、実施例１と同様にして輝度と視野特性を測
定した。結果は図３（図中）に示したが、後記比較例
１として示した、拡散板と無処理のプリズムシートを２
枚重ねたものと比較して、正面輝度はわずかに劣るが実
用上さしつかえなく、良好な集光性を示し、かつ視野角
も広いものであった。また導光板の印刷ドット・パター
ンも見えなかった。さらに、実施例１と同様の実用試験
においても実用上十分な強度を有し、経時変化も認めら
れなかった。帯電防止剤の添加効果により、ちり・ほこ
りの付着しにくいものであった。

【００２３】実施例３実施例２で使用した厚さ１６μｍのポリエステルシート
の表面フレーム処理品を厚さ７５μｍのポリエステルシ
ートの表面無処理品にかえて、その他は実施例２と同様
にして静電気植毛された植毛シートを得、さらに実施例
２と同様に集光性構造を有するシートの反対側面に一体
化した。ついで前記ポリエステルシートをシート表面と
植毛用接着剤層の間でシートのみを剥して、集光性拡散
板を得た。このものは、図３（図中）に示すように、
実施例２より若干低い輝度を示したが、視野角は若干広
かった。

【００２４】比較例１実施例１で使用した集光性構造を有するシートを、光拡
散性構造を設けることなく、そのまま使用した。即ち、
拡散板を１枚使用し、その上にＭＤ・ＴＤ方向に集光性
構造を有するシートを２枚重ねた常法の方式で、実施例
１、２、３と同様にその輝度及び視野特性を測定した。
結果を図３（図中）に示す。

【００２５】

【発明の効果】以上詳説したように、本発明の集光性拡
散板は、液晶表示ディスプレイに使用されるバックライ
トに好適であり、下記の如き数多くの利点を有する。従来使用されていた拡散板が不要となり、バックライ
ト組立工程が大巾に合理化される。プリズムシートを重ね合わせることにより正面輝度が
向上し、かつ視野角も広くなる。集光性構造を有する面のキズを目立たなくする効果が
あり、また、モアレ発生も防止され、重ね合わせる時の
密着防止効果がある。実用上の強度が充分であり、経時変化が起こらない。帯電防止処理を施すことにより、ちり、ほこりの付着
しにくく、ブロッキングを起こさない集光性拡散板が得
られ、バックライト組立時の作業効率が著しく向上す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施態様を示す概略断面図である。

【図２】本発明の他の実施態様を示す概略断面図であ
る。

【図３】輝度と視野角の測定結果を示すグラフである。

【符号の説明】

１シート２断面が三角形状よりなる柱状物３集光性構造４短繊維５光拡散性構造６接着剤７シート８接着剤９植毛シート１０光拡散性構造１１接着剤

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者寺門文也大阪府大阪市住之江区安立４丁目13番18号五洋紙工株式会社内 (72)発明者小杉巧大阪府大阪市住之江区安立４丁目13番18号五洋紙工株式会社内 (72)発明者廣瀬順吾大阪府大阪市住之江区安立４丁目13番18号五洋紙工株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シートの一方の面に、断面が三角形状よ
りなる柱状物を直線畝状に配列した集光性構造を有し、
その反対側面に繊維を植毛してなる光拡散性構造を有す
る集光性拡散板。
【請求項２】光拡散性構造が、繊維を別のシートに植
毛してなる植毛シートの繊維の露出先端部を接着してな
る請求項１記載の集光性拡散板。
【請求項３】繊維が空気を含有する繊維である請求項
１又は２記載の集光性拡散板。
【請求項４】光拡散性構造に帯電防止剤を含有させた
請求項１〜３のいずれか１項に記載の集光性拡散板。
【請求項５】請求項１〜４のいずれか１項に記載の集
光性拡散板の集光性構造を有する面上にプリズムシート
を重ねて設置したバックライト用照明パネル。