JPH1062570A - 遅延時間測定方法及び遅延時間測定装置 - Google Patents

遅延時間測定方法及び遅延時間測定装置

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JPH1062570A
JPH1062570A JP7206997A JP7206997A JPH1062570A JP H1062570 A JPH1062570 A JP H1062570A JP 7206997 A JP7206997 A JP 7206997A JP 7206997 A JP7206997 A JP 7206997A JP H1062570 A JPH1062570 A JP H1062570A
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optical
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JP7206997A
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English (en)
Inventor
Yuichi Tanaka
佑一 田中
Yasuaki Tamura
安昭 田村
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OYO KODEN KENKIYUUSHITSU KK
Original Assignee
OYO KODEN KENKIYUUSHITSU KK
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Publication date
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  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Transmission In General (AREA)
  • Measurement Of Unknown Time Intervals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定光学系を光が通過する時間を良好な精
度で測定する。 【解決手段】 シンセサイザ10、SLD光源12、第
1の3dBカプラ14、第2の3dBカプラ16、AP
D18、オシロスコープ20、第1光ファイバ22およ
び第2光ファイバ24から構成された装置を用いて測定
を行う。シンセサイザ10により、出力光の強度を変調
し、この変調周波数を変えながら、APD18の出力信
号の交流成分を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光通信等におい
て用いられる光伝送経路を光が通過する時間を測定する
方法と、この通過時間を測定する装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】ある光伝送経路(被測定光学系)を光が
通過するのに要する時間(以下、通過時間と呼ぶ。)を
測定するには、この光伝送経路の光学的経路長(光学
長)が分かればよい。従って、従来、(イ)被測定光学
系の長さを実際に定規等で測定して、この測定結果に被
測定光学系の媒質の屈折率を掛けて実質的な光学長を求
めていた。
【0003】また、(ロ)直接、通過時間を求めてしま
う方法もある。例えば、短時間幅光パルスを被測定光学
系に入射して、この被測定光学系から出力された光を高
速光検出器で電気信号に変換する。そして、この電気信
号をオシロスコープにより観測することによって、光パ
ルスが被測定光学系を通過する時間を求めることができ
る。この測定に用いる装置は、光パルス試験器(OTD
R)として商品化されている(例えば、アンリツ社製の
MW9060Aなどがある。)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た(イ)および(ロ)の測定方法では、精度の高い測定
をすることが難しかった。先ず、測定方法(イ)によれ
ば、通過時間を測定するために、被測定光学系の光の伝
送される経路に沿った長さを実測しなければならない。
このような長さの測定精度は、せいぜい3桁が限度であ
るから、従って、通過時間の測定精度も3桁(10-3
程度の精度しか得られず、高い精度を得ることができな
かった。また、この方法では、被測定光学系の屈折率も
知らなければならず、この屈折率の測定精度も影響す
る。さらに、この方法では、装置内に収まっている光学
系を測定したい場合には、長さを測定すること自体が困
難であるといった問題がある。
【0005】また、上述した測定方法(ロ)によれば、
光源や測定系を含む装置全体の時間分解能が全体的に低
いため、このため、測定方法(イ)と同様に、通過時間
の測定精度を数10ns以下にすることができなかっ
た。
【0006】最近の光通信システム等の発展に伴い、あ
る光経路を通過する時間や、光経路の長さを知ることが
大変重要になってきている(例えば、文献「1996年電子
情報通信学会総合大会予稿集、SB−9−2、p715
」)。従って、従来より、高い精度で以て簡便に遅延
時間の測定を行う遅延時間測定方法及び遅延時間測定装
置の出現が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の遅延時間測定
方法によれば、被測定光路を伝搬する第1の光と、基準
光路を伝搬する第2の光との間の通過時間の差を測定す
るに当たり、前記第1の光および前記第2の光の各強度
に対して変調を加えて、これら第1の光および第2の光
を、同相で変動し、かつ、同一の周波数fで変動する強
度を有する光とし、前記被測定光路または前記基準光路
をそれぞれ伝搬した後の前記第1の光および前記第2の
光の各強度の和を、前記周波数fを変化させつつ測定
し、前記測定した強度の和から前記周波数fで振動する
交流成分のパワーだけを検出することにより、前記周波
数fに対する前記交流成分のパワーの変化特性を得て、
この変化特性から前記交流成分のパワーが極小となる前
記周波数fを求め、この周波数fを0から上昇させてゆ
くときにn番目(但し、nは自然数)に極小となる周波
数fをfn とするとき、前記第1の光の、前記第2の光
に対する遅延時間Δtを Δt=(n−1/2)/fn (I) により求めることを特徴とする。
【0008】このように、被測定光路および基準光路に
それぞれ第1の光および第2の光を伝搬させて、被測定
光路と基準光路との間の光学的距離の差すなわち第1の
光と第2の光とが要する各通過時間の差(遅延時間Δt
と称する。)を測定することができる。この方法によれ
ば、周波数fを変化させて、上述の周波数fn を測定す
ることにより、上式(I)から遅延時間Δtを求めるこ
とができる。また、広い範囲で周波数fを変化させるこ
とにより、高い次数nの周波数fn が得られる。よっ
て、周波数fn の測定精度を上げることができ、従っ
て、遅延時間Δtの測定精度を高めることが可能であ
る。尚、基準光路の通過時間が既知であれば、被測定光
路の通過時間が求められる。
【0009】また、この発明の好適な実施例によれば、
前記第1の光の強度と前記第2の光の強度とを等しくし
たことを特徴とする。
【0010】このように、第1の光の強度と第2の光の
強度とを等しく設定することにより、上述した交流成分
のパワーの変化特性における、当該交流成分のパワーの
変化範囲(振幅)を大きくすることができる。よって、
パワーが極小となる周波数fn を、良好な精度で以て測
定することが可能になる。従って、上式(I)から遅延
時間Δtを良好な精度で以て求めることができる。
【0011】この発明の遅延時間測定装置によれば、あ
る光伝送経路を光が通過する時間を測定する遅延時間測
定装置において、光源と、この光源から出力される光の
強度を設定された周波数で周期的に変動させる光変調器
と、この光変調器によって強度が変動された光を第1の
光と第2の光とに分離する光分波器と、この第1の光を
装置外部に伝送するために、測定時に前記光伝送経路の
一端に結合されるように設けられた第1光路と、測定時
に前記光伝送経路の前記一端とは別の一端に結合される
ように設けられ、この光伝送経路から出力される前記第
1の光を装置内部に伝送するための第2光路と、前記光
分波器から出力される前記第2の光を伝送する第3光路
と、前記第2光路から出力される第1の光と前記第3光
路から出力される第2の光とを合波する光合波器と、こ
の光合波器から出力される光を受光する光検出器と、こ
の光検出器の出力信号から、前記設定された周波数に応
じて変動する信号成分を検出するスペクトルアナライザ
とを具えることを特徴とする。
【0012】このように、この遅延時間測定装置を用い
ることにより、第1光路と第2光路との間に直列に結合
される光伝送経路を伝搬する光の通過時間を測定するこ
とができる。この遅延時間測定装置は上述した遅延時間
測定方法を装置化したものであり、従って、通過時間の
測定精度を高めることが可能である。また、この測定装
置を用いた測定では、第1光路と第2光路との間に光伝
送経路を結合するだけで行うことができるから、従来に
比べて、測定が簡単である。
【0013】尚、スペクトルアナライザとは、入力され
た信号の、ある周波数の信号成分のパワーを測定する装
置のことである。
【0014】また、この発明の好適な構成例によれば、
前記スペクトルアナライザは、前記光変調器を制御して
前記設定された周波数を掃引するための周波数掃引部を
具えていることを特徴とする。
【0015】このように、周波数掃引部により、光変調
器を制御し、設定された周波数で以て変動する光の、当
該周波数を掃引することができる。従って、測定する交
流成分の周波数と掃引周波数とを同期させて測定を行う
ことが可能である。よって、さらに、容易に測定を行う
ことができるようになる。
【0016】また、この発明の好適な構成例によれば、
前記第3光路に光アッテネータを挿入してなることを特
徴とする。
【0017】このように、光アッテネータを上述の位置
に設けることにより、測定時に、第1光路、被測定光学
系としての光伝送経路および第2光路を伝搬する第1の
光の強度と、第3光路を伝搬する第2の光の強度とを等
しくすることができる。従って、スペクトルアナライザ
が検出する信号成分(前述した交流成分に相当する。)
のパワーの変化範囲(振幅)を大きくすることができ
る。よって、この信号成分のパワーが極小となるときの
周波数(前述の周波数fn に相当する。)を良好な精度
で以て測定することが可能になる。従って、通過時間を
良好な精度で以て求めることができる。
【0018】尚、光アッテネータとは、光減衰器のこと
であり、光の強度を一定量だけ減衰するための光学装置
のことである。
【0019】また、この発明の好適な構成例によれば、
前記光源と前記光分波器との間に光増幅器を具えること
を特徴とする。
【0020】このように、光増幅器を上述の位置に設け
ることにより、光源から出力される光の強度を増大させ
ることができる。従って、スペクトルアナライザが検出
する信号成分の強度を増大させることができ、このた
め、測定精度が向上する。
【0021】また、この発明の好適な構成例によれば、
前記第1および第2光路を光ファイバで以て構成したこ
とを特徴とする。
【0022】このように、第1および第2光路を光ファ
イバで以て構成することにより、容易に光路を曲げるこ
とが可能であり、装置構成が簡単である。
【0023】また、この発明の遅延時間測定方法によれ
ば、複数の被測定光路をそれぞれ伝搬する各被測定光
と、基準光路を伝搬する基準光との間の通過時間の差を
それぞれ測定するに当たり、前記被測定光および前記基
準光の各強度に対して変調を加えることにより、これら
被測定光および基準光を、同相で変動し、かつ、同一の
周波数fで変動する強度を有する光となし、前記被測定
光路および前記基準光路をそれぞれ伝搬した後の前記被
測定光および前記基準光の各強度の和を、前記周波数f
を変化させつつ測定し、前記測定した強度の和から前記
周波数fで振動する交流成分のパワーを検出することに
より、前記周波数fに対する前記交流成分のパワーの変
化特性を取得し、この変化特性に対してフーリエ変換を
施すことにより、この変化特性を、基準光路または被測
定光路を光が通過した距離と前記交流成分のパワーとの
関係に変換し、この関係から前記交流成分のパワーがn
番目(nは自然数)に極大となる距離jn を求めること
により、前記基準光路の長さをL0 とし、この基準光路
または前記被測定光路を伝播する光の速度をcとしたと
きに、前記基準光に対するn番目の被測定光の遅延時間
Δtn を Δtn =(2jn −L0 )/c (II) により求めることを特徴とする。
【0024】このようにすると、複数の被測定光路と1
つの基準光路との間の光学的距離の差、すなわち、複数
の被測定光が各被測定光路を伝播するのに要する通過時
間と、基準光が基準光路を伝播するのに要する通過時間
との差Δtn を、それぞれ測定することができる。従っ
て、複数の被測定光路の各距離jn を求めることができ
る。そして、この方法によれば、周波数fを変化させて
交流成分のパワーを測定し、上述の距離jn を求めるこ
とにより、上式(II)から遅延時間Δtn を求める。従
って、広い範囲で周波数fを変化させることにより、距
離jn の測定精度を高めることができるので、遅延時間
Δtn の測定精度を高めることができる。
【0025】また、この発明の遅延時間測定方法におい
て、好ましくは、前記基準光の強度と前記被測定光の強
度とを等しくするのが良い。
【0026】このように基準光と被測定光とを等しく設
定することにより、上述した交流成分のパワーの交流特
性における、当該交流成分のパワーの変化範囲(振幅)
を大きくすることができる。よって、強度が極大となる
距離jn を、良好な精度でもって測定することが可能に
なる。従って、上式(II)から遅延時間Δtn を良好な
精度で求めることができる。
【0027】また、この発明の遅延時間測定装置によれ
ば、ある光伝送経路を光が通過する時間を測定する遅延
時間測定装置において、光源と、この光源から出力され
る光の強度を設定された周波数で周期的に変動させる光
変調器と、この光変調器によって強度が変動された光を
基準光と被測定光とに分離する光分波器と、前記光伝送
経路を通過した被測定光を受光する第1光検出器と、前
記基準光を受光する第2光検出器と、これら第1および
第2光検出器の合成出力信号の中から前記設定された周
波数に応じて変動する信号成分を検出するスペクトルア
ナライザとを具えることを特徴とする。
【0028】このような装置構成によれば、光源から発
生した光の強度を光変調器により所定の変調周波数で変
動させ、この変調光を光分波器により被測定光と基準光
とに分離し、基準光を第2光検出器で受光し、被測定光
路としての光伝送経路を通過させた後の被測定光を第1
光検出器で受光する。そして、第1および第2光検出器
の合成出力信号から所定の周波数成分で振動する交流成
分のパワーをスペクトルアナライザにより検出する。従
って、第1および第2光検出器の合成出力信号の中から
変調周波数で振動する交流成分(変調成分)のパワーが
変調周波数ごとに検出される。
【0029】そして、スペクトルアナライザにより得ら
れた変調成分のパワーと変調周波数との関係を、通常の
フーリエ変換によって、変調成分のパワーと距離との関
係に変換する。この関係から、光分波器の出力ポートか
ら出力されて第2光検出器に受光されるまでの基準光が
要する伝播時間と、光分波器の出力ポートから出力され
て被測定光路を通過してから第1光検出器に受光される
までの被測定光が要する伝播時間との差が求められる。
従って、この装置を用いれば、光伝送経路中のどの位置
に反射点があるのかを調べることが可能である。また、
この遅延時間測定装置は上述した遅延時間測定方法を装
置化したものであり、従って、通過時間の測定精度を従
来に比べて高めることが可能である。
【0030】また、この発明の遅延時間測定装置におい
て、好ましくは、入力ポート、入出力ポートおよび出力
ポートを具え、この入力ポートから入射した前記被測定
光を前記入出力ポートから出力させ、前記入出力ポート
に入射した前記被測定光を前記出力ポートに出力させる
光サーキュレータを具えるのが良い。
【0031】そして、例えば、光サーキュレータの入出
力ポートに被測定光路としての光伝送経路の一端を接続
すると、この光伝送経路中で反射されて入出力ポートに
戻る光は、上述の出力ポートから出力される。また、こ
の出力ポートから出力される光と基準光とが、それぞれ
第1および第2光検出器により受光される。従って、光
分波器の出力ポートから出力されて第2光検出器に受光
されるまでに基準光が要する伝播時間と、光分波器の出
力ポートから出力された被測定光が光伝送経路中で反射
されて第1光検出器に受光されるまでに要する伝播時間
との差が求められる。従って、光伝送経路中のどの位置
に反射点があるのかを調べることが可能である。
【0032】また、この発明の遅延時間測定装置におい
て、好ましくは、前記スペクトルアナライザは、前記光
変調器を制御して前記設定された周波数を掃引するため
の周波数掃引部を具えるのが良い。
【0033】このように、周波数掃引部により、光変調
器を制御し、設定された周波数でもって変動する光の、
当該周波数を掃引することができる。従って、測定され
る交流成分の周波数と掃引周波数とを同期させて測定を
行うことが可能である。よって、さらに、容易に測定を
行うことができるようになる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態につき説明する。尚、図は、この発明の構
成、大きさおよび配置関係が理解できる程度に概略的に
示されており、また、以下に記載する数値条件等は単な
る一例であるから、従って、この発明は、この実施の形
態に何ら限定されることがない。
【0035】[1]遅延時間測定方法 以下、遅延時間測定方法につき説明する。この方法は、
被測定光路を伝搬する第1の光と、この第1の光と同一
の波長であって、基準光路を伝搬する第2の光との間の
通過時間の差を測定するための方法である。
【0036】図1は、この方法に基づいて遅延時間を測
定するのに好適な構成を示すブロック図である。この構
成例は、シンセサイザ10、超放射光ダイオード(スー
パールミネッセントダイオード。以下、SLDと略称す
る。)光源12、第1の3dBカプラ14、第2の3d
Bカプラ16、アバランシェフォトダイオード(以下、
APDと略称する。)18、オシロスコープ20、第1
光ファイバ22および第2光ファイバ24から構成され
る。
【0037】SLD光源12の出力光は、シンセサイザ
10により、所望の周波数(この周波数を記号fで表
す。)で強度が変調されており、SLD光源12の出力
光の強度は正弦波形状の変化を呈している。この光は、
第1の3dBカプラ14によって、実質的に強度の等し
い2つの光に空間的に分離される。これら2つの光を、
それぞれ第1の光および第2の光と称することにする。
【0038】このように、SLD光源12から出力され
る光の強度(第1の光および第2の光の各強度の和)に
対して変調を加えて、これら第1の光および第2の光
を、同相で変動し、かつ、同一の周波数fで変動する強
度を有する光としている。
【0039】これら2つの光の内、第1の光は、第1光
ファイバ22に伝送される。また、第2の光は、第2光
ファイバ24に伝送される。ここでは、第1光ファイバ
22を被測定光路として、この第1光ファイバ22を光
が通過するのに要する時間を測定する。一方、第2光フ
ァイバ24は、基準光路として用いられる。後述するよ
うに、この実施の形態では、第1光ファイバ22を第2
光ファイバ24より10m程長くして測定を行った。
【0040】また、第1光ファイバ22および第2光フ
ァイバ24の各々は、第2の3dBカプラ16に接続さ
れる。そして、第1光ファイバ22および第2光ファイ
バ24の各々を伝搬された第1の光および第2の光が、
第2の3dBカプラ16に入力される。これら入力され
た光は第2の3dBカプラ16により足し合わされて、
第2の3dBカプラ16から出力される。
【0041】上述したSLD光源12から出力される光
の中心波長は、1510nm〜1560nmであり、波
長幅は50nm程度と広い。このような光源を用いるこ
とにより、第2の3dBカプラ16に入力される第1お
よび第2の光どうしが、短い光路差で干渉しないように
している。
【0042】さらに、この第2の3dBカプラ16から
出力される光は、APD18によって受光される。受光
された光の強度は、第1光ファイバ22を伝搬した後の
第1の光の強度と、第2光ファイバ24を伝搬した後の
第2の光の強度との和である。APD18が出力する信
号の大きさは、受光された光の強度に比例しており、こ
のAPD18の出力信号を、シンセサイザ10で周波数
fを変えながら測定する。
【0043】図2は、遅延時間測定方法の説明に供する
グラフである。図2の(A)は、第2の3dBカプラ1
6に入力される、第1の光の強度の時間変化(曲線a)
と、第2の光の強度の時間変化(曲線b)とをそれぞれ
示すグラフである。横軸に時間tを取り、縦軸に光の強
度Iを取って示してある。この図から分かるように、第
1光ファイバ22と第2光ファイバ24との光学的距離
の差に応じて、第1の光と第2の光との間には位相のズ
レが生じている。
【0044】図2の(B)は、第2の3dBカプラ16
から出力された光をAPD18によって検出し、このA
PD18の出力信号の強度の時間変化(曲線c)を示す
グラフである。横軸に時間tを取り、縦軸に信号強度I
を取って示してある。このように、第2の3dBカプラ
16から出力されて、APD18によって受光される光
の強度に比例した当該APD18の出力信号は、第1の
光および第2の光の変調周波数fに応じて変動する強度
変化を示す。但し、第1の光と第2の光の強度が等し
く、第1の光と第2の光の位相差がπ/2の奇数倍であ
るときには、APD18の出力信号は時間的に一定の強
度変化を有しており、変調周波数fに応じた変動を示さ
ない。
【0045】以上説明した通り、被測定光路としての第
1光ファイバ22または基準光路としての第2光ファイ
バ24をそれぞれ伝搬した後の第1の光および第2の光
の各強度の和を、周波数fを変化させつつ測定してい
る。
【0046】また、この図2の(B)に示したAPD1
8の出力信号の強度変化は、周波数fで振動する交流成
分と直流成分とから成っている。図2の(B)の破線d
は、直流成分の強度を示している。また、交流成分は破
線dを軸として振動する。従って、交流成分の振幅は、
曲線cの極大値から直流成分の強度値を引いた値で表さ
れる。交流成分のパワー(交流成分の総光量が電気信号
に変換された積分パワー)は、この交流成分の振幅の2
乗に比例した量として表される。
【0047】この実施の形態では、APD18の出力信
号は、オシロスコープ20により、ACカップリング法
を用いて観測される。一般に、ACカップリング法は、
入力された信号から、所望の周波数の交流成分だけを検
出する方法として知られている。このように、測定した
強度の和から周波数fで振動する交流成分のパワーだけ
を検出することにより、周波数fに対する交流成分のパ
ワーの変化特性が得られる。
【0048】次に、この変化特性から交流成分のパワー
が極小となる周波数fを求める。そして、この周波数f
を0から上昇させてゆくときにn番目(但し、nは自然
数)に極小となる周波数fをfn とする。
【0049】図2の(C)は、この変化特性を示すグラ
フである。横軸に周波数fを取り、縦軸にパワーPを取
って示している。上述した交流成分のパワーは、一定周
波数毎に極小となる。図の横軸には、交流成分が極小と
なる位置に、周波数の0から始めて、低周波数側から順
番に、目盛りfn を付して示した。交流成分のパワーの
極小値は、第1の光の強度と第2の光の強度とが等しい
ときには、0になる。
【0050】図2の(C)の変化特性は、以下のように
説明される。先ず、各光ファイバ22および24をそれ
ぞれ伝搬した後の、第1の光と第2の光の位相差が0の
ときに、交流成分のパワーは極大になる。第1の光と第
2の光の位相差が0から徐々にずれるに従い、交流成分
のパワーは低下してゆく。そして、第1の光と第2の光
の位相差がπ/2のときに、交流成分のパワーは極小に
なる。また、第1の光と第2の光の位相差がπ/2を過
ぎると、再び、交流成分のパワーは上昇してゆく。第1
の光と第2の光の位相差がπのときに、再び、交流成分
のパワーは極大になる。このように、交流成分のパワー
の変化特性は、第1の光と第2の光の位相差の変化が反
映されたものである。
【0051】このように、第1の光と第2の光とがそれ
ぞれ光ファイバ22および24を伝搬された後では、第
1光ファイバ22および第2光ファイバ24の各光路長
が異なるので、この光路差(記号ΔLで表す。)による
位相差が生じる。この位相差をεで表す。
【0052】図3は、遅延時間測定方法の説明に供する
図である。図3には、第1光ファイバ22を第1の光が
伝搬する様子と、第2光ファイバ24を第2の光が伝搬
する様子とが模式的に示されている。図3の水平方向に
軸xを取ってあり、この軸xに沿う方向に各光ファイバ
が延在している。また、図3には、第1の光のある時間
の強度が、ファイバの位置に応じて、正弦波的に変化す
る様子を曲線pで以て示している。同様に、第2の光の
ある時間の強度が、ファイバの位置に応じて、正弦波的
に変化する様子を曲線qで以て示している。そして、A
PD18により、第1光ファイバ22の端面(図3の
(x0 +ΔL)の位置の記号rで示される面。)から出
力される第1の光の強度と、第2光ファイバ24の端面
(図3のx0 の位置の記号sで示される面。)から出力
される第2の光の強度とが同時に観測される。
【0053】この図から明らかなように、第1の光と第
2の光の位相差εは、各光ファイバの位置x0 における
各光の位相は等しいので、第1光ファイバ22と第2光
ファイバ24の光路差ΔLに応じて生じていることが理
解される。また、変調周波数fを変化させれば、第1光
ファイバ22の端面rの位置で観測される第1の光の位
相が変化する。
【0054】位相差εと交流成分の関係は以下の通りで
ある。例えば、光路差ΔLが、変調周波数fに対応する
波長の1/2倍である場合には、第1の光と第2の光の
位相差εはπ/2である。このとき、交流成分のパワー
は極小になる。このときの変調周波数fをf1 とする
(図2の(C))。
【0055】同様に、光路差ΔLが、変調周波数fに対
応する波長の(2n−1)/2倍(但し、nは自然数)
である場合には、第1の光と第2の光の位相差εは、π
/2の奇数倍である。このとき、交流成分のパワーは極
小になる。このときの変調周波数fをfn とする。尚、
変調周波数fが0に近いときには、交流成分のパワーが
大きい(図2の(C))。
【0056】従って、交流成分のパワーの変化特性か
ら、交流成分のパワーが極小となる周波数fを求め、こ
の周波数fを0から上昇させてゆくときにn番目に極小
となる周波数fをfn とするとき、第1の光の、第2の
光に対する遅延時間Δtを Δt=(n−1/2)/fn (1) により求めることができる。
【0057】式(1)から明らかなように、高い精度で
周波数fn を測定することにより、遅延時間Δtの測定
精度を高めることが可能である。この周波数fn の測定
精度は、次数nが高くなり、高周波数になるに従い、高
くなる。従って、次数nが高い程、遅延時間Δtの測定
精度を高めることができる。この実施の形態の方法によ
れば、6桁(10-6)の精度で以て測定を行うことがで
きる。また、この測定方法によれば、交流成分のパワー
の時間平均(積分パワー)を検出すればよいから、検出
装置の時間分解能が、比較的低くても良好な測定精度が
得られる。
【0058】図4は、上述した遅延時間測定方法のシミ
ュレーション結果を示すグラフである。横軸に変調周波
数wを取り、縦軸に交流成分のパワーPを取っている。
下記の通りに、第1および第2の光の強度の時間依存性
が正弦波的に変化するものとして取り扱っている。この
AM−モジュレーション干渉計の計算式は以下の通りで
ある。
【0059】 光路差による位相差:ε=ΔL/(2πc) 第1の光の強度:I1 =A1+A2exp(−i*10w ) 第2の光の強度:I2 =B1+B2exp(−i*10w (1+ε)) 交流成分のパワー:P=log{(ReI12 +(ReI22 } 尚、上式中、iは√−1を表し、ReI1 およびReI
2 はそれぞれI1 およびI2 の実部を表している。ま
た、logは自然対数を表す。さらに、ΔLは第1光フ
ァイバと第2光ファイバとの光路差であり、πは円周率
であり、cは光速を表し、wは変調周波数を表してい
る。
【0060】上記のように式を設定し、各パラメータの
値を以下のように設定した。
【0061】A1=A2=B1=B2=0.5 ε=0.05 そして、wを0から2まで0.001ステップごとに変
化させて、図4の結果を得た。図から明らかなように、
等間隔置きに、交流成分のパワーが極小を取ることが分
かる。尚、極小値が徐々に上昇しているのは、計算上の
誤差であり、本質的なことではない。
【0062】図5は、上述した構成および方法で測定し
た、交流成分のパワーの変化特性を示すグラフである。
横軸に周波数fを取り、縦軸に交流成分のパワーPを取
って示す。尚、図5の(A)と図5の(B)とは同じ測
定結果であり、図5の(A)の横軸は通常の目盛りで取
ってあり、図5の(B)の横軸は対数目盛りで取ってあ
る。
【0063】この図5の結果から、第1光ファイバ22
と第2光ファイバ24の光路差を10mにして測定した
とき、周波数f1 =11MHz(メガヘルツ)付近で極
小値を得られた。そして、徐々に周波数fを上げてい
き、f1 の2倍の周波数となる周波数f2 で極小値を得
て、また、f1 の3倍の周波数となる周波数f3 で極小
値を得た。従って、このとき(1)式から、遅延時間Δ
t=45ns程度である。
【0064】このように、以上説明した遅延時間測定方
法によれば、変調周波数fをMHzオーダーで変化させ
て測定し、μs〜nsの時間範囲において、psの精度
で以て、遅延時間の測定を行うことが可能である。尚、
基準光路としての第2光ファイバ24の通過時間が既知
であれば、被測定光路としての第1光ファイバ22の通
過時間を求めることができる。
【0065】[2]遅延時間測定装置の構成 次に、遅延時間測定装置の構成につき説明する。図6
は、この実施の形態の構成を示すブロック図である。こ
の実施の形態の遅延時間測定装置48は、光源28、光
変調器30、光分波器32、第1光路34、第2光路3
6、第3光路38、光合波器40、光検出器42および
スペクトルアナライザ44から構成されている。
【0066】先ず、遅延時間測定装置48は、光源28
を具えている。光源28としては、例えば、レーザーダ
イオードを用いる。
【0067】この光源28から出力された光は、光変調
器30に入射される。この光変調器30は、光源28か
ら出力される光の強度を、設定された周波数fで周期的
に変動させる素子である。この実施の形態では、光変調
器30として、ルミネックス社製の、LC1000シリ
ーズを用いている。
【0068】次に、光変調器30を通過して変調を受け
た光は、光分波器32に入射される。この光分波器32
は、光変調器30によって強度が変動された光を第1の
光と第2の光とに分離する素子である。光分波器32と
しては、方向性結合器である3dB(デシベル)カプラ
を用いている。
【0069】光分波器32からは、第1の光と第2の光
とが出力される。この内、第1の光を装置外部に伝送す
るために、測定時に光伝送経路50の一端に結合される
ようにして第1光路34を設けている。ここで、光伝送
経路50は、被測定光学系である。第1光路34は、光
ファイバで以て構成されており、容易に光路を曲げるこ
とが可能である。第1光路34の一端は光分波器32の
一方の出力端子に接続されている。また、第1光路34
の他端には第1光コネクタ54が取り付けられており、
装置筐体の出力端子52から装置外部に延在して、被測
定光学系としての光伝送経路50の入力端子側に接続さ
れるようになっている。
【0070】また、第1光路34から出力されて光伝送
経路50を通過した後の第1の光を装置内部に伝送する
ために、遅延時間測定装置48は、第2光路36を具え
ている。第2光路36は、測定時に、光伝送経路50の
第1光路34が結合されている一端とは別の一端に結合
されるように設けられ、この光伝送経路50から出力さ
れる第1の光を装置内部に伝送するために設けられてい
る。第1光路34と同様にして、第2光路36を光ファ
イバを以て構成しているから、容易に光路を曲げること
ができる。第2光路36の一端には、第2光コネクタ5
8が取り付けられており、光伝送経路50の出力端子側
に接続されるようになっている。また、第2光路36の
他端は、装置筐体の入力端子56から装置内部に延在し
て、後述する光合波器40の一方の入力端子に接続され
ている。
【0071】前述した通り、光分波器32からは第1の
光と第2の光とが出力される。この内、光分波器32か
ら出力される第2の光は、第3光路38を通って、後述
する光合波器40の第1の光が入力される入力端子とは
別の入力端子に入力される。第3光路38は、光分波器
32から出力される第2の光を伝送する。この第3光路
38は、光ファイバで以て構成されている。
【0072】そして、遅延時間測定装置48は、第2光
路36から出力される第1の光と第3光路38から出力
される第2の光とを合波する光合波器40を具えてい
る。光合波器40には、上述した光分波器32と同様
に、3dBカプラが用いられている。この光合波器40
により、第1光路34、光伝送経路50および第2光路
36を伝搬してきた第1の光と、第3光路38を伝搬し
てきた第2の光とが足し合わされて出力される。
【0073】この光合波器40から出力された光は、光
検出器42により受光される。例えば、変調周波数fを
40GHz程度にまで変化させて測定したい場合には、
光検出器42として、応答速度が25ピコ秒程度のもの
を用いる必要がある。そこで、光検出器42には、アバ
ランシェフォトダイオード(以下、APDと略称す
る。)を用いている。この光検出器42の出力信号の大
きさは、第1光路34、光伝送経路50および第2光路
36を伝搬してきた第1の光の強度と、第3光路38を
伝搬してきた第2の光の強度とが足し合わされた大きさ
に比例する。尚、光検出器42としては、APDの他
に、例えば、pinフォトダイオードやフォトマルチプ
ライヤーを用いてもよい。
【0074】スペクトルアナライザ44は、この光検出
器42の出力信号から、設定された周波数fに応じて変
動する信号成分を検出する。この信号成分のパワーを測
定することによって、光が光伝送経路50を通過する時
間が求められる。
【0075】また、スペクトルアナライザ44は、光変
調器30を制御して設定された周波数fを掃引するため
の周波数掃引部(トラッキングジェネレータ)46を具
えている。この周波数掃引部46により、周波数fを掃
引し、測定する交流成分の周波数と掃引周波数fとを同
期させることが可能である。この実施の形態では、スペ
クトルアナライザ44として、ヒューレット・パッカー
ド社製のHP 70000モジュラ・メジャメント・シ
ステムを用いている。
【0076】また、この実施の形態では、第3光路38
に光アッテネータ60を挿入してなる。この光アッテネ
ータ60により、第2の光の強度を第1の光の強度に実
質的に等しく設定することができる。よって、交流成分
のパワーの極小値を0にすることができ、強度差が明確
になり、測定精度が向上する。さらに、光源28と光分
波器32との間に光増幅器を具えてもよい。この実施の
形態では、光増幅器62は、光源28と光変調器30と
の間に設けられている。光増幅器62としては、例え
ば、エルビューム・ドープト・ファイバー・アンプ(E
DFA)を用いることができる。
【0077】以上説明した通り、この実施の形態の構成
によれば、被測定光学系の遅延時間(通過時間)を測定
することができる。変調周波数fをMHzオーダーに設
定して測定した場合、6桁の精度を得ることができ、μ
s〜nsの時間範囲において、psの精度で以て、遅延
時間を測定できる。従って、従来よりも正確な測定を行
うことができる。また、第1および第2光路34および
36の間に被測定光学系を接続するだけであるから、比
較的、簡単に測定を行うことができる。
【0078】[3]利用形態 以上、[1]および[2]で説明した遅延時間測定方法
および遅延時間測定装置を用いれば、ある光伝送経路を
光が通過するのに、どの位の時間を要するかを知ること
ができる。例えば、ある光学系に別の光学系を挿入した
場合に、どの位の光の伝送時間の遅れが生じるか、とい
ったことを知ることができる。従って、通過時間の保証
をすることが可能になる。例えば、『このファイバの通
過時間は、10.081nsです。』、『このフィルタ
モジュールをつなぐと8.554ns遅れます。』、
『この分光システムを通過すると799.337ns遅
れます。』、『この2つの光学経路の時間差は0.00
3nsである。』ということを保証することができる。
【0079】他の利用形態として、例えば、上述の遅延
時間測定装置において、光源の波長特性を変えることに
より、被測定光学系の通過時間の波長分散を得ることが
できる。また、被測定光学系の通過時間の温度依存性を
調べることが可能である。さらに、ある光学系の通過時
間を上述の遅延時間測定装置により測定し、この測定結
果で以てフィードバックを行い、当該光学系が具える通
過時間制御手段を制御することが可能である。
【0080】[4]被測定光路が複数の場合の遅延時間
測定装置 上述の[1]、[2]および[3]の各項では、被測定
光路が1つだけである場合につき説明した。ここでは、
被測定光路が複数の場合の遅延時間測定方法および遅延
時間測定装置につき説明する。
【0081】図7は、この実施の形態の遅延時間測定装
置の構成の一例を示すブロック図である。図7に示され
るように、この構成例の遅延時間測定装置92は、光源
64と、変調器66と、3dBカプラ68と、サーキュ
レータ70と、第1受光器72と、第2受光器74と、
トラッキングジェネレータ76とを具えている。また、
トラッキングジェネレータ76の処理結果を表示するた
めの表示装置78を具えている。
【0082】光源64は、レーザ光またはインコヒーレ
ント光を発生する光源である。そして、光変調器66
は、光源64から出力される光の強度を設定された周波
数(この周波数を変調周波数fと呼ぶことにする。)で
周期的に変動させる素子である。測定は、変調周波数f
をパラメータとして行う。この変調周波数fを変化させ
る操作は、外部からオペレータが行ってもよいが、ここ
では、トラッキングジェネレータ76に具えられた周波
数掃引部90により光変調器66を制御している。そし
て、周波数掃引部90は、設定された範囲で変調周波数
を掃引する。この実施の形態では、変調器66は、光強
度の時間変化を正弦波的に変化させる。
【0083】上述の3dBカプラ68は、変調器66に
より強度が変動した光を、基準光と被測定光とに分離す
る光分波器である。この3dBカプラ68の入力ポート
Iに入力した光は、実質的に強度が半々になるように2
つの光に分波され、それぞれ出力ポートO1およびO2
から出力する。従って、3dBカプラ68により分離さ
れた各光の強度は互いに等しい。出力ポートO1から出
力される光は、次段に具えられたサーキュレータ70に
被測定光として入力される。また、出力ポートO2から
出力される光は、基準光として第2光検出器74に受光
される。
【0084】サーキュレータ70は、入力ポートa、入
出力ポートbおよび出力ポートcを具えており、被測定
光はこの入力ポートaからサーキュレータ70内に入射
する。入力ポートaに入射した被測定光は、入出力ポー
トbから装置外部に出力される。そして、入出力ポート
bは遅延時間測定装置92の入出力ポート94となって
おり、この入出力ポート94に光ファイバ80の一端が
接続されている。この例では、この光ファイバ80が被
測定サンプル(被測定光路)としての光伝送経路であ
る。従って、被測定サンプル中で光が反射される場合、
その光はサーキュレータ70の入出力ポートbから装置
92内に戻る。そして、サーキュレータ70は、入出力
ポートbに入力する光を出力ポートcに出力させる。従
って、被測定サンプル80からの戻り光は出力ポートc
に出力される。
【0085】第1受光器72は、サーキュレータ70の
出力ポートcから出力した光を受光するための光検出器
である。出力ポートcと受光器72とは、光ファイバ8
2で結合されている。また、第2受光器74は、カプラ
68の出力ポートO2から出力した基準光を受光するた
めの光検出器である。そして、3dBカプラ68の出力
ポートO2と第2光検出器74との間は光ファイバ84
で結合されている。この構成例では、出力ポートO2お
よび第2光検出器74の間にアッテネータ96を具えて
おり、これにより基準光の強度の微調整を行って、基準
光および被測定光の各強度を等しくすることができる。
【0086】尚、この構成例では、第1受光器72およ
び第2受光器74を個別に具えているが、これに限ら
ず、例えば被測定光と基準光とをカプラでひとつの光に
まとめるようにすると、ひとつの受光器を具えておけば
足りる。
【0087】また、この構成例では、3dBカプラ68
の出力ポートO1とサーキュレータ70の入力ポートa
とは、光ファイバ86により接続されている。そして、
例えば、サーキュレータ70の入出力ポートbと装置9
2の入出力ポート94との間も光ファイバで結合されて
いる。このように、この装置内の素子間の光の伝播経路
は光ファイバで構成されている。
【0088】この構成例の遅延時間測定装置92は、3
dBカプラ68の出力ポートO1およびO2から出力
し、第1および第2受光器72および74のそれぞれに
被測定光および基準光が受光されるまでの時間を測定対
象としている。すなわち、この装置92によって、3d
Bカプラ68の出力ポートO1から第1受光器72まで
の光路長と、3dBカプラ68の出力ポートO2から第
2受光器74までの光路長との差が求められる。この例
では、基準光が伝播する基準光路は、3dBカプラ68
から第2受光器74までの光伝送経路すなわち光ファイ
バ84である。また、被測定光が伝播する被測定光路
は、3dBカプラ68から第1受光器72までの光伝送
経路すなわち光ファイバ86、被測定サンプル80およ
び光ファイバ82である。尚、サーキュレータ70内の
光経路は、ここでは、考慮していないが、容易にこの分
の調整を行うことが可能である。そして、この測定によ
ると、基準光路の長さと被測定光路の長さとの差が求め
られるので、被測定サンプル80を除く被測定光路の長
さと基準光路との長さとを等しくしておくのが好適であ
る。
【0089】次に、トラッキングジェネレータ76は、
第1および第2光検出器72および74の合成出力信号
の中から、設定された周波数fに応じて変動する信号成
分を検出するスペクトルアナライザである。このトラッ
キングジェネレータ76により、変調周波数fと交流成
分のパワーとの関係が得られる。上述したように、トラ
ッキングジェネレータ76は、周波数掃引部90を具え
ている。
【0090】また、遅延時間測定装置92は、表示装置
78を具えている。この表示装置78は、例えば、変調
周波数の値や検出した光強度の値等を表示する。
【0091】以上説明した構成例の遅延時間測定装置9
2を用いると、ある光伝送経路を光が通過する時間を測
定することができる。そして、光伝送経路は複数であっ
てもよい。すなわち、それぞれの光伝送経路を光が通過
する時間が測定される。次に、上述したように1本の光
ファイバ80を被測定サンプルとして用いて、この遅延
時間測定装置92により、光ファイバ80中の反射点
(障害点)の位置が特定されることを説明する。
【0092】例えば、図8には、3つの反射点H1、H
2およびH3を有した光ファイバ80が模式的に示され
ている。一般に、光ファイバ中に断線部分などの障害点
があるとき、その部分は入射光に対して反射点となり、
光は入力側に戻る。今、光ファイバの入力側から反射点
H1、H2およびH3がこの順にあるとする。そして、
光を入射する側の光ファイバ端面から各反射点までの距
離は、反射点H1までの距離がj1 、反射点H2までの
距離がj2 、および反射点H3までの距離がj3 である
とする。
【0093】先ず、光ファイバ80内に入力した光の一
部は、反射点H1の部分で反射されて戻り光S1とな
る。従って、戻り光S1は、光ファイバ80内に入力し
てから出力されるまでに2j1 だけの距離を伝播する。
また、反射点H1で反射されずに透過し、反射点H2で
反射される光は戻り光S2となる。戻り光S2は、2j
2 だけの距離を伝播してから装置92内に出力される。
同様に、反射点H3で反射されて戻り光S3となる光
は、2j3 だけの距離を伝播する。
【0094】このように、光ファイバ80は、長さがそ
れぞれ2j1 、2j2 および2j3である3本の(障害
点を内在していない)光ファイバが互いに並列の状態で
結合されている光伝送経路に等しい。これら各光ファイ
バを伝播する光の通過時間は、装置92により、基準光
の通過時間との比較から求められる。従って、この装置
92は、光ファイバ80の障害点で反射される光が伝播
する光路長を測定する反射型OTDRである。
【0095】次に、この遅延時間測定装置92すなわち
反射型OTDR92を用いた実際の測定手順につき説明
する。先ず、変調器66により光源64から出力される
光を周波数fで変調する。この光は、3dBカプラ68
により被測定光および基準光に分離されるので、周波数
fで強度が変調された被測定光および基準光が得られ、
これら被測定光および基準光は、同相で変動し、かつ、
同一の周波数fで変動する強度を有した光となる。
【0096】そして、被測定光路および基準光路をそれ
ぞれ伝搬した後の被測定光および基準光の各強度の和
を、周波数fを変化させながら測定する。被測定光およ
び基準光は、それぞれ第1および第2受光器72および
74で受光される。そして、これら第1および第2受光
器72および74の出力信号は、被測定光および基準光
の強度にそれぞれ比例した値となっている。これら出力
信号の和がトラッキングジェネレータ76に入力され
る。
【0097】ここで、上述したように、出力信号の和
は、変調周波数fを変化させつつ検出される。すなわ
ち、周波数掃引部90で変調器66の変調周波数fを変
化させながら、トラッキングジェネレータ76により出
力信号の和を測定する。そして、トラッキングジェネレ
ータ76は、検出した出力信号の和から、周波数fで変
動する交流成分のパワー(交流成分の総光量が電気信号
に変換された積分パワー)を検出する。このようにし
て、トラッキングジェネレータ76は周波数fで振動す
る交流成分のパワーを検出するので、周波数fに対する
交流成分のパワーの変化特性が得られる。
【0098】図9は、変調周波数fに対する交流成分の
パワーの変化特性を示すグラフであり、3つの被測定光
路を具えた光伝送経路を測定対象として仮定して計算し
たシミュレーション結果である。横軸に変調周波数fを
取り、縦軸に交流成分のパワーIoutfを取って示す。ま
た、横軸および縦軸は任意の単位として示してある。
【0099】このグラフに示した波形は、3つの正弦波
の和で表された波の絶対値を計算して得たものである。
つまり、3つの被測定光路をそれぞれ伝播する変調周波
数fで変動する光の強度をそれぞれ正弦波として扱い、
これら正弦波の和が図9のグラフ中に示された波形とな
っている。ここでは、被測定光路として、図8に示した
被測定サンプル80のような経路を想定している。すな
わち、3つの被測定光路として、端面からの距離がj
1 、j2 およびj3 のところに反射点H1、H2および
H3をそれぞれ有した光ファイバを考えている。図10
にその計算式を示す。
【0100】図10に示される式(1)には、交流成分
のパワーIoutfが正弦波の和として示されている。式
(1)は、4つの項からなっている。第1項の記号A3
は、直流成分に相当するパワーの値を示す。第2項は、
反射点H1で反射される正弦波を表す。第3項は、反射
点H3で反射される正弦波を表す。第4項は、反射点H
2で反射される正弦波を表す。ここでは、j1 、j2
よびj3 として j1 =10 j2 =12 j3 =13 を設定してある。また、第2項、第3項および第4項の
係数D2、B2およびC2には、 D2=0.03 B2=0.01 C2=0.02 がそれぞれ設定されている。ここで、例えば、D2=
0.03は、反射点H1で3%の正弦波が反射されるこ
とを意味している。また、直流成分A3にはA3=1−
B2−C2−D2=0.04を設定してある。そして、
第1項、第2項、第3項および第4項の和の絶対値を計
算し、その計算結果に係数A2をかけたものを算出して
いる。この係数A2には5が設定されている。そして、
変調周波数fを0から1023まで1ずつ変えてIoutf
を計算した結果が図9に示すグラフの波形である。
【0101】次に、このようにして得た変化特性に対し
て通常のフーリエ変換が施される。このフーリエ変換に
より、上述の変化特性は、基準光路または被測定光路中
を光が通過した距離と交流成分のパワーとの関係に変換
される。図9に示した変化特性はフーリエ変換を施さ
れ、図11に示される距離とパワーとの関係に変換され
る。
【0102】図11は、被測定光路中を光が通過した距
離jと交流成分のパワーIoutfとの関係を示すグラフで
ある。横軸に距離jを取り、縦軸にパワーIoutfを取っ
て示す。尚、横軸および縦軸は共に任意単位として示し
てある。
【0103】図11のグラフ中に示された波形には、3
本のピークa、bおよびcが現れている。ピークaが距
離j1 の位置にある反射点H1に相当する。また、ピー
クbが距離j2 の位置にある反射点H2に相当する。そ
して、ピークcが距離j3 の位置にある反射点H3に相
当している。このように、3つの正弦波の和を想定して
そのフーリエ変換を求めることにより、反射点の位置が
波形のピークとして示される。
【0104】このように、図11に示す関係から、交流
成分のパワーがn番目(nは自然数)に極大となる距離
n が求められる。距離jn が求められると、基準光に
対するn番目の被測定光の遅延時間Δtn が求められ
る。すなわち、基準光路の長さをL0 とし、基準光路ま
たは被測定光路を伝播する光の速度をcとしたときに、
基準光に対するn番目の被測定光の遅延時間Δtn が Δtn =(2jn −L0 )/c (2) により求められる。ここでは、基準光路と被測定サンプ
ル80の長さを除いた被測定光路とを等しくしてあるの
で、 Δtn =2jn /c (3) の計算式により、被測定サンプル80中を伝播する光の
通過時間Δtn が求められる。尚、上記(2)式におい
て、被測定光路と基準光路とがそれぞれ異なる屈折率の
媒質から構成されている場合には、各々に対して別々に
屈折率を考慮した光の速度c1 およびc2 をもって、 Δtn =2jn /c1 −L0 /c2 (4) の式から遅延時間Δtn が計算される。
【0105】以上説明したように、この構成例の遅延時
間測定装置によると、複数の被測定光路を伝播する光の
伝播時間を測定することができる。そして、このことを
利用すれば、被測定サンプル中の反射点の位置が求めら
れる。また、この遅延時間測定装置は、上記[1]およ
び[2]の項で説明した検出原理から、変調周波数をM
Hzオーダーで変化させて測定することにより、μs〜
nsの時間範囲において、psの精度で以て、遅延時間
の測定を行うことが可能である。従って、この構成例に
よれば、従来の光パルス試験器(OTDR)よりも高い
精度で反射点の位置を特定することが可能である。
【0106】尚、遅延時間測定装置は、図7に示した反
射型OTDRの構成に限らない。例えば、図12には透
過型OTDRの構成がブロック図として示されている。
図12に示す透過型OTDR98は、光サーキュレータ
70を具えていない。そして、この構成例では、3dB
カプラ68の出力ポートO1と透過型OTDR98の出
力ポート100とが光ファイバ86により結合されてお
り、この出力ポート100に被測定サンプル80の一端
が接続されている。また、被測定サンプル80の他端は
OTDR98の入力ポート102に接続される。そし
て、この入力ポート102と第1受光器72との間が光
ファイバ82により結合されている。従って、カプラ6
8の出力ポートO1から出力した光は、光ファイバ8
6、被測定サンプル80および光ファイバ82を通過し
て第1受光器72に検出される。このように構成する
と、透過型のOTDRとして用いることができる。
【0107】
【発明の効果】以上説明した通り、この発明の遅延時間
測定方法によれば、被測定光路および基準光路にそれぞ
れ第1の光および第2の光を伝搬させて、被測定光路と
基準光路との間の光学的距離の差すなわち第1の光と第
2の光とが要する各通過時間の差(遅延時間Δt)を測
定することができる。この方法によれば、従来に比較し
て高い精度で、遅延時間Δtを測定することができる。
【0108】また、この発明の遅延時間測定装置によれ
ば、この装置が具える第1光路と第2光路との間に、直
列に結合された光伝送経路を伝搬する光の通過時間を測
定することができる。この遅延時間測定装置は上述した
遅延時間測定方法を装置化したものであり、従って、通
過時間の測定精度を高めることが可能である。また、こ
の測定装置を用いた測定では、第1光路と第2光路との
間に光伝送経路を結合するだけで行うことができるか
ら、従来に比べて、測定が簡単である。
【0109】また、この発明の遅延時間測定方法によれ
ば、複数の被測定光路を通過する光と、基準光路を通過
する光との遅延時間を、従来よりも高い精度で、それぞ
れ求めることができる。
【0110】また、この発明の遅延時間測定装置によれ
ば、複数の被測定光路を通過する光と、基準光路を通過
する光との遅延時間を、従来より高い精度で、それぞれ
測定することが可能である。
【0111】また、この発明の遅延時間測定方法によれ
ば、複数の被測定光路を通過する光と、基準光路を通過
する光との遅延時間を、従来よりも高い精度で、それぞ
れ求めることができる。
【0112】また、この発明の遅延時間測定装置によれ
ば、複数の被測定光路を通過する光と、基準光路を通過
する光との遅延時間を、従来より高い精度で、それぞれ
測定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の構成を示す図である。
【図2】遅延時間測定方法の説明に供する図である。
【図3】遅延時間測定方法の説明に供する図である。
【図4】シミュレーション結果を示す図である。
【図5】測定結果を示す図である。
【図6】実施の形態の構成を示す図である。
【図7】反射型OTDRの構成を示す図である。
【図8】光ファイバ内の光の伝播の様子を示す図であ
る。
【図9】変調周波数に対する交流成分のパワーの変化特
性を示す図である。
【図10】シミュレーションで用いた計算式を示す図で
ある。
【図11】距離とパワーとの関係を示す図である。
【図12】透過型OTDRの構成を示す図である。
【符号の説明】
10:シンセサイザ 12:SLD光源 14:第1の3dBカプラ 16:第2の3dBカプラ 18:APD 20:オシロスコープ 22:第1光ファイバ 24:第2光ファイバ 28:光源 30:光変調器 32:光分波器 34:第1光路 36:第2光路 38:第3光路 40:光合波器 42:光検出器 44:スペクトルアナライザ 46:周波数掃引部 48:遅延時間測定装置 50:光伝送経路 52:出力端子 54:第1光コネクタ 56:入力端子 58:第2光コネクタ 60:光アッテネータ 62:光増幅器 64:光源 66:変調器 68:3dBカプラ 70:サーキュレータ 72:第1受光器 74:第2受光器 76:トラッキングジェネレータ 78:表示装置 80:被測定サンプル 82、84、86:光ファイバ 90:周波数掃引部 92:反射型OTDR 94:入出力ポート 96:アッテネータ 98:透過型OTDR 100:出力ポート 102:入力ポート

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定光路を伝搬する第1の光と、基準
    光路を伝搬する第2の光との間の通過時間の差を測定す
    るに当たり、 前記第1の光および前記第2の光の各強度に対して変調
    を加えて、これら第1の光および第2の光を、同相で変
    動し、かつ、同一の周波数fで変動する強度を有する光
    とし、 前記被測定光路または前記基準光路をそれぞれ伝搬した
    後の前記第1の光および前記第2の光の各強度の和を、
    前記周波数fを変化させつつ測定し、 前記測定した強度の和から前記周波数fで振動する交流
    成分のパワーだけを検出することにより、前記周波数f
    に対する前記交流成分のパワーの変化特性を得て、 該変化特性から前記交流成分のパワーが極小となる前記
    周波数fを求め、該周波数fを0から上昇させてゆくと
    きにn番目(但し、nは自然数)に極小となる周波数f
    をfn とするとき、前記第1の光の、前記第2の光に対
    する遅延時間Δtを Δt=(n−1/2)/fn により求めることを特徴とする遅延時間測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の遅延時間測定方法にお
    いて、前記第1の光の強度と前記第2の光の強度とを等
    しくしたことを特徴とする遅延時間測定方法。
  3. 【請求項3】 ある光伝送経路を光が通過する時間を測
    定する遅延時間測定装置において、 光源と、 該光源から出力される光の強度を設定された周波数で周
    期的に変動させる光変調器と、 該光変調器によって強度が変動された光を第1の光と第
    2の光とに分離する光分波器と、 該第1の光を装置外部に伝送するために、測定時に前記
    光伝送経路の一端に結合されるように設けられた第1光
    路と、 測定時に前記光伝送経路の前記一端とは別の一端に結合
    されるように設けられ、該光伝送経路から出力される前
    記第1の光を装置内部に伝送するための第2光路と、 前記光分波器から出力される前記第2の光を伝送する第
    3光路と、 前記第2光路から出力される第1の光と前記第3光路か
    ら出力される第2の光とを合波する光合波器と、 該光合波器から出力される光を受光する光検出器と、 該光検出器の出力信号から、前記設定された周波数に応
    じて変動する信号成分を検出するスペクトルアナライザ
    とを具えることを特徴とする遅延時間測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の遅延時間測定装置にお
    いて、前記スペクトルアナライザは、前記光変調器を制
    御して前記設定された周波数を掃引するための周波数掃
    引部を具えていることを特徴とする遅延時間測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の遅延時間測定装置にお
    いて、前記第3光路に光アッテネータを挿入してなるこ
    とを特徴とする遅延時間測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の遅延時間測定装置にお
    いて、前記光源と前記光分波器との間に光増幅器を具え
    ることを特徴とする遅延時間測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の遅延時間測定装置にお
    いて、前記第1および第2光路を光ファイバで以て構成
    したことを特徴とする遅延時間測定装置。
  8. 【請求項8】 複数の被測定光路をそれぞれ伝搬する各
    被測定光と、基準光路を伝搬する基準光との間の通過時
    間の差をそれぞれ測定するに当たり、 前記被測定光および前記基準光の各強度に対して変調を
    加えることにより、これら被測定光および基準光を、同
    相で変動し、かつ、同一の周波数fで変動する強度を有
    する光となし、 前記被測定光路および前記基準光路をそれぞれ伝搬した
    後の前記被測定光および前記基準光の各強度の和を、前
    記周波数fを変化させつつ測定し、 前記測定した強度の和から前記周波数fで振動する交流
    成分のパワーを検出することにより、前記周波数fに対
    する前記交流成分のパワーの変化特性を取得し、 該変化特性に対してフーリエ変換を施すことにより、該
    変化特性を、基準光路または被測定光路を光が通過した
    距離と前記交流成分のパワーとの関係に変換し、 該関係から前記交流成分のパワーがn番目(nは自然
    数)に極大となる距離jn を求めることにより、前記基
    準光路の長さをL0 とし、該基準光路または前記被測定
    光路を伝播する光の速度をcとしたときに、前記基準光
    に対するn番目の被測定光の遅延時間Δtn を Δtn =(2jn −L0 )/c により求めることを特徴とする遅延時間測定方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の遅延時間測定方法にお
    いて、前記基準光の強度と前記被測定光の強度とをそれ
    ぞれ等しくしたことを特徴とする遅延時間測定方法。
  10. 【請求項10】 ある光伝送経路を光が通過する時間を
    測定する遅延時間測定装置において、 光源と、 該光源から出力される光の強度を設定された周波数で周
    期的に変動させる光変調器と、 該光変調器によって強度が変動された光を基準光と被測
    定光とに分離する光分波器と、 前記光伝送経路を通過した被測定光を受光する第1光検
    出器と、 前記基準光を受光する第2光検出器と、 これら第1および第2光検出器の合成出力信号の中から
    前記設定された周波数に応じて変動する信号成分を検出
    するスペクトルアナライザとを具えることを特徴とする
    遅延時間測定装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の遅延時間測定装置
    において、 入力ポート、入出力ポートおよび出力ポートを具え、該
    入力ポートから入射した前記被測定光を前記入出力ポー
    トから出力させ、前記入出力ポートに入射した前記被測
    定光を前記出力ポートに出力させる光サーキュレータを
    具えることを特徴とする遅延時間測定装置。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の遅延時間測定装置
    において、 前記スペクトルアナライザは、前記光変調器を制御して
    前記設定された周波数を掃引するための周波数掃引部を
    具えることを特徴とする遅延時間測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010025725A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 波長分散測定装置及び波長分散測定方法
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