JPH106037A - 刃物用クラッド鋼板の製造方法 - Google Patents

刃物用クラッド鋼板の製造方法

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JPH106037A
JPH106037A JP16469596A JP16469596A JPH106037A JP H106037 A JPH106037 A JP H106037A JP 16469596 A JP16469596 A JP 16469596A JP 16469596 A JP16469596 A JP 16469596A JP H106037 A JPH106037 A JP H106037A
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JP
Japan
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steel plate
clad steel
clad
plating
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JP16469596A
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Hiroyuki Nakagawa
浩行 中川
Kiyoshi Fukui
清 福井
Masaya Kimoto
雅也 木本
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】刃物用材として必要な優れた硬さや靭性をも
ち、かつ、複雑な形状への加工に耐え得る優れた曲げ性
を有するクラッド鋼板を製造する方法の提供。 【解決手段】Cを 0.3〜1.0 重量%含有する高炭素鋼板
を母材とし、Cを 0.1重量%以下含有する低炭素鋼板を
合わせ材としたクラッド鋼板の製造方法であって、母材
の少なくとも片面にNi-B合金をめっきした後、合わせ
材と組み合わせて加熱し、拡散接合によりクラッド化す
る工程を含むクラッド鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱処理後の曲げ加
工性に優れ,かつ芯部の硬度が高く刃物などの用途に適
した高炭素鋼クラッド鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙や皮革製品等を各種の形状に打ち抜く
際に、円筒状あるいは平板状のダイに所定の形状に刃物
を植え込んだ治具を用いる。打ち抜き形状には曲線や鋭
い曲げ角度などが含まれる場合があり、用いる刃物用の
素材には、硬さや靭性とともに、精度よく、かつ、容易
に所望の形状に成形できるだけの優れた曲げ加工性を兼
ね備えていることが望まれる。しかし、この相反する性
能を両立させることは容易ではない。
【0003】高炭素鋼は通常、所望の形状に加工した
後、焼入、焼戻等の熱処理を施して必要な硬さに調整さ
れるが、熱処理時に歪みが発生して所望の形状精度が得
られない場合がある。また、形状を修正するために熱処
理後に加工を行う場合には、素材が硬化しているために
加工割れなどの不良が発生することが多い。
【0004】加工性が良い低炭素鋼を用いて所望の形状
に成形した後に浸炭や窒化処理により硬さを得る方法も
あるが、浸炭や窒化処理時に歪みが発生して形状精度が
得られない場合が多いうえ処理コストも高い。
【0005】高炭素鋼板のコイルを脱炭雰囲気中で焼鈍
して鋼板の表層部を脱炭させて、硬化熱処理後にも優れ
た曲げ加工性を保持させる試みが特開昭56-55520号公報
に開示されている。しかし、この方法は特殊な設備が必
要で経済性に欠けるうえ、薄い脱炭層しか得られない。
【0006】相反する機能を両立させる方法としてはク
ラッド鋼板の適用が好適と考えられ、これまでにもいく
つかの提案がある。例えば、特開昭53-108058 号公報に
は、厚さが6mm以下で0.4 〜1.0 重量%のCを含む高炭
素鋼と、厚さが2mm以上で0.15重量%以下のCを含む低
炭素鋼からなるクラッド鋼板が開示されている。しかし
この公報に記載されている例は、農機具など大型の刃物
用クラッド鋼の耐焼き割れ性を改善しようとしたもので
あり、合わせ材に高炭素鋼を用いていることから曲げ加
工性は低いと考えられる。特開昭60-82647号公報には
0.5重量%以上のCを含む高炭素鋼を合わせ材とし、0.2
〜0.3 重量%のCを含む中炭素鋼を母材とする丸鋸用
クラッド鋼板が開示されているが、同様の理由で曲げ加
工性は低いと考えられる。このように、これまでに提案
されているクラッド鋼板は、紙や皮革製品などの切断用
の刃物に要求されるような厳しい曲げ加工性と硬さを兼
ね備えているとはいえない。
【0007】クラッド鋼板の製造方法には、母材と合わ
せ材を一つの鋳型内に鋳込んだ後圧延をおこなう鋳ぐる
み法や、火薬の爆発エネルギーを利用する爆着法などい
くつかの方法がおこなわれているが、これらは生産性が
低くコストも高い。合わせ材を母材に重ねて熱間で圧延
してクラッドを製造する方法もあるが、加熱時にスケー
ルが生成するため、クラッドの密着性は低くなる。Ar
ガスなどで雰囲気を制御しても十分な接合性が得られな
い場合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、刃物用の素材として必要な硬さや靭性をも
ち、かつ、複雑な形状への加工に耐え得る優れた曲げ加
工性を有するクラッド鋼板の製造方法を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、硬質な
高炭素鋼板を母材とし加工性に優れた低炭素鋼板を合わ
せ材としたクラッド鋼板は、高炭素鋼板に較べて曲げ加
工性が大幅に向上すること、および、母材と合わせ材の
間に低融点の金属層を中間層として介在させると母材と
合わせ材との接合作業が良好に行なえること、などを見
いだした。本発明はこれらの知見にもとずいてなされた
もので、その要旨は以下のとうりである。
【0010】0.3 〜1.0 重量%のCを含む高炭素鋼板を
母材として少なくともその1面に、0.1 重量%以下のC
を含む低炭素鋼板を合わせ材としてクラッドする刃物用
クラッド鋼板の製造方法であって、母材の少なくとも1
面に、Bを2〜7%含み、残部がNi および不可避的不
純物からなるNi-B合金を厚さ2〜100 μm の範囲でめ
っきした後、このめっき面に合わせ材を重ね合わせて0.
5 〜6%の冷間圧延を施し、ひきつづき1100〜1250℃で
拡散熱処理を行って母材と合わせ材を接合させることを
特徴とする刃物用クラッド鋼板の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施に際し、その形態や
条件の範囲およびそれを設定した理由を以下に述べる。
なお、以下の鋼の化学組成は全て重量%で表示する。
【0012】(1)母材の組成 本発明のクラッド鋼板では、硬質な母材が刃としての機
能を担い、軟質な合わせ材は曲げ加工性などを高める機
能を担う。このため、母材の化学組成は次のように選ぶ
のが望ましい。
【0013】C:熱処理後の硬さ、耐磨耗性、疲労寿命
を得るためにC含有量の下限は 0.3%とする。一方、C
を高くしすぎると、熱処理後の成形性が損なわれる。こ
のためC含有量の上限は1.0 %とする。
【0014】Si :脱酸剤として用いられる。0.01%未
満では酸化物抑制効果が小さく、また、添加し過ぎると
鋼の延性を阻害する。含有量の上限は、好ましくは0.5
%、より好ましくは0.3 %である。
【0015】Mn :焼入性や焼戻軟化抵抗を高めるほ
か、固溶Sを硫化物にすることによる靭性向上効果もあ
る。しかし、過剰に加えるとセメンタイトの球状化を阻
害して鋼板の成形性を損なう。このため、Mn の含有量
は0.2 〜1.5 %が望ましい。
【0016】母材の合金成分は上記の量のC、Si 、M
n に加えて、用途によってさらに硬さが望まれる場合に
は、Cr 、Mo あるいはBの内の一種以上を以下の条件
のもとに添加するのがよい。
【0017】Cr :Mn と同様に焼入性を高めると同時
に強度を高める効果を有する。0.5%未満ではその効果
がなく、1.5 %を超えると成形性が劣化する。このた
め、Cr を添加する場合には0.5 〜1.5 %の範囲で用い
るのが好ましい。
【0018】Mo :Cr と同様に焼入性を高めると同時
に強度を高める効果を有する。0.1%未満ではその効果
がなく、0.5 %を超えると成形性が劣化し、またコスト
アップとなる。このため、Mo を添加する場合の含有量
は0.1 〜0.5 %が好ましい。
【0019】B:焼入性を向上させるのに有効な元素で
あるが、0.0005%未満ではその効果がなく、0.0025%を
超えるとその効果が飽和する。このため、Bを添加する
場合、その含有量は0.0005〜0.0025%が好ましい。
【0020】(2)合わせ材 クラッド鋼板の曲げ加工性を高めるために合わせ材は極
低炭素鋼を含む低炭素鋼とする。合わせ材は少なくとも
母材の1面に接合されるが、母材の両面に同じ厚さの合
わせ材を接合する(以下、両面クラッド鋼板と記す)の
がより好ましい。合わせ材の望ましい組成は以下のとお
りである。
【0021】C:曲げ加工性や加工後の形状凍結性を阻
害するので、その上限を0.1 %とする。下限は特に定め
るものではないが、現在の製鋼技術では0.0015%以下に
するのは経済性に欠ける。このため0.0015%以上とする
のが好ましい。より安価に製造するために、より好まし
くは0.005 %以上である。
【0022】Si :鋼を硬くし、クラッド鋼板の曲げ加
工性や形状凍結性を劣化させるので0.2 %以下とするの
が好ましい。
【0023】Mn :SをMnS として固定し、曲げ加工
を高める。他方、過度に添加すると鋼が硬くなり曲げ加
工性が劣化する。このためMn 含有量の範囲は0.1 〜0.
5 %が好ましい。
【0024】Al :鋼の脱酸剤として用いるが、0.01%
以下ではその効果が無く、0.1 %を超えるとその効果が
飽和するうえ経済性にも欠ける。このため、Al は0.01
〜0.1 %の範囲で用いるのが好ましい。
【0025】Ti 、Nb およびBは添加しなくてもよい
が、合わせ材の曲げ加工性をさらに向上させる必要が生
じたときにはこれらの元素を用いると効果的である。こ
れらの元素を用いる場合には、Ti :0.01〜0.03%、N
b :0.005〜0.015%およびB:0.0003〜0.0030%の範囲
内で1種以上を添加するのが好ましい。いずれの成分と
も、その含有量が上記の下限値に満たない場合は曲げ加
工性改善の効果がなく、上限値を超えて添加してもその
効果が飽和する。
【0026】(3)母材と合わせ材の厚さ 母材の厚さは0.4mm 以上であることが望ましい。これよ
りも薄い場合は、接合のための熱処理を施すときにCが
拡散し、その後に焼き入れ処理を施しても焼き入れ不足
になって硬さが不足する場合がある。刃物としての剛性
も不足する。合わせ材の厚さの下限は母材の加工性に応
じて決定される。つまり、熱処理後の母材の曲げ加工性
が劣る場合には、合わせ材の厚みを増すことによりクラ
ッド鋼板としての曲げ加工性が確保できる。母材の組成
がC、Si 、Mn および必要に応じてBで構成される鋼
の場合の合わせ材の厚さは、各々の合わせ材当たりクラ
ッド鋼板の全厚の15%以上であることが好ましい。母材
がCr やMo を含む鋼の場合には同じくそれぞれ20%以
上が好ましい。合わせ材の厚さの比率がこれらの値より
も小さい場合にはクラッド鋼板の曲げ加工性が劣化す
る。なお、クラッド鋼板の板厚精度が良いことが望まれ
るので、母材も合わせ材も共に冷間圧延板を用いるのが
望ましい。
【0027】(4)めっき層の組成 本発明では母材と合わせ材の接合は拡散接合法を用い
る。拡散接合法は、低融点の薄い金属層を中間層として
接合界面に介在させて接合対象部材を軽く加圧密着さ
せ、非酸化性雰囲気中で加熱接合する方法である。接合
面の凹凸などによる接合不良を防止するために、中間層
が溶融状態あるいは半溶融状態になる温度域で接合する
のがより好ましい。このため、中間層の組成は融点が低
くいものが望まれる。
【0028】本発明では、中間層として、母材の接合面
にNi-B合金をめっきする。Ni-B合金をめっきするの
は、Ni-B合金の箔を準備するのが経済的でないうえ、
めっきの場合には、箔を用いる場合に較べて母材と中間
層との間の密着性を考慮する必要がないなどの利点があ
るためである。めっき層は、母材をめっき液に浸漬して
母材の表面にNi とBを析出させる無電解めっき法によ
り形成させるのがよい。電気めっき法でもめっきは可能
であるが、この方法ではミクロボイドなどの欠陥が多く
なり、母材と合わせ材の間の接合性を損なう。この原因
は明確ではないが電気めっき法において多量に発生する
水素ガスおよび不均一電流分布が関与していると推定さ
れる。
【0029】Bは中間層の融点を下げる目的で添加す
る。Ni に添加して融点を下げられる元素としてはBの
他にSi やZn もあるが、Bが最も拡散速度が早く、拡
散熱処理時の接合が容易にできる。Bの含有量が2%に
満たない場合には、めっき層の融点が高くなりすぎて拡
散熱処理の温度を過度に高くしなければならない。一
方、Bは高価であり、過剰な添加は不経済であるので、
その含有量は7%以下とする。なお、この範囲のBを含
むNi-B合金のめっき層の融点は1100〜1300℃の間にあ
る。
【0030】(5)めっき層の厚さ めっき層の厚さが2μm 未満では、加熱時に溶融して接
合面に存在する凹凸を埋める効果が小さく、母材と合わ
せ材の接合を促進させる効果が十分ではない。一方、10
0 μm を超えると接合効果が飽和するうえ、めっき層を
付着させるのに長時間を要する。よって、めっき層の厚
さは2〜100 μm の範囲とする。
【0031】(6)Ni-B合金のめっき方法 上述のように、Ni-B合金のめっきは無電解めっき法を
用いるのが望ましい。無電解めっき液は少なくとも硫酸
ニッケル、ホウ素を含有する有機還元剤あるいはまたリ
ン酸系還元剤、および錯化剤を含んでいる。めっき液の
組成としては硫酸ニッケルをニッケルイオン濃度として
1〜20g /リットル、好ましくは3〜10g /リットル、ホウ素を
含む有機還元剤あるいはまたリン酸系還元剤を1〜20g
/リットル、および錯化剤を1種または数種の合計で1〜20
g /リットル含ませるのが望ましい。
【0032】硫酸ニッケルは無電解反応により金属ニッ
ケルを析出させるのに必要な成分であり、ホウ素を含む
有機還元剤は硫酸ニッケルを還元するとともにホウ素を
共析させてNi-Bめっき層を形成する。ホウ素を含む有
機還元剤としてはジメチルアミンボランが望ましくジメ
チルアミンジボラン、ジメチルアミントリボラン、その
他各種のホウ素を含有する有機還元剤を用いることがで
きる。リン酸系還元剤はリンを共析させるもので次亜リ
ン酸などが使用できる。
【0033】錯化剤は析出を目的とする金属以外の成分
を液中で安定させて保持するもので、オキシカルボン
酸、モノカルボン酸、アミノカルボン酸などが使用でき
る。
【0034】無電解めっきは、温度:30〜80℃、pH4.
0 〜7.0 で行なうのが望ましい。めっきの前処理として
一般的な電気めっき法と同様に通常の条件で脱脂、酸洗
を施す。
【0035】(7)冷間圧延 接合界面のボイドを防ぐために、Ni-B合金をめっきし
た母材の表面に合わせ材を配置したものを冷間で軽く圧
延することが必要である。この時の冷間圧下率が0.5 %
未満では母材と合わせ材との間の空気層の除去に効果が
なくクラッド鋼板としての接合強度が劣り、6%を超え
ると上記効果が飽和するのでこの範囲を0.5 〜6%とす
る。
【0036】(8)拡散熱処理 拡散熱処理の温度範囲は1100〜1250℃とする。1100℃未
満では原子の拡散が不十分で望ましい接合強度が得られ
ず、1250℃を超えると鋼板の結晶粒が粗大化し、材料が
脆化する。接合温度が1100℃以上であればNi-B合金の
融点を超えるため液相拡散接合状態になり、短時間で良
好な接合界面を得ることができる。拡散熱処理は非酸化
性雰囲気中で行なうのが望ましい。
【0037】上記の工程で製造されたクラッド鋼板を刃
物として使用する場合には、さらに焼き入れ、焼き戻し
処理を行って刃物として必要な硬さや靭性が付与され
る。この熱処理は通常の条件で良く、焼き入れや焼き戻
しの方法も特に限定する条件はない。
【0038】このようにして製造されたクラッド鋼板は
極めて優れた曲げ成形性と硬さを兼ね備えている。使用
に当たっては、例えば刃物に用いる場合には、刃先を形
成した後、曲げや加工を行って所定の形状に成形すれば
そのまま用いることができる。
【0039】
【実施例】
〔実施例1〕表1のS1〜S4に示した組成を有する厚
さ2mmの4種類の高炭素鋼の熱延鋼板を酸洗した後冷間
圧延して厚さ1mmの高炭素鋼の冷延板を得た。一部の冷
延板はさらに焼鈍を行った後冷間圧延を行い、0.2 〜0.
7mm の冷延板とした。次に、表1のK1〜K4に示した
組成を有する4種類の低炭素鋼から通常の方法により熱
間圧延、酸洗した後種々の圧下率で冷間圧延を行い、厚
さ0.2〜2mmの低炭素鋼の冷延板を得た。
【0040】
【表1】
【0041】次に、高炭素鋼の冷延板の両面に無電解め
っきを施してNi-B合金めっき層を形成した。めっき液
組成およびめっき条件は以下のとおりであった。
【0042】 めっき液組成 硫酸ニッケル:ニッケルイオン濃度として8g/リットル ジメチルアミンボラン:6g/リットル 次亜リン酸:4g/リットル オキシカルボン酸+モノカルボン酸:10g /リットル めっき条件 pH:5.0 〜6.0 温度:65〜75℃ めっきの厚さは処理時間を変えることにより制御した。
【0043】このめっきを施した高炭素鋼板の両面に同
じ厚さの低炭素鋼板を配置し、軽度の冷間圧延を行な
い、加熱炉に入れてアルゴン雰囲気中で拡散熱処理を施
して両面クラッド鋼板を製造した。得られたクラッド鋼
板の任意の5カ所の断面(1断面あたり、約100 mmの界
面長さ)について100 倍の倍率で検鏡して接合界面を調
査し、接合界面の欠陥の有無を長さ50μm 以上の割れの
有無で判定した。これらの処理条件と調査結果は表2に
示した。
【0044】次に、得られた両面クラッド鋼板から巾35
mm、長さ250mm の板を10枚切り出し、870 ℃に保った炉
内で30分間保持し、ただちに40℃の油中へ焼き入れ、そ
の後、300 ℃で1時間の焼き戻し処理を施した。これら
のサンプルについて、母材の硬さの測定と、JIS Z 2248
に規定の押曲げ法により曲げ試験を行なった(曲げ半
径:板厚相当、曲げ角度:180 ゜)。曲げ試験後、曲げ
部の外側のさけきずその他の欠陥の有無を観察した。表
2には10枚の供試材の内で欠陥が発生した枚数を示す。
【0045】表2の結果から明らかなように、本発明方
法で製造したクラッド鋼板は接合界面にボイドやクラッ
ク等の欠陥がなく、熱処理後の曲げ性も良好である。比
較材として検討した試番15と20は、母材が薄くてCが拡
散してしまい、焼き入れ不足で硬さが不足した。試番1
6、17および25は合わせ材が硬いために、試番18と19は
合わせ材が薄いために、また、試番26〜28は母材が硬す
ぎるために、いずれもクラッド鋼板の曲げ性が劣った。
また、試番21〜23はめっき層の化学組成や接合前の圧下
率などが不適当なために、試番24は接合温度が低すぎる
ために、それぞれ接合界面に欠陥が観察された。このよ
うに、本発明の条件を外れる製造条件のものは、接合界
面の健全性、曲げ性あるいは芯部の硬さなどで問題があ
り、硬化熱処理後に曲げ性が必要とされる用途には好ま
しくなかった。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明の方法により、硬さと靭性を持ち
ながら優れた曲げ加工性を併せ持つクラッド鋼板が製造
できる。このクラッド鋼板を用いれば、各種の形状に成
形できる打ち抜き用の刃物が容易に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 20/04 B23K 20/04 A C22C 19/03 C22C 19/03 G 38/00 301 38/00 301H // B21D 53/64 B21D 53/64 B32B 15/01 B32B 15/01 B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.3 〜1.0 重量%のCを含む高炭素鋼板を
    母材として少なくともその1面に、0.1 重量%以下のC
    を含む低炭素鋼板を合わせ材としてクラッドする刃物用
    クラッド鋼板の製造方法であって、母材の少なくとも1
    面に、Bを2〜7重量%含み、残部がNi および不可避
    的不純物からなるNi-B合金を厚さ2〜100 μm の範囲
    でめっきした後、このめっき面に合わせ材を重ね合わせ
    て0.5 〜6%の冷間圧延を施し、ひきつづき1100〜1250
    ℃で拡散熱処理を行って母材と合わせ材を接合させるこ
    とを特徴とする刃物用クラッド鋼板の製造方法。
JP16469596A 1996-06-25 1996-06-25 刃物用クラッド鋼板の製造方法 Pending JPH106037A (ja)

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