JPH1059555A - 給紙装置及び印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 開閉カバーを閉成したとき、用紙の側縁部を
ガイドする側縁ガイドが用紙幅方向に移動することを防
止し、用紙が傾いて給紙されることがないようにする。 【解決手段】 開閉カバー１６を開放すると、アーム１
８が給紙台１２を押し給紙ローラ２５から離す。用紙サ
イズに対応して側縁ガイド１４を自由に移動させ、給紙
台１２上に用紙Ｐをセットする。開閉カバー１６を閉成
するとき、給紙台１２が給紙ローラ２５に接近する。こ
のとき、側縁ガイド１４が所定の位置にあれば、開閉カ
バー１６を閉成したとき、１組の移動阻止部材２０が側
縁ガイド１４を挟むように位置し、側縁ガイド１４が用
紙幅方向に移動するのを阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、給紙台上に積重ね
た複数枚の用紙を１枚ずつ給紙する給紙装置及び給紙装
置を備えた印字装置に関し、特に、給紙台に設けられ用
紙の側縁部をガイドする側縁ガイドが所定位置にあると
き、開閉カバーの閉成状態における側縁ガイドの移動を
阻止するようにしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、インクジェット式印字装置等の種
々の印字装置に搭載され、給紙台上に積重ねた複数枚の
用紙を１枚ずつ給紙する給紙装置として、給紙台上の用
紙の上面に摩擦接触した状態で回転し用紙を１枚ずつ送
り出す給紙ローラと、給紙台を給紙ローラ側へ付勢する
付勢手段と、給紙台を開閉可能に覆い開放時に給紙台を
付勢手段の付勢力に抗して給紙ローラから離れる側へ移
動させる開閉カバー等を有するものが知られている。

【０００３】この種の給紙装置では、開閉カバーを開放
すると給紙台が給紙ローラから離れる側へ移動して、給
紙台上に複数枚の用紙をセットできる状態になり、開閉
カバーを閉成すると付勢手段により給紙台が給紙ローラ
側へ移動して、給紙ローラと同軸上に回転自在に設けら
れたカラーと用紙が当接し、用紙と給紙ローラとの間隔
が所定間隔に保持されて給紙可能な状態となり、この状
態で給紙ローラが回転すると、給紙台上に積重ねた複数
枚の用紙が１枚ずつ給紙される。さらに、給紙台上の用
紙が傾いて送り出されないように、用紙の側縁部に当接
する側縁ガイドが、用紙幅に合わせて移動調節されるよ
うになっている。

【０００４】前記給紙装置を装備したインクジェット式
印字装置等の印字装置において、給紙装置により給紙さ
れた用紙は、次に、フィードローラとフィードローラに
押圧されたプレッシャローラを有する搬送機構により、
印字ヘッド側へ送り出されて印字されるが、給紙装置に
より給紙された用紙が搬送機構で搬送される前に、用紙
の先端をフィードローラとプレッシャローラとの接触部
に当接させて一時的に停止させ、給紙装置と搬送機構と
の間で用紙に撓みを形成して、用紙先端の位置及び向き
を搬送機構に対して正確に位置決めした後、フィードロ
ーラを用紙送り方向へ回動させることで、フィードロー
ラの回転量に応じて紙送り量を制御するように構成して
ある。

【０００５】上記のように給紙装置により給紙された用
紙が搬送機構で搬送されるときに、給紙ローラが一時的
に停止しているなど、給紙ローラの送り出し速度よりも
搬送機構側の搬送速度が一時的に大きくなっても、通常
の薄手の用紙の場合には、上記の撓み分が伸びることに
より、搬送機構による搬送に支承を生じない。しかしハ
ガキ等の厚手の用紙の場合、上記の撓みが十分に形成さ
れないため、搬送機構による用紙搬送に際して給紙ロー
ラが抵抗になり、正常に用紙が搬送されないことがあ
る。

【０００６】これを解消するため、本発明者は先に、前
記給紙ローラと同軸上に連動回転するカムを設けるとと
もに、側縁ガイドにカムと当接可能なカム受け部を設
け、ステッピングモータの駆動を切換えて、搬送機構で
用紙を搬送し始めた際に、カムがカム受け部に当接する
ようにして、給紙台を付勢手段の付勢力に抗して給紙ロ
ーラから離れる側へ移動させ、給紙ローラが用紙に圧接
しない状態にすることで、搬送機構が用紙を給紙ローラ
の抵抗をうけることなく搬送できるようにすることを考
えた（特願平８−４１５７１号）。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、給紙装置にお
いて、側縁ガイドは用紙幅方向に自由に移動することが
できるようになっている。特に小型の印字装置等に装着
されるものにおいては、用紙の装填後でも側縁ガイドに
ユーザーが触れられるようになっており、これをユーザ
ーが用紙の側縁から離してしまうと、用紙が傾いて送ら
れてしまう。しかも、側縁ガイドは用紙のガイド機能を
高めるため、できるだけ長いことが望ましいが、給紙ロ
ーラ付近まで延びているものでは、ユーザーが側縁ガイ
ドを自由に移動させると、給紙ローラと干渉し、給紙ロ
ーラの回転によって給紙ローラもしくは側縁ガイドを損
傷させることがある。特に上記のように、側縁ガイドに
カム受け部を設けたものでは、そのカム受け部がカムと
当接する位置即ち給紙ローラと対応する位置まで延びて
いるため、側縁ガイドを自由に移動させると、カム受け
部が上記と同様に給紙ローラに干渉してしまう。

【０００８】また、給紙作動中に用紙を傾ける力が作用
すると、側縁ガイドも用紙によって幅方向に押され、移
動していまうことがある。以降、残りの用紙も傾いて送
り出されてしまう。この場合、上記のように側縁ガイド
が長いもの、あるいは側縁ガイドにカム受け部が設けら
れたものでは、給紙ローラに干渉することは上記と同様
である。

【０００９】本発明の目的は、給紙台上に積重ねた複数
枚の用紙を１枚ずつ給紙する給紙装置及び給紙装置を備
えた印字装置において、開閉カバーの閉成状態における
側縁ガイドの移動を防止し、用紙が傾いて送られること
を防止することにある。また、側縁ガイドが長いもの、
あるいは側縁ガイドにカム受け部が設けられたものにお
いては、側縁ガイドの移動を防止することで、側縁ガイ
ドが給紙ローラと干渉して側縁ガイドおよび給紙ローラ
が損傷するのを防止することにある。さらに、側縁ガイ
ドが所定位置以外で使用されるのを防止して上記のとお
り所定位置において移動することなく確実にガイド機能
を達成することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の給紙装置は、
給紙台上に積重ねた複数枚の用紙を１枚ずつ給紙する給
紙装置において、給紙台上の用紙の上面に摩擦接触した
状態で回転し、用紙を１枚ずつ送り出す給紙ローラと、
給紙台を給紙ローラ側へ付勢する付勢手段と、給紙台を
開閉可能に覆い、開放時に給紙台を付勢手段の付勢力に
抗して給紙ローラから離れる側へ移動させる開閉カバー
と、給紙台に用紙幅方向へ移動自在に設けられ、給紙台
に載置される用紙の側縁部をガイドする側縁ガイドと、
側縁ガイドが予め設定された所定位置にあるとき、開閉
カバーの閉成状態における側縁ガイドの移動を阻止する
移動阻止部材とを備えたものである。

【００１１】開閉カバーを開放すると、給紙台が付勢手
段の付勢力に抗して給紙ローラから離れる側へ移動し、
用紙幅に対応する位置に側縁ガイドを位置決めして、複
数枚の用紙を給紙台上にセット可能な状態になる。開閉
カバーを閉成すると、給紙台が付勢手段により給紙ロー
ラ側へ移動し、給紙台上から用紙を給紙可能な状態にな
るが、側縁ガイドが予め設定された所定位置にあると
き、移動阻止部材により、開閉カバーの閉成状態におけ
る側縁ガイドの移動が阻止される。

【００１２】前記所定位置においては、側縁ガイドが、
セットされる用紙の幅に対応する位置、即ち、セットさ
れる用紙の側縁部をガイドする位置に設定され、開閉カ
バーが閉成した状態で、この所定位置に側縁ガイドが位
置していると、側縁ガイドが移動しようとしても、移動
阻止部材が側縁ガイドの移動を阻止するので、給紙作動
時における側縁ガイドのガイド機能を確実に保持でき
る。また、側縁ガイドが長い場合には、側縁ガイドは前
記所定位置において開閉カバー閉成時に給紙ローラと干
渉しない位置に設定され、上記と同様に側縁ガイドの移
動を阻止することで、側縁ガイドが給紙ローラ等と干渉
して、側縁ガイド，給紙ローラ等が損傷するのを確実に
防止できる。

【００１３】請求項２の給紙装置は、請求項１の発明に
おいて、移動阻止部材は、複数の用紙幅に対応する複数
の位置に夫々設けられたことを特徴とするものである。
即ち、各種幅の用紙を択一的に給紙台上に積重ねてセッ
トした際、移動阻止部材によって、各用紙幅に対応した
位置で側縁ガイドの移動を阻止できる。その他請求項１
と同様の作用を奏する。

【００１４】請求項３の給紙装置は、請求項１又は請求
項２の発明において、側縁ガイドは、給紙台の給紙ロー
ラと反対側の端部を表裏両面から挟持する案内部を有
し、この案内部を介して用紙幅方向に案内されることを
特徴とするものである。即ち、給紙台に側縁ガイドを用
紙幅方向へ移動可能に案内する為の構造を簡単に構成で
き、製作コスト的にも非常に有利になる。その反面、側
縁ガイドが移動しやすいため、ユーザーが触れたとき簡
単に移動してしまったり、用紙が傾いて送られるときに
移動することがあるが、移動阻止部材でそれを阻止する
ことができる。その他、請求項１又は請求項２と同様の
作用を奏する。

【００１５】請求項４の給紙装置は、請求項１〜請求項
３の何れか１項の発明において、給紙ローラと同軸上に
連動回転するカムを設けるとともに、そのカムとの当接
により押動され給紙台を付勢手段の付勢力に抗して給紙
ローラから離れる側へ移動させるカム受け部を側縁ガイ
ドに設け、カム受け部がカムに当接する位置にあると
き、前記移動阻止部材が、開閉カバーの閉成状態におけ
る側縁ガイドの移動を阻止することを特徴とするもので
ある。側縁ガイドにカム受け部を設けると、開閉カバー
が閉成した状態で、側縁ガイドを用紙幅方向へ移動させ
たとき、カム受け部が給紙ローラ等と干渉するが、側縁
ガイドが予め設定された所定位置にあるとき、移動阻止
部材が開閉カバーの閉成状態における側縁ガイドの移動
を阻止するので、側縁ガイドのカム受け部が給紙ローラ
等と干渉して、カム受け部，給紙ローラ等が損傷するの
を確実に防止できる。その他 請求項１〜請求項３の何
れか１項と同様の作用を奏する。

【００１６】請求項５の給紙装置は、請求項２の発明に
おいて、側縁ガイドが前記所定位置以外の位置にあると
き、開放状態の開閉カバーの閉成を阻止する閉成阻止部
材を設けたものである。即ち、開放状態の開閉カバーを
閉成する際に、側縁ガイドが所定位置にあるときのみ、
開閉カバーを閉成でき、そして、閉成後には上記のとお
り側縁ガイドの移動を確実に防止できる。その他請求項
２と同様の作用を奏する。

【００１７】請求項６の印字装置は、請求項１〜請求項
５の何れか１項の給紙装置を備え、給紙ローラにより給
紙された用紙に向けて、インクを噴出させて印字するイ
ンクジェット式印字ヘッドを備えたものである。即ち、
インクジェット式印字ヘッドを備えた印字装置におい
て、請求項１〜請求項５の何れか１項の給紙装置を装備
することで、側縁ガイドが予め設定された所定位置にあ
るとき、移動阻止部材が開閉カバーの閉成状態における
側縁ガイドの移動を阻止するので、側縁ガイドが用紙ガ
イド機能を確実に達成し、傾いた用紙に印字したり、印
字装置内で用紙ジャムを生じるのを防止できるようにな
る。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。本実施形態は、給紙台上に
積重ねた複数枚の用紙を１枚ずつ給紙する給紙装置及び
給紙装置を装備したインクジェット式印字装置に、本発
明を適用した場合の例である。

【００１９】インクジェット式印字装置１について説明
する。図１に示すように、インクジェット式印字装置１
には、給紙台１２上に積重ねた複数枚の用紙Ｐを１枚ず
つ給紙する給紙装置２と、給紙装置２により給紙された
用紙Ｐを印字ヘッド４３側へ搬送する搬送機構３５と、
用紙Ｐに向けてインクを噴出させて印字する印字機構４
０と、印字された用紙Ｐをインクジェット式印字装置１
の外部へ排出する用紙排出機構（図示略）と、給紙装置
２の給紙ローラ２５と搬送機構３５のフィードローラ３
６を回転駆動する駆動機構５０（図５参照）等が設けら
れている。尚、図示していないが、用紙排出機構の排出
ローラも駆動機構５０で回転駆動される。

【００２０】給紙装置２について説明する。図１、図２
に示すように、給紙装置２には、用紙Ｐを複数枚積重ね
てセット可能な給紙カセット１０、給紙カセット１０の
給紙台１２上の用紙Ｐの上面に摩擦接触した状態で回転
し用紙Ｐを１枚ずつ送り出す給紙ローラ２５、給紙ロー
ラ２５と同軸上に設けられ用紙Ｐと給紙ローラ２５との
間隔を所定間隔に保持するカラー２６、給紙ローラ２５
の回転時に給紙台１２を給紙ローラ２５から離れる側へ
一時的に移動させるカム機構３０等が設けられている。

【００２１】図３、図４に示すように、給紙カセット１
０は、収容部１１ａを有するカセット本体１１と、収容
部１１ａに収容可能でカセット本体１１に上端部が揺動
可能にピン結合された給紙台１２と、給紙台１２に用紙
幅方向へ移動自在に設けられ給紙台１２に載置される用
紙Ｐの側縁部をガイドする側縁ガイド１４と、収容部１
１ａに内装され給紙台１２を給紙ローラ２５側へ付勢す
る左右１対のスプリング１３（付勢手段に相当する）
と、給紙台１２を開閉可能に覆う開閉カバー１６とで構
成されている。

【００２２】給紙台１２の給紙ローラ２５と対向する部
位には、給紙台１２の他の部分よりも高摩擦の摩擦部１
５が、給紙台１２から僅かに突出して設けられている
（図２参照）。側縁ガイド１４は、給紙台１２の給紙ロ
ーラ２５と反対側の端部を表裏両面から挟持する案内部
１４ａを有し、この案内部１４ａにより用紙幅方向に任
意位置で摩擦固定される。側縁ガイド１４の給紙ローラ
２５側部分には、カム機構３０のカム受け部３２が、回
転軸２７から略給紙台１２と面直交する位置を含む部位
において、給紙台１２に当接させて設けられている。

【００２３】開閉カバー１６は、カバー本体１７とカバ
ー本体１７に固着された左右１対のアーム１８を有し、
これらアーム１８の略中央部がカセット本体１１の左右
１対の立壁部１１ｂに回動可能に軸１８ａにより結合さ
れている。各アーム１８の端部は給紙台１２を押動する
押動部１９に形成され、図３の閉成した状態から、開閉
カバー１６を開放すると、図４に示すように、１対のア
ーム１８の押動部１９により、１対のスプリング１３の
付勢力に抗して給紙台１２が給紙ローラ２５から離れる
側へ移動する。

【００２４】図２〜図４に示すように、開閉カバー１６
の内面には、複数例えば３種類の用紙幅に対応する３つ
の位置、即ち、側縁ガイド１４で３種類の用紙の側縁部
をガイドできる位置において、１対の移動阻止部材２０
を１組とする３組の移動阻止部材２０が、側縁ガイド１
４の長さ方向向きに夫々突設されている。また、側縁ガ
イド１４で３種類の用紙の側縁部をガイドできる位置以
外においては、閉成阻止部材２３が用紙幅方向へ延びる
リブ状に突設されている。即ち、開閉カバー１６を開放
したとき、給紙台１２がアーム１８の回動によって下降
し、開閉カバー１６も給紙台１２から十分に離れるた
め、側縁ガイド１４は給紙台１２に沿って自由に移動す
ることができる。

【００２５】側縁ガイド１４が３種類の用紙のうちのい
ずれかの側縁部をガイドできる位置にあるとき、開閉カ
バー１６を閉成すると、給紙台１２がスプリング１３の
作用で給紙ローラ２５に接近するとともに開閉カバー１
６が給紙台１２に接近するのにともない、１組の移動阻
止部材２０間に側縁ガイド１４を収容することで、正常
に閉成することができる。また、１組の移動阻止部材２
０が側縁ガイド１４を両側から挟むように位置すること
で、その側縁ガイド１４が用紙幅方向に移動するのを阻
止する。

【００２６】側縁ガイド１３が３種類の用紙の側縁部を
ガイドできる位置以外にあるとき、開放状態の開閉カバ
ー１６を閉成しようとしても、閉成阻止部材２３が、側
縁ガイド１４の上端部に当接して、開閉カバー１６の閉
成を阻止するようになっている。ここで、３種類の用紙
幅に対応する３つの位置とは、図２において右側の立壁
部１１ｂを基準に、縦位置のハガキの左側縁と対応する
側縁ガイド１４の位置（２点鎖線で示す）、横位置のハ
ガキと対応する同位置（実線で示す）、Ａ４サイズの用
紙と対応する同位置である。必要に応じてその他Ｂ５サ
イズ等に対応する位置を設けることもできる。

【００２７】図１、図２に示すように、インクジェット
式印字装置１に設けられた左右１対の側板３には、回転
軸２７の両端部が回転自在に支持され、複数個（例え
ば、２個）の給紙ローラ２５は回転軸２７に固定されて
回転軸２７の回転に伴って回転し、複数個（例えば、６
個）のカラー２６は回転軸２７に回転自在に取付けられ
ている。給紙ローラ２５は、略１８０度に亙ってカラー
２６より僅かに大径に形成された大径外周部２５ａと、
小径外周部２５ｂとを有する側面視扇形に形成されてい
る。即ち、用紙Ｐがカラー２６と当接し、用紙Ｐと給紙
ローラ２５との間隔を所定間隔に保持した状態で給紙ロ
ーラ２５が回転すると、用紙Ｐの上面に給紙ローラ２５
の大径外周部２５ａが摩擦接触して、用紙Ｐが搬送機構
３５側へ送り出される。

【００２８】搬送機構３５について説明する。図１に示
すように、搬送機構３５は、駆動機構５０で回転駆動さ
れるフィードローラ３６と、搬送経路の上方に揺動可能
に設けられたアーム３８の先端に回転可能に設けられ、
スプリング３９によりアーム３８を介してフィードロー
ラ３６の上面に押圧されているプレッシャローラ３７と
を有し、フィードローラ３６が正方向（時計回り）に回
動されると、プレッシャローラ３７とフィードローラ３
６とで用紙Ｐが印字ヘッド４３側へ搬送される。

【００２９】カム機構３０について説明する。カム機構
３０は、給紙ローラ２５と同軸上に連動回転するように
回転軸２７に固定された１対のカム３１と、側縁ガイド
１４の下端部に設けられたカム受け部３２からなる。１
対のカム３１は、縦向きと横向きにセットされたハガキ
の側縁部をガイドする側縁ガイド１４と対応する位置に
配置されている。給紙ローラ２５が回転してハガキが所
定量送り出されると、カム機構３０が作動し、カム３１
がカム受け３２に当接して、給紙台１２がスプリング１
３の付勢力に抗して給紙ローラ２５から離れる側へ移動
するようになっている。

【００３０】印字機構４０について説明する。図１に示
すように、印字機構４０には、ガイドロッド４５及びガ
イドレール４６により左右方向へ移動自在にガイドされ
たキャリッジ４１、キャリッジ４１に固定されたホルダ
ー４２、ホルダー４２の後端部に取付けられた印字ヘッ
ド４３、ホルダー４２に着脱可能に装着され印字ヘッド
４３にインクを供給するインクカートリッジ４４、キャ
リッジ４１を左右方向へ移動駆動するキャリッジ駆動機
構（図示略）等が設けられている。印字ヘッドはインク
を用紙に向けて噴出して印字するインクジェット式のも
のである。

【００３１】駆動機構５０について説明する。図５〜図
７に示すように、駆動機構５０は、正逆両回転方向に駆
動制御されるステッピングモータ５１と、ステッピング
モータ５１の駆動軸に固定されて回転駆動されるモータ
歯車５２と、モータ歯車５２と大径部で噛合して回転駆
動される減速歯車５３と、フィードローラ３６の端部に
固定され減速歯車５３の小径部と噛合するフィード歯車
５５と、フィード歯車５５と噛合する太陽歯車５６と、
太陽歯車５６の回転軸を中心に回動可能に設けられた支
持枠５７と、支持枠５７の両端部に回転自在に設けら
れ、且つ、太陽歯車５６と噛合して自転しながら支持枠
５７を回動させ、その回動に伴い太陽歯車５６の周囲を
移動する第１、第２遊星歯車６０，６１と、太陽歯車５
６の正回転時（反時計回り）に支持枠５７の回動に伴い
第１遊星歯車６０と噛合して正回転する一方、太陽歯車
５６の逆回転時（時計回り）に支持枠５７の回動に伴い
第２遊星歯車６１と反転歯車６２を介して噛合して正回
転駆動する給紙歯車６３等で構成されている。

【００３２】給紙装置２の給紙動作について説明する
と、先ず、初期状態（即ち、前回の給紙動作が完了し、
且つ次の給紙動作が開始されていない状態）では、給紙
ローラ２５の小径外周部２５ｂが用紙Ｐに対向し、図８
に示すように、駆動機構５０はイニシャル状態になって
いる。この状態から、ステッピングモータ５１が逆方向
（反時計回り）に回転駆動されると、フィード歯車５５
とともにフィードローラ３６が逆回転（反時計回り）
し、フィードローラ３６よりも下流側への用紙Ｐの搬送
は阻止される状態になる一方、支持枠５７が時計回りに
回転し、図９に示すように、第２遊星歯車６１が反転歯
車６２と噛合した後、給紙歯車６３とともに給紙ローラ
２５が正方向（反時計回り）に回転し始める。

【００３３】給紙ローラ２５が図１０の姿勢になるまで
回転すると、用紙Ｐは搬送機構３５側へ所定量送り出さ
れ、用紙Ｐの先端部がフィードローラ３６とプレッシャ
ローラ３７との接触位置に当接するが、図１２に示すよ
うに、セットした用紙Ｐが通常の薄手のものであれば鎖
線で示すように撓んだ状態になる。また、セットした用
紙Ｐがハガキ等の厚手のものであれば、用紙Ｐの先端が
上記位置に当接したとき、用紙が撓むことなく給紙ロー
ラ２５が用紙に対してスリップする。この場合、側縁ガ
イド１４がハガキに対応する位置にあるため、上記当接
の後、カム機構３０が作動して給紙台１２が図示矢印方
向へ押し下げられ、給紙ローラ２５が用紙から離れる。

【００３４】次に、図１０の状態から、ステッピングモ
ータ５１が回転方向を切換えて正方向に回転駆動される
と、フィード歯車５５とともにフィードローラ３６が正
回転するとともに、支持枠５７が反時計回りに回転し
て、図１１に示すように、第２遊星歯車６１が反転歯車
６２から離間し、第１遊星歯車６０が給紙歯車６３と噛
合し、給紙歯車６３とともに給紙ローラ２５が正回転す
る。ステッピングモータ５１の駆動切換え時、給紙歯車
２５は、第１遊星歯車６０と噛合するまでの僅かな時間
だけ停止する一方、フィードローラ３６は用紙Ｐの搬送
を開始するが、薄手の用紙の場合には上記の撓み分が延
ばされ、その停止時間中も支承なく搬送することができ
る。また、ハガキ等の厚手の用紙の場合には、上記のよ
うに給紙ローラ２５が用紙Ｐから離れているので、フィ
ードローラ３６は給紙ローラ２５の停止による抵抗を受
けることなく、用紙Ｐの搬送を正確に実行することがで
きる。

【００３５】尚、給紙歯車２５は第１遊星歯車６０と噛
合する歯が設けられていない欠損部６４を有し、欠損部
６４が第１遊星歯車６０の位置に到着した時点で、両者
の噛合が解除され、以降はフィードローラ３６の回転駆
動は接続されるが、給紙ローラ２５は図８の初期状態の
位置で停止し、次回の給紙動作が開始されるまで回転駆
動されることはない。

【００３６】次に、給紙装置２の作用について説明す
る。図４に示すように、開閉カバー１６を開放すると、
給紙台１２が１対のスプリング１３の付勢力に抗して給
紙ローラ２５から離れ、カム受け部３２も給紙ローラ２
６から離れた状態になり、用紙幅に対応する位置に側縁
ガイド１４を位置決めして、複数枚の用紙Ｐを給紙台１
２上にセットできる状態になる。

【００３７】図３に示すように、開閉カバー１６を閉成
すると、給紙台１２が１対のスプリング１３に付勢され
て給紙ローラ２５側へ移動し、用紙Ｐとカラー２６が当
接して用紙Ｐと給紙ローラ２５の間隔が所定間隔に保持
され、給紙台１２上から用紙Ｐを給紙可能な状態になる
が、側縁ガイド１４が予め設定された所定位置即ち用紙
幅に対応する位置にあるとき、移動阻止部材２０が、側
縁ガイド１４の移動を阻止する。

【００３８】給紙カセット１０よりも長い用紙を収容す
るために、カセット本体１１と開閉カバー１６間の上端
部、即ち給紙ローラ２５と反対側の端部が開放されてい
るものでは、その開放部から手を入れて側縁ガイド１４
を移動させてしまう可能性がある。特に側縁ガイド１４
を案内部１４ａで給紙台１２に挟持させているだけなの
で、僅かな力で移動させることができるが、上記構成に
より、側縁ガイド１４の移動を阻止することができ、用
紙のガイド機能を確実に達成することができる。また、
用紙の送り途中で用紙を傾ける力が作用すると、側縁ガ
イドも用紙によって幅方向に押され、移動していまうこ
とがあるが、これも上記構成により阻止することができ
る。

【００３９】さらに、側縁ガイド１４が給紙ローラ２５
やカラー２６と対向するまで長いものであったり、カム
３１と対向する位置にカム受け部３２を持っている場
合、上記のように側縁ガイド１４を移動させたり、ある
いは用紙に押されて移動したときに、側縁ガイド１４及
びカム受け部３２が給紙ローラ２５，カラー２６，摩擦
部１５と干渉し、カム受け部３２，給紙ローラ２５，カ
ラー２６，摩擦部１５等が損傷することがあるが、それ
を確実に防止できる。

【００４０】また、側縁ガイド１４が予め設定された前
記所定位置にあるとき、図３に示すように、開放状態の
開閉カバー１６を閉成することができるが、側縁ガイド
１４が予め設定された所定位置以外の位置にあるとき、
閉成阻止部材２０が開放状態の開閉カバー１６の閉成を
阻止するので、予め決められた用紙の側縁部をガイドす
る位置に側縁ガイド１４を配置することができ、それら
の用紙のガイド機能を確実に達成することができる。さ
らに、上記のように側縁ガイド１４が給紙ローラ２５や
カラー２６と対向するまで長いものであったり、カム３
１と対向する位置にカム受け部３２を持っている場合、
側縁ガイド１４、カム受け部３２が給紙ローラ２５やカ
ラー２６と対向する位置で開閉カバー１６を閉成しよう
とすると、閉成阻止部材２０がその閉成を阻止するの
で、それらが干渉し、損傷するのを阻止することができ
る。

【００４１】次に、別実施形態の給紙装置２Ａについて
説明する。但し、前記実施形態と同じものには同一符号
を付して説明する。図１３、図１４に示すように、別実
施形態の給紙装置２Ａは、前記給紙装置２において、開
閉カバー１６の閉成阻止部材２３を省略し、開閉カバー
１６の内面の３種類の用紙幅に対応する３つの位置に、
１対の移動阻止部材２０Ａを１組として３組の移動阻止
部材２０Ａを夫々突設したものである。即ち、前記実施
形態の給紙装置に対して閉成阻止部材２３の効果を除い
て同等の効果を達成できる。また、カム機構３０を省略
したものでも、本発明を実施できることは言うまでもな
い。

【００４２】

【発明の効果】請求項１の給紙装置によれば、給紙台上
の用紙の上面に摩擦接触した状態で回転し、用紙を１枚
ずつ送り出す給紙ローラと、給紙台を給紙ローラ側へ付
勢する付勢手段と、給紙台を開閉可能に覆い、開放時に
給紙台を付勢手段の付勢力に抗して給紙ローラから離れ
る側へ移動させる開閉カバーと、給紙台に用紙幅方向へ
移動自在に設けられ、給紙台に載置される用紙の側縁部
をガイドする側縁ガイドと、側縁ガイドが予め設定され
た所定位置にあるとき、開閉カバーの閉成状態における
側縁ガイドの移動を阻止する移動阻止部材とを備えたの
で、開閉カバーが閉成した状態で、前記所定位置に側縁
ガイドが位置していると、側縁ガイドが移動しようとし
ても、移動阻止部材が側縁ガイドの移動を阻止するの
で、給紙作動時における側縁ガイドのガイド機能を確実
に保持できる。また、側縁ガイドが長い場合には、側縁
ガイドが給紙ローラ等と干渉して、側縁ガイド，給紙ロ
ーラ等が損傷するのを確実に防止できる。

【００４３】請求項２の給紙装置によれば、請求項１と
同様の効果を奏するが、移動阻止部材は、複数の用紙幅
に対応する複数の位置に夫々設けられたので、各種幅の
用紙を給紙台上に択一的にセットした際、移動阻止部材
によって、各種幅に対応した位置で側縁ガイドの移動を
阻止できる。

【００４４】請求項３の給紙装置によれば、請求項１又
は請求項２と同様の効果を奏するが、側縁ガイドは、給
紙台の給紙ローラと反対側の端部を表裏両面から挟持す
る案内部を有し、この案内部を介して用紙幅方向に案内
されるので、給紙台に側縁ガイドを用紙幅方向へ移動可
能に案内する為の構造を簡単に構成でき、製作コスト的
にも非常に有利になる。また、これにより側縁ガイドが
移動しやすいが、移動阻止部材でそれを阻止し、所期の
効果を達成することができる。

【００４５】請求項４の給紙装置によれば、請求項１〜
請求項３の何れか１項と同様の効果を奏するが、給紙ロ
ーラと同軸上に連動回転するカムを設けるとともに、そ
のカムとの当接により押動され給紙台を付勢手段の付勢
力に抗して給紙ローラから離れる側へ移動させるカム受
け部を側縁ガイドに設け、カム受け部がカムに当接する
位置にあるとき、前記移動阻止部材が、開閉カバーの閉
成状態における側縁ガイドの移動を阻止するので、側縁
ガイドにカム受け部を設けると、開閉カバーが閉成した
状態で、側縁ガイドを用紙幅方向へ移動させたとき、カ
ム受け部が給紙ローラ等と確実に干渉するが、側縁ガイ
ドが予め設定された所定位置にあるとき、移動阻止部材
が開閉カバーの閉成状態における側縁ガイドの移動を阻
止するので、側縁ガイドのカム受け部が給紙ローラ等と
干渉して、カム受け部，給紙ローラ等が損傷するのを確
実に防止できる。

【００４６】請求項５の給紙装置によれば、請求項２と
同様の効果を奏するが、側縁ガイドが前記所定位置以外
の位置にあるとき、開放状態の開閉カバーの閉成を阻止
する閉成阻止部材を設けたので、開放状態の開閉カバー
の閉成する際に、側縁ガイドが所定位置になるときの
み、開閉カバーを閉成でき、そして閉成後には上記のと
おり側縁ガイドの移動を確実に防止できる。

【００４７】請求項６の印字装置は、請求項１〜請求項
５の何れか１項の給紙装置を備え、給紙ローラにより給
紙された用紙に向けて、インクを噴出させて印字するイ
ンクジェット式印字ヘッドを備えたので、側縁ガイドが
予め設定された所定位置に位置しているとき、移動阻止
部材が開閉カバーの閉成状態における側縁ガイドの移動
を阻止するので、傾いた用紙に印字したり、印字装置内
で用紙ジャムを生じるのを防止できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る給紙装置を装備したイ
ンクジェット式印字装置の縦断面図である。

【図２】図１のII−II矢視図である。

【図３】給紙カセット（開閉カバー閉成時）の縦断面図
である。

【図４】給紙カセット（開閉カバー開放時）の縦断面図
である

【図５】駆動機構の側面図である。

【図６】駆動機構の要部拡大図である。

【図７】駆動機構の要部拡大図である。

【図８】駆動機構（イニシャル状態）の作動説明図であ
る。

【図９】駆動機構（第２遊星ギヤ作動時）の作動説明図
である。

【図１０】駆動機構（駆動切換え時）の作動説明図であ
る。

【図１１】駆動機構（第１遊星ギヤ作動時）の作動説明
図である。

【図１２】図１０に相当する給紙装置の要部断面図であ
る。

【図１３】別実施形態に係る給紙装置を装備したインク
ジェット式印字装置の縦断面図である。

【図１４】図１３のXIV −XIV 矢視図である。

【符号の説明】

Ｐ 用紙 １ インクジェット式印字装置 ２，２Ａ 給紙装置 １０，１０Ａ 給紙カセット １２ 給紙台 １３ スプリング １４，１４Ａ 側縁ガイド １４ａ 案内部 １６ 開閉カバー ２０ 移動阻止部材 ２３ 閉成阻止部材 ２５ 給紙ローラ ３１ カム ３２ カム受け部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給紙台上に積重ねた複数枚の用紙を１枚
   ずつ給紙する給紙装置において、 前記給紙台上の用紙の上面に摩擦接触した状態で回転
   し、用紙を１枚ずつ送り出す給紙ローラと、 前記給紙台を給紙ローラ側へ付勢する付勢手段と、 前記給紙台を開閉可能に覆い、開放時に給紙台を付勢手
   段の付勢力に抗して給紙ローラから離れる側へ移動させ
   る開閉カバーと、 前記給紙台に用紙幅方向へ移動自在に設けられ、給紙台
   に載置される用紙の側縁部をガイドする側縁ガイドと、 前記側縁ガイドが予め設定された所定位置にあるとき、
   開閉カバーの閉成状態における側縁ガイドの移動を阻止
   する移動阻止部材と、 を備えたことを特徴とする給紙装置。
2. 【請求項２】 前記移動阻止部材は、複数の用紙幅に対
   応する複数の位置に夫々設けられたことを特徴とする請
   求項１に記載の給紙装置。
3. 【請求項３】 前記側縁ガイドは、給紙台の給紙ローラ
   と反対側の端部を表裏両面から挟持する案内部を有し、
   この案内部を介して用紙幅方向に案内されることを特徴
   とする請求項１又は請求項２に記載の給紙装置。
4. 【請求項４】 前記給紙ローラと同軸上に連動回転する
   カムを設けるとともに、そのカムとの当接により押動さ
   れ給紙台を付勢手段の付勢力に抗して給紙ローラから離
   れる側へ移動させるカム受け部を側縁ガイドに設け、カ
   ム受け部がカムに当接する位置にあるとき、前記移動阻
   止部材が、開閉カバーの閉成状態における側縁ガイドの
   移動を阻止することを特徴とする請求項１〜請求項３の
   何れか１項に記載の給紙装置。
5. 【請求項５】 前記側縁ガイドが前記所定位置以外の位
   置にあるとき、開放状態の開閉カバーの閉成を阻止する
   閉成阻止部材を設けたことを特徴とする請求項２に記載
   の給紙装置。
6. 【請求項６】 請求項１〜請求項５の何れか１項の給紙
   装置を備え、給紙ローラにより給紙された用紙に向け
   て、インクを噴出させて印字するインクジェット式印字
   ヘッドを備えたことを特徴とする印字装置。