JPH1058703A - インクジェットヘッドの予備吐出用の廃液受容装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットヘッドの予備吐出用の廃液受
容装置において、ユーザの指を汚す可能性を低減する。 【解決手段】 インク噴射ヘッド４により予備吐出され
たインクからなる廃液を受容するための廃液受容装置３
０であって、インク噴射ヘッド４が所定の予備吐出位置
に来た際に、インク噴射ヘッド４のインク噴射面に対し
対向する開口３１を有し、開口３１を介してインク噴射
面から噴射されるインクを受容する廃液受容部３２と、
開口３１を覆う開閉可能なシャッタ３５と、インク噴射
ヘッド４が予備吐出位置に来るとシャッタ３５を開き、
インク噴射ヘッド４が予備吐出位置から離れるとシャッ
タ３５を閉じるアーム３５及びバネ３７とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット型プ
リンタ等に用いられるインクジェットヘッドの予備吐出
（フラッシング）の技術分野に属するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、インクジェットヘッドの噴射ノズ
ルの詰まりを解消したりノズル内のインクに混入した気
泡を除去するために、インクジェットヘッド内部の増粘
したインクを印字の直前に予備吐出（フラッシング）す
る技術が知られている。この技術によれば、インクジェ
ットヘッドが所定の予備吐出位置に来た際に予備吐出さ
れたインクは、この予備吐出位置においてインクジェッ
トヘッドの噴射面に対向して設けられた開口に入射し、
廃液として廃液フォーム等からなる廃液受容装置に受容
される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の廃液受容装置によれば、予備吐出用開口部がプ
ラテン付近にあるため、用紙詰まり等の際にユーザが誤
ってこの開口部を介して廃液フォーム等に触れてしまう
可能性が高い。このように指が廃液フォームに触れる
と、指が汚れてしまうことに加えて、指に付いた廃液に
より今度は用紙搬送路や各種の部品が汚れてしまうとい
う問題点があった。

【０００４】更に、このような廃液受容装置の開口部を
用紙の搬送路に設けると、搬送中に用紙が開口部に接触
して廃液により汚れてしまう可能性が高いため、この開
口部は、用紙搬送路ではないプリンタ装置の端部に設け
る必要性が有り、結果的に用紙の幅方向にプリンタ装置
を大型化させてしまうという問題点もあった。

【０００５】特にカラープリンタ用の複数のインクジェ
ットヘッドがプラテンに沿って配列された形式のプリン
タの場合には、複数のインクジェットヘッドから予備吐
出されるインクを一時に受容するように複数のヘッドの
配列幅に対応した大きな開口が一般に設けられるため、
モノクロ用の単一インクジェットヘッド用のものと比べ
て、上述した問題点は更に深刻化する。

【０００６】そこで、本発明は、ユーザの指を汚す可能
性を低減し得ると共に用紙搬送路に設けることも可能な
インクジェットヘッドの予備吐出用の廃液受容装置を提
供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１に記載のインクジェットヘッドの予備吐出
用の廃液受容装置は、インクジェットヘッドにより予備
吐出されたインクからなる廃液を受容するための廃液受
容装置であって、前記インクジェットヘッドが所定の予
備吐出位置に来た際に、前記インクジェットヘッドのイ
ンク噴射面に対し対向する開口を有し、該開口を介して
前記インク噴射面から噴射されるインクを受容する廃液
受容手段と、前記開口を覆う開閉可能なシャッタと、前
記インクジェットヘッドが前記予備吐出位置に来ると前
記シャッタを開き、前記インクジェットヘッドが前記予
備吐出位置から離れると前記シャッタを閉じる駆動手段
とを備えたことを特徴とする。

【０００８】請求項１に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置によれば、廃液受容手段の開
口は、インクジェットヘッドが所定の予備吐出位置から
離れていると、シャッタにより閉じられている。ここ
で、インクジェットヘッドが所定の予備吐出位置に来る
と、駆動手段により、シャッタが開かれ、廃液受容手段
の開口に対し、インクジェットヘッドのインク噴射面が
対向する。ここで、インクジェットヘッドが予備吐出を
行うと、インク噴射面から噴射されるインクがシャッタ
が開けられた開口に入射し、この開口を介して廃液受容
手段に廃液として受容される。そして、インクジェット
ヘッドが所定の予備吐出位置から離れると、駆動手段に
より、シャッタが閉じられる。

【０００９】請求項２に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置は、請求項１に記載のインク
ジェットヘッドの予備吐出用の廃液受容装置において、
前記駆動手段は、前記インクジェットヘッドの前記予備
吐出位置への移動動作に機械的に連動して前記シャッタ
を開けると共に、前記インクジェットヘッドの前記予備
吐出位置からの移動動作に機械的に連動して前記シャッ
タを閉じることを特徴とする。

【００１０】請求項２に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置によれば、インクジェットヘ
ッドが所定の予備吐出位置に来ると、駆動手段により、
このインクジェットヘッドの予備吐出位置への移動動作
に機械的に連動してシャッタが開かれる。そして、イン
クジェットヘッドが所定の予備吐出位置から離れると、
駆動手段により、このインクジェットヘッドの予備吐出
位置からの移動動作に機械的に連動してシャッタが閉じ
られる。

【００１１】請求項３に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置は、請求項２に記載のインク
ジェットヘッドの予備吐出用の廃液受容装置において、
前記駆動手段は、前記シャッタに取り付けられており、
前記インクジェットヘッドが前記予備吐出位置に来る
と、前記インクジェットヘッド及び前記インクジェット
ヘッドを載せたキャリッジの少なくとも一部に当接する
ことにより前記シャッタを回動させて開けるアームと、
前記シャッタを閉じる方向に付勢するバネ手段とを備え
たことを特徴とする。

【００１２】請求項３に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置によれば、インクジェットヘ
ッドが所定の予備吐出位置に来ると、アームが、インク
ジェットヘッド及びキャリッジの少なくとも一部に当接
する。このようにアームが当接することにより、バネ手
段の付勢力に抗して、当該アームに取り付けられたシャ
ッタが、回動され開かれる。そして、インクジェットヘ
ッドが所定の予備吐出位置から離れると、インクジェッ
トヘッド及びキャリッジの少なくとも一部に対し、アー
ムが当接しなくなり、バネ手段の付勢力により、シャッ
タが回動され閉じられる。

【００１３】請求項４に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置は、請求項１に記載のインク
ジェットヘッドの予備吐出用の廃液受容装置において、
前記インクジェットヘッドの位置を検出して検出信号を
出力する検出手段を更に備えており、前記駆動手段は、
前記検出信号に基づいて前記シャッタを開閉する電動式
の駆動装置を備えたことを特徴とする。

【００１４】請求項４に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置によれば、検出手段により、
インクジェットヘッドの位置が検出され、検出信号が出
力される。そして、この検出信号に基づいて、インクジ
ェットヘッドが所定の予備吐出位置に来ると、電動式の
駆動装置によりシャッタが開かれる。そして、この検出
信号に基づいて、インクジェットヘッドが所定の予備吐
出位置から離れると、電動式の駆動装置によりシャッタ
が閉じられる。

【００１５】請求項５に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置は、請求項１から４のいずれ
か一項に記載のインクジェットヘッドの予備吐出用の廃
液受容装置において、前記開口は、前記インクジェット
ヘッドが印字する用紙の搬送路に面して設けられること
を特徴とする。

【００１６】請求項５に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置によれば、インクジェットヘ
ッドが予備吐出を行うと、インク噴射面から噴射される
インクは、用紙の搬送路に面して設けられており、シャ
ッタが開かれた開口に入射し、この開口を介して廃液受
容手段に廃液として受容される。ここで、開口は、イン
クジェットヘッドが予備吐出位置から離れている際に
は、シャッタが閉じられているので、通常の印字の時に
搬送される用紙がこの開口の上を通過する際に、この開
口を介して廃液受容手段に受容されたインクに接触しな
いようにできる。

【００１７】尚、開口を設ける用紙の搬送路に面した位
置を、例えば、印字可能な最大用紙の左右の余白部分に
対面する位置とすれば、用紙が開口の上を通過している
際には、当該開口の位置までインクジェットヘッドが移
動して来ないので、シャッタが開いた開口に用紙が面す
るという好ましくない事態の発生を完全に無くすことが
できるので有利である。

【００１８】請求項６に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置は、請求項１から５のいずれ
か一項に記載のインクジェットヘッドの予備吐出用の廃
液受容装置において、前記開口は、複数のインクジェッ
トヘッドのインク噴射面から噴射されるインクが同時に
通過可能な大きさを有することを特徴とする。

【００１９】請求項６に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置によれば、開口は、複数のイ
ンクジェットヘッドのインク噴射面から噴射されるイン
クが同時に通過可能な大きさ、即ち単一のインクジェッ
トヘッド用の開口よりも数倍の大きさを持つが、インク
ジェットヘッドが所定の予備吐出位置から離れている
と、シャッタで閉じられている。このため、開口が大き
くても、ユーザがこの開口を介して廃液受容手段に受容
されたインク廃液に指を触れないようにできる。他方、
複数のインクジェットヘッドが所定の予備吐出位置にあ
る際には、複数のインクジェットヘッドから予備吐出さ
れた全て一時に受容することができる。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図１は本実施形態におけるイ
ンクジェット型プリンタ１の概略構成を示す図である。
図１に示すように、本実施形態におけるインクジェット
型プリンタ１には、軸方向に延びた円筒状のプラテン２
が備えられており、当該プラテン２は図示しない軸を介
してフレーム３に矢印Ｈ方向に回転可能に取り付けられ
ている。

【００２１】インク噴射ヘッド４は、このプラテン２に
対向するようにキャリッジ５上に載置されており、キャ
リッジ５はプラテン２の軸に平行に設けられたガイドロ
ッド６に摺動可能に支持されると共に、一対のプーリ
７，８に巻き付けられたタイミングベルト９に係合され
ている。従って、一方のプーリ７がキャリッジ駆動モー
タ１０により回転され、タイミングベルト９が送られる
ことにより、キャリッジ５はプラテン２に沿って矢印Ｋ
方向へ移動される。

【００２２】このような機構により記録時に予め定めら
れた記録範囲内において往復動されるインク噴射ヘッド
４は夫々、図示しない多数個のインク流路と、それらイ
ンク流路に対応して設けられた多数個の噴射口を持つ噴
射ノズル１１を備えている。そして、前記インク流路に
は、フレーム３に固定され、あるいはキャリッジ５に載
置された図示しないインク供給装置からインクが供給さ
れるようになっており、前記インク流路の壁を形成する
振動板が図示しない制御装置の指令に基づいて図示しな
い駆動回路により変形されると、その変形に起因する圧
力変化によりインクが噴射ノズル１１の噴射口から噴射
される。インクは、プラテン２とインク噴射ヘッド４と
の間に供給される記録用紙１２に、キャリッジ５の移動
に伴って噴射され、それにより１行分の画像が形成され
る。１行分の画像形成が終了したならば、プラテン２の
回転により記録用紙１２が１行分送られ、再び１行分の
画像の形成が行われる。この繰り返しにより、記録用紙
１２全体の画像形成が行われる。なお、記録用紙１２
は、フレーム３の後方の図示しない用紙供給口から矢印
Ｌ方向へ供給され、プラテン２の回転によって矢印Ｍ方
向に送られ、図示しない用紙排出口から排出される。

【００２３】以上のような記録動作が終了すると、イン
ク噴射ヘッド４は非記録位置に退避させられるが、この
非記録位置におけるインク噴射ヘッド４に対向する位置
には、回復装置１３が設けられている。

【００２４】回復装置１３はプラテン２の側方に設けら
れており、吸引機能を持つゴム製のキャップ部材１４を
有している。キャップ部材１４には、噴射ノズル１１と
対応した矩形の凹部が形成されている。印刷動作停止時
に、キャリッジ５が回復装置１３の位置まで移動して来
た場合には、カム１５及びその駆動機構を用いてキャッ
プ部材１４を移動させて、インク噴射ヘッド４の噴射ノ
ズル１１に液密状態に嵌合させる。これにより、インク
噴射ヘッド４の噴射ノズル１１を保護したり、噴射ノズ
ル１１の乾燥を防止することができる。また、次に印字
を開始する際には、吸引ポンプ１６により吸引回復動作
を行う。吸引ポンプ１６により吸引されたインクは、排
出口１６ａから廃液フォーム１８に排出される。

【００２５】このような回復装置１３による吸引回復に
より、インク噴射ヘッド４内部の増粘したインクを吸引
して廃棄することができ、よって、噴射ノズル１１の詰
まりを防止あるいは解消することができる。また、回復
装置１３は、インクカートリッジの交換時にインク噴射
ヘッド４にインクを導入する装置としても機能する。

【００２６】図１において、前記回復装置１３に隣接し
て、ワイパー装置が設けられており、カム１５の回転に
応じて、ゴム製のワイパーブレード１９を噴射ノズル１
１に対して前進または後退させて前記のように吸引され
た後の噴射ノズル１１の先端面に残っているインクを拭
き取る作用をなしている。

【００２７】本実施の形態では、回復装置１３と反対側
のプラテン２の端部に廃液受容装置３０が設けられてい
る。廃液受容装置３０は、インク噴射ヘッド４が、廃液
受容装置３０に対向する予備吐出位置に来た際に、イン
ク噴射ヘッド４のインク噴射面に対し対向する開口部を
備えている。

【００２８】廃液受容装置３０について、図２から図６
を参照して詳しく説明する。ここに、図２は、プリンタ
１に取り付けられた廃液受容装置３０をインク噴射ヘッ
ド４と共に示す概略斜視図であり、図３は、シャッタを
閉じた状態（通常印刷状態）にある廃液受容装置３０を
その開口側から見た平面図であり、図４は、図３のＡ−
Ａ断面図であり、図５は、シャッタを開いた状態（予備
吐出状態）にある廃液受容装置３０をその開口側から見
た平面図であり、図６は、図５のＢ−Ｂ断面図をインク
噴射ヘッド４と共に示す断面図である。

【００２９】図２において、廃液受容装置３０は、イン
ク噴射ヘッド４が所定の予備吐出位置に来た際に、イン
ク噴射ヘッド４のインク噴射面に対し対向する開口３１
を有し、開口３１を介して噴射ノズル面から噴射される
インクを受容する廃液受容部３２と、開口３１を覆う開
閉可能なシャッタ３５と、インク噴射ヘッド４が予備吐
出位置に来るとシャッタ３５を開き、インク噴射ヘッド
４が予備吐出位置から離れると、シャッタ３５を閉じる
駆動手段の一例を構成するアーム３６及びバネ３７とを
備える。アーム３６は、シャッタ３５に一体的に取り付
けられていると共にプリンタ１の本体に対し回動軸の周
りに矢印Ｒのように回動可能に取り付けられており、イ
ンク噴射ヘッド４が予備吐出位置に来ると、インク噴射
ヘッド４を載せたキャリッジ５の一部に当接部３６ａに
おいて当接し、シャッタ３５を矢印Ｒ’のように回動さ
せて開けるように構成されている。バネ３７は、シャッ
タ３５を閉じる方向に付勢するバネ手段の一例を構成す
るつるまき型のバネからなる。

【００３０】図３において、廃液受容装置３０の開口３
１は、インク噴射ヘッド４が予備吐出をするための予備
吐出位置に設けられている。図４において、廃液受容部
３２は、開口３１を規定する廃液受容ケース３３と、廃
液受容ケース３３の内部に入れられたスポンジ等からな
る廃液フォーム３４とを備える。

【００３１】図３及び図４に示すように、インク噴射ヘ
ッド４が予備吐出位置から離れていると、バネ３７に付
勢されてシャッタ３５は、開口３１を閉じた状態にあ
る。即ち、プリンタ１による通常の印字時には、廃液受
容装置３０の開口３１は、シャッタ３５により閉じられ
るように構成されている。

【００３２】他方、図５及び図６に示すように、インク
噴射ヘッド４が予備吐出位置に来ると、アーム３６の当
接部３６ａにキャリッジ５の一部が当接してガイドロッ
ト６に沿った方向（Ｋ方向）に押すことにより、アーム
３６がバネ３７の付勢力に抗して回動して、シャッタ３
５は、開口３１を開いた状態となる。即ち、プリンタ１
による予備吐出時には、廃液受容装置３０の開口３１の
シャッタ３５は、開かれるように構成されている。

【００３３】次に、以上のように構成された本実施の形
態の動作を図３〜図６を参照して説明する。先ず、イン
ク噴射ヘッド４が退避状態や通常印字状態にあるときに
は、インク噴射ヘッド４は、プリンタの制御マイコンに
よる制御下で、タイミングベルトによりキャリッジ５が
ガイドロッド６に沿って移動されて、予備吐出位置とは
異なる図１の回復装置１３に対面する位置やプラテン２
に対面する位置などに位置する。従って、このような状
態にあるときは、廃液受容装置３０の開口３１は、図３
及び図４に示すようにシャッタ３５により閉じられてい
る。このため、このような状態で用紙詰まり等が発生し
ても、シャッタ３５の存在により、ユーザが開口３１を
介して廃液受容部３２に受容されたインク廃液に誤って
指を触れることはない。

【００３４】次に、インク噴射ヘッド４が予備吐出をす
べきタイミングになると、プリンタの制御マイコンによ
る制御下で、タイミングベルトによりキャリッジ５がガ
イドロッド６に沿って移動されて、インク噴射ヘッド４
は、予備吐出位置に向けて移動される。そして、インク
噴射ヘッド４が予備吐出位置に来ると、アーム３６の作
用により、シャッタ３５が開かれ、廃液受容装置３０の
開口３１に対し、インク噴射ヘッド４のインク噴射面が
対向する。ここで、インク噴射ヘッド４が予備吐出を行
うと、インク噴射面から噴射されるインクがシャッタ３
５が開けられた開口３１に入射し、この開口３１を介し
て廃液受容部３２に廃液として受容され廃液フォーム３
４に溜められる。このため、予備吐出が従来同様に行わ
れ、インク噴射ヘッド４の噴射ノズルの詰まりを解消で
き、ノズル内のインクに混入した気泡を除去できる。

【００３５】次に、予備吐出を完了すると、プリンタの
制御マイコンによる制御下で、タイミングベルトにより
キャリッジ５がガイドロッド６に沿って移動されて、イ
ンク噴射ヘッド４が所定の予備吐出位置から離れる。す
ると、バネ３７の作用によりシャッタ３５が閉じられ
る。このため、このような状態で用紙詰まり等が発生し
ても、シャッタ３５の存在により、ユーザが開口３１を
介して廃液受容部３２に受容されたインク廃液に誤っ
て、指を触れることはない。

【００３６】以上のように、本実施の形態によれば、イ
ンク噴射ヘッド４が予備吐出以外の動作を行う時には、
シャッタ３５の存在により、ユーザが開口３１を介して
廃液受容部３２に受容されたインク廃液に指を触れない
ようにできる。他方、予備吐出を行う時には、シャッタ
３５が開くので何ら支障無く当該予備吐出を行うことが
できる。

【００３７】尚、上述の実施の形態は、シャッタ３５を
機械的に開閉するように構成されているが、シャッタ３
５を電動アクチュエータ、電動モータ等の電動式の駆動
装置により開閉するように構成してもよい。この場合、
インク噴射ヘッド４の位置を検出して、検出信号を出力
する検出手段を設けて、この検出信号に基づいて、イン
ク噴射ヘッド４が予備吐出位置に来たら、シャッタ３５
を開け、そこから離れたらシャッタ３５を閉めるように
駆動装置が制御される。

【００３８】また上述の実施の形態では、開口３１は、
記録用紙１２の搬送路の端部に隣接して設けてもよい
し、搬送路に面して設けられてもよい。搬送路に面して
設けた場合にも、開口３１は、インク噴射ヘッド４が予
備吐出位置から離れている際には、シャッタ３５が閉じ
られているので、通常の印字の時に搬送される記録用紙
１２がこの開口３１の上を通過する際に、この開口３１
を介して廃液受容部３２に受容されたインクに接触しな
い。従って、搬送中に記録用紙１２が開口部に接触して
廃液により汚れる可能性を低減しつつ、記録用紙１２の
幅方向にプリンタ１を小型化することも可能である。

【００３９】このように搬送路に面して開口３１を設け
る場合に、開口３１を設ける記録用紙１２の搬送路に面
した位置を、例えば、印字可能な最大記録用紙１２の左
右の余白部分に対面する位置とすれば、記録用紙１２が
開口３１の上を通過している際には、開口３１の位置ま
でインク噴射ヘッド４が移動して来ないので、シャッタ
３５が開いた開口３１に記録用紙１２が面するという好
ましくない事態の発生を完全に無くすことができる。

【００４０】更にまた上述した実施形態では、単一の噴
射ノズルを備えた噴射ヘッドを持つモノカラー用のプリ
ンタ装置に本発明を適用した場合について説明したが、
本発明はこれに限られるものではなく、複数の噴射ノズ
ルを備えたカラー用のプリンタ装置においても適用可能
である。この場合には、廃液受容装置の開口は、複数の
インク噴射ヘッドのインク噴射面から噴射されるインク
が同時に通過可能な大きさ、即ち上述した単一のインク
噴射ヘッド４用の開口３１よりもプラテンに沿った方向
に数倍の大きさを持つように構成される。このように開
口を大きく構成しても、この開口の大きさに見合った大
きなシャッタを用いるようにすれば、ユーザがこの大き
な開口を介して廃液受容部に受容されたインク廃液に指
を触れないようにできる。

【００４１】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項１に
記載のインクジェットヘッドの予備吐出用の廃液受容装
置によれば、インクジェットヘッドが所定の予備吐出位
置に位置するか否かに応じて駆動手段により開閉される
シャッタの存在により、インクジェットヘッドが所定の
予備吐出位置にない際には、ユーザが開口を介して廃液
受容手段に受容されたインク廃液に指を触れないように
でき、インクジェットヘッドが所定の予備吐出位置にあ
る際には、予備吐出を従来通り行うことができる。

【００４２】請求項２に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置によれば、駆動手段により、
このインクジェットヘッドの移動動作に機械的に連動し
てシャッタが開閉されるので、機械的な構成を用いて、
シャッタの開閉動作の制御及びタイミング制御を行え
る。

【００４３】請求項３に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置によれば、駆動手段により、
アームとバネという比較的簡単な機械的な構成を用い
て、シャッタの開閉動作の制御及びタイミング制御を行
える。

【００４４】請求項４に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置によれば、検出手段と電動式
の駆動装置により、インクジェットヘッドの移動位置に
応じて電気的にシャッタが開閉されるので、シャッタの
開閉動作の制御及びタイミング制御を正確に行える。

【００４５】請求項５に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置によれば、用紙を汚さないよ
うにしつつ、廃液受容装置を用紙の搬送路に面して設け
ることができるので、用紙の幅方向についてプリンタ装
置の小型化が可能となる。

【００４６】請求項６に記載のインクジェットヘッドの
予備吐出用の廃液受容装置によれば、大きな開口により
複数のインクジェットヘッドについての予備吐出を可能
としつつ、ユーザがこの大きな開口を介して廃液受容手
段に受容されたインク廃液に指を触れないようにでき
る。

【００４７】以上の結果、本発明により、予備吐出によ
り高品質印字を行いつつ、ユーザの指や用紙が汚れる事
態を防ぎ、しかもプリンタ等の画像形成装置の小型化に
適したインクジェットヘッドの予備吐出用の廃液受容装
置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態におけるインクジェット型
プリンタの概略構成を示す斜視図である。

【図２】図１のインクジェット型プリンタに備えられる
廃液受容装置をインク噴射ヘッドと共に示す斜視図であ
る。

【図３】通常印刷時における図１のインクジェット型プ
リンタに備えられた廃液受容装置の平面図である。

【図４】図３のＡ−Ａ断面図である。

【図５】予備吐出時における図１のインクジェット型プ
リンタに備えられた廃液受容装置の平面図である。

【図６】図５のＢ−Ｂ断面図である。

【符号の説明】

１…インクジェット型プリンタ ２…プラテン ３…フレーム ４…インク噴射ヘッド ５…キャリッジ ６…ガイドロッド ７…プーリー ８…プーリー ９…タイミングベルト １０…駆動モータ １１…噴射ノズル １２…記録用紙 １３…回復装置 １４…キャップ部材 １５…カム １６…ポンプ １８…廃液フォーム １９…ワイパーブレード ３０…廃液受容装置 ３１…開口 ３２…廃液受容部 ３３…廃液受容ケース ３４…廃液フォーム ３５…シャッタ ３６…アーム ３６ａ…アームの当接部 ３７…バネ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクジェットヘッドにより予備吐出さ
   れたインクからなる廃液を受容するための廃液受容装置
   であって、 前記インクジェットヘッドが所定の予備吐出位置に来た
   際に、前記インクジェットヘッドのインク噴射面に対し
   対向する開口を有し、該開口を介して前記インク噴射面
   から噴射されるインクを受容する廃液受容手段と、 前記開口を覆う開閉可能なシャッタと、 前記インクジェットヘッドが前記予備吐出位置に来ると
   前記シャッタを開き、前記インクジェットヘッドが前記
   予備吐出位置から離れると前記シャッタを閉じる駆動手
   段とを備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの
   予備吐出用の廃液受容装置。
2. 【請求項２】 前記駆動手段は、前記インクジェットヘ
   ッドの前記予備吐出位置への移動動作に機械的に連動し
   て前記シャッタを開けると共に、前記インクジェットヘ
   ッドの前記予備吐出位置からの移動動作に機械的に連動
   して前記シャッタを閉じることを特徴とする請求項１に
   記載のインクジェットヘッドの予備吐出用の廃液受容装
   置。
3. 【請求項３】 前記駆動手段は、前記シャッタに取り付
   けられており、前記インクジェットヘッドが前記予備吐
   出位置に来ると、前記インクジェットヘッド及び前記イ
   ンクジェットヘッドを載せたキャリッジの少なくとも一
   部に当接することにより前記シャッタを回動させて開け
   るアームと、前記シャッタを閉じる方向に付勢するバネ
   手段とを備えたことを特徴とする請求項２に記載のイン
   クジェットヘッドの予備吐出用の廃液受容装置。
4. 【請求項４】 前記インクジェットヘッドの位置を検出
   して検出信号を出力する検出手段を更に備えており、 前記駆動手段は、前記検出信号に基づいて前記シャッタ
   を開閉する電動式の駆動装置を備えたことを特徴とする
   請求項１に記載のインクジェットヘッドの予備吐出用の
   廃液受容装置。
5. 【請求項５】 前記開口は、前記インクジェットヘッド
   が印字する用紙の搬送路に面して設けられることを特徴
   とする請求項１から４のいずれか一項に記載のインクジ
   ェットヘッドの予備吐出用の廃液受容装置。
6. 【請求項６】 前記開口は、複数のインクジェットヘッ
   ドのインク噴射面から噴射されるインクが同時に通過可
   能な大きさを有することを特徴とする請求項１から５の
   いずれか一項に記載のインクジェットヘッドの予備吐出
   用の廃液受容装置。