JPH1056354A - 弾性表面波フィルタおよびその製造方法 - Google Patents

弾性表面波フィルタおよびその製造方法

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JPH1056354A
JPH1056354A JP21036696A JP21036696A JPH1056354A JP H1056354 A JPH1056354 A JP H1056354A JP 21036696 A JP21036696 A JP 21036696A JP 21036696 A JP21036696 A JP 21036696A JP H1056354 A JPH1056354 A JP H1056354A
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JP
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comb
acoustic wave
surface acoustic
layer
wave filter
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JP21036696A
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Hiroshi Kimura
浩 木村
Hiroshi Kanamaru
浩 金丸
Hiroshi Kamijo
洋 上條
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】弾性表面波(SAW)を利用する帯域フィルタ
を高周波化する。 【解決手段】Auの金属層15とZnOの圧電体層12
とが交互に積層され、一枚置きの金属層15の端部で接
続されて櫛歯電極13となっている。櫛歯電極部16は
一対の櫛歯電極13が互いにかみ合わされた形になって
いる。SAWフイルタ101はガラス基板11上に、櫛
歯電極部16、ZnOのSAW伝搬部14、もう一方の
櫛歯電極部16が順に積層されている。金属層15と圧
電体層12との厚さは例えばそれぞれ0.01μmであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波フィルタの
一種である弾性表面波(Surface Acoustic Wave−以下
SAWと略す)フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】帯域通過型フィルタとしてSAWフィル
タが、他の誘電体フィルタ、積層セラミックスフィルタ
などと用途や目的に応じて使い分けられている。近年こ
れら帯域通過型フィルタは、移動体通信用に高周波化、
小型化が求められている。現在の移動体通信分野では、
PDC(Personal Digital Cellular )方式が800M
Hzと1.5GHzに、PHS(Personal Handyhone S
ystem )方式が1.895〜1.918GHzの周波数
帯域に割り当てられ、使用されている。今後ますます、
これらのフィルタは高周波化、小型化が進み、数10G
Hzの帯域通過フィルタの開発が必要になると思われ
る。
【0003】図11は、従来のSAWフィルタ100の
例の斜視図である。基板1上に形成された圧電体層2の
表面に、入り組んだ形の二対の櫛歯電極3が形成されて
いる。一方の対の櫛歯電極3が入力側であり、他方の対
の櫛歯電極3は出力側である。二対の櫛歯電極3の間
は、SAW伝搬部4である。入力側の櫛歯電極3に入力
された波は、SAW伝搬部4を伝わり、櫛歯電極の間隔
によって選別された波だけが出力側の櫛歯電極3から出
力される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】SAWフィルタにおい
て、帯域通過の中心周波数をf0、櫛歯中心間隔を2l0
SAWの伝搬速度をv0とすると、 v0=f0 ×4l0 (1) なる関係が成立する。この式から、高周波用のSAWフ
ィルタを作製するためには、次の手段を取ることが考え
られる。
【0005】櫛歯間隔l0を狭くする。 SAWの伝搬速度v0の速い材料を用いる しかし、帯域通過フィルタの材料として用いられている
ニオブ酸リチウム(LiNbO3)やタンタル酸リチウム(Li
TaO3)単結晶に比べて優れた特性をもち、かつSAWの
伝搬速度が速い材料は現在見つかっていない。そのた
め、GHz帯のフィルタを作製するにはの櫛歯間隔l0
を狭くする方法が一般に取られている。
【0006】こうした櫛歯電極作製は、フォトリソグラ
フィ技術を用いておこなわれる。フォトリソグラフィ技
術の最小線幅は、転写光の波長と同程度であり、例え
ば、電子ビーム露光を用いて、0.05μm程度の精度
が得られている。しかし、これを用いた量産化には、高
スループツトの電子ビーム露光装置が必要であり、高額
の投資を要する。
【0007】上に述べた0.05μmの線幅で櫛歯を作
製しフィルタにした場合、20GHz帯の送受信が可能
となる。しかし、それには、高額の電子ビーム露光装置
が必要であり、更に高周波のミリ波や準ミリ波デバイス
の要求を満たすフィルタの作製は、電子ビーム露光によ
るフォトリソグラフィ技術ではできない。更に短波長の
SOR(シンクロトロン露光放射光)のX線による露光
方法もあるが、未だ開発段階であり、しかも大規模の設
備を要する。
【0008】以上の問題に鑑みて本発明の目的は、高周
波に適し、製造の容易なSAWフィルタおよびその製造
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため本発
明の弾性表面波フィルタは、絶縁基板上に金属層と圧電
体層とを交互に積層された一対の櫛歯が互いに入り組ん
だ形の櫛歯電極部と、その上に形成された弾性表面波伝
搬部と、更にその上に形成された前記と同様の櫛歯電極
部とを有するものとする。
【0010】基板上に金属、圧電膜、金属、圧電膜と交
互に堆積させ、縦方向に櫛歯を作製する。薄膜の堆積の
精度は高く、厚さ0.01μmの膜の堆積も可能である
ため、SAWフイルタの限界を決める櫛歯間隔として、
現在の通常のフォトリソグラフィの限界である0.05
μm以下の寸法を実現できる。すなわち、櫛歯間隔の小
さな、従って高周波用のSAWフィルタが形成できる。
なお、0.01μm程度の厚さは、表面粗さ計、原子間
力顕微鏡(AFM)或いはエリプソメータで測定でき
る。
【0011】特に、圧電体層、弾性表面波伝搬層が、酸
化亜鉛(ZnO)または窒化アルミニウム(AlN)の
c軸配向多結晶膜からなるものとする。圧電物質を薄膜
化した場合、薄膜を配向させるか、または薄膜作製後分
極処理を施さないと圧電特性を得ることができない。そ
のため、配向性を得ることができる酸化亜鉛、窒化アル
ミニウムとチタン酸化膜ジルコン酸鉛(以下PZTと記
す)を圧電物質として使用するのがよい。
【0012】しかも上記の構造とすれば、速度の速いS
AWの縦波を使用でき、SAWの高速化を図ることがで
きる。表1にZnOとAlNの単結晶における縦波と、
横波の速度の違いを記載した。
【0013】
【表1】 前記の式(1)より同じ櫛歯間隔(この場合波長)でも
横波を使用するより高い周波数の波の伝搬が可能である
ことがわかる。
【0014】すなわち本発明のSAWフィルタは、同じ
圧電極体層を使用しても、従来のものより2〜3倍の高
周波に使用できることになる。金属層が、金(Au)、
金/チタン(Au/Ti)の複合膜、アルミニウム(A
l)、白金(Pt)のいずれかであるものとする。これ
らの金属層上では、ZnOとAlNとはc軸配向し易
い。
【0015】圧電層、弾性表面波伝搬層が、チタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT)は、Pt上ではc軸配向の多結晶
膜となるので、金属層をPtとするのがよい。基板は、
シリコンまたはガラスであるものとする。これらは、表
面の平滑なものが入手し易く、その上に形成された金属
膜の結晶軸配向性に優れる。
【0016】また、同様の理由で基板としてサファイア
のc面またはR面を用い、金属層として金/クロム(A
u/Cr)の複合膜を用いることもできる。櫛歯電極と
接続された端子電極が、積層体の上面に設けられている
ことがよい。そのようにすれば、電極寸法を大きくとる
ことができ、しかも上面にあれば、リードのボンディン
グが容易である。
【0017】圧電層を挟んで積層された金属層を側面に
形成した側面電極で接続し、櫛歯電極が構成されるもの
とする。そのようにすれば、櫛歯電極部の形成時のフォ
トリソグラフィの回数およびマスク数を少なくできる。
側面が積層体の表面に対して鈍角に傾斜していることが
よい。
【0018】そのようにすれば、側面電極の接着力が増
すと共に、金属層と側面電極との接触面積が広がり、櫛
歯電極の形成が確実におこなわれる。絶縁基板上に金属
層と圧電層とを交互に積層された一対の櫛歯が互いに入
り組んだ形の櫛歯電極部を有する弾性表面波フィルタの
製造方法としては、堆積した第一膜上にフォトレジスト
を塗布し、第一膜のパターン形成をおこない、第二膜を
堆積した後、前記フォトレジストを除去して、第一膜の
除去部を第二膜で埋めるものとする。
【0019】そのようなリフトオフ法を用いれば、それ
ぞれをフォトリソグラフィによって形成する方法に比
べ、フォトリソグラフィの回数が半分で済む。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のSAWフィルタは、基板
上に金属層と圧電体層とを交互に積層して形成された櫛
歯電極を有するものである。このため、SAWフイルタ
の限界を決める櫛歯間隔として、現在のフォトリソグラ
フィの限界以下の寸法を実現できるので、高周波に適す
るSAWフィルタとなる。
【0021】しかも、SAWのうちでも横波より速い縦
波を利用する構造としたので、前記(1)式から、SA
Wの高速化を図ることができ、より一層高周波に適する
SAWフィルタとなる。以下に図面を参照しながら本発
明の実施例について説明する。 [実施例1]図1は本発明第一の実施例のSAWフイル
タ101の斜視図である。
【0022】Auの金属層15とZnOの圧電体層12
とが交互に積層され、一枚置きの金属層15が端部で接
続されて櫛歯電極13となっている。櫛歯電極部16
は、一対の櫛歯電極13が互いにかみ合わされた形とな
っている。SAWフイルタ101は、ガラス基板11上
に、櫛歯電極部16、ZnOのSAW伝搬部14および
もう一方の櫛歯電極部16がこの順に積層されている。
SAW伝搬部14の厚さは1μm、金属層15と圧電体
層12との厚さは例えばそれぞれ0.01μmである。
厚さはAFMで測定した。SAWフイルタ101の幅と
奥行きは約0.2mmである。なお、金属層15と圧電
体層12との厚さはかならずしも同じにする必要は無
い。
【0023】図3(a)ないし(g)、図4(a)ない
し(f)および図6は、図1のSAWフィルタの製造方
法を説明するための一部の工程の断面図である。ガラス
基板11上に、高周波スパッタリングにより、金属層と
なるAu層15aを堆積する[図3(a)]。このAu
層15aは、(111)配向した面となる。
【0024】フォトレジスト20aを塗布し、第一のフ
ォトマスクを使用して、Au層15aのパターンを形成
する[同図(b)]。但し、フォトレジスト20aは直
ぐには剥離しない。その上に圧電体層12となるZnO
層12aを高周波スパッタリングにより堆積させる[同
図(c)]。
【0025】次に、フォトレジスト20aを剥離し、そ
の上のZnO層12aをリフトオフする[同図
(d)]。Au層15aのパターンの間にZnO層12
aが埋められ、ほぼ平坦な表面が得られる。その上にZ
nO層12bを高周波スパッタリングにより堆積させる
[同図(e)]。ZnO層12bは良好なc軸配向性を
持つ膜となる。
【0026】フォトレジスト20bを塗布し、第二のフ
ォトマスクを使用して、ZnO層12bのパターンを形
成する[同図(f)]。但し、フォトレジスト20bは
直ぐには剥離しない。その上にAu層15bを高周波ス
パッタリングにより堆積させ、フォトレジスト20bを
剥離し、その上のAu層15bをリフトオフする[同図
(g)]。ZnO層12bのパターンの間にAu層15
bが埋められ、ほぼ平坦な表面が得られる。
【0027】高周波スパッタリングによりAu層15c
を堆積し、その上にフォトレジスト20cを塗布し、第
三のフォトマスクを使用して、Au層15cのパターン
を形成する[図4(a)]。但し、フォトレジスト20
cは直ぐには剥離しない。その上にZnO層12cを高
周波スパッタリングにより堆積させ、フォトレジスト2
0cを剥離し、その上のZnO層12cをリフトオフす
る[同図(b)]。Au層15cのパターンの間にZn
O層12cが埋められ、ほぼ平坦な表面が得られる。
【0028】その上に圧電体層となるZnO層12dを
スパッタリングにより堆積させ、フォトレジスト20d
を塗布し、第二のフォトマスクを使用して、ZnO層1
2dのパターンを形成する[同図(c)]。但し、フォ
トレジスト20dは直ぐには剥離しない。その上にAu
層15dを高周波スパッタリングにより堆積させ、フォ
トレジスト20dを剥離し、その上のAu層15dをリ
フトオフする[同図(d)]。ZnO層12dのパター
ンの間にAu層15dが埋められ、ほぼ平坦な表面が得
られる。
【0029】高周波スパッタリングによりAu層15e
を堆積し、フォトレジスト20eを塗布し、第一のフォ
トマスクを使用して、Au層15eのパターンを形成す
る[同図(e)]。但し、フォトレジスト20eは直ぐ
には剥離しない。その上にZnO層12eを高周波スパ
ッタリングにより堆積させ、フォトレジスト20eを剥
離し、その上のZnO層12eをリフトオフする[同図
(f)]。Au層15eのパターンの間にZnO層12
eが埋められ、ほぼ平坦な表面が得られる。
【0030】このようにリフトオフ法を用いることによ
り、それぞれをフォトリソグラフィによって形成する方
法に比べ、フォトリソグラフィの回数が半分で済む。フ
ォトマスクを変えながら、Au層15とZnO層12と
の両層の堆積を繰り返し、入り組んだ櫛歯電極部16を
形成する。更に、櫛歯電極部16の上に、SAW伝搬部
14を積層し、もう一方のつ櫛歯電極部16を形成する
[図6]。櫛歯電極部16のZnO層は、最小4層あれ
ばよいが、10層以上積層すると伝搬特性がよくなる。
【0031】図6において、櫛歯電極13の背に当たる
部分で、ダイサーにより切断してチップ化すれば、図1
に示したSAWフィルタ101が得られる。以上説明し
たような工程で、ZnO層厚(櫛歯電極間隔)が0.0
1μmから0.1μmまでのフィルタを作製した。な
お、図1のSAWフィルタ101において、端面に積層
した金属層15が露出した例を示したが、かならずしも
露出している必要は無く、この面を絶縁物で覆っても良
い。また、パターンの工夫により、露出しないようにす
ることもできる。 [実施例2]図2は本発明第二の実施例のSAWフイル
タ102の斜視図である。
【0032】ZnOからなるSAW伝搬部24の両側
に、Au層25とZnO層22とが交互に積層されて互
いに入り組んだ櫛歯状の櫛歯電極部26a、26bがあ
り、一枚置きのAu層25の端部が接続されて櫛歯電極
23となっている。図1の実施例1との違いは、積層さ
れたAu層25の端が、側面に形成された側面電極27
によって接続され、櫛歯電極23とされている点、およ
びその側面電極27がSAWフィルタの上面まで延長さ
れて端子電極28が設けられている点である。上方の櫛
歯電極部26bのAu層25は、手前側の側面電極27
と接触していないが、奥の方の側面電極27と接触して
おり、やはり上面まで延長されて端子電極28が設けら
れているのである。21はガラス基板、29は酸化シリ
コン膜の保護膜である。
【0033】図5(a)ないし(h)および図7
(a)、(b)は、図4のSAWフィルタの製造方法を
説明するための一部の工程の断面図である。ガラス基板
上に、スパッタリングによりAu層25aを堆積させる
[図5(a)]。Au層25aは(111)配向性の膜
となる。フォトレジスト30aを塗布し、第一のフォト
マスクを使用して、Au層25aのパターンを形成する
[同図(b)]。但し、フォトレジスト30aは剥離し
ない。
【0034】その上にZnO層22aをスパッタリング
により堆積させる[同図(c)]。次に、フォトレジス
ト30aを剥離し、その上のZnO層22aをリフトオ
フする[同図(d)]。Au層25aのパターンの間に
ZnO層22aが埋められ、ほぼ平坦な表面が得られ
る。その上に圧電体となるZnO層22bをスパッタリ
ングにより堆積させる[同図(e)]。ZnO層22b
は良好なc軸配向性を持つ膜となる。
【0035】スパッタリングによりAu層25bを堆積
させ、フォトレジスト30bを塗布し、第二のフォトマ
スクを使用して、Au層25bのパターンを形成する
[同図(f)]。但し、フォトレジスト30bは剥離し
ない。その上にZnO層22cをスパッタリングにより
堆積させ、フォトレジスト30bを剥離し、その上のZ
nO層22cをリフトオフする[同図(d)]。Au層
25bのパターンの間にZnO層22cが埋められ、ほ
ぼ平坦な表面が得られる。
【0036】フォトマスクを変えながら、この両層の堆
積を繰り返し、入り組んだ櫛歯電極部26aを形成す
る。更に、SAW伝搬部24となるZnOを積層し、も
う一方の櫛歯電極部26bおよび最上の酸化シリコン層
29を形成する[図7(a)]。図では、上側の櫛歯電
極部26bのAu層25が、点線で示したダイシングの
予定部に達していないが、紙面奥行き方向の別の断面で
は、ダイシングの予定部に達しているのである。
【0037】積層した表面からダイサーによりガラス基
板21に達する溝50を形成し、スパッタリングによ
り、上面および溝50の内面にAu/Ti/Niの三層
を蒸着して、側面電極27とし、それによりAu層25
を連結して櫛歯電極23を形成するとともに、フォトリ
ソグラフィによりパターンを形成して端子電極28とす
る[同図(b)]。溝50の内面にAu/Ti/Niの
三層を蒸着する際には、ガラス基板21を傾け回転する
とよい。
【0038】図では、側面電極27が下側の櫛歯電極部
26aの金属層25とだけ接続されているが、上側の櫛
歯電極26bの金属層25は紙面奥側に形成された別の
側面電極27と接続されているのである。このようにし
て上下の櫛歯電極部26a、26bの各櫛歯電極23は
いずれも上面に取り出すことができる。この後ガラス基
板21を所定の大きさに切断し、チップ化してSAWフ
ィルタ102が完成する。
【0039】以上説明したような工程で、ZnO層厚
(櫛歯電極間隔)が0.01μmから0.1μmまでの
SAWフィルタを作製した。図8は、試作したSAWフ
ィルタの伝搬損失特性図である。横軸は周波数、縦軸は
伝播損失である。伝播損失が実用的な20デシベル以内
としても30GHzで使用できることがわかる。これ
は、本発明のSAWフィルタが、多層構造にしたことに
より、フォトリソグラフィ法による転写光の限界を越え
た0.01μmという櫛歯電極間隔を実現したこと、お
よび圧電体の縦方向振動を利用したことによる。
【0040】本発明の場合、櫛歯間隔の限界寸法は圧電
体層が圧電性を示す膜厚になるが、それは一般に薄膜の
粒径程度になる。従って粒径が小さく平坦な圧電体層が
できれば、更に高周波のSAWフィルタが作製できる。
また、特に偏平な粒形にできれば、更に高周波のSAW
フィルタが作製できるであろう。圧電物質として、Zn
Oの代わりとしてAlNを用いても同様の効果が得られ
る。また電極としてAuの代わりにAu/Ti、Al、
Ptを用いても同様の効果が得られる。また、圧電体と
してPZTを用いた場合、金属層がPt(111)の時
のみc軸配向性を示すことから、PZTの場合はPtを
金属層とするのがよい。
【0041】実施例102のSAWフィルタは、側面電
極27で櫛歯電極23を構成するようにしたので、実施
例101のSAWフィルタと比較してフォトリソグラフ
ィの回数が半分ですみ、製造し易いSAWフィルタであ
る。また、側面電極27が上面にまで延長され、大きな
端子電極28とされているので、組み立てが容易であ
る。 [実施例3]図9は本発明第三の実施例のSAWフイル
タ103の斜視図である。
【0042】SAWフイルタを構成する二組の櫛歯電極
部36のうちの各一方は、共通にすることができる。こ
の実施例3のSAWフィルタ103では、手前側の側面
電極37が上下の櫛歯電極部36の一方の櫛歯電極33
の共通の電極になつており、奥側の側面電極37がそれ
ぞれ他方の櫛歯電極の取り出しとなっている。側面に露
出している金属層35の間には、各一枚ずつ露出しない
金属層が挟まれているのである。このように端子電極3
8は、三つあればよく、側面電極37をそれぞれ別の側
面上に形成することもできる。 [実施例4]図10は、本発明第四の実施例のSAWフ
イルタ104の斜視図である。
【0043】積層されたAu層45が、側面に形成され
た側面電極47によって櫛歯電極43とされている点、
およびその側面電極47がSAWフィルタの上面まで延
長され端子電極48とされている点は図2の実施例10
2と同じである。実施例102のSAWフィルタとの違
いは、側面が傾斜していて、上面と鈍角をなしている点
である。
【0044】そのため、側面電極47の接着力が増すと
共に、Au層45と側面電極47との接触面積が広が
り、櫛歯電極43の形成が確実におこなわれる。傾斜し
た側面は、V字型の先端をもったダイシングホィール
で、基板41に達するV字型の溝を形成して実現され
る。試作したSAWフィルタは実施例102のSAWフ
ィルタとほぼ同じ伝搬損失特性を示した。 [実施例5]実施例2のガラス基板の代わりにサファイ
ア(Al2 3 )のc面を用いて、図2の形のSAWフ
ィルタを作製した。金属層としてはAu/Crを用い、
圧電体層としてはZnOをエピタキシャル成長させた。
【0045】このようにして作製したSAWフィルタの
伝搬損失も、図8に示した。実施例2のものに比べて伝
搬損失が少ない。特に高周波側で顕著であり、約120
GHzまで使用可能であることを示している。これは、
サファイア上では結晶粒界がほとんどない単結晶に近い
ZnO層が得られるため、粒界によるSAWの散乱が抑
制され、高周波特性が良くなったためである。
【0046】基板としてサファイアのc面の代わりにR
面を用いても同様の効果が得られる。圧電体層としてZ
nOの代わりにAlNを用いても同様の効果が得られ
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明のSAWフィ
ルタは、基板上に金属層と圧電体層とを交互に積層して
形成された櫛歯電極を有するものである。このため、S
AWフイルタの周波数限界を決める櫛歯間隔として、例
えば0.01μmという従来のフォトリソグラフィの限
界以下の寸法を実現でき、高周波に適するSAWフィル
タとなる。
【0048】しかも、SAWのうちでも横波より速い縦
波を利用する構造としたので、SAWの高速化を図るこ
とができ、より一層高周波に適するSAWフィルタとな
る。。その結果、従来作製が極めて困難であった30〜
120GHzの高周波用SAWフィルタが、容易に実現
できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1のSAWフィルタの斜視図
【図2】本発明実施例2のSAWフィルタの斜視図
【図3】(a)〜(g)は図1のSAWフィルタの製造
方法を説明するための工程順の断面図
【図4】(a)〜(f)は図3(g)に続く工程順の断
面図
【図5】(a)〜(h)は図2のSAWフィルタの製造
方法を説明するための工程順の断面図
【図6】図4(f)に続く工程の断面図
【図7】(a)、(b)は図5(h)に続く工程の断面
【図8】本発明実施例2、5のSAWフィルタの伝搬損
失特性図
【図9】本発明実施例3のSAWフィルタの斜視図
【図10】本発明実施例4のSAWフィルタの斜視図
【図11】従来のSAWフィルタの例の斜視図
【符号の説明】
1、11、21、31、41 基板 2、12、12a〜e、22、22a〜d、32 圧電
体層またはZnO層 3、13、23、33、43 櫛歯電極 4、14、24、34 SAW伝搬部 5、15、15a〜e、25、25a〜b、35、45
金属層またはAu層 16、26a、26b、36 櫛歯電極部 27、37、47 側面電極 28、38、48 端子電極 29、39 保護層 20a〜e、30a〜b フォトレジスト 50 溝 100、101、102、103、104 SAWフィ
ルタ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に金属層と圧電層とを交互に積
    層した一対の櫛歯が互いに入り組んだ形の櫛歯電極部
    と、その上に形成された弾性表面波伝搬部と、更にその
    上に形成された前記と同様の櫛歯電極部とを有すること
    を特徴とする弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】圧電層、弾性表面波伝搬部が、酸化亜鉛ま
    たは窒化アルミニウムのc軸配向多結晶膜からなること
    を特徴とする請求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  3. 【請求項3】金属層が、金、金/チタンの複合膜、アル
    ミニウム、白金のいずれかであることを特徴とする請求
    項2に記載の弾性表面波フィルタ。
  4. 【請求項4】圧電層、弾性表面波伝搬部が、チタン酸ジ
    ルコン酸鉛のc軸配向多結晶膜からなり、金属層が白金
    であることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波フィ
    ルタ。
  5. 【請求項5】基板が、シリコンまたはガラスであること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の弾性
    表面波フィルタ。
  6. 【請求項6】基板としてサファイアのc面またはR面を
    用い、金属層として金/クロムの複合膜を用いたことを
    特徴とする請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  7. 【請求項7】櫛歯電極と接続された端子電極が、積層体
    の上面に設けられていることを特徴とする請求項1ない
    し6のいずれかに記載の弾性表面波フィルタ。
  8. 【請求項8】圧電層を挟んで積層された金属層を側面に
    形成した金属膜で接続し、櫛歯電極が構成されることを
    特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の弾性表
    面波フィルタ。
  9. 【請求項9】側面が積層体の表面に対して鈍角に傾斜し
    ていることを特徴とする請求項8記載の弾性表面波フィ
    ルタ。
  10. 【請求項10】絶縁基板上に金属層と圧電層とを交互に
    積層された一対の櫛歯が互いに入り組んだ形の櫛歯電極
    部と、その上に形成された弾性表面波伝搬部と、更にそ
    の上に形成された前記と同様の櫛歯電極部とを有する弾
    性表面波フィルタの製造方法において、堆積した第一膜
    上にフォトレジストを塗布し、第一膜のパターン形成を
    おこない、第二膜を堆積した後、前記フォトレジストを
    除去して、第一膜の除去部を第二膜で埋めることを特徴
    とする弾性表面波フィルタの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000071594A (ko) * 1999-04-09 2000-11-25 무라타 야스타카 압전 공진자, 압전 부품 및 래더 필터
SG98427A1 (en) * 1999-09-30 2003-09-19 Tdk Corp Multilayer piezoelectric device and method of producing same
US7245060B2 (en) 2004-09-24 2007-07-17 Murata Manufacturing Co., Ltd. Piezoelectric resonator, method for manufacturing the same, piezoelectric filter, and duplexer

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