JPH10509337A - 吸収性製品用カバーシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 衛生製品用の吸収性本体の被覆を備えるカバーシート。該カバーシートは少なくとも一方向に弾性であり、かつ貫通して延びる穿孔（３０）を有する。該構造は、吸収性本体の外方に面することを意図し、かつ不織布繊維材料を含む上方層（３６）；弾性フィルム（１１）を含む中間層；吸収性本体の内方に面することを意図し、かつ不織布繊維材料を含む下方層（３２）を含み、該上方及び下方層は本質的に穿孔の周囲の外縁（３８）でのみ中間層に結合されている。

Description

【発明の詳細な説明】 吸収性製品用カバーシート 本発明は、吸収性製品用カバーシート、特に、生理用ナプキン、おむつ及び 成人用生理用パッドのような衛生製品用のカバーシートに関する。該製品は、月 経液、尿及び血液のような体液を吸収しかつ収納することを目的とされるので、 通常、使い捨て製品、すなわち、使用後に廃棄される製品として使用される。 このような製品は、典型的には、多量の液体を吸収しかつ収納することがで きる多孔質材料からなる吸収性芯を包む。該芯は使用者の身体に面することを目 的としたトップ面及び外部環境に面することを目的としたバック面を有するもの として関係付けることができる。吸収性芯はほぼ常にトップ面を覆うシートを有 し、一般に、またここではトップシートと呼ばれ、通常、常にではないが、吸収 性芯はさらに、バック面を覆い、一般に、またここではバックシートと呼ばれる カバーシートを有する。トップシートは吸収性芯中に体液を通過させるために液 体透過性でなければならない。この目的から、例えば、トップシート中に穿孔を 設けることが知られている。本発明はトップシートの新規な構造に関する。 近年まで、すべての、または少なくとも本質的にすべての、衛生使用のため の吸収性製品は本質的にまたは全体として非弾性である。本出願と同日に提出さ れた、［出願人整理番号ＤＲ５１１の名称］という名称の我々の関連出願は、パ ンティーライナーの成形を好ましい実施例とする一つのこのような吸収性製品を 開示するものである。 このような吸収性製品を構成する場合に生じる問題の一つは、適切なトップ シートの供給にある。弾性吸収性製品のある成形品においては、少なくともトッ プシートそのものは弾性であることが必要であるかもしれない。そして、現在、 適切な弾性トップシートは入手可能でないということが信じられている。これを 解消することが本発明の課題である。 EP-A-207904には、貫通して延びる穿孔を有し、吸収性本体の外方に面する ようにされ、かつ不織布材料からなる上方層、フィルムからなる中間層、及び吸 収性本体の内方に面するようにされ、かつ不織布材料からなる下方層を含む構造 の吸収性衛生製品の吸収性本体を被覆するカバーシートが開示されている。弾性 トップシートは、EP-A-207904が開示する、そこで用いられた中間層の代わりに 弾性フィルムを使用する改良成形法により製造され得ることが知られている。３ つの層を共に結合するための方法は、一見したところでは、繊維層にその両側を 結合する結果として、弾性フィルムがその弾性機能をもはや示すことができない 結果を生じることが期待されるであろうから、これは驚くべきことである。しか しながら、EP-A-207904に開示されたこの方法は、この効果を実際に持っていな いので、改良されるべきであるということが分かった。該改良は、上方層及び下 方層が本質的に穿孔の周囲の外縁でのみ中間層に結合されるので、これは弾性フ ィルムが少なくとも一方向にその弾性を示すことを持続させることを許容すると いう効果を有する。 かくて、本発明によれば、吸収性衛生製品の吸収本体を被覆するためのカバ ー構造が供給され、該構造は、貫通して延びる穿孔を有し、少なくとも一方向に 弾性であることを有し、該構造は下記構成を含む： （ａ）吸収性本体の外方に面することを意図し、かつ不織布繊維材料を含む上方 層； （ｂ）弾性フィルムを含む中間層； （ｃ）吸収性本体の内方に面することを意図し、かつ不織布繊維材料を含む下方 層；該上方及び下方層は本質的に穿孔の周囲の外縁でのみ中間層に結合される。 該上方及び下方層は、個々の繊維が本質的な広がりに対して互いに整列され ている不織布で形成されていても良い。したがって、トップシートは、繊維の整 列方向を横切る方向に弾性となるが、整列方向に平行な方向には実質的に非弾性 となろう。このことから、上方及び下方層を互いに垂直な整列方向を有するよう にすることはできないから、トップシートは本質的に非弾性となろう。これとは 逆に、通常、上方及び下方層と同じ整列方向を有することになろう。もしも上方 及び下方層の一方または両方における繊維がランダムに配向されていれば、全て の方向にいくらか弾性であろうが、繊維が配向されている場合、得られる弾性は むしろ少ないであろう。完全な配向および完全なランダムの二つの極限の間に中 間の可能性があること、およびこれが弾性の中間の量、および異なる方向に弾性 の量の間により大きなまたはより小さな差を与えるであろうことは評価に値しよ う。 上方及び下方層として用いられる材料は、EP-A-207904に開示されたものと 同じものとすることができるが、これと同じである必要はない。したがって、例 えば、両層は、梳かれた繊維、例えば、ポリプロピレン繊維または日本の株式会 社チッソから商標名チッソＥＳで市販されているコンジュゲートファイバーで製 造されても良い。該上方及び下方層は、疎水性、親水性でも、また少なくとも一 領域が疎水性で、かつ少なくとも一つの領域が親水性であっても良い。 弾性フィルムとして用いられる材料は、好ましくは熱可塑性エラストマーを 基とし、適当な材料は、スチレン系ブロック共重合体（スチレン−ブタジエン− スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン ブチレン− スチレンおよびスチレン−エチレン プロピレン−スチレン共重合体のようなも の）、弾性ポリウレタン、ポリエステルおよびポリエーテルエラストマーおよび その共重合体、ポリエステル−アミド、ポリ−エーテル−エステル アミドおよ びアイオノマー（鎖がイオン相互作用により結合される重合性材料）を含む。そ の他の適当な材料はそのブレンドまたはポリオレフィン材料（ポリプロピレン、 ポリエチレン、およびその共重合体、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体）とＥ ＰＲまたはＳＢＲゴムのようなゴムとのブレンドを含む。 該フィルムは、好ましくは８〜１００μｍ、より好ましくは７０μｍ以下、 さらに好ましくは３０〜５０μｍの厚さを有する。しかしながら、必要ならば、 より薄いフィルム、厚さ１５〜３０μｍのものも使用することができる。好まし いフィルムの一つとしてはエッソ ケミカル コーポレーションから市販されて いる商標名ＥＸＸ５００を用いることができる。これは厚さ５０μｍのものとし て利用可能である。これらの値はフィルムの真の厚さを基準とする。エンボスさ れたフィルムを使用する場合、エンボスを含めて見掛けの厚さ、例えば５００μ ｍより大きな厚さのものを使用してもよい。 ここで添付した図面について言及する： 図１は本発明によるトップシートの製造方法を図式的に示す； 図２は本発明によるトップシートの態様のための応力−歪曲線である； 図３は図２に関連するトップシートの態様のためのヒステリシス線図である ； 図４は該態様に用いられた弾性フィルムのためのヒステリシス線図である； 図５は以下に示す本発明による材料を示す顕微鏡写真である； 図６は図５の材料の横断面図を示す拡大した顕微鏡写真である； 図７は図６に見る材料を本質的に示す透視、略図である。 図１に詳細に示すように、これはそれぞれポリプロピレンウエブもしくはそ の他の適当な繊維を連続的に供給する２つのカード２１、２２を含む一般に２０ で示される装置を概略的に示すものである。カード２１から供給されたウエブは 上方層１０およびカード２２から供給されたウエブは下方層１２をそれぞれ形成 する。中間層１１を構成するようにされた弾性フィルムは、一般に２３で示され るリールから連続的に巻き戻される。 ウエブ１０および１２およびフィルム１１は、フィルム１１がウエブ１０お よび１２の間に挿入されるように２つのガイドローラーに向かって供給される。 次いで、製造された組立体５′は、平行軸を有する２つの逆転重ね合せローラー ２６、２７から構成される一般に２５で示される穿孔および結合ステーションに 導かれる。下方ローラー２７は、組立体５′に対する回転支持体として作用し、 一般に平滑表面を有する。しかしながら、上方ローラー２６は、最終製品５に形 成されることが望まれる孔の配列に対応する配列で配置された歯または突起を有 する。少なくともローラー２６はウエブ１０のこれら繊維の部分的溶融を起こし てローラーが接触するようになるまで充分な温度に加熱される。 ローラー２６の歯または突起はストリップ５を貫く。これは同時にストリッ プ中に上述した穿孔を形成するように働き、結果としてウエブ１０および１２に フィルム１１を熱を使って結合させる。これはウエブ１０から繊維が孔の中に型 抜かれ、それがフィルム１１、ある場合にはウエブ１２に結合するという事実の 効果により起こる。またフィルム１１から材料がウエブ１２中に型抜かれ、そこ で熱を使って結合される。該結合は部分的には歯からの熱の結果であり、部分的 には歯が加える圧力からの結果である。フィルム１１とウエブ１０および１２と の間の結合は穿孔の外縁においてのみ生じる。この限定された結合の効果は弾性 フィルムがその弾性を明確に継続することができるのはウエブ１０の繊維の配向 方向に直行する方向であるということである。このことは、既に述べたように、 ウエブ１０中の繊維が全て互いに整列し、ウエブ１２中の繊維が全て互いに整列 し、かつウエブ１０中の繊維がウエブ１２中の繊維と整列する場合、最終製品は 、最大の弾性を有する。 本発明による構造物のさらなる詳細は、図５、６および７に見ることができ る。図５は下方繊維層の穿孔３０および繊維３２の四方配置を示す。同じく、図 ５に図示するように、それぞれの穿孔３０の周囲の外縁に、構造物を製造する過 程で穿孔中に押し破られた中間弾性フィルムの部分が見える。一つの穿孔３０を 貫通する線に沿って切断された図６に示す横断面図は、上方繊維層の繊維３２、 フィルム１１および繊維３６を示す。図７は本質的に図６におけるものを示すの であるが、簡素化されて、略図による図示したものである。引用数字３８は繊維 層と弾性フィルムとが共に結合した各穿孔３０の周囲の外縁の領域を示す。 上述した穿孔のサイズおよび間隔は製品の使用目的により選定される。しか しながら、各方向に長さ１ｃｍ当たり約７個の穿孔（すなわち、１ｃｍ²当たり ４９個の穿孔）をもって四方配置に配列された穿孔を設けることが適当であるこ とが分かっている。しかし、穿孔はその他の配列およびサイズにおいても用いら れるということは強調されるべきである。その詳細についは先に引用したEP-A-2 07904に開示される事項が参照される。 本発明によるトップシートの一つの態様が実施例によりさらに詳細に立証さ れよう。該トップシートは上方ウエブ１０および下方ウエブ１２からなり、両者 はポリプロピレンの１．７dtexの梳かれた繊維から製造される。上方ウエブは１ ．２：１の比で下方ウエブの基本重量よりも大きい基本重量を有し、２つのウエ ブの結合された基本重量は３０ g/m²である。フィルム１１は、熱可塑性エラス トマーの、スチレン系ブロック共重合体を基とするフィルムで、厚さ４０μｍ及 び基本重量約３５ g/m²を有し、これは商標名ＥＸＸ ５００としてエクソン 化 学会社から市販されているものである。それ故、材料の全基本重量は約６５ g/m² である。穿孔は該材料中に四方配置で形成され、各穿孔のサイズは約０．７mm の長さを有し、かつ隣接する穿孔の中心の間の間隔は約１．４mmである。 ここに述べた態様は種々の改良が施されても良いことは理解されるであろう 。例えば、ウエブ１０および１２はあるものは他の径を有する繊維でできていて もよい（一例として、２．２dtexの繊維もまた使用され、受け入れられるという ことが分かっているが、１．７dtexで得られた結果が最高である。）。また、下 方ウエブの基本重量に対する上方ウエブの基本重量の比は１．２：１とは別の値 を有してもよいが、その値は好ましくは１：１から２：１までの範囲である。 図２〜４に示すグラフはつい今述べた態様に関するものである。図２は付与 された力が材料の直交サンプルに適用された場合に達成される％伸び率を示す。 該力はサンプルの幅で分けられた１インチ当たりの力Ｎ、すなわち、加圧方向へ の曲げの距離として示される。これは、適当な力のみの適用でもって、材料を破 壊することなく、それ自身の長さに少なくとも等しい量で材料を引き伸ばすこと が可能であることを示している。 図３は該態様のサンプルにヒステリシス試験を実施した結果を示している。 これは、各伸びの間で０．０５N/inchに緩和される力をもって、各回４０％まで サンプルが伸びるように３回伸ばされる。このグラフは、４０％の伸び率を達成 するのに要求される力が一つの伸びから次の伸びまでで僅かに変化したこと、お よび３回の伸びにより生じた残留歪み（すなわち、永久歪み）の量が１０％以下 であったことを示している。 図４は、図３と同様な試験により実施された結果であるが、弾性フィルムそ のものについて行われたものである。図３および４の比較は、フィルムそれ自体 から該フィルムを組み込んだ弾性製品までの実施において、１N/inchの力により 生じた伸び率は約４０％から約２５％に低下することを示している。これは弾性 フィルムが２つの全く本質的に非弾性ウエブに結合している弾性製品において心 に留めおくべき著しく小さな低下挙動であることを示している。 図２〜４に図示した試験は、全て長さ５０mm、幅２５．４mmのサンプルにつ いて実施され、伸び率は１００mm/minで実施された。 該試験は、本発明によるカバーシートの２つの成形品（一方が親水性の上方 および下方ウエブを有し、他方が疎水性の上方および下方ウエブを有する）とこ れに対応するEP-A-207904によるカバーシートの２つの成形品との再濡れ作用を 比較することで実施された。 全ての例において上方および下方ウエブの繊維はポリプロピレン製のもので あった。EP-A-207904によるカバーシートはポリオレフィン材料の非弾性の中央 フィルムを有した。試験の結果は、次の表に示され、２０ g/m²の圧力下でのサ ンプルの厚さを示す。 該試験は、非弾性フィルムとは対象的に弾性フィルムの使用はカバーシート の再濡れ作用の点で充分な効果を有さないことを示している。 該再濡れ試験を実施するために用いられた方法および該試験に用いられた合 成尿の詳細を下記に示す。再濡れ 製品を不浸透性表面に載せ、合成尿２mlをこの製品に添加し、ついでこれを ５分間放置する。それぞれの重量が２２０ g/m²の吸収紙５枚を該製品の上に被 せ、その上に製品の部分に５．９kPaの圧力を出す重量で加重下におかれる。該 加重は１５分間その場所にかけられる。吸収紙により吸収された液体の量を再濡 れ値とする。合成尿 用いられた合成尿は次の塩類を（重量％で）蒸留水に溶かした溶液である： 尿素２％、塩化ナトリウム０．９％、硫酸マグネシウム（７水和物）０．１１％ 、塩化カルシウム０．０６％。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 吸収性衛生製品の吸収本体を被覆するためのカバー構造において、該構 造は、貫通して延びる穿孔を有し、少なくとも一方向に弾性であることを有し、 該構造は下記構成を含む： （ａ）吸収性本体の外方に面することを意図し、かつ不織布繊維材料を含む上方 層； （ｂ）弾性フィルムを含む中間層； （ｃ）吸収性本体の内方に面することを意図し、かつ不織布繊維材料を含む下方 層；該上方及び下方層は本質的に穿孔の外縁でのみ中間層に結合されている上記 カバー構造。 ２． 該上方及び下方層の少なくとも一つが梳かれた繊維で成形されている請 求項１記載の構造。 ３． 該上方及び下方層の少なくとも一つがポリプロピレン繊維を含む請求項 １または２記載の構造。 ４． 該上方及び下方層の少なくとも一つがコンジュゲートファイバーを含む 請求項１または２記載の構造。 ５． 該上方及び下方層の少なくとも一つが少なくとも部分的に疎水性である 前記請求項のいずれかに記載の構造。 ６． 該上方及び下方層の少なくとも一つが少なくとも部分的に親水性である 前記請求項のいずれかに記載の構造。 ７． 該弾性フィルムが熱可塑性エラストマーを基とする前記請求項のいずれ かに記載の構造。 ８． 該エラストマーがスチレン系ブロック共重合体である請求項７記載の構 造。 ９． 該共重合体がスチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン −スチレン、スチレン−エチレン ブチレン−スチレンおよびスチレン−エチレ ン プロピレン−スチレン共重合体から構成される群から選択される請求項８記 載の構造。 １０． 該エラストマーがポリウレタンである請求項７記載の構造。 １１． 該エラストマーがポリエステル、ポリエーテルおよびその共重合体か ら構成される群から選択される請求項７記載の構造。 １２． 該エラストマーがポリエステル−アミドおよびポリ−エーテル−エス テル アミド共重合体から構成される群から選択される請求項７記載の構造。 １３． 該エラストマーがアイオノマーである請求項７記載の構造。 １４． 該エラストマーがエチレン−酢酸ビニル共重合体とゴムとのブレンド である請求項７記載の構造。 １５． 該エラストマーがポリオレフィンとゴムとのブレンドである請求項７ 記載の構造。 １６． 該ポリオレフィンがポリプロピレン、直鎖低密度ポリエチレンおよび ポリエチレン／ポリプロピレン共重合体から構成される群から選択される請求項 １５記載の構造。 １７． 該弾性フィルムが約１００μｍ以下の厚さを有する前記請求項のいず れかに記載の構造。 １８． 該弾性フィルムが約７０μｍ以下の厚さを有する請求項１７記載の構 造。 １９． 該弾性フィルムが３０〜５０μｍの厚さを有する請求項１８記載の構 造。 ２０． 該弾性フィルムが１５〜３０μｍの厚さを有する請求項１８記載の構 造。 ２１．前記請求項のいずれかに記載のカバー構造を少なくともその一面に備える 吸収性衛生製品。