JPH10507758A - アデノウイルスおよび免疫抑制剤同時反復投与を伴う遺伝子治療 - Google Patents

アデノウイルスおよび免疫抑制剤同時反復投与を伴う遺伝子治療

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JPH10507758A JP8514013A JP51401396A JPH10507758A JP H10507758 A JPH10507758 A JP H10507758A JP 8514013 A JP8514013 A JP 8514013A JP 51401396 A JP51401396 A JP 51401396A JP H10507758 A JPH10507758 A JP H10507758A
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Abstract

(57)【要約】 遺伝子治療処置を宿主に実施する一つの方法であって、(a)宿主に同時に(i)治療薬をコード化する少なくとも1個のDNA配列を含むアデノウイルスベクターおよび(ii)免疫抑制剤を投与し、(b)前記アデノウイルスベクターおよび前記免疫抑制剤の投与を中断し、また(c)アデノウイルスベクターおよび免疫抑制剤の投与を少なくとも1回反復する段階よりなることを特徴とする方法。アデノウイルスベクターおよび免疫抑制剤の投与を反復して行う治療のコースは治療薬をコード化する少なくとも1個のDNA配列の発現を持続あるいは増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】 アデノウイルスおよび免疫抑制剤同時反復投与を伴う遺伝子治療 この出願は1995年6月7日受理された出願番号08/478,482号を 部分継承するものであり、後者は1994年10月19日受理された出願番号0 8/325,679号を部分継承するものであり、これらの開示は引用例として 組み込まれている。 この発明は遺伝子送達手段としてのアデノウイルスの使用を含む遺伝子治療に 関する。より詳細には、この発明はアデノウイルスおよび免疫抑制剤の同時反復 投与を伴う遺伝子治療に関し、それにより遺伝子治療処置の効率はアデノウイル スに対する免疫応答の抑制を通じて高められる。 発明の背景 アデノウイルスゲノムは約36キロ塩基対の線形二本鎖DNA分子である。ウ イルスゲノムの各端は逆方向末端反復(つまりITR)として知られる短い配列 を持ち、これはウイルス複製に必要である。アデノウイルスのよく特徴付けられ た分子遺伝的特徴が、それに遺伝子転移のための有利なベクターを与える。ウイ ルスゲノムの部分は外部起源のDNAで置換することができる。加えて組換えア デノウイルスは構造的に安定である。 アデノウイルスは細胞内への生体内での遺伝子転移に非常に 効率的であり、かくして望ましい遺伝子を真核細胞内に導入するための送達手段 として使用されこれによりアデノウイルスはこのような遺伝子を真核細胞に細胞 レセプターと結合することにより送達する。しかしアデノウイルス遺伝子転移に はいくつかの制約があり、それはアデノウイルスベクター粒子、つまりベクター 粒子の分解産物あるいは形質導入細胞のどちらかに向けられる宿主応答に部分的 に帰因するものである。これらの宿主応答は非特異的応答および特異的免疫応答 を含む。非特異的応答は炎症性および非炎症性変化を含む。後者の一例は宿主の 細胞遺伝子発現の変化である。特異的免疫応答は各種の細胞応答および体液抗体 応答を含む。細胞応答はTヘルパーリンパ球、Tサプレッサーリンパ球、細胞毒 Tリンパ球(CTL)、およびナチュラルキラー細胞により送達されるものを含 む。 遺伝子転移で送達されたアデノウイルスベクターの高い効率にも拘らず、遺伝 子転移で送達されるアデノウイルスベクターの一過性性質は、アデノウイルスベ クターの反復投与が必要であることを示唆している。しかしコットンラットの最 近の研究は、アデノウイルスベクターに向けられた宿主免疫応答が反復投与後遺 伝子転移および発現の効率減少と相関することを示した。イエイ、他、遺伝子治 、1巻:192−200ページ(1994年)。 スミス、他、自然遺伝学、5巻、397−402ページ(1993年)は、ヒ ト因子IX遺伝子を含むアデノウイルスベクターのマウスへの投与を開示する。こ のような投与は血友病B患者に治療効果のあるヒト因子IXの肝臓形質導入および 血漿 水準に効率を改善した。しかしヒト因子IX水準は注入9週後にはゆっくり基線ま で下がり、第2ベクター注入によっても回復しなかった。スミス、他はまた、ア デノウイルスに対する中和抗体がアデノウイルスの反復投与の成功を遮断するこ とも発見した。 コザルスキー、他、生物化学ジャーナル、269巻、18号、13695−1 3702ページ(1994年5月6日号)は、ラビットに対するLDLレセプタ ーをコード化するDNAを含むアデノウイルスベクターの注入を開示する。LD Lレセプター遺伝子の安定した発現がラビット内で7日から10日見出され、検 出できない水準に3週間で減少した。アデノウイルスに対する中和抗体の成長が 完全に効力のなくなる第2回目の用量で生じた。 カッス−アイスラー、他、遺伝子治療、1巻、395−402ページ(199 4年)は、T細胞応答がそれだけに帰因するものではないがアデノウイルスから の成人の発現の限定された継続に寄与することを示唆する。この著者は更にシク ロスポリンAがベクターに対する体液応答を遮断するのに効果的ではないことも 示している。 ファング、他、細胞生化学ジャーナル、補巻21A、C6−109、363ペ ージ(1995年)は免疫抑制剤であるシクロスポリンAで処置された犬におけ るアデノウイルスベクターの再注入の試みを開示する。この再注入の試みは不成 功であった。 ヤング、他、全米科学アカデミー紀要、91巻、4407− 4411ページ(1994年5月)はE1aおよびE1b領域の欠失した組換え アデノウイルスを説明する。このようなウイルスは更に移植遺伝子を含む。この アデノウイルスは、望ましい移植遺伝子を発現する組換えウイルスゲノムを内蔵 する動物宿主細胞に投与される。しかしウイルス遺伝子の発現は低い水準に止ま る。ウイルス特異的細胞免疫応答は遺伝子修飾細胞の破壊に導くように刺激され 、これにより移植遺伝子の発現の継続を限定する。 前記の研究は有効なベクターの再投与を妨げ発現の有効性を限定するアデノウ イルスベクターに対する宿主免疫応答を阻止し遮断する方法の必要性を明確に立 証する。しかしそれはこれをどのようにして達成するかについては記述していな い。 従ってこの発明の目的は、アデノウイルスベクターに対する免疫応答の抑制を 通じて、アデノウイルスベクターの反復投与による遺伝子転移の持続有効性、お よび転移遺伝子の持続発現を提供することにある。 図面の簡単な説明 この発明はここで図面と関連して説明され、ここで、 図1はプラスミドpHRの構築の図形である。 図2はアデノウイルスITR、包膜シグナル、ラウス肉腫ウイルスプロモータ ー、アデノウイルス三部分リーダー配列、および結合配列を含む発現ベクター構 築の図形である。 図3はプラスミドpAvS6構築の図形である。 図4はプラスミドpAvS6の地図である。 図5はプラスミドpBQ4.7の地図である。 図6はプラスミドpAvS6−CFTRの地図である。 図7はアデノウイルスベクターAv1Luc1およびAv1Cf2の図形であ る。 図8はプラスミドpGEM−1ucの地図である。 図9はプラスミドpAvS6−lucの地図である。 図10A、10Bおよび10Cはベクター投与3日後のAv1Cf2投与に応 答する肺の組織的外観を描く。 図11Aおよび11BはAv1Cf2投与3日および42日後の肺洗浄細胞で のデキサメタゾン投与の効果を示すグラフである。 図12はデキサメタゾンで処置され、あるいは処置されなかったAv1Cf2 感染ラットからの肺洗浄サンプルの抗アデノウイルス抗体力価のグラフである。 図13はAv1Cf2で感染42日後のラットにおけるCTL応答のグラフで ある。 図14はデキサメタゾンで処置され、あるいは処置されなかったもので、次い でAv1Luc1で感染されたAv1Cf2感染ラットにおけるルシフェラーゼ 酵素活性のグラフである。 図15はプラスミドpAv1H9FRの地図である。 図16はアデノウイルスベクターAv1H9F2の図形である。 図17はAv1H9F2を与えられ、免疫抑制剤デオキシスペルグアリン、シ クロホスファミド、あるいはデキサメタゾンの一つで処置あるいは処置されずま た5週早く Av1LacZ4を投与されあるいは投与されなかったマウスにおける血漿ヒト 因子IXのグラフである。 図18は1−103から1×108pfuのAv1LacZ4を受け入れ、次い で5週後Av1H9FRの投与を受けたマウスにおける血漿因子IX水準(ng/ ml)のグラフである。 図19はAv1LacZ4を与えられ、免疫抑制剤を与えられなかったかある いはデオキシスペルグアリン、シクロホスファミドあるいはデキサメタゾンで処 置されたマウスにおける中和抗体力価のグラフである。 図20はAv1LacZ4を与えられ、かつ免疫抑制剤を与えられなかったか あるいはシクロホスファミドを与えられ、次いでシクロホスファミド処置あるい は処置なしでAv1H9F2を投与され、更に次いでAv1ALAPH81を投 与されたマウスにおける血漿因子VIII水準のグラフである。また、 図21はAv1LacZ4およびデオキシスペルグアリン0mg/kg、5m g/kg、10mg/kg、20mg/kg、あるいは33mg/kgを受け、 次いでAv1H9F2を投与されたマウスにおける血漿因子IX水準(ng/ml )のグラフである。 発明の詳細な説明 この発明の一つの見地に従って、遺伝子治療処置を宿主で実施する一つの方法 が提供される。この方法は宿主に(i)少なくとも1個のDNA配列を含むアデ ノウイルスベクター、および(ii)免疫抑制剤を投与することよりなる。アデノ ウイルス ベクターおよび免疫抑制剤の投与のコースは次いで停止される。免疫抑制剤とア デノウイルスベクターの投与は次いで少なくとも1回反復される。アデノウイル スベクターは宿主に治療効果を生じるのに有効な量で投与される。免疫抑制剤は 体液およびもしくはベクターに対する細胞免疫応答およびもしくはベクターを含 む細胞を阻止あるいは抑制するのに有効な量で投与される。 ここで使用される「DNA配列」という用語は一般にポリデオキシリボヌクレ オチド分子を引用し、より詳細には隣接するペントースの3′および5′炭素の 間のホスホジエステル結合により1個から他へと結合する線状シリーズのデオキ シボヌクレオチドを引用する。 出願人が発見したのは、免疫抑制剤がアデノウイルスベクターと併用して投与 され、また次いでベクターの投与が反復される時には、アデノウイルスベクター およびもしくはベクターで形質導入された細胞に対する(体液抗体応答などのよ うな)免疫応答の抑制を通じてアデノウイルス媒介遺伝子転移の生体内反復の効 率向上が達成され、これにより転移遺伝子の発現増加を達成できるということで あった。 使用されるアデノウイルスベクターは、一つの実施例において基本的に完全ア デノウイルスゲノムを含むアデノウイルスベクターである。シェンク、他、微生 物免疫学の今日の主題 、111巻(3号):1−39ページ(1984年)。代 替的には、アデノウイルスベクターは少なくともアデノウイルスゲノムの一部が 欠失している修飾アデノウイルスベクターであ る。 も一つの実施例において、アデノウイルスベクターはアデノウイルス5′IT R、アデノウイルス3′ITR、アデノウイルス包膜シグナル、治療薬をコード 化する少なくとも1個のDNA配列、治療薬をコード化する少なくとも1個のD NA配列を制御するプロモーターよりなる。このベクターは大多数のアデノウイ ルスE1およびE3DNA配列を欠失しているが、すべてのE2およびE4DN A配列、およびアデノウイルス主要後期プロモーターにより加速されるアデノウ イルスタンパク質をコード化するDNA配列を欠失していない。 一つの実施例において、ベクターは更にE2およびE4DNA配列よりなるグ ループから選択される少なくとも1個のDNA配列の少なくとも一部を欠失して いる。 も一つの実施例において、ベクターはアデノウイルスE1およびE3DNA配 列の少なくとも大多数を欠失し、またE2およびE4DNA配列の他の部分を欠 失している。 更にも一つの実施例において、72キロダルトン結合タンパク質をコード化す るE2a領域における遺伝子は、32℃で活性である温度感受性タンパク質を生 産するために突然変異され、この温度でウイルス粒子が生産される。この温度感 受性突然変異体は以下の文献に記述されている:エンシンジャー、他、ウイルス 学ジャーナル 、10巻、328−339ページ(1972年);ヴァン・デア・ フリート、他、ウイルス学ジャーナル、15巻、348−354ページ(197 5年);エングルハート、他、全米科学アカデミー紀要、91 巻、6196−6200ページ(1994年6月);ヤング、他、自然遺伝学、 7巻、362−369ページ(1994年7月)。 望ましい実施例において、このようなベクターは標準方法に従って5′末端か ら始まる「臨界左端要素(critical left end elements)」を含むシャトルプラ スミドをまず構築することにより構築され、この臨界左端要素はアデノウイルス 5′ITR、アデノウイルス包膜シグナル、およびE1aエンハンサー配列を含 み、またこのシャトルプラスミドはプロモーター(アデノウイルスプロモーター あるいは外部プロモーターであってもよい);多重クローニング部位(前記記載 のもの);ポリAシグナル;アデノウイルスゲノムの分接に対応するDNA分接 をも含む。ベクターはまた三部分リーダー配列も含む。アデノウイルスゲノムに 対応するDNA分接は修飾あるいは突然変異アデノウイルスとの相同的組換えの 基質として役立ち、このような配列は、例えばゲノムの3329塩基から624 6塩基までのアデノウイルス5ゲノムの分接を包含する。このプラスミドはまた 選択的マーカーおよび複製起点を含む。複製起点は細胞複製起点であってもよい 。このようなシャトルプラスミドの代表的な例は、図4で示されるpAvS6を 含む。凝固因子をコード化する望ましいDNA配列は、次いで多重クローニング 部位に挿入され、プラスミドベクターを生産する。 この構築物は次いでアデノウイルスベクターを生産するために使用される。相 同的組換えが少なくとも大多数のE1および E3アデノウイルスDNA配列が欠失している修飾あるいは突然変異アデノウイ ルスを用いて実施される。このような相同的組換えはリン酸カルシウム沈殿によ りプラスミドベクターおよび修飾アデノウイルスを293細胞のようなヘルパー 細胞系に同時形質移入することを通して実施される。このような相同的組換えに 際して、NotI部位および相同的組換え断片の間のシャトルプラスミドから誘 導されるDNA配列、および相同的組換え断片および3′ITRの間のアデノウ イルスを欠失したE1およびE3から誘導されるDNAを含むアデノウイルスベ クターが形成される。 一つの実施例において、相同的組換え断片はアデノウイルス5(ATCC V R−5)ゲノムのヌクレオチド3329から6246でオーバーラップする。 このような相同的組換えを通じて、アデノウイルス5′ITR、アデノウイル ス包膜シグナル、E1aエンハンサー配列、プロモーター、治療薬をコード化す る少なくとも1個のDNA配列、E1およびE3アデノウイルスDNA配列の少 なくとも大多数を欠失しているアデノウイルスDNA、およびアデノウイルス3 ′ITRを含む一つのベクターが形成される。このベクターは次いでE1aおよ びE1bDNA配列を含みウイルス複製に必要である293ヘルパー細胞系(A TCC番号CRL1573)などのようなヘルパー細胞系に形質移入され感染性 アデノウイルス粒子を生成する。形質移入は電気穿孔法、リン酸カルシウム沈殿 、顕微注射、あるいはプロテオリポソームを通じて生じる。 前記記載のベクターは治療薬をコード化する少なくとも1個のDNA配列のク ローニングベクターへの挿入を容易にするために多重クローニング部位を含む。 一般に多重クローニング部位は、「希有」制限酵素部位;すなわち約10,00 0塩基対毎に1個から約100,000塩基対毎に1個の頻度での真核細胞に見 出される部位を含む。この発明に従っての適切なベクターはかくして標準方法に より多重クローニング部位における適切なクローニング部位でクローニングベク ターを切断し、次いで治療薬をコード化するDNA配列をクローニングベクター に結合することにより形成される。 前記記載のアデノウイルスベクターは少なくとも1個の治療薬をコード化する 少なくとも1個のDNA配列を含む。「治療」という用語は一般的な意味で使用 され、治療薬、予防薬および置換薬を含む。 アデノウイルスベクターに挿入される治療薬をコード化するDNA配列は、必 ずしもそれに限定されないが、以下のものを含む:TNF−αなどの腫瘍壊死因 子(TNF)遺伝子;インターフェロンα、インターフェロンβ、およびインタ ーフェロンγなどののインターフェロンをコード化する遺伝子;IL−1、IL −1β、およびインターロイキン2から14までのようなインターロイキンをコ ード化する遺伝子;GM−CSFをコード化する遺伝子;アデノシンデアミナー ゼ、すなわちADAをコード化する遺伝子;Mn−SOD、カタラーゼ、CuZ nSOD、細胞外スーパーオキシドジスムターゼおよびグルタチオンレダクター ゼなどの抗酸化剤をコード化する 遺伝子;リンパ球の成長因子であるリンホカインなどの細胞成長因子をコード化 する遺伝子;上皮成長因子(EGF)およびクラチノサイト成長因子(KGF) などの成長因子をコード化する遺伝子;溶触CD4をコード化する遺伝子;因子 VIII;因子IX;フォン・ビレブランド因子;T細胞レセプター;コレステロール 輸送および代謝に伴うLDLレセプター、ApoE、ApoC、ApoAIおよ びその他の遺伝子;α1アンチトリプシン(α1AT)遺伝子、オルニチントラ ンスカルバミラーゼ(OTC)遺伝子、CFTR遺伝子、肺界面活性タンパク質 遺伝子、βグルクロニダーゼ遺伝子、インシュリン遺伝子、ウイルスチミジンキ ナーゼ遺伝子など、単純性ヘルペスチミジンキナーゼ、サイトメガロウイルスチ ミジンキナーゼ遺伝子および水痘−帯状疱疹ウイルスチミジンキナーゼ遺伝子な どのネガチブ選択マーカーあるいは「自殺」遺伝子;抗体の抗原結合領域のFc レセプターおよびB型肝炎および非A非B型肝炎ウイルスの複製を妨げるアンチ センス配列のようなウイルス複製を妨げるアンチセンス配列;組織プラスミノー ゲン活性化因子(tPA);尿プラスミノーゲン活性化因子(ウロキナーゼ); ヒルジン;酸化窒素シンターゼ、血管活性化ペプチド;および血管形成ペプチド 。 治療薬をコード化するDNA配列は適切なプロモーターの制御下にある。使用 される適切なプロモーターは、必ずしもそれに限定されないが以下のものを含む :アデノウイルス主要後期プロモーターなどのアデノウイルスプロモーター;あ るいはサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターなどの非相同 プロモーター;ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター;MMTVプロモー ター、メタロチオネインプロモーターなどの誘導プロモーター;熱ショックプロ モーター;アルブミンプロモーター;およびApoAIプロモーター。選択肢と して、治療薬をコード化するDNA配列はその天然プロモーターの制御下にある 。しかしこの発明の範囲は特異的外部遺伝子あるいはプロモーターに限定される ものでないことは理解されねばならない。 使用される免疫抑制剤は(i)アデノウイルスベクターに対する体液(抗体) 応答、(ii)例えばアデノウイルスベクターを含む細胞に対するT細胞応答など の細胞免疫応答、あるいは(iii)ベクターに対しまたベクターを含む細胞に対 する非特異的な炎症応答、を妨げるものを含む。ベクターおよびもしくはベクタ ーを含む細胞に対する体液およびもしくはT細胞およびもしくは非特異的炎症応 答を妨げることにより、免疫抑制剤の投与は宿主に治療効果を生み出すためにベ クターの効果的な再投与を可能にする。望ましくは、アデノウイルスベクターの 反復投与が望まれる場合には、免疫抑制剤はアデノウイルスベクターに対する体 液抗体応答を妨げる免疫抑制剤である。望ましくは、持続性の長いあるいは高水 準の発現が望まれる場合には、免疫抑制剤は細胞あるいは非特異的消炎応答を妨 げあるいは抑制するものである。 生体内アデノウイルスベクター投与に対する宿主免疫応答は、(i)ベクター の用量、(ii)投与のルート、(iii)複製の水準(複製が生じる場合)、(iv )組換えベクターに含まれ る移植遺伝子の性質、(v)宿主の遺伝子学的および生理学的特性、および(vi )これまでに投与したアデノウイルスベクターに対する前もって存在する免疫応 答の存在と水準、と関連して変化する。 一般に、宿主の応答は投与されるベクターの用量に依存する。重要なことは、 特異的宿主応答の大きさは、ベクター投与のルートに依存する。例えば、静脈内 投与は呼吸器系ルートを経て与えられるベクターの同一の量のものよりもより高 い宿主抗体応答を産み出す。 アデノウイルスベクターに対する異なった宿主応答は、全部ではないにしても 大抵のこれらの異なった因子機構が関連し大いに相互依存的ではあるけれども、 異なった消炎および免疫エフェクター機構により生じる。かくして例えば、体液 抗体形成はある種のTヘルパーリンパ球支援に非常によく依存している。またあ る種の細胞伝達細胞毒性は抗体形成、例えばオプソニン化マクロファージ細胞殺 害に依存する。 移植遺伝子発現の持続に影響を与える2種の主要な宿主応答は、消炎応答およ び細胞免疫応答である。 消炎はベクターの投与に続いて生じる最初の宿主応答である。サイトカインの 放出は続く消炎細胞の流入を非常によく伴う。このようなサイトカインはIL− 1、IL−6、IL−8、およびTNFを含むことが多い。 生体内アデノウイルスベクター投与に続いて見られる消炎量は与えられるベク ター用量の増加で増加する。容量の増加は少ない量の用量によるものよりも移植 遺伝子の発現のより急速な 減少へと向かわせる。 形質導入細胞に向けられるCTL応答は移植遺伝子発現の持続を減少させるの に重要であると見做されている。CTLはCTLを誘発する細胞による低い水準 のアデノウイルス遺伝子発現に向けられるものと考えられている。 宿主に対し反復してアデノウイルスベクターを投与する能力に影響する主要な 宿主応答は体液抗体応答である。それは口腔、静脈内、腹腔内、および肺内を含 む各種ルートにより投与されるアデノウイルスを展開する。一般に、達成される 抗体応答の水準は投与されるベクターの用量によく依存する。抗体応答はまたベ クター投与のルートにも依存する。静脈内ベクター投与はベクターの一定用量に 対する肺投与よりもより高い抗体水準を産み出す。対照的に、野生型アデノウイ ルスは生体内ウイルス複製により与えられたウイルスの量に係りなく高い抗体水 準を誘出する。アデノウイルスベクター投与を成功裡に繰返す能力は存在する抗 アデノウイルスベクター抗体を循環させる水準と逆相関である。 アデノウイルスベクターに対する宿主免疫応答の薬理的調節は、消炎剤、細胞 免疫修飾因子、および体液抗体免疫修飾因子の使用を伴う。 消炎剤はステロイド、シクロホスフェミド、およびアゾチオフリンを含む。 ステロイドは潜在的な消炎特性を持つ。デキサメタゾンなどのステロイドが非 経口で投与されると肺ルートを経たベクターの生体内投与に続き移植遺伝子の発 現の持続時間を長くする。 ステロイドはまたリンパ球の機能を遮断する。かくしてデキサメタゾンは肺ベク ター投与後に観察されるCTL応答を減少させる。デキサメタゾンはまた少なく とも部分的にはアデノウイルスベクター投与に対する宿主抗体応答を遮断する。 免疫システムの細胞成分に向けられる抗体は細胞免疫応答を減少させる。例え ば抗T細胞レセプター抗体(例えば抗CD4および抗CD3抗体など)の投与は 移植遺伝子の発現を引き延ばす。CTLA4免疫グロブリンはも一つの例である 。抗CD4抗体はTヘルパーリンパ球に対して向けられ、その機能を減少させる 。主として細胞免疫応答に向けられる他の作用薬はシクロスポリンAなどのシク ロスポリン、FK506などのラパマイシン結合タンパク質配位子、デキサメタ ゾンなどのステロイドを含む。 体液抗体応答に影響を与える作用薬は一般にBリンパ球(B細胞)を生産する 抗体に、あるいはB細胞抗体生産を高水準に誘発させることの原因となるT細胞 に向けられる。 アデノウイルスベクターに対する体液抗体応答を妨げる免疫抑制剤の例は、必 ずしもそれに限定されないが、デオキシスペルグアリン、すなわち以下の構造を 持つDSGを含む: ここで使用される「デオキシスペルグアリン」および「DSG」という用語は デオキシスペルグアリンすなわちDSGおよびその誘導体もしくは類似体、つま りデオキシ スペルグアリン塩を意味し、必ずしもそれに限定されないがそのトリヒドロクロ リド、および免疫抑制活性を持つ、他のいずれかの類似体を含む。このような化 合物は米国特許番号4,525,299、4,847,299、5,162,5 81および5,196,453に詳細に記述されている。 一つの実施例において、体液抗体応答を妨げる免疫抑制剤はステロイドである 。使用されるステロイドは必ずしもそれに限定されないが、デキサメタゾン、お よび例えばコルチコステロイドなどのいずれかの副腎皮質ホルモン、ヒドロコル チゾン、プレドニソロン、およびメチルプレドニソロンを含む。 も一つの実施例において、体液抗体反応を妨げる抑制剤は例えばシクロスポリ ンAなどのシクロスポリンである。使用される体液抗体反応を妨げる他の抑制剤 は、必ずしもそれに限定されないが、以下のもを含む:アザチオプリン、シクロ ホスファミド、ブレキナール、レフルノミド、ミコフェノレート・モフェティル (mycophenolate mofetil)、抗DC40抗体配位子抗体、シクロホスファミン 、ラパマイシン、抗CD4抗体、CTLA−4免疫グロブリン、インターロイキ ン12、インターフェロンγ;ビアラー、他、全米科学アカデミー紀要、87巻 、9231−9235ページ(1990年)、デュモント、他、免疫学ジャーナ ル、144巻、1418−1424ページ(1990年)、およびビアラー、他 、サイエンス、250巻、556−559ページ(1990年)に記載されてい るように、例えばFK506などのラパマイシン結 合タンパク質(FEBP)配位子、抗リンパ球機能抗原1(LFA−1)抗体、 および抗T細胞レセプター抗体。 外部抗原に対する体液免疫応答を妨げ、抑制し、あるいは除去する化合物(例 えばデオキシスペルグアリン、シクロホスファミド、ブレキナール、レフルノミ ド、ミコフェノレート・モフェティル、抗CD40抗体、あるいは抗CD40配 位子抗体など)がアデノウイルス投与の少し前、およびもしくは投与の間、およ びもしくは投与の少し後に投与される場合には、このような化合物が宿主内で抗 アデノウイルス中和抗体の生産を妨げるということも出願人は発見した。 この発明の範囲内で、免疫抑制剤が前記記載の1個以上の免疫応答を妨げるこ とは理解されねばならない。しかしまた、この発明の範囲はいずれかの特異的な 免疫抑制剤に限定されるものではないことも理解されねばならない。 この発明の範囲内で、免疫抑制剤の組合せが使用されることも考慮されねばな らない。 アデノウイルスベクターおよび免疫抑制剤は一般に宿主に治療効果をもたらす のに有効な量で同時投与され、一方ベクターあるいはベクターで形質導入された 細胞に対し免疫応答を妨げる。ここで使用される「同時」という用語は、アデノ ウイルスベクターの投与と免疫抑制剤の投与がほぼ同じ時間、つまりそれぞれの 短い時間枠内で開始され、またアデノウイルスの投与と免疫抑制剤の投与が治療 の一体の分割できないコースの部分であることを意味している。かくして例えば 、アデノウイルスベクターが投与されるほぼ同じ時間に免疫抑制剤が投与され る。すなわち免疫抑制剤の投与がアデノウイルスベクターの投与の少し(例えば 約24時間)前、あるいは投与の間、もしくは投与の少し(例えば24時間)後 に開始される。一般に免疫抑制剤はその薬剤に設定された標準用量スケジュール に従い、一般には14日を越えない、また望ましくは11日を越えない、より望 ましくは8日を越えない期間投与される。かくして免疫抑制剤の長期の投与はア デノウイルスの反復投与を可能にするには必要ではない。 免疫抑制剤の投与コースの終結に当り、アデノウイルスベクターおよび免疫抑 制剤の投与コースはある一定期間中止される。アデノウイルスベクターおよび免 疫抑制剤投与コースの間の期間、およびアデノウイルスベクターおよび免疫抑制 剤の投与コース回数は、患者の年令、体重、および性、治療される疾病あるいは 疾患、および治療される疾病あるいは疾患の発病度を含む各種の因子に依存する 。 前記免疫抑制剤投与コースがアデノウイルスベクターの各投与で反復されるこ とは理解されねばならない。 一つの実施例において、アデノウイルスベクターは各投与に際してキログラム 当り1プラーク形成単位から約1014プラーク形成単位まで、望ましくは約106 プラーク形成単位から約1013プラーク形成単位まで、より望ましくは約108 プラーク形成単位から約1010プラーク形成単位までの量で投与される。宿主は ヒトあるいは非ヒト動物宿主である。 アデノウイルスベクターは全身あるいは局所投与される。全身投与の例は、必 ずしもそれに限定されないが、静脈内投与 (例えば門静脈注射あるいは末梢静脈注射)、筋肉内投与、腹腔内投与、鼻腔内 投与、あるいはカプセル口腔投与を含む。 免疫抑制剤は望ましい免疫抑制効果を宿主に生み出すのに有効な量で投与され る。免疫抑制剤は各投与時にデキサメタゾンが使用される場合には約1mg/k gから約15mg/kgまでの量で、あるいは他のステロイドでは同量で投与さ れる。デオキシスペルグアリンが使用される場合には、デオキシスペルグアリン は約1mg/kgから約33mg/kg、望ましくは約3mg/kgから約7m g/kgまでの量で投与される。シクロホスファミドが使用される場合には、シ クロホスファミドは約5mg/kgから約300mg/kg、望ましくは約50 mg/kgから約100mg/kgまでの量で投与される。 アデノウイルスベクター粒子および免疫抑制剤それぞれは患者への投与に適し た薬理的許容可能担体と併用して投与される。担体は例えば食塩水などの液状担 体である。アデノウイルスベクター粒子は例えばマイクロキャリアビーズなどの 固形担体、あるいは例えばポリオールなどの持続性薬剤送達材料と併用して投与 される。 アデノウイルス粒子により形質導入される細胞は必ずしもそれに限定されない が以下のものを含む:肺、気道、あるいは歯槽上皮細胞;白血球、顆粒細胞、単 核細胞、マクロファージ、リンパ球(Tリンパ球およびBリンパ球を含む)、全 能幹細胞、および腫瘍浸潤性リンパ球(TIL細胞)などの一次有核血球などの 一次細胞;骨髄細胞;内皮細胞;活性内皮細胞;上皮細胞;ケラチノサイト;幹 細胞;肝細胞前駆体細胞を含む肝 細胞;繊維芽細胞;間葉細胞;中皮細胞;実質細胞;血管平滑筋細胞;脳細胞お よび他の神経細胞;腸管細胞;腸幹細胞;および筋芽細胞。 一つの実施例において、アデノウイルス粒子は血球に指向し、これによりその アデノウイルスベクター粒子は血球を遺伝子で感染させ、これが直接間接的に血 球の治療効果を高める。血球により運ばれる遺伝子は、血友病の治療に有効な凝 固因子をコード化する遺伝子のような通常はそれがもっていない治療効果を血球 に発揮させるいずれの遺伝子であってもよい。遺伝子は、治療効果を持つ1個も しくはそれ以上の産物をコード化できる。適切な遺伝子の例は、CFTR遺伝子 をコード化するもの;TNFなどのサイトカイン、インターロイキン(インター ロイキン1−14)、インターフェロン(α、β、γ−インターフェロン)、T 細胞レセプタータンパク質および免疫グロブリンなどの抗体の抗原結合領域のた めのFcレセプターを含む。適切な遺伝子の他の例は、エイズの治療に使用され る融解CD4をコード化する遺伝子およびα抗トリプシン欠損症により生じる気 腫の治療に有用なα−抗トリプシンをコード化する遺伝子を含む。 形質導入された細胞は、必ずしもそれに限定されないが、膵嚢胞性繊維症、ア デノシンデアミナーゼ欠損症、鎌状細胞貧血、地中海貧血、血友病、糖尿病、α −抗トリプシン欠損症、アルツハイマー病などの脳疾患、成長疾患および心臓病 など他の疾病、例えばコレステロールが代謝され免疫システムを欠くような変化 により生じたものを含む。 も一つの実施例において、アデノウイルスベクター粒子は肝細胞に形質導入し 、このアデノウイルスベクター粒子は後天性あるいは遺伝性肝細胞(肝臓)欠損 の予防および治療に有用なポリペプチドあるいはタンパク質をコード化する遺伝 子を含む。例えばそれらは低密度リポタンパク質(LDL)レセプターの遺伝性 欠損を中和し、およびもしくは先天性アンモニア過剰血症に生じる後天性オルニ チントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症を中和するのに使用することがで きる。 も一つの実施例において、アデノウイルス粒子は肝細胞に形質導入し、これに よりアデノウイルス粒子はウイルス感染から生成する疾病などの後天性感染疾病 を治療するのに使用される治療薬をコード化する遺伝子を含む。例えば感染性ア デノウイルス粒子はウイルス性肝炎、とりわけB型肝炎あるいは非A非B型肝炎 を治療するのに使用することができる。例えばアンチセンス遺伝子をコード化す る遺伝子を含む感染性アデノウイルス粒子はウイルス複製を阻害するために肝細 胞を感染するのに使用される。この場合、逆あるいは反対方向で構造的肝炎遺伝 子を含むベクターを含む感染性アデノウイルス粒子は肝細胞に導入され、肝炎ウ イルスあるいはそのRNA転写物を不活性化できるアンチセンス遺伝子を感染肝 細胞内で生産する。選択肢として、肝細胞は例えば肝炎ウイルスに耐性を与える αインターフェロンなどのタンパク質をコード化する遺伝子を含む感染性アデノ ウイルス粒子で感染される。 このベクター粒子はまたホジキンリンパ腫の治療に使用することができる。感 染性アデノウイルスベクター粒子はホジキン リンパ腫の新生細胞を標的とする。更にアデノウイルスベクター粒子は単純性ヘ ルペスチミジンキナーゼなどの負の選択マーカーあるいは「自殺遺伝子」を含む 。アデノウイルスは生体内で患者に投与され、これによりウイルスはホジキンリ ンパ腫の新生細胞に感染する。アデノウイルスが患者に投与された後、患者はガ ンシクロビルあるいはアシクロビルなどの相互作用薬を与えられ、これによりア デノウイルスで感染した新生ホジキンリンパ腫細胞は殺される。 更にベクターはCFTR遺伝子を含むように構築することができる。このベク ターは次いで膵嚢胞性繊維症の患者の肺欠損症の治療に有効な量で上皮に投与さ れる。も一つの実施例において、機能タンパク質を含むベクターがそのようなタ ンパク質の欠損症を治療するために気道上皮に送達される。このような機能タン パク質は抗酸化剤、α−1抗トリプシン、CFTR、肺界面タンパク質、サイト カイン、およびEGFならびにKGFなどの成長因子を含み、また重症複合型免 疫不全治療のためのアデノシンデアミナーゼ、クリスマス病治療のためのフォン ・ビレブランド因子、およびゴーシェ病治療のためのβ−グルクロニダーゼを含 む。更に抗癌剤あるいは消炎剤をコード化する遺伝子を含むベクターは肺癌ある いは炎症性肺疾患治療のために患者の肺に投与される。 実施例 この発明はこれから以下の実施例と関連して説明される。しかしこの発明の範 囲はそれにより限定されるものではない。 実施例1 Av1Cf2およびAv1LuC1の構築 A.pAvS6の構築 アデノウイルス構築シャトルプラスミドpAvS6がクローニング技術に基づ くポリメラーゼ連鎖反応を含む標準クローニング技術を用いていくつかの段階を 経て構築された。まず2913塩基対Bg1II、HindIII断片がAd− d1327から除去され、平滑断片としてピーブルースクリプト(pBluscript) II Ks(カリホルニア、ラホーラ、ストラータジェン)のXhoI部位に挿 入された。 Ad−d1327は、塩基対28591から30474(あるいはアデノウイ ルス5ゲノムの地図単位78.5から84.7)を含みE3領域に位置を求める Xba I断片が除去されていることを除いてアデノウイルス5と同一である。 Ad−d1327でのE3欠失はAd−d1324でのE3欠失と類似しており 、後者はジンマッパーヤ他、細胞、31:543(1983年)に記載されてい る。完全アデノウイルス5ゲノムはジェンバンク、アクセス番号M73260で 登録されており、このウイルスはアメリカ合衆国、メリーランド、ロックビル、 アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションからアクセス番号VR−5で利 用できる。 Ad−d1327はアデノウイルス5(Ad5)から決まった方法で構築され た。この方法は以下のように簡単に略述され、またこれまでにもジョーンズおよ びシェンク、細胞、13:181−188(1978年)に記述されている。A d5 DNAはビリオンのタンパク質分解消化により 分離され、Xba I制限エンドヌクレアーゼで部分的に切断される。Xba I断片は次いで断片の混合物として連結反応により再集合される。これは配列2 8591塩基対から30474塩基対を除く点を除いてAd5に類似する配列を 用いてある連結ゲノムを生じる。このDNAは次いで適当な細胞(例えばKB細 胞、ヒーラ細胞、293細胞)に形質移入され、プラーク形成を可能にするため 軟寒天で覆われる。個々のプラークは次いで分離され、増幅され、1878塩基 対E3領域Xba I断片の欠除をスクリーンされる。 この断片の配向は、BglII部位がピーブルースクリプトII KSのT7 RNAポリメラーゼ部位にもっとも近くなり、またHindIII部位がピー ブルースクリプトII KSのT3 RNAポリメラーゼ部位にもっとも近くな るような形であった。 第2に、ITR、包膜シグナル、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、アデノウ イルス三部分リーダー(TPL)配列及び連結配列がPCR増幅を用いて結集さ れた(図2)。ITRおよび包膜シグナル(Ad−d1327の配列1−392 [ジェンバンク、アクセス番号M73260のAd5からの配列と同一のもの] ここで引用例として組み込まれている)はNotIあるいはAscI制限部位を 含むプライマーを用いてAd−d1327と一緒に増幅された(増幅1)。ラウ ス肉腫ウイルスLTRプロモーターはAscI部位およびSfiI部位を含むプ ライマーを用いてプラスミドpRC/RSV(配列209から605;カリホル ニア、サンジエゴ、インバイトロゲン)か ら増幅された(増幅2)。増幅1および2からのDNA製品は、NotIプライ マーおよびSfiIプライマーのみを用いて「オーバーラップ」PCR法を使用 して結合された(増幅3)(ホートン他、バイオテクニクス、8:528−53 5(1990年))。反応1および2からの各当初DNA増幅製品のAscI含 有末端の間の相補性は増幅の間にこれら2個の片の結合を可能にした。次いでT PLは、それぞれSfiIおよびXbaI部位を含むプライマーを用いてAd− d1327で16時間感染させた293細胞(ATCCアクセス番号CRL15 73)から分離されmRNAから作られるcDNAから増幅された(増幅4)( Ad−d1327の配列6049から9730[ジェンバンク、アクセス番号M 73260のAd5類似配列と同一のもの])。増幅反応3および4からのDN A断片は次いでNotIおよびXbaIプライマーと共にPCRを用いて結合さ れ(増幅5)、かくして完全遺伝子ブロックを生成した。 第3として、ITR−包膜シグナル−TPL断片が次いで精製され、NotI およびXbaIで切断され、NotI、XbaI切断PHRプラスミドに挿入さ れた。このプラスミドはpAvS6Aと名付けられその配向は断片のNotI部 位がT7 RNAポリメラーゼ部位の次に位置するものであった(図3)。 第4に、SV40初期ポリAシグナルがHpaI−BamHI断片としてSV 40 DNAから除去され、T4 DNAポリメラーゼで処理されプラスミドp AvS6aのSalI部位 に挿入され、pAvS6が生成された(図3および4)。 B.Av1Cf2およびAv1Luclの構築 Av1Cf2(図7)(イエイ他、遺伝子治療、1:192−200(199 4年))、E1欠失(1.18地図単位から9.2地図単位)、E3欠失(78 .5地図単位から84.7地図単位)アデノウイルスベクターが、正常ヒトCF TRcDNAコード化配列断片をpAvS6のEcoRI部位に挿入することに より、CFTRコーディング配列の5′末端がアデノウイルス5三部分リーダー にもっとも近くなるようにすることによりまず構築された。CFTR cDNA はPstI断片(ヌクレオチド75から4725:ナンバリングについてはジェ ンバンク、アクセス番号M28688を参照)としてプラスミドpBQ4.7( 図5)(カナダ、トロント、病気の子供病院、L.C.ツーイにより提供された もの)から除去され、平滑断片として挿入された。生成するプラスミド、pAv S6−CFTR(図6)はKpnIで線形化され、トラップネル、先端薬物送達 レビュー、12:185−199(1993年)で記述されているように293 細胞内のAd−d1327の巨大(35キロベース)ClaI断片で組み換えら れ、AvlCf2を形成した(図7)。 二重プラーク精製後、クローン分離株の同定は前に記載されているようにサザ ン分析、CFTRの免疫沈殿により確認された(トルストシェフ、他、第9回名 古屋癌処置国際シンポジウム紀要、日本、名古屋1993年9月17−18日( 刊行))。 Av1Lucl(図7)(イエイ他、遺伝子治療、1巻、192−200ペー ジ(1994年))は、それがホタルルシフェラーゼ遺伝子(ジェンバンク、ア クセス番号M15077)を発現することを除けばAclCf2のゲノム体制お よび配列と同一のアデノウイルスレポーターベクターである。 ホタルルシフェラーゼ遺伝子はpGEM−luc(図8、プロメガ)から得ら れた。pGEM−lucはホタルルシフェラーゼ遺伝子を接合(スプライシング )するためにStuIおよびHindIIIで消化された。 ホタルルシフェラーゼ遺伝子はpAvS6のEcoRV部位に挿入され、ホタ ルルシフェラーゼコード化配列の5′末端はアデノウイルス5三部分リーダーに もっとも近くなった。生成するプラスミド、pAvS6−Lcul(図9)はK pnIで線形化され、前記記載の通りAd−d1327の巨大(35キロベース )ClaI断片で組換えられた。クローン分離株は次いで前記記載の通り同定さ れた。 二つのウイルスベクターは増殖され、CsCl配向での二重巻付けにより精製 され、ローゼンフェルド他、細胞、68:143−155(1992年)で記述 されている通りに293細胞内で滴定された。 実施例2 同時断続的ステロイド投与でのアデノウイルス媒介遺伝子転移 コットンラット(体重約150g)が各グループ9ラット の4グループに分けられた。1日当り2mg/kgの量の腹腔内注射によるデキ サメタゾンの同時投与のある場合とない場合で、AvlCf2がコットンラット の肺に低用量(108pfu)あるいは高用量(1010pfu)で鼻腔内吸入で 投与され、ベクター投与の開始1日前から10日後まで与えられた。対照グルー プのラットは前記記載のデキサメタゾンの同時投与のある場合およびない場合で AvlCf2の代りにPBSを与えられた。 ベクター投与の3日後および42日後に、各グループからの3匹のラットがA vlCf2ベクターの宿主応答を評価された。宿主応答の評価は肺組織病理学外 観、全肺洗浄細胞充実性、肺洗浄抗アデノウイルス生産、および細胞毒Tリンパ 球(CTL)応答を含んでいた。 肺組織病理学の評価はイエイ他、ヒト遺伝子治療、5巻、731−744ペー ジ(1994年)記載の通りに行われた。肺は除去され、4℃で一晩パラホルム アルデヒド0.25%(wt/vol.)、グルタルアルデヒド0.25%(w t/vol.)に固定され、パラフィンに包埋され、6μm部分がヘマトキシリ ンおよびエオシンで染色された。 アデノウイルス感染3日後、免疫抑制治療薬を毎日投与あるいは投与されなか ったAvlCf2注射に対する応答によるコットンラットの肺の組織学的外観が 図10A、10B、および10Cで示される。図10Aはアデノウイルスではな くPBSを受けた対照ラットの肺の一部である。図10Bは免疫抑制治療薬なし でAvlCf2を受けたラットの肺の一部であ る。図10Cはデキサメタゾンを毎日投与されてAvlCf2を受けたラットの 肺の一部である。すべての部分は100倍拡大されている。図10A、10B、 および10Cで見られるように、対照ラットおよびアデノウイルスに感染された が免疫抑制治療薬を受けなかったラットと比較して、アデノウイルスおよび免疫 抑制治療薬を受けたラットでは肺実質炎症は少なかった。 肺洗浄液はPBS4.0mlを用いて肺洗浄により収集され、全細胞数は血球 計の計数で決定され、あるいは細胞は光学顕微による好中球の割合を細胞遠心分 離調製で評価された。 図11AはPBSを受けた対照ラットと比較した感染3日後のAvlCf2で 感染したラットからの肺洗浄細胞計数のグラフである。対照ラットはデキサメタ ゾンを受けたあるいはデキサメタゾンを受けなかったかのいずれかであった。図 11BはPBSを受けた対照ラットと比較した感染42日後のAvlCf2で感 染したラットからの肺洗浄細胞計数のグラフである。ラットはデキサメタゾンを 受けたあるいは免疫抑制治療薬を受けなかったかのいずれかであった。 図11Aで見られるように、炎症の頂上であるベクター投与3日後で、デキサ メタゾンは全肺洗浄細胞充実性で表される)非特異的宿主細胞炎症応答を著しく 減少させた。 肺洗浄抗アデノウイルス生産はエリザ検定で測定され以下の通り行われた。 1×1011pfu/mlでAvlLacZ4、10μl(イエイ、他、ヒト遺 伝子治療 、5巻、731−744ページ、 (1994年))が0.5mlエッペンドルフ管の二重蒸留水90μlに加えら れた。管はアデノウイルスを殺すために30分紫外線を照射され、タンパク質濃 度がバイオラッドキット(Bio-Rad Kit)を用いて測定された。0.1Mの炭酸 ナトリウム(pH9.6)8mlが、ウエル当り50μl当りアデノウイルス抗 原10μg/4mすなわち125ngのタンパク質産出を提供するために加えら れた。 抗原50μlが次いで96ウエルマイクロタイタ平板(インミュロン2)の各 ウエルに加えられた。また平板は37℃で1時間、あるいは室温で2時間、もし くは4℃で一晩保温された。平板は次いで2回PBSあるいは二重蒸留水で洗浄 された。 遮断緩衝液(PBSに1%のBSA)300μlが各ウエルに加えられ、平板 は1時間室温で保温された。平板は次いで二重蒸留水で洗浄された。 遮断薬が次いでバックグラウンドウエルに加えられた。抗体サンプル(すなわ ち前記記載の通り調製された肺洗浄サンプル)50μlが次いで1/4から始ま り1/8192で終る連続2倍の希釈で被覆ウエルに加えられた。未感染コット ンラットから得た血清の負の対照サンプル50μlが同じ連続希釈のも一つの被 覆ウエルに加えられた。この平板は2時間室温で保温され、0.05%トウィー ン20/PBS300μlが加えられた。平板は5分室温で保温され、空にされ 、0.05%トウィーン20/PBS300μlが再び加えられた。平板は再び 室温で5分保温され、また空にされた。平板は次いで二重蒸 留水あるいはPBSで洗浄された。 ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ハムスターIgG(10μg/10μl)が、1 mg/mlの作業液(1:1,000希釈)を作るためにBSA10mlおよび PBSに加えられた。この溶液100μlが次いで各ウエルに加えられ、平板は 室温で2時間保温された。平板は次いで5回0.01%トウィーン20/PBS 300μlで洗浄された。平板は次いで空にされ乾燥された。 テトラメチルベンジジン(TMB)基質100μlが各ウエルに室温で加えら れ、色が直ちに展開した。青色がエリザ読み取り機でOD650での読み取りでモ ニターされた。TMB停止溶液100μlを各ウエルに加えることによりOD65 0 が0.5から0.6になった時に反応が停止された。OD450が次いで反応停止 5分後および1時間後に読み取られた。抗体力価はバックグラウンドODより0 .1大きいOD値を与える希釈の逆数である。選択肢として、抗体力価は非特異 的バックグラウンドを上回る3標準偏差として決定される。ベクター投与3日お よび42日後の各グループのラットに対して抗体力価で表現される平均結果は図 12で示される。図12で示されるように、デキサメタゾンを与えられたラット はデキサメタゾンを与えられなかったラットと比較してベクター投与42日後に 抗体力価の減少を示した。 CTL検定がベクター投与42日後に実施された。 感作細胞が100感染多重度でコットンラット肺繊維芽細胞をAd−d132 7で感染させることにより用意された。細胞 は3日保温され、FACSによりヘキソン発現を検査された。細胞は次いでPB S/EDTAで洗浄され、トリプシンと接触され、洗浄され、回転され、RPM I培地1mlで再懸濁された。細胞は次いでDNAを不活性化するために5,0 00ラドで13Csで照射された。 脾臓が次いで未感染(対照)ラットおよび感染42日後のアデノウイルス感染 ラットから分離された。脾臓は無菌HBSSおよび氷で保存された。HBSS1 0mlが次いで50ml管で25/27ゲージ針で各脾臓に注射された。脾臓は つぶされ、細胞濾過器を使って50ml管に濾過された。この量は次いでRPM Iプラス10%FCSで40mlにされた。管は1,500rpmで10分回転 された。赤血球が次いでACK溶離緩衝液2.1mlを加えて溶離され、液は1 分以内で渦動された。この量はRPMI−10で50mlにされた。管は次いで 1,500rpmで10分回転された。細胞ペレットは次いで再懸濁され、細胞 は1:10溶液で計数された。脾臓細胞は次いで感作細胞と共に脾臓細胞と感作 細胞の比率がRPMI内で4:1になるように平板に移された。脾臓細胞と感作 細胞は37℃でインターロイキン−2、20−50単位/mlの存在下で保温さ れた。インターロイキン−2は毎日5−6日にわたり加えられた。 標的細胞が3×106コットンラット肺繊維芽細胞をAd−d1327で10 0感染多重度で1時間感染させて用意された。培養培地が細胞に加えられ、50 μCiより大きな量で51Crが18時間加えられた。 標的細胞はコットンラット繊維芽細胞をEDTA/PBSで洗浄して収穫され 、次いでトリプシン消化された。細胞は次いで洗浄され、回転され、培養培地5 mlで再懸濁され、その計数された。細胞は105細胞/mlに再懸濁され、1 04細胞/0.1mlウエルがCTL検定のため使用された。 エフェクター細胞(すなわち時々Es細胞として引用される脾臓細胞と感作細 胞を組合せたもの)は1.500rpmで10分4℃で回転された。細胞はHB SS−10、2mlで再懸濁され、フィコール・ハイパック(Ficoll Hypaque) にのせられ、1,500rpmで10分回転された。最上部部分(4ml)が収 穫され、培養培地5mlが加えられた。この材料は回転され、細胞ペレットは蓄 えられ、培養培地1mlで再懸濁された。エフェクター細胞はエフェクター細胞 50μlをトリパンブルー50μlで混合して計数された。 エフェクター細胞は次いでエフェクター:標的(E:T)の比率が3.125 、6.25、12.5、25、50、および100になるように、104標的細 胞を含むウエルに加えられた。細胞は次いで500rpmで5分回転された。細 胞は次いで37℃で4時間保温された。細胞は次いで回転され、上澄み100μ lがウォーラックガンマカウンターを用いて51Cr放出を測定された。(デキサ メタゾン処理を受けたものおよびそうでないものの)感染ラットから、および2 匹の未感染対照ラットから採取された脾臓におけるCTL応答の平均結果が図1 3で示される。 図13で示されるように、低いCTL応答がデキサメタゾン で処理された感染ラットから得られた脾臓から得られた。 ベクター投与の42日後、各グループの残る3匹のラットはAv1Luclの 鼻腔内肺投与を2×109pfuの用量で受けた。もともとPBSを受けた残る 対照ラットもまたAv1Luclを2×109pfuの用量で受けた。肺洗浄抗 アデノウイルス抗体生産は前記記載の方法に従ってAv1Lucl投与の3日後 に評価され、その結果は図12で示される。図12で示されるように、もともと AvlCf2の1010pfuを受け、またデキサメタゾンで処置されたラットは デキサメタゾンを受けなかったラットと比べて抗体力価の減少を示した。 ホタルルシフェラーゼ遺伝子の転移および発現の効率は、イエイ他、遺伝子治 療、1巻、192−200ページ(1994年)に記載された通り、投与3日後 に直接肺内ルシフェラーゼ酵素活性を通常の光測定による光単位(1u)で定量 化することにより評価された。結果は図14で示される。図14で示されるよう に、各ドットは1匹のラットのルシフェラーゼ酵素活性を表し、クロスバーは各 グループの平均値を表す。反復アデノウイルス媒介遺伝子転移の効率は、最初の アデノウイルス投与の時点でデキサメタゾンを受けなかったラットに比べてAv lCf2およびデキサメタゾンを受けたラットの方がはるかに高かった(それぞ れ11,786±3523 lu対622±192 lu)。Av1Luclか らの遺伝子転移の効率もまたもともとデキサメタゾンと一緒にPBSを受けた対 照グループよりも高かった。 実施例3 アデノウイルスベクターの有効な反復投与を可能にするDSGあるいは高用量 シクロホスファミドを用いる体液免疫応答の抑制 この実施例は実験時に生後5乃至6週のC57BL/6オスマウス(インディ アナ、インディアナポリス、ハーラン・スプレイグ・ドーリー)に対しアデノウ イルスベクターAvlLacZ4およびAv1H9F2の静脈内投与について述 べる。AvlLacZ4は核標的βガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)を含む アデノウイルスベクターであり、1995年4月13日公開されたPCT出願番 号WO95/09654に記述されている。Av1H9F2はアデノウイルスシ ャトルプラスミドベクターpAvlH9FR(回15)の誘導体から構築され、 これはヒト因子IX DNAを含み、1994年12月22日公開されたPCT出 願番号WO94/29471に記述されている。 Av1H9F2を構築するために、シャトルプラスミドpAvlH9FRが制 限酵素Sfi1で消化され、DNA末端はT4 DNAポリメラーゼを用いて平 滑にされ、またDNA分子は連結反応により再循環された。コンピテントDH5 細胞は形質転換されアンピシリン耐性クローンは増幅され、ミニプレップDNA の制限酵素消化によりスクリーンされた。正のクローンが同定され、生成するシ ャトルプラスミドはpAvS17H9Fとして引用された。 続いて293細胞がpAvS17H9FおよびC1aI消化 Ad−d1327の巨大DNA断片と一緒に同時形質移入された。組換えアデノ ウイルスベクタープラークが採取され、拡張され、エリザにより因子IXの発現を スクリーンされた。正のクローンは同定され増幅され、かくしてベクターAv1 H9F2を生成した。このベクターの左端の図形は図16で示される。Av1H 9F2は三部分リーダー、つまりTPLの最初の所で1塩基対を欠失し、これが 有効にATGをCTGに変化させる。ベクターの構造は制限酵素診断法、および RSVプロモーターと因子IX cDNAの3′未翻訳領域の間の領域のDNA配 列分析により実証された。 15匹のマウスが33mg/kgのデオキシスペルグアリンDSG(日本、東 京、日本化薬工業)を用いて、1日1回ベクター投与の1日前から全体で8日腹 腔内投与で免疫抑制された。減圧凍結乾燥DSG100mgを含む小びんが25 mg/ml溶液を産出するため注射グレード水3.8mlで溶かされ、これはア リコートされ、−20℃で乾燥された。毎日、免疫抑制直前に、アリコートは室 温で解凍され、0.7mlが2.5mg/ml溶液を産出するためにハンクス平 衡塩類溶液(HBSS)6.3mlと混合された。マウスは1度DSGの最初の 用量投与直前に重量測定された。6匹のマウスは免疫抑制養生の第2日に尾部血 管注射でAv11acZ4、1×108pfuを受け5週後にAvlH9F2、 1×108pfuを受けた。別の6匹のマウスは免疫抑制の5週後にAvlH9 F2のみを受けた。3匹のマウスは免疫抑制されたが、アデノウイルスベクター は受けなかった。 6匹のマウスが低用量(100mg/kg)のシクロホスファミド(シグマ) で免疫抑制され、15匹のマウスが高用量(300mg/kg)で処置された。 動物はアデノウイルスベクター投与の1日前にシクロホスファミドの腹腔内単一 投与を受けた。低用量のシクロホスファミドで処置された6匹すべてのマウスは 更にシクロホスファミド(投与)1日後Av11acZ4、1×108pfuを また5週後AvlH9F2、1×108pfuを受けた。高用量のシクロホスフ ァミドで免疫抑制された6匹のマウスは翌日Av11acZ4、1×108pf uを、また5週後にAvlH9F2、1×108pfuを受けた。別の6匹はA v11acZ4は受けずAvlH9F2を受けた。最後に3匹のマウスは免疫抑 制されたが、アデノウイルスベクターは受けなかった。 12匹のマウスは1日1回ベクター投与の1日前から8日間腹腔内経由でデキ サメタゾン(ニューヨーク、シャーリー、アメリカン・リエイジェント・ラボラ トリーズ、インコーポレイテッド)5mg/kgで免疫抑制された。この内6匹 のマウスはデキサメタゾン処置の2日目にAv11acZ4、1×108pfu を、また5週後にAvlH9F2、1×108pfuを受ける。5匹の免疫抑制 されたマウスはAvlH9F2のみを受け、1匹はベクターを受けなかった。 Av11acZ4投与の5週後、但しAvlH9F2の投与の前に、血漿がい くつかのマウスから調製され、抗アデノウ イルス中和抗体を分析された。中和抗体は免疫抑制なしでAv11acZ4を受 けるマウスの血漿内で検出されたが、ベクターおよびDSGあるいは高用量のシ クロホスファミドのいずれかを受けたマウスは中和抗体を検出しなかった。対照 的に、低用量のシクロホスファミドあるいはデキサメタゾンで免疫抑制されたマ ウスは中和抗体を展開した。 20匹のマウスにおける中和抗体力価は以下の表Iで与えられる。表Iで示さ れるように、DSGはデオキシスペルグアリン、Cyはシクロホスファミド、お よびDexはデキサメタゾンである。 AvlH9F2投与1週後、血漿が調製されヒト因子IXの水準を決定するため にエリザで分析された。この結果は図17で示される。免疫抑制なしでAv11 acZ4を受け、次いで5週後AvlH9F2を受けたマウスはヒト因子IXを発 現しなかった。免疫抑制剤もAv11acZ4も受けなかったがAvlH9F2 で処置されたマウスは平均で9.2μg/mlを発現した。Av11acZ4送 達時にDSGで免疫抑制され、次いでAvlH9F2を受けたマウスは平均で6 .6μg/mlを発現した。DSGで免疫抑制されしかしAv11acZ4は受 けず、次いでAvlH9F2で処置されたマウスは5.2μg/mlの平均水準 を有していた。最後にDSGで処置されしかしいずれのベクターも受けなかった マウスは、ヒト因子IXを発現しなかった。 Av11acZ4投与の時点で低用量のシクロホスファミドで免疫抑制された マウスは、AvlH9F2送達後ヒト因子IXを発現しなかった。高用量のシクロ ホスファミドで処置されたがAv11acZ4を投与されなかったマウスは、A vlH9F2送達1週後平均8μg/mlを発現した。Av11acZ4処置時 点で高用量のシクロホスファミドで免疫抑制されたマウスは、AvlH9F2処 置後平均15.4μg/mlのヒト因子IXを発現した。シクロホスファミドで処 置されたがいずれのアデノウイルスベクターでも処置されなかったマウスはヒト 因子IXを発現しなかった。 デキサメタゾンで免疫抑制されたがAv11acZ4では処置されなかったマ ウスは、AvlH9F2投与1週後平均 5.5μg/mlのヒト因子IXを発現した。しかし免疫抑制時点でAv11ac Z4を受けたマウスはAvlH9F2送達後に因子IXを発現しなかった。免疫抑 制されたがいずれのベクターをも処置されなかったマウスはヒト因子IXを発現し なかった。 実施例4 反復投与を可能に死するアデノウイルスベクターに対する体液免疫応答の抑制 この実施例は実施例3に含まれるデータを推敲し敷衍したものである。この実 施例では下記の材料および方法が採用される。 アデノウイルスベクター Av1LacZ4およびAvlH9F2は実施例3で記述された。AvlH9 FRは293細胞をpAvlH9FR(図15)およびClaI消化Ad−d1 327から得る巨大DNA断片と共に同時形質移入された。組換えアデノウイル スベクタープラークが採取され、拡張され、エリザにより因子IXの発現をスクリ ーンされた。正のクローンが同定され、増幅され、かくしてベクターAvlH9 FRを生成した。AvlH9F2と同様に、このベクターは中心切形第1イント ロンおよびヒト因子IX遺伝子からの完全5′および3′未翻訳領域を含んでいる 。中心切形第1イントロンおよび3′未翻訳領域はジャラット、他、EMBO J. 、9巻、3295−3301ページ(1990年)に記載されたものと基本 的には同じ配列である。 AvlALAPH81はアデノウイルスベクターであり、それはマウスアルブ ミンプロモーターから発現されたB領域欠失ヒト因子VIII cDNAを含み、公 開PCT出願番号WO94/29471に記述されている。 すべてのベクター株はE1a配列の定量PCR分析で決定された通り106野 生型アデノウイルス内で1個以下を含んでいた。 免疫抑制剤 デオキシスペルグアリン(日本、東京、日本化薬工業株式会社製造)は、ニュ ージャージー、プリンストン、ブリストル−マイヤーズ−スクイブからの贈り物 である。100mgガラスビンのデオキシスペルグアリンは水で溶かされて最終 濃度25mg/mlとなり、アリコートされ、−70℃で凍結された。凍結株は 室温で解凍され、注射の前にハンクス平衡塩類溶液(HBSS)で希釈された。 デオキシスペルグアリンは器官移植で現在臨床試験されている免疫抑制剤であ る。これは抗原特異的B細胞に対して有力で長期の効果を持ち、タンパク質抗原 と同時投与されると特異的抗体の生産を効果的に妨げることが示された(アレー ガー、他、移植、57巻、1786−1794ページ(1994年);テッパー 、ニューヨーク科学アカデミー年報、123−132ページ(1993年);タ フバソン、他、移植紀要、26巻、3029−3039ページ(1994年)) 。DSGの作用モードは分子レベルでは完全には理解されていない。それはB細 胞およびT細胞の分化に干渉し、かつ 抗原処理に干渉することをデータは示唆している。DSGがk軽鎖発現を阻害し 、従ってプレB細胞表面でIgM発現を遮断したことを最近の研究が示した(テ ッパー、1993年)。更にデータはDSGがNFkBの核転移を阻害したこと を示し、それはDSGがB細胞およびT細胞の分化を阻害する機構であり得るこ とを示した。最後にDSGがHsc70、熱ショックタンパク質と結合すること が示された(テッパー、1993年)。熱ショックタンパク質はタンパク質折り たたみ、分子付添い、MHC分子のペプチド負荷、および抗原プレゼンテーショ ンを伴う。従ってDSGのHsc70への結合は抗原プレゼンテーションに対す る影響を説明するものとなる。 シクロホスファミド(Cy)はシグマから入手され、HBSSに溶解された。 デキサメタゾン(Dex)溶液はニューヨーク、シャーリー、アメリカン・リエ ージェント・ラボラトリーズ・インコーポレイテッドから得られ、注射の前にH BSSで希釈された。3種すべての免疫抑制剤は、以下に示される用量に従って 腹腔内に送達された。 動物の処置 C57BL/6マウスはハーラン・スプレイグ・ドーリー(インディアナ、イ ンディアナポリス)から得られた。アデノウイルスベクターはベクター株の適当 量をハンクス平衡塩類溶液(HBSS)0.5mlで希釈した後尾部血管注射を 経て投与された。テキストに示された時点で、血液が眼窩後部叢から得られた。 血漿サンプル調製のために、クエン酸ナトリウムが 直ちに0.38%(w/v)の最終濃度に加えられた。血清サンプルを調製する ために、血液は凝固させられた。サンプルは5分エッペンドルフ・マイクロフュ ージで遠心分離され、その後血漿あるいは血清は収集され、アリコートされ、凍 結された。 ヒト因子VIIIエリザ ヒト因子VIIIの血漿水準はコネリー、他、ヒト遺伝子治療、第6巻、185− 193ページ(1995年)に記述された通り、エリザにより決定された。B領 域欠失ヒト因子VIIIを含むマウス血漿サンプルを用いる感受性の限界は3乃至6 ng/mlであった。マウス血漿サンプルは検定前に1:5で希釈されたので、 実際の検出限界は15乃至30ng/mlであった。 ヒト因子IXエリザ ヒト因子IXの血漿水準はエリザにより決定された。アサーラクロムIX:Agエ リザキットはアメリカン・バイオプロダクツ・カンパニー(ニュージャージ、パ ーシッパニイ)から購入され、メーカーの指示に従って行われた。感受性の限界 は1.6ng/mlであった。 抗アデノウイルス抗体検定 マウス血漿あるいは血清サンプルは55℃、30分で熱不活性化され、次いで 改良最少必須培地(メリーランド、ロックビル、バイオフルイズ)プラス2%の FBS(IMEM/2%FBS)で1:2で始まる二部分の段階で熱不活性化さ れた。55μlの各サンプルが10μlのAvllacZ4(4×105pfu を含むもの)で混合され、1時間37 ℃で保温され、ほぼ密集の293細胞の96ウエル平板(4×104細胞/ウエ ル)に加えられた。組織培養恒温器で60分後、ウイルスは各ウエルから吸引さ れIMEM/10%FBS、150μlで置換された。翌日細胞は固定され、こ れまでに記述されているようにβガラクトシダーゼ発現のために染色された(ス ミス、他、自然遺伝学、5巻、397−402ページ(1993年))。不活性 抗体の不存在下ではすべての細胞は青に染色した。各サンプルの不活性化抗体の 力価は細胞の25%以下が青に染色される最高希釈の逆数として報告された。 結果 アデノウイルスベクターに対する体液免疫応答の用量依存性 アデノウイルスベクターの反復投与を検討したこれまでの研究はベクターの相 対的に高用量を採用しており、これは免疫応答の強度を最大にするものと期待さ れた(スミス、他、1993年;コザルスキー、他、生物科学ジャーナル、26 9巻、13695−13702ページ(1994年);ケイ、他、全米科学アカ デミー紀要 、91巻、2353−2357ページ(1994年);イエイ、他、遺伝子治療 、192−200ページ(1994年);ヤング、他、ウイルス学ジ ャーナル 、69巻、2004−2015ページ(1995年);デイ、他、全米 科学アカデミー紀要 、92巻、1401−1405ページ(1995年);バー 、他、遺伝子治療、2巻、151−155ページ(1995年))。 中和抗体の生産および反復投与の遮断が接種されるベクター の用量に依存するかどうかを決定するために、各種の用量のアデノウイルスベク ターAvllacZ4が尾部血管を経てC57BL/6マウスに投与された。ベ クター接種材料は単一log増分で1×103pfuから1×108pfuまで変 動した。ベクター送達34日後、抗アデノウイルス中和抗体の血清水準がベクタ ーを1×105pfuあるいはそれ以上を受けたマウスで測定された(図18) 。マイナス記号はコホート内のマウスのいずれにも抗体を検出できなかったこと を示す。1×108pfuのベクターを受けたマウスに対応するプラス記号は5 匹のマウスの内3匹が8の抗体力価を持ち、一方2匹は抗体力価を検出できなか ったことを示す。かくして1×108pfuを受けた5匹のマウスの内の3匹は 4×105pfuのAvlLacZ4を中和するのに十分な抗アデノウイルス抗 体の水準を有し、一方2匹のマウスは検出できない水準にあった。ベクターの低 用量を受けたマウスはいずれもこの相対的に過酷な中和検定を用いても抗体を検 出できなかった。 AvllacZ4投与35日後に、各マウスはヒト因子IXをコード化するアデ ノウイルベクターであるAvlH9FRを2×108pfu受けた。1週間後ヒ ト因子IXの血漿水準はエリザで測定された(図18)。平均で約2μg/mlの 因子IXがAvllacZ4を受けなかったか、あるいは第1ベクター1×105 pfuまでを受けたマウスで検出された。因子IXは更に1×106pfuおよび 1×107pfuを受けたマウスで水準は減少したけれども直ちに検出され た。AvllacZ4、1×108pfuを受けたマウスはAvlH9FR投与 後殆ど僅かしかあるいは全然ヒト因子IXを産出しなかった。かくして有効な遺伝 子転移および発現は最初のベクター用量があるしきい値水準以下であるという条 件下で第2ベクター投与で達成することができる。これらのデータはC57BL /6マウス内の静脈内送達のために、この値が107および108pfuであるこ とを示している。 一過性免疫抑制はベクター再投与の効率を増加させる 一過性免疫抑制がアデノウイルスベクターの再投与を可能にするかどうかを決 定するために、C57BL/6マウスがAvllacZ4の1×108pfuを 投与する時にデオキシスペルグアリン(DSG)、シクロホスファミド(Cy) 、あるいはデキサメタゾン(Dex)のいずれかを用いて免疫抑制された。前に 示されたように、この用量は有効な第2送達を完全に妨げた。マウスは毎日DS Gを33mg/kg注射され、それはベクター送達1日前から開始され更に7日 続けられた。デキサメタゾンは同じ時間コースで5mg/kgの用量で送達され た。シクロホスファミドはベクター送達の1日前1回100mg/kgあるいは 300mg/kgのいずれかを投与された。対照マウスは免疫抑制なしでAvl lacZ4を受け、あるいは最初のベクター送達なしで免疫抑制された。 ベクター投与の5週後、抗アデノウイルス中和抗体の血漿水準が測定された( 図19)。DSGあるいはシクロホスファミド300mg/kgで免疫抑制され たマウスは中和抗体を検出しなかったが、AvllacZ4を受けた他のすべて のマウス は中和抗体を生成した。第1ベクター注射35日後、マウスはAvlH9F2、 1×108pfuを受けた。AvlH9F2注射1週後、血漿サンプルが調製さ れ、ヒト因子IXの水準がエリザで測定された(図17)。DSGあるいはシクロ ホスファミド300mg/kgで免疫抑制されたマウスは第1ベクターで処置さ れなかったマウスの水準とほぼ同じ水準でヒト因子IXを発現した。Avllac Z4投与の時点で免疫抑制されなかったマウスの血漿ではヒト因子IXは検出され なかった。これらの研究で使用された条件下で、デキサメタゾンあるいはシクロ ホスファミド100mg/kgでの免疫抑制は反復注射の際に因子IXの発現を可 能とするには有効ではなかった。かくして第2ベクター注射での遺伝子導入発現 を達成する能力はDSGあるいは高用量シクロホスファミド処置による中和抗体 の抑制と相関していた。 第2ベクターAvlH9F2投与時に、シクロホスファミドあるいはデキサメ タゾンで免疫抑制された各コホートのマウスの半分は第1ベクター送達と同じ処 方を用いて再び免疫抑制された。5週後、抗アデノウイルス中和抗体の血漿水準 が測定された。シクロホスファミド300mg/kgで免疫抑制されたマウスは 中和抗体を検出しなかったが、一方シクロホスファミド100mg/kgあるい はデキサメタゾン5mg/kgで免疫抑制されたマウスは測定可能な応答を示し た(データは示されていない)。AvlH9F2注射35日後、因子VIIIベクタ ー、AvlALAPH81の1×109pfuがシクロホスファミド300mg /kgで免疫抑制されたマウスに投与され た。更に因子VIIIベクターが免疫抑制されずにAvllacZ4およびAvlH 9F2を受けた対照マウスおよびまた投薬されていないマウスにも投与された。 1週後、ヒト因子VIIIの血漿水準がエリザで測定された(図20)。AvlAL APH81ベクターのみを受けた対照マウス、および2個の事前ベクター注射時 点にシクロホスファミド300mg/kgで免疫抑制されたマウスはヒト因子VI IIを発現した。AvllacZ4およびAvlH9F2を免疫抑制なしで受けた マウス、およびAvllacZ4伝達時点で免疫抑制のみを受けたマウスはヒト 因子VIIIを発現しなかった。 DSGは臨床関連用量時に有効な反復投与を許容する DSGあるいはシクロホスファミドのいずれかの高用量がアデノウイルスベク ターの再投与を許容したが、臨床関連用量のシクロホスファミドおよびデキサメ タゾンは有効でなかったことを先の実験は示した。次の目標は低用量のDSGが 有効であるかどうかを決定することであった。最初の実験で使用されたDSGの 用量(33mg/kg)はマウスにおいて最大許容用量に近く、器官移植でヒト 臨床実験で使用される5−7mg/kgに比べて著しく高い(鈴木、他、ニュー ヨーク科学アカデミー年報 、696巻、263−269ページ(1993年); ジンドール、他、シナイ山医学ジャーナル、61巻、51−56ページ(199 4年))。低用量がベクター再投与を許容するのにまた有効であるかどうかを決 定するために、マウスはAvllacZ4の1×108pfuの投与時点でDS G5、10、20、および33mg/kgで免疫抑 制された。免疫抑制はベクター送達の1日前に開始し全体で8日継続された。ベ クター送達の日に、アデノウイルスの注射後にDSGは与えられたが、それは抗 原の後に投与された時にDSGがもっとも有効であったためであった(高原、他 、移植、53巻、914−918ページ(1992年))。 35日後各マウスはAvlH9F2、1×108pfuを受けた。AvlH9 F2投与1週後、ヒト因子IX血漿水準はエリザで測定された(図21)。Avl lacZ4で事前免疫されなかった対照マウスは平均9μg/mlのヒト因子IX を発現した。AvllacZ4は受けたが免疫抑制されなかった他の対照マウス はAvlH9F2投与後ヒト因子IXを発現しなかった。33mg/kgのDSG で免疫抑制された1匹のマウスは12μg/mlのヒト因子IXを発現した。20 mg/kgのDSGで免疫抑制された6匹のマウスの内の5匹は平均3.0μg /mlのヒト因子IXを発現し、1匹のマウスは何も発現しなかった。10mg/ kgの用量で免疫抑制されたマウスは30ng/mlから8μg/mlまでにわ たる広範囲のヒト因子IXを発現した。5mg/kgで免疫抑制された3匹のマウ スはヒト因子IXを発現せず、一方他の3匹のマウスは2乃至7μg/mlにわた る水準を発現した。AvllacZ4投与の時点で免疫抑制されなかったマウス はヒト因子IXを発現しなかった。 討議 データが示す所によると、多重静脈内投与および生成する遺伝子導入発現はベ クター送達の時点で短いコースの免疫抑制で 処理された免疫能動物で達成することができる。この観察は重要である。という のはアデノウイルスベクターに対し向けられる体液免疫応答は再投与を妨げると いうことを最近のいくつかの研究が示しているからである(スミス、他、199 3年;ケイ、他、1994年;イエイ、他、1994年;ヤング、他、1995 年)。ベクターを再投与できないことはアデノウイルスベクターの臨床利用に重 要な障害を提供した。というのは有効な再投与は慢性疾病の遺伝子治療にこれら ベクターの臨床適用が間違いなく必要とされるからである。 免疫抑制の不在の下で発現および反復用量投与を得ることの失敗はアデノウイ ルス中和抗体と相関する。そのような抗体が十分に再投与を遮断する証拠はヤン グ他、1995年に提供され、彼はベクターで事前処理されたマウスから投薬さ れていないマウスへの血清の受身送達が肝臓におけるベクター媒介遺伝子発現を 妨げることができることを示した。反復投与を妨げる免疫システムの役割もまた ベクターの反復投与が免疫不全マウスに有効であるという観察から示された(ヤ ング、他、1995年;デイ、他、1995年;バー、他、遺伝子治療、2巻、 151−155ページ(1995年))。この結果は、AvlALAPH81、 5×108pfu送達5週後の重症複合型免疫不全症マウス(scid mice)へのA vlH9F2の有効な投与を例示することにより確認された(データは示されて いない)。 アデノウイルス投与に対する体液応答を記述するこれまでの報告書は相対的に 高ベクター用量を使用していたので、我々は 当初のベクター用量と有効な反復遺伝子転移を達成する能力との間に関係を評価 した。その結果は免疫応答の大きさがベクターの当初の量に依存しており、この 用量がしきい値以下であるとすると、第2投与が可能であることを示していた。 この水準が僅か1乃至2桁臨床関連ベクター用量以下に過ぎなかったという結論 は更にベクター送達の時点での免疫抑制が再投与を許容するということを示唆し ていた。 抗アデノウイルス中和抗体力価が尾部血管経由でベクター単一投与の後にマウ スの中で少なくとも10ケ月保持されることを出願人は観察した。力価の長期の 保持は、形質導入細胞において、進行中のアデノウイルスバックボーン遺伝子発 現が低水準にあるということに帰因している。バックボーン遺伝子発現を減少し あるいは除去するように設計されたベクターはより弱い遺伝子応答を引き出し、 従って再投与を成功させるための免疫抑制の必要を少なくさせる。 DSGの一つの重要な性質は、それが免疫システムの一般的な抑制を生み出さ ず、それが薬剤処置の時点で提示される特異的抗原に対する応答の選択的欠除に 帰着するということである。ベクター送達に続く7日間にわたるDSGの免疫抑 制はベクターに対する体液応答を効果的に阻害し、効果的な第2投与を可能にし たことを我々は発見した。DSGを用いる最初の実験は33mg/kgという高 用量を採用したが、これはマウスにおける最大許容用量に近くまたヒト実験で使 用される用量の数倍高い量である。同じ8日コースにわたり投与され、内7日が ベクター処置後になる時、低用量のDSGはまたベクターの 反復投与を可能とするのに有効であった。因子IX発現の水準でより大きな個々の 変化が減量された用量で見られ、もっとも試験された最低の用量(5mg/kg )でも著しい因子IX発現が6匹の動物の内3匹で見られた。 ベクター注射の1日前300mg/kgの用量で投与されたシクロホスファミ ドもまた体液応答を遮断するのに有効であり因子IXアデノウイルスベクターを用 いた完全に有効な第2回注射を可能にした。更にベクターをコード化する因子VI IIを用いた第3回注射もまた、前の2個のベクター投与でそれぞれシクロホスフ ァミドの単一用量の前に置かれた場合に完全に有効であった。シクロホスファミ ドはホジキン病および他の白血病の治療で抗癌剤として臨床的に使用される。そ れはまた因子VIIIタンパク質置換治療で阻害体を進化させる血友病患者治療に免 疫抑制剤として使用される(エイルドート、血液学アメリカンジャーナル、47 巻、208−217ページ(1994年);ニルソン、他、ニューイングランド 医学ジャーナル 、318巻、947−950ページ(1988年))。マウスで 再投与を成功裡に得るために使用される用量がヒトで一般に使用されるものより もかなり高いが、一方より低い臨床的に受け入れられる用量がヒトに有効である かどうかは確証すべきものとして残っている。器官移植セッティングの経験から 示唆される一つの可能性は、免疫抑制剤の組合せが毒性がより少なくて免疫シス テムのより有力な抑制を産みだすであろうということである。例えばシクロホス ファミドはデキサメタゾンと併用されると低用量で有効である。必要とされる免 疫抑制の度合が治療 を実施するのに必要となるベクターの用量に依存することも可能である。この研 究で使用されたAvlH9F2の用量、1×108pfuは5−10μg/ml のヒト因子IXの血漿水準を生み出し、これは血友病患者を治療する水準を20− 50倍上回っていた。高水準で導入遺伝子産物を発現し比較的低い用量で投与す ることのできるAvlH9F2などのベクターは免疫刺激の範囲および必要とさ れる免疫抑制の度合を必ず減少させるものとなる。 要約すると、全身投与アデノウイルスベクターの有効な反復性送達は短期間の 免疫抑制で達成できることを出願人は示してきた。重要なことは、これはヒトで の使用が認められるかあるいは臨床試験をされているかの薬剤を用いて達成でき るということである。 この明細書において引用されたすべての特許、公開情報(公開特許出願を含む )、およびデータベースアクセス番号、ならびに受託アクセス番号の開示は、あ たかも各個別特許、公開情報、およびデータベースアクセス番号、ならびに受託 アクセス番号が特異的かつ個別に引用例として組込まれるように指示されたかの ように引用例としてここに特異的に組込まれる。 しかしこの発明の範囲は前記の特異的な実施例に限定されるものではない。こ の発明は特に記載されたもの以外にも実施することができ、しかも以下にある特 許請求の範囲内にある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 45/00 ABC A61K 37/02 C12N 15/09 C12N 15/00 A //(C12N 15/09 C12R 1:92) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),CA,JP,US (72)発明者 マクレランド,アラン アメリカ合衆国,20882 メリーランド, ゲイザーズバーグ,ウッドフィールド ロ ード 23709 (72)発明者 カレコ,マイケル アメリカ合衆国,20854 メリーランド, ロックビル,ハースストーン コート 8 (72)発明者 スミス,セオドア アメリカ合衆国,20854 メリーランド, ジャーマンタウン,クラブ ヒル ドライ ブ 20165

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.遺伝子治療処置を宿主に実施する一つの方法であって (a)宿主に(i)治療薬をコード化する少なくとも1個のDNA配列を含む アデノウイルスベクターおよび(ii)免疫抑制剤を投与し、 (b)前記アデノウイルスベクターおよび前記免疫抑制剤の投与を中断し、 (c)段階(a)の治療薬をコード化する少なくとも1個のDNA配列を含む 前記アデノウイルスベクターおよび前記免疫抑制剤の投与のコースを少なくとも 1回反復し、前記アデノウイルスベクターは治療効果を前記宿主に生み出すのに 有効な量で投与され、また前記免疫抑制剤は前記宿主の前記アデノウイルスベク ターに対する免疫応答を妨げあるいは抑制するのに有効な量で投与される、 という段階よりなることを特徴とする方法。 2.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記免疫抑制剤がステロイド であることを特徴とする方法。 3.請求の範囲第2項記載の方法であって、ここで前記ステロイドがデキサメタ ゾンであることを特徴とする方法。 4.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記免疫抑制剤がシクロスポ リンAであることを特徴とする方法。 5.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記アデノウイルスベクター が約1pfuから約1014pfuまでの量で各回投与されることを特徴とする方 法。 6.請求の範囲第3項記載の方法であって、ここで前記デキサ メタゾンが約1mg/kgから約15mg/kgまでの量で各回投与されること を特徴とする方法。 7.請求の範囲第6項記載の方法であって、ここで前記デキサメタゾンが約2m g/kgでの量で各回投与されることを特徴とする方法。 8.請求の範囲第5項記載の方法であって、ここで前記アデノウイルスベクター が約106pfuから約1013pfuまでの量で各回投与されることを特徴とす る方法。 9.請求の範囲第8項記載の方法であって、ここで前記アデノウイルスベクター が約108pfuから約1010pfuまでの量で各回投与されることを特徴とす る方法。 10.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記免疫抑制剤がデオキシ スペルグアリンであることを特徴とする方法。 11.請求の範囲第10項記載の方法であって、ここで前記デオキシスペルグア リンが約1mg/kgから約33mg/kgまでの量で各回投与されることを特 徴とする方法。 12.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記免疫抑制剤がシクロホ スファミドであることを特徴とする方法。 13.請求の範囲第12項記載の方法であって、ここで前記シクロホスファミド が約5mg/kgから約300mg/kgまでの量で各回投与されることを特徴 とする方法。 14.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記デオキシスペルグアリ ンが約3mg/kgから約7mg/kgまでの量で各回投与されることを特徴と する方法。 15.請求の範囲第13項記載の方法であって、ここで前記シクロホスファミド が約50mg/kgから約100mg/kgまでの量で各回投与されることを特 徴とする方法。 16.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記免疫抑制剤が14日を 越えない期間で投与されることを特徴とする方法。 17.請求の範囲第16項記載の方法であって、ここで前記免疫抑制剤が11日 を越えない期間で投与されることを特徴とする方法。 18.請求の範囲第17項記載の方法であって、ここで前記免疫抑制剤が8日を 越えない期間で投与されることを特徴とする方法。 19.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記免疫抑制剤の前記投与 が前記アデノウイルスベクターの投与の約24時間前に開始されることを特徴と する方法。 20.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記免疫抑制剤の前記投与 が前記アデノウイルスベクターの投与と同時に開始されることを特徴とする方法 。 21.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記免疫抑制剤の前記投与 が前記アデノウイルスベクターの投与の約24時間後に開始されることを特徴と する方法。
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