JPH10505053A - 窒化ホウ素 - Google Patents

窒化ホウ素

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JPH10505053A JP8509272A JP50927296A JPH10505053A JP H10505053 A JPH10505053 A JP H10505053A JP 8509272 A JP8509272 A JP 8509272A JP 50927296 A JP50927296 A JP 50927296A JP H10505053 A JPH10505053 A JP H10505053A
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ロマシン,アレクサンダー・ガヴリーロヴィア
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クリコワ,ガリーナ・イワーノヴナ
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Abstract

(57)【要約】 窒化ホウ素製物品は(i)ターボストレイト型BN粉末を熱処理することによってその酸素含有量を5〜8%まで低減させ(メソグラファイト型BN)、(ii)この熱処理粉末を洗浄し、(iii)該粉末を無定形ホウ素5〜8%と混合し、(iv)該混合物を成形し、(v)該成形体を流体圧法によって急激に圧縮し、次いで、(vi)該圧縮成形体を反応焼結させることにより該物品を形成させることによって製造される。該物品をBNとSiCとの混合粉末中に埋めて熱処理することによって残留するB23を除去する。次いで、該物品に、熱分解によって多量のSiCを生成する低粘度メチルシランオリゴマー(MW<1000)を含浸させた後、該物品を熱処理することによってその厚さ全体にわたって細孔にSiCを均一に充填させる。

Description

【発明の詳細な説明】 窒化ホウ素 この発明はセラミック製、特に窒化ホウ素(BN)製の物品の製造法および該製 造法によって得られる物品に関する。窒化ホウ素製物品は電子産業、電気産業、 無線電信産業、冶金産業、原子力産業およびロケット産業において、高温誘電性 電気絶縁部品、るつぼ、ガラス合成用ボート、合金溶解用ボート、単結晶成長用 ボート、蒸発器用鍋、金属や合金および耐火性セラミックの溶融もしくは注入用 の種々の装置並びにガスタービンエンジン用構造部品として使用されている。 現在実用化されている窒化ホウ素の主要な焼固法は冷間圧縮した半加工品(bla nk)の反応焼結法、加熱圧縮法および熱分解法である。 ハロゲン化ホウ素の蒸着によって得られる熱分解窒化ホウ素は高い純度と密度 および最高の品質を有しており、その強度は20〜1400℃またはそれ以上の 高温度に加熱しても維持されるだけでなく、実際は確実に増大する。しかしなが ら、熱分解法は、有害な排出ガスを濾過によって除去するコスト高の処理操作を 含む複雑で多量のエネルギーを消費する方法である。また、熱分解によって得ら れる窒化ホウ素物品の実用的な最大の厚さは約5mmである。 加熱圧縮法、即ち、1800〜2200℃のグラファイト製圧縮モールド内で 成形と圧縮を同時におこなう方法は窒化ホウ素製物品の比較的低コストの製法で ある。この方法によって得られる物品は高い密度と強度を示すが、溶融し易い無 水ホウ酸を10〜15%含有しており、その構造的強度は1000℃よりも高い 温度において実質的に完全に失われる。さらに、加熱圧縮法による窒化ホウ素材 料は熱分解法の場合ほどではないが、高度の異方性を示す。 従って、熱分解法による窒化ホウ素のような高温での強度を有すると共に、加 熱圧縮法による窒化ホウ素のような低コストで、汚染度が少なく、厚い窒化ホウ 素製物品を製造することが望ましい。 冷間圧縮した窒化ホウ素製半加工品を焼結する既知の方法、即ち、最初の成形 とその後の焼結を別々におこなう方法はこのような要請に応えるためのものであ るが、得られる製品はかなりの多孔性であり(40%まで)、その強度はわずかに 10〜20MPaに過ぎず、広範囲の用途にとって明らかに不十分である。 ルサノヴァとゴルシャコヴァは、窒化ホウ素のこのような焼結の問題はこの構 造に直接関係していることを究明した[Soviet Powder Metallurgy、第28 巻(2)、第108頁(1989年)参照]。窒化ホウ素の基本的な構造要素は主と して共有結合によってB原子とN原子が強く結合した六方環から成る平坦なシー トであり、シート間の凝集は主として弱い分子間相互作用による。これらのシー トは堆積して等角で厚さが50nmまでの平坦で薄いプレートを形成する。このよ うな構造においては、結晶面での粒子の結合は不完全であり、六角形の角におけ る結合は実際上おこらない。 自己結合性セラミックの製造は、ターボストレイト型構造(turbostratic−str ucture)を有する窒化ホウ素の合成法の開発によって可能となった(例えば、米国 特許第3241919号明細書参照)。ターボストレイト型窒化ホウ素は半無定 形構造を有しており、ほぼ平行なシート群は不規則にシフトするか、または法線 に対して回転した状態にある。上記の研究者は、シートの堆積における充填欠陥 はシート間に存在する酸素に起因することも明らかにしている。この事実は粉末 の爆発性圧縮による物品の成形技術において特に重要である。何故ならば、粉末 から爆発圧縮成形される物品はシート間の全ての酸素を保有しているために次の 様にして焼結されるからである。即ち、ターボストレイト型窒化ホウ素粉末中の ホウ素に化学的に結合した酸素は窒素の欠損をもたらし、温度がB−O結合を切 断するのに十分に高い温度まで高くなると、酸素は構造から脱離し、残存する非 補償結合に起因して六角形シートのホウ素−ホウ素結合の接続(joining)が発生 する。この知見をターボストレイト型粉末から圧縮成形される物品の焼結機構に 適用することにより、ルサノヴァとゴルシャコヴァは反応焼結(reaction−sinte ring)法を開発した(前記文献参照)。この方法は本発明に最も関連する以下の様 な技術である。 ターボストレイト型窒化ホウ素粉末を10〜50質量%の無定形ホウ素と予備 混合し、該混合物を1〜2トン/cm2の圧力下で圧縮する。圧縮成形体を窒素雰 囲気下、1400〜1800℃において、該成形体の全バルクにわたっての窒化 反応が完結するまで焼成する[1978年8月7日出願のソ連の発明者証第63 5074号明細書参照]。この方法は耐火性物品の製造に有効である。 しかしながら、この方法には次の様な問題がある: (i)壁厚物品中のホウ素の完全な窒化は困難である。 (ii)窒化ホウ素構造中に酸素を含有するターボストレイト型窒化ホウ素/ホウ 素混合物を焼結するときに形成される無水ホウ酸の除去が困難である。 (iii)ターボストレイト型窒化ホウ素のマトリックス中に不均一に分布する多 量の無定形ホウ素の窒化によって発生する内部応力は全体の体積を2〜3倍増大 させる。 従って、この方法の利用は一定の寸法の物品の製造にのみに限定されており、 B23の含有量が1質量%よりも少なくて壁厚が5〜7mmよりも大きな物品の製 造には不適当である。 酸素を含有する冷間成形したターボストレイト型窒化ホウ素を1800〜20 00℃焼結することによって酸素を除去して可能な限り純粋で規則的な六方晶系 の窒化ホウ素に調製した物品は相当な強度を有しており(熱分解法による窒化ホ ウ素の約半分)、該強度は0〜1400℃において維持され、加熱圧縮法による 窒化ホウ素に500℃よりも高温において著しく優れた性能を付与する。 この発明は、窒化ホウ素の焼結過程を活性化するために、微細に分散された金 属粉末を不規則な構造を有するBN粉末に添加した。 本発明によれば、メソグラファイト型窒化ホウ素粉末および元素状ホウ素以外 の反応焼結剤との混合物から窒化ホウ素セラミック製物品を製造する方法であっ て、該混合物を該物品の形態に成形し、該成形混合物を加圧下で圧縮し、該圧縮 混合物を真空下または窒素雰囲気下において反応焼結させることを含む該製造法 において、(i)メソグラファイト型窒化ホウ素が化学的に結合した酸素を5〜1 0質量%含有し、(ii)反応焼結剤を化学的に結合した酸素に対して少なくとも化 学量論的に当量使用して焼結条件において存在するB、Nおよび/またはOと化 学的に反応させることによって耐火性化合物および許容される微量の揮発性生成 物を生成させることを特徴とする窒化ホウ素セラミック製物品の製造法が提供さ れる。「メソグラファイト型BN」は、完全に不規則的なターボストレイト型構造 のBNと完全に規則的なグラファイト型構造のBNとの中間の範囲のBNを意味 する。金属は、焼成ガス媒体とBNのマトリックスと反応したときに耐火性の窒 化物、酸化物およびホウ化物並びに該混合物に添加される成分よりも大きなモル 体積を有する生成物を生成する金属から選択すべきであり、また、該金属の反応 は検出可能な発熱効果を伴う反応である。該反応に伴う体積増大効果と発熱効果 を利用することにより、比較的弱い焼成条件下、即ち、1800℃までの温度と 0.06MPa程度の窒素圧の条件下において満足すべき構造強度を有する料材が 得られる。該混合物に添加する金属粉末の量は5〜50質量%にしてもよい。該 金属粉末の比表面積は好ましくは10m2/gよりも小さくない。金属粉末として はアルミニウム、チタンもしくはケイ素の粉末またはこれらの混合物が例示され るが、これらの粉末は所望によりホウ素または焼成過程においてこれらの金属を 生成する化合物を含有していてもよい。この反応焼結法を利用することにより、 高純度の窒化ホウ素(添加金属がホウ素の場合)から5種の異なる化合物を含む複 雑な構造を有する複合材料まで多数の材料が得られる。 また、本発明によれば、(i)化学的に結合した酸素を5〜10質量%含有する メソグラファイト型窒化ホウ素粉末および化学的に結合した該酸素に対して少な くとも化学量論量の元素状ホウ素との混合物を窒化ホウ素セラミック製物品の形 態に成形し、(ii)該成形体を加圧下で圧縮し、(iii)該圧縮成形体を真空下また は窒素雰囲気下で反応焼結させ、(iv)該焼結成形体に液状または溶液状(好まし くは酸素を含有しない溶液状)の有機ケイ素化合物(MW<1000)を含浸させ 、(v)該含浸成形体を真空下または不活性ガス雰囲気下において600〜170 0℃の熱処理に付すことを含む窒化ホウ素セラミック製物品の製造法が提供され る。 圧縮は流体圧によっておこなってもよい。るつぼのような複雑な形態の物品を 製造する場合には、流体圧による圧縮、例えば、成形混合物を包囲する水圧液体 中での爆発衝撃波により、例えば、50〜300MPaの圧力下での圧縮が好ま しいが、平坦な物品の製造の場合には静的圧縮が適当である。 さらに、本発明によれば、(i)化学的に結合した酸素5〜10質量%含有する メソグラファイト型窒化ホウ素粉末および化学的に結合した該酸素に対して少な くとも化学量論量の元素状ホウ素との混合物を窒化ホウ素セラミック製物品の形 態に成形し、(ii)該成形体を流体圧によって圧縮し、(iii)該圧縮成形体を真空 下または窒素雰囲気下において反応焼結させることを含む窒化ホウ素セラミック 製物品の製造法が提供される。 本発明による窒化ホウ素の反応焼結の著しい特徴は、不規則な構造のBNのマ トリックスが活性であること並びに得られるセラミックの特性が、反応焼結法の 定義が提案するように、添加金属と焼成ガス媒体との間の相互作用よりも、酸素 の除去を伴うBNマトリックスの構造的変化および酸化物、ホウ化物、オキシ窒 化物および他の化合物をもたらすBNと添加金属との反応に起因するということ である。従って、最終的に得られるセラミックの組成と特性は出発原料となるB N粉末の構造型、該粉末に含まれる酸素の量、金属粉末の添加量、ガス媒体およ び焼成温度によって著しく影響される。 本発明の最も一般的な態様によれば、メソグラファイト型窒化ホウ素粉末およ び元素状ホウ素粉末との混合物を窒化ホウ素セラミック製物品の形態に成形し、 該成形体を加圧下で圧縮し、該圧縮成形体を真空下または窒素雰囲気下で反応焼 結することを含む該物品の製造法において、メソグラファイト型窒化ホウ素が化 学的に結合した酸素を5〜10質量%含有し、元素状ホウ素を化学的に結合した 該酸素に対して少なくとも化学量論的に当量使用することを特徴とする窒化ホウ 素セラミック製物品の製造法が提供される。 元素状ホウ素は無定形または結晶性であってもよく、好ましくは、比表面積が 少なくとも10m2/gの粉末状形態であり、またその配合量は混合物の質量に対 して5〜8質量%である。 出発原料となる窒化ホウ素は好ましくはターボストレイト型のものであり、該 窒化ホウ素は元素状ホウ素または他の反応焼結剤と混合する前に、好ましくは不 活性ガス雰囲気下もしくは真空下、1300〜1500℃で、例えば1時間また はそれ以上加熱することによって平衡化するのが好ましく、この熱処理によって 15%程度含まれる酸素の量は5〜10%まで低減し、窒化ホウ素の一部はター ボストレイト型からメソグラファイト型の構造に変換される。この窒化ホウ素の 比表面積は少なくとも100m2/gにするのが好ましい。窒化ホウ素は、例えば 水、アルコールまたは他の適当な溶剤中で洗浄することによって、無水ホウ酸B23の含有量をホウ素と混合する前に、好ましくは1.5質量%のレベルまで低 減させるのが好ましい。 本発明は一般的には活性マトリックス内での反応焼結の原理、即ち、該マトリ ックスと反応焼結剤との化学的相互作用、例えば前述のようなBN−B系の焼結 に基づくものである。その他の焼結系にはBN−AlおよびBN−Al−Si系が 例示される。加熱条件下では、化学的に結合したBNの酸素とアルミニウムとの 反応および窒素とアルミニウムとの反応が進行し、長時間にわたってBN−Al2 3−ANを含む耐火性複合セラミックが形成される。 得られるセラミックの個々の用途に応じてBN粉末中の酸素の含有量および反 応焼結剤の添加量は適宜調整すればよい。また、焼成を別々の段階において真空 下、不活性ガス雰囲気下または窒素ガス雰囲気下においておこなうことによって 、所望の組成を有する複合材料、即ち、六方晶系の窒化ホウ素を主成分とし、添 加成分として窒化物、酸化物、ホウ化物、オキシ窒化物およびより複雑な相、例 えばシアロンおよびムライト等を種々の割合で含有する複合材料が得られる。 本発明によれば、焼結活性な酸素含有BN粉末の混合物を半乾燥成形すること を含む窒化ホウ素からセラミック製物品を製造する方法において、大きな寸法と 複雑な形態を有する物品を低融点添加剤を使用せずに等方性特性と安定な物理技 術的特徴を高温で維持するのに有効な低温焼結をおこなうために、構造的に結合 した酸素に対して10重量%までの化学的に結合した酸素を含有する不規則構造 を有するBN粉末を不活性ガス雰囲気中、1300〜1500℃で熱処理し、次 いで、水中または低級アルコール中で洗浄した後、反応焼結剤、即ち、窒素ガス もしくは不活性ガス雰囲気中または真空下での焼結条件下において該BN粉末中 の該酸素との化学反応によって耐火性化合物(窒化物、酸化物、ホウ化物)を形成 し得る元素および/または化合物形態の反応焼結剤と混合することを特徴とする セラミック製物品の製造法が提供される。 反応焼結剤は前述のような金属ホウ素微粉末またはその他の微粉末、例えば、 アルミニウム、ケイ素、チタンもしくはこれらの混合物の微粉末、またはこれら の金属の水素化物もしくは有機化合物の微粉末である。 このような原料を以下に例示する。 原料 生成するセラミックの組成 BN+B BN BN+Al BN+Al2O3+AlN+9Al2O3・2B2O3 BN+Ti BN+TiB2+TiB+TiN BN+B+Al BN+Al23+AlN+AlB BN+Al+Si BN+シアロン BN+Al+B+Si BN+シアロン BN+Ti+Al BN+AlN+Al23+TiB2+TiN BN+Ti+B BN+TiB2+TiB BN+TiH2 BN+TiB2+TiB BN+B1012・2NH3 BN BN+メタ−B10C2H10(CH2OH)2(メタ−カルボランジオール) BN BN+ポリ−カルボラノシラン BN+SiC+Si34 またはポリカルボ−ボーロ−シロキサン 反応焼結は、少なくとも時々0.03MPaを越える圧力(好ましくは0.2MP aを越える圧力)の窒素ガス中においておこなうのが好ましい。この場合、所望に より、圧縮混合物からのガス状生成物(主としてB23)の除去と圧縮混合物への 窒素ガスの浸透が交互におこなわれるように窒素ガスの圧力を調整してもよい。 本発明の別の特徴によれば、反応焼結後、還元剤またはその前駆体を含有しか つ成形体の加熱時に発生する揮発性酸化物を吸収し得る粒子状媒体(好ましくは 耐火性粒子状媒体)中に反応焼結した成形体を埋めて少なくとも1400℃に加 熱する工程(この工程は所望により繰り返してもよい)をさらに含む窒化ホウ素セ ラミック製物品の製造法が提供される。還元剤はSiCまたは酸素を含有しない 他の耐火性ケイ素含有化合物(該化合物はSi、C、NおよびH以外の元素を含有 しないのが好ましい)であってもよい。また、粒子状媒体(「埋没用金属」)は耐火 性の媒体、好ましくはBNも含んでいてもよく、これによって物品から発生する 残留B23を除去してもよい。 本発明のさらに別の特徴によれば、反応焼結工程およびその後におこなうこと もある「埋没用金属」を用いる工程後、前記の方法によって得られる物品に液状ま たは溶液状(好ましくは酸素含有しない溶液状)の有機ケイ素化合物[分子量(MW )<1000]を吸収、浸透または含浸させ、次いで真空下または不活性ガス雰囲 気中で該含浸処理後の物品を600〜1700℃の熱処理に付す工程を含む窒化 ホウ素セラミック製物品の製造法が提供される。有機ケイ素化合物は1000〜 1200℃での熱分解において少なくとも70質量%の無機残分を生成するのが 好ましく、該化合物はオリゴメチルヒドリドシランであってもよく、またはこれ を含有していてもよい。その場で共重合可能なオリゴシランの混合物を使用して もよく、また、これらの化合物の分子量は800を越えないようにするのが好ま しく、これによって粘度は低く維持される。 本発明には前記の方法によつて製造されるセラミック製物品、例えば、グロメ ット、耐熱性部品、電気部品および構造部材等が包含される。この種の物品の厚 さは問題なく20mmまたはそれ以上にすることができる。 本発明は適度の低コスト原料と常套の装置を用いて過度に高くない温度条件下 でおこなうことができる。 以下、本発明を実施例によって説明する。 態様1 窒化ホウ素粉末または米国特許第3241919号明細書に記載の方法に従っ て、B、NおよびOを含有する化合物から合成する。即ち、減圧炉内において尿 素とホウ酸をアンモニア雰囲気中で30時間反応させることによって、不規則な ターボストレイト型構造を有しかつ化学的に結合した酸素を15質量%またはそ れ以上(該構造がより不規則である場合)含有する窒化ホウ素粉末が得られる(該 酸素含有量にはB23として存在する酸素は算入しない。B23はこの後の工程 において、アルコールまたは他の適当な溶剤によって除去される)。この粉末を 収集し、これを不活性ガス雰囲気下、1300〜1500℃において構造変化が おこらなくなるまで熱処理することによって構造の部分的黒鉛化、即ち、ターボ ストレイト型構造から酸素含有量が5〜10質量%に低減したメソグラファイト 型構造への変化をもたらす。この構造的変化は連続的であり、メソグラファイト 型構造はターボストレイト型構造と完全な六方晶構造との間の半無定形中間構造 である。次いで該粉末を水または工業用純度のアルコールで洗浄することによっ て非結合B23を1.5質量%以下まで除去する。この洗浄処理は熱処理の前に おこなってはならない。何故ならば、熱処理前の窒化ホウ素は反応性が非常に高 く、洗浄用の水またはアルコールと反応するからである。 次いで、この不規則構造を有する窒化ホウ素92〜95質量%および無定形ホ ウ素を5〜8質量%含有する5〜50%反応焼結剤との混合物に石油エーテル炭 化水素溶剤に溶解させたエラストマー約1%または2%(乾燥重量換算)添加した 原料の金属コアー上での成形を、例えば30〜500MPaの爆発圧縮等の流体 力学的半乾燥成形法によっておこなう。成形体の焼成は窒素雰囲気下、1400 もしくは1500〜1800℃において、成形体の全バルク中のホウ素が窒化さ れかつ生成するB23が完全に蒸発除去されるのに必要な時間おこなう。 上記の混合物に添加する添加剤の量はBN粉末中の酸素含有量に応じて一定に する。即ち、BN粉末中の酸素含有量が多いほど、混合物に添加すべきホウ素の 量は多くする。この理由は、ホウ素の一部が無水ホウ酸の生成に関与し、残余の ホウ素のみがマトリックスおよび/またはガスと反応し(例えば、窒化し)、BN を生成してセラミックを圧縮するからである。 無定形ホウ素を5〜8質量%添加することにより、壁厚物品の全バルク中での 完全な窒化が達成されてB23の含有量を0.2質量%まで低減させることがで きるので、応力の増大が回避されると共に該物品の製造コストが低下する。るつ ぼ、電気絶縁体または容器のように寸法の大きな物品の場合のように、機械的強 度が重要な特性にならないときには、ホウ素の使用量をより少なくしてもよい。 しかしながら、いずれの場合にも、ホウ素の添加量は、窒化ホウ素中の化学的に 結合した酸素と少なくとも当量になるようにすべきである。 ホウ素の使用量を少なくすることによる低い強度は、高密度をもたらすパラメ ーターと成形法を適当に選択することによってかなりの程度まで補償することが できる。等方加圧法を利用してもよいが、寸法が大きくて複雑な形態を有する物 品に対しても流体を用いて全体にわたって等しい加圧作用をもたらす流体力学的 加圧法を使用することによって、成形体の密度と密度の均一度を高くすると共に 内部応力の発生を防止することができる。流体圧は装填材料の量に応じて、反応 焼結中のその後の拡散過程が最良におこなわれるような充填密度が得られるよう に50〜300MPaの範囲内で選択される。 反応焼結は窒素雰囲気中、1.0MPaまでの圧力下において最終温度が150 0〜1800℃になるような条件でおこなう。ホウ素の含有量が5〜8%のよう に少ない場合には、窒化反応による全発熱量は少ないので、該熱量は焼結には役 に立たない。従って、炉内温度は1500℃よりも低温にできない。これによっ て焼結時間を短縮できる。炉の処理室の窒素圧を0.03MPaまたはそれ以上に 高めることにより、焼結過程を強化して成形体の全バルク中のホウ素の窒化を促 進することができ、また、窒素圧を0.2MPaにする場合には、窒化速度は実用 的処理時間内においては成形体の壁厚に左右されなくなる。このような窒素圧は 成形体の壁部からのB23の放出速度を遅くするので、窒素圧は時々ゼロまで低 下させてもよく、例えば、加圧と排気を2時間ごとに繰り返してもよい。 態様1の実施例1 寸法が大きくて50mmまでの厚さの壁部を有する物品例えば、グロメットを成 形するために、洗浄した窒化ホウ素粉末95質量%および元素状の無定形もしく は結晶性ホウ素粉末(比表面積:>10m2/g)5質量%から成る混合物を調製し、 これに少量の結合剤(エラストマーの2%石油エーテル炭化水素溶剤溶液)を混合 する。窒化ホウ素粉末は前述のようにして合成した後、1500℃で1時間熱処 理したものを用いる。該窒化ホウ素はメソグラファイト型構造を有しており、そ の酸素含有量は6〜7質量%である(この酸素含有量は全ての元素状ホウ素と結 合し得る酸素量よりも少ない量である)。上記の混合物を粉末状金属コアーの周 囲に充填し、弾性スリーブをこの上にかぶせて該混合物にグロメットの形態を保 持させる。コアーの形態は物品の内部形態を特定する。物品に要求されるパラメ ーターを得るために、物品の外側には付加的な有孔パッキンを装着させてもよい 。 金属コアー、粉末状混合物および弾性スリーブから成る構造体を作用流体(こ の場合には水)を満たした流体力学的装置の室内に収容し、該構造体を300M Paの爆発力によって圧縮させる。 この成形体からカバーを取りはずし、100℃で乾燥させることによってエラ ストマー用の炭化水素溶剤を除去させる。次いで、該成形体を、反応焼結用に粉 砕した窒化ホウ素スクラップ粉末中に埋没させる。(このスクラップBN粉末は 焼結を促進する不純物または添加剤を含有しないので、成形体に焼結混入しない 。その他の粉末も理論的には使用可能であるが、BN粉末ほど有効ではない。い ずれにしても使用する粉末から酸素を除去すべきである。)反応焼結は電気抵抗 真空炉内において窒素雰囲気中、0.05MPaの圧力下で最終温度が1600℃ になる条件で焼成を10時間おこなうことによっておこなう。 得られる成形体の特性は次の通りである:多孔度30%、電気抵抗約1012Ω ・m、B23含有量<0.5質量%、曲げ強さ25〜40MPa。該成形体は熱衝 撃に対して安定であり、20〜2000℃の温度範囲内での加熱と冷却の繰り返 し 試験に付してもその性能特性を失うことなく耐える。 態様1の実施例2 壁厚10mmの物品、例えばるつぼを成形するために、窒化ホウ素92質量%お よびホウ素8質量%から成る混合物を使用する。この窒化ホウ素粉末は予め13 00℃で熱処理したものであり、メソグラファイト型に変化する顕著なターボス トレイト構造を有し、その酸素含有量は10質量%までである。成形と圧縮処理 は上記の実施例1の手順に準拠しておこない、流体力学的装置の室内の圧力は1 50MPaにする。反応焼結も実施例1の手順に準拠しておこなうが、この場合 は窒素圧を0.03MPaとし、最終温度は1500℃として焼成を10時間おこ なう。 得られたセラミック中の金属添加物の全含有量は10質量%を越えず、B23 の含有量は0.2質量%を越えず、曲げ強さは30〜50MPaであって、少なく とも1400℃までは低下しない。得られたるつぼは熱衝撃および溶融金属もし くはガラスの暴露に対して安定である。該るつぼは高い熱伝導度と等方性特性を 有するので、そのバルク全体の急速かつ均等な加熱が保証される。また、該るつ ぼはチタンの溶融処理に10回使用した後でもその性能特性を維持する。 態様1の実施例3(BN+Al) 酸素を約9質量%含有する不規則構造を有するBN粉末をアルミニウム微粉末 (比表面積:3〜5m2/g)30質量%と混合する。該混合物を半乾燥成形法により 、スチール製の横型成形機用喰切り環(直径:250mmまで、厚さ:25mmまで)の 形態に圧縮成形した後、真空中において1200℃で焼成し、次いで窒素雰囲気 中において1500℃で焼成する。 得られたセラミック製物品の構成成分の量は次の順序で少なくなる:BN、Al23、AN、9Al23・2B23。BNの含有量は約60質量%である。この 物品は40〜60MPaの機械的強度を有し、また、浸食性溶融物に対して高い 熱的安定性と耐性を示す。該物品は不活性媒体または低酸化性媒体中での長期間 の使用に適合する。 態様1の実施例4(BN+Al) 不規則構造を有するBN粉末(酸素含有量:約5質量%)80質量%をアルミニ ウム微粉末(比表面積:3〜5m2/g)20質量%と混合する。この混合物を前述の 流体力学的加圧法により、電気絶縁インサートまたは保護カバーの形態に圧縮成 形する。該成形体は窒素雰囲気中において1450℃までの温度で焼成する。 得られたセラミック製物品の構成成分の量は次の順序で少なくなる:BN、Al N、Al23。BN含有量は約70質量%である。この物品は40〜80MPaの 機械的強度および約10nΩ・m(nは約10の数を示す)の電気抵抗を有し、また 、腐食性および浸食性溶融物に対して高い熱的安定性と耐性を示す。該物品は急 激な温度低下を伴う不活性媒体もしくは低酸化性媒体中で長期間使用する用途お よび金属溶融物と長期間接触する用途に適合する。 態様1の実施例5(BN+Al+B) 不規則構造を有するBN粉末(酸素含有量:約6質量%)70質量%をアルミニ ウム微粉末(比表面積:3〜5m2/g)25質量%およびホウ素微粉末(比表面積:5 〜10m2/g)5質量%と混合する。この混合物を流体力学的加圧法により、グロ メット、環またはコアーの形態に圧縮成形する。この物品を窒素雰囲気中におい て1550℃までの温度で焼成する。 得られたセラミック製物品の構成成分の量は次の順序で少なくなる:BN、Al N、AlB2、Al23。BNの含有量は約70質量%である。この物品は70〜 80MPaの機械的強度、約1010Ω・mの電気抵抗および1.7g/cm3以上の密 度を有し、また腐食性および浸食性溶融物に対して高い熱的安定性と耐性を示す 。該物品は急激な温度低下を伴う不活性媒体もしくは弱酸性媒体中で長期間使用 される構造部材、例えば熱電対用保護カバー等として適当である。 態様1の実施例6(BN+Ti) 不規則構造を有するBN粉末(酸素含有量:約8質量%)をチタン微粉末(比表面 積:10〜15m2/g)15質量%と混合する。この混合物を流体力学加圧法によ りボート、るつぼまたは蒸発器−ケトルの形態に圧縮成形し、該成形体を窒素雰 囲気中において1600℃までの温度で焼成する。 得られたセラミック製物品の構成成分の量は次の順序で少なくなる:BN、Ti B2、TiN。BNの含有量は約80質量%である。この物品は溶融アルミニウム に対して高い熱的安定性と耐性を示す。該物品は不活性雰囲気中または真空下で 長期間使用するアルミニウム蒸発器用抵抗体として適当である。 態様1の実施例7(BN+Ti+Al) 不規則構造を有するBN粉末(酸素含有量:約8質量%)をチタン微粉末(比表面 積:10〜15m2/g)10質量%およびアルミニウム微粉末(比表面積:3〜5m2 /g)10質量%と混合する。この混合物を流体力学的加圧法によりチューブまた はプレートの形態に圧縮成形し、該成形体を窒素雰囲気中において1550℃ま での温度で焼成する。 得られたセラミック製物品の構成成分の量は次の順序で少なくなる:BN、Al N、Al23、TiN、TiB2。BNの含有量は約70質量%である。この物品は 高い熱的安定性と曲げ強さ(20〜30MPa)を有し、また、熱衝撃と溶融アル ミニウムに対して安定である。該物品は冶金学的モニタリングのために金属溶融 物中に浸漬して不活性雰囲気中または真空下で長期間使用するセンサー用保護カ バーとして適当である。 態様1の実施例8(BN+TiH2) 不規則構造を有するBN粉末(酸素含有量:約8質量%)を水素化チタン微粉末( 比表面積:10〜15m2/g)15質量%と混合する。この混合物を流体力学的加 圧法によりボート、るつぼまたは蒸発器−ケトルの形態に圧縮成形し、該成形体 を窒素雰囲気中において1600℃までの温度で焼成する。 得られた物品の構成成分の量は次の順序で少なくなる:BN、TiB2、TiN。 BNの含有量は約80質量%である。この物品は溶融アルミニウムに対して高い 熱的安定性と耐性を示す。該物品は不活性雰囲気中または真空下において長期間 使用されるアルミニウム蒸発器用保護体として適当である。 態様1の実施例9(BN+Si+Al) ケイ素粉末(比表面積:3〜5m2/g)4.2質量%、アルミニウム粉末(比表面積 :5〜10m2/g)12.5質量%、ターボストレイト型窒化ホウ素粉末82.3質 量%およびゴムバインダー1質量%から成る成形用混合物を調製する。窒化ホウ 素粉末は1500℃で予め加熱処理する(酸素含有量:6〜7質量%)。この混合 物を冷間半乾燥成形用モールド内に充填し、0.5〜1トン/cm2の圧力下で圧縮 することにより平行六面体(7×7×70mm)を得る。 この圧縮成形体をモールド内から取り出して反応焼結用の粒状窒化ホウ素媒体 中に埋没させ、これを電気抵抗型真空炉内において窒素雰囲気中(0.05MPa) 、最終焼結温度が1600℃になる条件下で10時間焼成する。 得られた物品は高い電気抵抗を有する(約1011Ω・m)。X線による相間分析( phase−by−phase analysis)および化学分析によれば、該物品は75%の六方 晶構造を有する窒化ホウ素と20〜25%のシアロンを含み、B23の含有量は 0.5質量%を越えない。また、該物品の曲げ強さは20〜30MPaである。該 物品は熱衝撃に対して安定であり、不活性媒体中において20〜2000℃の温 度範囲で加熱と冷却を繰り返してもその性能特性を失うことなく耐える。 態様1の実施例10(BN+Si+Al+B) ケイ素粉末(比表面積:3〜5m2/g)5.5質量%、アルミニウム粉末(比表面積 :5〜10m2/g)16.6質量%、無定形ホウ素粉末(比表面積:3〜5m2/g)16 .6質量%、ターボストレイト型窒化ホウ素粉末60.2質量%およびゴムバイン ダー1質量%から成る成形用混合物を調製する。窒化ホウ素粉末は1500℃で 予め加熱処理する(酸素含有量:6〜7質量%)。この混合物を冷間半乾燥成形用 モールド内に充填し、0.5〜1トン/cm2の圧力下で圧縮することにより平行六 面体(7×7×70mm)を得る。 この成形体をモールド内から取り出して反応焼結用の粒状窒化ホウ素媒体中に 埋没させ、これを電気抵抗型真空炉内において窒素雰囲気中(0.05MPa)、最 終焼結温度が1600℃になる条件下で10時間焼成する。 得られた物品は高い電気抵抗を有する(約1010Ω・m)。X線による相間分析 および化学分析によれば、該物品は70%の六方晶構造を有する窒化ホウ素と2 5〜30%のシアロンを含み、B23の含有量は0.5質量%を越えない。また 、該物品の曲げ強さは30〜45MPaである。該物品は熱衝撃に対して安定で あり、不活性媒体中において20〜2000℃の温度範囲での加熱冷却サイクル に繰り返し付してもその性能特性を失わない。 態様1の実施例11(BN+B1012・2NH3) 1500℃で予め加熱処理した窒化ホウ素(酸素含有量:6〜7質量%)85質 量部を、デカボランジアミン(B1012・2NH3;デカボランB1012とアンモ ニアとの反応によって得られた精製処理に付さない生成物の5〜10%アセトニ トリル溶液)15質量部と混合する。60〜70℃において0.5〜1時間撹拌し た後、デカボランジアミン溶液の半分の量のベンゾールを混合物に添加する。1 0分間撹拌後、溶剤を真空下、100℃で蒸発除去する。デカボランジイミンを 添加した窒化ホウ素粉末をるつぼ内に入れ、電気抵抗型真空炉内においてアルゴ ンもしくはヘリウム雰囲気中、700℃で加熱する。得られた粉末をゴムバイン ダー1質量%とガソリン中で混合した後、該混合物を乾燥させる。得られた混合 物を冷間半乾燥成形用モールド内に充填し、0.5〜1トン/cm2の圧力下で圧縮 することによって平行六面体(7×7×70mm)を得る。 この成形体をモールド内から取り出し、反応焼結用の粒状窒化ホウ素媒体中に 埋没させ、これを電気抵抗型真空炉内において窒素雰囲気中(0.05MPa)、最 終焼結温度が1600℃になる条件下で10時間焼成する。 得られた物品は高い電気抵抗を有する(約1013Ω・m)。X線による相間分析 および化学分析によれば、該物品は純粋な六方晶構造を有する窒化ホウ素であり 、B23の含有量は0.5質量%を越えない。該物品の曲げ強さは30〜40M Paである。この物品は熱衝撃に対して安定であり、不活性媒体中において20 〜2000℃の温度範囲での加熱冷却サイクルに繰り返し付してもその性能特性 を失わない。 態様1の実施例12[BN+メタB10210(CH2OH)2] 1500℃で予め加熱処理した窒化ホウ素(酸素含有量:6〜7質量%)85質 量部を、メタカルボランジオール[メタB10210(CH2OH)2;10%ベンゾ ール溶液]15質量部と混合する。10分間撹拌後、溶剤を真空下、100℃で 蒸発除去する。メタカルボランジオールを添加した窒化ホウ素粉末をるつぼに入 れ、電気抵抗型真空炉内においてアルゴンもしくはヘリウム雰囲気中、900℃ で加熱する。得られた粉末をゴムバインダー1質量%とガソリン中で混合し、該 混合物を乾燥させる。得られた混合物を冷間半乾燥成形用モールド内に入れ、0 .5〜1トン/cm2の圧力下で圧縮することによって平行六面体(7×7×70mm) を得る。 この成形体をモールド内から取り出し、反応焼結用の粒状窒化ホウ素系媒体中 に埋没させ、これを電気抵抗型真空炉内において窒素雰囲気中(0.05MPa)、 最終焼結温度が1600℃になる条件下で10時間焼成する。 得られた物品は高い電気抵抗を有する(約1013Ω・m)。X線による相間分析 および化学分析によれば、該物品は純粋な六方晶構造を有する窒化ホウ素であり 、B23の含有量は0.5質量%を越えない。該物品の曲げ強さは30〜40M Paである。この物品は熱衝撃に対して安定であり、不活性媒体中において20 〜2000℃の温度範囲での加熱冷却サイクルに繰り返し付してもその性能特性 を失わない。 態様1の実施例13(BN+ポリカルボラノシラン) ポリカルボラノシランは−B10210−型のカルボランフラグメントが交互 に介在したシラン結合−Si−NH−Si−NH−を含む主鎖を有するポリマーを 意味する。 メタカルボランジオールB10210(CH2OH)21質量部を、オリゴメチル ヒドリドシラン(分子量:約800)2質量部を含む20%ベンゾール溶液に加え 、この混合物をガスが完全に蒸発除去されるまで撹拌する。得られたポリカルボ ラノシランの溶液を、予め1500℃で加熱処理した窒化ホウ素(酸素含有量:6 〜7質量%)20質量部と混合する。撹拌を10分間おこなった後、溶剤を真空 下、100℃で蒸発除去させる。ポリカルボラノシランを添加した窒化ホウ素粉 末を冷間半乾燥成形用モールド内に充填し、0.5〜1トン/cm2の圧力下で圧縮 することにより平行六面体(7×7×70mm)を得る。 この成形体をモールド内から取り出し、反応焼結用の粒状窒化ホウ素媒体中に 埋没させ、これを電気抵抗型真空炉内において窒素雰囲気中(0.05MPa)、最 終焼結温度が1600℃になる条件下で10時間焼成する。 得られた物品は高い電気抵抗を有する(1010Ω・m)。X線による相間分析お よび化学分析によれば、該物品は六方晶構造を有する窒化ホウ素であり(全体の 5%までは炭化物および窒化ケイ素である)、B23の含有量は0.5質量%であ る。該物品の曲げ強さは30〜40MPaである。この物品は熱衝撃に対して安 定であり、不活性媒体中において20〜2000℃の温度範囲での加熱冷却サイ クルに繰り返し付してもその性能特性は失わない。 態様2 態様1の実施例1で説明したように、窒化ホウ素セラミック製物品は焼成用B N「ミール(meal)」中に埋没させてもよい。この埋没により多くの技術的利点が得 られる。第一に、BNの高い熱伝導度により良好な加熱条件が維持されるので、 物品のバルク中の温度勾配が低くなる。第二に、商業用純度の窒素ガス中に含ま れる酸素、水分および他の不純物が該BNミールによって効果的に吸収されるの で、該セラミック製物品自体の酸化が防止される。さらに、重要なことは、該ミ ールは反応焼結中の該物品から放出される揮発性元素を吸収し得るものでなけれ ばならない。また、このような条件下での焼成によって該物品の強度と純度が改 善されるが、多孔度は影響を受けない。 窒化ホウ素の焼結過程は、個々のBN粒子内部からB23蒸気の形態の残留酸 素がその表面を経て物品の表面へ拡散する過程と直接関係する。セラミック製物 品からの酸化ホウ素の蒸発速度は比較的遅く、特に壁厚物品の場合は遅い。従っ て、セラミック製物品を該ミール中に埋没させて焼成することによって該残留酸 素の蒸発が促進されるということは非常に重要である。 窒化ホウ素の焼結に用いる純粋なBN「ミール」はB23蒸気の吸収に有効であ る。しかしながら、埋没用ミール内でのB23の吸着と脱着は可逆的であるので 、該ミールは正のB23蒸気圧を高め、これによってセラミック製物品からの酸 化ホウ素の脱着が抑制される。このため、B−O結合がB−N結合で置換される 還元性雰囲気を形成して高い純度と強度のために必要な残留B23の除去をもた らす第二の埋没用ミールを使用するのが有効である。 従って、予め反応焼結した窒化ホウ素セラミック製物品から酸化ホウ素を除去 した後、以下に説明する本発明による第二の態様により、第二の埋没用ミールを 使用する。粒子間の接触部分は残留酸素濃度が比較的高い領域であり、この領域 においてB−O結合がより強いB−N結合によって置換されるB23の還元反応 がかなりの程度までおこなわれてセラミック製物品の焼結と強化が促進される。 この焼結により、粉末の密度増加を伴うことなく、既に接触しているBN粒子間 の付着結合力が強化される。 これらの2種の「ミール」は併用できない。何故ならば、第一のミールの段階で 存在する元素状ホウ素が第二のミール中のいずれかの添加物と反応するからであ る。 本発明の第二の態様による還元雰囲気中での焼結過程は、実際的には、SiC もしくは他の耐火性の酸素不含ケイ素化合物(ROSC)から成る第二のミールま たはこれと他の粒状媒体との混合ミール中に埋没させた物品の焼成によっておこ なってもよい。窒化ホウ素「ミール」とROSC(SiO)粉末との混合物が好まし い。この埋没用混合物は高い熱伝導度と良好なガス透過性を有し、また、炉内の ガス雰囲気中の不純物から該物品の表面を付加的に保護する。 炭化ケイ素は1400℃よりも高温(即ち、SiOの安定温度域)で使用される 他のROSCと共に、この目的に使用するのに適した特別な還元剤である。この 還元反応は次式で表される(還元剤としてSiCを用いる場合): この場合、[SiCガス]は窒素雰囲気中のSiC表面上に均一に存在するガス相 を意味し、SiC蒸気だけでなく、その解離生成物(Si)および窒素との反応生成 物(C22、CN、…)を含有する。 SiCは強度増加のためには最良のROSCであるが、熱分解過程においてSi Cおよびその他のROSCを10質量%以上生成するケイ素化合物を含浸させた 窒化ホウ素「ミール」を用いて得られる埋没用混合物を用いてもよい。この種の化 合物を使用することにより、Siの局部的な欠損は防止される。また、この種の 化合物の分子量はほとんど問題とはならない。 この態様によりSiC(ROSC)またはその前駆体を含有する埋没用「ミール」 中での焼成は別々の技術的操作であり、反応焼結と同時におこなうことはできな い。この理由は先に指摘したように、Si含有蒸気が充填物中の未窒化ホウ素と 反応して望しくないホウ化ケイ素を生成するからである。ホウ化ケイ素は焼結条 件下では窒化されず、このような場合には、セラミックの強度が著しく低下し、 その誘電特性は不可逆的に損われる。 態様2の実施例1 態様1の実施例1によって得られた物品(反応焼結処理に付したもの)をSiC 粉末(粒径:5〜20μm)中に埋没させ、窒素雰囲気中、1700℃で2時間焼成 する。得られた物品の20℃における曲げ強さは50〜60MPaであり、この 値は1500℃まで同じレベルに維持される。該物品中のB23の含有量は0. 2〜0.3質量%である。また、この物品のその他の特性、例えば電気抵抗およ び熱衝撃に対する安定性等は該焼成処理前と同じレベルに維持される。 態様2の実施例2 態様1の実施例2にって得られた物品(反応焼結処理に付したもの)をオリゴメ チルヒドリドシラン5%溶液を含浸させた窒化ホウ素「ミール」中に埋没させ、窒 素雰囲気中、1700℃で2時間焼成する。オリゴメチルヒドリドシラン溶液に ついては以下の態様3においてさらに説明するが、この態様2においては広範囲 の該化合物溶液が使用できる。 得られた物品の曲げ強さは60〜70MPaであり、B23の含有量は0.2 〜0.3質量%である。 態様3 この態様により、十分に緻密な構造を有する複合セラミック材料を製造するこ とができる。 小板状の窒化ホウ素粉末を原料とする場合には、焼結を非常に高い温度でおこ なっても、高度の多孔性構造を有する等方性セラミックが得られる。このような セラミック材料の開放多孔度は35〜40容量%になり、強度は比較的低い値と なる。 焼結材料の特性を改善する最も有効な一つの方法は、該材料に有機元素化合物 を含浸させ、次いで有用な無機残渣が形成されるまで熱分解処理に付す方法であ る。セラミック材料に要求される特性や使用目的に応じて広範囲の含浸用化合物 が使用できるが、要求される無機残渣を含む元素を出来るだけ多く含有する化合 物が好ましく、例えば、Si−O−Si、Si−N−SiおよびSi−C結合を有す る有機ケイ素化合物(OSC)を用いてもよい。このような結合の存在に起因して 、この種の化合物の熱分解によってSiO2、Si34およびSiCが生成し、これ らの生成物が焼結材料の強化と耐酸化性を促進する。 焼結されたBNセラミックは高い多孔度を有するが、孔径は小さく、一般的な 有効径は1000〜1500Åである。従って、10〜12mmよりも厚い物品に 高分子量(MW=2000)OSCの溶液を十分に含浸させることは原則的には困 難である。タール状組成物中に高分子量成分が存在すると、含浸用溶液の粘度が 著しく高くなり、物品中への含浸が不均一となる。低分子フラグメントはセラミ ックの孔の中へ深く浸入するが、孔から容易に流出する。一方、高分子フラグメ ントは表面層に凝集する。 この態様により、分子量分布が小さくて酸素を含有しないオリゴマー(分子量: 約1000まで)であって、熱分解前に重合し、熱分解によって有用な残渣(例え ば、SiC、Si34)を少なくとも70%生成するオリゴマーを使用することに よって、得られるセラミック材料の不均質性を回避することができる。この種の 化合物としてはオリゴメチルヒドリドシラン(OMHS)が例示される。この化合 物の分子量は比較的小さく(600〜650)、該化合物には高分子成分が存在し ないので寸法の大きなBN製物品(壁厚が60mmまでの物品)の均一な含浸が可能 となり、また、その熱分解により十分に多量の無機残渣が生成する。1000〜 1400℃までの熱分解の場合(中間体SiCまたはSiCxNyが生成するとき)の 無機残渣は80〜85質量%以上であり、1600℃およびそれ以上の高温での 熱分解の場合(副生成物中の主成分がSiCのとき)の無機残渣は40〜45質量 %である。このような多量の無機残渣の生成は物品の高密度化と物品中でのガス の有害な内部発生の最小化にとって必要である。 1600℃よりも高温での熱処理において多量の無機残渣を生成する化合物と しては下記の組成を有するオリゴマーを主成分とする混合オリゴマーが例示され る: [CH2=CHSi(NH)1.5]3 [CH3HSi(NH)1.5]1 [(CH3)3Si(NH)0.5]3 [CH2=CHSI(NH)1.5]6 [CH3HSi(NH)1.5]2 [(CH3)3Si(Nh)0.5]4 該オリゴマーは一般的には下記の構造を有しており、平均分子量は約800で ある: この化合物は粘度が低く、比較的安定な特性を有する。この化合物の含浸は比 較的高い濃度の溶液、即ち、ペンタンやヘキサン等の低沸点炭化水素を溶媒とす る80〜90%溶液を用いておこなう。無機残渣の収率は高く(理論値に近い収 率)、1600℃以上での熱分解後の炭化ケイ素の生成量は50〜53質量%で ある。 この含浸過程を最大限におこなうためには、このオリゴマーまたは類似のオリ ゴマーと活性希釈剤との混合物を用いることができる。この混合物の主成分と共 重合し得る反応性オリゴマー(MW:300〜600)を活性希釈剤として使用す ることができる。例えば、この特別なオリゴマーは下記のオリゴメチルヒドリド シランオリゴマー25質量%と併用することができる: 式中、nは約5〜6の数を示す(MW:約450〜470)。 この種の混合物はセラミックの孔の中において100℃よりも高い温度におい て共重合し、得られるコポリマーは所望の無機残渣を高収率で生成する。(オリ ゴマーが物品中に含浸した後、該オリゴマーが熱分解過程中に孔から放出されず に残留するためには重合が必要である。) 同様に、次式で表される低分子量ポリカルボシランを同じ目的に使用して同じ 効果を得ることができる: 式中、nmであり、平均分子量は約400〜600である。 態様3の実施例1 態様1の実施例1によって製造した反応焼結物品(壁厚:50mm)を、オリゴメ チルヒドリドシラン(平均分子量:約650)80質量%をガソリンに溶解させた 溶液中に72時間浸漬する。この含浸処理に付した物品を100℃で乾燥させた 後、窒素雰囲気中、1400℃までゆっくりと昇温させる熱処理に付す。この熱 処理により、最初はオリゴメチルヒドリドシランが重合してその場に固定され、 次いで該重合体の熱分解で生成するほぼSiCの組成を有する耐火性残渣によっ て物品の壁部の孔が均一に充填される。熱処理の時間は物品の壁厚によって左右 され、中心部は1400℃で十分な時間維持されなければならない。この場合の 熱処理時間は1400℃での処理時間(4時間)を含めて48時間である。 得られた物品の曲げ強さは20℃で70〜90MPaであり、1500℃で8 0〜100MPaである。該物品の比容積電気抵抗は1013Ω・mであり、また、 該物品の1300℃における酸化能は態様1の実施例1で製造した材料の酸化能 よりも5倍低い。低酸化性媒体(即ち、ガス状のガソリン燃焼生成物)中で150 0〜2000℃の熱腐食条件下での該物品の耐用期間は純粋な窒化ホウ素の10 倍よりも長い。 態様3の実施例2 態様1の実施例2で製造した物品(壁厚が10mmまたは100mmのるつぼ)を、 前述の態様3に示したオリゴマー(平均分子量:約800)とオリゴメチルヒドリ ドシラン(平均分子量:約450)の3:1混合物を低沸点石油エーテル炭化水素混 合物に溶解した90%溶液中に48時間浸漬する。るつぼを100℃で乾燥した 後、窒素雰囲気中において1600℃まで30時間かけてゆっくりと加熱する[ この加熱時間には1600℃での保持時間(10時間)も含まれる]。得られたる つぼの曲げ強さは20℃で70〜90MPaであり、1500℃では80〜10 0MPaである。開放多孔度は態様1の実施例2で製造された材料に比べて45 〜50%低減する。このるつぼはアルミニウムをその沸点まで加熱処理する操作 に 10〜15回使用しても耐えるが、純粋な窒化ホウ素の耐用回数は2〜3回に過 ぎない。 しばしば要求されるわけではないが、態様3は態様1および2によって製造し た材料に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロマシン,アレクサンダー・ガヴリーロヴ ィア ロシア、エスユー−249020オブニンスク、 カルーガ・レギオン、ウーリツァ・ゴーリ キー78番 (72)発明者 ゴルチャコワ,ルディア・イワーノヴナ ロシア、エスユー−249020オブニンスク、 カルーガ・レギオン、ウーリツァ・マルク ス10番 アパートメント60 (72)発明者 クリコワ,ガリーナ・イワーノヴナ ロシア、エスユー−249020オブニンスク、 カルーガ・レギオン、ウーリツァ・エンゲ ルス1番 アパートメント202 (72)発明者 アレクセイエフ,ミハイル・キリーロヴィ ア ロシア、エスユー−249020オブニンスク、 カルーガ・レギオン、ウーリツァ・レーニ ン174番 アパートメント108

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.メソグラファイト型窒化ホウ素粉末および元素状ホウ素粉末以外の反応焼 結剤との混合物から窒化ホウ素セラミック製物品を製造する方法であって、該混 合物を該物品の形態に成形し、該成形混合物を加圧下で圧縮し、該圧縮混合物を 真空下または不活性ガスもしくは窒素雰囲気下において反応焼結させることを含 む該製造法において、(i)メソグラファイト型窒化ホウ素が化学的に結合した酸 素を5〜10質量%含有し、(ii)反応焼結剤を化学的に結合した酸素に対して少 なくとも化学量論的に当量使用して焼結条件下において存在するB、Nおよび/ またはOと化学的に反応させることによって耐火性化合物および許容される微量 の揮発性生成物を生成させることを特徴とする窒化ホウ素セラミック製物品の製 造法。 2.反応焼結剤がAl、SiまたはTiのような金属の粉末、および所望による ホウ素、またはこれらの水素化物もしくは有機化合物の粉末を含有する請求項1 記載の方法。 3.(i)化学的に結合した酸素を5〜10質量%含有するメソグラファイト型 窒化ホウ素粉末および化学的に結合した該酸素に対して少なくとも化学量論量の 元素状ホウ素との混合物を窒化ホウ素セラミック製物品の形態に成形し、(ii)該 成形体を加圧下で圧縮し、(iii)該圧縮成形体を真空下または窒素雰囲気下で反 応焼結させ、(iv)該焼結成形体に液状または溶液状(好ましくは酸素を含有しな い溶液状)の有機ケイ素化合物(MW<1000)を含浸させ、(v)該含浸成形体 を真空下または不活性ガス雰囲気下において600〜1700℃の熱処理に付す ことを含む窒化ホウ素セラミック製物品の製造法。 4.圧縮を流体圧によっておこなう請求項1から3いずれかに記載の方法。 5.(i)化学的に結合した酸素5〜10質量%含有するメソグラファイト型窒 化ホウ素粉末および化学的に結合した該酸素に対して少なくとも化学量論量の元 素状ホウ素との混合物を窒化ホウ素セラミック製物品の形態に成形し、(ii)該成 形体を流体圧によって圧縮し、(iii)該圧縮成形体を真空下または窒素雰囲気下 に おいて反応焼結させることを含む窒化ホウ素セラミック製物品の製造法。 6.反応焼結剤または元素状ホウ素粉末の含有量が混合物の質量に対して5〜 50質量%である請求項1から5いずれかに記載の方法。 7.焼結成形体に液状または溶液状(好ましくは酸素を含有しない溶液状)の有 機ケイ素化合物(MW<1000)を含浸させ、次いで該含浸成形体を真空下また は不活性ガス雰囲気下において600〜1700℃の熱処理に付す請求項1から 6いずれかに記載の方法(但し、請求項3を引用する請求項4を除く)。 8.流体圧による圧縮を50〜300MPaでおこなう請求項4、5、6また は請求項4を引用する請求項7記載の方法。 9.流体圧による圧縮を成形体を包囲する水圧液体中における爆発性衝撃波に よっておこなう請求項4、5、6、請求項4を引用する請求項7、または請求項 8記載の方法。 10.反応焼結を、圧力が少なくとも時々0.03MPaを越えることもある 窒素雰囲気下でおこなう請求項1から9いずれかに記載の方法。 11.元素状ホウ素または他の反応焼結剤が少なくとも10m2/gの比表面積 を有する粉末である請求項1から10いずれかに記載の方法。 12.元素状ホウ素が無定形である請求項11記載の方法。 13.元素状ホウ素の含有量が混合物の質量に対して5〜8質量%である請求 項2から12いずれかに記載の方法。 14.出発原料となる窒化ホウ素が、元素状ホウ素または他の反応焼結剤と混 合する前に1300〜1500℃で予備的熱処理に付して平衡化したターボスト レイト型窒化ホウ素である請求項1から13いずれかに記載の方法。 15.熱処理した窒化ホウ素が少なくとも100m2/gの比表面積を有する、 請求項14記載の方法。 16.反応焼結後、還元剤またはその前駆体を含有しかつ成形体の加熱時に発 生する揮発性酸化物を吸収し得る粒子状媒体(好ましくは耐火性粒子状媒体)中に 反応焼結した成形体を埋めて少なくとも1400℃に加熱する工程(この工程は 所望により繰り返してもよい)をさらに含む請求項1から15いずれかに記載の 方法。 17.還元剤が炭化ケイ素または酸素を含有しない耐火性のケイ素含有化合物 またはその前駆体である請求項16記載の方法。 18.ケイ素含有化合物またはその前駆体がSi、C、N、BおよびHから選 択される原子のみを含有する請求項17記載の方法。 19.粒子状媒体が耐火性の、好ましくは窒素ホウ素も含有する請求項16、 17または18記載の方法。 20.粒子状媒体が窒化ホウ素および耐火性の酸素を含有しないケイ素含有化 合物もしくはその前駆体である請求項19記載の方法。 21.有機ケイ素化合物が、1000〜1200℃での熱分解によって少なく とも70質量%の無機残渣を生成する有機ケイ素化合物である請求項3もしくは 7またはこれらの請求項を直接または間接的に引用するいずれかの請求項に記載 の方法。 22.有機ケイ素化合物が熱分解前に重合する化合物である請求項3、7また は21記載の方法。 23.有機ケイ素化合物がオリゴメチルヒドリドシランであるか、または該化 合物を含有する請求項3、7、21または22記載の方法。 24.その場で共重合可能なオリゴシランの混合物を使用する請求項23記載 の方法。 25.特定のまたは各々のオリゴシランが800を越えない分子量を有する化 合物である請求項22または23記載の方法。 26.請求項1から25いずれかに記載の方法によって製造されるセラミック 製物品。 27.形態がグロメット、るつぼまたは耐熱性部品、電気部品もしくは構造部 材である請求項26記載のセラミック製物品。 28.厚さが少なくとも20mmである請求項26または27記載のセラミック 製物品。
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